JPH06337532A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製造方法

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JPH06337532A
JPH06337532A JP5146679A JP14667993A JPH06337532A JP H06337532 A JPH06337532 A JP H06337532A JP 5146679 A JP5146679 A JP 5146679A JP 14667993 A JP14667993 A JP 14667993A JP H06337532 A JPH06337532 A JP H06337532A
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amorphous silicon
hydrogen
group iii
halogen
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Shigeru Yagi
茂 八木
Goji Ota
剛司 大田
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 暗中での帯電性が良好で、光感度および繰返
し特性に優れ、かつ半導体レーザビームプリンタ用感光
体として適用可能な電子写真感光体およびその製造方法
を提供する。 【構成】 電子写真感光体は、電荷注入阻止層2が、水
素および1000ppm以下の第III 族元素のみを含有
するp型のアモルファスシリコン(a−Si)層または
水素および窒素のみを含有し、ケイ素に対する窒素の原
子比が0.01〜0.7であるn型のa−Si層からな
り、光導電層3が、水素、ハロゲンおよび第III 族元素
の1種以上を含有するa−Si層3aと、水素、ハロゲ
ンおよび第III 族元素を含有するアモルファスシリコン
ゲルマニウム層3bとからなり、表面層4が、a−Si
層またはアモルファス炭素層からなる。また、アモルフ
ァスシリコンゲルマニウム層3bは、プラズマ発光にお
ける340nmを中心とするGeF2 の発光帯の強度が
GeFより大きいプラズマ放電法により形成することが
望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザビームプ
リンタ用感光体として適用することが可能な800nm
付近までの長波長感度を有する電子写真感光体およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、感光体に帯電、像露光に
より静電潜像を形成し、現像剤で現像した後、トナー像
を転写し、定着して複写物を得る方法である。この電子
写真法に用いられる感光体は、基本構成として導電性基
体上に光導電層よりなる感光層を形成したものであり、
この感光層を構成する材料としては、セレン、セレン合
金、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機感光材料、ある
いはポリビニルカルバゾール、トリニトロフルオレノ
ン、ビスアゾ顔料、フタロシアニン、ピラゾリン、ヒド
ラゾン等の有機感光材料が知られ、感光層を単層または
複数層積層して用いられている。近年、この感光層とし
て非晶質ケイ素(アモルファスシリコン)を用いた感光
体が開発され、種々の改善が試みられている。この非晶
質ケイ素を用いた感光体は、導電性基体上にシラン(S
iH4 )ガスのグロー放電分解法等によりケイ素の非晶
質膜を形成したものであって、非晶質ケイ素膜中に水素
原子が取り込まれ、光導電性を呈するものである。非晶
質ケイ素感光体は、感光層の表面硬度が高く、傷付きに
くく、磨耗にも強く、耐熱性も高く、機械的強度に優れ
た上、高い光感度を有するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
非晶質ケイ素感光体は、波長が約400〜700nmの
光に対して高い光感度を有しているものの、波長が70
0nm以上のより長波長光に対して光吸収性が減少し、
その光感度が急激に低下する。最近では、半導体レーザ
を光源としたレーザビームプリンタ用感光体として、8
00nm付近までの長波長に良好な光感度を有する電子
写真感光体が要求されているが、上記非晶質ケイ素感光
体は、この要求を満足することができず、半導体レーザ
プリンタ用として実用に供することができなかった。こ
のため、長波長増感法としてゲルマニウム含有のアモル
ファスシリコンが提案されている(特開昭57−115
552、特開昭58−171043、特開昭61−24
3461)。また、昭57年第49回電子写真学会研究
討論会では、アモルファスシリコンゲルマニウム感光体
にホウ素をドープすることも提案されている。しかし、
電子写真感光体の要求する特性として、高感度、高暗抵
抗であることが望まれるが、このように長波長増感した
ものは、暗抵抗が小さく、また特有の疲労効果を示す。
