JPH0133581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案はエレベータ装置に係り、特に乗場ド
ア装置周りの改良に関するものである。

〔従来技術〕

第１図および第２図は従来のエレベータ装置を
示すものであり、図中１はエレベータの昇降路、
１ａは昇降路１から乗場に通じる開口部、１ｂは
乗場床１ｃに切欠かれ上記開口部１ａの底部に位
置する受け梁、２は上記開口部１ａに設置された
乗場戸２ａおよびこれを駆動する駆動機（図示せ
ず）等から構成される乗場ドア装置、３は横断面
がコ字状に形成され上記昇降路１内の開口部１ａ
寄りの位置に互いに対向して配置された一対のガ
イドレール、３ａはボルト、３ｂは奥行方向調整
の長孔、４はガイドレール３により昇降が案内さ
れるかごである。また５は基端がそれぞれ受け梁
１ｂに固設され先端でそれぞれガイドレール３を
支持する左右一対の支持具、６は上記受け梁１ｂ
にそつて配置されて両端がそれぞれ支持具５の下
面に溶接等で固着され、この支持具５とともに一
体のブラケツト７を構成する連結材で、この連結
材６上には、上記乗場ドア装置２が組付けられて
いる。８は支持具５を乗場床１ｃの受け梁１ｂに
固定するためのアンカボルト、９は乗場床１ｃと
乗場ドア装置２との関係寸法を出すために支持具
５と受け梁１ｂとの間に介装されるスペーサ、１
０はＬ字状に形成され上記乗場ドア装置２をガイ
ドレール３に固定する保持具、１１は連結材６と
乗場ドア装置２およびガイドレール３との芯出し
を行なう際の基準となるピアノ線である。

以上の構成を有する従来のエレベータ装置にお
いて、昇降路１内に作業足場を組まないでブラケ
ツト７およびガイドレール３の取付け、芯出しを
行なうとともに、乗場ドア装置２の取付けを行な
う場合、据付けの基準となるピアノ線１１は、受
け梁１ｂとガイドレール３との間に連結材６が位
置しているため受け梁１ｂから約200mmも離れて
いる。このため、身を乗り出して作業しなければ
ならず、作業に危険を伴なうという欠点がある。
また乗場床１ｃと乗場ドア装置２との関係寸法を
出すためには連結材６を上下に調整する必要があ
るが、連結材６と支持具５とは一体になつてブラ
ケツト７を構成しているため、受け梁１ｂ部にス
ペーサ９を入れてブラケツト７を上下方向に調整
する必要があり、作業に多大な時間と労力を要す
るという欠点がある。

〔考案の概要〕

この考案はかかる欠点を解消する目的でなされ
たもので、連結材を受け梁部上に配置して受け梁
部とピアノ線との距離の短縮を図るとともに、連
結材を支持具に対して上下方向に位置調節可能と
して調整作業を容易なものとし、かつ連結材のガ
イドレールとの対向面にガイドレールの位置決め
を行なうストツパを設けて据付け作業の簡略化を
図るようにしたエレベータ装置を提案するもので
ある。

〔考案の実施例〕

以下、第３図〜第５図によつてこの考案の一実
施例を説明する。

図中、第１図および第２図と同一符号は同一又
は相当部分を示し、３ｃはガイドレール３に穿設
された上下方向調整用の長孔、５ａはＬ形状をな
す支持具で、基端は乗場床１ｃに設けた受け梁１
ｂにアンカボルト８により固定され、また先端に
は上記長孔３ｃを利用してガイドレール３がボル
ト３ａにより固定されている。５ｂ，５ｃは支持
具５の基端部に上下に長軸を有して穿設された長
孔、５ｄはボルト、６ａは左右一対の支持具５ａ
の間に配置され上記受け梁１ｂ上に位置する連結
材、６ｂはこの連結材６ａの両端面に取付けられ
た板で、奥行方向の調整ができる長孔６ｃを有し
ている。６ｄは連結材６ａの上記ガイドレール３
との対向面に取付けられガイドレール３の位置決
めを行なうためのストツパである。

