JPS60234995A - テインフリ−鋼板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、逆電解法により塗料二次密着性の優れたティ
ンフリー鋼板を連続して製造する方法に関するものであ
る。

ティンフリー鋼板を缶胴として使用する缶の缶胴ｆ／培
Ａ−＋乙１炒の−っとＩ−丁蚊美割ル田いで絞合する方
法（接着法）が普及したが、用途の拡大にともないティ
ンフリー鋼板の塗料−次密着性の向上に対する要求が増
大した。これらの要求に地えるために、多くのティンフ
リー鋼板の製造法が検討され、開発されてきた。その中
でも特開昭５７−１７７９９８号［ティンフリー鋼板の
製造方法」に示されている方法（逆電解法と称す）は特
に優れたものである。逆電解法によるとクロムめっき浴
中でクロムめっき後、同浴中で直ちに逆電解し、水洗後
電解クロム酸処理浴中でクロム酸化膜を形成させること
により優れた塗料二次密着性を有するティンフリー鋼板
が製造できる。１７かし、逆電解法により連続して大量
にティンフリー鋼板を製造した場合に該鋼板の部位によ
っては塗料二次密着性に劣る部分が発生し、それ以外に
も鋼板表面に押し疵を発生するなどの問題を生じた。

その理由を詳細に調べたところ、第１図に示すように、
めっき液３の入っためっき槽６で鋼板ｌに電極５により
正電解後電極４により逆電解を実施する工程で鋼板に向
い合う極板４に金属クロムが電析し、不均一に電析する
ために、鋼板上に供給される電流が不均一になり、逆電
解の効果を達成できない部分、即ち塗料二次密着性の不
十分な部分を生じたり、また長時間の操業によりめっき
厚さが増すと金属クロムめっき層が脱離し、鋼板ｌとめ
っき槽６のロール２の間に巻き込ま°れることにより押
し疵を発生していた事が分った。

この問題は、固定された極板により連続して供給される
鋼板を大量に処理する製造ラインで実施することにより
、はじめて発生した問題であった。

このような品質上の問題を解決するために、種々の検討
がなされた。極板に関しては、ティンフリー鋼板の用途
が優れた塗料二次密着性を要求される用途だけではなく
、それ以外の用途、即ち接着法で缶胴を接合する場合で
も、内容物を充填後レトルト加熱殺菌などの加熱処理（
レトルト処理）を行わない用途あるいは溶接法、ＤＲＤ
（ｄｒａｗ−ｒｅｄｒａｗ　）法で製造される用途に対
しては、生産能率を向上させるため逆電解の工程で正電
解（クロムめっき）が実施されるために、極板は陽極と
して使用しても優れた性能を有するＰｂ−３ｎなどの不
溶性極板を使用する必要があるので限られた材質の使用
しかできなかった。Ｐｂ−３ｎ以外の例えばＰｔを極板
とすることを試みたが、極板を選ぶことによっても何ら
問題の解決はできなかった。

したがって、利用技術の改善即ち、 ｌ）逆電解を実施して一定期間後には極板を取付える。

２）一定期間逆電解を行ったら正電解し極板に析出した
金属クロムを溶かすなどの方法を実施するしかなかった
。

しかし、いずれの方法を用いた場合でも、極板の取替え
あるいは、金属クロムの溶解のため、ラインの停止時間
が増すために、著しく経済性を阻害し、何ら問題の解決
には至らなかった。　以上のように、従来の技術のまま
では、逆電解法を用いて、連続して大量に塗料二次密着
性の優れたティンフリー鋼板を製造する一Ｅで、品質−
ヒ、経済１−の著しい困難を生じていた。

本発明は、連続して移動する鋼板に対し、固定した極板
により実施される大量生産の装造工程において逆電解法
で塗料二次密着性の優れたティンフリー鋼板を製造する
にあたって、問題となっていた品質の劣化およびバラツ
キ、経済性の低下などの問題を一挙に解決する方法を提
供することを目的としている。

すなわち、本発明は、鋼板を脱脂、酸洗してからクロム
めっき浴中で陰極電解して金属クロムとクロム酸化膜を
形成せしめた後、引き続き同じクロムめっき浴中で逆電
解処理を行い、十分水洗し、続けて電解クロム酸処理浴
中で陰極電解することによりクロム酸化膜を形成させる
ことにより子インフリー鋼板を連続して製造する方法に
おいて、前記逆電解処理を鋼板に対して陽極電解と陰極
′Ｉ′ｔｔ？ｆｆの連続した繰り返しから成る交番電流
を使用して行うことを特徴とするティンフリー鋼板の以
下、本発明の具体的内容について説明する。

