JPH0637713B2 - 電解クロメート処理鋼板の製造方法 - Google Patents
電解クロメート処理鋼板の製造方法Info
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- JPH0637713B2 JPH0637713B2 JP63045421A JP4542188A JPH0637713B2 JP H0637713 B2 JPH0637713 B2 JP H0637713B2 JP 63045421 A JP63045421 A JP 63045421A JP 4542188 A JP4542188 A JP 4542188A JP H0637713 B2 JPH0637713 B2 JP H0637713B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C25D—PROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
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- C25D9/04—Electrolytic coating other than with metals with inorganic materials
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- C25D—PROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、下層の金属クロム層の全面に角状突起物が
形成され、且つ、下層の金属クロム層の表面着色が極め
て少ない、電解クロメート皮膜を有する電解クロメート
処理鋼板を得ることができ、然も下層の金属クロム層生
成の電析効率が高い、電解クロメート処理鋼板の製造方
法に関するものである。
形成され、且つ、下層の金属クロム層の表面着色が極め
て少ない、電解クロメート皮膜を有する電解クロメート
処理鋼板を得ることができ、然も下層の金属クロム層生
成の電析効率が高い、電解クロメート処理鋼板の製造方
法に関するものである。
鋼板の表面に、下層としての金属クロム層と、上層とし
てのクロム酸化物を主体とするクロム水和酸化物層とか
らなる電解クロメート皮膜が形成された電解クロメート
処理鋼板は、優れた塗装性および耐食性を有し、ブリキ
に比べて安価であることから、飲料等の食缶、ペール
缶、18缶、オイル缶等の缶用材料として、広い分野
において使用されている。なかでも、近年、清涼飲料水
の缶などに、錫めつき鋼板を用いたハンダ缶にかわつ
て、電解クロメート処理鋼板を用いた接着缶(以下『T
FS接着缶』という)が広く使用されている。その理由
は、TFS接着缶は、例えばこれを炭酸飲料缶に使用し
た場合、電解クロメート処理鋼板のもつ優れた一時塗料
密着性によつて、十分なシーム溶接強度がえられ、シー
ム部よりの漏れや真空度の低下等、缶としての致命的な
欠陥を発生することがない優れた特性を有しているから
である。
てのクロム酸化物を主体とするクロム水和酸化物層とか
らなる電解クロメート皮膜が形成された電解クロメート
処理鋼板は、優れた塗装性および耐食性を有し、ブリキ
に比べて安価であることから、飲料等の食缶、ペール
缶、18缶、オイル缶等の缶用材料として、広い分野
において使用されている。なかでも、近年、清涼飲料水
の缶などに、錫めつき鋼板を用いたハンダ缶にかわつ
て、電解クロメート処理鋼板を用いた接着缶(以下『T
FS接着缶』という)が広く使用されている。その理由
は、TFS接着缶は、例えばこれを炭酸飲料缶に使用し
た場合、電解クロメート処理鋼板のもつ優れた一時塗料
密着性によつて、十分なシーム溶接強度がえられ、シー
ム部よりの漏れや真空度の低下等、缶としての致命的な
欠陥を発生することがない優れた特性を有しているから
である。
このTFS接着缶は、近時、更に果汁飲料のように殺菌
のため90〜100℃に加熱した直後に充填することを
要する果汁飲料缶(いわゆるホツトパツク缶)や、内容
物充填後、約130℃前後の加圧水蒸気中で高温加熱殺
菌することをようする飲料缶、又は、食品缶(いわゆる
レトルト缶)にも使用されるようになつてきた。しかる
に、TFS接着缶は、上記のごとき高温高湿度の苛酷な
条件下では、二次塗料密着性に問題があつた。
のため90〜100℃に加熱した直後に充填することを
要する果汁飲料缶(いわゆるホツトパツク缶)や、内容
物充填後、約130℃前後の加圧水蒸気中で高温加熱殺
菌することをようする飲料缶、又は、食品缶(いわゆる
レトルト缶)にも使用されるようになつてきた。しかる
に、TFS接着缶は、上記のごとき高温高湿度の苛酷な
条件下では、二次塗料密着性に問題があつた。
即ち、TFS接着缶は、電解クロメート処理鋼板を塗装
した後、缶の形状に曲げ加工し、ナイロン系接着剤で接
着することにより製造されるが、このTFS接着缶にホ
ツトパツクまたは、レトルト殺菌を施すと、前記処理鋼
板表面と塗膜との界面の密着力が低下して、最も応力の
かかるシーム部(缶胴接合部)に剥離が生じ、内容物の
漏れや真空度の低下等の欠陥が生じ易い。この剥離現象
は一般に二次塗料密着性と定義されるものであつて、高
温高湿度環境下においての、塗膜と処理鋼板表面との間
への水の侵入により界面の接着力が阻害される為に生
じ、この水の浸透速度が早いほど広範囲に接着力の劣化
が進む。
した後、缶の形状に曲げ加工し、ナイロン系接着剤で接
着することにより製造されるが、このTFS接着缶にホ
ツトパツクまたは、レトルト殺菌を施すと、前記処理鋼
板表面と塗膜との界面の密着力が低下して、最も応力の
かかるシーム部(缶胴接合部)に剥離が生じ、内容物の
漏れや真空度の低下等の欠陥が生じ易い。この剥離現象
は一般に二次塗料密着性と定義されるものであつて、高
温高湿度環境下においての、塗膜と処理鋼板表面との間
への水の侵入により界面の接着力が阻害される為に生
