JP2685295B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐衝撃性がすぐれたポリアミド樹脂を主成分
とするポリアミド樹脂組成物に関するものであり、特に
低温における耐衝撃性が極めてすぐれ、かつ良好な曲げ
弾性率(剛性)を有するポリアミド樹脂組成物を提供す
ることを目的とするものである。
〔従来の技術〕
ポリアミド樹脂は、その物理的、化学的特性がすぐれ
ていることにより、合成繊維、フィルム、各種成形材料
などとして多方面にわたって広く利用されている。特に
近年、ポリアミド樹脂が有する耐摩耗性、耐熱性、機械
的特性、電気的特性などの特性を活かしてエンジニヤリ
ングプラスチックとして種々の電子・電気部品、自動車
部品、機械部品などに広く利用されるようになってい
る。
しかしながら、ポリアミド樹脂は前記のごとき良好な
特性を有する反面、特に成形部品として使用する場合、
耐衝撃性の点で劣るため、従来からこの特性を改良する
手段が数多く提案されている。
すなわち、ポリアミド樹脂にオレフィンと第三級アル
コールのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ル共重合体を配合させた組成物(特公昭46−26791
号)、不飽和の多価カルボン酸またはその誘導体をグラ
フトさせた変性ポリオレフィンを配合させた組成物(特
開昭50−96442号、同52−151348号、同55−9661号、同5
5−9662号、同55−165952号、同57−8296号、同57−784
53号および同57−200948号ならびに米国特許第3,484,40
3号など)、エチレンと不飽和カルボン酸アルキルエス
テル、不飽和カルボン酸またはその金属塩、不飽和エポ
キシドなどとの共重合体を配合させた組成物(特開昭51
−70254号、同51−106157号、同51−125451号、同51−1
43061号、同52−47051号、同52−80352号など)ならび
にエチレンとα−オレフィン共重合体およびエチレン系
アイオノマー樹脂を配合させた組成物(特開昭58−2385
0号、同58−29854号など)などで、前記の欠点である耐
衝撃性が改良され、一般には耐衝撃ナイロンと呼ばれ、
これらの組成物の一部は実用に供されている。
しかしながら、最近これらの耐衝撃ナイロンがより苛
酷な条件下で使用されるようになってきており、低温に
おける耐衝撃性の点でさらに一段とすぐれた性能を有す
る材料が必要となっているとともに、併せて曲げ弾性率
(剛性)などの点でも良好であることも要求されてい
る。
ところで、不飽和カルボン酸誘導体として無水マレイ
ン酸などをグラフトしたエチレン−α−オレフィン系共
重合体(エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−
プロピレン−ジエン多元共重合ゴム)はポリアミド樹脂
の耐衝撃性を向上させるという点で著しい効果を有して
いるが、その反面曲げ弾性率などの機械的強度が大きく
低下してしまうことは一般的によく知られており、性能
バランス的にかならずしも満足すべきものではない。そ
のため、成形材料としての市場が限定される場合もみら
れ、特に低温における耐衝撃性が高く、しかも良好な弾
性率を有するポリアミドの出現が要望されている。
以上のことから、本発明者らは、ポリアミド樹脂が本
来有するすぐれた諸特性をそこなうことなく、前記の組
成物に比べてさらにすぐれた耐衝撃性を有し、かつ良好
な曲げ弾性率を有する組成物を得ることについて種々探
索した結果、ポリアミド樹脂にオレフィン系重合体を不
飽和カルボン酸またはその誘導体によって処理させるこ
とによって得られた変性オレフィン系重合体を配合させ
るさい、オレフィン系重合体としてα,β−エチレン型
不飽和カルボン酸エステルと二塩基性不飽和カルボン酸
またはその誘導体を共重合モノマーとするオレフィン系
多元共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体
および該オレフィン系多元共重合体ならびにこれらのエ
チレンとα−オレフィンとの共重合体およびオレフィン
系多元共重合体をあらかじめ混合された混合物を用いる