以上の構成において、エレベータ装置を据付け
る場合には、連結材６ａは工場にてガイドレール
３，３の間隔と同様精度よく決められてくるので
まずこれに支持具５ａをボルト５ｄにより仮固定
し、その後支持具５ａを受け梁１ｂに打たれたア
ンカボルト８に固定する。そして乗場床１ｃとピ
アノ線１１の関係寸法を長孔５ｂ，６ｃにより決
定する。次いで、ガイドレール３をストツパ６ｄ
に当てて奥行方向の位置決めをし、ボルト３ａと
長孔３ｃとを用いて支持具５ａに固定する。その
後乗場ドア装置２を連結材６ａ上に載置し、下端
を長孔５ｃを利用してボルト５ｄにより支持具５
ａに固定するとともに、上端を保持具１０を介し
てガイドレール３に固定する。

しかして、乗場ドア装置２の取付け位置が乗場
床１ｃの受け梁１ｂ上に移動することになるので
据付けの基準となるピアノ線１１の位置は受け梁
１ｂより約30mmの距離となる。このため、身を乗
り出してピアノ線１１に対する芯出しを行なつた
り固定作業を行なう必要がなく、作業が安全であ
る。またスペーサの出し入れによる前後、左右あ
るいは上下の調整が不要となるので、据付け作業
を大幅に簡素化できる。

第６図はこの考案の他の実施例を示すものであ
り、図中第３図〜第５図と同一符号は同一又は相
当部分を示す。

この実施例は、エレベータの昇降路１が鉄骨構
造である場合を示し、この場合には受け梁の材料
がコンクリートから形鋼１b′となる。このため支
持具５ａの受け梁１b′への固定は溶接となる。こ
れ以外の点については第３図〜第５図の場合と同
一であり、同様の効果が得られる。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案は、エレベータの
ガイドレールおよび乗場ドア装置を昇降路の開口
部寄りに配置するようにしているので、据付けの
基準となるピアノ線に対する位置決め作業のため
に身を乗り出す必要がなく、作業の安全性を向上
させることができる。また連結材は支持具に対し
て上下方向に位置調節可能となつているので調整
作業が容易であり、また連結材にはガイドレール
の位置決め用ストツパが設けられているのでガイ
ドレールの芯出しが不要となり、これにより据付
け作業を大幅に簡素化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエレベータ装置を示す昇降路の
横断面図、第２図は第１図の−線断面図、第
３図はこの考案に係るエレベータ装置を示す第１
図相当図、第４図は第３図の−線断面図、第
５図は第４図の−線拡大断面図、第６図はこ
の考案の他の実施例を示す第４図相当図である。 １……昇降路、１ａ……開口部、１ｂ，１b′…
…受け梁、２……乗場ドア装置、３……ガイドレ
ール、４……かご、５ａ……支持具、５ｂ，５
ｃ，６ｃ……長孔、５ｄ……ボルト、６ａ……連
結材、６ｂ……板、６ｄ……ストツパ、１１……
ピアノ線。なお、各図中、同一符号は同一又は相
当部分を示すものとする。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降路から乗場に通じる開口部の底部に設けら
   れた受け梁部と、この受け梁部に一端が取付けら
   れて上記昇降路内に水平に突出する左右一対の支
   持具と、各支持具の突出先端部に取付けられてか
   ごの昇降を案内する左右一対のガイドレールと、
   このガイドレールの乗場側位置に上記一対の支持
   具に亘つて配置され上面に乗場ドア装置が組付け
   られる連結材とを備えたものにおいて、上記連結
   材を上記受け梁部上に配置するとともに、この連
   結材を上記支持具に対して上下方向に位置調節可
   能とし、かつ連結材の上記ガイドレールとの対向
   面に、ガイドレールの位置決めを行なうストツパ
   を設けたことを特徴とするエレベータ装置。