JPH06156564A - キャリアテープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 電子部品の収納取り出しが容易で、しかも収
納中の電子部品を十分観察でき、かつ繰り返し使用でき
るキャリアテープを提供する。 【構成】 エンボス部３が流れ方向に多数連設してなる
キャリアテープ２において、該エンボス部３の側壁また
は底面よりの突起物１０あるいは側壁自体により収納部
品１が固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種電子部品、精密機
器部品等の微細部品を多数収納し保存搬送するための包
装体、特にはキャリアテープの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子部品等の保存搬送用包装体に
は、ＩＣマガジン、ＩＣトレー、キャリアテープ等が挙
げられるが、電子部品の実装効率の良さ、ハンドリング
の容易さ、経済的である等の理由からキャリアテープが
主流となっている。キャリアテープの場合は、そのエン
ボス部に電子部品を収納し、表面に帯電防止処理を施
し、裏面に接着層を積層したトップカバーテープをキャ
リアテープに加熱加圧して収納電子部品を封止し、リー
ルに巻き付けて保存搬送している。一例を挙げると、図
９に示すように、電子部品１をキャリアテープ２のエン
ボス部３に収納し、トツプカバーテープ４をキャリアテ
ープ２のフランジ５に接着し、これをリール（図示しな
い）に巻き付けて保存、搬送していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら電子部品
の収納、取り出しごとにトップカバーテープを貼付、剥
離する工程の増加は意外に大きく、さらに繰り返し使用
することのできないため、コストアップを招いている。
しかも、電子部品をエンボス部内に誤った方向に収納し
たり、電子部品自体の不良を発見した場合は、封止した
トップカバーテープを剥し電子部品の方向を修正したり
取り替えた後、再び同じトップカバーテープを熱融着し
直さなければならない。電子部品を静電気から保護する
ためトップカバーテープの接着面に帯電防止処理を施し
た場合は、熱融着条件が製造ロット毎に異なり管理が非
常に困難であるほか、高生産性を達成するために実装速
度が高速になる傾向にあり、それに伴うトップカバーテ
ープの剥離強度のバラツキ、裂け等の問題を生じた。ま
た電子部品が搬送中にエンボス部内で揺動してリードが
変形したり、さらにトップカバーテープが剥れたり、ち
ぎれる等のトラブルを生じ易かった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は前記不利を解決
するため、トップカバーテープを使用せず、キャリアテ
ープ自体に収納部品の固定機能をもたせたもので、これ
はエンボス部が流れ方向に多数連設してなるキャリアテ
ープにおいて、該エンボス部の側壁または底面よりの突
起物あるいは側壁自体により収納部品が固定されている
ことを特徴とするキャリアテープを要旨とするものであ
る。

【０００５】以下本発明の一実施態様を図を用いて詳細
に説明する。図１（ａ）はキャリアテープ２の斜視図で
あるが、エンボス部３の相対する側壁の一部をカットし
て長方形の窓６を設けるが、このとき窓の４辺のうちエ
ンボス部の開口側の１辺を切り残し、エンボス部３の内
側に斜めに垂れ下がった突起物として斜片７を形成す
る。このエンボス部３内に電子部品１を収納すると、
（ｂ）に断面で示すように、斜片７が電子部品１を押圧
してトップカバーテープ４を設けなくても電子部品１の
脱落を防止することができる。ここで斜片の形としては
電子部品の脱落を防止することができればどのような形
でもよい。また底面の一部を側壁と同様にカットしても
よい。電子部品１を取り出すときはエンボス部３の底面
に設けた押し出し孔８に押し出し棒９を挿入して電子部
品１を突き上げると、キャリアテープ２は可撓性樹脂よ
りなるから取り出しに困難はない。

【０００６】側壁に形成した突起物としては、図２
（ａ）に示すように、斜片７を分割したもの、（ｂ）に
示すように、エンボス部３の相対する側壁のコーナーの
一部をカットして内側に押し出したものでもよい。ある
いは図３（ａ）に示すように、電子部品がエンボス部か
ら脱落しないように側壁の一部を加熱加圧してエンボス
部３内に突起物１０を設けたり、（ｂ）に示すようにエ
ンボス部の開口の周縁に係止部として例えば突起物１０
を設けてもよい。