ことについて以前提案した(特開昭62−243646号、同63
−191857号、特開平1−38469号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、本発明者らが以前に提案を含めて、常
温における耐衝撃性はすぐれているが、低温における耐
衝撃性はかならずしも満足すべきものではない。
以上のことから、本発明は、ポリアミド樹脂が本来有
するすぐれた諸特性をそこなうことなく、常温における
耐衝撃性および曲げ弾性率が以前に提案した発明とほぼ
同等であるか、より改善され、特に低温における耐衝撃
性が著しくすぐれたポリアミド樹脂組成物を得ることを
目的とするものである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明にしたがえば、これらの課題は、 ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との縮重合体お
よび相対粘度が2.2以上であるラウリンラクタムの開環
重合体からなるポリアミド樹脂ならびに少なくとも二種
の変性オレフィン系重合体からなる組成物であり、変性
オレフィン系重合体組成物として(I)α,β−エチレ
ン型不飽和カルボン酸エステルの共重合割合が0.1〜50
重量%であり、かつ二塩基性不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体の共重合割合が0.05〜20重量%であるオレフィ
ン系多元共重合体ならびに(II)少なくともエチレンと
炭素数が3個以上であるα−オレフィンとの共重合体を
いずれもラジカル開始剤の存在下で不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体によって処理させることによって得られ
るものであり、組成物中に占めるポリアミド樹脂の組成
割合は50〜90重量%であり、全ポリアミド樹脂中のラウ
リンラクタムの開環重合体の組成割合は5.0〜90重量%
であり、かつ変性オレフィン系重合体の合計量中に占め
るいずれかの変性オレフィン系重合体の組成割合は1〜
99重量%であるポリアミド樹脂組成物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A) ポリアミド樹脂 本発明において使われるポリアミド樹脂はヘキサメチ
レンジアミンとアジピン酸との縮重合体(ナイロン 6
−6、ポリヘキサメチレンアジパミド)およびラウリン
ラクタムの開環重合体(ナイロン 12)からなる。これ
らのポリアミド樹脂のうち、ラウリンラクタムの開環重
合体の相対粘度(JIS K6810に準じて98%濃硫酸を用い
て測定)は2.2以上であり、2.3以上が好適である。ε−
カプロラクタムの相対粘度が2.2未満では、低温(たと
えば、−30℃)における、耐衝撃性がよくない。
これらのポリアミド樹脂は工業的に製造され、多方面
にわたって利用されているものであり、それらの製造方
法、種類、各種物性、成形方法などは、村橋俊介、小田
良平、井本稔編集“プラスチックハンドブック”(朝倉
書店、昭和59年発行)、第521頁ないし第548頁などによ
ってよく知られているものである。
(B) 変性オレフィン系重合体 また、本発明において使用される変性オレフィン系重
合体は後記のα,β−エチレン型不飽和カルボン酸エス
テルおよび二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体
をモノマー単位として含むオレフィン系多元共重合体な
らびにエチレンとα−オレフィンとのエチレン系共重合
体のそれぞれに不飽和カルボン酸またはその誘導体をラ
ジカル開始剤の存在下で処理させることによって得られ
るものである。
(1) オレフィン系多元共重合体 本発明の該変性オレフィン系重合体を製造するために
用いられるオレフィン系多元共重合体はアクリル酸アル
キルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルから
なる群からえらばれた少なくとも一種のα,β−エチレ
ン型不飽和カルボン酸エステルならびに二塩基性不飽和
