JPH0640875Y2 - 窓，出入口用シャッター取付け枠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、一般住宅用および業務用の窓，出入口などに装
着して用いるシヤッター取付け枠装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 通常の一般住宅用および業務用の建築物においては、そ
の既設および新設の如何を問わず、窓，出入口などの開
口部に対して、巻取り，巻戻し可能に連接係合された一
連のシャッター板を上下方向へ摺動開閉できるように付
設することが行なわれており、このシャッター装置の付
設のために、開口部の外面側左右，つまり、窓，出入口
などを開口した躯体外面での開口部の左右両側に、シャ
ッター板をガイドする一組のシャッター取付け枠を上下
方向に沿わせて相互に対向するように装着させる必要が
ある。

従来例によるこの種の窓，出入口用シヤッター取付け枠
装置として、こゝでは、木造家屋の窓開口部に対してシ
ヤッター取付け枠を装着した場合の概要構成を第３図に
示してある。

この第３図は窓開口部に対して装着させた一組のシヤッ
ター取付け枠のうち，一方の側の概要構成を模式的に示
す横断面図である。この従来例の装置構成において、Ａ
は窓開口部Ｂを開口させた建築物の躯体であつて、木質
構造での開口部枠となる柱部材１を有している。Ｃは前
記窓開口部Ｂの内面側に設けられるサッシュ開閉窓の窓
枠であつて、よく知られているように、前記柱部材１の
開口部内面に図示省略したサッシュ障子を受入れる竪枠
２を取付けてあり、この竪枠２の表面鈑部３は、柱部材
１の開口部外面の一部を覆うように突出されている。Ｄ
は前記窓開口部Ｂの左右外面側に装着されて、前記サッ
シュ開閉窓を外部から覆うシャッター装置の取付け枠で
あつて、前記竪枠２の一部突出された表面鈑部３を含む
ようにして柱部材１での開口部の両側外面に直接取付け
られる取付け部材４と、この取付け部材４に外面側で連
繋結合されて図示省略したシャッター板をガイドするガ
イド部材５とからなつており、これらの各部材4,5は、
それぞれにいわゆる長尺に押出し成形された押出し形材
を所定長さに截断して用いる。Ｅは前記シャッター装置
の付設後に施されるモルタル仕様の外装部である。

しかして、前記シヤッター取付け枠Ｄの取付け部材４
は、前記柱部材１の装着面に当接して止着される外側フ
ランジ部６と、外側フランジ部６から立上げた外面鈑部
７と、外面鈑部７の突出端部に設けられた係合溝部８
と、前記柱部材１の装着面に一部突出された表面鈑部３
に当接される内側フランジ部９と、内側フランジ部９か
ら立上げた内面鈑部10と、内面鈑部10の突出端部に設け
られた係合段部11と、これらの外面鈑部７と内面鈑部10
とを結合する連繋鈑部12とで構成されており、前記外側
フランジ部６での前記装着面に当接される当接面と、内
側フランジ部９での同様に前記装着面に対向される対向
面，すなわち、この場合は表面鈑部３に当接される当接
面との間には、内側フランジ部９が竪枠２の表面鈑部３
に当接されるために、この表面鈑部３の厚さに対応した
段差ギャップｇが与えられている。

また、前記ガイド部材５は、前記係合溝部８に挿入係合
される外側係合片部13と、外側係合片部13から立上げて
表面側に屈曲させた表面鈑部14と、外側係合片部13を延
長させて表面鈑部14との間にガイド空間部16を形成させ
る基鈑部15と、基鈑部15から突出させて前記係合段部11
に重合止着する内側係合部17とで構成されている。

従つて、前記構成としたこの従来例によるシヤッター取
付け枠Ｄを、木造家屋の窓開口部Ｂに対して装着させる
のには、柱部材１の外側装着面に対して、まず、取付け
部材４の一方の内側フランジ部９を、この装着面に一部
突出された表面鈑部３に当接させた状態で、他方の外側
フランジ部６を直接当接させると共に、この外側フラン
ジ部６ないしは連繋鈑部12を適宜の止着部材18によつて
止着固定させておき、ついで、このように柱部材１の開
口部外面に止着された取付け部材４の係合溝部８に、ガ
イド部材５の外側係合片部13を挿入係合させ、かつ係合
段部11に内側係合部17を重合させた上で、この重合部を
適宜の止着部材19によつて止着結合させるのであり、こ
のようにして装着させた状態では、ガイド部材５のガイ
ド空間部16が、シャッター板の上下開閉作動を円滑に可
能にすべく所定の垂直面に維持されるのである。

