JPH0369999B2 - - Google Patents

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JPH0369999B2
JPH0369999B2 JP60052935A JP5293585A JPH0369999B2 JP H0369999 B2 JPH0369999 B2 JP H0369999B2 JP 60052935 A JP60052935 A JP 60052935A JP 5293585 A JP5293585 A JP 5293585A JP H0369999 B2 JPH0369999 B2 JP H0369999B2
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chromium
metallic chromium
stain
steel plate
free steel
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Hajime Ogata
Takamasa Nakakoji
Yasuhiro Hida
Toshiro Ichida
Toshio Irie
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Kawasaki Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は、飲料缶、食料缶などの食缶関係、あ
るいは181缶、ペール缶などの雑缶関係などの分
野で使われる抵抗溶接缶用テインフリー鋼板の製
造方法に関するものである。 <従来技術とその問題点> 缶用材料として、一般に、ブリキとテインフリ
ー鋼板が主として使われている。省資源、コスト
削減、外観等のために、ブリキ缶は半田缶から溶
接缶へ急速に移行しつつあり、また、錫目付も
2.8g/m2以上のものに代り、1.0g/m2以下の薄
目付のものが開発されている。しかし、コスト的
にみるならば、薄目付ブリキといえどもテインフ
リー鋼板より優れるとはいえない。それが、テイ
ンフリー鋼板の使用が増加している理由の一つで
ある。 このように、コスト的に有利なテインフリー鋼
板にも、大きな問題がある。テインフリー鋼板
は、表面に金属クロムと非金属クロムの薄い皮膜
を形成せしめた鋼板であり、主に接着缶として使
われている。これは、半田付ができないこと、お
よび、その表面皮膜の高抵抗、高融点のために溶
接できないというテインフリー鋼板の欠点に対応
したものである。 しかし、この接着缶は、缶内容物を高温殺菌処
理するときに、接着部が破れて缶が破胴するトラ
ブルを起こすことがある。これは、テインフリー
鋼板のクロム水和酸化物皮膜の改質によりかなり
改善されたとはいえ、接着缶は常にそのような危
険を伴なつている。もし、溶接できるテインフリ
ー鋼板が開発されれば、このようなトラブルがな
くなるだけでなく、接合部の重ね合せが5mm(接
着缶)から0.2〜0.4mmとなるために素材を節約で
き、かつ、巻締部からの真空もれの危険も防止で
きるなどのメリツトも生まれる。したがつて、溶
接できるテインフリー鋼板の開発に対する期待は
大きい。 溶接できるテインフリー鋼板あるいはその製造
方法を提供するものとして、例えば特公昭57−
19752号や特公昭57−36986号がすでに公知であ
る。しかし、これらはいずれも、金属クロムある
いは非金属クロムの量を少なくすることにより、
溶接性の向上をはかつているために、そのような
テインフリー鋼板は、金属クロム層がポーラスな
構造となつており、どうしても耐食性が著しく損
なわれることになる。 <発明の目的> 本発明は、上述した従来技術の欠点を解消しよ
うとするもので、耐食性にすぐれた抵抗容器缶用
テインフリー鋼板を経済的かつ安定的に製造する
方法を提供するものである。 <発明の構成> 本発明は、鋼板をCr6+を含む水溶液にてクロム
めつき後、鋼板を陽極として電流密度5〜15A/
dm2で電解処理し、続いてクロムめつき助剤およ
びCr6+を含む水溶液中において陰極処理すること
