JPS639599B2 - - Google Patents
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- JPS639599B2 JPS639599B2 JP7440784A JP7440784A JPS639599B2 JP S639599 B2 JPS639599 B2 JP S639599B2 JP 7440784 A JP7440784 A JP 7440784A JP 7440784 A JP7440784 A JP 7440784A JP S639599 B2 JPS639599 B2 JP S639599B2
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Description
本発明は、テインフリー鋼板製造時に、陽極処
理用電極としてクロムが析出しないよう処理した
不溶性電極を用いて、安定した陽極処理が行える
塗料密着性のすぐれたテインフリー鋼板を製造す
る方法に関するものである。 鋼板上に金属クロム層およびクロム酸化物層を
有する表面処理鋼板はテインフリースチール・ク
ロムタイプ(以下、TFSを略称する)と称され、
ブリキに代わる缶用材料としての特性が認めら
れ、近年その使用量が増大している。TFSは表
面に金属クロムとクロム酸化物から成る2層被膜
を有するため、十分な溶接性を持たず、その製缶
にあたつては、缶胴はエポキシ・フエノール系樹
脂を塗装後、ナイロン系接着剤で接合されてい
る。 最近、TFS缶の用途が拡大し、炭酸飲料やビ
ールなど内容物に充填が低温状態でなされるコー
ルドパツク用のみならず、果汁およびコーヒーな
どのように内容物を高温殺菌して充填するいわゆ
るホツトパツク用、またはパツク後、高温で殺菌
処理を行うレトルトパツク用に使用されるように
なつて、缶胴が破れるトラブルが発生している。 このホツトパツク、レトルトパツクでTFS接
着缶に生ずる缶胴の破れは、缶胴接合部の塗膜を
通して浸透する熱水により塗膜とTFSと界面の
密着が劣化して塗膜−TFS界面から剥離するた
めに生ずるものである。 本願の発明者等は、先にTFSの塗料密着性の
改善を目的として、クロムめつき後に該液中で鋼
板を陽極とする陽極処理(逆電解処理)を施し、
その後に6価のクロムを含む水溶液中で電解クロ
ム酸処理を施すことを、特開昭57−177998号等と
して提案している。しかし、その後の調査研究に
よつて、クロムめつき工程と電解クロム酸処理工
程との間に鋼板を陽極として逆電解を施す工程を
挿入するこの方法は、塗料密着性の改善に極めて
有効であるが、陽極処理(逆電解)を長時間にわ
たつて行うと陽極処理(逆電解)用の電極表面に
金属クロムが析出するために、陽極処理(逆電
解)の電流分布が不均一になり、鋼板の巾方向の
特性(塗料2次密着性、クロム酸化物量)にバラ
ツキを生じたり、あるいは、更に長時間連続運転
すると、金属クロムが電極のエツジ部でデンドラ
イト状に成長して、鋼板と接触してシヨートして
ライン停止したり、あるいはデンドライトが鋼板
とロールの間に巻き込まれてロールや鋼板を損傷
するなどの、種々のトラブルを引き起こすことが
判明した。 本発明は、TFSの製造過程、特に陽極処理
(逆電解処理)時に金属クロムの析出が起らない
電極、少なくとも通常の逆電解処理条件で金属ク
ロムの析出が起らない電極について調査研究を行
なつた結果なされたもので、逆電解処理電極上に
クロムの析出が起らないテインフリースチールの
製造方法を提供することを目的とする。 TFSの製造工程中に陽極処理を行うものとし
て、特開昭57−177998号の如く、クロムめつき
後、同浴中で陽極処理して、更に電解クロム酸処
理する方法以外に、クロムめつきの途中で逆電解
し、クロムめつき終了後電解クロム酸処理する方
法(特開昭59−100291号)、あるいは一液法で電
解クロム酸処理の最後に逆電解を行う方法、(特
開昭51−89843号)などがある。 このような方法は、陽極処理時間が長時間とな
るのでより一層逆電解処理時に電極上へ金属クロ
ムが析出し、トラブルを引き起こすことが十分考
えられる。したがつて、本発明はCr6+を含む電解
液中での陽極処理を処理工程の一部に含むTFS
の製造法において、陽極処理の対極に金属クロム
の析出が起こらないように電極(対極)を工夫し
たものである。 すなわち、本発明は、クロムを含有する水溶液
中において陰極電解によつて薄鋼板に金属クロム
を主体とするクロムめつきを行う工程と、このク
