JPH05286097A - 樹脂成形物 - Google Patents
樹脂成形物Info
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- JPH05286097A JPH05286097A JP9663792A JP9663792A JPH05286097A JP H05286097 A JPH05286097 A JP H05286097A JP 9663792 A JP9663792 A JP 9663792A JP 9663792 A JP9663792 A JP 9663792A JP H05286097 A JPH05286097 A JP H05286097A
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- Japan
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- resin
- surface layer
- composition
- core material
- polyamide resin
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 表面層はポリアミド樹脂、変性オレフィン系
重合体の組成物からなり、芯材はポリアミド樹脂あるい
はポリアミド樹脂と無機充填材との組成物からなってい
る。 【効果】 表面層に耐寒衝撃性が極めて高い耐衝撃ポリ
アミド樹脂組成物を使用し、芯材として剛性の高いポリ
アミドを使用したサンドイッチ樹脂成形物は、耐寒衝撃
性と剛性が極めて優れており、ポリアミド系複合材単層
の成形物では得ることのできない物性バランスが得られ
る。
重合体の組成物からなり、芯材はポリアミド樹脂あるい
はポリアミド樹脂と無機充填材との組成物からなってい
る。 【効果】 表面層に耐寒衝撃性が極めて高い耐衝撃ポリ
アミド樹脂組成物を使用し、芯材として剛性の高いポリ
アミドを使用したサンドイッチ樹脂成形物は、耐寒衝撃
性と剛性が極めて優れており、ポリアミド系複合材単層
の成形物では得ることのできない物性バランスが得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芯材とその全面を実質的
に被覆している表面層とからなる樹脂成形物に関する。
さらにくわしくは、芯材とその全面を実質的に被覆して
いる表面層とからなり、耐衝撃性および耐寒衝撃性が極
めてすぐれているばかりでなく、剛性も良好であり、か
つ耐熱性がすぐれ、しかも芯材と表面層との接着性が良
好であるサンドイッチ構造を有する樹脂成形物に関す
る。
に被覆している表面層とからなる樹脂成形物に関する。
さらにくわしくは、芯材とその全面を実質的に被覆して
いる表面層とからなり、耐衝撃性および耐寒衝撃性が極
めてすぐれているばかりでなく、剛性も良好であり、か
つ耐熱性がすぐれ、しかも芯材と表面層との接着性が良
好であるサンドイッチ構造を有する樹脂成形物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、その物理的、化学的
特性がすぐれていることにより、合成繊維、フィルム、
各種成形材料などとして多方面にわたって広く利用され
ている。特に近年、ポリアミド樹脂が有する耐摩耗性、
耐熱性、機械的特性、電気的特性などの特性を活かして
エンジニアリングプラスチックとして種々の電子・電気
部品、自動車部品、機械部品などに広く利用されるよう
になっている。
特性がすぐれていることにより、合成繊維、フィルム、
各種成形材料などとして多方面にわたって広く利用され
ている。特に近年、ポリアミド樹脂が有する耐摩耗性、
耐熱性、機械的特性、電気的特性などの特性を活かして
エンジニアリングプラスチックとして種々の電子・電気
部品、自動車部品、機械部品などに広く利用されるよう
になっている。
【0003】しかしながら、ポリアミド樹脂は前記のご
とき良好な特性を有する反面、特に成形部品として使用
する場合、耐衝撃性の点で劣るため、従来からこの特性
を改良する手段が数多く提案されている。すなわち、ポ
リアミド樹脂にオレフィンと第三級アルコールのアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステル共重合体を配
合させた組成物(特公昭46−26791号)、不飽和
の多価カルボン酸またはその誘導体をグラフトさせた変
性ポリオレフィンを配合させた組成物(特開昭50−9
6442号、同52−151348号、同55−966
1号、同55−9662号、同55−165952号、
同57−8296号、同57−78453号および同5
7−200948号ならびに米国特許第3,484,4
03号など)、エチレンと不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル、不飽和カルボン酸またはその金属塩、不飽和エ
ポキシドなどとの共重合体を配合させた組成物(特開昭
51−70254号、同51−106157号、同51
−125451号、同51−143061号、同52−
47051号、同52−80352号など)ならびにエ
チレンとα−オレフィン共重合体およびエチレン系アイ
オノマー樹脂を配合させた組成物(特開昭58−238
50号、同58−29854号など)などで、前記の欠
点である耐衝撃性が改良され、一般には耐衝撃ナイロン
と呼ばれ、これらの組成物の一部は実用に供されてい
る。
とき良好な特性を有する反面、特に成形部品として使用
する場合、耐衝撃性の点で劣るため、従来からこの特性
を改良する手段が数多く提案されている。すなわち、ポ
リアミド樹脂にオレフィンと第三級アルコールのアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステル共重合体を配
合させた組成物(特公昭46−26791号)、不飽和
の多価カルボン酸またはその誘導体をグラフトさせた変
性ポリオレフィンを配合させた組成物(特開昭50−9
6442号、同52−151348号、同55−966
1号、同55−9662号、同55−165952号、
同57−8296号、同57−78453号および同5
7−200948号ならびに米国特許第3,484,4
03号など)、エチレンと不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル、不飽和カルボン酸またはその金属塩、不飽和エ
ポキシドなどとの共重合体を配合させた組成物(特開昭
51−70254号、同51−106157号、同51
−125451号、同51−143061号、同52−
47051号、同52−80352号など)ならびにエ
