JPH06340392A - エレベーター用敷居装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、乗場１を構成する建築躯体５の水
平部の凹凸に影響されることなく、取付金具２１を容易
に水平に取り付け、敷居の位置決め芯出しを容易に行う
ことを目的とする。 【構成】 建築躯体５の垂直部にアンカーボルト２２を
用いて上下及び前後方向へ移動可能に取付金具２１の垂
直基部２１ａを固定し、取付金具２１の水平部２１ｂ上
にジャッキボルト２５を用いて昇降可能に受け梁２３を
取り付け、かつ取付金具２１の垂直取付部２１ｃに左右
方向への横長孔２１ｆを設けて、この横長孔２１ｆを貫
通したボルト２４により受け梁２３を左右方向へ移動可
能に取り付けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エレベーターの乗場
の戸を下部で案内する敷居を有しているエレベーター用
敷居装置に関し、特にその取付構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来のエレベーターの乗場床部の
一例を示す断面図、図４は図３の要部平面図、図５は図
４の一部を拡大して示す平面図である。図において、１
はエレベーターの乗場、２は昇降路、３は昇降路２に設
けられた乗場１の出入口、４は出入口３を開閉する引き
戸で、その下端には脚４ａが設けられている。５は乗場
１を構成する建築躯体で、鉄筋５ａが埋められている。
６は出入口３の上縁部及び側縁部に設けられた三方枠で
ある。

【０００３】７は三方枠６の下端に締付された敷居であ
り、この敷居７が出入口３の下縁部を構成している。ま
た、敷居７は、その上面に設けられて脚４ａをガイドす
る案内溝７ａ、塵埃等の異物を落下させるために底面に
設けられた貫通孔７ｂ、及び裏側長手方向に縦通して設
けられた縦通溝７ｃを有している。

【０００４】８は敷居７の長手方向に沿って配設された
受け梁であり、この受け梁８は、鋼板を折曲して側断面
が溝形をなし、この溝形の一方の立上がり壁８ａは縦通
溝７ｃに嵌合され、他方の折曲壁面は敷居７の下面に当
接している。また、受け梁８の底部の昇降路２側には、
貫通孔７ｂと対向する貫通孔８ｂが設けられている。さ
らに、受け梁８は、長手方向両端部に立ち上げた固定片
８ｃ、この固定片８ｃに設けられたネジ穴８ｄ、及び底
部に設けられたネジ穴８ｅを有している。

【０００５】９は建築躯体５に固定され受け梁８を支持
する取付金具であり、この取付金具９は、一部が切欠さ
れた水平基部９ａと、長手方向両端部がＬ字状に折曲し
て立ち上げられた垂直取付部９ｂとからなっている。ま
た、垂直取付部９ｂには、上下方向の縦長孔９ｃが設け
られており、水平基部９ａには、アンカーボルト１０が
貫通する固定用孔９ｄが設けられている。１１は垂直取
付部９ｂと固定片８ｃとを固定するためのボルト、１２
は受け梁８の芯出し用の複数のジャッキボルトである。

【０００６】以下、取付手順について説明する。まず、
ボルト１１により受け梁８に左右の取付金具９を仮固定
する。即ち、ボルト１１を取付金具９の縦長孔９ｃに挿
入し、受け梁８の両側に立ち上げられた固定片８ｃのネ
ジ穴８ｄに螺入する。次に、基準線（図示せず）と受け
梁８との関係寸法を出し、アンカーボルト穴を建築躯体
５に明け、そこにアンカーボルト１０を打ち込んで取付
金具９を固定する。

【０００７】この後、敷居７を受け梁８に乗せ、ジャッ
キボルト１２により敷居７の上下方向の水平出しを行
う。この作業が終了した後、ボルト１１を締め付け、受
け梁８の芯出し固定が完了する。次いで、敷居７を受け
梁８の所定の位置に装着し、長手方向に沿って左右に摺
動させながら垂直取付部９ｂに当接させることにより、
敷居７の位置決めを行うとともに三方枠６等の組立を実
施する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来のエレベーター用敷居装置においては、アンカー
ボルト穴を明ける建築躯体５に、ハツリによる凹凸や鉄
筋５ａの露出による凹凸等が生じることがあるため、ア
ンカーボルト穴が明けずらく、取付金具を水平に取り付
けるのが難しく、また、そのため敷居７の芯出し、水平
出しがしずらいなどの問題点があった。

