JPH0634231Y2 - バラスト兼用ホールドのバラスト注排水口構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、バラスト兼用のホールドのバラスト注排水
口構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、船舶のバラスト兼用ホールドに設けられたバラス
ト注排水口は、第３図に示すように、ホールド１の隔壁
２近傍の２重底３に設けられている。

バラスト注排水口の構造は、第４図に示すように、２重
底３の凹没部３′に接続された注排水管４と、注排水管
４の管端に取り付けられた、周壁に多数の孔5Aを有し、
上端が開鎖され、下端が開口しているローズボッスク５
とからなつている。

上記従来のバラスト注排水口構造において、ホールド１
内に穀類等のバラ荷を荷積する場合には、ローズボツク
ス５を注排水管４端から取り外す。そして、第５図に示
すように、注排水管４端に盲板６をアンカーボルト７に
よつて固定する。ローズボツクス５を取り外す理由は、
バラ荷を荷揚する際、ブルトーザのシヨベル等によつて
ローズボツクス５が破損されるのを防止するためであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記従来のバラスト注排水口構造は、次の問題
点を有している。即ち、注排水管４端から取り外したロ
ーズボツクス５を、上甲板上の倉庫８に格納し、かわり
に盲板６を倉庫８からホールド１内に搬入する必要があ
つた。一方、ローズボツクス５を注排水管４端に取り付
けるには、ローズボツクス５をホールド１内に搬入し、
そして、盲板６をホールド１から搬出する必要があつ
た。

この考案の目的は、ローズボツクスのホールド内への搬
入およびホールド外への搬出の不要な、バラスト兼用ホ
ールドのバラスト注排水口構造を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、ホールドの２重底に設けられた、底部にロ
ーズボックス用開口が形成された凹没部と、前記凹没部
の下方に設けられたバラストウエルと、前記バラストウ
エルに接続されたバラスト注排水管と、両端が開口し、
前記凹没部の底部に上下反転してボルト結合されるフラ
ンジが一端に形成された、前記バラストウエルの深さ寸
法より短い長さ寸法を有するローズボックスと、前記ロ
ーズボックスの一端開口を塞ぐための盲板とからなるこ
とに特徴を有するものである。

次に、この考案のバラスト注排水口構造の一実施態様を
図面を参照しながら説明する。

第１図は、この考案のバラスト注排水口構造の一実施態
様を示す断面図である。

第１図において、第３〜５図と同一番号は同一物を示
し、説明は省略する。第１図に示すように、この考案の
バラスト注排水口構造は、ホールド１の２重底３の下方
に配管されたバラスト注排水管４から、バラスト水を２
重底３の凹没部３′に着脱自在に取り付けられたローズ
ボツクス５′を介して、ホールド１内に注水するための
バラスト注排水口構造において、凹没部３′の下方にバ
ラストウエル９を設け、バラスト注排水管４をバラスト
ウエル９に接続したものである。凹没部３′の底部に
は、ローズボックス用開口３′Ａが形成されている。ロ
ーズボックス５′の両端は開口しており、その一端に
は、フランジ５′Ｂが形成されている。ローズボックス
５′は、バラストウエル９の深さ寸法より短い長さ寸法
を有している。

ホールド１内にバラ荷等を荷積するには、第１図に示す
ように、ローズボツクス５′をその他端を凹没部３′の
底部開口３′Ａ内に挿入してバラストウエル９内に収容
し、凹没部３′に垂直上向きに固定されているアンカー
ボルト７によつて、ローズボツクス５′の一端（フラン
ジ５′Ｂ）を凹没部３′に盲板６と共に固定する。これ
によつて、ローズボツクス５′内にはバラ荷は入り込ま
ないので、ホールド１内にバラ荷を荷積することができ
る。バラ荷の荷揚時、ローズボツクス５′は２重底３上
に突出しないので、ブルトーザ等によつて破損されるこ
とはない。

ホールド１内にバラスト水を注水するには、第２図に示
すように、ローズボツクス５′を上下逆にして凹没部
３′に固定する。注排水管４からのバラスト水は、バラ
ストウエル９およびローズボツクス５′を経てホールド
１内に注水される。バラスト水の排水時、２重底３上に
沈下している残貨は、ローズボツクス５′が２重底から
立ち上がつているので、ローズボツクス５′の他端から
バラストウエル９内に流れ込む虞れはない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、ローズボツク
スのホールド内への搬入およびホールド外への搬出が全
く不要となるといつた効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案のバラスト注排水口構造の一実施態
様であつて、バラ荷の荷積時の状態を示す断面図、第２
図は、同実施態様であつて、バラスト水注排水時の状態
を示す断面図、第３図は、従来のバラスト注排水口構造
を示す断面図、第４図は、同構造におけるローズボツク
ス部分の断面図、第５図は、同構造における注排水管の
閉鎖状態を示す断面図である。図面において、 １……ホールド、２……隔壁、 ３……２重底、４……注排水管、 5,5′……ローズボツクス、６……盲板、 ７……アンカーボルト、８……倉庫、 ９……バラストウエル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ホールド２重底に設けられた、底部にロー
   ズボックス用開口が形成された凹没部と、前記凹没部の
   下方に設けられたバラストウエルと、前記バラストウエ
   ルに接続されたバラスト注排水管と、両端が開口し、前
   記凹没部の底部に上下反転してボルト結合されるフラン
   ジが一端に形成された、前記バラストウエルの深さ寸法
   より短い長さ寸法を有するローズボックスと、前記ロー
   ズボックスの一端開口を塞ぐための盲板とからなること
   を特徴とし、前記ホールド内への荷積時には、前記ロー
   ズボックスを前記バラストウエル内に収容し、前記ロー
   ズボックスの一端に前記盲板をボルト止めすることによ
   って、前記ローズボックスの一端開口を塞ぐことがで
   き、一方、前記ホールド内への注排水時には、前記盲板
   を前記ローズボックスから取り外し、前記ローズボック
   スを上下反転し、前記フランジをボルト止めすることに
   よって、前記ローズボックスを前記凹没部の前記底部上
   に立ち上げて固定することができる、バラスト兼用ホー
   ルドのバラスト注排水口構造。