カルボン酸またはその誘導体をモノマー単位として含む
オレフィン系多元共重合体である。
α,β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルのアル
キル基の炭素数は通常1〜10個(好ましくは、1〜8
個)であり、このα,β−エチレン型不飽和カルボン酸
エステルのうち、アクリル酸アルキルエステルの代表例
としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸−2エチルヘキシルなどがあ
げられる。また、メタクリル酸アルキルエステルの代表
例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチルなどがあげられる。これらの
α,β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルのうち、
とりわけアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルが好適である。さ
らに、二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体のう
ち、二塩基性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも
40個であり、35以下のものが好ましい。該二塩基性不飽
和カルボン酸の代表例としては、マレイン酸、イタコン
酸、3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ−シ
ス−フタル酸(ナディック酸)およびフマル酸があげら
れる。また、二塩基性不飽和カルボン酸の誘導体の代表
例としては該二塩基性不飽和酸の酸無水物、エステル、
アミド化合物およびその金属(金属としては、通常アル
カリ金属ならびに周期律表第II Aおよび第II B族の金
属、たとえばナトリウム、マグネシウム、カルシウム、
亜鉛)塩があげられる。これらの二塩基性不飽和カルボ
ン酸およびその誘導体の好適なものとしては、マレイン
酸、無水マレイン酸、ナディック酸および無水ナディッ
ク酸があげられ、経済的な観点から、無水マレイン酸が
好適である。
さらに、オレフィンの炭素数は一般には多くとも12個
であり、炭素数が8個以下のものが望ましい。望ましい
オレフィンの代表例としては、エチレン、プロピレンお
よびブテン−1があげられ、とりわけエチレンが最適で
ある。
この多元共重合体のオレフィンの共重合割合は30〜9
9.85重量%であり、特に40〜98.5重量%が好ましい。ま
た、α、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルの共
重合割合は、0.1〜50重量%であり、とりわけ、1.0〜50
重量%が望ましい。さらに、二塩基性不飽和カルボン酸
またはその誘導体の共重合割合はそれらの合計量として
0.05〜20重量%であり、特に0.5〜10重量%が好まし
い。この多元共重合体中のα,β−エチレン型不飽和カ
ルボン酸エステルおよび二塩基性不飽和カルボン酸また
はその誘導体の共重合割合がそれぞれ下限未満では、得
られる組成物の耐衝撃性がかならずしも満足すべきもの
ではない。一方、上限を越えると、この多元共重合体の
軟化点が高くなり、流動性が低下し、後記の不飽和カル
ボン酸またはその誘導体の変性(処理)を行なうことが
困難となるばかりでなく、経済的にも好ましくない。
この多元共重合体のメルトフローインデックス〔JIS
K 7210にしたがい、条件が4で測定、以下「M.I.」と云
う〕は通常0.01〜100g/10分であり、0.05〜100g/10分が
望ましく、とりわけ0.1〜50g/10分が好適である。M.I.
が0.01g/10分未満の多元共重合体を用いると、加工性が
よくない。一方、100g/10分を超えると、成形性がよく
ない。
この多元共重合体は一般的に良く知られているラジカ
ル高圧重合法、たとえば各単量体を高圧下(一般には、
500〜2,500kg/cm2)、高温(通常、120〜260℃)におい
て必要に応じて連鎖移動剤を使ってラジカル重合法で容
易に製造することができる。
