JPH0641410A - 改質ポリエステルおよびフィルム - Google Patents

改質ポリエステルおよびフィルム

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JPH0641410A
JPH0641410A JP124691A JP124691A JPH0641410A JP H0641410 A JPH0641410 A JP H0641410A JP 124691 A JP124691 A JP 124691A JP 124691 A JP124691 A JP 124691A JP H0641410 A JPH0641410 A JP H0641410A
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polyester
film
ester
weight
acid
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JP124691A
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Yuzo Shimizu
有三 清水
Takumi Hirano
巧 平野
Masaru Suzuki
勝 鈴木
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリエステルに対して、エステル形成性スルホ
ン酸アルカリ金属塩化合物を1〜30重量%、エ−テル
結合含有ジカルボン酸またはエステル形成性誘導体を1
〜20重量%およびポリオキシアルキレングリコ−ルを
0.1〜15重量%含む改質ポリエステルおよびフィル
ム。 【効果】優れた接着性、透明性、巻ぐせカ−ル回復性を
有する改質ポリエステルおよびフィルムであり、該フィ
ルムは写真用支持体、包装用、一般工業用、磁気テ−プ
用等に利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改質ポリエステルおよび
フィルムに関するものであり、詳しくは優れた接着性、
透明性、平面性を有する改質ポリエステルおよびフィル
ムに関するものである。さらに詳しくは写真用支持体、
包装用、一般工業用、磁気テ−プ用等に好適な優れた接
着性、透明性、平面性を有する改質ポリエステルおよび
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−トあるいはポリ−
1.4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト及び
これらを主体とするポリエステルは優れた物理的、化学
的特性を有しており、繊維、フィルムあるいはシ−トさ
らにはその成形品として広く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気テ−プ用、電気用、写真用、包装用、製図用等
多くの用途に用いられている。
【0004】しかしながら、一般にポリエステル自体が
不活性なため接着性および親水性インクによる印刷性に
劣るという問題がある。従来ポリエステルフィルムの接
着性を改良するためにフィルム表面にコロナ放電処理を
施したり、接着性物質をコ−ティングする方法などが知
られている。しかし、これらの方法は工程が煩雑とな
り、コストアップになるばかりでなく、フィルムの透明
性等が低下したりする欠点がある。
【0005】そこで、これらの工程を必要とせず、ベ−
スフィルム自体から接着性を向上させることが試みられ
ている。例えば、特開昭52−151365号公報には
ポリアルキレングリコ−ルを使用してポリエ−テルセグ
メントを共重合し、フィルムの接着性や印刷性を改良し
ているものの、その特性は充分でない。
【0006】一方、写真用支持体は一般的にトリアセチ
ルセルロ−スとポリエチレンテレフタレ−トに代表され
るポリエステルなどからなるプラスチックフィルムが使
用されている。しかしながら、ポリエステルフィルムは
優れた機械的特性、透明性、寸法安定性を有するものの
ロ−ル形態では巻ぐせカ−ルが強く残留するため現像処
理後の取扱い性が悪く、X線用フィルム、製版用フィル
ムの如くシ−ト状形態での使用にその範囲が限定されて
きた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記従
来技術の欠点を解消することにあり、特に、余分な高次
加工を必要とせず優れた接着性を有し、透明性、巻ぐせ
カ−ル回復性、かつ、機械的特性をも満足させる改質ポ
リエステルおよびフィルムを提供することにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ポリエステルに対して、エステル形成性スルホン酸
アルカリ金属塩化合物を1〜30重量%、下記式で示さ
れるエ−テル結合含有ジカルボン酸またはエステル形成
性誘導体を1〜20重量%およびポリオキシアルキレン
グリコ−ルを0.1〜15重量%含むことを特徴とする
改質ポリエステルおよびフィルムによって達成できる。 ROOC(CH) O(C H 2kO)(RO)(CH
2jO)(CH ) COOR (ただし、式中、Rは炭素数4以上の二価の炭化水素