本発明が対象とするティンフリー鋼板は金属クロムＭｊ
　２０〜２００ｍｇ／ｒｒ＋’、クロム水和酸化物量が
クロム換算で５〜５０腸ｇ／ゴの範囲の金属クロムの下
層とクロム水和酸化膜のヒ層から成る二層構造で、該鋼
板は内外面となる面に缶用塗料を塗布した後ナイロン系
の接着剤を介して缶胴を接着することにより缶胴を形成
し、缶胴の一方は缶蓋が巻締められてから、食品あるい
は飲料などの内容物が８０〜９５℃の湿度で熱間光Ｆ４
（ホットパックと称す）されるか、さらにその次の工程
として缶蓋を巻締めて内容物を缶内に封じてから殺菌を
目的として１００℃以−ヒの高温で加熱殺菌（レトルト
処理と称す）される缶の用途に対して、塗料二次密着性
に優れ、従ってホットバックあるいはレトルト処理後で
も缶胴接合部の接着力が十分高く、ティンフリー鋼板と
塗料の間の密着力低下に起因する接着部の剥れ（破胴と
称す）を生じることのないティンフリー鋼板の製造方法
に関するものである。

本発明を製造工程に従って説明する。

冷延鋼板は脱脂、酸洗を経た後、クロムめっき浴中で陰
極電解され、不可避的に僅かな量のクロム水和酸化膜と
ともに金属クロム層が形成される。クロムめっき浴は、
クロム酸を主たる成分とし、さらに金属クロムの析出効
率を増すため硫酸、弗化物または珪弗化物等の添加物を
適量添加Ｉ７た通常の水溶液である。クロムめっき後、
同じクロムめっき浴中で本発明による逆電解が直ちに実
施される。

逆電解は、従来の方法に依れば、直流電源を用い鋼板を
陽極とすることにより実施されていたが、本発明によっ
て第２図に示すような極性を異にする電流成分を有する
電流（広義の交流）を供給できる電源を用いることによ
り、極板上へ金属クロムの電着を皆無又は極少にし、塗
料二次密着性に優れた鋼板を生産することが可能となっ
た。

電源により供給される電流は、鋼板の移動速度（ライン
スピード）と極板の長さにより決まる逆電解時間内に十
分繰り返される周期を有する交流であることが望ましく
、実用上２０腸ｓｅｅ以下の周期を持つものであれば十
分効果を有す。

本発明法を用いることにより極板上に金属クロムの電着
な極少にできる理由は明らかでないが、極板−Ｌにおけ
る金属クロムの陰極効率（析出効率）と陽極効率（溶解
効率）が異り、即ち析出効率が低く、溶解効率が高いこ
とにより連続して長時間生産を行っても電着が起こらな
いと予想される。電源波形は任意な波形で実施できる。

第２図中で鋼板に対して陽極（極板に対して陰極）とな
る電流の波形をｆ（ｔ）（ｔは時間）で与え、鋼板に対
して陰極（極板に対して陽極）となる電流波形をｇ　（
ｔ）　、で与えた場合、単位面積当り各々の関数をある
時間ｔ１からｔ２まで（ｔ２−ｔ、＝１周期）積分し、
（ｔ２−ｔｔ　）で割った値それぞれ を実効電流密度と定義し、実効電流密度比：Ｒ＝Ｆ／　
（Ｆ＋Ｇ）と定義して、塗料二次密着性を調べる実験を
行った。

以下に塗料−次密着性の測定方法を記す。

（１）耐レトルト処理性 ティンフリー鋼板の試料表面７にフェノール・エポキシ
系塗料を６０　ｍｇ／ｄｎｆ塗布し、２１０’０で１２
分間焼付けた。もう一つの試料表面８に同じ塗料を２５
腸ｇ／ｄｍ″塗布し、同じ条件で焼付けた。この２つの
試料を各々幅７０謄■、長さ６０層層重切断し、塗膜厚
の異なる２枚の試片の長さ方向の両端（７Ａおよび８Ａ
）を８１腸だけ重ね、その間に１１００ｐのナイロンフ
ィルム９（接着剤）をはさみ、ホットプレスを用いて２
００℃で１２０秒の予熱を行った後、３Ｋｇ１ｄの加圧
下で２００℃で３０秒間の圧着を行なった（第３ａ図参
照）、この試験片ｌＯを１０組つくり、缶胴のように半
径１００ｍ■程度に予め丸めた後、底辺７０■ｌのアン
グルｉｔに第３ｂ図に示すように固定し、１２５〜１３
０℃、１．６−１．７　Ｋｇ／ｒｒｆのレトルト釜中で
３００分経時計た時の剥離の有無を調べた。１０組中の
剥離本数で耐レトルト処理性の指標とした。

