JPS5970798A - 連続クロムめつき方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、逆Ｎ解法ｌこよるレトルト処理用ティンフリ
ー鋼板の製造方法に関するものである。

ティンフリー鋼板は、クロムめっきならびに電解クロム
酸処理により製造されるものが主流であり、これは特に
ティンフリースチールクロムタイム（ＴＦＳ−ＣＴ）と
称される。このティンフリー鋼板の耐食性は＃２５のブ
リキ（２，８ｆ／ｍ’）と同等であり、腐食がそれ程問
題とならない用途においては無地で使用するが、一般に
は塗装して用いることが多い。特に食缶材料として用い
る場合には塗装が前提となり、ティンフリー鋼板の表面
層と塗膜層との相乗効果による耐食性の向上を図ってい
る。

ティンフリー鋼板は当初ぶりきと異なり半田付けができ
ないので伸び悩んでいたが、缶胴を接着する技術の進歩
発展により食缶用素材として一躍脚光を浴び、またガロ
ン缶、ベール缶などでは、溶接部のクロム被膜を事前に
除去して抵抗溶接するなどの製缶溶接技術の進歩により
、この分野でもティンフリー鋼板の用途が拡大していっ
た。

食缶用の接着部においては、ビール、炭酸飲料缶などの
分野で使用されだした当初は接着部が高温殺菌に耐えら
れず、レトルト処理を施す缶材には用いられていなかっ
たが、近年これに対する研究が進んで耐レトルト、処理
性を有する鋼板と接着技術が開発され、ジュースに代表
されるホットパックや練乳を含むコーヒーに代表される
レトルトパックの市場に進出している。

ホットパックやレトルト処理用の高級ティンフリー鋼板
の製造上の問題点は、ティンフリー鋼板のクロム水利酸
化物皮膜（以下、Ｃｒ０Ｘ皮膜という）と塗料との密着
性である。これが悪いと、内容物を充填後や殺菌のため
のレトルト処理時などに塗膜を浸透してきた水や酸など
により密着性が劣化し、缶胴接合部において破胴を生じ
ることがある。Ｃｒ０Ｘ皮膜と塗膜との結合は両者のＯ
Ｈ基どうしの水素結合によるものと考えられ、Ｃｒ０Ｘ
皮膜中に硫酸根やフッ素イオンなどがＯＨのかわりに増
加すれば、塗膜を浸透してきた水などに溶出され易く、
溶出により皮膜の欠陥が増大し、その結合力は低下する
と考えられ、Ｃｒ０Ｘ皮膜と塗膜との界面の接着が悪く
なり、界面から剥離が生じることが最近間らかにされて
きた。

この観点から、耐レトルト処理性に優れた高級ティンフ
リー鋼板を製造する方法として、クロムめっき浴の助剤
として硫酸を添加しない方法や添加をミニマムに押える
方法などが提案されており、添加しない方法においては
、クロムめっきの前処理として行う酸洗においても硫酸
を用いない工夫を行っている。これらの方法はいずれも
硫酸を助剤として用いなかったり、または消極的に使用
する立場からの製造法である。

しかし、これらの方法は硫酸を用いないために適正電流
密度範囲が狭く、外観不良が生じ易かったり、整流器に
余力があるにもかかわらず、適正電流密度範囲が低いの
で所望の電気量の確保のためラインスピードを下げたり
、あるいは金属クロムの析出効率が悪くなるのでライン
スピードを下げたりするなど、生産性を著しく低下させ
、また製品の品質が不安定になり易く、生産性、歩留り
の低下が無視できない問題である。

本発明は、クロムめっき浴とこれに対して水洗浴を隔て
て分離した電解クロム酸浴とを用い、鋼板上に金属クロ
ム被膜とこれに重ねて被成したクロム水利酸化物主体の
被膜とを有し、ホットパックやレトルト処理用など、耐
レトルト処理性に優れたティンフリー鋼板を製造するに
際して、常法に従い脱脂および硫酸酸洗を行った後、硫
酸やその化合物を助剤に含むクロムめっき浴でクロムめ
っきを行う時、クロムめっき最終電極の鋼板側の極性を
陽極として逆電解を施し、洗浄の後、電解クロム酸処理
を施すようにしたティンフリー鋼板の製造方法である。