基、R,Rは同一または異なる基で水素またはアル
キル基を示す。また、kおよびjは2〜4、qは0また
は1、pは1〜3、mおよびnはいずれかが0であって
もよく、m+nは4以上である。)。
【0009】本発明におけるポリエステルとは芳香族ジ
カルボン酸または脂環族ジカルボン酸とジオ−ルを主た
る構成成分とするポリエステルであり、芳香族ジカルボ
ン酸成分としては例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,
5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、4,4
´−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4´−ジフ
ェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を
挙げることができ、また脂環族ジカルボン酸成分として
は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げること
ができる。これらの酸成分は2種以上併用してもよく、
さらにはアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヒドロキシエトキ
シ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
またジオ−ル成分としては例えば、エチレングリコ−
ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,2−ブタンジオ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、1,2−シクロヘキサ
ンジメタノ−ル、1,3−シクロヘキサンジメタノ−
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレン
グリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリアルキレン
グリコ−ル、2,2´−ビス(4´−β−ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパン、ビス(4´−β−ヒドロキ
シエトキシフェニル)スルホン等の脂肪族、脂環族、芳
香族ジオ−ルを挙げることができる。これらのジオ−ル
成分は1種のみ用いてもよく、また2種以上併用しても
よい。また、ポリエステルには三官能以上の多官能化合
物、単官能化合物等の他の化合物をポリマが実質的に線
状である量範囲で共重合されていてもよい。ポリエステ
ルの代表的な例としては、ポリエチレンテレフタレ−
ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタ
レ−ト、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレ
フタレ−ト等が挙げられる。
【0010】本発明におけるエステル形成性スルホン酸
アルカリ金属塩化合物としてはスルホテレフタル酸、5
−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−
スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,6−
ジカルボン酸等のアルカリ金属塩およびこれらのエステ
ル形成性誘導体を挙げることができ、なかでも5−スル
ホイソフタル酸、スルホテレフタル酸のナトリウム、カ
リウム塩がより好ましく用いられる。
【0011】エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩
化合物量はポリエステルに対して、1〜30重量%とす
る必要があり、好ましくは3〜20重量%、さらに好ま
しくは5〜17重量%、特に好ましくは9〜15重量%
である。
【0012】エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩
化合物量がポリエステルに対して1重量%未満である
と、十分な接着性能および巻ぐせカ−ル回復性が得られ
ないため好ましくない。一方、30重量%を越えると接
着性は飽和に達し、逆に高分子量のポリエステルが得ら
れず、フィルム成形が困難であったり、得られるフィル
ムの機械的強度が低下したりする。
【0013】本発明におけるエ−テル結合含有ジカルボ
ン酸またはエステル形成性誘導体は下記式で示されるも
のである。 ROOC(CH) O(C H 2kO)(RO)(CH
2jO)(CH ) COOR ただし、式中、Rは炭素数4以上の二価の炭化水素
基、R,Rは同一または異なる基で水素またはアル
キル基を示す。また、kおよびjは2〜4、qは0また
は1、pは1〜3、mおよびnはいずれかが0であって
もよく、m+nは4以上である。
【0014】なお、前記式において、Rは炭素数4以
上の二価の炭化水素基であり、ハロゲン、酸素、硫黄を
含んでもよい。例えばテトラメチレン、ヘキシレン、
2,2−ジメチルプロピレンなどの直鎖状あるいは側鎖
を有する脂肪族炭化水素基、シクロヘキシレンなどの脂