チレンとα−オレフィン共重合体およびエチレン系アイ
オノマー樹脂を配合させた組成物(特開昭58−238
50号、同58−29854号など)などで、前記の欠
点である耐衝撃性が改良され、一般には耐衝撃ナイロン
と呼ばれ、これらの組成物の一部は実用に供されてい
る。
【0004】成形法としては熱可塑性樹脂の射出成形の
分野において、サンドイッチ成形が行われている。この
成形法では表面層(スキン層)と芯材(コア層)に使用
される材料は同種ではもちろんのこと、異種材料でも成
形が可能なことから、近年この成形法が成形品の外観
(ヒケ、ソリ)の改良、さらに剛性などの改良の目的で
家庭電気機器、OA機器などを中心に広く行われてい
る。従来サンドイッチ成形としては例えば芯材がヒドロ
キシ基、エポキシ基等で変性したスチレン系樹脂、表面
層がポリフェニレンエーテルとポリアミドの組成物から
なる成形品、あるいは芯材が変性オレフィン系樹脂、表
面層がポリエステルとゴムからなる成形品等がある(特
開平2−251446号)。
分野において、サンドイッチ成形が行われている。この
成形法では表面層(スキン層)と芯材(コア層)に使用
される材料は同種ではもちろんのこと、異種材料でも成
形が可能なことから、近年この成形法が成形品の外観
(ヒケ、ソリ)の改良、さらに剛性などの改良の目的で
家庭電気機器、OA機器などを中心に広く行われてい
る。従来サンドイッチ成形としては例えば芯材がヒドロ
キシ基、エポキシ基等で変性したスチレン系樹脂、表面
層がポリフェニレンエーテルとポリアミドの組成物から
なる成形品、あるいは芯材が変性オレフィン系樹脂、表
面層がポリエステルとゴムからなる成形品等がある(特
開平2−251446号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記耐
衝撃ナイロンは、十分な耐寒衝撃性を備えているが、一
般に剛性が低いため、自動車外装部品などのように耐寒
衝撃性と剛性の両物性が要求される成形部品には使用出
来ないなどの欠点がある。前記の剛性を向上するため
に、無機充填材を添加することが考えられるが、しかし
得られる成形品の外観が良くないのみならず、耐衝撃性
の低下が発生する。
衝撃ナイロンは、十分な耐寒衝撃性を備えているが、一
般に剛性が低いため、自動車外装部品などのように耐寒
衝撃性と剛性の両物性が要求される成形部品には使用出
来ないなどの欠点がある。前記の剛性を向上するため
に、無機充填材を添加することが考えられるが、しかし
得られる成形品の外観が良くないのみならず、耐衝撃性
の低下が発生する。
【0006】また前記特開平2−251446号のサン
ドイッチ成形品は低温耐衝撃性が十分でなく、さらに大
形製品では成形性が劣る。材料的にも高価である。本発
明は自動車外装部品などの成形物として充分な耐寒衝撃
性を有し、しかも耐熱性や剛性などがすぐれているポリ
アミド系樹脂組成物からなる成形物を得ることを目的と
するものである。
ドイッチ成形品は低温耐衝撃性が十分でなく、さらに大
形製品では成形性が劣る。材料的にも高価である。本発
明は自動車外装部品などの成形物として充分な耐寒衝撃
性を有し、しかも耐熱性や剛性などがすぐれているポリ
アミド系樹脂組成物からなる成形物を得ることを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの課題を
解決したものであり、その要旨は以下に示す表面層
(A)と該表面層によって全面が実質的に被覆されてい
る芯材(B)とからなる樹脂成形物。 (A)表面層はポリアミド樹脂と変性オレフィン系樹脂
とからなる組成物であり、好ましくはこれらの合計量中
に占めるポリアミド樹脂の組成割合は50〜95重量%
である。 (B)芯材はポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂と無機
充填材とからなる組成物であり、好ましくは無機充填材
40重量%以下である。
解決したものであり、その要旨は以下に示す表面層
(A)と該表面層によって全面が実質的に被覆されてい
る芯材(B)とからなる樹脂成形物。 (A)表面層はポリアミド樹脂と変性オレフィン系樹脂
とからなる組成物であり、好ましくはこれらの合計量中
に占めるポリアミド樹脂の組成割合は50〜95重量%
である。 (B)芯材はポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂と無機
充填材とからなる組成物であり、好ましくは無機充填材
40重量%以下である。
【0008】以下本発明を詳しく説明する。本発明の樹
脂成形物の表面層(A)に使用されるポリアミド樹脂は
酸アミド結合(−CONH−)を有する線状高分子化合
物であり、代表例としてナイロン6−6、ナイロン6−
10、ナイロン6−12、ナイロン6T、XD−6ナイ
ロン、XD−10ナイロン、ナイロン6、ナイロン1
1、ナイロン12が挙げられる。これらは単独あるいは
混合して使用され、その重合度は特に制限ないが、一般
には相対粘度は2.0〜5.0であり、特に2.5〜
4.5が好ましい。
脂成形物の表面層(A)に使用されるポリアミド樹脂は
酸アミド結合(−CONH−)を有する線状高分子化合
物であり、代表例としてナイロン6−6、ナイロン6−
10、ナイロン6−12、ナイロン6T、XD−6ナイ
ロン、XD−10ナイロン、ナイロン6、ナイロン1
1、ナイロン12が挙げられる。これらは単独あるいは
混合して使用され、その重合度は特に制限ないが、一般
には相対粘度は2.0〜5.0であり、特に2.5〜
4.5が好ましい。
【0009】ポリアミド樹脂に配合される変性オレフィ
ン系樹脂はオレフィン系重合体をカルボキシル基、ヒド
ロキシル基、アミノ基、エポキシ基等から選ばれた官能
基を有する不飽和化合物で変性したものである。これら
の官能基で変性してないオレフィン系重合体はポリアミ
ドと親和性がなく、使用できない。
ン系樹脂はオレフィン系重合体をカルボキシル基、ヒド
ロキシル基、アミノ基、エポキシ基等から選ばれた官能
基を有する不飽和化合物で変性したものである。これら
の官能基で変性してないオレフィン系重合体はポリアミ
ドと親和性がなく、使用できない。
【0010】変性されるオレフィン系重合体は好ましく
はエチレンと炭素数が3個以上で通常12以下のα−オ
レフィンとの共重合体であり、なかもα−オレフィンと
してプロピレンが特に好ましい。これらの共重合体は好
ましくはエチレンが75〜95モル%、α−オレフィン
が25〜5モル%である。
はエチレンと炭素数が3個以上で通常12以下のα−オ
レフィンとの共重合体であり、なかもα−オレフィンと
してプロピレンが特に好ましい。これらの共重合体は好
ましくはエチレンが75〜95モル%、α−オレフィン