により、鋼板表面上に、40〜150mg/m2の金属ク
ロム層と、その上の金属クロム換算で5〜25mg/
m2の非金属クロム層とを有し、かつ、金属クロム
の一部が突起している表面皮膜を形成することを
特徴とする抵抗溶接缶用テインフリー鋼板の製造
方法を提供するものである。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明の製造方法で製造されるテインフリー鋼
板は、鋼板表面に、40〜150mg/m2の金属クロム
層と金属クロム換算で5〜25mg/m2の非金属クロ
ム層とを有し、かつ、金属クロムの一部が突起し
ている表面皮膜を有するテインフリー鋼板であ
り、これは、耐食性、溶接性ともにすぐれた缶用
鋼板である。 金属クロム量を40〜150mg/m2の範囲に限定し
たのは以下の理由による。金属クロム量が40mg/
m2より少ないと、金属クロム層はポーラスな構造
となつて鋼板表面を十分に被覆できず、塗装耐食
性(評価方法は後述する)の低下を招く(第1
図)。また、金属クロム量が150mg/m2を越えて
も、塗装耐食性の更なる向上は望めないだけでな
く、溶接性の低下をもたらす(第2図)。したが
つて、本発明においては、金属クロム量は40〜
150mg/m2の範囲に限定した。 また、金属クロム層は、平滑なもの(第6a
図)よりも、金属クロム層の一部が突起した形状
を有するもの(第6b図)のほうが溶接性(評価
方法は後述する)にすぐれている(第2図)。 抵抗溶接に最も大きく影響するのは接触抵抗で
あり、接触抵抗が小さいほど溶接性は良い。接触
抵抗は、Cu6+ワイヤー電極を介した加圧力の増
大により減少する。第3図は、平滑な金属クロム
層を有するテインフリー鋼板と金属クロムの一部
が突起した形状を有するテインフリー鋼板の接触
抵抗を荷重を変えて調べた結果である。どちらの
場合も、荷重が大きくなるにつれて接触抵抗は小
さくなるが、その程度は、金属クロムの一部が突
起した形状で存在するほうが大きい。これは、荷
重がかかつたとき、硬い金属クロムの突起部分が
非電導性の柔らかい非金属のクロム層をつき破
り、電気が通り易くなるためと考えられる。 次に、非金属クロム量を金属クロム換算で5〜
25mg/m2の範囲に限定した理由を述べる。非金属
クロムの量が5mg/m2より少ないと、ポーラスな
構造となつて表面を十分に被覆することができ
ず、塗装耐食性の低下を招く(第4図)。また、
非金属クロムの量が25mg/m2を越えると、溶接性
は急激に低下する(第5図)。これは、非金属ク
ロム層があまり厚くなる過ぎると、突起した金属
クロム部分がその厚い非電導性の非金属クロム層
を突き破れなくなるためと考えられる。 以上述べたように、鋼板表面に、40〜150mg/
m2の金属クロム層と5〜25mg/m2の非金属クロム
層とを有し、かつ、金属クロムの一部が突起して
いる表面皮膜を有するテインフリー鋼板は、耐食
性、溶接性ともにすぐれた缶用鋼板である。 次に、このような抵抗溶接缶用テインフリー鋼
板を安定して経済的に製造する方法について述べ
る。 粒状あるいは角状に突起した金属クロムが析出
する現象そのものは、断続的にクロムめつきを行
う場合に観察されることがある。これは、電解が
一旦中断したときに、金属クロム層の上の非金属
クロム層のミクロ的な不均一溶解が起こり、これ
が、再電解したときに金属クロムの異常析出を引
き起こすことになる。しかし、このように、非金
属クロム層のミクロ的な不均一溶解に依存する方
法では、突起した金属クロムを安定して得ること
は困難であり、また、鋼板の幅方向で突起した金
属クロムの析出がバラツクなど、工業的に行うに
は不適である。そこで、発明者らは、非金属クロ
ムのミクロ的な不均一溶解を安定して工業的に行
う方法について研究した結果、陽極処理(逆電
解)がすぐれていることをみいだした。これは、
1液法、2液法いずれの場合にも適用可能である
が、陽極処理後に金属クロムが析出する陰極処理
を行うこと、および、陽極処理前に金属クロムと
非金属クロム質が存在することが肝要である。 陽極処理における電流密度は、5A/dm2未満
では、溶接性向上に必要な金属クロムの突起形成