肪族環を有する脂肪族炭化水素基、フェニレンなどの芳
香族炭化水素基等が挙げられる。
【0015】また、前記式において、kおよびjは2〜
4、qは0または1、pは1〜3、mおよびnはいずれ
かが0であってもよく、m+nが4以上である。m+n
が4未満であると耐熱性、機械的特性が低下したり、巻
ぐせカ−ル回復性が十分でない。m+nの好ましい値は
30〜500であり、m+nが500を越えると、透明
性が低下したりする問題を生じる。さらにm+nは60
〜300が好ましい。また、エ−テル結合含有ジカルボ
ン酸またはエステル形成性誘導体の分子量は平均分子量
で1000〜25000の範囲にあるものが好ましく、
さらには2000〜20000、特には3000〜10
000の範囲にあるものが好ましい。
【0016】特に好ましいエ−テル結合含有ジカルボン
酸またはエステル形成性誘導体は下記式で示されるもの
である。 ROOCCH O(C H O)CHCOOR 式中、RおよびRは同一または異なる基で水素また
はアルキル基を示す。nは30〜500である。
【0017】本発明におけるエ−テル結合含有ジカルボ
ン酸またはエステル形成性誘導体量はポリエステルに対
して、1〜20重量%とする必要があり、好ましくは3
〜17重量%、さらに好ましくは6〜15重量%であ
る。1重量%未満では、接着性能、巻ぐせカ−ル回復性
が十分でなく、20重量%を越えると機械的特性、耐熱
性が低下し好ましくない。
【0018】本発明におけるポリオキシアルキレングリ
コ−ルとは平均分子量300以上のポリエチレングリコ
−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレン
グリコ−ル等が挙げられる。このようなポリオキシアル
キレングリコ−ルは片末端がエステル結合等のエステル
形成性官能基を有する有機基であってもよく、アルキル
基等の炭化水素基を有するものでもよく、また、両末端
がアルキル基等の炭化水素基で封鎖されているものでも
よい。ポリオキシアルキレングリコ−ルの好ましい平均
分子量は300〜20000であり、さらに好ましくは
400〜15000であり、特に好ましくは600〜1
0000である。これらのポリオキシアルキレングリコ
−ルは、1種または2種以上併用してもよい。例えば、
ポリオキシアルキレングリコ−ルのみであってもよく、
また、片末端が低級アルキル基等で封鎖されたポリオキ
シアルキレングリコ−ルと併用してもよい。この片末端
が低級アルキル基等で封鎖されたポリオキシアルキレン
グリコ−ルとしては、ポリエチレングリコ−ルモノメチ
ルエーテル等がある。
【0019】本発明におけるポリオキシアルキレングリ
コ−ル量はポリエステルに対して、0.1〜15重量%
とする必要があり、好ましくは1〜10重量%、さらに
好ましくは2〜8重量%である。0.1重量%未満で
は、接着性能、巻ぐせカ−ル回復性が十分でなく、15
重量%を越えると機械的特性、耐熱性が低下し好ましく
ない。
【0020】本発明のエステル形成性スルホン酸アルカ
リ金属塩化合物、エ−テル結合含有ジカルボン酸または
エステル形成性誘導体およびポリオキシアルキレングリ
コ−ルをポリエステルへ共重合あるいは含有させる方法
は特に限定されるものではない。ポリエステルへの配合
もしくは添加方法および時期は任意であり特に限定され
ない。粉体もしくは溶融状態でポリエステルへ配合、添
加してもよい。また、配合、添加時期としては、ポリエ
ステル合成反応時、反応終了後の溶融状態、ペレット状
態、成形前のいずれかの時期に配合、添加してもよい。
特にポリエステル合成反応時の反応前から反応終了後の
間に配合、添加することが好ましい。
【0021】本発明の改質ポリエステルの具体的な製造
方法としては、例えばテレフタル酸成分とエチレングリ
コ−ル成分とからなるポリエチレンテレフタレ−ト系改
質ポリエステルについて説明すると、 A.テレフタル酸、エステル形成性スルホン酸アルカリ
金属塩化合物(例えば、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸)およびエ−テル結合含有ジカルボン酸とエチレン
グリコ−ル、ポリオキシアルキレングリコ−ルとを直接
エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチル、エス
テル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物(例えば、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル)およびエ
−テル結合含有ジカルボン酸のエステル形成性誘導体と
エチレングリコ−ル、ポリオキシアルキレングリコ−ル
とをエステル交換反応させる第1段階の反応と、この第
1段階の反応生成物を重縮合反応させる第2段階とによ
って製造する方法、 B.テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体、
エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物とエチ
レングリコ−ルとを直接エステル化反応、もしくはエス
