JPH0637404A - 開裂ファセットを備えるレーザ・ダイオードのフル・ウェハ加工方法 - Google Patents

開裂ファセットを備えるレーザ・ダイオードのフル・ウェハ加工方法

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JPH0637404A
JPH0637404A JP5100797A JP10079793A JPH0637404A JP H0637404 A JPH0637404 A JP H0637404A JP 5100797 A JP5100797 A JP 5100797A JP 10079793 A JP10079793 A JP 10079793A JP H0637404 A JPH0637404 A JP H0637404A
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facets
cleaving
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etch
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テオドール・フォスター
Christoph Harder
クリストフ・ハーダー
Albertus Oosenbrug
アルベルテュス・オーセンブリュッフ
Gary W Rubloff
ギャリー・ダブリュー・ルブロフ
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    • H01S5/0201Separation of the wafer into individual elements, e.g. by dicing, cleaving, etching or directly during growth
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同一ウェハ上に多数のレーザ・ダイオードが
作成され、そのミラー・ファセットが前記レーザのアン
ダーエッチ部分のフル・ウェハ開裂によって画定され
る、開裂したミラー・ファセットを備えるレーザ・ダイ
オードのフル・ウェハ加工方法を提供すること。 【構成】 作成しようとするレーザの光軸に垂直で、相
互に平行しており、その間隔によってレーザ・キャビテ
ィの長さlcと、隣接するレーザ・ダイオードのファセ
ット間の間隔lbとを画定するマークをレーザ構造層の
上面に刻み込むことにより、開裂すべきファセットの位
置を画定し、刻みマーク間にエッチ・ウィンドウを与え
るエッチ・マスク・パターンを形成してトレンチをエッ
チし、上部を部分的にアンダーエッチし、刻みマークに
沿って超音波でまたは機械的に開裂させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、開裂したミラー・ファ
セットを有するレーザ・ダイオードをフル・ウェハ加工
する方法に関する。様々な化合物半導体に適用できる本
発明の方法によれば、同一ウェハ上に多数のレーザ・ダ
イオードが作成され、そのミラー・ファセットは前記レ
ーザのアンダーエッチ部分のフル・ウェハ開裂によって
定義される。この方法を用いると、ウェハを個々のレー
ザ・チップに分割する前に、開裂したファセットのフル
・ウェハ処理及びレーザのフル・ウェハ試験が可能にな
る。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ・ダイオードは、寸法がコ
ンパクトであり、かつその技術が関連する電子回路の技
術と整合性をもつため、広範な情報処理システムで使用
されている。それらは、データ通信、光記憶、光印刷な
どの分野で使用されている。最も広く使用されているの
は、第III族/第V族化合物材料であり、特にAlGa
Asレーザが広く使用されている。
【0003】歴史的に見ると、レーザのキャビティの長
さを定義するミラー・ファセットは、レーザ・バー、す
なわちデバイスの活性導波管を含む成層構造の開裂によ
って得ていた。開裂により、通常は単一でしばしば高品
質のデバイスが得られるが、それにはさらにミラーの不
動態化や試験などの個別処理が必要である。各個別レー
ザ・ダイオード用にこうした追加の加工ステップが必要
