JP2542629Y2 - カーテンウオールの窓におけるガラス間口の雨切り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ストラクチュラルシーラントグレイジング
構法（SSG構法）を採るカーテンウオールにおいて、障
子を突合せたときに、その板ガラスと板ガラスとの間か
ら雨風が侵入しないようにするためのガラス間口の雨切
り装置に関する。

（従来技術） ストラクチュラルシーラントグレイジング構法は、ガ
ラスの止め付け構法の一つで、板ガラスをストラクチュ
ラルシールにより、室内側の縦枠または縦框に取り付け
る構法であり、方立（マリオン）が室外側でなく室内側
にあるので、バックマリオン構法とも呼ばれている。

窓における前記構法を実施例の図面（第１図）を利用
して説明すると、障子1,2に板ガラス３を取り付けるに
は、その間にシリコーンからなるストラクチュラルシー
ル４と接着型バックアップ材５とを介在させ、このシリ
コーン部分Ｓにより縦框12に板ガラス３が片面持ちで取
り付けられる。

従来、この種の構法を採るカーテンウオールにおいて
は、障子の板ガラス３と板ガラス３との間の間口６を封
じる雨切り装置はなく、一方又は両方の障子1,2の縦框1
2に突合せ用のパッキング９を嵌着することによりタイ
ト性を得ていた。

（考案が解決しようとする課題） 前記構成のカーテンウオールにおいては、障子の間が
一応パッキング９により封じられるが、カーテンウオー
ルは主に高層建築物において施工される関係上、雨風が
強く吹き込む高層部では、タイト性に十分の信頼性を置
けなかった。

また、シリコーン部分が雨風に直接晒されるため、シ
リコーン部分と板ガラスとの間に雨水が侵入すると、そ
れが凍結した場合には剥離現象が生じ、板ガラスの取り
付けに安全性を期し難いという問題もあった。

このように、SSG構法を採る場合は、板ガラスの端部
が外側へ露出していて、支持部材が板ガラスの端部に衝
撃を与え、板ガラスを破損させるおそれがあった。

本考案は、前記のような実情に鑑みて、ガラス間口を
封じて室内の気密性を高め、また、シリコーン部分に雨
風が当たる不都合が防止できるとともに、板ガラスを破
損しないように安全に保持できるカーテンウオールの窓
におけるガラス間口の雨切り装置を提供することを目的
としている。加えて、両障子が開閉可能である場合に
は、障子の開閉に支障がないようにすることも目的とし
ている。

（課題を解決するための手段） 本考案は、実施例で用いた符号を付して記すと、障子
の室外側に複数の板ガラス3,3が装着され、前記各板ガ
ラスは、前記障子の縦框にストラクチュラルシール４及
びバックアップ材５を介して取付けられ、前記板ガラス
3,3間にガラス間口６を備えたカーテンウオールの窓に
おいて、固定障子１の突合せ縦框12に前記ガラス間口６
に納まる支持部材13を設け、該支持部材13の両端に、前
記両板ガラス3,3と突合うタイト材15,15を装着して構成
され、前記突合せ縦框12は、その室外端に開閉障子２側
へ向けて突設されるＬ字状の突合片16と、前記突合片16
の屈折先端と同方向の屈折先端を有するＬ字状突片14と
を備え、前記支持部材13は、前記突合片16及びＬ字状突
片14と係合する係合部21及び係合溝22を備え、更に前記
Ｌ字状突片14からビス23を挿通して前記支持部材13を固
定したカーテンウオールの窓におけるガラス間口の雨切
り装置である。

（作用） このように構成した場合は、支持部材13とその両側の
タイト材15,15によりガラス間口６が封じられるので、
ガラス間口への風雨の侵入が防止される。しかも、支持
部材はガラス間口に納まっているため、支持部材が板ガ
ラスに衝撃を与えることはなく、板ガラスの安全性が保
障される。

また、突合せ縦框12は、その室外端に開閉障子２側へ
向けて突設されるＬ字状の突合片16と、前記突合片16の
屈折先端と同方向の屈折先端を有するＬ字状突片14とを
備え、前記支持部材13は、前記係合片16及びＬ字状突片
14と係合する係合部21及び係合溝22を備えているので、
支持部材13は、これを開閉障子２側から固定障子１の方
向へスライドさせるだけで簡単に装着することができ、
更に、Ｌ字状突片14からビス23を挿通して支持部材13を
固定しているので、突合片16及びＬ字状突片14と係合部
21及び係合溝22との係合による固定が確実になされる。