が25〜5モル%である。
【0011】またこれらの共重合体に第三成分を5モル
%以下共重合させることもできる。第三成分としては
1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、3,3
−ジメチル1,5−ヘキサジエン、1,4ヘキサジエ
ン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、ノルボルネン
およびその誘導体などが挙げられる。その他変性される
オレフィン系重合体としてはポリエチレンやポリプロピ
レンおよびそれらの組成物も使用可能である。
%以下共重合させることもできる。第三成分としては
1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、3,3
−ジメチル1,5−ヘキサジエン、1,4ヘキサジエ
ン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、ノルボルネン
およびその誘導体などが挙げられる。その他変性される
オレフィン系重合体としてはポリエチレンやポリプロピ
レンおよびそれらの組成物も使用可能である。
【0012】本発明において変性に使用されるカルボキ
シル基を有する不飽和化合物としては一塩基性不飽和カ
ルボン酸および二塩基性不飽和カルボン酸ならびにこれ
らの不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エス
テルおよび無水物が挙げられる。これらのうち、一塩基
性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも30個であ
り、特に25個以下が好ましい。一塩基性不飽和カルボ
ン酸の代表例としては、アクリル酸、メタクリル酸およ
びクロトン酸が挙げられる。また、二塩基性不飽和カル
ボン酸およびその誘導体の代表例としては、二塩基性不
飽和カルボン酸としてマレイン酸、フマル酸、イタコン
酸およびナディック酸、その無水物として無水マレイン
酸、ナディック酸無水物およびテトラヒドロ無水フタル
酸、そのエステルとしてマレイン酸モノエチルまたはジ
エチルおよびグリシジルメタクリレート、さらにイミド
としてマレイミドが挙げられる。これらの不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体のうち、二塩基性不飽和カルボン
酸の無水物が好ましく、特に無水マレイン酸が好適であ
る。
シル基を有する不飽和化合物としては一塩基性不飽和カ
ルボン酸および二塩基性不飽和カルボン酸ならびにこれ
らの不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エス
テルおよび無水物が挙げられる。これらのうち、一塩基
性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも30個であ
り、特に25個以下が好ましい。一塩基性不飽和カルボ
ン酸の代表例としては、アクリル酸、メタクリル酸およ
びクロトン酸が挙げられる。また、二塩基性不飽和カル
ボン酸およびその誘導体の代表例としては、二塩基性不
飽和カルボン酸としてマレイン酸、フマル酸、イタコン
酸およびナディック酸、その無水物として無水マレイン
酸、ナディック酸無水物およびテトラヒドロ無水フタル
酸、そのエステルとしてマレイン酸モノエチルまたはジ
エチルおよびグリシジルメタクリレート、さらにイミド
としてマレイミドが挙げられる。これらの不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体のうち、二塩基性不飽和カルボン
酸の無水物が好ましく、特に無水マレイン酸が好適であ
る。
【0013】ヒドロキシル基を有する不飽和化合物とし
ては少なくとも1個の不飽和結合を有し、かつヒドロキ
シル基を含有する化合物である。例えばヒドロキシプロ
ペン、ヒドロキシブテン、ジヒドロキシブテン、ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタア
クリレート、2−ヒドロキシエチルクロトネート、ペン
タヒドロキシヘキシルアクリレートなどである。
ては少なくとも1個の不飽和結合を有し、かつヒドロキ
シル基を含有する化合物である。例えばヒドロキシプロ
ペン、ヒドロキシブテン、ジヒドロキシブテン、ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタア
クリレート、2−ヒドロキシエチルクロトネート、ペン
タヒドロキシヘキシルアクリレートなどである。
【0014】アミノ基を有する不飽和化合物はアミノ基
又は置換アミノ基を有する各種の不飽和化合物が使用さ
れるが、工業的に入手し易い点からN,N−ジメチルメ
タクリル酸−2−アミノエチル、アリルアミン、アミノ
スチレン、メタクリル酸アミノプロピルなどが好まし
い。
又は置換アミノ基を有する各種の不飽和化合物が使用さ
れるが、工業的に入手し易い点からN,N−ジメチルメ
タクリル酸−2−アミノエチル、アリルアミン、アミノ
スチレン、メタクリル酸アミノプロピルなどが好まし
い。
【0015】エポキシ基を有する不飽和化合物としては
不飽和グリシジルエステル類、不飽和グリシジルエーテ
ル類、エポキシアルケン類などで、例えばグリシジル
(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、
3,4−エポキシブテン、3,4−エポキシ−1−ペン
テンなどである。
不飽和グリシジルエステル類、不飽和グリシジルエーテ
ル類、エポキシアルケン類などで、例えばグリシジル
(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、
3,4−エポキシブテン、3,4−エポキシ−1−ペン
テンなどである。
【0016】これらの官能基含有不飽和化合物の量は少
な過ぎると変性オレフィン重合体のポリアミド樹脂に対
する親和性が悪くなり、また多過ぎると使用量に応じた
改良効果が不十分であり、むしろオレフィン系重合体が
有する本来の特性が損なわれるためオレフィン系重合体
100重量部に対し、1.0〜10重量部が好ましい。
な過ぎると変性オレフィン重合体のポリアミド樹脂に対
する親和性が悪くなり、また多過ぎると使用量に応じた
改良効果が不十分であり、むしろオレフィン系重合体が
有する本来の特性が損なわれるためオレフィン系重合体
100重量部に対し、1.0〜10重量部が好ましい。
【0017】本発明におけるオレフィン系重合体の変性
には前記官能基を有する不飽和化合物の共重合体も含ま
れるがグラフト変性が好ましい。変性方法の一つはオレ
