JPH0639503A - 連続鋳造工程における溶鋼制御加熱方法 - Google Patents

連続鋳造工程における溶鋼制御加熱方法

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JPH0639503A
JPH0639503A JP15655091A JP15655091A JPH0639503A JP H0639503 A JPH0639503 A JP H0639503A JP 15655091 A JP15655091 A JP 15655091A JP 15655091 A JP15655091 A JP 15655091A JP H0639503 A JPH0639503 A JP H0639503A
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molten steel
heat
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heating
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JP15655091A
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Yoichi Mizutani
洋一 水谷
Kikuo Ariga
喜久雄 有賀
Yoshinari Kato
吉成 加藤
Eizo Kojima
榮藏 小島
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TYK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発熱体の内部の熱のこもりを抑え得、発熱体の
軸方向における単位長さあたりの投入電流を30〜65
A/cmと大電流化すること。 【構成】マグネシアを主成分とし半径方向における肉厚
を7mm〜15mmに設定した円筒状の発熱体2と発熱
体2の中央孔に装備された電極部3とからなるヒ−タ装
置1を用い、ヒ−タ装置1をその下端部から溶鋼に浸漬
した状態で、発熱体2の軸方向における単位長さあたり
の投入電流を30〜65A/cmで通電し、溶鋼を加熱
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続鋳造工程における溶
鋼制御加熱方法に関し、連続鋳造工程で使用されるタン
ディシュ内に保持された溶鋼を加熱して、その溶鋼の温
度調整を行う溶鋼制御加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法では、とりべから例えば14
50〜1600℃程度の溶鋼をタンディシュに1次的に
うけ、タンディシュの吐出口から溶鋼を水冷鋳型に注入
して冷却固化し、冷却スプレ−帯による冷却の後、冷却
固化した部分をピンチロールで引張り、所定の長さに切
断し、これによりスラブやビレットなどを製造してい
る。上記した連続鋳造方法では、分塊圧延法に比較して
製造される製品の品質は向上しており、歩留も向上して
いる。しかし、近年、鉄鋼製品では一層の高品質化が要
求されているため、連続鋳造方法でも鉄鋼製品の高品質
化のため開発が鋭意進められている。
【0003】ところで上記した連続鋳造方法では、鉄鋼
の溶鋼をタンディシュに1次的に受ける関係上、タンデ
ィシュ内で鉄鋼の溶鋼の温度が低下しがちであった。特
に連続鋳造する際、鋳造開始から時間が例えば50〜8
0分間経過した鋳造末期では溶鋼の温度が数〜数10℃
程度場合によってはそれ以上低下する。ここで、タンデ
ィシュは溶鋼が凝固する直前の最終容器であるため、タ
ンディシュ内の溶鋼温度は鉄鋼製品の表層下介在物指
数、炭素の中心偏析指数に大きな影響を与え、従って、
鉄鋼製品の高品質化に大きな影響を与える。故に、タン
ディシュ内の溶鋼が数〜数10℃程度低下する場合であ
っても、品質管理上好ましくない。
【0004】そこで、近年、鋭意研究の結果、本発明者
は、図7に示すような溶鋼に浸漬される溶鋼浸漬用ヒ−
タ装置を開発した。この溶鋼浸漬用ヒ−タ装置100
は、マグネシアが常温域では電気絶縁材料であるが、鋼
の融点付近の1500°C程度では導電性をもつこと、
溶鋼温度域での必要な固有抵抗値が得られること、マグ
ネシアが溶鋼に侵入したときにおける鋼への影響性が少
ないこと、価格、毒性等の要因に着目したものであり、
図7に示す様に、マグネシアを主成分とする筒状の発熱
体200と、発熱体200の中央孔に装備された電極部
