JPH0641556B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH0641556B2
JPH0641556B2 JP8614586A JP8614586A JPH0641556B2 JP H0641556 B2 JPH0641556 B2 JP H0641556B2 JP 8614586 A JP8614586 A JP 8614586A JP 8614586 A JP8614586 A JP 8614586A JP H0641556 B2 JPH0641556 B2 JP H0641556B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は耐衝撃性が極めてすぐれたポリアミド樹脂組成
物に関する。さらにくわしくは、ポリアミド樹脂とオレ
フィン、α、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステル
および二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体との
オレフィン系多元共重合体に不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体を処理させることによって得られる変性オレフ
ィン系重合体とからなるポリアミド樹脂組成物に関する
ものであり、耐衝撃性が極めてすぐれているポリアミド
樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
従来の技術 ポリアミド樹脂は、その物理的、化学的特性がすぐれて
いることにより、合成繊維、フイルム、各種成形材料な
どとして多方面にわたって広く利用されている。特に近
年、ポリアミド樹脂が有する耐摩耗性、耐熱性、機械的
特性、電気的特性などの特性を活かしてエンジニヤリン
グプラスチックとして種々の電子・電気部品、自動車部
品、機械部品などに広く利用されるようになっている。
しかしながら、ポリアミド樹脂は前記のごとき良好な特
性を有する反面、特に成形部品として使用する場合、耐
衝撃性の点で劣るため、従来からこの特性を改良する手
段が数多く提案されている。
すなわち、ポリアミド樹脂にオレフィンと第三級アルコ
ールのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
共重合体を配合させた組成物(特公昭46-26791号)、不
飽和の多価カルボン酸またはその誘導体をグラフトさせ
た変性ポリオレフィンを配合させた組成物(特開昭50-9
6442号、同52-151348号、同55-9661号、同55-9662号、
同55-165952号、同57-8296号、同57-78453号および同57
-200948号ならびに米国特許第3,484,403号など)、エチ
レンと不飽和カルボン酸アルキルエステル、不飽和カル
ボン酸またはその金属塩、不飽和エポキシドなどとの共
重合体を配合させた組成物(特開昭51-70254号、同51-1
06157号、同51-125451号、同51-143061号、同52-47051
号、同52-80352号など)ならびにエチレンとα−オレフ
ィン共重合体およびエチレン系アイオノマー樹脂を配合
させた組成物(特開昭58-23850号、同58-29854号など)
などで、前記の欠点である耐衝撃性が改良され、一般に
は耐衝撃ナイロンと呼ばれ、これらの組成物の一部は実
用に供されている。
しかし、最近これらの耐衝撃ナイロンがより苛酷な条件
下で使用されるようになってきており、前記の組成物で
は、その性能はかならずしも満足すべきものではないと
されている。そのため、成形材料としての市場が限定さ
れる場合もみられ、さらに耐衝撃性が高いポリアミドの
出現が要望されている。
発明が解決しようとする問題点 以上のことから、本発明は、ポリアミド樹脂が本来有す
るすぐれた諸特性をそこなうことなく、前記の組成物に
比べてさらにすぐれた耐衝撃性を有する組成物を得るこ
とである。
問題点を解決するための手段および作用 本発明にしたがえば、これらの問題点はポリアミド樹脂
および変性オレフィン系重合体からなる組成物であり、
これらの合計量中に占めるポリアミド樹脂の組成割合は
50〜95重量%(すなわち、変性オレフィン系重合体の組
成割合は50〜5重量%)であり、かつ変性オレフィン系
重合体としてアクリル酸アルキルエステルおよびメタク
リル酸アルキルエステルからなる群からえらばれた少な
くとも一種のα、β−エチレン型不飽和カルボン酸エス
テル0.1〜50重量%ならびに二塩基性不飽和カルボン酸
またはその誘導体0.05〜20重量%をモノマー単位として
含むオレフィン系多元共重合体に不飽和カルボン酸また