ロムめつき鋼板を前記クロムめつき水溶液中にお
いて引き続き少なくとも1回の陽極処理(逆電
解)を行う工程と、この逆電解処理鋼板の上にク
ロム酸化物層を形成する電解クロム酸処理工程と
を有するテインフリー鋼板の製造方法において、
前記陽極処理用電極として少なくとも処理すべき
鋼板に対面する表面を金または白金または白金黒
で被覆した不溶性電極を用いることを特徴とする
塗料密着性にすぐれたテインフリー鋼板の製造方
法を提供するものである。これにより、逆電解を
多数回行つたり長時間にわたつて連続して行なつ
ても電極への金属クロムの析出は起らず、塗料密
着性のすぐれたTFSを安定して製造することが
できるようになつた。 次に、本発明テインフリー鋼板の製造方法を更
に詳細に説明する。 従来、6価のクロムを含有する水溶液中におい
て薄鋼板に陰極電解によつて金属クロムを主体と
するクロムめつきを行う工程と、このクロムめつ
き鋼板を前記クロムめつき水溶液中において引き
続き陽極処理(逆電解)を行う工程と、この逆電
解処理鋼板の上にクロム酸化物層を形成する電解
クロム酸処理工程とを有するTFSの製造方法に
おいて、上記逆電解用電極としては、特別に検討
された例はなく、クロムめつき用電極として一般
に使用されているPb系の電極を逆電解用電極と
して採用してきた。クロムめつきにおいては、電
極は陽極として作用するために、電極表面には緻
密で導電性のあるPbO2皮膜が形成される。従つ
て、Pb系電極はクロムめつきでは不溶性電極と
して用いられる。 ところが、このPb系電極を逆電解用電極つま
り陰極として用いると、電極表面に金属クロムが
析出すること、陽極処理が1回のみならず多数回
となつたり、更に長い時間にわたつて電解を続け
ると金属クロム層はどんどん厚くなり、ライン操
業上、種々のトラブルを引き起すことが判明し
た。 ここで、陰極として用いても金属クロムの析出
が起らない電極を見出す必要を生じた。クロムめ
つき液中における陰極反応は一般的には次の4つ
の反応に分けて考えられる(永山、泉谷、金属表
面技術、21(1970)9、P37〜46参照)。第1番目
は電極表面の酸化物の還元、第2番目はCr6+→
Cr3+(溶液)の還元反応、第3番目はH+→H2に
よる還元反応、第4番目は金属クロムの析出反応
である。第4番目の金属クロムの析出反応がこの
4つの反応の中で最も起り難い反応であり、これ
がクロムめつき電流効率が20%程度と非常に低い
理由でもある。 そこで、本発明者等は、金属クロムの析出反応
を抑えるためには、それより起り易い反応、例え
ば第3番目のH2ガス発生反応に有利な電極につ
いて検討してみた。H2ガス発生反応が起り易い
電極とは、結局、水素過電圧の低い電極というこ
とになる。Pb電極の水素過電圧は高く、Ptおよ
びAu電極の水素過電圧は低い〔電気メツキ技術
(朝倉書店)、P36参照〕。そこで、実施例で述べ
るように、実際にこれらのの電極をクロムめつき
液中で陰極として電解して金属クロム析出の有無
を調べてみた。 但し、電流密度としては、逆電解として使用す
る範囲の上限(10A/dm2)をもとにして15A/
dm2とした。これは電流のエツジ部への集中を考
えて決めた。この実験の結果、PtおよびAu電極
で金属クロムの析出反応が起らないということ、
従つて逆電解用電極として非常に優れていること
が判つた。 しかし、PtおよびAuは非常に高価な金属であ
るために、電極全体をPtあるいはAuとするのは
経済的に不利である。幸いにも電極の水素過電圧
は電極表面の性質・形状に依存するので、電極全
体をPtあるいはAuとする必要はない。つまり、
電極の表面のみPtあるいはAuで覆えば十分であ
る。電極の本体は十分な強度を有する電性の材料
(Pb、Feなど)でよい。更に言うならば、電極の
表面全体をPtあるいはAuで覆う必要もないで。
処理すべき鋼板に面する表面のみをPtあるいは
Auにしても十分である。電極表面の残りの部分
は導電性の低い、あるいは事実上通電しない、し
かもクロムめつき液中に存在する腐食性の高いク
ロム酸、弗化物、硫酸などの薬剤に浸食されない
ような材料、例えば、テフロン、セラミツクス等
で被覆しておけばよい。 また、時には逆電解を必要としないTFSを製
造する時もある。 もし、極性を切り換えるだけで逆電解(陽極処
理)をクロムめつき(陽極処理)に変更すること
が可能ならば、その分電極を有効利用できるので
有利である。クロムめつきに使用可能な電極とは
不溶性陽極をさす。PtおよびAu電極はこの点で
も有利である。つまり、PtおよびAu電極は、陰