300とで構成されている。そして、図7に示す様にヒ
−タ装置100を2個用い、2個1組のヒ−タ装置10
0をタンディシュ400内の溶鋼Wに浸漬した状態で、
ヒ−タ装置100と溶鋼Wとの間に電圧を印加し、発熱
体200の発熱で溶鋼Wを加熱する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したヒ−タ装置で
は、発熱体200の発熱量を大きくする必要がある。発
熱量は抵抗値と電流値の二乗に比例し、(Q=KR
2 、Qは発熱量、Kは定数、Rは抵抗値、Iは電流
値)、そのため、発熱体200の半径方向における抵抗
値を増加させるべく、発熱体200の半径方向の肉厚を
10cm程度と厚く設定していた。この様に厚く設定す
ると、発熱体200の半径方向における抵抗値を大きく
でき、従って発熱体200の発熱量が増加するので、溶
鋼を効果的に加熱できる。
【0006】しかしながら、ヒータ装置100において
内部の熱が局部的に溜まり、局部的な高温部分が生じる
ことがある。この様な局部的な高温部分が一旦発生する
と、高温部分はますます高温となり、発熱の暴走現象が
発生する。即ち、発熱体200を構成するマグネシアは
1500°C付近において温度が高くなると、固有抵抗
値が低下する特性をもつので、高温化により電流が多く
流れる様になり、これによりP=KRI2 の関係式に従
い、ますます局部的な高温部分が高温化するものであ
る。従って発熱体の肉厚が厚いと、溶鋼加熱に必要な電
流を投入できにくいものである。
【0007】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、マグネシアを主成分とする発熱体
の発熱の暴走を回避するのに有効で、しかも溶鋼を効率
よく加熱でき、溶鋼の温度維持に有効な連続鋳造工程に
おける溶鋼制御加熱方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる目的の
もとに発熱体の発熱の暴走を回避すべく鋭意開発を進
め、そして、次の伝熱基礎式(1)に基づき発熱挙動を
シュミレーションした。 ここで、Cp は比熱であり、Tは温度であり、tは時間
であり、kは比例定数であり、rは半径であり、ρは比
重であり、Jは電流密度であり、σは導電率である。な
お、発熱体の抵抗R(Ω)は、発熱体を構成する材料の
固有抵抗値(Ωcm)と発熱体の肉厚t(cm)とに影
響される。
【0009】そして、図3に示す様に、発熱体の外径を
12cmとし、さらに、発熱体の半径方向における肉厚
が1cmのものを試片D1とし、発熱体の半径方向にお
ける肉厚が3cmのものを試片D3とし、発熱体の半径
方向における肉厚が5cmのものを試片D5とし、発熱
体への投入電流値と発熱体の実際の抵抗との関係を把握
した。また発熱体への投入電流と発熱体の発熱量との関
係も把握した。
【0010】図3から理解される様に、マグネシアを主
成分とする発熱体の固有抵抗値は本来的には30Ωcm
以上と高いが、試片D5では、発熱体の肉厚が厚いの
で、投入電流が増加すると、図3の特性線D5に示す様
に固有抵抗値が急激に低下すること、また、試片D1で
は、発熱体の肉厚が薄いので、投入電流が増加しても、
特性線D1に示す様に抵抗値があまり低下しないことが
知見された。これは、実験により確認されている。上記
した様に発熱体の厚みが厚いと、特性線D5に示す様な
抵抗急激低下特性が得られる理由は、発熱体を構成する
マグネシアは1500°C付近において温度が高くなる
と、固有抵抗値が急激に低下する特性をもつので、熱が
内部に溜まり易い厚肉の発熱体では、熱のこもりに起因
する高温化により実際の固有抵抗値が急激に低下したも
のと推察される。
【0011】また図3の特性線D1から理解される様
に、発熱体の肉厚が1cmの場合には、熱が内部にこも
りにくく、従って図4の特性線D1から理解される様
に、投入電流を大きくできるので、発熱体の軸方向の単
位長さ(1cm)における発熱量を7〜8kw/cmを
越えるまで発熱させることができる。これに対して図4
の特性線D5から理解できる様に、熱が内部にこもり易
い試験片D5では、投入電流が15A/cm程度で発熱
量が3kw/cm程度においてすらも、発熱体で局部的
な溶融部分が生じてしまう。
【0012】そこで本発明者は図3、図4に示す特性線
D1に基づき、マグネシアを主成分とする発熱体の半径
方向における肉厚を、1cm程度、即ち7mm〜15m
mと薄く設定するとともに、発熱体の軸方向における単