じ、この水の浸透速度が早いほど広範囲に接着力の劣化
が進む。
一般に、電解クロメート処理鋼板は、下層に0.005
〜0.03μm程度の厚みの金属クロム層を、そして、
上層に0.01〜0.04μm程度の厚みの水和クロム
酸化物層を有する2層からなる電解クロメート皮膜を鋼
板の表面上に有するものである。かかる電解クロメート
皮膜を形成せしめる方法としては、無水クロム酸を主体
とし、助剤として硫酸塩やフツソ化合物の1種または2
種を添加した電解液中で鋼板を陰極電解することによ
り、一挙に金属クロム層と水和クロム酸化物層とを形成
させる1−ステツプ法と、上記と同様の電解液中で鋼板
の表面上に金属クロム層と水和クロム酸化物層とを一度
形成した後、前記水和クロム酸化物層を溶解除去し、次
いであらためてクロム酸を主体とする電解液中で陰極電
解して、水和クロム酸化物層を形成せしめる2−ステツ
プ法とがある。しかし、このいずれの方法によつても、
鋼板に接着缶用素材として十分満足しうる二次塗料密着
性を付与せしめることは難しい。
〜0.03μm程度の厚みの金属クロム層を、そして、
上層に0.01〜0.04μm程度の厚みの水和クロム
酸化物層を有する2層からなる電解クロメート皮膜を鋼
板の表面上に有するものである。かかる電解クロメート
皮膜を形成せしめる方法としては、無水クロム酸を主体
とし、助剤として硫酸塩やフツソ化合物の1種または2
種を添加した電解液中で鋼板を陰極電解することによ
り、一挙に金属クロム層と水和クロム酸化物層とを形成
させる1−ステツプ法と、上記と同様の電解液中で鋼板
の表面上に金属クロム層と水和クロム酸化物層とを一度
形成した後、前記水和クロム酸化物層を溶解除去し、次
いであらためてクロム酸を主体とする電解液中で陰極電
解して、水和クロム酸化物層を形成せしめる2−ステツ
プ法とがある。しかし、このいずれの方法によつても、
鋼板に接着缶用素材として十分満足しうる二次塗料密着
性を付与せしめることは難しい。
このため、従来から上記問題を解決する手段について、
種々研究がなされており、例えば次のような方法が提案
されている。
種々研究がなされており、例えば次のような方法が提案
されている。
電解クロメート皮膜のうちの下層の金属クロム層の全面
に角状突起物を形成させて、これによつて二次塗料密着
性を改善せしめる方法である。この方法によると、角状
突起物の少ない金属クロム層を有する電解クロム処理鋼
板に比較して、塗膜と処理鋼板の界面への水の浸透に対
する抵抗が高く、よりよい二次塗料密着性が得られる。
に角状突起物を形成させて、これによつて二次塗料密着
性を改善せしめる方法である。この方法によると、角状
突起物の少ない金属クロム層を有する電解クロム処理鋼
板に比較して、塗膜と処理鋼板の界面への水の浸透に対
する抵抗が高く、よりよい二次塗料密着性が得られる。
ところで、電解クロメート処理鋼板は、従来、絞り加工
による2ピース缶用、および、有機樹脂、特殊セメント
等により継ぎ目を接合した前述の接着缶(3ピース缶)
用の材料として使用されているが、継ぎ目を溶接による
接合した溶接缶用の材料としてはあまり使用されていな
い。その理由は、電解クロメート処理鋼板の溶接性が極
めて劣るためである。しかしながら、近年、強度および
信頼性の高い溶接缶の需要が高まつていることから、電
解クロメート処理鋼板の溶接性の向上が要求されてい
る。
による2ピース缶用、および、有機樹脂、特殊セメント
等により継ぎ目を接合した前述の接着缶(3ピース缶)
用の材料として使用されているが、継ぎ目を溶接による
接合した溶接缶用の材料としてはあまり使用されていな
い。その理由は、電解クロメート処理鋼板の溶接性が極
めて劣るためである。しかしながら、近年、強度および
信頼性の高い溶接缶の需要が高まつていることから、電
解クロメート処理鋼板の溶接性の向上が要求されてい
る。
電解クロメート処理鋼板の溶接性が劣る原因およびその
劣る態様は、次の通りである。即ち、電解クロメート皮
膜を構成する、下層の金属クロム層および上層のクロム
水和酸化物層は、非導電性及び非伝熱性を有している。
従つて、電気抵抗シーム溶接によつて、継ぎ目部分であ
る缶胴の縦縁部分の重ね合わせ部を溶接する場合に、上
層のクロム水和酸化物層が絶縁皮膜として働くため、接
触抵抗値(静的抵抗値)が高い。接触抵抗値は、溶接時
に局部的な過大電流が流れるかどうかを評価するための
基準であつて、接触抵抗値が高い場合には溶接電流の通
路が狭く、局部的な過大電流が流れ易い。電解クロメー
ト処理鋼板の接触抵抗値は、102〜105μΩ/mm2で
あつて、他の溶接缶用表面処理鋼板に比べ極端に高い。
従つて、溶接開始直後の溶接電流は低く、一定時間経過
後に、初めて所定の溶接電流値となる。この結果、鋼板
が局部的に発熱して、チリが発生したり、溶接部にブロ
ーホール等の溶接欠陥が生ずる。
劣る態様は、次の通りである。即ち、電解クロメート皮
膜を構成する、下層の金属クロム層および上層のクロム
水和酸化物層は、非導電性及び非伝熱性を有している。
従つて、電気抵抗シーム溶接によつて、継ぎ目部分であ
る缶胴の縦縁部分の重ね合わせ部を溶接する場合に、上
層のクロム水和酸化物層が絶縁皮膜として働くため、接
触抵抗値(静的抵抗値)が高い。接触抵抗値は、溶接時
に局部的な過大電流が流れるかどうかを評価するための
基準であつて、接触抵抗値が高い場合には溶接電流の通
路が狭く、局部的な過大電流が流れ易い。電解クロメー
ト処理鋼板の接触抵抗値は、102〜105μΩ/mm2で
あつて、他の溶接缶用表面処理鋼板に比べ極端に高い。
従つて、溶接開始直後の溶接電流は低く、一定時間経過
後に、初めて所定の溶接電流値となる。この結果、鋼板
が局部的に発熱して、チリが発生したり、溶接部にブロ
ーホール等の溶接欠陥が生ずる。
このように溶接性が劣るため、電解クロメート処理鋼板
を溶接する場合には、従来溶接部分の電解クロメート皮
膜を研磨等によつて除去しなければならず、このため
に、多くの手数を必要としていた。