極に使用しても金属クロムの析出が起らないので
逆電解用電極として優れているが、陽極として使
用しての溶解しないのでクロムめつき用の不溶性
陽極としての使用可能であり、非常に優れた電極
で、本発明のテインフリー鋼板の製造用には特に
適している。 次に、本発明を実施例につき具体的に説明す
る。 逆電解用電極として種々の組成を有する電極を
用いて、電極表面への金属クロムの析出について
調査した。電解液としては、次の(A)、(B)、(C)3種
を用いた。 (A) CrO3150g/、Na2SiF65g/、
H2SO40.6g/、50℃ (B) CrO3250g/、H2SO42.5g/、45℃ (C) CrO3100g/、NaSCN0.3g/、
HBF40.9g/ 45℃ 電解条件は、電流密度15A/dm2、通電時間
24hrとした、電極表面への金属クロムの析出の有
無はESCAにより判定した。 表1に種々の電極について逆電解用電極として
の適否を調べた結果を示した。これから、比較例
1〜3の従来クロムめつき用陽極として使用され
てきたPb系電極は、逆電解用陰極としては金属
クロムが電極表面に析出するために不適であり、
実施例1〜3に示したPt、Auおよび白金黒電極
は、金属クロムの析出が実際使用条件内では起ら
ず、逆電解用陰極として適したものであることが
わかる。
理用電極としてクロムが析出しないよう処理した
不溶性電極を用いて、安定した陽極処理が行える
塗料密着性のすぐれたテインフリー鋼板を製造す
る方法に関するものである。 鋼板上に金属クロム層およびクロム酸化物層を
有する表面処理鋼板はテインフリースチール・ク
ロムタイプ(以下、TFSを略称する)と称され、
ブリキに代わる缶用材料としての特性が認めら
れ、近年その使用量が増大している。TFSは表
面に金属クロムとクロム酸化物から成る2層被膜
を有するため、十分な溶接性を持たず、その製缶
にあたつては、缶胴はエポキシ・フエノール系樹
脂を塗装後、ナイロン系接着剤で接合されてい
る。 最近、TFS缶の用途が拡大し、炭酸飲料やビ
ールなど内容物に充填が低温状態でなされるコー
ルドパツク用のみならず、果汁およびコーヒーな
どのように内容物を高温殺菌して充填するいわゆ
るホツトパツク用、またはパツク後、高温で殺菌
処理を行うレトルトパツク用に使用されるように
なつて、缶胴が破れるトラブルが発生している。 このホツトパツク、レトルトパツクでTFS接
着缶に生ずる缶胴の破れは、缶胴接合部の塗膜を
通して浸透する熱水により塗膜とTFSと界面の
密着が劣化して塗膜−TFS界面から剥離するた
めに生ずるものである。 本願の発明者等は、先にTFSの塗料密着性の
改善を目的として、クロムめつき後に該液中で鋼
板を陽極とする陽極処理(逆電解処理)を施し、
その後に6価のクロムを含む水溶液中で電解クロ
ム酸処理を施すことを、特開昭57−177998号等と
して提案している。しかし、その後の調査研究に
よつて、クロムめつき工程と電解クロム酸処理工
程との間に鋼板を陽極として逆電解を施す工程を
挿入するこの方法は、塗料密着性の改善に極めて
有効であるが、陽極処理(逆電解)を長時間にわ
たつて行うと陽極処理(逆電解)用の電極表面に
金属クロムが析出するために、陽極処理(逆電
解)の電流分布が不均一になり、鋼板の巾方向の
特性(塗料2次密着性、クロム酸化物量)にバラ
ツキを生じたり、あるいは、更に長時間連続運転
すると、金属クロムが電極のエツジ部でデンドラ
イト状に成長して、鋼板と接触してシヨートして
ライン停止したり、あるいはデンドライトが鋼板
とロールの間に巻き込まれてロールや鋼板を損傷
するなどの、種々のトラブルを引き起こすことが
判明した。 本発明は、TFSの製造過程、特に陽極処理
(逆電解処理)時に金属クロムの析出が起らない
電極、少なくとも通常の逆電解処理条件で金属ク
ロムの析出が起らない電極について調査研究を行
なつた結果なされたもので、逆電解処理電極上に
クロムの析出が起らないテインフリースチールの
製造方法を提供することを目的とする。 TFSの製造工程中に陽極処理を行うものとし
て、特開昭57−177998号の如く、クロムめつき
後、同浴中で陽極処理して、更に電解クロム酸処
理する方法以外に、クロムめつきの途中で逆電解
し、クロムめつき終了後電解クロム酸処理する方
法(特開昭59−100291号)、あるいは一液法で電
解クロム酸処理の最後に逆電解を行う方法、(特
開昭51−89843号)などがある。 このような方法は、陽極処理時間が長時間とな
るのでより一層逆電解処理時に電極上へ金属クロ