位長さ(1cm)あたりの投入電流を30〜65A/c
mと設定すれば、溶鋼を効果的に加熱できると共に発熱
体の発熱の暴走の回避に有効であることを知見し、実験
で確認した。本発明はかかる知見、確認に基づき完成さ
れたものである。
【0013】即ち、本発明にかかる連続鋳造工程におけ
る溶鋼制御加熱方法は、マグネシアを主成分とする有底
筒状の発熱体と発熱体の中央孔に装備された丸棒状の電
極部とからなるヒ−タ装置を用い、ヒ−タ装置の発熱体
の肉厚を7mm〜15mmに設定し、ヒ−タ装置をその
下端部からタンディシュ内の溶鋼に浸漬した状態で、発
熱体の軸方向における単位長さあたりの投入電流を30
〜65A/cmで通電し、溶鋼を加熱することを特徴と
するものである。投入電流の単位A/cmとは、円筒状
の発熱体の軸方向における単位長さ1cmあたりでの発
熱体の半径方向に投入する電流値を意味する。
【0014】本発明で用いるヒータ装置の発熱体はマグ
ネシアを主成分として形成されている。この場合マグネ
シア(MgO)、マグネシアとジルコニア(ZrO2
との混合体、マグネシアとジルコニアとアルミナ(Al
2 3 )との混合体で構成できる。ここで、アルミナ
は、マグネシアの熱衝撃性を抑制するのに有効であり、
また、抵抗値を制御するのに有効である。ジルコニアは
耐熱性、衝撃性、熱間特性及び抵抗値の制御に有効であ
る。マグネシアとジルコニアとアルミナとの混合体を用
いる場合には、熱衝撃性、熱膨張性、固有抵抗値等を考
慮すると、その配合割合は例えば、重量%で、マグネシ
アが60〜100%、特に85〜95%が好ましく、ジ
ルコニアが0〜40%。特に5〜2.5%が好ましく、
アルミナが0〜40%、特に2.5〜15%が好まし
い。溶鋼の加熱において、発熱体の固有抵抗値は150
0℃付近で、50Ωcm以上であることが望ましく、特
に200Ωcm以上であることが望ましく、例えば、一
例として、その固有抵抗値が360Ωcm程度のものを
採用することができる。
【0015】
【表1】 なお、表1に示す様な配合組成でサンプルR−1〜R−
9を作製し、各サンプルについて温度と固有抵抗との関
係を調べ、図5に示した。前述した様に、溶鋼の場合に
は、温度1500〜1600°Cの領域において、発熱
体の固有抵抗値は目標値としては200Ωcm以上が望
ましい。そのため図5から理解できる様にサンプルR−
7、R−8が好ましい。また、発熱体を形成するマグネ
シアの粒度は抵抗値、電流の偏流化に影響を与えること
があり、そのため最大粒径は0.5mm〜5mm程度が
望ましく、特に0.7mm〜3mm程度が望ましい。
【0016】発熱体の肉厚は7〜15mmに設定する。
薄すぎると、溶鋼加熱に必要な抵抗値を確保できない
し、厚すぎると熱がこもり、発熱の暴走をきたす。本発
明で用いるヒータ装置の電極部は、発熱体に電気を流す
ためのものである。電極部の材質は導電率、熱伝達率等
を考慮して選択する。この場合、導電率を高くし熱伝達
率を小さくすることができる。但し、物質は一般的に
は、導電率が高くなると、熱伝達率も高くなる傾向にあ
るので、単一の材料で電極部を形成するよりも導電率の
高い材料と熱伝達率の小さい材料とを適宜組合せて、電
極部の導電性を確保しつつ、電極部の見掛けの熱伝達度
合を小さくすることができる。
【0017】本発明では、上記の肉厚に設定されたヒ−
タ装置をその下端部からタンディシュ内の溶鋼に浸漬し
た状態で、発熱体の軸方向における単位長さあたりの投
入電流を30〜65A/cmで通電し、タンディシュ内
の溶鋼を加熱する。投入電流は、溶鋼の温度に応じて適
宜調整する。投入当初は、電流値の増加速度を小さくす
ることが好ましい。
【0018】
【実施例】本発明にかかる連続鋳造工程における溶鋼制
御加熱方法の一実施例について説明する。本実施例にか
かるヒ−タ装置1を図1に示す。このヒ−タ装置1はシ
リンダタイプであり、円筒状の発熱体2と、丸棒状電極
部3とで構成されている。発熱体2は、重量%で、マグ
ネシア90%、ジルコニア5%、アルミナ5%、不可避
の不純物を含有する混合セラミックスで形成されてお
り、すなわち前記したサンプルR−7の材質で形成され
ている。発熱体2は、フランジ状の基端部20と、基端
部20につながる中央部21と、中央部21につながる
3次元曲面形状つまり半球状の先端部22とから構成さ
れている。中央部21の肉厚は実質的に一定である。こ
こで本実施例では、発熱体2の軸方向の全体の長さL1
が800mm程度、中央部21の長さL2が635mm
程度、先端部22の長さL3が35mm程度、中央部2
