JP2586543B2 - 鞍乗型車両のフェンダ装置支持構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） この発明は鞍乗型車両のフェンダ装置を支持する鞍乗
型車両のフェンダ装置支持構造に関する。

（従来の技術） 第３図に示す従来の鞍乗型４輪車では、操舵できる前
輪１とエンジン３によって駆動される後輪２とが配置さ
れ、シート４に跨ったライダが棒ハンドル５を操って走
行をコントロールするようになっている。これらの前輪
および後輪は、フロントフェンダ本体６およびリヤフェ
ンダ本体７によってそれぞれカバーされ、不整地や荒
地、湿地等を走行した際の泥跳ね等を防ぐようになって
いる。さらに、フロントフェンダ本体６およびリヤフェ
ンダ本体にはマッドフラップ8,9が取り付けられて、車
輪1,2による泥跳ね等に対処している。

上記フロントフェンダ本体６およびマットフラップ８
によりフロントフェンダ装置10Aが、リヤフェンダ本体
７およびマットフラップ９によりリヤフェンダ装置10B
がそれぞれ構成される。これらのフェンダ装置10A,10B
は、鞍乗型４輪車のフレーム（図示せず）に固定された
図示しないブレースによって支持されている。

（発明が解決しようとする課題） ところで、フェンダ装置10A,10Bのマッドフラップ8,9
が小型の場合にはブレースのレイアウトに支障はない
が、特にフロントフェンダ装置10Aにあってエンジン３
への泥跳ね防止の観点からマッドフラップ８が大形化し
た場合に、ブレースの形状およびレイアウトに問題が生
じる。つまり、この場合、ブレースはフロントフェンダ
装置10Aのフロントフェンダ本体６やマッドフラップ８
の形状に影響を与えないように複雑に屈曲して形成さ
れ、これらのフロントフェンダ本体6,8等を迂回するよ
うにレイアウトされている。そのためブレースが長くな
り、その重量が大となって、重量およびコストが増大す
る欠点がある。

また、フロントフェンダ装置10Aのマッドフラップ９
を２分割し、その分割されたマッドフラップの間にブレ
ースを通すものも考えられるが、この場合にはコストが
割高になったり、部品点数が増大する等の問題がある。

この発明は、上記事実を考慮してなされたものであ
り、車重およびコストの低減を図ることができると共
に、フェンダ装置を簡単かつ確実に支持できる鞍乗型車
両のフェンダ装置支持構造を提供することを目的とす
る。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） この発明は、鞍乗型車両の車輪を覆うフェンダ本体
と、このフェンダ本体に取り付けられたマッドフラップ
とから鞍乗型車両のフェンダ装置が構成され、上記マッ
ドフラップには貫通穴が形成され、上記鞍乗型車両のフ
レームに固定されて上記フェンダ装置を内側から支持す
るブレースが上記貫通穴に貫通して配設されたものであ
る。

（作用） したがって、この発明に係る鞍乗型車両のフェンダ装
置支持構造によれば、フレームに固定されるブレースは
ほぼ直線形状に形成され、フェンダ装置に接触しないよ
うに複雑に屈曲成形されていないので、その重量が軽
く、その結果車重およびコストの低減を図ることができ
る。さらに、ブレースはマッドフラップの貫通穴を貫通
し、フェンダ装置の内側でこのフェンダ装置を固定支持
するので、フェンダ装置を簡単かつ確実に支持すること
ができる。

（実施例） 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はこの発明に係る鞍乗型車両のフェンダ装置支
持構造の一実施例が適用された鞍乗型４輪車の側面図、
第２図は第１図の鞍乗型４輪車のフロントフェンダ装置
付近を示す斜視図である。

鞍乗型４輪車は、第１図に示すように、太いタイヤを
履いた左右一対の前輪11と、左右一対の後輪12を配し、
鞍乗型シート13に跨ったライダが棒ハンドル14によって
前輪11を操舵し、エンジン15によって後輪12を駆動して
走行すようになっている。

