JPH06340716A - エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法

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JPH06340716A
JPH06340716A JP15126193A JP15126193A JPH06340716A JP H06340716 A JPH06340716 A JP H06340716A JP 15126193 A JP15126193 A JP 15126193A JP 15126193 A JP15126193 A JP 15126193A JP H06340716 A JPH06340716 A JP H06340716A
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JP
Japan
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ethylene
polymerization
latex
copolymer
tetrafluoroethylene
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JP15126193A
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Atsushi Funaki
篤 船木
Teruo Takakura
輝夫 高倉
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ラジカル重合開始剤およびフッ素化界面活性剤
を用いた水性媒体中における重合によってエチレン−テ
トラフルオロエチレン系共重合体を製造するにあたり、
炭素数3〜10のハイドロフルオロカーボン(但し、1
≦水素原子数≦フッ素原子数)を水性媒体中に存在させ
る。 【効果】ラテックスの選択率に優れ、ラテックスの安定
性が高いエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体
を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレン−テトラフルオ
ロエチレン共重合体(以下、ETFEと略す)等の新規
な製造方法に関し、詳しくはラジカル重合開始剤および
フッ素化界面活性剤を用いた水性媒体中における重合に
おいて特定のハイドロフルオロカーボンを存在させるこ
とにより類似の操作条件下における既知方法よりもはる
かにラテックスが安定で重合速度が早いことを特徴とす
る前記方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ETFEは耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性
などに優れた高分子材料であることから、その特徴を生
かして種々の用途に利用されている。
【0003】ETFEの製造方法としては、溶液重合法
や懸濁重合法、乳化重合法が知られている。乳化重合で
は、たとえばパーフルオロカルボン酸塩等を乳化剤とし
ておこなわれるが、工業的実施に対してはブロック状化
を抑制して共重合体ラテックスを高い選択率で生成させ
ることが重要である。また、重合速度を向上させて単位
時間当たりの共重合体ラテックス収量を増加させること
が望ましい。
【0004】しかし、従来の乳化重合法などにおいて
は、ブロック状生成物の副生を有効に抑制することが困
難であり、従って、共重合体ラテックスの選択率を10
0%の水準まで高めることは難しかった。特に高濃度の
重合ラテックスを目的とする場合には、ブロック状化の
抑制が更に困難となり、共重合体ラテックスの選択率が
低下してしまう欠点が顕著になる。
【0005】このような欠点を解決するため、つまり共
重合体ラテックスの安定性を向上させるために、数々の
分散安定剤の添加、あるいは乳化剤の使用量の増加など
の手段が提案されているが、満足できる結果は得られて
いない。また、重合速度についても重合開始剤の増量、
モノマー濃度の上昇といった手段が提案されているが、
満足のいく結果は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、ラジカル重合開始剤およびフッ素化界面
活性剤を用いた水性媒体中におけるETFE系重合にお
いて、ラテックスを安定化させ重合速度を早め経済的に
効率よく製造する方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような事
情のもとで、水性媒体中でのETFEの共重合について
数々の研究検討を重ねた結果、特定のハイドロフルオロ
カーボンの存在下の重合をおこなうことにより、ブロッ
ク状化をほぼ完全に抑制し、共重合体ラッテクス選択率
を100%の水準に高め、満足のいく重合速度を得、そ