1の外径が70mm、中央部21の内径が50mm、従
って中央部21の半径方向における肉厚が10mmであ
る。なお基端部20がフランジ状であるのはホルダで保
持するためである。
【0019】棒状電極部3は炭素質で形成されており、
その外径は約50mm程度、その全長が850mm程度
である。また発熱体2の内周部と棒状電極部3の外周部
との間には、炭素粉末を装填した薄肉状の導電層40
(厚み1.5mm程度)が介在している。導電層40は
発熱体2の内周部と棒状電極部3の外周部との間におい
て電気的接触性、熱的接触性を確保するのに役立つ。導
電層40の固有抵抗値は1500℃において6600Ω
cmである。炭素粉末は平均粒径が40μm〜60μm
であり、発熱体2と電極部3とを周方向に相対回転させ
つつ両者間の隙間に炭素粉末を装填して構成した。な
お、導電層40のうち電極部3の下方の底部位4aは比
較的厚くされている。
【0020】本実施例の溶鋼浸漬用ヒ−タ装置1は次の
ように製造した。即ち、原料セラミックス粉末(最大粒
径3mm)を所定の配合割合で調整した後、水を加えて
スラリを形成する調整工程、スラリを型のキャビティに
流し込んで成形する成形工程、成形した成形体を型から
外した後に養生し、更に150℃で15時間乾燥する乾
燥工程、乾燥した成形体を1650℃で10時間加熱し
て焼結する焼結工程とを順に実施して製造した。尚、発
熱体2の成形法についてはラバープレス法、機械成形法
も可能である。
【0021】そして図7の場合と同様に、ヒ−タ装置1
を2個用い、各ヒ−タ装置1の棒状電極部3の上端部に
導線をバンドで固定して電源につなぐと共に、ヒ−タ装
置1を容器内の溶鋼Wに浸漬した。この状態で2個の電
極部3と溶鋼Wとの間に電圧を印加し、周波数60Hz
の電流を流す。この場合、溶鋼の温度に応じて、電圧は
0Vから440Vまで適宜印加し、投入電流は0A/c
mから67A/cmまで適宜流した。この結果、ヒ−タ
装置1の発熱体2が発熱して溶鋼Wが加熱される。投入
電流は図4に示す特性線D3を基準として行った。
【0022】なお、溶鋼の容量が増した場合には、発熱
体2の軸方向における長さを長くしたヒータ装置1を用
い、発熱体2の溶鋼への浸漬長さを増加すれば、前述同
様に、電流値25A/cmから67A/cm流がせば、
発熱量を増加できるので、溶鋼の増量化に対処できる。
本実施例では、発熱体2の中央部21の肉厚が薄いの
で、発熱体2の内部に熱がこもりにくく、従って投入電
流を25A/cmから67A/cmと大きくできる。ま
た発熱体2の中央部21の半径方向における肉厚は一定
であるため、発熱体2から溶鋼へと流れる電流の偏流化
防止に有効である。また本実施例では、発熱体2の先端
部22は3次元曲面形状としての半球状であり、電流が
集中しやすい角部が形成されていないので、電流の偏流
化防止に一層有利である。
【0023】次に、連続鋳造工程について説明する。ま
ず、連続鋳造工程で使用する連続鋳造装置について説明
する。この連続鋳造装置は、図6に示すように、鉄鋼溶
鋼を保持する容器としてのタンディシュ50と、タンデ
ィシュ50よりも下方に配置された水冷鋳型51と、冷
却スプレ−帯52と、ピンチロール53と、整直ロ−ル
54とで構成されている。なお、タンディシュ50は、
溶鋼を5t程度保持する容量である。
【0024】次に連続鋳造する際について説明する。ま
ず、図1に示すヒ−タ装置1を2個用い、各ヒ−タ装置
1の発熱体2をバーナーで加熱して800〜1200℃
程度に予熱する。このようにヒ−タ装置1を予熱した状
態で、とりべ55から移されてタンディシュ50に保持
されている1500〜1600℃程度の高温の溶鋼に2
個のヒ−タ装置1を先端部22から浸漬する。とりべか
ら移されたタンディシュ50内の溶鋼は図6に示すよう
に吐出口50aに向けて流れ、水冷鋳型51に落下す
る。前記のように溶鋼を浸漬する前にヒ−タ装置1を予
熱すれば、発熱体2の急熱を防止でき、発熱体2に亀裂
が生じることを極力抑制することができる。なお発熱体
2に亀裂が生じた場合には、溶鋼と電極部3とが直接に
導通し、発熱体2の発熱量が小さくなり、ヒ−タ装置1
を有効に利用できない不具合が生じる。上記した予熱に
より、マグネシアを主成分とする高温度領域で導電性を
帯びる発熱体2の導電性を確保できる。
【0025】上記のようにヒ−タ装置1を浸漬した状態
で、2個の電極部3の端子を交流電源に接続し、端子間
について100〜600Vの電圧を印加する。これによ
りタンディシュ50に保持されている溶鋼を介してヒ−