を溶接する場合には、従来溶接部分の電解クロメート皮
膜を研磨等によつて除去しなければならず、このため
に、多くの手数を必要としていた。
上記問題を解決する方法として、上述した二次塗料密着
性改善のときと同様に、金属クロム層の全面に角状突起
物を設けて、溶接加圧時点に、その上層の絶縁皮膜であ
るクロム水和酸化物層を、この固い角状突起物で破壊
し、皮膜の接触抵抗値を低下させて溶接を可能とする方
法がある。
性改善のときと同様に、金属クロム層の全面に角状突起
物を設けて、溶接加圧時点に、その上層の絶縁皮膜であ
るクロム水和酸化物層を、この固い角状突起物で破壊
し、皮膜の接触抵抗値を低下させて溶接を可能とする方
法がある。
以上述べたように、金属クロム層の全面に角状突起物が
形成された電解クロメート皮膜を有する電解クロメート
処理鋼板は、二次塗料密着性ならびに高速シーム溶接性
の改善された材料であり、大きく次の2つの製造方法が
提案されている。
形成された電解クロメート皮膜を有する電解クロメート
処理鋼板は、二次塗料密着性ならびに高速シーム溶接性
の改善された材料であり、大きく次の2つの製造方法が
提案されている。
(1) 鋼板を電解クロメート処理するに際して、陰極処
理の途中に陽極処理を行う方法。
理の途中に陽極処理を行う方法。
(2) 鋼板を電解クロメート処理するに際して、陰極処
理の途中の長時間の無通電時間を設けることによる方
法。
理の途中の長時間の無通電時間を設けることによる方
法。
上記方法によれば、全面に角状突起物を有する金属クロ
ム層を得ることが可能であるが、以下の難点がある。
ム層を得ることが可能であるが、以下の難点がある。
(1)の方法の如く、陰極処理の塗中に陽極処理を行つた
場合、生成する金属クロム層の金属クロム粒径が微細と
なるため、処理鋼板表面金属クロム層中で反射光が回折
干渉し、金属クロム層、従つて処理鋼板表面が黒色若し
くは茶褐色に着色し、著しく製品の外観を損なう。さら
に、この陽極処理によつて、陽極処理の前工程の陰極処
理で生成した金属クロムが一部溶解するため、金属クロ
ム量の確保の点を考えると非能率である。もともと、現
状での電解クロメート処理鋼板の製造における金属クロ
ムの析出は、水素の還元反応との競合反応のため多量の
水素ガスの発生を伴い、電析効率は、約20%と低く極
めて非能率である。工業的生産を考えると金属クロムの
析出効率は、電力の節約と生産性を勘案し、高い程望ま
しく、また析出させ金属クロム強制的に一部溶解させる
ことも避けることが望ましい。
場合、生成する金属クロム層の金属クロム粒径が微細と
なるため、処理鋼板表面金属クロム層中で反射光が回折
干渉し、金属クロム層、従つて処理鋼板表面が黒色若し
くは茶褐色に着色し、著しく製品の外観を損なう。さら
に、この陽極処理によつて、陽極処理の前工程の陰極処
理で生成した金属クロムが一部溶解するため、金属クロ
ム量の確保の点を考えると非能率である。もともと、現
状での電解クロメート処理鋼板の製造における金属クロ
ムの析出は、水素の還元反応との競合反応のため多量の
水素ガスの発生を伴い、電析効率は、約20%と低く極
めて非能率である。工業的生産を考えると金属クロムの
析出効率は、電力の節約と生産性を勘案し、高い程望ま
しく、また析出させ金属クロム強制的に一部溶解させる
ことも避けることが望ましい。
一方、(2)の方法の如く、陰極処理の途中に比較的長時
間の無通電区間を設けることは、連続的にかつ工業的に
電解クロメート処理鋼板を生産すること考えた場合、生
産ラインを冗長にとるか、若しくは生産速度を極度に低
速化する必要があり、実現には即さない欠点を有する。
間の無通電区間を設けることは、連続的にかつ工業的に
電解クロメート処理鋼板を生産すること考えた場合、生
産ラインを冗長にとるか、若しくは生産速度を極度に低
速化する必要があり、実現には即さない欠点を有する。
従つて、この発明の目的は、下層の金属クロム層の全面
に角状突起物が形成され、且つ、下層の金属クロム層の
表面着色が極めて少ない、電解クロメート皮膜を有する
電解クロメート処理鋼板を得ることができ、然も下層の
金属クロム層生成の電析効率が高い、電解クロメート処
理鋼板の製造方法を提供することにある。
に角状突起物が形成され、且つ、下層の金属クロム層の
表面着色が極めて少ない、電解クロメート皮膜を有する
電解クロメート処理鋼板を得ることができ、然も下層の
金属クロム層生成の電析効率が高い、電解クロメート処
理鋼板の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成するために、金属クロム
の電析、特に角状突起物を全面に有する金属クロム層を
生成させるクロム水和酸化物層の特性と、鋼板表面の特
性について詳細に研究を重ねた。その結果、次の知見を
得た。
の電析、特に角状突起物を全面に有する金属クロム層を
生成させるクロム水和酸化物層の特性と、鋼板表面の特
性について詳細に研究を重ねた。その結果、次の知見を
得た。
即ち、金属クロムを析出させるのに必要な、鋼板表面に
形成されているクロム水和酸化物層の穴開き部や層厚異
常部など不連続部が、角状突起物の生成の基点となる。
クロム水和酸化物でも、通常の陰極電解によつて生成す
るクロム水和酸化物は、極めて連続性がたかく、陰極電
解を断続したときの無通電等での溶解に対しても不連続
となりにくい。従つて、通常の陰極電解を断続化するこ
とで角状突起物は生成するが、部分的にしか不連続部分
が生成しないため角状突起物の生成密度を低くしてお
り、またこのため、従来、十分な生成密度を確保するた
めに長時間の無通電区間を必要としているのである。
形成されているクロム水和酸化物層の穴開き部や層厚異
常部など不連続部が、角状突起物の生成の基点となる。
クロム水和酸化物でも、通常の陰極電解によつて生成す
るクロム水和酸化物は、極めて連続性がたかく、陰極電
解を断続したときの無通電等での溶解に対しても不連続
となりにくい。従つて、通常の陰極電解を断続化するこ