の目的を達成しうることを見いだした。
【0008】すなわち、本発明は、ラジカル重合開始剤
およびフッ素化界面活性剤を用いた水性媒体中における
重合によってエチレン−テトラフルオロエチレン系共重
合体を製造するにあたり、炭素数3〜10のハイドロフ
ルオロカーボン(但し、1≦水素原子数≦フッ素原子
数)を存在させて重合することを特徴とするエチレン−
テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法を提供す
るものである。
【0009】本発明においては、通常テトラフルオロエ
チレン/エチレンの仕込みモル比30/70〜95/
5、特に40/60〜90/10で前記ハイドロフルオ
ロカーボンの中でテトラフルオロエチレンとエチレンを
共重合させ、ETFEを製造できる。
【0010】テトラフルオロエチレン、エチレンの他に
少量の共単量体をさらに共重合させてもよい。これらの
共単量体としてはCF2 =CFCl、CF2 =CH2
どのフルオロエチレン類、CF2 =CFCF3 、CF2
=CHCF3 などのフルオロプロピレン類、CF3 CF
2 CF2 CF2 CH=CH2 やCF3 CF2 CF2 CF
2 CF=CH2 などのパーフルオロアルキル基の炭素数
が4〜12のパーフルオロアルキルエチレン類、Rf
(OCFXCF2m OCF=CF2 (式中Rfは炭素
数1〜6のパーフルオロアルキル基、Xはフッ素原子又
はトリフルオロメチル基、mは1〜5の整数を表す。)
などのパーフルオロビニルエーテル類、CH3 OC(=
O)CF2 CF2 CF2 OCF=CF2 やFSO2 CF
2 CF2 OCF(CF3 )CF2 OCF=CF2 などの
容易にカルボン酸基やスルホン酸基に変換可能な基を有
するビニルエーテル類などが単独で又は2種以上組み合
わせて用いることもできる。
【0011】また、プロピレン、イソブチレンなどのオ
レフィン系単量体と組み合わせてもよい。これらの共単
量体の共重合割合は、通常ETFEに対して30モル%
以下、特に0.1〜15モル%程度の使用量にて採用さ
れるのが望ましい。
【0012】本発明において用いられるハイドロフルオ
ロカーボンは3個以上10個以下の炭素と、フッ素と、
少なくとも1個以上で多くてもフッ素の数に等しい数の
水素だけで構成される飽和有機化合物である必要があ
る。炭素の数が2個以下だと沸点が低すぎ、重合圧力が
上昇してしまい、また11個以上だと沸点が高すぎてし
まい重合後ポリマーと重合媒体を分離することが難しく
なり、製造上不利である。
【0013】水素の数が0の場合はハイドロフルオロカ
ーボンと得られる共重合体の分子量を調節するための連
鎖移動剤例えばメタノールとの相溶性が乏しく分子量調
節が難しくなる。フッ素の数以上に水素が存在するとそ
の水素が連鎖移動してしまい、望ましくない。
【0014】特に望ましい重合媒体はC444 、C
482 、C511H、C5102 、C613H、
6122 またはC695 で、具体的には 1,1,
2,2-テトラフルオロシクロブタン、CF2 HCF2 CF
2 CF2 H、CF3 CFHCF2 CF2 CF3 、CF3
CF2 CF2 CF2 CF2 H、CF3 CF2 CFHCF
2 CF3 、CF3 CFHCFHCF2 CF3 、CF2
CF2 CF2 CF2 CF2 H、CF2 HCFHCF2
2 CF3 、CF3 CF2 CF2 CF2 CF2CF2
H、CF3 CH(CF3 )CF2 CF2 CF3 、CF3
CF(CF3 )CFHCF2 CF3 、CF3 CF(CF
3 )CFHCFHCF3 、CF3 CH(CF3 )CFH
CF2 CF3 、CF2 HCF2 CF2 CF2 CF2 CF
2 H、CF3 CF2 CF2 CF2 CH2 CH3 などであ
る。
【0015】これらの特定のハイドロフルオロカーボン
は、高濃度のラテックスを良好に生成させ、望ましい重
合速度を得るために一般に水性媒体に対して0.5重量
%以上使用することが適当であり、2重量%以上使用し
たときに最も望ましい結果が得られる。また、水性媒体
中に対して20重量%以上添加することは必要なく、良
好な分散液を与える点あるいは経済性等を考慮して10
重量%以下の添加量を採用するのが望ましい。また、上
記ハイドロフルオロカーボンに加えて連鎖移動能の低い
化合物たとえばターシャリーブタノールなどを添加して
も差し支えない。
【0016】本発明において分散剤としては、通常はパ
ーフルオロオクタン酸アンモニウムなどの多フッ素化脂
肪族カルボン酸の水溶性塩類、多フッ素化塩素化脂肪カ
ルボン酸の水溶性塩類、多フッ素化脂肪族アルコールの
燐酸エステル塩もしくは硫酸エステル塩等従来公知の多
フッ素化あるいは多フッ素化塩素化アルキル系の分散剤
が好ましく使用され、また、これらに少量の水溶性脂肪
族アルコール硫酸エステル塩あるいは芳香族スルホン酸
塩等通常の分散剤を併用することも可能である。
【0017】これら分散剤は通常水性媒体に対して0.