フィン系重合体と官能基含有不飽和化合物及びラジカル
開始剤を混合し、熱処理する方法である。熱処理は押出
機、ニーダー、バンバリーミキサーなどを用い、150
〜350℃程度の温度で行うことができる。またほかの
方法はオレフィン系重合体と官能基含有不飽和化合物及
びラジカル開始剤を有機溶媒に溶解し、加熱する方法で
ある。さらに他の方法はオレフィン系重合体製造時に共
重合あるいはグラフト重合させる方法である。
には前記官能基を有する不飽和化合物の共重合体も含ま
れるがグラフト変性が好ましい。変性方法の一つはオレ
フィン系重合体と官能基含有不飽和化合物及びラジカル
開始剤を混合し、熱処理する方法である。熱処理は押出
機、ニーダー、バンバリーミキサーなどを用い、150
〜350℃程度の温度で行うことができる。またほかの
方法はオレフィン系重合体と官能基含有不飽和化合物及
びラジカル開始剤を有機溶媒に溶解し、加熱する方法で
ある。さらに他の方法はオレフィン系重合体製造時に共
重合あるいはグラフト重合させる方法である。
【0018】上記におけるラジカル開始剤としてはジク
ルミパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−
第三級−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(第三級−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,2’−ビル(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン、第三級−ブチルパーオキシベンゾエートなど
の有機過酸化物が挙げられる。ラジカル開始剤の使用量
はオレフィン系重合体100重量部に対し、通常0.0
01〜10.0重量部である。
ルミパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−
第三級−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(第三級−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,2’−ビル(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン、第三級−ブチルパーオキシベンゾエートなど
の有機過酸化物が挙げられる。ラジカル開始剤の使用量
はオレフィン系重合体100重量部に対し、通常0.0
01〜10.0重量部である。
【0019】本発明の表面層を構成する組成物中に占め
る前記ポリアミド樹脂の組成割合は50〜95重量%
(すなわち、変性オレフィン系樹脂の組成割合は50〜
5重量%)が好ましく、殊に60〜90重量%が好適で
ある。組成物中のポリアミド樹脂の組成割合が50重量
%未満では、得られる成形物の機械的強度が充分でな
い。一方、95重量%を超えると、耐衝撃性の改良効果
が少ない。
る前記ポリアミド樹脂の組成割合は50〜95重量%
(すなわち、変性オレフィン系樹脂の組成割合は50〜
5重量%)が好ましく、殊に60〜90重量%が好適で
ある。組成物中のポリアミド樹脂の組成割合が50重量
%未満では、得られる成形物の機械的強度が充分でな
い。一方、95重量%を超えると、耐衝撃性の改良効果
が少ない。
【0020】この組成物を製造するには、合成樹脂の分
野において一般に行われている方法を採用すればよい。
合成方法としては、ヘンシェルミキサー、タンブラーお
よびリボンブレンダーのごとき混合機を使ってドライブ
レンドした樹脂混合物をスクリュー式押出機、ニーダー
およびバンバリーミキサーのごとき混練機を用いて溶融
状態で混練させる方法、定量フィダーを少なくとも2個
装備したスクリュー式押出機を用い、一方のフィダーか
らポリアミド樹脂を、また他方のフィダーから変性オレ
フィン系重合体組成物をそれぞれ所定量供給しながら該
押出機を混練させる方法などがあげられる。なお、これ
らの混合方法を二回以上実施することによって一層均一
な組成物を得ることができる。
野において一般に行われている方法を採用すればよい。
合成方法としては、ヘンシェルミキサー、タンブラーお
よびリボンブレンダーのごとき混合機を使ってドライブ
レンドした樹脂混合物をスクリュー式押出機、ニーダー
およびバンバリーミキサーのごとき混練機を用いて溶融
状態で混練させる方法、定量フィダーを少なくとも2個
装備したスクリュー式押出機を用い、一方のフィダーか
らポリアミド樹脂を、また他方のフィダーから変性オレ
フィン系重合体組成物をそれぞれ所定量供給しながら該
押出機を混練させる方法などがあげられる。なお、これ
らの混合方法を二回以上実施することによって一層均一
な組成物を得ることができる。
【0021】この組成物を溶融混練によって製造するさ
い、配合されるポリアミド樹脂および変性オレフィン系
重合体組成物が溶融するが、これらが熱によって劣化し
ない温度範囲で実施しなければならない。これらのこと
から、一般には150〜350℃であり、とりわけ20
0〜320℃が望ましい。
い、配合されるポリアミド樹脂および変性オレフィン系
重合体組成物が溶融するが、これらが熱によって劣化し
ない温度範囲で実施しなければならない。これらのこと
から、一般には150〜350℃であり、とりわけ20
0〜320℃が望ましい。
【0022】本発明の樹脂成形物における芯材は、ポリ
アミド樹脂あるいはポリアミド樹脂と無機充填材との組
成物が用いられる。該ポリアミド樹脂は前記の表面層に
おけるポリアミド樹脂がそのまま使用可能であるが、成
形性および得られる成形物の耐熱性や曲げ弾性率の点か
ら、融点が200〜280℃、かつ乾燥時の曲げ弾性率
が20×103 ないし35×103kg/cm2 のもの
が望ましい。またポリアミド樹脂の相対粘度〔ηr 〕は
成形性および強度の点から1.0〜4.0が好ましい。
これらの融点、曲げ弾性率および相対粘度の点から好ま
しいポリアミド樹脂としては、ポリアミド6−6、ポリ
アミド6およびポリアミドMxD6があげられる。
アミド樹脂あるいはポリアミド樹脂と無機充填材との組
成物が用いられる。該ポリアミド樹脂は前記の表面層に
おけるポリアミド樹脂がそのまま使用可能であるが、成
形性および得られる成形物の耐熱性や曲げ弾性率の点か
ら、融点が200〜280℃、かつ乾燥時の曲げ弾性率
が20×103 ないし35×103kg/cm2 のもの
が望ましい。またポリアミド樹脂の相対粘度〔ηr 〕は
成形性および強度の点から1.0〜4.0が好ましい。
これらの融点、曲げ弾性率および相対粘度の点から好ま
しいポリアミド樹脂としては、ポリアミド6−6、ポリ
アミド6およびポリアミドMxD6があげられる。