はその誘導体をラジカル開始剤の存在下で処理させるこ
とによって製造された変性物を用いることを特徴とする
ポリアミド樹脂組成物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A)ポリアミド樹脂 本発明において使われるポリアミド樹脂は、酸アミド結
合(−CONH−)を有する線状高分子化合物であり、大別
して二塩基酸とジアミンとを重縮合させることによって
得られるポリアミドおよび環状ラクタムヤアミン酸を自
己重縮合させることによって得られるポリアミドが知ら
れている。前者の代表例としては、ヘキサメチレンジア
ミンとアジピン酸との重縮合物(ナイロン6-6)、ヘキ
サメチレンジアミンとセバシン酸との重縮合物(ナイロ
ン6-10)、ヘキサメチレンジアミンとドデカン酸との重
縮合物(ナイロン6-12)、ヘキサメチレンジアミンとテ
レフタル酸との重縮合物(ナイロン6T)、キシリレンジ
アミンとアジピン酸との重縮合物(XD-6ナイロン)およ
びキシレンジアミンとセバチン酸との重縮合物(XD-10
ナイロン)があげられる。また、後者の代表例として
は、カプロラクタムの自己重縮合物(ナイロン6)、10
−アミンウンデカン酸の自己重縮合物(ナイロン11)お
よびラウリンラクタムの自己重縮合物(ナイロン12)が
あげられる。さらに、これらを主として構成成分とする
重縮合物および混合ポリアミド樹脂の重合度は特に限定
するものではないが、一般には相対粘度は2.0〜5.0であ
り、特に2.5〜4.5が好ましい。これらのポリアミド樹脂
は工業的に製造され、多方面にわたって利用されている
ものであり、それらの製造方法、種類、各種物性、成形
方法などは、村橋俊介、小田良平、井本稔編集“プラス
チックハンドブック”(朝倉書店、昭和59年発行)、第
521頁ないし第548頁などによってよく知られているもの
である。
(B)変性オレフィン系重合体 また、本発明において使用される変性オレフィン系重合
体は後記のα、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステ
ルならびに二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体
をモノマー単位として含むオレフィン系多元共重合体に
不飽和カルボン酸またはその誘導体をラジカル開始剤の
存在下で処理させることによって製造されるものであ
る。
(1)オレフィン系多元共重合体 本発明の該変性オレフィン系重合体を製造するために用
いられるオレフィン系多元共重合体はアクリル酸アルキ
ルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルからな
る群からえらばれた少なくとも一種のα、β−エチレン
型不飽和カルボン酸エステルならびに二塩基性不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体をモノマー単位として含むオ
レフィン系多元共重合体である。
α、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルのアルキ
ル基の炭素数は通常1〜10個(好ましくは、1〜8個)
であり、このα、β−エチレン型不飽和カルボン酸エス
テルのうち、アクリル酸アルキルエステルの代表例とし
ては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸−2エチルヘキシルなどがあげら
れる。また、メタクリル酸アルキルエステルの代表例と
しては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチルなどがあげられる。これらのα、β−
エチレン型不飽和カルボン酸エステルのうち、とりわけ
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ルおよびメタクリル酸メチルが好適である。さらに、二
塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体のうち、二塩
基性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも40個であ
り、35以下のものが好ましい。該二塩基性不飽和カルボ
ン酸の代表例としては、マレイン酸、イタコン酸、ナデ
ック酸およびフマル酸があげられる。また、二塩基性不
飽和カルボン酸の誘導体の代表例としては該二塩基性不
飽和酸の酸無水物、エステル、アミド化合物およびその
金属(金属としては、通常アルカリ金属ならびに周期律
表第IIAおよび第IIB族の金属、たとえばナトリウム、
マグネシウム、カルシウム、亜鉛)塩があげられる。こ