このような光疲労は、画像濃度の低下をもたらし、ゴー
スト画像を発生したりして画質を劣化させる。また、基
体と光導電層の間に設けられる電荷注入阻止層として
は、帯電極性と反対極性を有する電荷の注入を阻止する
必要があり、一方、光照射時には帯電極性と同じ極性の
電荷を基体側へ流す必要がある。このため、一般的に非
晶質ケイ素感光体においては、正帯電用にはp型を負帯
電用にはn型の層を設けることが考えられるが、水素化
アモルファスシリコンに高濃度の第III 族、第V族元素
をドープして極性を変えた層を基体上に設けた場合に
は、基体とあるいはその上に形成される光導電層との接
着性が悪く、従来、このために第三元素として炭素や窒
素や酸素を含んだ層を設けている。しかしながら、これ
らの第三元素を含んだ場合には、電荷注入阻止能が不十
分であり、特に高電場での阻止能が不十分になる傾向に
あり、暗所での帯電の繰返しにより帯電電位の低下が起
こりやすく、また残留電位が発生する等の問題があっ
た。
【0004】本発明は、このような非晶質ケイ素感光体
における欠点を解消することを目的としてなされたもの
であり、半導体レーザビームプリンタ用感光体として適
用可能な800nm付近までの長波長感度を有する電子
写真感光体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、暗中での帯電性または帯電能が良
好で、かつ光感度の優れた電子写真感光体およびその製
造方法を提供することにある。本発明の更に他の目的
は、耐熱性、化学安定性が高く、かつ耐摩耗性等の機械
的強度が高く、繰返し特性に優れた電子写真感光体およ
びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の問
題点を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、可視光域に高
い光感度を有するアモルファスシリコン層および800
nmまでの長波長域に高い光感度を有するアモルファス
シリコンゲルマニウム層を光導電層として、所定量の第
III 族元素のみまたは窒素のみをドープした水素化アモ
ルファスシリコン層を電荷注入阻止層とする電子写真感
光体は、意外にも、光疲労が少なく、暗減衰が小さく、
かつ休止後のサイクル特性も良好であり、上記した目的
を達成することができることを見出した。同時に、フッ
化ゲルマニウムを用いて上記アモルファスシリコンゲル
マニウム光導電層を形成する際、ゲルマニウムを含む分
子の発光は感光体の特性に影響を与え、特にGeFとG
eF2 の発光帯の相対強度比はプラズマ中の電子密度お
よび電子エネルギーに強く相関しており、水素およびフ
ッ素を含有するアモルファスシリコンゲルマニウム層の
局在準位密度と決定的に相関するため、この発光帯強度
比を制御することによって、優れた光導電特性を得るこ
とができることを見出した。以上のような知見に基づい
て、本発明を完成したものである。
【0006】すなわち、本発明の電子写真感光体は、少
なくとも導電性基体、電荷注入阻止層、光導電層および
表面層を設けた正帯電用電子写真感光体であって、光導
電層が、水素、ハロゲンおよび導電性を制御する周期律
表第III 族元素から選ばれる1種以上の元素を少なくと
も含有するアモルファスシリコンを主体とする層と、水
素、ハロゲンおよび上記第III 族元素を少なくとも含有
するアモルファスシリコンゲルマニウムを主体とする層
とからなり、電荷注入阻止層が、水素および1000p
pm以下の上記第III 族元素のみを含有するアモルファ
スシリコン層からなることを特徴とする。また、本発明
の電子写真感光体は、少なくとも導電性基体、電荷注入
阻止層、アモルファスシリコンを主体とする層とアモル
ファスシリコンゲルマニウムを主体とする層とからなる
上記光導電層および表面層を設けた負帯電用電子写真感
光体であって、電荷注入阻止層が、水素および窒素のみ
を含有し、ケイ素に対する窒素の原子比が0.01〜
0.7であるアモルファスシリコン層からなることを特
徴とする。これらの各電子写真感光体は、その表面層
が、周期律表第III 族元素、第V族元素、炭素、窒素お
よび酸素から選ばれる1種以上の元素を少なくとも含有
するアモルファスシリコンを主体とする層、または炭素
を除く上記1種以上の元素を少なくとも含有し、かつ水
素およびハロゲンの少なくとも1種を50原子%以下含
有するアモルファス炭素を主体とする層、あるいはこれ
らのアモルファスシリコンおよびアモルファス炭素を主
体とする層のいずれかまたは両者を複数層積層したもの
が好ましい。
【0007】さらに、本発明の製造方法は、少なくとも
導電性基体、電荷注入阻止層、光導電層および表面層を
形成してなり、光導電層が、水素、ハロゲンおよび導電
性を制御する周期律表第III 族元素から選ばれる1種以
上の元素を少なくとも含有するアモルファスシリコンを
主体とする層と、水素、フッ素および上記第III 族元素
を少なくとも含有するアモルファスシリコンゲルマニウ
ムを主体とする層とからなる電子写真感光体の製造方法