なため、その製造及び検査のコストが法外に増大してい
る。
【0004】さらに最近には、集積規模増大の傾向が強
いが、それには、レーザ・ダイオードの少なくとも1つ
の開裂ミラー・ファセットの代りにエッチングによるミ
ラーを使用する必要がある。高品質のエッチ・ミラーを
得るために大きな進歩が行われてきたので、この技術は
非常に有望に思われる。これを用いると、ミラー・コー
ティングや試験などの工程をフル・ウェハ・レベルで実
施することができ、操作の軽減、歩留りの向上、製造及
び試験コストの削減といった利益が得られる。さらに、
レーザ・ミラーのエッチングにより、同一基板上に他の
各種デバイスをモノリシックに集積することが可能とな
る。
【0005】H.ブラウフェルト(Blauvelt)等の論
文"AlGaAs Lasers with Micro-Cleaved Mirrors Suitab
le for Monolithic Integration"、 Applied Physics L
etters、Vol.40、No.4(1989年2月)、pp.289〜290に、
レーザの基板を開裂せずにAlGaAsレーザのミラー
を開裂する技法が報告されている。このような微細開裂
レーザ・ダイオードを使用すると、同一基板上に他の電
子デバイスをモノリシックに集積することが可能とな
る。微細開裂ファセットを有するレーザ・ダイオード
は、アルミニウム含有量の高い中間AlGaAs層でG
aAs基板から分離されていると記述されている。この
AlGaAs層のアルミニウム含有量が高いためにこの
構造の熱抵抗が増大し、この層の上にエピタキシアル層
を成長させることがより難しくなっている。ファセット
を開裂する前に、前記のAlGaAs中間層を選択的に
エッチして、レーザ・ダイオードのエピタキシアル成長
層をアンダーエッチする。このエッチ・ステップによ
り、開裂することのできる片持ちばり構造が得られる。
微細開裂ファセットの位置は、前記片持ちばりの下のエ
ッチ溝の縁部によって画定される。この技法の主な欠点
は、片持ちばりの長さが、したがって開裂すべきファセ
ットの位置が、エッチング剤の濃度とエッチ時間に強く
依存することである。このため、ファセットの位置によ
って決まる、レーザ・キャビティの長さが精密に画定で
きない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主目的は、エ
ッチ・ミラーを有するレーザのフル・ウェハ製造から知
られるフル・ウェハ加工の諸利点と、開裂ファセットの
諸利益を併せもつ、レーザ・ダイオードのフル・ウェハ
加工を行う方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、モノリシック集積用
の開裂ファセットを有するレーザ・ダイオードを作成す
る方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、レーザ基
板またはレーザを装着したキャリア基板を開裂させずに
ミラー・ファセットを開裂させる、レーザ・ダイオード
のフル・ウェハ加工によって達成された。刻んだマーク
に沿って開裂することのできるアンダーエッチ構造を得
るための様々な方法が与えられている。こうした刻んだ
マークの位置が、レーザ・キャビティの長さを精密に画
定する。本発明の方法を用いると、個々のレーザ・チッ
プを分離する前に、開裂ファセットのフル・ウェハ処理
及びフル・ウェハ試験が可能となる。
【0009】
【実施例】以下では、開裂ファセットを有するレーザ・
ダイオードのフル・ウェハ加工のための本発明の方法の
異なる3種の実施態様について述べる。本発明のこれら
の異なる実施態様は、対応する図を参照しながらより詳
しく説明する、下記の単純化された諸ステップに基づく
ものである。
【0010】通常は基板の上にエピタキシアル成長され
る複数の層からなる、従来型のレーザ構造から出発し
て、作成すべきレーザ・チップの寸法を画定するため、
前記基板の表面またはレーザ構造を装着したキャリア基
板の裏面にハーフカット・パターンを形成しなければな
らない。基板を、前記ハーフカット・パターンにより、
その一辺が作成すべきレーザ・キャビティの長さよりも
長く、他辺が少なくとも作成すべきレーザ・ダイオード
の幅と同じ長さである、長方形の領域に分割する。この