(2) エチレン系共重合体 また、本発明の変性オレフィン系共重合体組成物の製
造に使われるエチレン系共重合体はエチレンと炭素数が
3個以上であるα−オレフィンとの共重合体であり、た
とえばチーグラー・ナッタ触媒、なかでもオキシ三塩化
バナジウム、四塩化バナジウムのようなバナジウム化合
物と有機アルミニウム化合物などからなる触媒を用い、
モルでエチレンが50%以上とα−オレフィンが50%以
下、好ましくはエチレン75〜95%とα−オレフィンを25
〜5%とを共重合させることによって得られる。また、
このエチレンとα−オレフィンとのモル比でさらに後記
の第三成分を5%以下共重合させることによって得られ
る多元共重合体も使用することができる。
α−オレフィンの炭素数は通常12個以下であり、その
代表例として、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、デセン1および4−メチルペンテン−1があげら
れ、なかでもプロピレンおよびブテン−1が望ましく、
とりわけプロピレンが好適である。また、第三成分とし
ては、1,4−ペンダジエン、1,5−ヘキサジエンおよび3,
3−ジメチル1,5−ヘキサジエンのごとき2個の二重結合
を末端に含有する直鎖もしくは分岐鎖のジオレフィン、
1,4−ヘキサジエンおよび6−メチル−1,5−ヘプタジエ
ンのごとき二重結合を一つだけ末端に含む直鎖もしくは
分岐鎖ジオレフィンまたはピシクロ〔2,2,1〕−ヘプテ
ン−2(ノルボルネン)およびその誘導体(たとえば、
エチリデンノルボルネン、メチレンノルボルネン、ビニ
ルノルボルネン)のごとき環状ジエン炭化水素のような
二重結合を有するものがあげられる。
このエチレン系共重合体のM.I.は通常0.005〜10.0g/1
0分であり、0.01〜5.0g/10分が望ましく、とりわけ0.05
〜5.0g/10分が好適である。
(3) 不飽和カルボン酸またはその誘導体 前記オレフィン系多元共重合体およびエチレン系共重
合体のそれぞれを処理(変性)させるために使われる不
飽和カルボン酸またはその誘導体としては一塩基性不飽
和カルボン酸および前記二塩基性不飽和カルボン酸なら
びにこれらの不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミ
ド、エステルおよび無水物があげられる。これらのう
ち、一塩基性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも
30個であり、特に25個以下が好ましい。一塩基性不飽和
カルボン酸の代表例としては、アクリル酸、メタクリル
酸およびクロトン酸があげられる。また、二塩基性不飽
和カルボン酸およびその誘導体の代表例としては、二塩
基性不飽和カルボン酸としてマレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸およびナディック酸、その無水物として無水マ
レイン酸、ナディック酸無水物およびテトラヒドロ無水
フタル酸、そのエステルとしてマレイン酸モノエチルま
たはジエチルおよびグリシジルメタクリレート、さらに
イミドとしてマレイミドがあげられる。これらの不飽和
カルボン酸またはその誘導体のうち、二塩基性不飽和カ
ルボン酸の無水物が好ましく、特に無水マレイン酸が好
適である。
(4) ラジカル開始剤 さらに、本発明の変性オレフィン系重合体を製造する
ために用いられるラジカル開始剤の1分半減期の分解温
度は通常100℃以上であり、105℃以上のものが好まし
く、特に120℃以上のものが好適である。好適なラジカ
ル開始剤の代表例としては、ジクミルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、ジ−第三級−ブチルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三級−ブチル−
パーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三
級−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ラウロイルパー
オキサイド、第三級−ブチルパーオキシベンゾエートな