また、一方，前記構成によるシヤッター取付け枠Ｄにつ
いては、これをたゞ単一に木質構造による窓開口部Ｂで
の左右両側の躯体装着面に対してのみ装着させるだけで
なく、例えば、第４図に示されているように、コンクリ
ート構造による窓開口部Ｂに対して適用させる場合もあ
り、このコンクリート構造による窓開口部Ｂでの左右両
側の躯体装着面への適用については、前記した木質構造
への適用の場合とは異なって、コンクリート構造の躯体
Ｆにおける窓開口部Ｂの外面側が、サッシュ開閉窓の窓
枠Ｃとは独立に存在している場合が多く、仍つて、その
外部装着面に窓枠Ｃの表面鈑部３が一部突出されてはお
らず、原則的には、外部装着面側が平坦化されていて、
表面鈑部３の厚さ相当の段差がないことから、取付け部
材４の外側フランジ部６の当接面と、内側フランジ部９
の対向面との間の段差ギャップｇを補正するために、開
口部Ｂの装着面と取付け部材４での内側フランジ部９の
対向面との間にあつて、段差ギャップｇに相当する厚さ
のスーペーサ部材20を介在させて装着させるようにして
いるのである。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記したように、従来の窓，出入口用シヤッター取付け
枠装置においては、開口部を開口させた躯体外面部への
装着上の制約によつて、取付け部材の外側フランジ部の
当接面と、内側フランジ部の対向面との間に所要の段差
ギャップを必要としており、装着態様の如何によつて
は、この段差ギャップに相当する厚さのスペーサ部材を
介在させて段差量を調整しなければならず、これを避け
るためには、例えば、前記従来例の場合に限つてみて
も、木質構造用とコンクリート構造用との２種類のシヤ
ッター取付け枠を準備しなければならない。また、前記
した従来例の場合の装着態様だけでなく、サッシュ開閉
窓での窓枠の取付け位置，竪枠での表面鈑部の厚さの相
違などゝか、躯体での外部装着面の形態ならびに形状の
如何によつては、より以上に数多くの種類のシャッター
取付け枠を準備するか、あるいはこれに相応する数多く
のスペーサ部材を用意する必要があるなどの実用上好ま
しくない問題点があつた。

従つて、本案の目的とするところは、従来のこのような
欠点に鑑み、サッシュ開閉窓での窓枠の取付け位置，竪
枠の表面鈑部の厚さとか、躯体の外部装着面の形態なら
びに形状などに何等制限されずに、躯体開口部での外部
の左右装着面に容易かつ適確に装着し得るようにしたこ
の種の窓，出入口用シヤッター取付け枠装置を提供する
ことである。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本案の窓，出入口用シヤッ
ター取付け枠装置は、躯体開口部での外部の左右装着面
に対して、外側フランジ部の当接面との間に低い段差を
与えた内側フランジ部の対向面にポケット状係合溝部を
形成させ、このポケット状係合溝部に、必要に応じて任
意に厚さを選択変更し得るパッキングスペーサ部材を係
着させたものである。

すなわち，本案は、建築物の躯体に開口された窓，出入
口など開口部を、外側からシャッター板によつて開閉自
在に覆うシャッター装置を設ける場合、開口部の左右両
側にシャッター板をガイドする当接け枠を装着させるた
めのシヤッター取付け枠装置であつて、前記取付け枠を
構成する取付け部材には、少なくとも前記躯体の装着面
に当接される外側フランジ部，および外側フランジ部の
当接面との間に低い段差を与えて躯体の装着面に対向さ
れる内側フランジ部をそれぞれに設けると共に、内側フ
ランジ部の対向面にポケット状係合溝部を形成させ、ま
た、僅かな連接部を介して積層状に形成され、かつ必要
に応じ積層部分を引剥して任意に厚さを選択変更し得る
パッキングスペーサ部材を設け、前記ポケット状係合溝
部に対して、パッキングスペーサ部材を前記対向面から
突出するように係着させたことを特徴とする窓，出入口
用シヤッター取付け枠装置である。