ムが析出し、トラブルを引き起こすことが十分考
えられる。したがつて、本発明はCr6+を含む電解
液中での陽極処理を処理工程の一部に含むTFS
の製造法において、陽極処理の対極に金属クロム
の析出が起こらないように電極(対極)を工夫し
たものである。 すなわち、本発明は、クロムを含有する水溶液
中において陰極電解によつて薄鋼板に金属クロム
を主体とするクロムめつきを行う工程と、このク
ロムめつき鋼板を前記クロムめつき水溶液中にお
いて引き続き少なくとも1回の陽極処理(逆電
解)を行う工程と、この逆電解処理鋼板の上にク
ロム酸化物層を形成する電解クロム酸処理工程と
を有するテインフリー鋼板の製造方法において、
前記陽極処理用電極として少なくとも処理すべき
鋼板に対面する表面を金または白金または白金黒
で被覆した不溶性電極を用いることを特徴とする
塗料密着性にすぐれたテインフリー鋼板の製造方
法を提供するものである。これにより、逆電解を
多数回行つたり長時間にわたつて連続して行なつ
ても電極への金属クロムの析出は起らず、塗料密
着性のすぐれたTFSを安定して製造することが
できるようになつた。 次に、本発明テインフリー鋼板の製造方法を更
に詳細に説明する。 従来、6価のクロムを含有する水溶液中におい
て薄鋼板に陰極電解によつて金属クロムを主体と
するクロムめつきを行う工程と、このクロムめつ
き鋼板を前記クロムめつき水溶液中において引き
続き陽極処理(逆電解)を行う工程と、この逆電
解処理鋼板の上にクロム酸化物層を形成する電解
クロム酸処理工程とを有するTFSの製造方法に
おいて、上記逆電解用電極としては、特別に検討
された例はなく、クロムめつき用電極として一般
に使用されているPb系の電極を逆電解用電極と
して採用してきた。クロムめつきにおいては、電
極は陽極として作用するために、電極表面には緻
密で導電性のあるPbO2皮膜が形成される。従つ
て、Pb系電極はクロムめつきでは不溶性電極と
して用いられる。 ところが、このPb系電極を逆電解用電極つま
り陰極として用いると、電極表面に金属クロムが
析出すること、陽極処理が1回のみならず多数回
となつたり、更に長い時間にわたつて電解を続け
ると金属クロム層はどんどん厚くなり、ライン操
業上、種々のトラブルを引き起すことが判明し
た。 ここで、陰極として用いても金属クロムの析出
が起らない電極を見出す必要を生じた。クロムめ
つき液中における陰極反応は一般的には次の4つ
の反応に分けて考えられる(永山、泉谷、金属表
面技術、21(1970)9、P37〜46参照)。第1番目
は電極表面の酸化物の還元、第2番目はCr6+→
Cr3+(溶液)の還元反応、第3番目はH+→H2に
よる還元反応、第4番目は金属クロムの析出反応
である。第4番目の金属クロムの析出反応がこの
4つの反応の中で最も起り難い反応であり、これ
がクロムめつき電流効率が20%程度と非常に低い
理由でもある。 そこで、本発明者等は、金属クロムの析出反応
を抑えるためには、それより起り易い反応、例え
ば第3番目のH2ガス発生反応に有利な電極につ
いて検討してみた。H2ガス発生反応が起り易い
電極とは、結局、水素過電圧の低い電極というこ
とになる。Pb電極の水素過電圧は高く、Ptおよ
びAu電極の水素過電圧は低い〔電気メツキ技術
(朝倉書店)、P36参照〕。そこで、実施例で述べ
るように、実際にこれらのの電極をクロムめつき
液中で陰極として電解して金属クロム析出の有無
を調べてみた。 但し、電流密度としては、逆電解として使用す
る範囲の上限(10A/dm2)をもとにして15A/
dm2とした。これは電流のエツジ部への集中を考
えて決めた。この実験の結果、PtおよびAu電極
で金属クロムの析出反応が起らないということ、
従つて逆電解用電極として非常に優れていること
が判つた。 しかし、PtおよびAuは非常に高価な金属であ
るために、電極全体をPtあるいはAuとするのは
経済的に不利である。幸いにも電極の水素過電圧
は電極表面の性質・形状に依存するので、電極全
体をPtあるいはAuとする必要はない。つまり、
電極の表面のみPtあるいはAuで覆えば十分であ
る。電極の本体は十分な強度を有する電性の材料
(Pb、Feなど)でよい。更に言うならば、電極の
表面全体をPtあるいはAuで覆う必要もないで。
処理すべき鋼板に面する表面のみをPtあるいは
Auにしても十分である。電極表面の残りの部分
は導電性の低い、あるいは事実上通電しない、し
かもクロムめつき液中に存在する腐食性の高いク
ロム酸、弗化物、硫酸などの薬剤に浸食されない