どの有機過酸化物があげられる。
(5) 使用割合 前記オレフィン系多元共重合体およびエチレン系共重
合体のそれぞれの重合体100重量部に対する不飽和カル
ボン酸およびその誘導体ならびにラジカル開始剤の使用
割合は通常下記の通りである。
不飽和カルボン酸およびその誘導体では、それらの合
計量として0.01〜5.0重量部であり、0.05〜3.0重量部が
好ましく、特に0.1〜2.0重量部が好適である。不飽和カ
ルボン酸およびその誘導体の使用割合がそれらの合計量
として0.01重量部未満では、得られる変性オレフィン系
重合体の接着性が不充分である。一方、5.0重量部を超
えると、変性オレフィン系重合体を製造するさいに分解
または架橋反応が併発する恐れがある。
また、ラジカル開始剤では、0.001〜1.0重量部であ
り、0.005〜1.0重量部が望ましく、とりわけ0.005〜0.5
重量部である。ラジカル開始剤の使用割合が0.001重量
部未満では、変性効果の発揮が乏しく、変性を完全にす
るには長時間を要するばかりでなく、未反応物が混在す
る結果となる。一方、1.0重量部を超えるならば、過度
の分解または架橋反応を起こすために好ましくない。
(6) 変性オレフィン系重合体の製造 本発明の変性オレフィン系多元共重合体および変性エ
チレン系共重合体を製造するにはこの種の変性オレフィ
ン系重合体を製造する公知の手段によって行なわれる。
代表的な製造方法としては、キシレン、トルエンなど
の芳香族炭化水素化合物、ヘキサン、ヘプタンなどの脂
肪族炭化水素化合物などの溶媒中で前記のオレフィン系
多元共重合体およびエチレン系共重合体のそれぞれに不
飽和カルボン酸またはその誘導体およびラジカル開始剤
を加熱混合させて製造する方法ならびにこれらのオレフ
ィン系多元共重合体およびエチレン系共重合体のそれぞ
れに不飽和カルボン酸またはその誘導体およびラジカル
開始剤をあらかじめ本質的に反応しない条件で混合さ
せ、得られる混合物をスクリュー式押出機、バンバリー
ミキサー、ニーダーなどの一般の合成樹脂の分野におい
て使われている混練機を使用して溶融混合させることに
よる製造方法があげられるが、操作法、経済性の点から
後者の方法が好んで採用される。
後者の場合、変性の温度条件については、いずれの場
合でも前記オレフィン系多元共重合体またはエチレン系
共重合体の劣化、不飽和カルボン酸またはその誘導体の
分解、有機過酸化物の分解温度などを考慮して適宜選定
されるが、一般には100〜350℃であり、150〜350℃が望
ましく、とりわけ150〜300℃が好適である。
本発明の変性オレフィン系重合体は前記のオレフィン
系多元共重合体およびエチレン系重合体を別々にラジカ
ル開始剤の存在下で不飽和カルボン酸またはその誘導体
を処理させ、得られた各変性オレフィン系重合体をあら
かじめあるいは本発明の組成物を製造するさいに後記の
方法で混合してもよい。また、オレフィン系多元共重合
体およびエチレン系共重合体からなる混合物をラジカル
開始剤の存在下で不飽和カルボン酸またはその誘導体を
処理させて製造してもよい。
(C) 組成割合 本発明の組成物中に占める前記ポリアミド樹脂の組成
割合はそれらの合計量として50〜95重量%(すなわち、
変性オレフィン系重合体組成物の組成割合はそれらの合
計量として、50〜5重量%)であり、55〜95重量%が望
ましく、殊に60〜90重量%が好適である。組成物中のポ
リアミド樹脂の組成割合が50重量%未満では、得られる
組成物の機械的強度の低下が著しく好ましくない。一
方、95重量%を超えると、耐衝撃性の改良効果が乏し
い。
また、全ポリアミド樹脂中のラウリンラクタムの開環
重合体の組成割合は5.0〜90重量%であり、10〜80重量
%が好ましく、特に15〜75重量%が好適である。全ポリ
アミド樹脂中のラウリンラクタムの開環重合体の組成割
合が5.0重量%未満では、得られる組成物の低温におけ
る耐衝撃性が充分とは云えない。一方、90重量%を超え
ると、組成物の他の機械的特性がよくない。
さらに、変性オレフィン系重合体の合計量中に占める
いずれかの変性オレフィン系重合体の組成割合は1〜99
重量%であり、5〜95重量%が望ましく、とりわけ5〜
90重量%が好適である。変性オレフィン系重合体の合計
