JPH063817Y2 - 液だれ防止用キヤツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）考案の目的 ［産業上の利用分野］ 本考案は、牛乳、ジュース等の液体を収容する容器のキ
ャップに関するものである。

［従来の技術］ 従来より牛乳、ジュース等を収容するために使用されて
いる容器は、その内容物注出に当っての開口形成のため
トップ部の接合部分を解離する必要があり、これにかな
りの力を必要とし、また、容器を傾けて内容物の注出
後、開口部（注出口）に付着しているジュース、牛乳等
の内容物は、容器を直立させると、容器周壁を伝わって
流れ落ち、容器周壁や容器の置き場所を汚し、ほこりが
付着して不衛生であり、さらに再度の注出操作時には使
用者の手を汚す不都合があった。

［考案が解決しようとする問題点］ そこで、本考案は開封が簡単で、かつ開口封止可能で、
しかも内容物注出後の液だれを防止し得るキャップを提
供するものである。

（ロ）考案の構成 ［問題点を解決するための手段］ 本考案の液だれ防止用キャップは、前記問題点を解決す
るために、キャップの周縁に近接して周縁側より中心側
に向けて半円状部側に傾斜面、弦側部を垂直状面とした
半円状凹部が形成され、その半円状凹部底面に、半円状
凹部底面より周縁側を高くした直立状周壁面が切離薄肉
部を介して接続されるとともに、半円状弦側底部を蝶番
用折曲部としたキャップ表面よりは突出しない蓋部が設
けられ、且つ、弦側底部の折曲部を挟んで前記半円状蓋
部の反対側に傾斜面が設けられ、前記傾斜面には、前記
蓋部が半円状凹部底面より切離薄肉部に沿って切断され
蝶番用折曲部を中心として回動開口された時に係合する
係止部が両側に形成されでいる。

〔作用〕

キャップを開封するには、蓋部を引張って半円状凹部底
面と接続している半円状薄肉部を切断して開口部を開口
し、蓋部を半円状弦側底部折曲線に沿って折り曲げて、
蓋部両側部分をキャップ表面半円弦側の傾斜面両端に設
けた係止部に係止し、開口部を開口状態とする。

蓋部を開いた状態で内容物を注出した後に、容器を台上
に立てて置くと、キャップ周縁注出部分に付着した内容
物は、傾斜面に沿って半円状凹部底面開口内に落下す
る。また、内容物注出後、係止部からの係止を解いた蓋
部を開口部側に押し下げると、キャップ表面からの傾斜
面が蓋部周壁面を押し付け係止するようになるので、蓋
部は開口部を覆って閉止状態となる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面により詳述する。

キャップ３は、合成樹脂等により、一体成形で製造され
るものであってブロー容器本体１上縁に嵌合する嵌合部
４を有している。キャップ３表面にはその周縁２に近接
して半円状の凹部６が設けられている。半円状凹部６
は、半円の周縁９と直線状の弦周縁８とよりなり、半円
の周縁側より凹部底面に向かう傾斜面12と、弦周縁側よ
りの垂直面10とを有している。また、弦側周縁の中央部
分をわずかにずらして弦側傾斜面11を設け、弦側の垂直
面10と中央の傾斜面11とで係止部５となる突部を形成し
ている。半円状凹部６底部には、周縁側を高くした周壁
面13を備えた蓋部14が設置されている。蓋部14の周壁面
13と傾斜面12とは切離可能な薄肉部15を介して接続され
ており、垂直面105と弦側傾斜面11とよりなる弦側底部
と蓋部14とは折曲線16を介して接続されている。

なお、蓋部14上には摘み片17が設けられており、この摘
み片17の上面は、キャップ３表面と同じ高さかそれ以下
とするものである。

このように、構成するキャップを開口し、内容物を注出
する場合には、まず摘み片17を持って引っ張ると薄肉部
15部分が破断して、注出のための開口部７ができる（第
５図参照）。

蓋部14は、成形線16より折り曲げて矢印０方向に引っ張
り開口部７を生ぜしめると共に、さらに弦側傾斜面11に
接するまで折り曲げることにより、半円状凹部６の弦側
周縁の垂直面10、傾斜面11により形作られた傾斜面11両
側の係止部５にその両側を挟持され、拡開状態で固定さ
れる。

このようになっているので、内容物を注出する際、容器
を傾けても蓋部14が開口を閉止する方向に移動して注出
の邪魔をすることがない。

内容物を注出後は、開閉蓋14を矢印Ｃ方向に押し下げ
る。蓋部14の周壁面13は、傾斜面12に接触するが、その
ままなおも下方に押し込むと、第６図に示すように蓋部
14の周壁面13は、傾斜面12を押しつつ内部に進入し、押
圧を解いても傾斜面12と周壁面13の弾力により蓋部14は
閉止状態のまま係止する。

また、注出の際注出部分に付着した内容物は、注出後は
傾斜面12に沿って落下するので、容器外側壁に液だれす
ることがない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、内容物注出のために開口するに際し、
薄肉部を少ない力で破断するだけで簡単に開口すること
ができ、内容物注出時には、蓋部は注出の邪魔にならな
い位置に保持状態に保たれている。

さらに、開口部が半円状凹部の下部に形成されているの
で注出後は液だれすることがなく、容器外側を汚した
り、容器置く台上を汚染することがない。また、開封後
の不使用時には蓋は押し込むことにより閉止状態に係止
され、誤って容器を傾けた際、内容物漏出を防止でき
る。さらに、容器を運搬する場合には、容器上部が平面
状に保たれてあるので、重ねて輸送することができ、而
も、開口蓋部が容器表面に突出していないので誤って開
口蓋部に外力が加わり薄肉部が不意に切断開口される恐
れがない。また、容器に内容物を充填した商品としてみ
た場合、開口部は薄肉部で完全に封止状態に保たれ、開
口は薄肉部分の切り離しにより形成されるので、開封済
みのものかどうか一目で見分けることができ、商品とし
ての信頼性向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるキャップを取り付けたブロー容
器の斜視図、 第２図は、キャップの斜視図、 第３図は、第２図Ａ−Ａ線よりの断面図、 第４図は、キャップの平面図、 第５図は、蓋部拡開時の断面図、 第６図は、蓋部閉止時の断面図、である。 １…容器、２…周縁、 ３…キャップ、５…係止部、 ６…半円状凹部、７…開口部、 10…垂直面、11…弦側傾斜面、 12…傾斜面、13…周壁面、 14…蓋部、15…薄肉部、 16…折曲線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャップの周縁に近接して周縁側より中心
   側に向けて半円状部側に傾斜面、弦側部を垂直状面とし
   た半円状凹部が形成され、その半円状凹部底面に、半円
   状凹部底面より周縁側を高くした直立状周壁面が切離薄
   肉部を介して接続されるとともに、半円状弦側底部を蝶
   番用折曲部としたキャップ表面よりは突出しない蓋部が
   設けられ、且つ、弦側底部の折曲部を挟んで前記半円状
   蓋部の反対側に傾斜面が設けられ、前記傾斜面には、前
   記蓋部が半円状凹部底面より切離薄肉部に沿って切断さ
   れ蝶番用折曲部を中心として回動開口された時に係合す
   る係止部が両側に形成されてなる液だれ防止用キャッ
   プ。