ような材料、例えば、テフロン、セラミツクス等
で被覆しておけばよい。 また、時には逆電解を必要としないTFSを製
造する時もある。 もし、極性を切り換えるだけで逆電解(陽極処
理)をクロムめつき(陽極処理)に変更すること
が可能ならば、その分電極を有効利用できるので
有利である。クロムめつきに使用可能な電極とは
不溶性陽極をさす。PtおよびAu電極はこの点で
も有利である。つまり、PtおよびAu電極は、陰
極に使用しても金属クロムの析出が起らないので
逆電解用電極として優れているが、陽極として使
用しての溶解しないのでクロムめつき用の不溶性
陽極としての使用可能であり、非常に優れた電極
で、本発明のテインフリー鋼板の製造用には特に
適している。 次に、本発明を実施例につき具体的に説明す
る。 逆電解用電極として種々の組成を有する電極を
用いて、電極表面への金属クロムの析出について
調査した。電解液としては、次の(A)、(B)、(C)3種
を用いた。 (A) CrO3150g/、Na2SiF65g/、
H2SO40.6g/、50℃ (B) CrO3250g/、H2SO42.5g/、45℃ (C) CrO3100g/、NaSCN0.3g/、
HBF40.9g/ 45℃ 電解条件は、電流密度15A/dm2、通電時間
24hrとした、電極表面への金属クロムの析出の有
無はESCAにより判定した。 表1に種々の電極について逆電解用電極として
の適否を調べた結果を示した。これから、比較例
1〜3の従来クロムめつき用陽極として使用され
てきたPb系電極は、逆電解用陰極としては金属
クロムが電極表面に析出するために不適であり、
実施例1〜3に示したPt、Auおよび白金黒電極
は、金属クロムの析出が実際使用条件内では起ら
ず、逆電解用陰極として適したものであることが
わかる。
【表】
Claims (1)
- 1 クロムを含有する水溶液中において陰極電解
によつて薄鋼板に金属クロムを主体とするクロム
めつきを行う工程と、このクロムめつき鋼板を前
記クロムめつき水溶液中において引き続き少なく
とも1回の陽極処理(逆電解)を行う工程と、こ
の逆電解処理鋼板の上にクロム酸化物層を形成す
る電解クロム酸処理工程とを有するテインフリー
鋼板の製造方法において、前記陽極処理用電極と
して少なくとも処理すべき鋼板に対面する表面を
金または白金または白金黒で被覆した不溶性電極
を用いることを特徴とする塗料密着性にすぐれた
テインフリー鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7440784A JPS60218499A (ja) | 1984-04-13 | 1984-04-13 | 塗料密着性にすぐれたテインフリ−鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7440784A JPS60218499A (ja) | 1984-04-13 | 1984-04-13 | 塗料密着性にすぐれたテインフリ−鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60218499A JPS60218499A (ja) | 1985-11-01 |
JPS639599B2 true JPS639599B2 (ja) | 1988-02-29 |
Family
ID=13546302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7440784A Granted JPS60218499A (ja) | 1984-04-13 | 1984-04-13 | 塗料密着性にすぐれたテインフリ−鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60218499A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4924313B2 (ja) * | 2007-09-13 | 2012-04-25 | Jfeスチール株式会社 | Tfs用電気めっき装置 |
-
1984
- 1984-04-13 JP JP7440784A patent/JPS60218499A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60218499A (ja) | 1985-11-01 |
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