量中に占めるいずれかの変性オレフィン系重合体の組成
割合が1重量%未満では、均一な組成物を得ることが難
しい上に、得られる組成物の剛性(曲げ弾性率)が不充
分である。一方、99重量%を超えると、得られる組成物
の耐衝撃性が満足すべきものとは云えない。
(D) 組成物の成形方法、成形方法など 本発明の組成物を製造するにあたり、各組成成分を組
成物を製造するさいに同時に混合してもよく、組成成分
の一部をあらかじめ混合し、最終的に前記の組成割合に
なるように全組成成分を混合してもよい。さらに、全ポ
リアミド樹脂および全変性オレフィン系重合体をそれぞ
れ別々に混合し、得られる各混合物を前記の組成割合に
なるように混合してもよい。
本発明の組成物を製造するにあたり、合成樹脂の分野
において一般に行なわれている方法を採用すればよい。
混合方法としては、ヘンシェルミキサー、タンブラーお
よびリボンブレンダーのごとき混合機を使ってドライブ
レンドした樹脂混合物をスクリュー式押出機、ニーダー
およびバンバリーミキサーのごとき混練機を用いて溶融
状態で混練させる方法、定量フィダーを少なくとも2個
装備したスクリュー式押出機を用い、一方のフィダーか
らポリアミド樹脂を、また他方のフィダーから変性オレ
フィン系重合体をそれぞれ所定量供給しながら該押出機
で混練させる方法などがあげられる。なお、これらの混
合方法を二回以上実施することによって一層均一な組成
物を得ることができる。
本発明の組成物を製造するさい、または前記の各混合
物を製造するにあたり、本発明の組成物が有する性能を
本質的に損わない範囲でオレフィン系重合体およびポリ
アミド樹脂の分野で一般に使われている酸素、熱および
光(紫外線)に対する安定剤、難燃化剤、滑剤、可塑
剤、帯電防止剤、補強剤、着色剤(顔料など)ならびに
その他の添加剤のごとき添加剤を添加(配合)させても
よい。
本発明の組成物を製造するにあたり、前記の添加剤を
本発明のポリアミド樹脂組成物の性能を損わない範囲で
配合させることができる。
この組成物を溶融混練によって製造するさい、および
後記の成形するさい、配合されるポリアミド樹脂および
変性オレフィン系重合体組成物が溶融するが、これらが
熱によって劣化しない温度範囲で実施しなければならな
い。これらのことから、一般には150〜350℃であり、と
りわけ200〜320℃が望ましい。
本発明の組成物は通常の熱可塑性樹脂の分野において
実施されている押出成形法、射出成形法、プレス成形法
のごとき成形法によって種々の形状を有する成形物を製
造することができる。
〔実施例および比較例〕
以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例および比較例において、アイゾット衝撃
強度はASTM D−638にしたがい、1/8インチ×1/2インチ
×2.5インチの試験片にノッチをつけ、温度が23℃およ
び−30℃で測定した。また、曲げ弾性率はASTM D−790
にしたがい、1/4インチ×1/2インチ×5インチの矩形試
験片で測定した。
実施例および比較例において、変性オレフィン系重合
体組成物はあらかじめ下記のようにして製造したものを
使った。
メチルメタクリレートの共重合割合が7.6重量%であ
り、かつ無水マレイン酸の共重合割合が3.0重量%であ
り、しかもM.I.が4.1g/10分であるエチレン−メチルメ
タクリレート−無水マレイン酸三元共重合体〔以下「重
合体(1)」と云う〕100重量部、0.011重量部の2,5−
ジメチル−2,5−ジ(第三級−ブチル−パーオキシ)ヘ
キサンおよび0.375重量部の無水マレイン酸をヘンシェ
ルミキサーに添加し、5分間ドライブレンドを行なっ
た。
得られた混合物をフルフライト型スクリューを装備し
たノンベント式押出機(径40mm)に供給し、220〜240℃
の温度範囲で溶融させながら混練反応を行ない、変性オ
レフィン系重合体〔以下「変性重合体(A)」と云う〕
を製造した。得られた変性重合体(A)を赤外吸収スペ
クトル法によって測定したところ、反応した無水マレイ
ン酸の量は0.34重量%であった。
前記重合体(1)のかわりに、プロピレンの共重合割
合が26.5重量%であり、M.I.が0.38g/10分であり、かつ