ハーフカット・パターンは、基板の裏面に切り込むこと
により、あるいは、例えばダイアモンド・スクライバを
使って基板中に刻み込むことによって作成できる。
【0011】次に、前記レーザ構造の表面にマークを刻
むことにより、レーザ・キャビティの長さを画定する。
レーザ・ファセットはこれらのマークに沿って開裂する
ことになる。刻んだマークは実質上平行であり、その間
隔がキャビティの長さを精密に画定する。表面のハーフ
カット・パターンは刻んだマークと整列していなければ
ならない。
【0012】前記レーザ構造の上に、パターン付きエッ
チ・マスクを、その長方形部分が形成すべきレーザをカ
バーするように形成する。前記マスク中のエッチ・ウィ
ンドウは、隣接するレーザ・ダイオード同士のファセッ
トの間にあり、これを使ってその間にトレンチをエッチ
することができる。これらのトレンチは、少なくともレ
ーザ構造の上側部分を貫通してエッチされる。次のステ
ップで、この上側部分を、基板全体を開裂せずにレーザ
のファセットが開裂できる程度にまでアンダーエッチす
る。この加工ステップの後、エッチ・マスクを除去す
る。次に、レーザ・ファセットのフル・ウェハ開裂を行
う。これは、例えばニードルの束を使って前記のアンダ
ーエッチされたオーバーハング部分に力を当てることに
より、機械的に行うことができる。他の方法には、超音
波振動による開裂、ローラ機構その他の機械的取付具の
使用、及び図21ないし23に関して説明するような、
開裂すべきオーバーハング部分の端部に配設した薄膜ス
タッドの使用がある。
【0013】依然として共通基板上にあり、今や開裂し
たレーザ・ファセットを有するレーザを、ファセットに
不動態化層を付着し、またはそのフル・ウェハ試験を行
い、あるいはその両方を行うことによって、さらに加工
することができる。高品質のレーザ・ファセットを得る
には、このステップを汚染のない環境で実施しなければ
ならない。
【0014】最後に、基板を裏面上のそのハーフカット
・パターンに沿って開裂することにより、レーザ・ダイ
オードを分離する。これは、当技術分野で周知のローラ
・バー開裂装置にウェハ全体を通すことによって行え
る。これらのステップをすべて前記の順序で実施する必
要がないことは明らかである。少なくともこれらの工程
ステップのうちのいくつかでは、よく制御された雰囲
気、好ましくは汚染のない環境を用意することが好まし
い。本発明はGaAs、Inpなど様々な化合物半導体
の系に適合できる。2重ヘテロ構造レーザや量子井戸レ
ーザ、広幅接点、リッジ導波管構造、埋設導波管構造な
ど、異なる種類のレーザが前記のようにして加工でき
る。
【0015】以下では、本発明の方法の第1の実施態様
について述べる。その諸加工ステップを図1ないし10
に示す。本発明の方法の前記の第1の実施態様によって
作成した、キャリア基板の一部分に装着した広幅接点レ
ーザ・ダイオード20からなるレーザ・チップ21の上
面図を図11に示す。GaAs基板の上にあるGaAs
のエピタキシアル成長層からなるレーザ構造10が、本
発明の第1の実施態様の出発点となる。レーザ構造10
の諸層は、光学的及び電気的閉じ込めを行い、作成され
るレーザの発光領域は活性層によって画定される。図1
に示すように、このレーザ構造10はキャリア基板11
の上に装着されている。このキャリア基板11は、シリ
コン、サファイア、ダイアモンドなどの材料からなるこ
とが好ましい。キャリア構造11は、レーザのヒート・
シンクとして適していなければならず、またレーザ構造
10の無応力装着を保証しなければならない。熱伝導率
が高い材料を選ぶことによってレーザの効率的な冷却が
保証でき、キャリア基板11とレーザ構造10の熱膨張
率を一致させることによって無応力装着が得られる。図
2に示すように、ハーフカット・パターン12がキャリ
ア基板11の背面にカットされている。このハーフカッ
ト・パターン12は、それがキャリア基板11を方形の
区域に分割しているという特徴をもつ。ハーフカット・
パターン12によって画定される方形の寸法(la×l
g)は、作成しようとするレーザの寸法(lc×lh)
よりやや大きい。カットの深さは、キャリア基板12の
材質とその厚さに依存する。このステップは、全工程の
終りにレーザ・チップを分離するのにどの技法を使用す
るかに応じて、いつ実施することもでき、また省略する