（２）レトルト処理後の高温耐久性 耐レトルト処理性試験のためのテストピース作製方法と
同様に、ティンフリー鋼板表面にエポキシ・フェノール
系塗料を片面ずつ塗装焼付けした後、ナイロン系接着剤
で加熱接着して得た試験片を、０．６％　ＮａＣ１水溶
液中で１３５℃、９０分のレトルト処理を行い、その後
、同液中９０℃にて１４０間浸漬した後、インストロン
引張試験機を用い、２００■■／ｓｉｎの一定引張速度
でＴ型剥離試験を行い、剥離強度を測定した。試験はテ
ストピースを５個ずつ用いて行い、その平均値を試験結
果として示す。

第４図ハＣｒＯ３１５０ｇ／　ｌ、Ｈ２ＳＯ４１，５ｇ
／見のクロムめっき浴（４５℃）中でクロムめっき後、
木発明による逆電解を鋼板の移動速度２００　ｍｐｍ　
、　Ｐｂ−３ｎ極板の長さ１５００＋ｓｍとし。

Ｆ　、−２Ａ　／ｄｒｎ’　（−＝定）、Ｇを任意に変
えて実施し、その後Ｃｒ０３５０ｇ／ゴの電解クロム酸
浴中で電解クロム酸処理を行ってティンフリー鋼板をｉ
！Ｉ続生産］７．４８時間後に試料を採摩し塗料二次′
ｆｆ：着性を調べた結果を示したものである。本発明に
よる逆電解法では、耐レトルト処理性は３００分後に剥
離は１つもなく全て良好である。また、レトルト処理後
の高温耐久性試験においてもＴ型剥雌強度は２　Ｋｇ／
　５　＋ｕ＋巾以上で十分である。

これに対し、従来の逆電解法Ｒ＝Ｆ／（Ｆ＋Ｇ）−１の
場合は金属クロムが極板−Ｌに電析し、従って塗料二次
密着性の劣化が見られる。さらに種々のクロムめっき条
件、および電解クロム酸処理条件について詳細に検討し
たところ、望ましくはＲ＝Ｆ／　（Ｆ＋Ｇ）＝０．３−
０．８５の範囲であるならば、塗料二次密着性は全く問
題とならないことが明らかとなった。Ｒ＞０．９５の場
合は極板にクロムが析出し製品品質が不安定となる。ま
たＲ＜０．３の場合では、しトルト性改善の効果が小さ
かった。

さらに本発明による逆電解はＰｔ等の貴金属の純金属あ
るいは合金から成る極板と組合わせて用いた時、その効
果は顕著であり、Ｆ／（Ｆ十Ｇ）のより広い範囲でティ
ンフリー鋼板の全く安定した品質を得るものであった。

次に逆電解以降の工程について簡単に述べる。

逆電解を終了後鋼板は水洗を十分に行ってクロムめっき
浴を除去した後、電解クロム酸処理液中で陰極電解し、
クロム水和酸化膜を析出させる。電解クロム酸処理液は
、クロム酸、重クロム酸及び重クロム酸塩の１種以上か
ら成るものでクロム水和酸化膜の析出効率を調整するた
めに硫酸、弗化物、（ｉｊ弗化物等の添加物を必要に応
じて添加した水溶液である。

その後水洗又は必要に応じて湯洗あるいは水洗及び乾燥
して製造される。このように製造されるティンフリー鋼
板の塗料二次密着性は前述のように優れたもので、接着
缶とした時にホラトノフラグ、あるいはしトルト処理後
でも破刺はなく、従って缶に対する信頼性の向上と用途
の拡大に著しく＝四ｊするものである・ 以下実施例により本発明を説明する。

木発明により得られたティンフリー鋼板（実施例１〜８
）および従来法により得られたティンフリ−鋼板（比較
例１〜３）のＴビール剥離試験を行って塗料二次密着性
の評価を行った。