（実施例） 次に、本考案を添付図面に基づいて説明する。

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示したもの
で、窓枠Ｆには固定障子１と開閉障子２とが納まってい
る。固定障子１は、窓枠Ｆの縦枠７と上下枠9,10に固着
されて嵌殺しに形成されており、開閉障子２は、縦枠８
に軸支され内側へ開閉可能に設けられている。両障子の
うち、固定障子１の突合せ縦框12には、外面にガラス間
口６に位置する支持部材13が設けられ、その支持部材13
の先端の両側にタイト材15,15が突設されている。

前記突合せ縦框12は、その室外端に開閉障子２側へ向
けて突設されるＬ字状の突合片16と、前記突合片16の屈
折先端と同方向の屈折先端を有するＬ字状突片14とを備
える。すなわち、突合片16とＬ字状突片14は、それぞれ
の屈折先端が開閉障子２側へ向くように突設してある。

支持部材13は、板ガラス３の外面と面一となる位置に
配された帯板17に脚片18を突設してあり、その形状はほ
ぼＴ字形としてある。前記帯板17の両端にタイト材15,1
5の嵌着溝19,19を形成し、脚片18の基端には突合せ縦框
12の突合片16に掛かる係合部21を形成する一方、帯板17
の一側端部にＬ字状突片14に掛かる係合溝22を設け、こ
れらの係合部21及び係合溝22が前記Ｌ字状の突合片16及
びＬ字状突片14から外れないように、Ｌ字状突片14にビ
スを挿通して、該ビスの先端で脚片18を突合片16の方向
へ押圧している。すなわち、Ｌ字状突片14にビス23を螺
入するねじ孔23aを設け、ビス23を脚片18に接触させる
ことにより、支持部材13を外れない方向に押し付けてあ
る。

タイト材15,15は、ゴムや軟質合成樹脂等により薄く
ヒレ状に形成され、先端が板ガラス3,3の端の外隅に掛
かっている。

このように、支持部材13の帯板17と両方のタイト材1
5,15とによりガラス間口６が封じられているので、ガラ
ス間口６に風雨が侵入してシリコーン部分Ｓが雨水に侵
されることはなく、室内へのタイト性については、風雨
が侵入したとしても、パッキング９により二次的に阻止
されるため、室内へ風雨が侵入することはない。

（考案の効果） 本考案は、以上説明したように構成され、支持部材の
先端に両板ガラスと突き合うタイト材を嵌着し、ガラス
間口が支持部材先端のタイト材により封じられることに
より、室内の気密性が高められ、また、シリコーン部分
に風雨が当たらないので、シリコーン部分が雨水の凍結
により破損する恐れもなく、しかも、支持部材が板ガラ
スに衝撃を与えることがないため、ガラスに対する安全
性を確保でき、更に、体裁良くガラス間口を板ガラスと
面一に封じることができる。

また、突合せ縦框は、その室外端に開閉障子側へ向け
て突設されるＬ字状の突合片と、前記突合片の屈折先端
と同方向の屈折先端を有するＬ字状突片とを備え、前記
支持部材は、前記突合片及びＬ字状突片と係合する係合
部及び係合溝を備えているので、支持部材は、これを開
閉障子側から固定障子の方向へスライドさせるだけで簡
単に装着することができ、更に、Ｌ字状突片からビスを
挿通して支持部材を固定しているので、突合片及びＬ字
状突片と係合部及び係合溝との係合による固定が確実に
なされる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示し、第１図
は窓の横断面図、第２図は第１図Ｘ部の拡大断面図、第
３図は第１図Ａ−Ａ線矢視の断面図、第４図は第１図Ｂ
−Ｂ線矢視の断面図である。 １……固定障子、２……開閉障子、３……板ガラス、４
……ストラクチュラルシール ５……バックアップ材、６……ガラス間口 12……縦框、13……支持部材、14……Ｌ字状突片、15…
…タイト材 16……突合片、21……係合部、22……係合溝、23……ビ
ス

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】障子の室外側に複数の板ガラス3,3が装着
   され、前記各板ガラスは、前記障子の縦框にストラクチ
   ュラルシール４及びバックアップ材５を介して取付けら
   れ、前記板ガラス3,3間にガラス間口６を備えたカーテ
   ンウオールの窓において、固定障子１の突合せ縦框12に
   前記ガラス間口６に納まる支持部材13を設け、該支持部
   材13の両端に、前記両板ガラス3,3と突合うタイト材15,
   15を装着して構成され、前記突合せ縦框12は、その室外
   端に開閉障子２側へ向けて突設されるＬ字状の突合片16
   と、前記突合片16の屈折先端と同方向の屈折先端を有す
   るＬ字状突片14とを備え、前記支持部材13は、前記突合
   片16及びＬ字状突片14と係合する係合部21及び係合溝22
   を備え、更に前記Ｌ字状突片14からビス23を挿通して前
   記支持部材13を固定したことを特徴とするカーテンウオ
   ールの窓におけるガラス間口の雨切り装置。