こともできる。
【0016】次いで、このレーザ構造とキャリア基板の
サンドイッチ構造を次の加工ステップにかけて、キャビ
ティの長さlc及び開裂すべきレーザ・ファセットの位
置を精密に画定する。これを実施するために、レーザ構
造10上にダイアモンド・スクライバ・マーク13を刻
む。この刻んだマーク13は、サンドイッチ構造の背面
のハーフカット・パターン12と粗く整列していなけれ
ばならない。これは、赤外顕微鏡を使って、このサンド
イッチ構造を透視することにより実施できる。というの
は、大部分の半導体は赤外線を透過するからである。
【0017】上面に刻みマーク51.n(実線)を備
え、背面にハーフカット・パターン53.n(破線)を
備える典型的なウェハ55を図20に示す。この図を見
るとわかるように、レーザ54のキャビティの長さlc
は、2本の平行な刻みマーク51.1と51.2の間隔
によって画定される。隣接するレーザのファセット間の
間隔は、例えばマーク51.2と52.1によって決ま
る。レーザ・チップの長さlaと幅lhは、ハーフカッ
ト・パターンの方形カット53.1と53.2によって
画定される。ハーフカット・パターンと刻みマークは共
に図20に示すように整列していなければならない。
【0018】次に、前記のサンドイッチ構造の上面を、
図4に示すようにパターン付きエッチ・マスク14、例
えばフォトリソグラフィによって作成したレジスト・マ
スクで覆う。これは、作成しようとするレーザの寸法よ
りやや大きな方形部分からなる。この方形部分の長さl
dは、キャビティの長さlcよりも大きく、したがって
マスクは刻みマーク13と重なり合う。パターン付きマ
スク14を刻みマーク13に対して位置合せして、エッ
チ・ウィンドウ15が、隣接するファセットの位置を画
定する刻みマーク13のちょうど間にくるようにする。
これらのエッチ・ウィンドウ15の幅leは、図3及び
4に示すように、開裂すべきファセットの位置を画定す
る前記刻みマーク13の間隔lbよりも小さい。前記の
パターン付きエッチ・マスク14を形成した後、前記レ
ーザ構造10中にトレンチをエッチする。これらのトレ
ンチの寸法と位置は、図5に示すように、エッチ・ウィ
ンドウ15によって決まる。レーザ構造10の異方性エ
ッチングを確保するため、反応性イオン・エッチング
(RIE)が好ましい。キャリア基板11がトレンチの
底面で露出している。
【0019】次に、レーザ構造10を部分的にアンダー
エッチして、オーバーハングする部分を形成する。これ
らの部分は、次のステップのうちの1ステップで開裂さ
せることができる。このアンダーエッチングは、キャリ
ア基板11を等方性エッチするエッチャントを使って実
施する。エッチ溝16の幅lfが隣接する刻みマーク1
3の間隔lbよりも大きくなるように、エッチ時間を制
御しなければならない。前記の刻みマーク13に沿った
レーザ・ファセットの開裂を可能にするために、レーザ
構造10の適切なアンダーエッチングが必要である。
【0020】次のステップで、エッチ・マスク14を除
去する。これは、サンドイッチ構造全体をアセトンで洗
浄するか、または超音波浴中でレジストの除去を実行す
ることによって行える。図8の詳細図に示すように、レ
ーザ構造10のオーバーハングする端部を、例えば概略
的に図示したニードルを使って、前記の刻みマーク13
に沿って機械的に開裂させることができる。開裂は前記
のマーク13に沿って起こり、ファセットは破線17と
実質上平行となる。この図からわかるように、ファセッ
トの開裂によって、オーバーハング部分の全体ではなく
て、レーザ構造10の小さな部分だけが除去される。こ
のフル・ウェハ開裂の後、レーザ・キャビティの長さl
cは、レーザ20の対向するファセット18と19によ
って決まる。
【0021】この開裂したファセットの酸化防止のた
め、ミラー不動態化層を付着することができる。開裂フ
ァセットは、その被覆前に汚染物質を含まない状態でな
ければならない。ファセットを被覆する方法としては、
次の2つの方法が考えられる。 1)サンドイッチ構造を回転運動し、一方向から付着を
実施する(図9参照)。 2)回転なしで両側から付着を実施する。
【0022】このステップの後、個々のレーザ・ダイオ
ードは準備が完了している。これらのレーザ・ダイオー