【0023】芯材は上記のポリアミド樹脂単独又はこれ
に無機充填材が配合されるが、この無機充填材は一般の
合成樹脂およびゴムの分野において広く用いられている
ものである。該無機充填材としては、酸素および水と反
応しない無機化合物であり、混練時および成形時におい
て分解しないものが好んで用いられる。該無機充填材と
しては、アルミニウム、銅、鉄、鉛、ニッケル、マグネ
シウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、
モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタンなどの金属の
酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、炭酸塩、ケ
イ酸塩のごとき化合物、これらの複塩ならびにこれらの
混合物に大別される。これらの無機充填材のうち、粉末
状のものはその径が30μm 以下(好適には10μm 以
下)のものが好ましい。また繊維状のものでは、径が1
〜20μm (好適には1〜15μm )であり、長さが1
0〜150μm (好適には15〜150μm )のものが
望ましい。さらに、平板状のものは径が30μm 以下
(好適には10μm 以下)のものが好ましい。これらの
無機充填材のうち、タルク、マイカ、クレー、ワラスト
ナイト、チタン酸カリ、炭酸カルシウムなどが好適であ
る。
に無機充填材が配合されるが、この無機充填材は一般の
合成樹脂およびゴムの分野において広く用いられている
ものである。該無機充填材としては、酸素および水と反
応しない無機化合物であり、混練時および成形時におい
て分解しないものが好んで用いられる。該無機充填材と
しては、アルミニウム、銅、鉄、鉛、ニッケル、マグネ
シウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、
モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタンなどの金属の
酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、炭酸塩、ケ
イ酸塩のごとき化合物、これらの複塩ならびにこれらの
混合物に大別される。これらの無機充填材のうち、粉末
状のものはその径が30μm 以下(好適には10μm 以
下)のものが好ましい。また繊維状のものでは、径が1
〜20μm (好適には1〜15μm )であり、長さが1
0〜150μm (好適には15〜150μm )のものが
望ましい。さらに、平板状のものは径が30μm 以下
(好適には10μm 以下)のものが好ましい。これらの
無機充填材のうち、タルク、マイカ、クレー、ワラスト
ナイト、チタン酸カリ、炭酸カルシウムなどが好適であ
る。
【0024】ポリアミド樹脂と無機充填材の組成物を用
いる場合の無機充填材の組成割合は好ましくは40重量
%以下である。無機充填材の組成割合が40重量%を超
えると、得られる成形物の耐衝撃性が低下する。ポリア
ミド樹脂と無機充填材の組成物の製造方法は、前記ポリ
アミド樹脂組成物の製造方法と同様に実施すればよい。
いる場合の無機充填材の組成割合は好ましくは40重量
%以下である。無機充填材の組成割合が40重量%を超
えると、得られる成形物の耐衝撃性が低下する。ポリア
ミド樹脂と無機充填材の組成物の製造方法は、前記ポリ
アミド樹脂組成物の製造方法と同様に実施すればよい。
【0025】本発明の樹脂成形物は、例えば合成樹脂の
分野において一般に実施されている、いわゆるサンドイ
ッチ成形方法によって得ることができる。サンドイッチ
成形方法は前記のごとく、表面層の材料を射出し、続い
て芯材の材料を射出し、最後にゲート部へ少量の表面層
の材料を射出する。該サンドイッチ成形方法について
は、廣恵章利編“モルダーシリーズ、最新の射出成形技
術−その実際と応用−”(昭和63年、三光出版社発
行)第137頁ないし第144頁に詳細に記載されてい
る。
分野において一般に実施されている、いわゆるサンドイ
ッチ成形方法によって得ることができる。サンドイッチ
成形方法は前記のごとく、表面層の材料を射出し、続い
て芯材の材料を射出し、最後にゲート部へ少量の表面層
の材料を射出する。該サンドイッチ成形方法について
は、廣恵章利編“モルダーシリーズ、最新の射出成形技
術−その実際と応用−”(昭和63年、三光出版社発
行)第137頁ないし第144頁に詳細に記載されてい
る。
【0026】サンドイッチ成形する場合、使われるポリ
アミド樹脂などの高分子材料がそれぞれ溶融する温度で
実施する必要がある。しかし、高い温度で実施すると、
用いられる前記高分子材料が熱分解することがある。溶
融混練温度および射出成形温度は表面層および芯材に使
われるそれぞれの材料の種類、組成割合によって一概に
規定することができないが、一般には150〜350℃
(好ましくは、200〜320℃)である。
アミド樹脂などの高分子材料がそれぞれ溶融する温度で
実施する必要がある。しかし、高い温度で実施すると、
用いられる前記高分子材料が熱分解することがある。溶
融混練温度および射出成形温度は表面層および芯材に使
われるそれぞれの材料の種類、組成割合によって一概に
規定することができないが、一般には150〜350℃
(好ましくは、200〜320℃)である。
【0027】以上のようにして得られる本発明の成形物
は芯材の表面の全面にわたって、表面層が実質的に被覆
されている。芯材の厚さ100に対する表面層の厚さ
は、100以下がよく、とりわけ80以下が望ましい。
芯材の厚さ100に対する表面層の厚さが100を超え
ると、得られる成形物の剛性がよくないのみならず、耐
熱性の点において不十分である。また、すべての表面層
の厚さは0.2mm以上が好適である。すべての表面層
の厚さが0.2mm未満では、得られる成形物の芯材の
表面の全面にわたって表面層を被覆することが難しく、
しかも成形物の耐衝撃性および耐寒衝撃性の点が不十分
である。
は芯材の表面の全面にわたって、表面層が実質的に被覆
されている。芯材の厚さ100に対する表面層の厚さ
は、100以下がよく、とりわけ80以下が望ましい。
芯材の厚さ100に対する表面層の厚さが100を超え
ると、得られる成形物の剛性がよくないのみならず、耐
熱性の点において不十分である。また、すべての表面層
の厚さは0.2mm以上が好適である。すべての表面層
の厚さが0.2mm未満では、得られる成形物の芯材の
表面の全面にわたって表面層を被覆することが難しく、
しかも成形物の耐衝撃性および耐寒衝撃性の点が不十分
である。
【0028】本発明の樹脂成形物の特徴は、芯材はポリ
アミド樹脂の特性をそのまま生かし、表面層に極めて衝