以下、不発明の連続クロムめっき方法を添付図面を参照
しつつ詳細に説明する。

第１図にはＴＦＳ−ＣＴの製造設備を線図的に示す。鋼
板Ｓは矢印で示すよう通板され、槽１において脱脂、槽
２で洗浄、槽３で酸洗、槽４で洗浄され、所要数の槽５
でクロムめっきが施され、槽７で洗浄後、ＩＩＩＪ８に
おいて電解クロム酸処理が施され、槽９で再び洗浄され
てティンフリー鋼板が製造される。この時、必要数のめ
っき檜と電極を用いてライン速度を適宜選択することに
よって層重の金属クロム量を得ている。クロムめっき槽
５の最終槽の最終電極は、従来は鋼板Ｓが陰極、電極６
が陽極であったのに対して、本発明においては鋼板Ｓを
陽極、電極６を陰極として逆電解を施す。

次に、本発明を実施例につき具体的に説明する。

〔実施例、比較例〕

常法による脱脂、酸洗を行った鋼板に、ｃｒｏ、　２５
０　ｔ　／ｌ、　ＨｘＳＯ４１，Ｏｔ／ｌ−ｓ　Ｎａ２
５ＩＦ６２．０？／ｌのクロムめっき浴にてクロムめっ
きを施すが、この時、最終クロム電解槽の最終電極は鋼
板側の極性を陽極とし、５　Ａ／ｄｒｒ？　Ｘ　０．２
秒の電解を施し、水洗後、Ｃｒｙ、、　６０　ｆ／ｌの
溶液にて１５　Ａ／ｄｒ／ｘ　１．０秒の電解を行う処
理により、クロムめっき１００■／−１ｃｒＯＸ被膜１
５キ／−目標で連続して施し、約２時間毎に試料を採取
して供試材とした。比較例として、最終電解槽の最終電
極は従米通り鋼板側の極性を陰極として、上記実施例と
同じ処理を施して供試材を得た。このようにして得た不
発明の供試羽（実施例）および従来の供試材（比較例）
について、下記のような種種の試験を行った。

（１）Ｃｒ。Ｘ被膜量の測定 従来の比較例と本発明の実施例の酸化膜量の経時推移゛
（２時間毎）を第２図に示す。いずれもＣｒＯｘ被膜は
１５　ｍｙ／ｎ？前後であるこ吉がわかる。

なお、Ｃｒ０Ｘ被膜の測定は、測定試料を１００１１：
：、３００ｒ／ｌの苛性ソーダ溶液に１０分間浸漬した
前後の螢光Ｘ線（Ｘｒａｙ　４０　ＫＶ、　６０　ｍＡ
、モニター６０秒）により、Ｃｒ　ｆｐｙ測足の差によ
り、検量線を用いて定量した。

（２）熱水によるＳｏニーの溶出量測定両試料について
純水煮沸水中に３０分浸漬して溶出したＳ　０４−を、
　０．００３　Ｍ　、　ＮａＨＣＯｓ、０、００２４　
Ｍ　ＮａｚＣＯｓなる組成の溶離液を用いてイオンクロ
マトグラフィーで測定した結果を第３図に示す。ＳＯ七
の定量は、ＳＯ；−濃度が既知の標準溶液のクロマトビ
ーク高さを比較することにより求めた。

これにより、本発明のものはＳ〇七溶出量が約０．１〜
／イであるのに対し、従来のものは約０．７η／Ｒであ
ることがわかる。このように、本発明におけるように鋼
板を陽極にして逆電解処理することにより、ＳＯニー熱
水溶出量の低減を図ることができ、すなわち、Ｃｒ０Ｘ
被膜中に共析するＳＯニー濃度を低減することができる
。

（３）Ｔ型剥離試験 上記のようにして得られた各ティンフリー鋼板試料の片
面を５０±５η／ｄｎ／でサイジング塗装し、１９０℃
で１０分焼付した後、残った反対面に同量のゴールド塗
装を施し、２１０℃で１０分の焼付を行った。この後、
サイジング塗装した面とゴールド塗装した面との間にナ
イロン系の接着用合成樹脂テープ（厚さ１００ｐｎｔ、
幅５ガ）を挾み、ホットプレスによす１９０℃、　ＩＫ
ｙ／ｃｆｆ’３０秒間の圧着を行って接着させ、複数個
のテストピースを作成した。これらの接着直後のテスト
ピースについて、インストロン引張試験機を用いて２０
０　ｍｍ　／　ｍの一定引張速度でＴ型剥離試験を行い
、剥離強度を訓示した。

