JPH0639762U - 電子部品包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 キャリアテープを封止したカバーテープの部
分的な引き離しが可能で、容易に繰り返し使用すること
ができ、エンボス部内に収納された電子部品の姿勢を安
定させる電子部品包装体を提供する。 【構成】 電子部品７を収納するエンボス部６を長さ方
向に一列に設けたキャリアテープ２と、これを封止する
カバーテープ１よりなる電子部品包装体において、カバ
ーテープ１はキャリアテープ２側表面の中央に長さ方向
の突条５と、両縁が折れ曲がってキャリアテープ２の両
縁３を把持するコの字型の保持部４とを有し、キャリア
テープ２は突条５に嵌合する溝１０を隣接するエンボス
部６の境界のフランジ上に備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、搬送用各種電子部品包装体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、搬送用電子部品包装体としては、ＩＣマガジン、ＩＣトレー、キャリア テープ等が挙げられるが、電子部品の実装効率の良さ、ハンドリングの容易さ、 経済的である等の理由からキャリアテープが主流となっている。 キャリアテープの場合は、キャリアテープのエンボス部に電子部品を収納し、 フイルムの表面に帯電防止処理を施し、裏面に接着層を積層したカバーテープを キャリアテープに熱融着してキャリアテープを封止した電子部品包装体を、リー ルに巻き付けて搬送している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

かかる従来の電子部品包装体では、電子部品をエンボス部内に誤った方向に収 納したり、電子部品自体の不良を発見した場合は、封止したカバーテープを剥し 電子部品の方向を修正したり取り替えた後、新しいカバーテープを熱融着し直さ なければならない。電子部品を静電気から保護するためカバーテープの接着面に 帯電防止処理を施した場合は、熱融着条件が製造ロット毎に異なり管理が非常に 困難である。 また電子部品が搬送中にエンボス部内で躍動してリードを変形する等のトラブ ルが生じ易い。電子部品の形状が複雑で姿勢が不安定な場合、エンボス部を異形 にして対応したりしていたが不十分な場合が多かった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記不利を解決するもので、これは電子部品を収納するエンボス部を 長さ方向に一列に設けたキャリアテープと、これを封止するカバーテープよりな る電子部品包装体において、カバーテープはキャリアテープ側表面の中央に長さ 方向の突条と、キャリアテープの両縁を把持する保持部とを有し、キャリアテー プは突条に嵌合する溝を隣接するエンボス部の境界のフランジ上に備えてなるこ とを特徴とする電子部品包装体を要旨とするものである。

【０００５】 以下本考案の一実施態様を図を用いて詳細に説明する。 図１（ａ），（ｂ），（ｃ）に示すように、カバーテープ１の両縁には，キャ リアテープ２の両縁３を把持するよう折り曲げてコの字型の保持部４、中央には 長さ方向に２本の突条５が形成されている。 キャリアテープ２は、長さ方向にエンボス部６が一列に形成され、この中に電 子部品７を収納する。その際電子部品７のリード８を変形させぬようエンボス部 ６の中に形成した台座９に載置する。しかしてカバーテープ１でキャリアテープ ２を封止した際、突条５と台座９の間隔は、収納する電子部品７の厚さより０． ５ｍｍ以下になるよう、突条５または台座９の高さを調節する。また、隣接した エンボス部間のフランジに溝１０が設けられ、その形状はカバーテープの突起５ と嵌合すればどのような形状でもよく、好ましくは同一がよい。

【０００６】 カバーテープ１は、剛性がないと突条を形成するのが難しいので、透明性の良 い熱可塑性樹脂例えば塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレンの樹脂が用 いられ、これら樹脂を押出成形等して中央に突条５、両縁に保持部４を形成する 。保持部の形状はキャリアテープの両縁と嵌合するのであればどのようなもので もよく、好ましくはコの字型がよい。ついで帯電防止処理を施し１０⁹ 〜１０¹² Ωの表面固有抵抗を有するようにする。 キャリアテープ２もカバーテープ１と同様の樹脂に同様の処理を施したもので ある。

【０００７】

【作用】

エンボス部６に電子部品７を収納すると、図２に示すように、カバーテープ１ をキャリアテープ２に挿入し保持部４でキャリアテープ２の両縁３を把持して電 子部品７を包装する。その際カバーテープ１の中央の２本の突条５が電子部品７ を台座９に圧接し、搬送中に電子部品７がエンボス部内で躍動してリード８を変 形させるのを防ぐ。 キャリアテープ２の隣接したエンボス部間のフランジ上の溝１０は、突条５を 嵌合させてカバーテープによる電子部品の圧接を確実なものとする。

【０００８】

【実施例】

カーボンブラックを練り込んだ厚さ０．３ｍｍの導電性ポリ塩化ビニールフィ ルムを真空成形して、底に縦横それぞれ１０ｍｍ、高さ０．５ｍｍの台座をもつ 縦横それぞれ１５．８ｍｍ、高さ３．６ｍｍのエンボス部を長さ方向に２０ｍｍ おきに、また隣接エンボス部６間のフランジに幅１ｍｍ、深さ０．６ｍｍの溝１ ０を２本形成し、幅２４ｍｍのキャリアテープ２とした。 つぎに厚さ０．２５ｍｍの透明ポリ塩化ビニール樹脂を用い幅２４．６ｍｍで 両縁にコの字型の保持部４、中央に前記溝１０に嵌合する２本の突条５をもつカ バーテープ１を押出成形した。 前記キャリアテープ２にＱＦＰタイプのＩＣ７を収納し、カバーテープ１で封 止し搬送テストを行ったがＩＣの収納姿勢は安定し、リードの変形もなかった。 またカバーテープ１をスライドさせるか、または一方の保持部４を持ち上げるこ とにより、収納電子部品７の姿勢の修正または取り替えを行っても、同じカバー テープ１で容易に再封止できた。

【０００９】

【考案の効果】

電子部品を一旦キャリアテープに収納しカバーテープで封止しても、カバーテ ープをスライドさせるかまたは一方の保持部を持ち上げて電子部品を入れ替えた り姿勢修正して再度封止することは容易であり、また電子部品の圧接固定が確実 なため搬送中にトラブルを生じることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本考案の一例のカバーテープの斜視
図、（ｂ）は一例の収納電子部品の斜視図、（ｃ）は本
考案の一例のキャリアテープの斜視図である。

【図２】電子部品を本考案の一例の包装体に収納したと
きの縦断面図である。

【符号の説明】

１……カバーテープ ２……キャリアテープ ３……両縁 ４……保持部 ５……突条 ６……エンボス部 ７……電子部品 ８……リード ９……台座 １０……溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子部品を収納するエンボス部を長さ方
   向に一列に設けたキャリアテープと、これを封止するカ
   バーテープよりなる電子部品包装体において、カバーテ
   ープはキャリアテープ側表面の中央に長さ方向の突条
   と、キャリアテープの両縁を把持する保持部とを有し、
   キャリアテープは突条に嵌合する溝を隣接するエンボス
   部の境界のフランジ上に備えてなることを特徴とする電
   子部品包装体。