であって、プラズマ発光における340nmを中心とす
るGeF2 の発光帯の強度がGeFの発光帯の強度より
大きいプラズマ放電法により、上記アモルファスシリコ
ンゲルマニウムを主体とする層を形成することを特徴と
する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。図1〜図
4は本発明の電子写真感光体の縦断面図を示す。図1に
は、導電性基体1上にアモルファスシリコンからなる電
荷注入阻止層2、アモルファスシリコンを主体とする層
3aとアモルファスシリコンゲルマニウムを主体とする
層3bとからなる光導電層3、およびアモルファスシリ
コンまたはアモルファス炭素を主体とする層からなる表
面層4を順次積層した感光体が示されている。図2にお
いては、表面層4がアモルファスシリコンおよび/また
はアモルファス炭素を主体とする層の組み合わせよりな
る層4a、4bおよび4cの3層構造からなる。また、
図3においては、光導電層3が電荷注入阻止層2上に上
記層3bと層3aの順で積層され、表面層4が層4aお
よび4bの2層構造からなる。さらに、図4において
は、光導電層3の層3bが層3aによりサンドウィッチ
された構造からなる。
【0009】本発明において、導電性基体としては、ア
ルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の合
金、導電膜を有するプラスチックシート、導電化処理し
た紙などを用いることができる。中でも、一般にオース
テナイト系ステンレス鋼と称されるCr−Ni含有鋼で
形成されているものが好ましく、その基体表面に少なく
ともモリブデン、クロム、マンガン、タングステンまた
はチタンを主成分とする導電層を形成させたものが更に
好ましく使用される。これらの導電層は、メッキ処理、
スパッタリング法または蒸着法によって形成することが
できる。また、アルミニウム基板上にクロム、チタン、
タングステンまたはモリブデンを主成分として形成され
た導電層を有するものや、モリブデン、タングステンま
たはチタンから構成される導電性基体を用いることもで
きる。導電性基体はその表面が研磨されているものを用
いてもよい。すなわち、バフ研磨、砥石研磨等により、
研磨剤の粗さを粗粒から微粒に変えながら平滑にしたも
のを用いることができる。表面の粗さは、Rs で2〜
0.02Sの範囲が適当であり、好ましくは0.5〜
0.03Sである。表面は、完全鏡面であっても、細い
筋により曇り状になっていてもよいが、全体としては平
滑であって、旋盤切削においては切削ピッチの境界面に
凸状部が残留していないことが必要である。導電性基体
の形状は、円筒状、平板状、エンドレスベルト状等、任
意の形状として用いることが可能である。また、導電性
基体の膜厚は、0.5〜50mmの範囲が適当であり、
好ましくは1〜20mmである。
【0010】導電性基体上には電荷注入阻止層が設けら
れる。本発明においては、電荷注入阻止層は、水素と第
III 族元素または窒素とを含有し、他の元素を実質的に
含有しないアモルファスシリコン層からなる。第III 族
元素または窒素のいずれを含有させるかは、感光体の帯
電極性によって決められるが、第III 族元素を含有する
場合は正帯電用感光体となり、窒素を含有する場合は負
帯電用感光体となる。感光体が正帯電用の場合、アモル
ファスシリコン層中の水素の含有量は1〜50原子%、
第III 族元素の含有量は0.01〜1000ppmの範
囲が適当であり、好ましくは1〜500ppmである。
一方、感光体が負帯電用の場合、アモルファスシリコン
層中の水素の含有量は1〜50原子%の範囲が適当であ
り、窒素の含有量は、ケイ素に対する原子比で0.01
〜0.7の範囲が適当であり、好ましくは0.02〜
0.6である。電荷注入阻止層の膜厚は、0.01〜1
0μmの範囲が適当であり、好ましくは0.1〜10μ
mである。このように、電荷注入阻止層が水素および第
III 族元素または水素および窒素以外の元素を実質的に
含有しないアモルファスシリコン層からなる本発明の電
子写真感光体においては、光疲労が少なく、暗減衰が小
さく、かつ休止後のサイクル特性も良好である。
【0011】本発明の電子写真感光体は、さらにまた、
導電性基体と電荷注入阻止層との間に接着層として作用
する補助層を設けてもよい。補助層は、例えば炭素、窒
素および酸素の少なくとも1種を含有するアモルファス
シリコンよりなることができる。その膜厚は、0.01
〜5μmの範囲が適当であり、好ましくは0.1〜4μ
mである。
【0012】本発明において、電荷注入阻止層上に形成
される光導電層は、水素、ハロゲンおよび第III 族元素
の少なくとも1種を含有するアモルファスシリコンを主
体とする層(以下、a−Si層という)と、水素、ハロ
ゲンおよび第III 族元素を少なくとも含有するアモルフ
ァスシリコンゲルマニウムを主体とする層(以下、a−
SiGe層という)とからなる。a−Si層は可視光域
において高い光感度を有しており、a−SiGe層は特
に750〜800nmの長波長域において高い光感度を