タ装置1の発熱体2の間で、周波数60Hzの電流を流
す。なお加熱当初は、緩やかに加熱することが好まし
い。発熱体2への電流量は25A/cm〜67A/cm
程度である。これにより発熱体2は高温に発熱する。し
たがってタンディシュ50内に保持された溶鋼は、加熱
されて約1〜30℃昇温し、温度調節される。このよう
にタンディシュ50内で温度調整された溶鋼は、タンデ
ィシュ50の吐出口50aから吐出され、水冷鋳型51
で冷却固化され、さらに冷却スプレ−帯52からの冷却
水の噴出で冷却され、冷却固化したものはピンチロール
53で下方に引張られる。その後は切断機により所定の
長さに切断される。
【0026】上記のように本適用例では、ヒ−タ装置1
でタンディシュ50内に保持した溶鋼を加熱して溶鋼の
温度調整できるので、タンディシュ50に保持した溶鋼
の温度を適切に確保することができ、連続鋳造方法で製
造したブルーム、ビレットなどの製品の品質を向上する
のに有利である。本発明方法で使用する他のヒータ装置
を図2に示す。このヒータ装置は前記したものと基本的
には同じ構成であり、同じ様に使用する。ただし、電極
部3のうち、溶鋼Wの液面W10付近の外径d3(具体
的には27mm)は下部の外径d4(具体的には47m
m)よりも小さく設定されている。したがって導電層4
のうち、溶鋼Wの液面W10付近の導電層部分4eの肉
厚は10mmで半径方向で厚肉化されており、下部の導
電層部分4fよりも半径方向における抵抗値が大きく、
よって導電性は低下している。そのため、発熱体2のう
ち、溶鋼Wの液面W10付近の発熱量を抑えることがで
き、発熱体2の溶鋼Wの液面W10付近の溶損を抑える
のに有利である。勿論、この発熱体2の肉厚は1cmと
薄いので、熱のこもりを抑え得る投入電流を大きくでき
る。
【0027】
【発明の効果】本発明にかかる連続鋳造工程における溶
鋼制御加熱方法によれば、発熱体の半径方向における肉
厚を薄く設定しているので、発熱体における熱のこもり
を抑え得、従って発熱体の軸方向における単位長さあた
りの投入電流を30〜65A/cmと大電流化でき、よ
って発熱体の発熱の暴走を抑えつつ溶鋼を加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒータ装置の断面図である。
【図2】他の実施例にかかるヒータ装置の断面図であ
る。
【図3】発熱体の肉厚を変えた場合における発熱体への
投入電流と発熱体の抵抗値との関係を示すグラフであ
る。
【図4】発熱体の肉厚を変えた場合における発熱体への
投入電流と発熱体の発熱量との関係を示すグラフであ
る。
【図5】マグネシアを主成分とする発熱体の温度と固有
抵抗値との関係を示すグラフである。
【図6】連続鋳造工程における構成図である。
【図7】従来のヒータ装置で溶鋼を加熱している状態の
断面図である。
【符号の説明】
図中、1はヒータ装置、2は発熱体、3は電極部を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 吉成 岐阜県瑞浪市寺河戸町1113の2 (72)発明者 小島 榮藏 愛知県東海市加木屋町小家の脇4−11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネシアを主成分とする円筒状の発熱体
    と該発熱体の中央孔に装備された丸棒状の電極部とから
    なるヒ−タ装置を用い、 該ヒ−タ装置の発熱体の半径方向における肉厚を7mm
    〜15mmに設定し、 上記の肉厚に設定された該ヒ−タ装置をその下端部から
    タンディシュ内の溶鋼に浸漬した状態で、該発熱体の軸
    方向における単位長さあたりの投入電流を30〜65A
    /cmで通電し、溶鋼を加熱することを特徴とする連続
    鋳造工程における溶鋼制御加熱方法。
JP15655091A 1991-06-27 1991-06-27 連続鋳造工程における溶鋼制御加熱方法 Pending JPH0639503A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002534271A (ja) * 1999-01-13 2002-10-15 エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト 連続鋳造の際の溶湯、特に鋳鋼溶湯の温度の調節、及び/または保持のための方法および装置
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