0001〜10重量%の割合で使用することができる
が、経済性等を考慮した場合0.001〜5重量%程度
の使用が好ましい。
【0018】またラジカル重合開始剤としては過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム、ジサクシニックアシドパ
ーオキサイド、過酸化水素などの有機あるいは無機の過
酸化物、アゾ化合物、レドックス触媒などの種々の重合
開始剤を使用できる。
【0019】本発明の重合反応に際しては、広い範囲の
反応条件が特に限定されることなく採用し得る。例え
ば、重合反応温度は、重合開始源の種類などにより最適
値が選定され得るが、通常は0〜100℃程度、特に3
0〜90℃程度が採用され得る。また、反応圧力も適宜
選定可能であるが、通常は2〜100kg/cm2 、特
に5〜20kg/cm2 程度を採用するのが望ましい。
本発明においては、過大の反応圧力を要することなく重
合を有利に行い得るのであるが、更に高い圧力を採用す
ることも可能であると共に、減圧条件でも可能である。
また、本発明は、回分式、連続式など適宜操作によって
行い得る。
【0020】本発明における重合において、重合体の分
子量をコントロールする目的で連鎖移動性を有する化合
物を通常添加する場合が多い。例えば、ヘキサンなどの
ハイドロカーボン類、CF3 CF2 CHCl2 などのハ
イドクロロフルオロカーボン類、アセトンなどのケトン
類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ある
いはメチルメルカプタンなどのメルカプタン類などが通
常用いられる。
【0021】
【実施例】実施例中において容量流速は、高下式フロー
テスターにより、温度300℃、荷重30kgで内径1m
m、ランド長さ2mmのノズルより流出するポリマーの
単位時間(秒)あたりの容量(mm3 )を測定したもの
である。
【0022】実施例1 内容積1.2リットルのステンレス製反応容器を脱気
し、脱塩水を400g、CF3 CF2 CF2 CF2 CH
2 CH3 を40g、パーフルオロオクタン酸アンモニウ
ムを2g、過硫酸アンモニウムを0.1g、メタノール
を8g、(パーフルオロブチル)エチレンを1.6gの
混合溶液を仕込み、さらにテトラフルオロエチレンを7
4g、エチレンを5.2g仕込み、反応容器内を撹拌
し、容器内の温度を65℃に保った。
【0023】重合が始まり系内の圧力が下がりはじめる
ので、系内にテトラフルオロエチレンとエチレンと(パ
ーフルオロブチル)エチレンの混合ガス(モル比53/
47/0.7)を導入し、反応圧力を25kg/cm2
に保持した。反応開始から6時間後に反応容器を室温ま
で冷却し、未反応モノマーをパージし、白色のラテック
スを得た。ブロック状の塊はほとんど存在しなかった。
得られたラテックスを凍結させてラテックスを壊し、メ
タノールで洗浄し、150℃で8時間乾燥させ、白色の
粉末が180g得られた。該共重合体は融点276℃、
熱分解開始点370℃、容量流速35であり、300℃
の成形温度で着色の無い良好な圧縮成形品を与えた。成
形品についての引張強度は457kg/cm2 、引張伸
度は460%であった。
【0024】実施例2 実施例1のCF3 CF2 CF2 CF2 CH2 CH3 の代
わりにCF3 CFHCFHCF2 CF3 を40g仕込む
以外は実施例1と同様に重合を行った。反応開始から5
時間後に反応容器を室温まで冷却し、未反応モノマーを
パージし、白色のラテックスを得た。ブロック状の塊は
ほとんど存在しなかった。得られたラテックスを実施例
1と同様の後処理を行い、174gの白色粉末を得た。
該共重合体は融点278℃、熱分解開始点375℃、容
量流速25であり、300℃の成形温度で着色の無い良
好な圧縮成形品を与えた。成形品についての引張強度は
468kg/cm2 、引張伸度は440%であった。
【0025】実施例3 実施例1のCF3 CF2 CF2 CF2 CH2 CH3 の代
わりにCF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF2 Hを40
g仕込む以外は実施例1と同様に重合を行った。反応開
始から6時間後実施例1と同様の後処理を行い185g
の白色粉末を得た。該共重合体は融点276℃、熱分解
開始点385℃、容量流速40であり、300℃の成形
温度で着色の無い良好な圧縮成形品を与えた。成形品に
ついての引張強度は460kg/cm2 、引張伸度は4