有する。したがって、両者を組み合わせることによって
可視光から800nmまでの長波長域にわたって高い光
感度を示す。両者の積層構造は、通常a−Si層とa−
SiGe層の順であるが、図3、4に示すように、a−
Si層とa−SiGe層を逆の順で積層しても、あるい
はa−SiGe層がa−Si層により挟まれたサンドウ
ィッチ状であってもよい。
【0013】上記a−Si層は、水素およびハロゲンの
少なくとも1種を含有するアモルファスシリコンを主体
として形成され、これに導電性を制御する不純物元素と
してホウ素等の第III 族元素を含有させて、電荷保持性
を高めることが好ましい。このa−Si層の膜厚は1〜
100μmの範囲が好ましい。水素および/またはハロ
ゲンの含有量は3〜40原子%の範囲が適当である。ま
た、第III 族元素の含有量は、感光体の帯電極性、必要
な分光感度によって決定され、0.01〜1000pp
mの範囲が適当である。感光体が正帯電用の場合には
0.1〜1000ppm、負帯電用の場合には0.01
〜100ppmである。このa−Si層には、帯電性の
向上、暗減衰の低減、感度の向上等の目的で、更に炭
素、窒素、酸素等の元素を添加することが可能である。
【0014】上記a−SiGe層は、上記したように、
少なくとも水素およびハロゲンを含み、かつ導電性を制
御する第III 族元素を含む。ケイ素に対するゲルマニウ
ムの原子比は0.01〜1の範囲が好ましい。このa−
SiGe層の膜厚は、0.1〜50μmの範囲が適当で
あり、好ましくは0.5〜20μmである。ハロゲンと
してはフッ素、塩素、臭素等が挙げられ、特にフッ素が
好ましい。このハロゲンは、光導電性の改善のために添
加するもので、単独または混合して1〜50原子%程度
含有させるとよい。また、第III 族元素としてはホウ素
が好ましく、例えば、ケイ素およびゲルマニウムに対す
るホウ素の含有量は、ケイ素およびゲルマニウム量と感
光体の帯電極性により決定されるが、0.01〜100
0ppmの範囲が適当である。特に、感光体が正帯電用
の場合には0.1〜1000ppm、負帯電用の場合に
は0.01〜100ppmである。このa−SiGe層
に第III 族元素を添加しない場合は、暗減衰が大きく、
残留電位の発生、光疲労が大きくなり実用的でない。ま
た、a−SiGe層には、a−Si層の場合と同様の目
的で、更に炭素、窒素および酸素の少なくとも1種を含
有させてもよい。
【0015】本発明において、光導電層上に形成される
表面層は、第III 族元素、第V族元素、炭素、窒素およ
び酸素の少なくとも1種を含有するa−Si層、または
第III 族元素、第V族元素、窒素および酸素の少なくと
も1種を含有するアモルファス炭素を主体とする層(以
下、a−C層という)からなる。表面層が、第III 族元
素および第V族元素の少なくとも1種を含有する場合に
は、感光体の帯電極性に応じて第III 族元素または第V
族元素を選択し、感光体が正帯電用の場合には第V族元
素を、負帯電用の場合には第III 族元素を含有させる。
第V族元素の含有量は0.01〜1000ppmの範囲
で、また第III 族元素の含有量は5〜10000ppm
の範囲で膜厚に応じて適宜設定される。表面層の膜厚
は、0.01〜10μmの範囲が適当であり、好ましく
は0.1〜5μmである。表面層には、炭素、窒素およ
び酸素の少なくとも1種を含有させるのが有効である。
これらの元素の含有量は、炭素の場合1ppm〜99.
9原子%(アモルファス炭素)、窒素の場合1ppm〜
60原子%、酸素の場合1ppm〜60原子%である。
【0016】表面層には水素およびハロゲンの少なくと
も1種を含有させることができる。すなわち、表面層
が、a−Si層の場合は、アモルファスシリコンに水素
および/またはハロゲンを3〜40原子%含有していて
もよい。また、a−C層の場合は、アモルファス炭素に
水素および/またはハロゲンが50原子%以下含有して
いてもよく、5〜50原子%程度が好ましい。この場
合、層中に含まれる多量の水素またはハロゲンは、層中
に鎖状の−CH2 −結合、−C(ハロゲン)2 −結合ま
たは分岐状の−CH3 結合を増加させ、結果として層の
硬度を損なうことになるため、層中の水素および/また
はハロゲンの量は、上記のとおり50原子%以下にする
ことが必要である。a−C層を表面層に設けた場合に
は、高温高湿下における帯電性および画像の繰返し安定
性に優れ、硬い膜が得られるために耐久性に優れた感光
体とすることができる。
【0017】本発明において、表面層は、上記a−Si
層および/またはa−C層が複数層形成されていてもよ
く、図2〜図4はその例を示すものである。例えば、図
2に示すように、表面層がa−Si層からなる3層によ
り形成されている場合、各層における元素の原子比およ
び膜厚は次のような範囲にあるのが好ましい。すなわ
ち、第一の表面層4aは、炭素、窒素または酸素のケイ
素に対する原子比が0.1〜1.0で、膜厚が0.01
〜0.1μmであり、また第二の表面層4bは、炭素、
窒素または酸素のケイ素に対する原子比が0.1〜1.