が不充分かつ不均一であり、15A/dm2超になる
と、めつきされた金属クロムの溶解が著しくなり
耐食性が劣化する。従つて、陽極処理の電流密度
は5〜15A/dm2がよい。 陽極処理後に金属クロムを析出させる方法とし
ては、硫酸根、フツ化物(Na2SiF6、NaBF4
NaF等)などのクロムめつき助剤およびCr6+
含む水溶液中での陰極電解が挙げられる。これら
のクロムめつき助剤を含まないCr6+を含む水溶液
中での陰極電解では、金属クロムは析出しない。
上記Cr6+を含む水溶液は、クロム酸、重クロム酸
およびそれらの塩の少なくとも1種を主成分とす
る水溶液である。なお、陽極処理電極として、通
常のPb系電極の使用も可能であるが、特願昭59
−074407号でも報告されているように、金属クロ
ムの析出の起こりにくい金、白金または白金黒で
表面を被覆した電極を用いるほうが、陽極処理を
安定して行うことができる。 <実施例> 次に、本発明を実施例および比較例につき具体
的に説明する。 実施例 1 0.2mmの厚の冷延鋼板に、通常の脱脂、酸洗を
施した後、本処理に入つた。 CrO3150g/、Na2SiF6、6g/、
H2SO40.8g/、50℃の水溶液中で、50A/d
m2×1.0秒の陰極電解を行い、引き続き同浴中で
5A/dm2×0.4秒の陽極処理を施し、最後に
CrO360g/、H2SO40.3g/、40℃の水溶液
中で15A/dm2×0.8秒の陰極処理を行つてテイ
ンフリー鋼板を得た。金属クロム量105mg/m2
非金属クロム量18mg/m2で、しかも突起した金属
クロムが無数に認められた。 実施例 2 0.22mm厚の冷延鋼板に、通常の脱脂、酸洗を施
した後、本処理に入つた。 CrO380g/、H2SO40.6g/、45℃の水溶
液中で、40A/dm2×0.6秒の陰極処理に続き、
10A/dm2×0.1秒の陽極処理、さらに40A/dm2
×0.3秒の陰極処理を順次行つて供試材を得た。 得られたテインフリー鋼板は、金属クロム52
mg/m2、非金属クロム量8mg/m2で、突起状金属
クロムは無数に存在した。 実施例 3 0.2mm厚の冷延鋼板に、通常の脱脂、酸洗を施
した後、本処理に入つた。 CrO3250g/、H2SO42.5g/、50℃の水
溶液中で、50A/dm2×0.7秒の陰極処理に続き、
15A/dm2×0.1秒の陽極処理、再び50A/dm2×
0.7秒の陰極処理を行つた後、CrO360g/、
Na2SiF62.8g/、45℃の水溶液中で20A/dm2
×0.5秒の陰極処理を行つて供試材を得た。 得られたテインフリー鋼板は、金属クロム141
mg/m2、非金属クロム量20mg/m2で、かつ、突起
状金属クロムは無数に存在した。 比較例 1 陽極処理を行わなかつた以外は実施例1と同様
の処理を施した。得られたテインフリー鋼板は、
金属クロム量110mg/m2、非金属クロム量16mg/
m2で、突起した金属クロムは認められなかつた。 比較例 2 陽極処理までは実施例1と同じであるが、最後
の陰極処理を、CrO360g/、40℃の水溶液中
で15A/dm2×0.8秒の陰極処理とした。得られ
たテインフリー鋼板は、金属クロム量100mg/m2
非金属クロム量18mg/m2で、突起状金属クロムは
認められなかつた。 比較例 3 0.2mm厚の冷延鋼板に、通常の脱脂、酸洗を施
した後、本処理に入つた。 CrO350g/、Na2SiF62.4g/、
Na2CrO2O720g/、50℃の水溶液中で、
40A/dm2×0.2秒+15A/dm2×0.3秒の断続電
解を行つて供試材を得た。 得られたテインフリー鋼板は、金属クロム量15
mg/m2、非金属クロム量17mg/m2であり、突起状
の金属クロムは認められなかつた。 比較例 4 陽極処理を0.5A/dm2×0.1秒で行つた以外は
実施例1と同様の処理を施した。 得られたテインフリー鋼板は、金属クロム量
110mg/m2、非金属クロム量15mg/m2で、突起し
た金属クロムはわずかしか認められなかつた。 比較例 5 陽極処理を20A/dm2×0.12秒で行つた以外は
実施例1と同様の処理を施した。 得られたテインフリー鋼板は、金属クロム量22