撃性が高い高分子組成物を用い、芯材と表面層との接着
性が良好であり、しかも剛性が高い材料を前記のごとき
成形方法で製造することにより、いわゆるサンドイッチ
構造を有しており、一般に用いられているポリアミド樹
脂のブレンド材料では得ることができなかった耐衝撃性
と耐熱性のバランスが取れたものを得ることができたこ
とである。表面層に用いられる材料と芯材に使用される
材料が逆の場合では、充分な耐衝撃性と耐熱性のバラン
スのとれたものを得ることができない。この理由はサン
ドイッチ成形体が衝撃を受けた時に発生する亀裂の発生
箇所(起点)が表面層となり、それが表面層を伝播して
いくからである。
アミド樹脂の特性をそのまま生かし、表面層に極めて衝
撃性が高い高分子組成物を用い、芯材と表面層との接着
性が良好であり、しかも剛性が高い材料を前記のごとき
成形方法で製造することにより、いわゆるサンドイッチ
構造を有しており、一般に用いられているポリアミド樹
脂のブレンド材料では得ることができなかった耐衝撃性
と耐熱性のバランスが取れたものを得ることができたこ
とである。表面層に用いられる材料と芯材に使用される
材料が逆の場合では、充分な耐衝撃性と耐熱性のバラン
スのとれたものを得ることができない。この理由はサン
ドイッチ成形体が衝撃を受けた時に発生する亀裂の発生
箇所(起点)が表面層となり、それが表面層を伝播して
いくからである。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらにくわし
く説明する。実施例および比較例において、曲げ弾性率
はASTM D790にしたがい、曲げ速度が2.5m
m/分、吸水率50重量%の条件で測定し、また熱変形
温度はASTM D648にしたがい、荷重が18.5
kg/cm2 の条件で測定した。アイゾット衝撃強度は
ASTM D256にしたがい、−30℃、ノッチ付で
測定した。さらに、破壊エネルギーは高速インパクトテ
スター〔レオメトリック(RHOMETRIC)社製、
型式インパクトテスター(Inpact teste
r)−8000〕を用い、衝撃速度が5m/秒、撃芯先
端の径が1/2インチ、サンプル受け治具の径が2.5
インチ、サンプルの大きさ100×100mm、同厚さ
6mmおよび測定温度が−30℃の条件で衝撃テストで
得られる応力・歪曲線から求めて表示した。なお、実施
例および比較例において使用したポリアミド樹脂および
変性オレフィン系樹脂ならびに無機充填材を下記に示
す。
く説明する。実施例および比較例において、曲げ弾性率
はASTM D790にしたがい、曲げ速度が2.5m
m/分、吸水率50重量%の条件で測定し、また熱変形
温度はASTM D648にしたがい、荷重が18.5
kg/cm2 の条件で測定した。アイゾット衝撃強度は
ASTM D256にしたがい、−30℃、ノッチ付で
測定した。さらに、破壊エネルギーは高速インパクトテ
スター〔レオメトリック(RHOMETRIC)社製、
型式インパクトテスター(Inpact teste
r)−8000〕を用い、衝撃速度が5m/秒、撃芯先
端の径が1/2インチ、サンプル受け治具の径が2.5
インチ、サンプルの大きさ100×100mm、同厚さ
6mmおよび測定温度が−30℃の条件で衝撃テストで
得られる応力・歪曲線から求めて表示した。なお、実施
例および比較例において使用したポリアミド樹脂および
変性オレフィン系樹脂ならびに無機充填材を下記に示
す。
【0030】〔ポリアミド樹脂〕相対粘度〔ηr 〕が
2.6であるヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との
縮合物〔以下「PA6.6」と云う〕および〔ηr 〕が
2.7であるポリカプロラクタム〔以下「PA6」と云
う〕を使った。
2.6であるヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との
縮合物〔以下「PA6.6」と云う〕および〔ηr 〕が
2.7であるポリカプロラクタム〔以下「PA6」と云
う〕を使った。
【0031】〔変性オレフィン系樹脂〕プロピレンの共
重合割合が26.5重量%であり、MFRが0.38g
/10分(230℃)であり、かつX線回折法で測定した
結晶化度が0.85%であるエチレン−プロピレン共重
合体100重量部、0.011重量部の2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(第三級−ブチル−パーオキシ)ヘキサ
ンおよび0.375重量部の無水マレイン酸をヘンシェ
ルミキサーに添加し、5分間ドライブレンドを行なっ
た。得られた混合物をフルフライト型スクリューを装備
したノンベント式押出機(径40mm)に供給し、22
0〜240℃の温度範囲で溶融させながら混練反応を行
い、変性オレフィン系樹脂〔以下「変性樹脂(a)」と
云う〕を製造した。
重合割合が26.5重量%であり、MFRが0.38g
/10分(230℃)であり、かつX線回折法で測定した
結晶化度が0.85%であるエチレン−プロピレン共重
合体100重量部、0.011重量部の2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(第三級−ブチル−パーオキシ)ヘキサ
ンおよび0.375重量部の無水マレイン酸をヘンシェ
ルミキサーに添加し、5分間ドライブレンドを行なっ
た。得られた混合物をフルフライト型スクリューを装備
したノンベント式押出機(径40mm)に供給し、22
0〜240℃の温度範囲で溶融させながら混練反応を行
い、変性オレフィン系樹脂〔以下「変性樹脂(a)」と
云う〕を製造した。
【0032】エチレン−プロピレン共重合体は前記と同
じものを使用し、その100重量部に対し0.05重量
部のベンゾイルパーオキサイドおよび5重量部のグリシ
ジルメタクリレートをヘンシェルミキサーに添加し、5
分間ドライブレンドを行なった。これを前記押出機に供
給し170〜190℃の温度範囲で溶融させながら混練
反応を行ない、変性オレフィン系樹脂〔以下「変性樹脂
(b)」と云う〕を製造した。
じものを使用し、その100重量部に対し0.05重量
部のベンゾイルパーオキサイドおよび5重量部のグリシ
ジルメタクリレートをヘンシェルミキサーに添加し、5
分間ドライブレンドを行なった。これを前記押出機に供
給し170〜190℃の温度範囲で溶融させながら混練
反応を行ない、変性オレフィン系樹脂〔以下「変性樹脂
(b)」と云う〕を製造した。
【0033】エチレン−プロピレン共重合体は前記と同
じものを使用し、その100重量部に対し0.5重量部