れらの二塩基性不飽和カルボン酸およびその誘導体の好
適なものとしては、マレイン酸、無水マレイン酸、ナデ
ック酸および無水ナデック酸があげられる。
さらに、オレフィンの炭素数は一般には多くとも12個で
あり、炭素数が8個以下のものが望ましい。望ましいオ
レフィンの代表例としては、エチレン、プロピレンおよ
びブテン−1があげられ、とりわけエチレンが最適であ
る。
この多元共重合体のオレフィンの組成割合は30〜99.85
重量%であり、特に40〜98.5重量%が好ましい。また、
α、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルの組成割
合は、0.1〜50重量%であり、とりわけ1.0〜50重量%が
望ましい。さらに、二塩基性不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体に組成割合はそれらの合計量として0.05〜20重
量%であり、特に0.5〜10重量%が好ましい。この多元
共重合体中のα、β−エチレン型不飽和カルボン酸エス
テルおよび二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体
の組成割合がそれぞれ下限未満では、得られる変性オレ
フィン系重合体の接着性がかならずしも満足すべきもの
ではない。一方、上限を越えると、この多元共重合体の
軟化点が高くなり、流動性が低下し、後記の不飽和カル
ボン酸またはその誘導体の変性(処理)を行なうことが
困難となるばかりでなく、経済的にも好ましくない。
この多元共重合体のメルトフローインデックス(JIS K7
210にしたがい、条件が4で測定、以下「MFR」と云う)
は通常0.01〜100g/10分であり、0.05〜100g/10分が
望ましく、とりわけ0.1〜50g/10分が好適である。MFR
が0.01g/10分未満の多元共重合体を用いると、加工性
がよくない。一方、100g/10分を越えると、成形性が
よくない。
この多元共重合体は一般的に良く知られているラジカル
高圧重合法、たとえば各単量体を高圧下(一般には、50
0〜2,500Kg/cm2)、高温(通常、120〜260℃)におい
て必要に応じて連鎖移動剤を使ってラジカル重合法で容
易に製造することができる。
(2)不飽和カルボン酸またはその誘導体 前記オレフィン系多元共重合体を処理(変性)させるた
めに使われる不飽和カルボン酸またはその誘導体として
は一塩基性不飽和カルボン酸および前記二塩基性不飽和
カルボン酸ならびにこれらの不飽和カルボン酸の金属
塩、アミド、イミド、エステルおよび無水物があげられ
る。これらのうち、一塩基性不飽和カルボン酸の炭素数
は通常多くとも30個であり、特に25個以下が好ましい。
一塩基性不飽和カルボン酸の代表例としては、アクリル
酸およびメタクリン酸があげられる。また、二塩基性不
飽和カルボン酸およびその誘導体の代表例としては、二
塩基性不飽和カルボン酸としてマレイン酸、フマル酸、
イタコン酸および5-ノルボルネン-2・3-ジカルボン酸、
その無水物として無水マレイン酸、5-ノルボルネン-2・3
-ジカルボン酸無水物およびテトラヒドロ無水フタル
酸、そのエステルとしてマレイン酸モノエチルまたはジ
エチルおよびグリシジルメタクリレート、さらにイミド
としてマレイミドがあげられる。これらの不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体のうち、二塩基性不飽和カルボン
酸の無水物が好適である。
(3)ラジカル開始剤 さらに、本発明の変性オレフィン系重合体を製造するた
めに用いられるラジカル開始剤の1分半減期の分解温度
は通常100℃以上であり、105℃以上のものが好ましく、
特に120℃以上のものが好適である。好適なラジカル開
始剤の代表例としては、ジクルミパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、ジー第三級−ブチルパーオキサ
イド、2,5-ジメチル−2,5-ジ(第三級−ブチル−パーオ
キシ)ヘキサン、2,5-ジメチル−2,5-ジ(第三級−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン−3、ラウロイルパーオキサイ
ド、第三級−ブチルパーオキシベンゾエートなどの有機
過酸化物があげられる。
(4)使用割合 前記オレフィン系多元共重合体100重量部に対する不飽
和カルボン酸およびその誘導体ならびにラジカル開始剤
の使用割合は通常下記の通りである。
不飽和カルボン酸およびその誘導体では、それらの合計
量として0.01〜5.0重量部であり、0.05〜3.0重量部が好
ましく、特に0.1〜2.0重量部が好適である。不飽和カル