X線回折法で測定した結晶化度が0.85%であるエチレン
−プロピレン共重合体〔以下「重合体(2)」と云う〕
を用いたほかは、変性重合体(A)の製造の場合と同様
にドライブレンドおよび混練反応を行ない、変性オレフ
ィン系重合体〔以下「変性重合体(B)」と云う〕を製
造した。得られた変性重合体(B)の反応した無水マレ
イン酸の量は0.33重量%であった。
このようにして得られた変性重合体(A)および変性
重合体(B)のそれぞれの配合量が第1表に示される割
合でタンブラーを使ってそれぞれ30分間均一にドライブ
レンドを行ない、各混合物を製造した。このようにして
得られた各混合物をダルメージ型スクリューを装備した
ノンベント式押出機(径40mm)を用いて210℃の温度に
おいて溶融しながら混練を行ない、ペレット状の変性オ
レフィン系重合体組成物(略称を第1表に示す)を製造
した。
また、ポリアミド樹脂として、相対粘度が2.7である
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との縮重合体〔以
下「PA(I)と云う〕および相対粘度が2.5であるラウ
リンラクタムの開環重合体〔以下「PA(II)」と云う〕
または相対粘度が2.1であるラウリンラクタムの開環重
合体〔以下「PA(III)」と云う〕を第2表に示されて
いる混合量でヘンシェルミキサーを用いて5分間ドライ
ブレンドすることによって得られた混合物を用いた。
実施例1〜9,比較例1〜7 前記のようにして得られた「変性オレフィン系重合体
組成物、変性オレフィン系重合体または各変性オレフィ
ン系重合体を製造するために使用した重合体(1)もし
くは重合体(2)」〔以下「組成成分(I)」と云う〕
とポリアミド樹脂〔以下「組成成分(II)」と云う〕を
第3表に配合量が示される混合割合であらかじめタンブ
ラーを使ってドライブレンドを行なった。得られた各混
合物を二軸押出機(径30mm)を用いて280℃の温度で溶
融しながら混練を行ない、ペレット状の各ポリアミド樹
脂組成物を製造した。
このようにして得られた各ポリアミド樹脂組成物を射
出成形機を使用して性能評価用の試験片を作成し、アイ
ゾット衝撃強度(23℃、−30℃)および曲げ弾性率の判
定を行なった。それらの結果を第3表に示す。
〔発明の効果〕 本発明のポリアミド樹脂組成物は、常温における耐衝
撃性も良好であり、しかも−30℃のように苛酷な条件で
も耐衝撃性が極めてすぐれている。さらに、剛性(曲げ
弾性率)も良好である。したがって、本発明のポリアミ
ド樹脂組成物は自動車部品、電気機器部品、電子機器部
品、その他の工業部品の分野において将来有望であるこ
とは明らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との
    縮重合体および相対粘度が2.2以上であるラウリンラク
    タムの開環重合体からなるポリアミド樹脂ならびに少な
    くとも二種の変性オレフィン系重合体からなる組成物で
    あり、変性オレフィン系重合体組成物として(I)α,
    β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルの共重合割合
    が0.1〜50重量%であり、かつ二塩基性不飽和カルボン
    酸またはその誘導体の共重合割合が0.05〜20重量%であ
    るオレフィン系多元共重合体ならびに(II)少なくとも
    エチレンと炭素数が3個以上であるα−オレフィンとの
    共重合体をいずれもラジカル開始剤の存在下で不飽和カ
    ルボン酸またはその誘導体によって処理されることによ
    って得られるものであり、組成物中に占めるポリアミド
    樹脂の組成割合は50〜95重量%であり、全ポリアミド樹
    脂中のラウリンラクタムの開環重合体の組成割合は5.0
    〜90重量%であり、かつ変性オレフィン系重合体の合計
    量中に占めるいずれかの変性オレフィン系重合体の組成
    割合は1〜99重量%であるポリアミド樹脂組成物。
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