の2,2’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼンおよび4重量部の2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートをヘンシェルミキサーに添加し、5分間ド
ライブレンドを行なった。これを押出機温度170〜2
00℃で前記同様変性オレフィン系樹脂〔以下「変性樹
脂(c)」と云う〕を製造した。
じものを使用し、その100重量部に対し0.5重量部
の2,2’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼンおよび4重量部の2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートをヘンシェルミキサーに添加し、5分間ド
ライブレンドを行なった。これを押出機温度170〜2
00℃で前記同様変性オレフィン系樹脂〔以下「変性樹
脂(c)」と云う〕を製造した。
【0034】エチレン−プロピレン共重合体は前記と同
じものを使用し、その100重量部に対し1重量部のジ
クミルパーオキサイドおよび5重量部のN,N’−ジメ
チルメタクリル酸−2−アミノエチルをヘンシェルミキ
サーに添加し、5分間ドライブレンドを行なった。これ
を押出機温度165〜200℃で前記同様変性オレフィ
ン系樹脂〔以下「変性樹脂(d)」と云う〕を製造し
た。
じものを使用し、その100重量部に対し1重量部のジ
クミルパーオキサイドおよび5重量部のN,N’−ジメ
チルメタクリル酸−2−アミノエチルをヘンシェルミキ
サーに添加し、5分間ドライブレンドを行なった。これ
を押出機温度165〜200℃で前記同様変性オレフィ
ン系樹脂〔以下「変性樹脂(d)」と云う〕を製造し
た。
【0035】〔無機充填材〕平均粒径が5.0μm であ
るクレー(カオリン)、直径が1.0μm であり長さが
30μm である炭酸カルシウムウイスカー〔以下「Ca
CO3 」と云う〕、平均粒径が2.0μm であり、かつ
アスペクト比が5.0であるタルク、及び直径が10μ
m 、長さが3mmのガラスファイバー(GF)を使用し
た。比較のため未変性の前記エチレン−プロピレン共重
合体〔以下「未変性樹脂」と云う〕を使用した。
るクレー(カオリン)、直径が1.0μm であり長さが
30μm である炭酸カルシウムウイスカー〔以下「Ca
CO3 」と云う〕、平均粒径が2.0μm であり、かつ
アスペクト比が5.0であるタルク、及び直径が10μ
m 、長さが3mmのガラスファイバー(GF)を使用し
た。比較のため未変性の前記エチレン−プロピレン共重
合体〔以下「未変性樹脂」と云う〕を使用した。
【0036】表1にそれぞれの種類および配合量が示さ
れているポリアミド樹脂、変性オレフィン系樹脂をあら
かじめタンブラーを使ってドライブレンドを行った。得
られた各混合物を二軸押出機(径30mm)を用いて2
80℃の温度で溶融しながら混練を行い、ペレット状の
各ポリアミド組成物を製造した。得られた各組成物の曲
げ弾性率、−30℃でのアイゾット衝撃強度(ノッチ
付)ならびに略称を表1に示す。各組成物を後記の成形
物の表面層として使用した。
れているポリアミド樹脂、変性オレフィン系樹脂をあら
かじめタンブラーを使ってドライブレンドを行った。得
られた各混合物を二軸押出機(径30mm)を用いて2
80℃の温度で溶融しながら混練を行い、ペレット状の
各ポリアミド組成物を製造した。得られた各組成物の曲
げ弾性率、−30℃でのアイゾット衝撃強度(ノッチ
付)ならびに略称を表1に示す。各組成物を後記の成形
物の表面層として使用した。
【0037】また、表2にそれぞれ種類および配合量が
示されている各組成成分を前記と同様にドライブレンド
を行い、各混合物を製造した。各混合物を前記と同様に
(ただし、樹脂温度は組成成分の種類および配合量によ
って変異する)溶融混練を行い、ペレット状の各組成成
分を製造した。得られた各組成物の曲げ弾性率、−30
℃でのアイゾット衝撃強度(ノッチ付)ならびに略称を
表2に示す。各組成物を後記の成形物の芯材として使用
した。
示されている各組成成分を前記と同様にドライブレンド
を行い、各混合物を製造した。各混合物を前記と同様に
(ただし、樹脂温度は組成成分の種類および配合量によ
って変異する)溶融混練を行い、ペレット状の各組成成
分を製造した。得られた各組成物の曲げ弾性率、−30
℃でのアイゾット衝撃強度(ノッチ付)ならびに略称を
表2に示す。各組成物を後記の成形物の芯材として使用
した。
【0038】実施例1〜7、比較例1〜4 表3、表4にそれぞれの組成物の種類が示されている。
以上のようにして得られた各組成物をサンドイッチ射出
成形機〔西ドイツバッテンフェルド(Battenfe
ld)社製、型式BM850S−C〕を使用し、まず表
面層の材料を射出成形し、ついで芯材の材料を射出成形
した後、表面層の材料(表面層の約2重量%)を射出成
形し、平板状の成形物(400×400mm、厚さ6m
m)を成形した。得られた成形物より、サンプルを切り
とり、曲げ弾性率、熱変形温度、破壊エネルギーを測定
した。それらの結果を表3、表4に示す。さらに、各成
形物の表面層の厚さを表3、表4に示す。
以上のようにして得られた各組成物をサンドイッチ射出
成形機〔西ドイツバッテンフェルド(Battenfe
ld)社製、型式BM850S−C〕を使用し、まず表
面層の材料を射出成形し、ついで芯材の材料を射出成形
した後、表面層の材料(表面層の約2重量%)を射出成
形し、平板状の成形物(400×400mm、厚さ6m
m)を成形した。得られた成形物より、サンプルを切り
とり、曲げ弾性率、熱変形温度、破壊エネルギーを測定
した。それらの結果を表3、表4に示す。さらに、各成
形物の表面層の厚さを表3、表4に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明の樹脂成形物は下記のごとき効果
を発揮する。 (1)耐衝撃性(とりわけ、低温における耐衝撃性)が
すぐれている。 (2)耐熱性が良好である。 (3)剛性(曲げ弾性率)がすぐれている。 (4)特に、一般に行われている射出成形法によって得
られる成形物に比べ、同種の材料を用いて成形した場
合、耐衝撃性(低温における耐衝撃性も含めて)、耐熱
性および剛性のバランスがすぐれている。とりわけ、耐
熱性と耐衝撃性の物性バランスが良好である。 (5)芯材に無機充填材を高充填することが可能なこと
から、寸法精度がすぐれている。 本発明の樹脂成形物は以上のごとき効果を発揮するため
に多方面にわたって利用することができる。代表的な用
途を下記に示す。 (1)バンパー、バンパーエプロン、スポイラー、サイ
ドモール、サイドエアダムおよびエンジンアンダーカバ
ーなどの自動車外装部品。 (2)フロントフェンダー、ボディーカバーなどの二輪