0で、膜厚が0.05〜1μmであり、さらに第三の表
面層4cは、炭素、窒素または酸素の含有量が第二の表
面層4bにおけるものよりも高く、そのケイ素に対する
原子比が0.5〜1.3で、膜厚が0.01〜0.1μ
mである。
【0018】次に、導電性基体上に前記各層を形成する
方法について説明する。導電性基体上に形成する各層は
いずれも、プラズマ放電法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法、真空蒸着法等の手段によって形成す
ることができる。これらの中でも、プラズマCVD法に
よるグロー放電分解法等のプラズマ放電法が特に好まし
い。その際、原料ガスとしては、電荷注入阻止層、光導
電層および必要に応じて形成される補助層の場合は、ケ
イ素を含む主原料ガスが用いられ、また、表面層の場合
は、ケイ素を含む主原料ガスあるいは炭化水素またはそ
のハロゲン置換体を含む主原料ガスが用いられる。
【0019】グロー放電分解法を例にとってその形成法
を示すと、次のようになる。原料ガスとしては、上記主
原料ガスと必要な添加元素を含む原料ガスの混合ガスを
用いる。必要に応じて、この混合ガスに更に水素ガスあ
るいはヘリウム、アルゴン、ネオン等の不活性ガスをキ
ャリアガスとして混合することができる。グロー放電分
解は直流および交流放電のいずれを採用してもよい。ま
た、成膜条件は、周波数0〜5GHz、反応器内圧10
-5〜10Torr(0.001〜1333Pa)、放電
電力10〜3000W、基体温度30〜400℃であ
り、膜厚は放電時間の調整により適宜設定することがで
きる。
【0020】アモルファスシリコンまたはこれを主体と
する層を形成する場合は、ケイ素を含む主原料ガスとし
て、シラン類、特にSiH4 および/またはSi2 6
が使用される。本発明において、ケイ素を含む主原料ガ
スと混合される原料ガスとしては、水素、ハロゲン、炭
素、窒素(第V族元素の1種)、酸素、第III 族元素、
第V族元素等を含むガスが挙げられる。水素を含む原料
ガスとしては、通常水素ガスが用いられるが、主原料ガ
スおよび/または混合ガス中に水素を含んでいれば、場
合により特に添加しなくてもよい。ハロゲンを含む原料
ガスとしては、SiF4 、SiCl4 、SiHF3 、S
iHCl3 、SiH2 2 、SiH2 Cl2 等を使用す
ることができる。炭素、窒素および酸素を含有させるた
めの原料ガスとしては、炭素を含む原料ガスでは、メタ
ン、エタン、プロパン、アセチレンのような炭化水素、
CF4 、C2 6 のようなハロゲン化炭化水素を用いる
ことができ、窒素を含む原料ガスでは、N2 単体ガス
や、NH3 、N2 4 、HN3 等の水素化窒素化合物の
ガスを用いることができ、さらに、酸素を含む原料ガス
では、O2 、N2 O、CO、CO2 等を用いることがで
きる。第III 族元素を含む原料ガスとしては、B、A
l、Ga、In等を含むガスを使用することができる。
典型的にはジボランB2 6 が挙げられ、その他に水素
化ホウ素アルミニウムAl(BH4 3 等も使用でき
る。また、第V族元素を含む原料ガスとしては、上記の
窒素を含むガスの他に、P、As、Sb等を含むガスを
使用することができる。典型的にはホスフィンPH3
挙げられる。
【0021】少なくとも水素、ハロゲンおよび第III 族
元素を含む前記a−SiGe層を形成するために使用す
ることができるハロゲン化ゲルマニウムとしては、Ge
4、GeCl4 、GeBr4 、GeI4 、GeF2
GeCl2 、GeBr2 、GeI2 、GeHF3 、Ge
2 2 、GeH3 F、GeHCl3 、GeH2
2 、GeH3 Cl、GeHBr3 、GeH2 Br2
GeH3 Br、GeHI3、GeH2 2 、GeH3
等のガスが挙げられる。中でも、GeF4 やGeF2
使用が本発明の実施に際して特に好適であり、それによ
りアモルファスシリコン中にゲルマニウムおよびフッ素
を効果的に含有させることができる。a−SiGe層に
水素を含有させるには、水素ガスを用いるかあるいは上
記したハロゲン化水素化ゲルマニウム含有ガスを用いれ
ばよく、両者の混合ガスを用いることもできる。また、
第III 族元素をa−SiGe層に含有させるには、前記
したように、ジボラン等の第III 族元素含有ガスを混合
すればよい。
【0022】本発明の電子写真感光体の製造方法では、
a−SiGe層をプラズマ放電法により形成する場合、
プラズマの発光スペクトルにおいて、340nmを中心
とするGeFの発光帯よりもGeF2 の発光帯の強度が
強い条件でa−SiGe層を形成することが必要であ
る。GeFの発光帯の強度は低圧力、高電力の放電条件
下で強くなり、逆に、GeF2 の発光帯の強度は比較的
高い圧力、低電力の放電条件下で強くなる。プラズマ放
電法におけるGeFの発光が強くなると、作製した感光
体の暗減衰が大きくなり、また赤外域での光感度が低下
する。なお、GeFおよびGeF2 の発光帯は、図5、
6に示すように明確に区別できる。
【0023】a−C層を形成する主原料としては次のよ
うなものが使用される。すなわち、主体となる炭素の原
料としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペン
タン等の一般式Cn 2n+2で示されるパラフィン系炭化
水素、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン等の
一般式Cn 2nで示されるオレフィン系炭化水素、アセ