〔作用〕

従つて、本案においては、シヤッター取付け枠の内側フ
ランジ部に係着されたパッキングスペーサ部材での各積
層部分を、建築物の躯体での外部装着面の形態，形状に
対応して、予め必要な厚さ相当部分だけ連接部から引剥
して除去し、その厚さを選択設定しておくことにより、
内側フランジ部の装着面に対する対向面の高さ位置を、
このパッキングスペーサ部材の介在で、外側フランジ部
の装着面に対する当接面との関係上，最適な状態に位置
決めできるもので、この結果，シヤッター取付け枠を躯
体の外部装着面に対して装着させた状態では、そのガイ
ド空間部を所定の垂直面に維持して、シャッター装置で
のシャッター板の上下開閉動作を円滑に行ない得るので
ある。

〔実施例〕

以下、本案に係る窓，出入口用シヤッター取付け枠装置
の一実施例につき、第１図および第２図を参照して詳細
に説明する。

第１図は本案の一実施例を適用したシヤッター取付け枠
装置の概要構成を示す横断面図、第２図は同上各部材を
取出して示す分解斜視図であり、これらの第１図，第２
図実施例構成において、前記した第３図，第４図従来例
構成と同一符号は同一または相当部分を表わしている。

すなわち，この第１図，第２図実施例構成による窓，出
入口用シヤッター取付け枠装置の構成においては、前記
シヤッター取付け枠Ｃの取付け部材４にあつて、前記躯
体Ａの装着面に当接される外側フランジ部6,および外側
フランジ部６の当接面との間に低い段差ギャップｇを与
えて躯体Ａの装着面に対向される対向面をもつた内側フ
ランジ部９をそれぞれに設けると共に、内側フランジ部
９の対向面に断面ポケット状の係合溝部，すなわち、こ
の実施例の場合には、下向きの角蟻溝状断面に形成した
係合溝部21を形成させておき、また、比較的軟質性でか
つスペーサとしての役割を充分に果し得る材料，例え
ば、ゴムまたは塩化ビニールなどを用い、引裂き得る程
度の僅かな連接部24を介して所要厚さの積層状に形成さ
れ、必要に応じてこの連接部24で各積層部分23を引剥し
除去することにより、その厚さを任意に選択変更し得る
ようにし、かつ上部に前記係合溝部21に係合し得る断面
形状の係合部25を突出形成させたパッキングスペーサ部
材22を設けると共に、前記ポケット状係合溝部21に対
し、このパッキングスペーサ部材22の係合部25を、その
対向面から突出するようにして係着させたものである。