車部品。
を発揮する。 (1)耐衝撃性(とりわけ、低温における耐衝撃性)が
すぐれている。 (2)耐熱性が良好である。 (3)剛性(曲げ弾性率)がすぐれている。 (4)特に、一般に行われている射出成形法によって得
られる成形物に比べ、同種の材料を用いて成形した場
合、耐衝撃性(低温における耐衝撃性も含めて)、耐熱
性および剛性のバランスがすぐれている。とりわけ、耐
熱性と耐衝撃性の物性バランスが良好である。 (5)芯材に無機充填材を高充填することが可能なこと
から、寸法精度がすぐれている。 本発明の樹脂成形物は以上のごとき効果を発揮するため
に多方面にわたって利用することができる。代表的な用
途を下記に示す。 (1)バンパー、バンパーエプロン、スポイラー、サイ
ドモール、サイドエアダムおよびエンジンアンダーカバ
ーなどの自動車外装部品。 (2)フロントフェンダー、ボディーカバーなどの二輪
車部品。
Claims (4)
- 【請求項1】 以下に示す表面層(A)と該表面層によ
って全面が実質的に被覆されている芯材(B)とからな
る樹脂成形物。 (A)表面層はポリアミド樹脂と変性オレフィン系樹脂
とからなる組成物。 (B)芯材はポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂と無機
充填材とからなる組成物。 - 【請求項2】 以下に示す表面層(A)と該表面層によ
って全面が実質的に被覆されている芯材(B)とからな
る樹脂成形物。 (A)表面層はポリアミド樹脂及び変性オレフィン系樹
脂からなる組成物であり、これらの合計量中に占めるポ
リアミド樹脂の組成割合は50〜95重量%である。 (B)芯材はポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂と無機
充填材との組成物からなり、無機充填材の組成割合は4
0重量%以下からなる。 - 【請求項3】 変性オレフィン系樹脂がオレフィン系重
合体をカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エ
ポキシ基から選ばれた少なくとも一つの官能基を有する
不飽和化合物で変性したものである請求項1又は2記載
の樹脂成形物。 - 【請求項4】 樹脂成形物の芯材の厚さ100に対する
表面層の厚さは100以下であり、かつすべての表面層
の厚さは0.2mm以上である請求項1又は2記載の樹
脂成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9663792A JPH05286097A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 樹脂成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9663792A JPH05286097A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 樹脂成形物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05286097A true JPH05286097A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14170350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9663792A Pending JPH05286097A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 樹脂成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05286097A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002283522A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-03 | Toray Ind Inc | ポリアミド系多層射出成形品 |
JP2012526686A (ja) * | 2009-05-12 | 2012-11-01 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | オーバーモールド成形ポリアミド複合構造およびその製造方法 |
JP2013536104A (ja) * | 2010-07-27 | 2013-09-19 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ポリアミド複合構造およびそれらの調製方法 |
US9309031B2 (en) | 2009-09-07 | 2016-04-12 | The Procter & Gamble Company | Bottle cap made from a material comprising polypropylene, particulate calcium carbonate and additives |
-
1992
- 1992-04-16 JP JP9663792A patent/JPH05286097A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002283522A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-03 | Toray Ind Inc | ポリアミド系多層射出成形品 |
JP2012526686A (ja) * | 2009-05-12 | 2012-11-01 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | オーバーモールド成形ポリアミド複合構造およびその製造方法 |
US9309031B2 (en) | 2009-09-07 | 2016-04-12 | The Procter & Gamble Company | Bottle cap made from a material comprising polypropylene, particulate calcium carbonate and additives |
JP2013536104A (ja) * | 2010-07-27 | 2013-09-19 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ポリアミド複合構造およびそれらの調製方法 |
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