JPH0637036Y2 - オートバイのハンドル切れ角変更装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、オートバイにおけるハンドル切れ角の変更装
置に関する。

（従来の技術及び考案が解決しようとする課題） 一般に、オートバイにおいては車体フレーム前端のヘッ
ドパイプに前輪を懸架した前ホークが回動自在に軸支し
てあり、前ホーク上部に左右方向に延びるハンドルバー
が取付けられ、前ホークを左右に回動させることにより
前輪を操舵して運転するようになっている。

ところで、オートバイで高速用のものでは、ハンドルバ
ーを低い位置に取付け、ライダーが前伏姿勢ができて、
風の抵抗を少なくしている。このため、ハンドルバーの
回動方向後側に燃料タンクが位置するので、ハンドル切
れ角を規制して燃料タンクにハンドルバーが当らないよ
うにしている。すなわち、例えばハンドル切れ角がθ_２
のときハンドルバーが燃料タンクに当たるぎりぎりの点
であるとすれば、通常は余裕をみてハンドル切れ角それ
より小さな角度θ_１となるようにしてある。

ところが、オートバイを前に押したり後ろに引いたりし
て方向転換するような場合には、切れ角が小さいと回転
半径が大きくて何度も操作しなければならない等の問題
がある。本考案はこのような点に鑑み、必要に応じてハ
ンドル切れ角を変更でき大きい切れ角で回転半径を小さ
く楽に方向転換できるようにしたハンドル切れ角変更装
置を得ることを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は、車体フレーム前端のヘッドパイプに軸装した
ステアリングシャフトの上下両端部にアッパーブラケッ
トとアンダーブラケットをそれぞれ固着し、該両ブラケ
ットの左右端にそれぞれ上下方向に貫通する一対の前ホ
ークを固着するとともに、上記アッパーブラケットにハ
ンドルバーを固定したオートバイのハンドル切れ角変更
装置において、上記アンダーブラケット16の上面に、ヘ
ッドパイプの中心を含む前後軸線に対して左右対称位置
に上方に突出する可動側ストッパー17を突設するととも
に、前記ヘッドパイプ４の下端部に、ハンドルの最大切
れ角時に上記左右の可動側ストッパー17の一方が当接す
る第１の固定側ストッパー15を固設し、さらに上記ヘッ
ドパイプ４の下端部には、上記ハンドルの最大切れ角よ
り小さい所定切れ角時に上記可動側ストッパー17の一方
が当接可能な第２の固定側ストッパー14を出没自在に設
けたことを特徴とする。

（実施例） 以下、添付図面を参照して本考案の実施例について説明
する。

車体フレーム３の前端に設けられているヘッドパイプ４
には、下端部に前輪５を回転自在に装着した前ホーク１
のステアリングシャフト２が回動自在に軸装してある。
このステアリングシャフト２の上下両端部にはアッパー
ブラケット６及びアンダーブラケット16がそれぞれ固着
されており、上記両ブラケットの左右端にそれぞれ上下
方向に貫通する一対の前ホーク１が固着されている。

上記アンダーブラケット16の上面には、ヘッドパイプ４
の中心を含む前後軸線に対して左右対称位置に上方に突
出する可動側ストッパー17が突設されている。また、前
記ヘッドパイプ４の下端部には、ハンドルバー８がθ_２
だけ回動されそのハンドルバー８が車体フレーム３に装
着された燃料タンク11に当接するぎりぎりの点に達した
時に、上記可動側ストッパー17が当接する第１の固定側
ストッパ15が上記可動側ストッパ17の回動軌跡上に固設
されている。

さらに、上記ヘッドパイプ４には、ハンドルバー８が上
記θ_２より小さい角度θ_１だけ回動されたとき、上記可
動側ストッパ17が当接することができる第２の固定側ス
トッパ14が設けられている。上記第２の固定14は、ヘッ
ドパイプ４に対して上下動可能に装着されており、上記
可動側ストッパー17と当接する位置に出没自在に取り付
けられている。

一方、前ホーク１のアッパーブラケット６の両側には、
支軸７が突設してあって、左右のハンドルバー８の基部
が回動自在に軸着にある。ハンドルバー８には、バネに
抗して引くことができるピン９が設けてあり、支軸７に
設けた二つの孔10に、選択的に嵌合せ、ハンドルバー８
の回動方向に位置を前後位置に選択できるようにしてあ
る。ハンドルバー８には、ボーデンワイヤ12が連結して
あって、ハンドルバー８を前側位置にすると、インナー
13が引かれて、ヘッドパイプ４の側部に設けた第２の可
動側ストッパー14がバネに抗して引上げられるようにし
てある。