従つて、前記構成としたこの実施例によるシヤッター取
付け枠Ｄを、建築物の躯体Ａでの窓開口部Ｂの外側左右
の装着面に対して装着させるのには、まず最初に、この
躯体Ａでの装着面の形態，形状を検討して、シャッター
取付け枠Ｄを装着させたときに、その取付け部材4,ひい
ては、ガイド部材５のガイド空間部16が所定の垂直面に
維持されるように、パッキングスペーサ部材22での各積
層部分23を必要な厚さ相当部分だけ、連接部24から引剥
し除去して、その厚さを予め選択設定しておき、つい
で、その後，このシヤッター取付け枠Ｄを前記した従来
例の場合と全く同様にして装着させるのであり、この実
施例構成においても、このようにして装着させた状態に
おいては、取付け部材４での内側フランジ部９の装着面
に対する対向面の高さ位置を、この厚さ設定されたパッ
キングスペーサ部材22の介在で、外側フランジ部６の装
着面に対する当接面との関係上，最適な状態に位置決め
できることになり、結果的に、ガイド部材５のガイド空
間部16が、シャッター板の上下開閉作動を円滑に可能に
すべく所定の垂直面に維持されるのである。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本案によれば、建築物の躯体に開
口された窓，出入口など開口部を、外側からシャッター
板によつて開閉自在に覆うシャッター装置を設ける場
合、開口部の左右両側にシャッター板をガイドする取付
け枠を装着させるためのシヤッター取付け枠装置におい
て、取付け枠を構成する取付け部材に対し、少なくとも
躯体の装着面に当接される外側フランジ部，および外側
フランジ部の当接面との間に低い段差を与えて躯体の装
着面に対向される内側フランジ部をそれぞれ設けると共
に、内側フランジ部の対向面にポケット状係合溝部を形
成させておき、また、僅かな連接部を介して積層状に形
成され、かつ必要に応じ積層部分を引剥して任意に厚さ
を選択変更し得るパッキングスペーサ部材を設けて、こ
のパッキングスペーサ部材を内側フランジ部のポケット
状係合溝部に、対向面から突出するようにして係着させ
るようにしたから、パッキングスペーサ部材での各積層
部分を、躯体の外部装着面の形態，形状に対応して、予
め必要な厚さ相当部分だけ連接部から引剥して除去する
ことで、その厚さを極めて容易に選択設定でき、これに
より内側フランジ部の装着面に対する対向面の高さ位置
を、このパッキングスペーサ部材の介在で、外側フラン
ジ部の装着面に対する当接面との関係上，最適な状態に
位置決めできるものであり、この結果，シヤッター取付
け枠を躯体の外部装着面に対して装着させた状態では、
外部装着面の形態，形状の如何に何等拘わりなく、その
ガイド空間部を所定の垂直面に維持して、シャッター装
置でのシャッター板の上下開閉作動を円滑に行ない得る
のであり、このために従来のように複数種類のシャッタ
ー取付け枠を準備したり、あるいは、同様に、厚さの異
なる複数種類のスペーサ部材を用意したりせずに済み、
唯，単に一種類だけのシャッター取付け枠装置を準備し
て、パッキングスペーサ部材の厚さのみを選択設定する
のみでよく、しかも、装置自体の全体構成も比較的簡単
で容易かつ安価に提供でき、併せてその施工もまた頗る
簡単であつて、作業の簡略化，施工の迅速性を格段に向
上し得るなどの実用上有益な特長がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係る窓，出入口用シヤッター取付け枠装
置の一実施例による概要構成を示す横断面図、第２図は
同上各構成部材を取出して示す分解斜視図であり、ま
た、第３図および第４図は従来の各別例による窓，出入
口用シヤッター取付け枠装置の概要構成をそれぞれに示
す横断面図である。 Ａ……建築物の躯体,1……柱部材、 Ｂ……窓開口部、 Ｃ……サッシュ開閉窓の窓枠、 ２……竪枠、３……表面鈑部、 Ｄ……シャッター装置の取付け枠、 ４……取付け部材、５……ガイド部材、 ６……外側フランジ部、 ７……外面鈑部、８……係合溝部、 ９……内側フランジ部、 10……内面鈑部、11……係合段部、 12……連繋鈑部、13……外側係合片部、 14……表面鈑部、15……基鈑部、 16……ガイド空間部、 17……内側係合部、 18,19……止着部材、 21……係合溝部、 22……パッキングスペーサ部材、 23……パッキングスペーサ部材の積層部分、 24……パッキングスペーサ部材の連接部、 25……係合部、ｇ……段差ギャップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建築物の躯体に開口された窓，出入口など
   開口部を、外側からシャッター板によつて開閉自在に覆
   うシャッター装置を設ける場合、開口部の左右両側にシ
   ャッター板をガイドする取付け枠を装着させるためのシ
   ヤッター取付け枠装置であつて、前記取付け枠を構成す
   る取付け部材には、少なくとも前記躯体の装着面に当接
   される外側フランジ部，および外側フランジ部の当接面
   との間に低い段差を与えて躯体の装着面に対向される内
   側フランジ部をそれぞれに設けると共に、内側フランジ
   部の対向面にポケット状係合溝部を形成させ、また、僅
   かな連接部を介して積層状に形成され、かつ必要に応じ
   積層部分を引剥して任意に厚さを選択変更し得るパッキ
   ングスペーサ部材を設け、前記ポケット状係合溝部に対
   して、パッキングスペーサ部材を前記対向面から突出す
   るように係着させたことを特徴とする窓，出入口用シヤ
   ッター取付け枠装置。