とで角状突起物は生成するが、部分的にしか不連続部分
が生成しないため角状突起物の生成密度を低くしてお
り、またこのため、従来、十分な生成密度を確保するた
めに長時間の無通電区間を必要としているのである。
更には、陰極処理の途中に陽極処理を設けた場合、陰極
処理によつて生成した金属クロム層上のクロム水和酸化
物の多数の微少不連続部分を作るものの、同時に下地金
属クロム槽の一部が薄い陽極酸化皮膜となり、これが陰
極電解で生成したクロム水和酸化物との複合クロム水和
酸化物となるため、従来、生成する角状突起物が微細化
したのである。
処理によつて生成した金属クロム層上のクロム水和酸化
物の多数の微少不連続部分を作るものの、同時に下地金
属クロム槽の一部が薄い陽極酸化皮膜となり、これが陰
極電解で生成したクロム水和酸化物との複合クロム水和
酸化物となるため、従来、生成する角状突起物が微細化
したのである。
一方、鋼板表面を直接無水クロム酸を主体とする電解浴
中で高電流密度で陰極電解した際に生成する、薄いクロ
ム水和酸化物層は、単位面積当たり大量の水素ガスの発
生を短時間に伴うため、多数の微少不連続部分を持つ。
そして、生成するクロム水和酸化物層は、その後に無通
電時を続けると不連続部分を拡大し、更にその後に通常
の又は高電流密度の陰極電解を続けると角状突起物を形
成させる。また、通常の陰極電解の後に高電流密度の陰
極電解を行つた場合においても、高電流密度の陰極電解
の極初期において、既に生成している連続性の高いクロ
ム水和酸化物層は、発生した多量の水素ガスにより破壊
し、同高電流密度の陰極電解の残りの時期に角状突起物
を形成させる。従つて、陰極電解を断続して行なうと共
に、その断続した陰極電解のうちの少なくとも1つを高
電流密度で行なえばよい。この場合、中間陽極処理のと
きと異なり、クロムの陽極酸化皮膜を有しないため、生
成する角状突起物が微細化しない特性を有する。このた
め、金属クロム層は表面着色がなく、従つて、電解クロ
メート処理鋼板は外観が良好である。また、ここにおけ
る無通電区間に要する時間は、通常の電解クロメート処
理における多パス製造にかかる浸漬ロール通過時等の短
時間で可能であり、特に長時間の浸漬を要しない。
中で高電流密度で陰極電解した際に生成する、薄いクロ
ム水和酸化物層は、単位面積当たり大量の水素ガスの発
生を短時間に伴うため、多数の微少不連続部分を持つ。
そして、生成するクロム水和酸化物層は、その後に無通
電時を続けると不連続部分を拡大し、更にその後に通常
の又は高電流密度の陰極電解を続けると角状突起物を形
成させる。また、通常の陰極電解の後に高電流密度の陰
極電解を行つた場合においても、高電流密度の陰極電解
の極初期において、既に生成している連続性の高いクロ
ム水和酸化物層は、発生した多量の水素ガスにより破壊
し、同高電流密度の陰極電解の残りの時期に角状突起物
を形成させる。従つて、陰極電解を断続して行なうと共
に、その断続した陰極電解のうちの少なくとも1つを高
電流密度で行なえばよい。この場合、中間陽極処理のと
きと異なり、クロムの陽極酸化皮膜を有しないため、生
成する角状突起物が微細化しない特性を有する。このた
め、金属クロム層は表面着色がなく、従つて、電解クロ
メート処理鋼板は外観が良好である。また、ここにおけ
る無通電区間に要する時間は、通常の電解クロメート処
理における多パス製造にかかる浸漬ロール通過時等の短
時間で可能であり、特に長時間の浸漬を要しない。
この発明は、上記知見に基づいてなされたもので、無水
クロム酸、クロム酸または重クロム酸の少なくとも1つ
を主成分とする電解浴中で、鋼板に対して陰極電解を行
なつて、前記鋼板の表面上に、下層の金属クロム層と上
層の水和クロム酸化物層とからなる電解クロメート皮膜
を形成させることからなる、電解クロメート処理鋼板の
製造方法において、 前記陰極電解を断続して行なうと共に、その断続された
陰極電解のうちの少なくとも1つの陰極電解を75〜2
00A/dm2の電流密度で行なうことにより、前記鋼板
の表面上に前記電解クロメート皮膜として、前記下層の
金属クロム層の全面に角状突起物が形成された電解クロ
メート皮膜を形成したことに特徴を有するものである。
クロム酸、クロム酸または重クロム酸の少なくとも1つ
を主成分とする電解浴中で、鋼板に対して陰極電解を行
なつて、前記鋼板の表面上に、下層の金属クロム層と上
層の水和クロム酸化物層とからなる電解クロメート皮膜
を形成させることからなる、電解クロメート処理鋼板の
製造方法において、 前記陰極電解を断続して行なうと共に、その断続された
陰極電解のうちの少なくとも1つの陰極電解を75〜2
00A/dm2の電流密度で行なうことにより、前記鋼板
の表面上に前記電解クロメート皮膜として、前記下層の
金属クロム層の全面に角状突起物が形成された電解クロ
メート皮膜を形成したことに特徴を有するものである。
この発明で使用する電解浴としては、通常TFSの製造に
おいて金属クロムのめつきやクロム水和酸化物の被覆の
ために陰極電解に使用されている、公知の電解クロメー
ト処理浴を用いることができる。従つて、無水クロム
酸、クロム酸塩、重クロム酸塩のいずれを主剤とする電
解浴を使用でき、また混合浴として使用することも可能
である。この浴に触媒として添加される陰イオンは、同
じく、公知の電解クロメート処理浴に適用される硫酸根
を有する酸及びその塩類、若しくはフツソを有する酸及
びその塩類の適用が可能である。
おいて金属クロムのめつきやクロム水和酸化物の被覆の
ために陰極電解に使用されている、公知の電解クロメー
ト処理浴を用いることができる。従つて、無水クロム
酸、クロム酸塩、重クロム酸塩のいずれを主剤とする電
解浴を使用でき、また混合浴として使用することも可能
である。この浴に触媒として添加される陰イオンは、同
じく、公知の電解クロメート処理浴に適用される硫酸根
を有する酸及びその塩類、若しくはフツソを有する酸及
びその塩類の適用が可能である。