テル交換反応させる第1段階の反応終了後から、この反
応生成物を重縮合反応させる第2段階とによってポリエ
ステルを製造するまでの任意の間にエ−テル結合含有ジ
カルボン酸またはエステル形成性誘導体、ポリオキシア
ルキレングリコ−ルとを添加し、製造する方法等を挙げ
ることができる。
【0022】この際、反応触媒として、従来公知のアル
カリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等が用い
られ、さらに着色防止剤としてリン化合物等を用いても
よい。
【0023】本発明の改質ポリエステルのガラス転移温
度は30℃以上が好ましく、さらには50℃以上が好ま
しく、特には60℃以上が好ましい。改質ポリエステル
のガラス転移温度が30℃未満では成形したフィルムの
耐熱性が低下し、熱変形したりするため好ましくない。
また、本発明の改質ポリエステルの極限粘度は成形した
フィルムの強度を高めるために、0.3以上が好まし
く、さらには0.35以上が好ましく、とくには0.4
以上が好ましい。
【0024】本発明の改質ポリエステルおよびフィルム
には必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤
あるいはポリシロキサンなどの消泡剤を配合してもよ
く、さらには滑り性などを付与する目的でクレ−、マイ
カ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、湿式およ
び乾式法シリカさらにはコロイド状シリカ、リン酸カル
シウム、硫酸バリウム、アルミナなどの無機粒子さらに
はアクリル、スチレンなどを構成成分とする有機粒子等
を配合してもよい。
【0025】上記にて得られた改質ポリエステルは、乾
燥後、溶融押出しして、未延伸シ−トとし、続いて2軸
延伸、熱処理することにより目的とするフィルムにする
ことができる。2軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは2軸
同時延伸のいずれでもよく、延伸倍率はとくに限定され
るものではないが通常は縦、横それぞれ2.0〜5.0
倍が適当である。あるいは縦、横延伸後、縦、横方向の
いずれかに再延伸してもかまわない。
【0026】また本発明の改質ポリエステルからは常法
に従って繊維およびその他の成形加工製品を製造するこ
とができる。
【0027】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。実施例中の特性は次のようにして測定した。
【0028】A.ポリエステルの極限粘度;[η] o−クロロフェノ−ル溶媒を用い、25℃で測定した。
【0029】B.ポリエステルのガラス転移温度(T
g)および融点(Tm) 差動走査熱量計により測定した。
【0030】C.透明性 ポリエステルから得られたフィルムをASTM−D10
03−59に準じてフィルムヘイズを測定した。
【0031】D.接着性 ポリエステルから得られたフィルムの表面にアルミニウ
ムを蒸着し、蒸着面にセロハンテ−プを圧着し、これを
剥離したときの状態で判定した。 ◎;セロハンテ−プ側に剥離されない。 ○;セロハンテ−プ側に剥離される部分が20%以下で
ある。 △;20%〜70%の部分がセロハンテ−プ側に剥離さ
れる。 ×;70%以上の部分がセロハンテ−プ側に剥離され
る。
【0032】E.破断強度 ポリエステルから得られたフィルムから10mm巾×5
0mm長さの試料を作り、引張速度300mm/分で測
定した。
【0033】F.巻ぐせカ−ル回復性 ポリエステルから得られたフィルムから35mm巾×1
33mm長さの試料を作り、直径10mmの巻芯に巻
き、70℃×30%RH×72hrの処理を行い、その
後、巻芯から解放し40℃の蒸留水に30分間浸漬後、
サンプルを垂直に吊し、30gの荷重をかけ50℃の空
気恒温槽で5分間乾燥する。処理したフィルムサンプル
を平面上に置き、元のサンプル長133mmに対して、
サンプル長さがどれだけ回復したかを評価した。
【0034】G.熱収縮率 ポリエステルから得られたフィルムから10mm巾×2
50〜300mm長さの試料を作り、サンプルに3gの
クリップを用いて加重をかけ、150℃に設定した熱風
オ−ブン中で処理し、処理前後のサンプル長さを測定し
て熱収縮率を求めた。
【0035】実施例1 ジメチルテレフタレ−ト100重量部、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸ジメチル10重量部、エチレングリ
コ−ル70重量部およびエステル交換反応触媒として酢
酸カルシウム0.1重量部、重縮合反応触媒として三酸
化アンチモン0.03重量部を加え、常法に従いエステ
ル交換反応せしめたのち、リン酸トリメチル0.05重
量部を添加した。その後、エ−テル結合含有ジカルボン
酸として平均分子量4000のポリエチレンオキシジグ
リコ−ル酸(PEOG) HOOCCHO( CH O)CHCOOH 5重量部を添加し、さらに、ポリオキシアルキレングリ
コ−ルとして平均分子量4000のポリエチレングリコ
−ル5重量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧に