20%であった。
【0026】比較例1 内容積1.2リットルのステンレス製反応容器を脱気
し、脱塩水を400g、パーフルオロオクタン酸アンモ
ニウムを2g、過硫酸アンモニウムを0.1g、メタノ
ールを8g、(パーフルオロブチル)エチレンを0.8
gの混合溶液を仕込み、さらにテトラフルオロエチレン
を37g、エチレンを2.6g仕込み、反応容器内を撹
拌し、容器内の温度を65℃に保った。重合が始まり系
内の圧力が下がりはじめるので、系内にテトラフルオロ
エチレンとエチレンと(パーフルオロブチル)エチレン
の混合ガス(モル比53/47/0.7)を導入し、反
応圧力を27kg/cm2 に保持した。
【0027】反応開始から6時間後に反応容器を室温ま
で冷却し、未反応モノマーをパージし、白色のラテック
スを得た。ブロック状の塊がわずかに存在した。得られ
たラテックスを凍結させてラテックスを壊し、メタノー
ルで洗浄し、150℃で8時間乾燥させ、白色の粉末が
35g得られた。該共重合体は融点272℃、熱分解開
始点320℃、容量流速は1000以上であり、300
℃の成形温度で褐色の脆い圧縮成形品を与えた。成形品
についての引張強度は240kg/cm2 、引張伸度は
80%であった。
【0028】
【発明の効果】本発明方法は重合速度が早いとともに、
ラテックスの選択率に優れ、ラテックスの安定性が高い
ETFE系共重合体を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカル重合開始剤およびフッ素化界面活
    性剤を用いた水性媒体中における重合によってエチレン
    −テトラフルオロエチレン系共重合体を製造するにあた
    り、炭素数3〜10のハイドロフルオロカーボン(但
    し、1≦水素原子数≦フッ素原子数)を存在させて重合
    することを特徴とするエチレン−テトラフルオロエチレ
    ン系共重合体の製造方法。
JP15126193A 1993-05-28 1993-05-28 エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法 Pending JPH06340716A (ja)

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JP15126193A JPH06340716A (ja) 1993-05-28 1993-05-28 エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002031005A1 (fr) * 2000-10-06 2002-04-18 Daikin Industries, Ltd. Procede de production de copolymere ethylene-hexafluoropropylene elastomere
USRE39819E1 (en) 1998-07-24 2007-09-04 Atofina Cleaning or drying compositions based on 1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-decafluoropentane
KR20110130178A (ko) * 2010-05-27 2011-12-05 엘에스전선 주식회사 원전케이블용 절연재 및 이의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE39819E1 (en) 1998-07-24 2007-09-04 Atofina Cleaning or drying compositions based on 1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-decafluoropentane
WO2002031005A1 (fr) * 2000-10-06 2002-04-18 Daikin Industries, Ltd. Procede de production de copolymere ethylene-hexafluoropropylene elastomere
KR20110130178A (ko) * 2010-05-27 2011-12-05 엘에스전선 주식회사 원전케이블용 절연재 및 이의 제조방법

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