チレン、アリレン、ブチン等の一般式Cn 2n-2で示さ
れるアセチレン系炭化水素などの直鎖状または分岐状の
脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等の脂環式炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、
アントラセン等の芳香族炭化水素、あるいはこれらの炭
化水素置換体が挙げられる。また、a−C層にハロゲン
を含有させる場合は、例えば、四塩化炭素、クロロホル
ム、四フッ化炭素、トリフルオロメタン、クロロトリフ
ルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ブロモトリ
フルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロプ
ロパン等のハロゲン化炭化水素を用いることができる。
さらに、必要に応じて炭化水素またはそのハロゲン置換
体を含む主原料ガスと混合される原料ガスとしては、前
述した窒素、酸素、第III 族元素、第V族元素等を含む
ガスが挙げられる。
【0024】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して、本発明
をさらに詳細に説明する。 実施例1 基体として厚さ4mmのアルミニウム製円筒状基体を使
用し、この基体上にp型の電荷注入阻止層、光導電層お
よびアモルファス窒化シリコンの2層構造からなる膜厚
0.4μmの表面層を順次設けた正帯電用電子写真感光
体を、次のようにして作製した。反応器内を十分に排気
し、次いで、シラン、水素およびジボランの混合ガスを
導入してグロー放電分解することにより、上記円筒状基
体上に膜厚2μmの電荷注入阻止層を形成した。その際
の成膜条件は次のとおりであった。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%水素ガス流量:90cm3 /min 200ppm水素希釈ジボランガス流量:90cm3
min 反応器内圧:133.32Pa(1.0Torr) 放電電力:200W 放電時間:60min 放電周波数:13.56MHz 基体温度:250℃ なお、以下の各層の成膜条件における放電周波数および
基体温度は上記の値に固定した。
【0025】電荷注入阻止層の形成後、反応器内を十分
に排気し、次いで、シラン、水素およびジボランの混合
ガスを導入してグロー放電分解することにより、電荷注
入阻止層上に膜厚20μmの第一の光導電層を形成し
た。その際の成膜条件は次のとおりであった。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%水素ガス流量:162cm3 /min 20ppm水素希釈ジボランガス流量:18cm3 /m
in 反応器内圧:133.32Pa(1.0Torr) 放電電力:300W 放電時間:200min
【0026】引き続いて、シラン、四フッ化ゲルマニウ
ム、水素およびジボランの混合ガスを導入してグロー放
電分解することにより、第一の光導電層上に膜厚2.0
μmの第二の光導電層を形成した。その際の成膜条件は
次のとおりであった。 100%シランガス流量:160cm3 /min 100%四フッ化ゲルマニウムガス流量:20cm3
min 100%水素ガス流量:160cm3 /min 20ppm水素希釈ジボランガス流量:20cm3 /m
in 反応器内圧:133.32Pa(1.0Torr) 放電電力:300W 放電時間:30min 成膜時のプラズマ発光スペクトルにおいて、340nm
を中心とするGeF2の発光強度はGeFの5倍であっ
た。
【0027】光導電層の形成後、反応器内を十分に排気
し、次いで、シラン、水素およびアンモニアの混合ガス
を導入してグロー放電分解することにより、光導電層上
に膜厚0.15μmの第一の表面層を形成した。その際
の成膜条件は次のとおりであった。 100%シランガス流量:20cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 100%アンモニアガス流量:30cm3 /min 反応器内圧:66.66Pa(0.5Torr) 放電電力:50W 放電時間:30min
【0028】第一の表面層の形成後、反応器内を十分に
排気し、次いで、シラン、水素およびアンモニアの混合
ガスを導入してグロー放電分解することにより、第一の
表面層上に膜厚0.25μmの第二の表面層を形成し
た。その際の成膜条件は次のとおりであった。 100%シランガス流量:24cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 100%アンモニアガス流量:36cm3 /min 反応器内圧:66.66Pa(0.5Torr) 放電電力:50W 放電時間:40min
【0029】以上のようにして作製された電子写真感光
体の波長780nmにおける半減露光感度(半減露光量
の逆数)は0.2×107 cm2 /J(0.2cm2
erg)であり、残留電位は20Vであった。また、帯
電、露光、イレーズの各工程を繰返したところ、電気諸
特性に変化がなく、安定に行うことができた。この電子
写真感光体を正帯電用レーザビームプリンタ(XP−
9;富士ゼロックス社製)に装着して画像評価を行った
ところ、解像度に優れ、画像濃度にムラのない画像が得
られた。暗減衰はa−SiGe光導電層を形成しないも
のと比べて変化がなかった。また、1週間放置後のサイ