この発明では、このような電解浴を用いて鋼板に対して
陰極電解を断続して行なうと共に、その断続された陰極
電解のうちの少なくとも1つの陰極電解を鋼電流密度で
行なう。これによつて、鋼板表面に多数の微少不連続部
分をもつ水和クロム酸化物層を維持させて、全面に角状
突起物を有する金属クロム層を形成させ、このような金
属クロム層を有する電解クロメート皮膜を得る。
陰極電解を断続して行なうと共に、その断続された陰極
電解のうちの少なくとも1つの陰極電解を鋼電流密度で
行なう。これによつて、鋼板表面に多数の微少不連続部
分をもつ水和クロム酸化物層を維持させて、全面に角状
突起物を有する金属クロム層を形成させ、このような金
属クロム層を有する電解クロメート皮膜を得る。
高電流密度による陰極電解は、断続された陰極電解のう
ちのどの時期のものでもよく、最初のものでも、途中の
ものでも、最後のものでも、更に最初から最後のものま
で全てでもよい。高電流密度での陰極電解の電流密度と
しては、75A/dm2以上が好ましく、75A/dm2未満
では目的とする効果が十分に得られない。より安定した
効果を得るためには、90A/dm2以上が好ましい。一
方、200Adm2を超えたより高い高電流密度でも目的
とする効果は得られるが、その高電流密度での陰極電解
の時期は極短時間になり、作業性が悪化するので、20
0A/dm2を上限とする。
ちのどの時期のものでもよく、最初のものでも、途中の
ものでも、最後のものでも、更に最初から最後のものま
で全てでもよい。高電流密度での陰極電解の電流密度と
しては、75A/dm2以上が好ましく、75A/dm2未満
では目的とする効果が十分に得られない。より安定した
効果を得るためには、90A/dm2以上が好ましい。一
方、200Adm2を超えたより高い高電流密度でも目的
とする効果は得られるが、その高電流密度での陰極電解
の時期は極短時間になり、作業性が悪化するので、20
0A/dm2を上限とする。
この発明では、陰極電解処理の初期の時期に鋼板表面が
活性化されるので、硫酸等による酸洗を省略して、鋼板
に陰極電解処理を施すことが可能である。また、この発
明の陰極電解処理に続けて、必要に応じてクロメート皮
膜を改善するための他の電解クロメート処理することが
でき、いずれの場合にも、本発明の目的とする効果は失
なわれない。
活性化されるので、硫酸等による酸洗を省略して、鋼板
に陰極電解処理を施すことが可能である。また、この発
明の陰極電解処理に続けて、必要に応じてクロメート皮
膜を改善するための他の電解クロメート処理することが
でき、いずれの場合にも、本発明の目的とする効果は失
なわれない。
この発明によれば、金属クロム層の全面に角状突起物が
形成され、且つ、金属クロム層の表面着色が極めて少な
い電解クロメート皮膜が得られるが、そのときの金属ク
ロム層析出の電解効率は、従来の方法に比較して、約1
0%以上の向上が認められる。これは、金属クロムの析
出が角状突起物という結晶状態での析出となるためと、
鋼板表面の活性度がより改善されたこと、さらには、電
解界面において競合析出関係にある水素の還元反応速度
が高電流密度処理によつて飽和されることの相乗効果で
あると考えている。
形成され、且つ、金属クロム層の表面着色が極めて少な
い電解クロメート皮膜が得られるが、そのときの金属ク
ロム層析出の電解効率は、従来の方法に比較して、約1
0%以上の向上が認められる。これは、金属クロムの析
出が角状突起物という結晶状態での析出となるためと、
鋼板表面の活性度がより改善されたこと、さらには、電
解界面において競合析出関係にある水素の還元反応速度
が高電流密度処理によつて飽和されることの相乗効果で
あると考えている。
また、この発明によつて製造された、金属クロム層の全
面に角状突起物が形成された電解クロメート皮膜を有す
る電解クロメート処理鋼板は、従来の方法によつて製造
された、同じく金属クロム層の全面に角状突起物が形成
された電解クロメート皮膜を有する電解クロメート処理
鋼板以上の品質、即ち、優れた溶接特性や二次塗料密着
性を有しており、無研磨の溶接製缶やレトルト使用され
る接着製缶に使用することが可能である。
面に角状突起物が形成された電解クロメート皮膜を有す
る電解クロメート処理鋼板は、従来の方法によつて製造
された、同じく金属クロム層の全面に角状突起物が形成
された電解クロメート皮膜を有する電解クロメート処理
鋼板以上の品質、即ち、優れた溶接特性や二次塗料密着
性を有しており、無研磨の溶接製缶やレトルト使用され
る接着製缶に使用することが可能である。
以下に本発明の実施例を述べる。
(実施例1) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸 175 g/ Na2SiF6 5g/ Na2SO4 0.9g/ 温度 40℃ 電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 120A/dm2 陰極処理時間(1回当り) 0.2秒 断続繰り返し 2回 断続時無通電時間 0.5秒 (実施例2) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸175 g/ Na2SiF6 5 g/ Na2SO4 0.9g/ 温度 40℃ 電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 100A/dm2 陰極処理時間 0.2秒 断続繰り返し 3回 断続時無通電時間 0.3秒 (実施例3) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で、電解
酸洗し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処理
を施した。ついで、同じ液中で(ロ)に示す条件で電解処
理を施し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で、電解