mg/m2、非金属クロム量10mg/m2で、突起した金
属クロムは認められなかつた。 このようにして得られたテインフリー鋼板につ
いて、後述の方法により、塗装耐食性および抵抗
溶接性の評価をまとめて表1に示す。 本発明の要件すべてを満足する実施例1〜3
は、塗装後耐食性、抵抗用溶接性ともにすぐれた
テインフリー鋼板であつた。 これに対し、比較例1は、陽極処理を行つてい
ないので、突起状金属クロムが存在せず、溶接性
に劣つた。比較例2は、陽極処理後の陰極処理が
助剤を含まない水溶液中で行われたために、突起
状金属クロムが得られず、溶接性に劣つた。 比較例3は、金属クロム量が15mg/m2と少な
く、まずまずの溶接性を示すが、塗装後耐食性は
著しく劣るものであつた。 比較例4は、陽極処理が不充分であるので、わ
ずかの金属クロムの突起しか見られず、溶接性に
劣つた。比較例5は、陽極処理が過剰のため、め
つきされた金属クロムが溶解してしまい、金属ク
ロム量が22mg/m2と少なくなつてしまつたので、
塗装後耐食性に劣るものであつた。 なお、塗装耐食性および溶接性の評価方法は以
下の通りである。 (塗装耐食性の評価) テインフリー鋼板にエポキシフエノール系の塗
料を50mg/dm2塗装、焼付した。 15mlビーカーに95℃のトマトジユースを100ml
だけ入れたものを用意し、そのトマトジユース
に、前記焼付後の鋼板(試料)を試料上部を残し
て浸漬し、全体を密封して55℃で18日間保持し、
試料の液面より上の部分の塗膜下腐食の程度によ
り、0〜5の6段階に分けて評価した。 5:全く塗膜下腐食起こらず ↑ ↓ 0:液面上全面塗膜が剥離 (抵抗溶接性の評価) テインフリー鋼板を210℃×20分の空焼後、溶
接速度40m/分、加圧力40Kgfで電気抵抗溶接を
行い、溶接部が十分な強度を有し、かつ、1mm以
上のスプラツシユの数が最も少ない条件を各供試
材について見い出し、そのときのスプラツシユの
数により、抵抗溶接性を評価した。 評 価 スプラツシユの数(10cm当り) 5 0 4 1〜2 3 3〜5 2 6〜10 1 11〜20 0 21以上
【表】
【表】 <発明の効果> 本発明の製造方法で製造される抵抗溶接缶用テ
インフリー鋼板は、金属クロム層が従来の如くポ
ーラスではなく、鋼板表面全体を覆つているため
に、塗装耐食性がよく、また、金属クロムの一部
が突起しているために、抵抗溶接性もよい。 本発明の方法によれば、金属クロム層を逆電解
(陽極処理)して金属クロム層中の不要のアニオ
ンを除去することができるため、塗装耐食性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、金属クロム量と塗装耐食性との関係
を示すグラフである。第2図は、金属クロムの突
起がある場合およびない場合における金属クロム
量と溶接性との関係を示すグラフである。第3図
は、金属クロム層が平滑な場合および突起してい
る場合における荷重と接触抵抗との関係を示すグ
ラフである。第4図は、非金属クロム量と塗装耐
食性との関係を示すグラフである。第5図は、非
金属クロム量と溶接性との関係を示すグラフであ
る。第6a図および第6b図は、金属組織を示す
図面代用写真であつて、それぞれ、金属クロム層
が平滑なものおよび突起した形状を有するものの
8000倍電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鋼板をCr6+を含む水溶液にてクロムめつき
    後、鋼板を陽極として電流密度5〜15A/dm2
    電解処理し、続いてクロムめつき助剤およびCr6+
    を含む水溶液中において陰極処理することによ
    り、鋼板表面上に、40〜150mg/m2の金属クロム
    層と、その上の金属クロム換算で5〜25mg/m2
    非金属クロム層とを有し、かつ、金属クロムの一
    部が突起している表面皮膜を形成することを特徴
    とする抵抗溶接缶用テインフリー鋼板の製造方
    法。
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