クル特性も良好であった。
【0030】実施例2 実施例1と同じ基体上にn型の電荷注入阻止層、光導電
層およびアモルファス炭化シリコンからなる表面層を順
次設けた負帯電用電子写真感光体を、次のようにして作
製した。反応器内を十分に排気し、次いで、シラン、水
素およびアンモニアの混合ガスを導入してグロー放電分
解することにより、上記基体上に膜厚1.0μmの電荷
注入阻止層を形成した。その際の成膜条件は次のとおり
であった。 100%シランガス流量:20cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 100%アンモニアガス流量:20cm3 /min 反応器内圧:66.66Pa(0.5Torr) 放電電力:100W 放電時間:30min なお、成膜されたアモルファスシリコンにおけるケイ素
に対する窒素の原子比は0.6であった。
【0031】電荷注入阻止層の形成後、反応器内を十分
に排気し、次いで、シラン、水素およびジボランの混合
ガスを導入してグロー放電分解することにより、電荷注
入阻止層上に膜厚20μmの第一の光導電層を形成し
た。その際の成膜条件は次のとおりであった。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%水素ガス流量:178cm3 /min 20ppm水素希釈ジボランガス流量:2cm3 /mi
n 反応器内圧:133.32Pa(1.0Torr) 放電電力:300W 放電時間:200min
【0032】引き続いて、シラン、四フッ化ゲルマニウ
ム、水素およびジボランの混合ガスを導入してグロー放
電分解することにより、第一の光導電層上に膜厚2.0
μmの第二の光導電層を形成した。その際の成膜条件は
次のとおりであった。 100%シランガス流量:150cm3 /min 100%四フッ化ゲルマニウムガス流量:30cm3
min 100%水素ガス流量:178cm3 /min 20ppm水素希釈ジボランガス流量:2cm3 /mi
n 反応器内圧:133.32Pa(1.0Torr) 放電電力:300W 放電時間:30min 成膜時のプラズマ発光スペクトルにおいて、340nm
を中心とするGeF2の発光強度はGeFの7倍であっ
た。
【0033】光導電層の形成後、反応器内を十分に排気
し、次いで、シラン、エチレンおよびジボランの混合ガ
スを導入してグロー放電分解することにより、光導電層
上に膜厚0.3μmのアモルファス炭化シリコンからな
る表面層を形成した。その際の成膜条件は次のとおりで
あった。 100%シランガス流量:50cm3 /min 100%エチレンガス流量:50cm3 /min 200ppm水素希釈ジボランガス流量:150cm3
/min 反応器内圧:133.32Pa(1.0Torr) 放電電力:300W 放電時間:30min
【0034】以上のようにして作製された電子写真感光
体の波長780nmにおける半減露光感度は帯電電位−
500Vの時に0.3×107 cm2 /J(0.3cm
2 /erg)であり、残留電位は20Vであり、帯電電
位および残留電位共に繰返しに対して安定していた。ま
た、暗減衰は、a−SiGe光導電層を形成しないもの
と比べて変化がなく、小さくて良好であった。この電子
写真感光体を負帯電用レーザビームプリンタ(XP−1
1;富士ゼロックス社製)に装着して画像評価を行った
ところ、解像度に優れ、画像濃度にムラのない鮮明な画
像が得られた。また、1週間放置後のサイクル特性も良
好であった。
【0035】実施例3 実施例2で形成した表面層上に第二の表面層として、ア
モルファス炭素層を形成した以外は、実施例2と同じ条
件で電子写真感光体を作製した。その際の成膜条件は次
のとおりであった。 100%エチレンガス流量:100cm3 /min 反応器内圧:40.00Pa(0.3Torr) 放電電力:800W 放電時間:30min この電子写真感光体について高温高湿下(30℃、RH
85%)で繰返し帯電電位を測定したところ、1万回後
も初期と同じ電位が得られた。また、高温高湿下で負帯
電用レーザビームプリンタで1万枚コピーの画像評価を
行ったところ、良好な画像が得られ、更に50万枚コピ
ー後も傷の発生がみられなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、光導電層
が、水素、ハロゲンおよび導電性を制御する第III 族元
素の少なくとも1種を含有するa−Si層と水素、ハロ
ゲンおよび第III 族元素を少なくとも含有するa−Si
Ge層とからなり、電荷注入阻止層が、特定量以下の第
III 族元素のみまたはケイ素に対して特定範囲の原子比
で窒素のみをドープした水素化アモルファスシリコン層
からなる。この結果、800nmまでの長波長域におけ
る光感度が高くて、半導体レーザビームプリンタ用感光
体として十分に適用可能である。また、感光体の光疲労
が少なく、暗減衰が小さいだけでなく、ドープされてい
る電荷注入阻止層を設けた従来の感光体では、休止後の
サイクル特性が悪化するという問題を生じていたが、本
発明では、休止後のサイクル特性も良好である。しか
も、複写操作の繰返し安定性にも優れている。一方、本
発明の電子写真感光体の製造方法は、プラズマ発光にお
ける340nmを中心とするGeF2 の発光帯の強度が
GeFの発光帯の強度より大きい放電条件下に、上記a
−SiGe層を形成するものである。この製造方法によ
れば、感光体の暗減衰が小さく、長波長域における光感
