JPH0635803Y2 - 自動車用内装材の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車のインストルメントパネルの表面に被
着されるパッドの取付構造に関するものである。

従来の技術 第４図および第５図は従来の内装材取付構造を示したも
のである。図面において、（１）は取付基体で、例えば
自動車のフロントウィンドの下方にそって車室内に配設
されるインストルメントパネルである。この取付基体
（１）の所定部位には円形状の貫通孔（２）を形成して
ある。（３）は上記取付基体（１）の表面（４）に被覆
される内装材であり、例えばウレタン等からなる内装材
で、このパッド（３）の裏面（５）に、取付基体（１）
の貫通孔（２）に対応させて条材からなる係止片（６）
を植立してある。

そうして、上記取付基体（１）に内装材（３）を取付け
る場合は、取付基体（１）の表面（４）に内装材（３）
を密着被覆し、貫通孔（２）に係止片（６）を挿通させ
た後、該係止片（６）を折り曲げて上記貫通孔（２）の
開口縁（７）に当接させることにより取付基体（１）に
内装材（３）を取付けている。

第６図及び第７図は内装材の取付構造の他の従来例を示
したもので、、図面に示すように取付基体（１）の所定
部位にスリット（８）を形成すると共に、内装材（３）
の裏面（５）に取付基体（１）のスリット（８）に対応
させて係止片（９）を植立してある。上記係止片（９）
は、条材を略菱形状に折出成形して両側に張り出し部
（10）（10）を形成したもので、上記取付基体（１）の
スリット（８）に挿通される。

そうして、取付基体（１）に内装材（３）を取付ける場
合は、取付基体（１）の表面（４）に内装材（３）を密
着被覆し、かつ、スリット（７）に係止片（８）を挿通
させた後、該係止片（８）の張り出し部（９）（９）が
取付基体（１）のスリット（７）と略直交する位置に保
持されるまで捩じ曲げる。

考案が解決しようとする問題点 上記第１の従来例によれば、取付基体（１）の貫通孔
（２）の開口縁（７）に内装材（３）の係止片（６）を
折り曲げて圧接させることにより上記取付基体（１）に
内装材（３）を取付ける構造があるので、内装材（３）
に対する係止片（６）の牽引が弱く、これが為、取付基
体（１）と内装材（３）との間に隙間が生じて自動車の
走行時等にガタツキを生じるおそれがあった。

また、第２の従来例によれば、取付基体（１）に形成し
たスリット（８）の幅寸法が狭いため、スリット（８）
の位置が僅かでも位置ずれすると、該スリット（８）に
係止片（９）を挿通することができず、又仮にスリット
（８）が位置ずれしなくとも、上記スリット（８）に係
止片（９）を挿通するのに手間がかかって作業性がきわ
めて悪いという問題があった。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点に鑑み、提案されたもので、所定
部位に窓孔を形成した取付基体と、上記取付基体の表面
に被覆され、かつ、裏面に取付基体の窓孔に対応させて
両側に張り出し部を有する係止片を突設した内装材と、
取付基体の窓孔の開口縁に当接配置され、かつ、基板の
中心部に上記内装材の係止片が挿通されるスリットを形
成し、該スリットの開口縁に上記係止片の張り出し部と
係合する係止突部を突設した係止具とからなり、上記係
止具のスリットから突出した係止片の張り出し部を捩じ
ることにより係止突部に係合させて係止片を牽引係止さ
せたことを特徴とするものである。

作用 取付基体の窓孔に、その表面に被覆した内装材の係止片
を挿通し、かつ、上記係止片に係止具のスリットを嵌め
込んで該係止具を取付基体の窓孔の開口縁に当接配置す
る。しかる後、上記係止片の両側張り出し部を捩じ曲げ
て該張り出し部を係止具の係止突部に係合させ、この係
止片と係止突部との係止により該係止片を牽引して取付
基体に内装材を取付ける。