【０００９】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、アンカーボル
ト穴を容易に明けることができ、これにより取付金具を
容易に水平に取り付けることができ、また敷居の芯出
し、水平出しも容易に行うことができるエレベーター用
敷居装置を得ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
ター用敷居装置は、エレベーターの乗場を構成する建築
躯体の垂直部に、アンカーボルトを用いて上下及び前後
方向へ移動可能に取付金具の垂直基部を固定し、取付金
具の水平部上にジャッキボルトを用いて昇降可能に受け
梁を取り付け、かつ取付金具の垂直取付部に左右方向へ
の横長孔を設けて、この横長孔を貫通したボルトにより
受け梁を左右方向へ移動可能に取り付けるようにしたも
のである。

【００１１】

【作用】この発明においては、エレベーターの乗場を構
成かる建築躯体の垂直部に上下、前後方向へ移動可能に
取付金具が固定されるので、敷居の位置決め、芯出し及
び水平出し等を、水平方向の建築躯体の出来栄えに影響
されずに行える。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例１．図１はこの発明の一実施例によるエレベータ
ー用敷居装置の要部を示す斜視図、図２は図１の装置の
断面図であり、図３ないし図５と同一又は相当部分には
同一符号を付し、その説明を省略する。

【００１３】図において、２１は建築躯体５の垂直部に
アンカーボルト２２により固定されている取付金具であ
り、この取付金具２１は、建築躯体５の垂直部に固定さ
れた垂直基部２１ａと、この垂直基部２１ａの下端部か
ら水平方向へ延びる水平部２１ｂと、この水平部２１ｂ
の前端部から上方へ延びる垂直取付部２１ｃとを有して
いる。

【００１４】垂直基部２１ａには、アンカーボルト２２
が貫通する上下方向の縦長孔２１ｄが設けられており、
取付金具２１は縦長孔２１ｄにより上下及び前後方向へ
移動可能に固定されている。水平部２１ｂには、取付金
具２１を建築躯耐５の水平部上に支持するための支持ボ
ルト２１ｅが螺着されている。垂直取付部２１ｃには、
左右方向の横長孔２１ｆが設けられている。

【００１５】２３は取付金具２１の水平部２１ｂ上に支
持されている受け梁であり、この受け梁２３は、従来例
と同様に鋼板を折曲して断面溝形をなし、この溝形の一
方の立上がり壁２３ａは縦通溝７ｃに嵌合され、他方の
折曲壁面２３ｂは敷居７の下面に当接している。立上が
り壁２３ａの下端部には、貫通孔７ｂと対向する貫通孔
２３ｃが設けられている。さらに、受け梁２３は、長手
方向両端部に立ち上げた受け梁垂直片２３ｄ、底部に設
けられた複数のネジ穴２３ｅ、取付金具２１の垂直取付
部２１ｃに当接する折曲壁面２３ｂに設けられたネジ穴
２３ｆ、及び支持ボルト２１ｅを操作するための開口２
３ｇを有している。

【００１６】２４は取付金具２１の横長孔２１ｆを貫通
して受け梁２３のネジ穴２３ｆに螺入されているボルト
であり、このボルト２４により、受け梁２３は左右方向
へ移動可能に取付金具２１に取り付けられている。２５
及び２６はそれぞれ受け梁２３のネジ穴２３ｅ及び受け
梁２３の長手方向中央のネジ穴（図示せず）に螺入され
ているジャッキボルトであり、これらのジャッキボルト
２５，２６により、受け梁２３は昇降可能になってい
る。

【００１７】次に、取付手順について説明する。まず、
受け梁２３の左右両端前側にボルト１４により取付金具
２１を仮固定する。即ち、ボルト１４を取付金具２１の
横長孔２１ｆに挿入し、受け梁２３のネジ穴２３ｆに螺
入する。次に、アンカーボルト２２を建築躯体５の垂直
部に打ち込み、受け梁２３が接続された取付金具２１を
仮固定する。