度が高くなる。また、GeF4やGeF2 等のフッ化ゲ
ルマニウムを原料として用いると、アモルファスシリコ
ン層中にゲルマニウムおよびフッ素を効果的に含有させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の縦断面図を示す。
【図2】 本発明の電子写真感光体の他の縦断面図を示
す。
【図3】 本発明の電子写真感光体の別の縦断面図を示
す。
【図4】 本発明の電子写真感光体の更に別の縦断面図
を示す。
【図5】 四フッ化ゲルマニウムのプラズマCVDにお
けるGeFの相対発光強度を示すスペクトル図である。
【図6】 四フッ化ゲルマニウムのプラズマCVDにお
けるGeF2 の相対発光強度を示すスペクトル図であ
る。
【符号の説明】
1…導電性基体、2…電荷注入阻止層、3…光導電層、
4…表面層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性基体、電荷注入阻止
    層、光導電層および表面層を設けた正帯電用電子写真感
    光体において、光導電層が、水素、ハロゲンおよび導電
    性を制御する周期律表第III 族元素から選ばれる1種以
    上の元素を少なくとも含有するアモルファスシリコンを
    主体とする層と、水素、ハロゲンおよび上記第III 族元
    素を少なくとも含有するアモルファスシリコンゲルマニ
    ウムを主体とする層とからなり、電荷注入阻止層が、水
    素および1000ppm以下の上記第III 族元素のみを
    含有するアモルファスシリコン層からなることを特徴と
    する正帯電用電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 表面層が、周期律表第III 族元素、第V
    族元素、炭素、窒素および酸素から選ばれる1種以上の
    元素を少なくとも含有するアモルファスシリコンを主体
    とする層、または上記第III 族元素、第V族元素、窒素
    および酸素から選ばれる1種以上の元素を少なくとも含
    有し、かつ水素およびハロゲンの少なくとも1種を50
    原子%以下含有するアモルファス炭素を主体とする層、
    あるいはこれらのアモルファスシリコンおよびアモルフ
    ァス炭素を主体とする層のいずれかまたは両者を複数層
    積層したことを特徴とする請求項1記載の正帯電用電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】 少なくとも導電性基体、電荷注入阻止
    層、光導電層および表面層を設けた負帯電用電子写真感
    光体において、光導電層が、水素、ハロゲンおよび導電
    性を制御する周期律表第III 族元素から選ばれる1種以
    上の元素を少なくとも含有するアモルファスシリコンを
    主体とする層と、水素、ハロゲンおよび上記第III 族元
    素を少なくとも含有するアモルファスシリコンゲルマニ
    ウムを主体とする層とからなり、電荷注入阻止層が、水
    素および窒素のみを含有し、ケイ素に対する窒素の原子
    比が0.01〜0.7であるアモルファスシリコン層か
    らなることを特徴とする負帯電用電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 表面層が、周期律表第III 族元素、第V
    族元素、炭素、窒素および酸素から選ばれる1種以上の
    元素を少なくとも含有するアモルファスシリコンを主体
    とする層、または上記第III 族元素、第V族元素、窒素
    および酸素から選ばれる1種以上の元素を少なくとも含
    有し、かつ水素およびハロゲンの少なくとも1種を50
    原子%以下含有するアモルファス炭素を主体とする層、
    あるいはこれらのアモルファスシリコンおよびアモルフ
    ァス炭素を主体とする層のいずれかまたは両者を複数層
    積層したことを特徴とする請求項3記載の負帯電用電子
    写真感光体。
  5. 【請求項5】 原料としてフッ化ゲルマニウムを用い
    て、アモルファスシリコンゲルマニウムを主体とする層
    を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の正帯電用または負帯電用電子写真感光体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 少なくとも導電性基体、電荷注入阻止
    層、光導電層および表面層を形成してなり、光導電層
    が、水素、ハロゲンおよび導電性を制御する周期律表第
    III 族元素から選ばれる1種以上の元素を少なくとも含
    有するアモルファスシリコンを主体とする層と、水素、
    フッ素および上記第III 族元素を少なくとも含有するア
    モルファスシリコンゲルマニウムを主体とする層とから
    なる電子写真感光体の製造方法において、プラズマ発光
    における340nmを中心とするGeF2 の発光帯の強
    度がGeFの発光帯の強度より大きいプラズマ放電法に
    より、上記アモルファスシリコンゲルマニウムを主体と
    する層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製
    造方法。
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