実施例 以下本考案の実施例を第１図乃至第３図を参照しながら
説明すると次の通りである。図面において、（11）は取
付基体、例えば、自動車のフロントウィンドの下方にそ
って車室内に配設される合成樹脂等を素材としたインス
トルメントパネルである。この取付基体（11）の所定部
位に円形状の窓孔（12）を形成してある。（13）は上記
取付基体（11）の表面（14）に被覆される内装材であ
り、例えばウレタン等からなるパッドで、この内装材
（13）の裏面（15）に取付基体（11）の窓孔（12）の中
心部に対応させて係止片（16）を植立してある。上記内
装材（13）の係止片（16）は、条材を略菱形状に折曲成
形して基部（17）の上部に両側にく字状に張り出した張
り出し部（18）（18）を形成したものである。（19）は
上記取付基体（11）の窓孔（12）の開口縁（20）に該窓
孔（12）と同芯状に当接配置される係止具で、この係止
具（19）は、第３図に示すように円板状の基板（21）の
中央部に上記内装材（13）の係止片（16）が挿通される
スリット（22）を形成し、かつ、該スリット（22）の中
心を円弧状に切欠いで穴部（23）を形成し、また、基板
（21）の表面（24）で、かつ、穴部（23）の両側に、該
穴部（23）と同芯状に点対称形状の係止突部（25）（2
5）を突設し、この係止突部（25）（25）の先端面に、
上記内装材（13）の係止片（16）の両側張り出し部（1
8）（18）と係合する傾斜面（26）（26）を夫々螺旋方
向で、かつ、同一方向に形成し、上記の各傾斜面（26）
（26）に多数のリブ（27）（27）を放射状に形成し、さ
らに、基板（21）の表面（24）の周縁の円周等配位置に
複数の突起（28）を突設したものである。

次に取付基体に対する内装材の取付要領について説明す
ると次の通りである。

上記取付基体（11）の表面（14）に内装材（13）を密着
被覆させて、取付基体（11）の窓孔（12）に内装材（1
3）の係止片（16）を挿通させた後、上記係止片（16）
に係止具（19）のスリット（22）を嵌め込み、かつ、穴
部（23）に係止片（16）の基部（17）を位置させて、取
付基体（11）の窓孔（12）の開口縁（20）に係止具（1
9）の基板（21）の裏面（29）の周縁部（30）を当接さ
せる。しかる後、係止具（19）の突起（28）を利用して
該係止具（19）を位置決めした状態で、係止具（19）の
スリット（22）より突出した上記係止片（16）の両側張
り出し部（18）（18）を基部（17）を中心にして所定方
向に捩じってスリット（22）と略直交する位置に保持す
る。このとき上記係止片（16）の捩じり動作により両側
張り出し部（18）（18）の下辺部（18a）（18a）が係止
具（19）の係止突起（25）（25）の上り傾斜の傾斜面
（26）（26）と摺接しながら任意のリブ（27）（27）と
係合するまで移動し、この係合により係止片（16）が牽
引された状態で上記係止突部（25）（25）に係止保持さ
れる。すると、上記内装材（13）は係止片（16）の牽引
力により取付基体（11）側に引き寄せられて取付基体
（11）の表面（14）に密着した状態で該取付基体（11）
に取付固定される。

考案の効果 本考案は、取付基体の窓孔の開口縁に係止具を当接配置
させるので、大きな窓孔を形成することができ、したが
って、窓孔の位置精度が高精度でなくても該窓孔に内装
材の係止片を簡単、かつ、容易に挿通させることがで
き、作業性の大幅な向上を図ることができる。しかも、
上記内装材の係止片を捩じることにより係止具の係止突
部に係止させて内装材に牽引力を作用させる構造である
ので、取付基体に内装材を確実に密着させることがで
き、自動車の走行時における内装材のガタツキを確実に
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る取付構造の実施例を示す縦断面
図、第２図はその平面図、第３図は係止具の斜視図であ
る。第４図は内装材の取付構造の第１の従来例を示す平
面図、第５図は第４図のＡ−Ａ線断面図、第６図は第２
の従来例を示す平面図、第７図は第６図のＢ−Ｂ線断面
図である。 （11）……取付基体、（12）……窓孔、 （13）……内装材、（16）……係止片、 （18）（18）……張り出し部、 （19）……係止具、（20）……開口縁、 （22）……スリット、（25）（25）……係止突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所定部位に窓孔を形成した取付基体と、上
   記取付基体の表面に被覆され、かつ、裏面に取付基体の
   窓孔に対応させて両側に張り出し部を有する係止片を突
   設した内装材と、取付基体の窓孔の開口縁に当接配置さ
   れ、かつ、基板の中心部に上記内装材の係止片が挿通さ
   れるスリットを形成し、該スリットの開口縁に上記係止
   片の張り出し部と係合する係止突部を突設した係止具と
   からなり、上記係止具のスリットから突出した係止片の
   張り出し部を捩じることにより係止突部に係合させて係
   止片を牽引係止させたことを特徴とする自動車用内装材
   の取付構造。