酸洗し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処理
を施した。ついで、同じ液中で(ロ)に示す条件で電解処
理を施し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸 175 g/ Na2SiF6 5 g/ Na2SO4 0.9g/ 温度 40℃ 電解方法 陰極電解処理 陰極電流密度 120A/dm2 陰極処理時間 0.2秒 電解後無通電時間 0.3秒 (ロ)電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 30A/dm2 陰極処理時間(1回当り) 0.4秒 断続繰り返し回数 2回 断続時無通電時間 0.3秒 (実施例4) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処理を
施した。ついで、同じ液中で(ロ)に示す条件で電解処理
を施し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処理を
施した。ついで、同じ液中で(ロ)に示す条件で電解処理
を施し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸175 g/ Na2SiF6 5 g/ Na2SO4 0.9g/ 温度 40℃ 電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 30A/dm2 陰極処理時間(1回当り) 0.4秒 断続繰り返し回数 2回 断続時無通電時間 0.3秒 電解後無通電時間 0.3秒 (ロ)電解方法 陰極電解処理 陰極電流密度 120A/dm2 陰極処理時間 0.2秒 (実施例5) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸100g/ NaSCN 0.5g/ HBF2 0.9g/ 温度 40℃ 電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 120A/dm2 陰極処理時間(1回当り) 0.2秒 断続繰り返し 2回 断続時無通電時間 0.5秒 (実施例6) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメー
タ処理を施し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメー
タ処理を施し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸250g/ 硫酸 2.5g/ 温度 45℃ 電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 100A/dm2 陰極処理時間(1回当り) 0.3秒 断続繰り返し 2回 断続時無通電時間 0.8秒 (比較例1) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸175 g/ Na2SiF6 5 g/ Na2SO4 0.9g/ 温度 40℃ 電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 30A/dm2 陰極処理時間(1回当り) 0.4秒 断続繰り返し 4回 断続時無通電時間 0.5秒 (比較例2) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸175 g/ Na2SiF6 5 g/ Na2SO4 0.9g/ 温度 40℃ 電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 30A/dm2 陰極処理時間 1.6秒 (比較例3) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸175 g/ Na2SiF6 5 g/ Na2SO4 0.9g/ 温度 40℃ 電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 120A/dm2 陰極処理時間 0.4秒 (比較例4) 板厚0.22mmの冷延鋼板を30g/苛性ソーダ溶液中
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、同浴中で(ロ)の条件で中間陽極処理し、さら
にもう一度(イ)に示す条件で電解クロメート処理を施
し、水洗、乾燥した。
で電解脱脂し、水洗後、5g/の硫酸水溶液中で電解酸
洗を施し、水洗後、(イ)に示す条件で電解クロメート処
理を施し、同浴中で(ロ)の条件で中間陽極処理し、さら
にもう一度(イ)に示す条件で電解クロメート処理を施
し、水洗、乾燥した。
(イ)電解クロメート条件 処理液 無水クロム酸175 g/ Na2SiF6 5 g/ Na2SO4 0.9g/ 温度 40℃ 電解方法 陰極断続電解処理 陰極電流密度 40A/dm2 陰極処理時間(1回当り) 0.3秒 断続繰り返し 2回 断続時無通電時間 0.3秒 (ロ)電解方法 陽極電解処理 陽極電流密度 4 A/dm2 陽極処理時間 0.3秒 以上実施例1〜6、比較例1〜4で得られた電解クロメ
ート処理鋼板(TFS)について金属クロム量を測定
し、処理電気量から金属クロム層の電析効率を計算する
とともに、これらの処理鋼板の金属クロム層皮膜を下地
鋼板から抽出剥離し、電子顕微鏡によつてその金属クロ
ム層の角状突起物の形状状況を評価した。またこれらの
処理鋼板の表面外観を目視によつてその着色程度を評価
した。それぞれの評価基準は下記の通りで、結果は一括
して第1表に示す。また、実施例1および比較例4にお
ける金属クロム層組織の電子顕微鏡写真(倍率1000
倍)を、一例としてそれぞれ第1図および第2図に示
す。
ート処理鋼板(TFS)について金属クロム量を測定