し、最終的に280℃、1mmHg以下で重縮合反応を
行い、ポリエステルを得た。o−クロロフェノ−ル溶媒
を用い、25℃で測定した極限粘度は0.67であっ
た。
【0036】得られたポリエステルをフィルム成形機で
275℃にて製膜後、二軸延伸機により、縦延伸倍率
3.4倍、横延伸倍率3.9倍で延伸した後、180℃
で熱処理して厚さ100μのフィルムを得た。得られた
フィルムの特性を、表2に示す。フィルムのヘイズは
0.7%であり、接着性も良好で、巻ぐせカ−ル回復性
を評価したところフィルムはほとんどカ−ルせずにほぼ
平らになった。また、150℃の熱収縮率は1.2%で
あった。
【0037】比較実施例1 実施例1と同様の方法でポリエチレンオキシジグリコ−
ル酸およびポリエチレングリコ−ルを添加せずに5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエステルおよび
フィルムを得た。ポリエステルの極限粘度は0.59で
あり、フィルムのヘイズは1.1%と良好であるもの
の、接着性、巻ぐせカ−ル回復性ともに不良であった。
表2に結果を示した。
【0038】実施例2〜7,比較実施例2〜5 表1に記載した如く、実施例1と同様の方法で各種エス
テル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物、エ−テル
結合含有ジカルボン酸およびポリオキシアルキレングリ
コ−ルの種類、量を変更し、ポリエステルおよびフィル
ムを得た。表2に結果を示した。実施例2〜7は本発明
の範囲内のものでありフィルムヘイズ、接着性、巻ぐせ
カ−ル回復性ともに良好であった。一方、比較実施例2
はエステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物を使
用しないものであり、フィルムのヘイズは良好であるも
のの、接着性、巻ぐせカ−ル回復性ともに不良であっ
た。また、比較実施例3はエステル形成性スルホン酸ア
ルカリ金属塩化合物量が、比較実施例4はエ−テル結合
含有ジカルボン酸量が本発明の範囲外であり、いずれも
接着性、巻ぐせカ−ル回復性に劣るものであった。さら
に、比較実施例5はエ−テル結合含有ジカルボン酸を使
用しないものであり、接着性、巻ぐせカ−ル回復性に劣
り、また、150℃の熱収縮率は3.0%と高いもので
あった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表中の略号は次の化合物を示す。 PEOG ;ポリエチレンオキシジグリコール酸 HOOCCHO( CH O)CHCOOH PEG ;ポリエチレングリコール PPG ;ポリ−1,2−プロピレングリコ−ル
【0042】
【発明の効果】本発明は上述したように、ポリエステル
に対して、特定量のエステル形成性スルホン酸アルカリ
金属塩化合物、エ−テル結合含有ジカルボン酸またはエ
ステル形成性誘導体およびポリオキシアルキレングリコ
−ルを含む改質ポリエステルおよびフィルムであり、優
れた接着性、透明性、巻ぐせカ−ル回復性を有し、写真
用支持体、包装用、一般工業用、磁気テ−プ用等に好ま
しく用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/42 KKB 7242−4J //(C08L 67/02 71:02) 9167−4J B29K 67:00 B29L 7:00 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルに対して、エステル形成性ス
    ルホン酸アルカリ金属塩化合物を1〜30重量%、下記
    式で示されるエ−テル結合含有ジカルボン酸またはエス
    テル形成性誘導体を1〜20重量%およびポリオキシア
    ルキレングリコ−ルを0.1〜15重量%含むことを特
    徴とする改質ポリエステル ROOC(CH) O(C H 2kO)(RO)(CH
    2jO)(CH ) COOR (ただし、式中、Rは炭素数4以上の二価の炭化水素
    基、R,Rは同一または異なる基で水素またはアル
    キル基を示す。また、kおよびjは2〜4、qは0また
    は1、pは1〜3、mおよびnはいずれかが0であって
    もよく、m+nは4以上である。)。
  2. 【請求項2】請求項1記載の改質ポリエステルからなる
    フィルム。
JP124691A 1991-01-09 1991-01-09 改質ポリエステルおよびフィルム Pending JPH0641410A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002187964A (ja) * 2000-12-21 2002-07-05 Toray Ind Inc 成形用ポリエステルフィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002187964A (ja) * 2000-12-21 2002-07-05 Toray Ind Inc 成形用ポリエステルフィルム

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