さらに、別のテストピースを用いて、ｆｆ１ａｉ１．５
り／ｌを含み、くえん酸でｐＨ３，３に調整した糖酸液
に７０℃で７日間浸漬した後の伊］離強度を前記と同じ
条件で測定した。

いずれの試験も各テストピースを５個ずつ用いて行った
。試験結果を第４図に示すが、結果はその平均値で示す
。接着直後のＴ型剥離試験値は塗装後の塗膜の密着性を
判定するものである。また高温殺菌などのレトルト処理
を行う場合に、塗膜を透過して侵入してきた水に溶解す
るｃｒｏＸの成分が多いと、塗膜とＣｒ０Ｘ　６の間の
接着力が低下し、耐レトルト処理性が悪くなる。７０℃
、７日間浸漬後のＴ型剥離試験値はこの評価を行うもの
である。

第４図から１本発明のものは７０℃、７日浸漬後におい
て従来例よりもＴ型剥離強度が高いことがわかり、従っ
て前述のｓｏ七熟熱水溶出試験結果らも、本発明のもの
は耐レトルト処理性に優れていることがわかる。

第５図には、本発明の逆電解法による一般および高級テ
ィンフリー鋼板の類造設備を線図的に示す。第５図にお
いて、１ｏはクロムめっき最終電解槽、１１は鋼板、１
２は従来法の通電ロール、１３は従来法の電極グリッド
、１４はジンクロール、１５は本発明による逆電解可能
な電極グリッド、１６は本発明による逆電解可能な通電
ロールである。

従来法の通電ロール１２および電極グリッド１３には、
従来法の通電系１７が接続されている。本発明による逆
電解可能な電極グリッド１５および通電ロール１６には
、切換スイッチ１８および１９を有する通電系２０が接
続され、スイッチ１８をオンにすれば従米通りであり、
スイッチ１９をオンにすれば逆電解を施すことができる
。

なお、上述した処では逆電解をクロムめっき槽の最終極
で行うべく述べたが、これはクロムめっき浴で陰極処理
に引き続き行うのが経済的であることによるものであり
、陰極処理後クロムめっき浴の浸漬槽を介しての逆電解
あるいは逆電解後クロムめっき浴の浸漬槽を介しての水
洗などを行っても艮い。

また、クロムめっき槽とは異なる槽で同様の効果のある
異種の浴を用いて逆電解処理を施しても艮い０

【図面の簡単な説明】

第１図はＴＦＳ−ＣＴ製造ラインの線図、第２図は本発
明例および比較例のＣｒＯｘ被膜爪の測定グラフ、第３
図は本発明例および比較例の熱水溶出５０２４−Ｍの測
定グラフ、第４図は本発明例および比較例のＴビール剥
離強度試験結果を示すグラフ、第５図は本発明による逆
電解法によるティンフリー鋼板製造設備の線図である。 符号の説明 １・・・脱脂槽、２，４，７，９・・・洗浄槽、３・・
・酸洗槽、５・・・クロムめっき槽、６・・・電極グリ
ッド、８・・・電解クロム酸処理槽、ｌＯ・・・最終ク
ロムめっき槽、１１・・・鋼板、１２．１６・・・通電
ロール、１３゜１５・・・電極グリッド、１４・・・ジ
ンクロール、１７゜２０・・・通電系、１８．１９・・
・切換スイッチ特許出願人　　川崎製鉄株式会社 城１図 第２図 上ヒ　庫交　什１１　　　　　　　　　　　　　実　売
　イ列賦３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. クロムめっき浴と、これに対して水洗浴を隔てて分離さ
   れた電解クロム酸処理浴とを用い、銅板上に金属クロム
   被膜とこれに重ねて被成したクロム水利酸化物主体の被
   膜とを有するティンフリー鋼板を製造するに際し、クロ
   ムめっき最終電極の極性を陽極とすることを特徴とする
   連続クロムめっき方法。