し、処理電気量から金属クロム層の電析効率を計算する
とともに、これらの処理鋼板の金属クロム層皮膜を下地
鋼板から抽出剥離し、電子顕微鏡によつてその金属クロ
ム層の角状突起物の形状状況を評価した。またこれらの
処理鋼板の表面外観を目視によつてその着色程度を評価
した。それぞれの評価基準は下記の通りで、結果は一括
して第1表に示す。また、実施例1および比較例4にお
ける金属クロム層組織の電子顕微鏡写真(倍率1000
倍)を、一例としてそれぞれ第1図および第2図に示
す。
(角状突起物) 評価 所見 ◎ 全面に密に角状突起物の形成が観察される。
○ 全面に角状突起物の形成が観察される。
△ 部分的に角状突起物の形成が観察される。
× 殆ど角状突起物の形成が見られない。
(表面色調) 評価 所見 ○ 表面着色が認められない。
× 着色がみとめられる。
上記第1表によつて明らかなように、金属クロム層の電
析効率およびその角状突起物の生成と、処理鋼板の表面
外観とにおいて、実施例1〜6は比較例1〜4よりも極
めて優れており、本発明の効果が大きく表われている。
析効率およびその角状突起物の生成と、処理鋼板の表面
外観とにおいて、実施例1〜6は比較例1〜4よりも極
めて優れており、本発明の効果が大きく表われている。
第1図は、この発明の実施例1における電解クロメート
皮膜中の金属クロム層の組織を示す電子顕微鏡写真、第
2図は、同じく、比較例4における同様な電子顕微鏡写
真である。
皮膜中の金属クロム層の組織を示す電子顕微鏡写真、第
2図は、同じく、比較例4における同様な電子顕微鏡写
真である。
Claims (1)
- 【請求項1】無水クロム酸、クロム酸または重クロム酸
の少なくとも1つを主成分とする電解浴中で、鋼板に対
して陰極電解を行なつて、前記鋼板の表面上に、下層の
金属クロム層と上層の水和クロム酸化物層とからなる電
解クロメート皮膜を形成させることからなる、電解クロ
メート処理鋼板の製造方法において、 前記陰極電解を断続して行なうと共に、その断続された
陰極電解のうちの少なくとも1つの陰極電解を75〜2
00A/dm2の電流密度で行なうことにより、前記鋼板
の表面上に前記電解クロメート皮膜として、前記下層の
金属クロム層の全面に角状突起物が形成された電解クロ
メート皮膜を形成したことを特徴とする、電解クロメー
ト処理鋼板の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63045421A JPH0637713B2 (ja) | 1988-02-27 | 1988-02-27 | 電解クロメート処理鋼板の製造方法 |
US07/309,774 US4898649A (en) | 1988-02-27 | 1989-02-10 | Method for manufacturing electrolytically chromated steel sheet |
DE89102673T DE68906565T2 (de) | 1988-02-27 | 1989-02-16 | Verfahren zur Herstellung von elektrolytisch chromatiertem Stahlblech. |
EP89102673A EP0330921B1 (en) | 1988-02-27 | 1989-02-16 | Method for manufacturing electrolytically chromated steel sheet |
AU30040/89A AU605021C (en) | 1988-02-27 | 1989-02-17 | Method and manufacturing electrolytically chromated steel sheet |
KR1019890002321A KR910005240B1 (ko) | 1988-02-27 | 1989-02-27 | 전해크롬산염용액 처리강판의 제조방법 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63045421A JPH0637713B2 (ja) | 1988-02-27 | 1988-02-27 | 電解クロメート処理鋼板の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01219195A JPH01219195A (ja) | 1989-09-01 |
JPH0637713B2 true JPH0637713B2 (ja) | 1994-05-18 |
Family
ID=12718805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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EP (1) | EP0330921B1 (ja) |
JP (1) | JPH0637713B2 (ja) |
KR (1) | KR910005240B1 (ja) |
DE (1) | DE68906565T2 (ja) |
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MY111396A (en) * | 1990-12-26 | 2000-04-29 | Nippon Kokan Kk | Surface treated steel sheet for welded cans |
JP4107335B2 (ja) * | 2005-09-01 | 2008-06-25 | 株式会社ワーク | ホイールの製造方法 |
JP2009074168A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-04-09 | Nissan Motor Co Ltd | クロムめっき部品およびその製造方法 |