ボン酸およびその誘導体の使用割合がそれらの合計量と
して0.01重量部未満では、得られる変性オレフィン系重
合体の接着性が不充分である。一方、5.0重量部を越え
ると、変性オレフィン系重合体を構造するさいに分解ま
たは架橋反応が併発する恐れがある。
また、ラジカル開始剤では、0.001〜1.0重量部であり、
0.01〜1.0重量部が望ましく、とりわけ0.01〜0.5重量部
である。ラジカル開始剤の使用割合が0.001重量部未満
では、変性効果の発揮が乏しく、変性を完全にするには
長時間を要するばかりでなく、未反応物が混在する結果
となる。一方、1.0重量部を越えるならば、過度の分解
または架橋反応を起こすために好ましくない。
(5)変性オレフィン系重合体の製造 本発明の変性オレフィン系重合体を製造するにはこの種
の変性オレフィン系重合体を製造する公知の手段によっ
て行なわれる。
代表的な製造方法としては、キシレン、トルエンなどの
芳香族炭化水素化合物、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪
族炭化水素化合物などの溶媒中で前記オレフィン系多元
共重合体、不飽和カルボン酸またはその誘導体およびラ
ジカル開始剤を加熱混合させて製造する方法ならびにこ
れらのオレフィン系多元共重合体、不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体およびラジカル開始剤をあらかじめ本質
的に反応しない条件で混合させ、得られる混合物をスク
リュー式押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの
一般に合成樹脂の分野において使われている混練機を使
用して溶融混合させることによる製造方法があげられる
が、操作法、経済性の点から後者の方法が好んで採用さ
れる。
後者の場合、変性の温度条件については、前記オレフィ
ン系多元共重合体の劣化、不飽和カルボン酸またはその
誘導体の分解、有機過酸化物の分解温度などを考慮して
適宜選定されるが、一般には100〜350℃であり、150〜3
50℃が望ましく、とりわけ150〜300℃が好適である。
(C)組成割合 本発明の組成物中に占める前記ポリアミド樹脂の組成割
合は50〜95重量%(すなわち、変性オレフィン系重合体
の組成割合は50〜5重量%)であり、55〜95重量%が望
ましく、殊に60〜90重量%が好適である。組成物中のポ
リアミド樹脂の組成割合が50重量%未満では、得られる
組成物の機械的強度の低下が著しく好ましくない。一
方、95重量%を越えると、耐衝撃性の改良効果が乏し
い。
(D)組成物の製造 本発明の組成物を製造するにあたり、合成樹脂の分野に
おいて一般に行なわれている方法を採用すればよい。混
合方法としては、ヘンシェルミキサーおよびタンブラー
のごとき混合機を使ってドライブレンドする方法ならび
にスクリュー式押出機、ニーダーおよびバンバリーミキ
サーのごとき混合機を用いて溶融状態で混練させる方法
がある。なお、これらの混合方法を二回以上実施するこ
とによって一層均一な組成物を得ることができる。
本発明の組成物を製造するにあたり、酸素、熱および光
(紫外線)に対する安定剤、難燃化剤、滑剤、各種充填
剤、補強剤、帯電防止剤、可塑剤ならびに着色剤(顔
料)のごとき各種の添加剤を配合させてもよい。とりわ
け、ガラス繊維またはカーボン繊維を本発明の組成物10
0重量部に対し多くとも60重量部、特に5〜55重量部混
入させることによって機械的強度、耐熱性および耐水性
を大幅に改善することができる。
この組成物を溶融混練および後記の成形にさいし、配合
されるポリアミド樹脂および変性オレフィン系重合体が
溶融するが、これらが熱によって劣化しない温度範囲で
実施しなければならない。これらのことから、一般には
150〜350℃であり、とりわけ180〜300℃が望ましい。
本発明の組成物は通常の熱可塑性樹脂の分野において実
施されている押出成形法、射出成形法、プレス成形法の
ごとき成形法によって種々の形状を有する成形物を製造
することができる。
実施例および比較例 以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例および比較例において、アイゾット衝撃強
度はASTM D-638にしたがい、1/8×1/2×2.5イン
チの試験片にノッチをつけ、温度が23℃および−30℃で
測定した。また、曲げ弾性率はASTM D-790にしたがい、
1/4インチ×1/2インチ×5インチの矩形試験片で
測定した。
実施例1〜10、比較例1〜6 アクリル酸エチルの共重合割合が6.0重量%および無水
マレイン酸の共重合割合が3.2重量%であるエチレン−
アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(MFR
7.1g/10分、以下「EEAH」と云う)それぞれ100重量部に
対し、ラジカル開始剤として2,5-ジメチル−2,5−ジ
(第三級−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.012重量部お
よび不飽和カルボン酸の誘導体として0.4重量部の無水
マレイン酸をあらかじめヘンシェルミキサーを使って5
分間ドライブレンドを行なって混合物を製造した。この
ようにして得られた各混合物をノンベント式押出機(径
40mm)を使用して220℃の温度において溶融させながら
混合押出を行ない、変性オレフィン系重合体〔以下「変
性物(A)」と云う〕を製造した。
このようにして製造された変性物(A)または未変性の
エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重
合体(EEAH)および相対粘度〔ηr〕が2.7であるヘキサ
メチレンジアミンとアジピン酸との重縮合物(ナイロン
6-6)を第1表にそれぞれの配合量が示される割合で270
℃の温度で二軸押出機(径30mmを)を使って溶融混練さ
せながら組成物を製造した。
前記の変性物(A)を製造するさいに使用したEEAHのか
わりに、メタクリル酸メチルの共重合割合が9.0重量%
であり、無水マレイン酸の共重合割合が2.5重量%であ
るエチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸三元
共重合体(MFR1.8g/10分)、メタクリル酸メチルの共
重合割合が12.0重量部であり、無水マレイン酸の共重合
割合が4.0重量%であるエチレン−メタクリル酸メチル
−無水マレイン酸三元共重合体(MFR8.7g/10分)およ
びアクリル酸エチルの共重合割合が23.4重量%であり、
無水マレイン酸の共重合割合が9.0重量%であるエチレ
ン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体を
使ったほかは、前記の変性物(A)の製造と全く同じ条
件でそれぞれを溶融押出を行ない、各変性物〔それぞれ
を以下「変性物(B)」、「変性物(C)」および「変
性物(D)」と云う〕を製造した。
このようにして得られた各変性物に前記ナイロン6-6ま
たは相対粘度が2.6であるポリカプロアミド(ナイロン
6)を第1表にそれぞれ配合量が示されている割合でナ
イロン6-6の場合では270℃、ナイロン6の場合では230
℃のの温度で前記と同様に溶融混練させながら各組成物
を製造した。
以上のようにして得られた各組成物ならびにナイロン6-
6およびナイロン6の23℃および−30℃におけるアイゾ
ット衝撃強度ならびに曲げ弾性率の測定を行なった。そ
れらの結果を第1表に示す。
発明の効果 本発明のポリアミド樹脂組成物に使われる変性オレフィ
ン系重合体は従来のゴム(たとえば、エチレンとプロピ
レンを主成分とする共重合ゴム)にグラフトさせたもの
に比べて比較的に容易に製造することができるのみなら
ず、常温における耐衝撃性も良好であり、しかも−30℃
のように苛酷な条件でも耐衝撃性がすぐれている。した
がって、本発明のポリアミド樹脂組成物は自動車部品、
電気機器部品、電子機器部、その他の工業部品の分野に
おいて将来有望であることは明らかである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド樹脂および変性オレフィン系重
    合体からなる組成物であり、これらの合計量中に占める
    ポリアミド樹脂の組成割合は50〜95重量%であり、かつ
    変性オレフィン系重合体としてアクリル酸アルキルエス
    テルおよびメタクリル酸アルキルエステルからなる群か
    らえらばれた少なくとも一種のα、β−エチレン型不飽
    和カルボン酸エステル0.1〜50重量%ならびに二塩基性
    不飽和カルボン酸またはその誘導体0.05〜20重量%をモ
    ノマー単位として含むオレフィン系多元共重合体に不飽
    和カルボン酸またはその誘導体をラジカル開始剤の存在
    下で処理させることによって製造された変性物を用いる
    ことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
JP8614586A 1986-04-16 1986-04-16 ポリアミド樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0641556B2 (ja)

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