【０００７】さらに開口周縁に突起物を設けるために
は、図４（ａ），（ｂ）、及び図５（ａ），（ｂ）に示
すように、キャリアテープ２のフランジ５上にエンボス
部３の開口よりもやや狭い広さの開口を有する補助テー
プ１１を貼付してエンボス部３の開口を一部塞ぐように
してもよい。図６（ａ），（ｂ）はエンボス部３上に貼
付した補助テープ１１に小窓１２を設け、エンボス部３
の底面には収納電子部品１の両端を保持するだけ残して
電子部品１の出入孔１３を設けたもので、電子部品の出
し入れは、補助テープ１１とキャリアテープ２を矢印Ａ
の方向に反らせて行うことができる。

【０００８】また収納する電子部品１が下面にリード１
４をもつときは図７（ａ）に示すように、エンボス部２
の底面に台１５を形成し、この上に電子部品１を載置
し、台１５の周辺に突起物１０を形成して電子部品を挟
み込み、脱落しないように固定してもよい。さらに図７
（ｂ）に示すように、弾性をもつ押え金具１６をエンボ
ス部３の底面より突き出し電子部品１を固定することも
できる。また図７（ｃ）に示すように、エンボス部３の
底面より突出したリブ１７により電子部品を固定しても
よい。あるいは図８（ａ），（ｂ）に示すように、エン
ボス部３の側壁自体を変形して電子部品を直接固定して
もよい。

【０００９】キャリアテープには、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニール、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を、単独
または導電性を賦与するために導電性フィラーを直接練
り込んだり、熱可塑性樹脂のシートの表面にコーティン
グした材料を使用する。トップカバーテープには、ポリ
エステル樹脂、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂のシート
を単独もしくは複数組み合わせて多層構造とし、片面に
キャリアテープと接着するように接着剤を積層した材料
を使用する。

【００１０】

【作用】上記したようにしてエンボス部に電子部品を収
納したり取り出したりするが、いずれの場合もキャリア
テープは弾力性に富んでいるので、収納するときも取り
出すときもわずかな力で容易に行うことができる。しか
し電子部品を収納固定したキャリアテープを取扱中に、
電子部品が脱落しないだけの固定力を備えなければなら
ないことはもちろんである。

【００１１】

【実施例】図７（ｃ）に示すように、エンボス部より突
出したリブ１７をキャリアテープの幅方向の２辺に従来
より知られているプレス成形法で形成した後、そのリブ
１７を上面より押しつぶし部品係止用の突起１８を形成
した。その後部品を挿入してキャリアテープを逆さにし
ても部品は脱落せず、実装時においても問題なく取り出
すことができた。

【００１２】

【発明の効果】本発明はトップカバーテープを使用しな
いので、電子部品の収納取り出しが容易で、しかも収納
中の電子部品を十分観察でき、しかも繰り返し使用もリ
サイクルもできるのでコストの低下にいちじるしい効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の一例のキャリアテープの部分
斜視図、（ｂ）は（ａ）のエンボス部に電子部品を収納
したときのＸ−Ｘ線に沿う縦断面図である。

【図２】（ａ），（ｂ）は本発明の他の例の部分斜視図
である。

【図３】（ａ），（ｂ）は本発明の他の例の縦断面図で
ある。

【図４】（ａ）は本発明の他の例の部分平面図、（ｂ）
は（ａ）のＸ−Ｘ線に沿う縦断面図である。

【図５】（ａ），（ｂ）は本発明の他の例の部分平面図
である。

【図６】（ａ）は本発明の他の例の部分平面図、（ｂ）
は（ａ）のＸ−Ｘ線に沿う縦断面図である。

【図７】（ａ），（ｂ），（ｃ）は本発明の他の例の縦
断面図である。

【図８】（ａ），（ｂ）は本発明の他の例の縦断面図で
ある。

【図９】（ａ）は従来のキャリアテープの部分平面図、
（ｂ）は（ａ）のＸ−Ｘ線に沿う縦断面図である。

【符号の説明】

１……電子部品 １１…補助テープ ２……キャリアテープ １２…小窓 ３……エンボス部 １３…出入孔 ４……トップカバーテープ １４…リード ５……フランジ １５…台 ６……窓 １６…押え金具 ７……斜片 １７…リブ ８……押し出し孔 １８…突起 ９……押し出し棒 １０…突起物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンボス部が流れ方向に多数連設してな
   るキャリアテープにおいて、該エンボス部の側壁または
   底面よりの突起物あるいは側壁自体により収納部品が固
   定されていることを特徴とするキャリアテープ。