CN107868965B (zh) * | 2016-09-26 | 2019-05-28 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种用于控制镀铬钢板表面氧化铬量的方法 |
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JPS6254096A (ja) * | 1985-08-31 | 1987-03-09 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 溶接性に優れた電解クロメ−ト処理鋼板及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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BE635457A (ja) * | 1962-08-16 | |||
US3535213A (en) * | 1967-12-20 | 1970-10-20 | Yawata Seitetsu Kk | Method of surface-treating metals |
US3642587A (en) * | 1970-07-06 | 1972-02-15 | United States Steel Corp | Chromium electroplating process and product thereof |
JPS4893550A (ja) * | 1972-03-10 | 1973-12-04 | ||
JPS498A (ja) * | 1972-04-18 | 1974-01-05 | ||
IT1197609B (it) * | 1983-03-21 | 1988-12-06 | Centro Speriment Metallurg | Procedimento perfezionato per la produzione di nastri di acciaio rivestiti |
US4608130A (en) * | 1984-05-08 | 1986-08-26 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Method of producing metallic chromium, tin or tin-nickel, and hydrated chromium oxide electroplated steel |
DE3680555D1 (de) * | 1985-03-15 | 1991-09-05 | Kawasaki Steel Co | Zinnfreie stahlbaender, die zur produktion geschweisster dosen verwendet werden und verfahren zu ihrer herstellung. |
IT1216808B (it) * | 1987-05-13 | 1990-03-14 | Sviluppo Materiali Spa | Processo di elettrodeposizione in continuo di cromo metallico e di ossido di cromo su superfici metalliche |
JPH06254096A (ja) * | 1993-03-09 | 1994-09-13 | Olympus Optical Co Ltd | 体腔内超音波プローブ |
-
1988
- 1988-02-27 JP JP63045421A patent/JPH0637713B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1989
- 1989-02-10 US US07/309,774 patent/US4898649A/en not_active Expired - Lifetime
- 1989-02-16 DE DE89102673T patent/DE68906565T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1989-02-16 EP EP89102673A patent/EP0330921B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1989-02-27 KR KR1019890002321A patent/KR910005240B1/ko not_active IP Right Cessation
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6254096A (ja) * | 1985-08-31 | 1987-03-09 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 溶接性に優れた電解クロメ−ト処理鋼板及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR890013224A (ko) | 1989-09-22 |
AU3004089A (en) | 1989-08-31 |
EP0330921A3 (en) | 1990-02-07 |
EP0330921A2 (en) | 1989-09-06 |
KR910005240B1 (ko) | 1991-07-24 |
DE68906565D1 (de) | 1993-06-24 |
US4898649A (en) | 1990-02-06 |
AU605021B2 (en) | 1991-01-03 |
DE68906565T2 (de) | 1993-10-07 |
EP0330921B1 (en) | 1993-05-19 |
JPH01219195A (ja) | 1989-09-01 |
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