ドはまだ1枚のキャリア基板11の上面にあるので、レ
ーザのフル・ウェハ試験を実施することが可能である。
最後に、図10に示すようにレーザ・ダイオードを分離
してレーザ・チップ21にする。これは、キャリア・ウ
ェハをハーフカット・パターン12に沿って機械的に開
裂させることによって行える。半導体チップを開裂させ
る方法及び装置は、様々なものが知られている。そのう
ち3つの方法は、1977年8月30日発行の米国特許
第4044937号、欧州特許出願公開第036354
8号、及び欧州特許出願公開第0457998号に開示
されている。
【0023】上記の工程によって作成したレーザ・チッ
プ21の上面図を図11に示す。レーザ・ダイオード2
0は、キャビティ長さlc及び幅lhを有する。このダ
イオード20は、キャリア基板11の一部分に乗ってい
る。その部分の寸法(la×lg)は、最初にキャリア
基板11の背面に切り込まれたハーフカット・パターン
によって決まる(図2参照)。レーザ20のファセット
18及び19は、図11に概略的に示すように、不動態
化層22で被覆されている。
【0024】次に、開裂ファセットを有するレーザ・ダ
イオードのフル・ウェハ加工方法の第2の実施態様を提
案する。この工程は、図12ないし17に示すように、
キャリア基板を使用する必要のないことがその主な特徴
である。この工程は、基板34上にある複数のエピタキ
シアル成長させた層31〜33を備えるレーザ構造30
から開始する。この場合、層32は、上部被覆層31と
下部被覆層33の間に埋め込まれた活性層である。第1
の方法と同様に、ハーフカット・パターン35によっ
て、作成しようとするレーザ・チップの寸法が決まる。
このハーフカット・パターン35を基板34の背面に刻
み込む。図13に示す次のステップで、レーザ構造30
の最上層31に平行なマーク36を刻み込む。先に図3
に関して述べたのと同様に、これらのマーク36によ
り、開裂すべきファセットの位置が決まる。
【0025】この場合も、エッチ・ウィンドウ38を有
するパターン付きエッチ・マスク37をレーザ構造30
の上面に付着させる。エッチ・ウィンドウ38は、図1
4に示すように、マーク36に対して位置合せされてい
る。
【0026】次のステップで、レーザ構造30の上部を
貫通して、底面39が基板34内にあるトレンチを異方
性エッチする。レーザ構造30の前記の上部をアンダー
エッチする前に、図16に概略的に示すように、トレン
チの側壁をエッチ保護層81で保護しておくことができ
る。この任意選択のエッチ保護層81を付着させる際、
トレンチの底面39は覆わないままに残しておく必要が
ある。
【0027】任意選択のエッチ保護層81を用いずに、
層31〜33からなる上部をアンダーエッチするには、
主としてGaAs基板34を攻撃する、選択性の高いエ
ッチャントを使用する必要がある。この上部を、エッチ
保護を施してまたは保護なしでアンダーエッチすると、
オーバーハング部分が形成され、これを破線83及び刻
みマーク36に沿って開裂させることができる。エッチ
溝82の幅は、隣接するマーク36の間隔よりも大きく
なければならない。この工程の最後の数ステップは、図
9及び10に示したステップと同じである。
【0028】本発明の第3の実施態様に関して、アンダ
ーエッチされるレーザ構造の修正を提案する。この修正
は、第2のエッチ・ステップでエッチャントによって生
じる損傷を軽減するためのものである。エピタキシアル
成長層を含む従来型のレーザ構造を、薄いエッチ・スト
ップ層45、好ましくはその上面でさらにエピタキシア
ル成長を行う基礎となる層を付着することによって修正
しなければならない。典型的なエッチ・ストップ層は、
K.ヒコサカ等の論文"Selective Dry Etchingof AIGaA
s-GaAs Heterojunction"、Japanese Journal of Applie
d Physics、Vol.20、No.11(1981年11月)、pp.L847〜L
850、及びK.L.シーワード(Seaward)等の論文"An
Analytical Study of Etch-Stop Reactions for GaAs o
n AlGaAs in CCl2F2 Plasma"、Journal of Applied Phy