このような車両は主として荒地を走行し、泥地や湿地
等を走行することもあるので、泥水等を跳ね上げてライ
ダの脚部やエンジン等を汚すことが多い。このため、前
輪11はフロントフェンダ本体16に、また後輪12はリヤフ
ェンダ本体17にそれぞれ覆われている。さらに、フロン
トフェンダ本体16およびリヤフェンダ本体17にはマッド
フラップ18,19がそれぞれ取り付けられて、泥水等がラ
イダの脚部やエンジン等へ飛来するのを防いでいる。

上記フロントフェンダ本体16およびマットフラップ18
によりフロントフェンダ装置20が構成され、リヤフェン
ダ本体17およびマッドフラップ19によりリヤフェンダ装
置21が構成される。このうち、フロントフェンダ本体20
のマッドフラップ18は、フロントフェンダ本体16の後方
下部に前輪11を覆うようにして取り付けられる。このマ
ッドフラップ18の下部には貫通穴22が形成され、この貫
通穴22の下方に、下向きに開放されたスリット23が設け
られる。

一方、鞍乗型４輪車のフレーム24にフロントフェンダ
ブレース25が固定される。このフロントフェンダブレー
ス25は、第２図に示すように、車両の左右方向に延在し
て配置される。さらにこのフロントフェンダブレース25
は、スリット23を通って貫通穴22内に貫通状態で配設さ
れ、その先端部分がフロントフェンダ装置20の内側に配
置される。そして、フロントフェンダブレース25の先端
部が、フロントフェンダ本体16とマッドフラップ18との
取付部26においてこれらのフロントフェンダ本体16およ
びマッドフラップ18を共締めし、フロントフェンダ装置
20を支持する。

このように、フロントフェンダブレース25は、フロン
トフェンダ装置20に接触しないように複雑に屈曲形成さ
れているのではなく、ほぼ直線形状に形成されてマット
フラップ18の貫通穴22内を貫通するよう設けられる。そ
のため、複雑に屈曲形成された場合に比べフロントフェ
ンダブレース25の重量が軽くなり、車重およびコストを
低減することができる。

また、フレーム24に固定されたフロントフェンダブレ
ース25はスリット23を通ってマッドフラップ18の貫通穴
22内に貫通状態で配設され、フロントフェンダ装置20の
内側でこのフロントフェンダ装置20を固定し支持するの
で、フロントフェンダ装置20を簡単かつ確実に支持する
ことができる。

なお、上記実施例ではフロントフェンダ装置20を支持
するフロントフェンダブレース25の場合につき説明した
が、リヤフェンダ装置21を支持するリヤフェンダブレー
スの場合にも同様に適用できる。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明に係る鞍乗型車両のフェンダ
装置支持構造によれば、マッドフラップに貫通穴が形成
され、鞍乗型車両のフレームに固定されてフェンダ装置
を内側から支持するブレースが上記貫通穴に貫通しては
配設されたことから、ブレースを単純な形状としてその
重量を軽くでき、車重およびコストの低減を図ることが
できると共に、フェンダ装置を簡単かつ確実に支持する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る鞍乗型車両のフェンダ装置支持
構造の一実施例が適用された鞍乗型４輪車の側面図、第
２図は第１図の鞍乗型４輪車のフロントフェンダ装置付
近を示す斜視図、第３図は従来の鞍乗型４輪車の側面図
である。 11……前輪、12……後輪、16……フロントフェンダ本
体、17……リヤフェンダ本体、18,19……マッドフラッ
プ、20……フロントフェンダ装置、21……リヤフェンダ
装置、22……貫通穴、24……フレーム、25……フロント
フェンダブレース。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鞍乗型車両の車輪を覆うフェンダ本体と、
   このフェンダ本体に取り付けられたマッドフラップとか
   ら鞍乗型車両のフェンダ装置が構成され、上記マッドフ
   ラップには貫通穴が形成され、上記鞍乗型車両のフレー
   ムに固定されて上記フェンダ装置を内側から支持するブ
   レースが上記貫通穴に貫通して配設されたことを特徴と
   する鞍乗型車両のフェンダ装置支持構造。