【００１８】この後、取付金具２１の縦長孔２１ｄによ
り、基準線（図示せず）と受け梁２３との上下及び前後
方向の関係寸法を出し、取付金具２１を固定する。次い
で、取付金具２１の支持ボルト２１ｅを操作し、水平部
２１ｂを支持固定する。その後、受け梁２３の立上がり
壁２３ａに敷居７の縦通溝７ｃを嵌合させるとともに、
敷居７の端部を受け梁垂直片２３ｄに当接させる。

【００１９】そして、敷居７の上下、左右方向の正確な
芯出し、水平出しをジャッキボルト２５，２６及び横長
孔２１ｆにより行う。このときのジャッキボルト２５，
２６の操作は、敷居７の貫通孔（図示せず）を通して行
う。この作業が終了すると、ボルト２４を締め付けて、
受け梁２３及び敷居７の芯出し固定が完了する。その
後、従来同様に三方枠等の組立を実施する。

【００２０】このようなエレベーター用敷居装置では、
建築躯体５の垂直部にアンカーボルト２２が打ち込まれ
ているので、建築躯体５の水平部の凹凸に影響されるこ
となく、アンカーボルト穴を容易に明けることができ、
かつ取付金具２１を水平に取り付けることができ、従っ
て敷居７の芯出し、水平出しを容易に行うことができ
る。また、取付金具２１に横長孔２１ｆを設けたので、
建築躯体５の間口寸法が不正確であっても、それに影響
されることなく受け梁２３の取付を行うことができる。

【００２１】実施例２．なお、上記実施例１では出入口
３の建築躯体５の垂直部に取付金具２１を取り付け固定
したが、建築躯体５の垂直部であれば乗場１側や昇降路
２側に取り付けてもよく、上記実施例１と同様の効果が
得られる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、この発明のエレベ
ーター用敷居装置は、建築躯体の垂直部にアンカーボル
トを用いて上下及び前後方向へ移動可能に取付金具の垂
直基部を固定し、取付金具の水平部上にジャッキボルト
を用いて昇降可能に受け梁を取り付け、かつ取付金具の
垂直取付部に左右方向への横長孔を設けて、この横長孔
を貫通したボルトにより受け梁を左右方向へ移動可能に
取り付けるようにしたので、建築躯体の水平部の凹凸に
影響されることなく、アンカーボルト穴を容易に明ける
ことができ、かつ取付金具を水平に取り付けることがで
き、従って敷居の芯出し、水平出しを容易に行うことが
できるなどの効果を奏する。また、取付金具に横長孔を
設けたので、建築躯体の間口寸法が不正確であっても、
それに影響されることなく受け梁の取付を行うことがで
きるという効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例によるエレベーター用敷居
装置の要部を示す斜視図である。

【図２】図１の装置の断面図である。

【図３】従来のエレベーターの乗場床部の一例を示す断
面図である。

【図４】図３の要部平面図である。

【図５】図４の一部を拡大して示す平面図である。

【符号の説明】

１ 乗場 ５ 建築躯体 ７ 敷居 ２１ 取付金具 ２１ａ 垂直基部 ２１ｂ 水平部 ２１ｃ 垂直取付部 ２１ｆ 横長孔 ２２ アンカーボルト ２３ 受け梁 ２４ ボルト ２５ ジャッキボルト ２６ ジャッキボルト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 新一 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗場を構成する建築躯体の垂直部にアン
   カーボルトを用いて上下及び前後方向へ移動可能に固定
   された垂直基部、この垂直基部から水平方向へ延びる水
   平部、及びこの水平部の前端部から上方へ延び左右方向
   への横長孔が設けられている垂直取付部を有している取
   付金具と、 複数のジャッキボルトにより上記水平部上に昇降可能に
   取り付けられているとともに、上記横長孔を貫通したボ
   ルトにより左右方向へ移動可能に取り付けられている受
   け梁と、 この受け梁上に装着されている敷居とを備えていること
   を特徴とするエレベーター用敷居装置。