sics、Vol.61、No.6(1987年3月)、pp.2358〜2364に報
告されている。レーザの性能に有害な影響を与えないエ
ッチ・ストップ層が好ましい。
【0029】このエッチ・ストップ層45を基板44の
上面に付着させ、エピタキシアル層41〜43で覆った
ものを、図18に示す。次に、このレーザ構造40を、
図12〜図15に示した工程と同様にして処理する。図
15と同様の、その底面が基板44中に延びるトレンチ
をエッチした後、図19に示すように、上部をアンダー
エッチしなければならない。主として基板を攻撃する、
適当なエッチャントを選定する。図16に関して述べた
ような任意選択のエッチ保護層を使用するときは、構造
40の、エッチャントの攻撃を受けてはならないすべて
の部分が保護されているので、基板44中に溝49をエ
ッチするためにどのエッチャントを使用するかの選択は
もはや重要ではない。レーザ構造40のトレンチ48
は、RIEチャンバ内で異方性エッチされる。溝49
は、例えばHClまたはHCl:H22:H2Oを使っ
てエッチすることができる。
【0030】先に述べたように、フル・ウェハ開裂は、
図21に概略的に示す薄膜スタッド60を使って実施す
ることができる。これらの薄膜スタッド60は、エッチ
・マスク63を付着させパターン付けする前に、標準的
なリソグラフィ技法及び付着技法を用いてレーザ構造6
1の上面に形成しておく。これらのスタッド60を形成
するのに使用する材料は、開裂力をレーザ構造61のオ
ーバーハング部分に伝達するのに十分なだけの硬さのも
のでなければならない。図22及び23に示すように、
ローラ機構70またはバー71を使いこれをスタッド6
0に押し付けてスタッド60に開裂力を加えることによ
り、オーバーハング部分を開裂させることができる。こ
のスタッドのもう1つの利点は、パターン付きエッチ・
マスク63の位置合せのためのマーカとしても使用でき
ることである。この2つの技法ならびに「ニードル技
法」(図8参照)は、超音波開裂に比べて、すべてのフ
ァセットがワンショットで開裂するという利点を有す
る。超音波開裂では、振動がすべてのファセットをうま
く開裂させるのに十分な強さだったかどうかの制御が必
要である。これらの振動のエネルギー及び周波数は、オ
ーバーハング部分である種の共鳴が得られるように、オ
ーバーハング部分の長さに対してある関係にしなければ
ならない。超音波によるフル・ウェハ開裂を可能にする
には、オーバーハングの長さをレーザ構造全体にわたっ
て同一にしなければならない。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ウェハを個々の
レーザ・チップに分割する前に、開裂したファセットの
フル・ウェハ処理及びレーザのフル・ウェハ試験が可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャリア基板に乗せた従来型のレーザ・ウェハ
を示す、本発明の第1の方法による工程の1ステップに
おける概略断面図である。
【図2】背面のハーフカット・パターンを示す、本発明
の第1の方法による工程の1ステップにおける概略断面
図である。
【図3】ダイアモンド・スクライバ・マークを示す、本
発明の第1の方法による工程の1ステップにおける概略
断面図である。
【図4】パターン付きエッチ・マスクを示す、本発明の
第1の方法による工程の1ステップにおける概略断面図
である。
【図5】トレンチのエッチングを示す、本発明の第1の
方法による工程の1ステップにおける概略断面図であ
る。
【図6】レーザ・ウェハのアンダーエッチングを示す、
本発明の第1の方法による工程の1ステップにおける概
略断面図である。
【図7】パターン付きエッチ・マスクの除去を示す、本
発明の第1の方法による工程の1ステップにおける概略
断面図である。
【図8】フル・ウェハ・ミラーの開裂を拡大して示す、
本発明の第1の方法による工程の1ステップにおける概
略断面図である。
【図9】フル・ウェハ・ミラーの処理を示す、本発明の
第1の方法による工程の1ステップにおける概略断面図
である。
【図10】レーザ・チップの分離を示す、本発明の第1
の方法による工程の1ステップにおける概略断面図であ
る。
【図11】図1ないし10に示すように加工した幅広接
点レーザ・チップの概略上面図である。
【図12】背面にハーフカット・パターンを有する従来