しかして、ハンドルバー８のピン９が、支軸７の後側の
孔10の選択していて、ハンドルバー８が後側にあるとき
は、前ホーク１のアンダーブラケット16に設けた左右の
可動側ストッパー17が、第２の固定側ストッパー14に当
るまでの角θ_１で示す範囲がハンドル切れ角になり、小
さい切れ角で走行に適し、ハンドルバー８が燃料タンク
11に当ることもない。押し動かすことにより方向転換す
るときは、ピン９を一旦抜いて、第３図にＦで示す矢印
のように、ハンドルバー８を前側に回動させて移動し、
ピン９を前側の孔10に嵌合せてハンドルバー８を固定す
る。ハンドルバー８を前側に移すと、ボーデンワイヤ12
のインナー13が引かれ、第２の固定側ストッパー14が引
上げられる。このため、前ホーク１の可動側ストッパー
17は、ヘッドパイプ４の第１の固定側ストッパー15に当
るまで回動でき、ハンドル切れ角はθ_２で示すように大
きくなって、回転半径が小さくなり、小回りができて、
楽に方向転換できる。このとき、ハンドルバー８は前側
に位置しているので、切れ角が大きくても、燃料タンク
11に当らない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案は、車体フレーム前端の
ヘッドパイプに軸装したステアリングシャフトの上下両
端部にアッパーブラケットとアンダーブラケットをそれ
ぞれ固着し、該両ブラケットの左右端にそれぞれ上下方
向に貫通する一対の前ホークを固着するとともに、上記
アッパーブラケットにハンドルバーを固定したオートバ
イのハンドル切れ角変更装置において、上記アンダーブ
ラケット16の上面に、ヘッドパイプの中心を含む前後軸
線に対して左右対称位置に上方に突出する可動側ストッ
パー17を突設するとともに、前記ヘッドパイプ４の下端
部に、ハンドルの最大切れ角時に上記左右の可動側スト
ッパー17の一方が当接する第１の固定側ストッパー15を
固設し、さらに上記ヘッドパイプ４の下端部には、上記
ハンドルの最大切れ角より小さい所定切れ角時に上記可
動側ストッパー17の一方が当接可能な第２の固定側スト
ッパー14を出没自在に設けたので、走行用には小さいハ
ンドル切れ角にし、押し動かして方向転換するようなと
きは、ハンドル切れ角を大きくして、小回りができて、
楽に方向転換ができる。また、ハンドル切れ角を大きく
する場合にハンドルバーが前側に位置するようにした場
合には、さらに大きい切れ角でも、ハンドルバーが燃料
タンクに当らないようにできる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は全体平面図、第
２図は同側面図、第３図は要部の拡大平面図、第４図は
同一部縦断背面図、第５図は第３図Ａ−Ａ矢視拡大断面
図、第６図はストッパーの関係位置説明図である。 １……前ホーク、４……ヘッドパイプ、７……支軸、８
……ハンドルバー、９……ピン、10……孔、14……第２
の固定側ストッパー、15……第１の固定側ストッパー、
17……可動側ストッパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体フレーム前端のヘッドパイプに軸装し
   たステアリングシャフトの上下両端部にアッパーブラケ
   ットとアンダーブラケットをそれぞれ固着し、該両ブラ
   ケットの左右端にそれぞれ上下方向に貫通する一対の前
   ホークを固着するとともに、上記アッパーブラケットに
   ハンドルバーを固定したオートバイのハンドル切れ角変
   更装置において、上記アンダーブラケット16の上面に、
   ヘッドパイプの中心を含む前後軸線に対して左右対称位
   置に上方に突出する可動側ストッパー17を突設するとと
   もに、前記ヘッドパイプ４の下端部に、ハンドルの最大
   切れ角時に上記左右の可動側ストッパー17の一方が当接
   する第１の固定側ストッパー15を固設し、さらに上記ヘ
   ッドパイプ４の下端部には、上記ハンドルの最大切れ角
   より小さい所定切れ角時に上記可動側ストッパー17の一
   方が当接可能な第２の固定側ストッパー14を出没自在に
   設けたことを特徴とする、オートバイのハンドル切れ角
   変更装置。