〔実施例〕

板厚０．２２　ｍｍの冷延鋼板をラインスピード２００
ｍ／分で連続して製造する設備において、８０℃で５％
力性ソータ溶液中でＩＯＡ／ｄｍ’の電＊に：度で８秒
間電解脱脂を行ってから水洗し、３５°Ｃの１０％梳、
酸中に３秒間浸漬して水洗した後にトー記の条件でクロ
Ｊ・めっきを行った。

クロムめっき処理 浴組成Ｃｒ０３２５０ｇ／Ｊｌｊ　＋　０２　ＳＯ４２
，Ｏｇ／文浴温浴温度５℃ 電解条件　５０Ａ／ｄゴ　Ｘ　１．０秒）、記クロムめ
っき後回液中で次の条件で逆電解を実施した。

逆電解条件 鋼板に対する陽極実効電流密度（Ｆ） ２Ａ／ｄｒｎ’（一定） 鋼板に対する陰極実効電流密度（Ｃ） ０．１　〜　！８Ａ／ｄｍ’ ″電解時間　０．５秒 極　板　Ｐｂ−９ｎ不溶性極板又はｐ　ｔ　４Ｊ３Ａ板
逆電解後水洗し、直ちに以下の条件で電解クロム酸処理
を施した。

電解クロム酸処理 浴組成　Ｃｒ０３　６０ｇ／文＋Ｆ−０，１ｇ／ｉ浴　
温　４５　℃ 電解条件　１０　Ａ／ｄｒｎ′Ｘ　１．０秒電解クロム
酸処理後直ちに水洗あるいは湯洗を行った後乾燥してテ
ィンフリー鋼板を得た。

〔比較例〕

実施例と同様にしてクロムめっきを施した後、従来の逆
電解を実施した。ラインスピード、極板の長さは実施例
と全く同様である。

逆゛屯解条件　電流密度２Ａ／ｄｒｎ”　Ｘ　Ｏ，５秒
その後水洗し、実施例と同様の処理を施してティンフリ
ー鋼板を得た（比較例１．２）、逆電解を実施しない通
常のティンフリー鋼板（比較例３）も逆電解以外は全く
同じ条件で製造した。

以１の条件で４８時間ティンフリー鋼板を製造した後、
各々の鋼板を採取し、試験した。

本発明法によるティンフリー鋼板（実施例１〜８）およ
び従来の逆電解法によるティンフリー鋼板（比較例１，
２）と通常のティンフリー鋼板（比較例５）の塗料二次
密着性を調べた結果を表１に示す。

この結果から、本発明法による逆電解を実施した場合に
は、塗料二次密着性は著しく優れており、３００分の試
験後にも剥離は全くなかった。

比較例にある通常の逆電解法及び逆電解を行わない場合
には塗料二次密着性は低い、レトルト処理後の高温耐久
性試験においても実施例は全て２Ｋｇ１５ａ＋ｉ＋巾以
上で良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図はクロムめっき工程と逆電解工程を示す線図、第
２図は本発明による逆電解法で使用される電流波形の例
を示すグラフ、第３ａ図および第３ｂ図はそれぞれ、耐
レトルト性を評価するために実施される試験において試
験片の設定および治具への取付は方を示す線図、第４図
は本発明による逆電解で供給されるＦＭ極実効電流と陰
極実効電流の比率を変えて逆電解した時の耐レトルト処
理性とＴ型剥離強度を示すグラフである。 符号の説明 ｌ・・・冷延鋼板、２・・・ロール。 ３・・・クロムめっき液、４・・・逆電解用極板、５・
・・正電解（クロムめっき）用極板、６・・・めっき槽
、７・・・ティンフリー鋼板試料、８・・・ティンフリ
ー鋼板試料、 ９・・・ナイロンフィルム、ｌＯ・・・試験片、１１・
・・アングル 第１図 第２図 −〜、”：ｇ（ｔ）ｄｔ 菓３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 鋼板を脱脂、酸洗してからクロムめっき浴中で陰極電解
   して金属クロムとクロム酸化膜を形成せしめた後、引き
   続き同じクロムめっき浴中で逆電解処理を行い、十分水
   洗し、続けて電解クロム酸処理浴中で１１２極電解する
   ことによりクロム酸化）１ジを形成させるティンフリー
   鋼板を連続して製造する方法において、前記逆電解処理
   を鋼板に対して陽極電解と陰極電解の連続した繰り返し
   から成る交番電流を使用して行うことを特徴とするティ
   ンフリー鋼板の製造方法。