型のレーザ・ウェハを示す、本発明の第2の方法による
工程の1ステップにおける概略断面図である。
【図13】ダイアモンド・スクライバ・マークを示す、
本発明の第2の方法による工程の1ステップにおける概
略断面図である。
【図14】パターン付きエッチ・マスクを示す、本発明
の第2の方法による工程の1ステップにおける概略断面
図である。
【図15】トレンチのエッチングを示す、本発明の第2
の方法による工程の1ステップにおける概略断面図であ
る。
【図16】任意選択のエッチ保護層を拡大して示す、本
発明の第2の方法による工程の1ステップにおける概略
断面図である。
【図17】上部層のアンダーエチングを示す、本発明の
第2の方法による工程の1ステップにおける概略断面図
である。
【図18】開裂したファセットを有するレーザ・ダイオ
ードを加工するための第3の方法による、中間エッチ・
ストップ層を備えたレーザ構造の概略断面図である。
【図19】第3の方法によって加工した構造のアンダー
エッチ部分を示す拡大詳細図である。
【図20】上面に刻みマークを備え、背面にハーフカッ
ト・パターンを備える、レーザ・ウェハの上面図であ
る。
【図21】オーバーハング部分のフル・ウェハ開裂を可
能にする薄膜スタッドを備える、レーザ・ウェハの断面
図である。
【図22】機械的フル・ウェハ開裂のためのローラ開裂
技法の概略断面図である。
【図23】機械的フル・ウェハ開裂のためのバー開裂技
法の概略断面図である。
【符号の説明】
10 レーザ構造 11 キャリア基板 12 ハーフカット・パターン 13 刻みマーク 14 パターン付きエッチ・マスク 15 エッチ・ウィンドウ 16 エッチ・グループ 18 ファセット 19 ファセット 20 レーザ・ダイオード 21 レーザ・チップ
フロントページの続き (72)発明者 クリストフ・ハーダー スイス連邦 シー・エイチ8038、チューリ ヒ、レンガーシュトラーセ66 (72)発明者 アルベルテュス・オーセンブリュッフ スイス連邦 シー・エイチ8135、ラングナ ウ・アム・アルビス、ヴィースヴァルトヴ ェーク20 (72)発明者 ギャリー・ダブリュー・ルブロフ アメリカ合衆国10597、ニューヨーク州ワ カバク、レッドコート・レーン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の上面に形成される複数の層を備える
    レーザ構造から出発して、開裂ファセットを備える半導
    体レーザ・ダイオードをフル・ウェハ加工するための方
    法であって、 a)作成しようとするレーザの光軸に垂直で、相互に平
    行しており、その間隔によってレーザ・キャビティの長
    さlcと、隣接するレーザ・ダイオードのファセット間
    の間隔lbとを画定するマークを、前記の層の上面に刻
    み込むことにより、開裂すべきファセットの位置を画定
    するステップと、 b)作成しようとする各レーザ・ダイオードを覆い、隣
    接するレーザのファセットの位置を画定する刻みマーク
    間にエッチ・ウィンドウを与えるエッチ・マスク・パタ
    ーンで、前記の層の最上部を覆うステップと、 c)前記エッチ・ウィンドウによって形状と位置が画定
    されるトレンチを、少なくとも前記レーザ構造の上部中
    にエッチするステップと、 d)前記の上部を部分的にアンダーエッチして、前記刻
    みマークに沿って前記の上部を開裂することにより、レ
    ーザ構造全体を開裂させずに、前記レーザ・ファセット
    が画定できるようにするステップと、 e)アンダーエッチされた前記の上部を前記刻みマーク
    に沿って超音波でまたは機械的に開裂させて、前記の層
    及び前記光軸に垂直なファセットを形成するステップ
    と、 f)レーザ・ダイオードを隣接するレーザ間で開裂させ
    ることにより分離するステップとを含む半導体レーザ・
    ダイオードのフル・ウェハ加工方法。
JP5100797A 1992-06-09 1993-04-27 開裂ファセットを備えるレーザ・ダイオードのフル・ウェハ加工方法 Pending JPH0637404A (ja)

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