JPH06336515A - 熱可塑性ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタンの製造方法

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JPH06336515A
JPH06336515A JP5126388A JP12638893A JPH06336515A JP H06336515 A JPH06336515 A JP H06336515A JP 5126388 A JP5126388 A JP 5126388A JP 12638893 A JP12638893 A JP 12638893A JP H06336515 A JPH06336515 A JP H06336515A
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dihydroxy compound
reaction
diisocyanate
mol
thermoplastic polyurethane
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JP5126388A
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English (en)
Inventor
Takeharu Morita
健晴 森田
Akihiro Niki
章博 仁木
Toranosuke Saito
寅之助 斉藤
Hironori Kadomachi
博記 角町
Daishirou Kishimoto
大志郎 岸本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Sanko Co Ltd
Original Assignee
Sanko Chemical Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度に優れた熱可塑性ポリウレタンを
製造する方法を、提供する。 【構成】 下記一般式〔I〕で表されるジヒドロキシ化
合物(A)と、2個のヒドロキシ基を有し、数平均分子
量が300から10,000であり、かつガラス転移温
度が20℃以下であるポリマー(B)と、ジイソシアネ
ート(C)と、下記一般式〔I〕以外のジヒドロキシ化
合物(D)とを主な構成成分とする熱可塑性ポリウレタ
ンの製造方法。上記ポリマー(B)とイソシアネート
(C)とを反応させた後、その生成物に上記ジヒドロキ
シ化合物(A)を加えて反応させ、その後、上記ジヒド
ロキシ化合物(D)を加えて反応させることを特徴とす
る。 【化1】 (式中、R1およびR2は独立してアルキレン基を示し、
pは3または4であり、そしてqおよびrは独立して0
または1以上の整数を示す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ポリウレタン
の製造方法に関し、さらに詳しくは、ゴム弾性を有し、
かつ柔軟性および機械的強度に優れた熱可塑性エラスト
マーとして有用なポリウレタンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは、文献(例えば、プラス
チックエージ 1985年5月号、p.96)に記載の
ように、常温でゴム弾性を有し、しかも成形可能である
ため、各種工業用品に広く用いられている。ポリウレタ
ンは耐摩耗性および機械的強度に優れた樹脂であるが、
これらの特性はポリマー鎖中に含まれるハードセグメン
ト部分の水素結合等の物理的拘束に由来する。従って、
耐熱性はハードセグメントの軟化溶融点に依存するた
め、一般的に低い。耐熱性を高めようとする場合には、
ハードセグメントの含有割合を多くすれば良いが、この
場合得られる成形体は、室温および低温での硬さが増す
ために柔軟性が低下してしまう。
【0003】特開平2−156266号公報には、上式
〔I〕で示されるジヒドロキシ化合物(a)と、ポリエ
ーテル(b)と、トリレンジイソシアネートなどのジイ
ソシアネート(c)とを主な構成成分とする熱可塑性ポ
リウレタンが開示されている。このポリウレタンは、
(a)に基づくハードセグメントの凝集力が非常に強い
ため、耐熱性および機械的強度に優れ、かつ室温および
低温での柔軟性に優れた熱可塑性エラストマーである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記熱可塑性エラスト
マーは、機械的強度に優れているが、さらに高い強度を
必要とする用途への応用は困難であった。
【0005】本発明は、上記の点を解決しようとするも
のであり、各構成成分の重合組成および重合条件を適性
化することにより、ポリマーの重合度を向上させ、機械
的強度に優れた熱可塑性ポリウレタンを製造する方法を
提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性ポリウ
レタンの製造方法は、下記一般式〔I〕で表されるジヒ
ドロキシ化合物(A)と、2個のヒドロキシ基を有し、
数平均分子量が300から10,000であり、かつガ
ラス転移温度が20℃以下であるポリマー(B)と、ジ
イソシアネート(C)と、下記一般式〔I〕以外のジヒ
ドロキシ化合物(D)とを主な構成成分とする熱可塑性
ポリウレタンの製造方法であって、該ポリマー(B)お
よび該イソシアネート(C)を反応させた後、その生成
物に該ジヒドロキシ化合物(A)を加えて反応させ、そ
の後、該ジヒドロキシ化合物(D)を加えて反応させる
ことを特徴とする。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1およびR2は独立してアルキレ
ン基を示し、pは3または4であり、そしてqおよびr
は独立して0または1以上の整数を示す)。
【0009】次に本発明を詳しく説明する。
【0010】本発明に用いられるジヒドロキシ化合物
(A)は、上記一般式〔I〕で表されるジヒドロキシ化
合物である。上記一般式〔I〕で表されるジヒドロキシ
化合物は、液晶性を示す低分子化合物であって、アルキ
レン基R1およびR2は独立してエチレン基またはプロピ
レン基が好ましく、qおよびrは独立して0または1が
好ましい。上記ジヒドロキシ化合物としては、例えば下
記式〔II〕で表される4,4’’’−ジヒドロキシ−p
−クォーターフェニル、下記式〔III〕で表される4,
4’’’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォー
ターフェニルなどが好適に使用される。
【0011】
【化3】
【0012】上記一般式〔I〕で表されるジヒドロキシ
化合物は、パラフェニレン骨格を有する剛直性の低分子
化合物であり、その特徴を有する分子構造を反映してこ
れらの化合物の融点は極めて高い。さらにパラフェニレ
ン骨格は低分子液晶化合物のメソゲンとして有効である
ことが知られており、これは該骨格が固体状態のみなら
ず高温状態(溶融状態)においても、強い凝集力を有し
ていることを示すものである。従って、上記ヒドロキシ
化合物をポリマー末端またはポリマー分子内に組み込ん
だ場合、非常に強固で耐熱性の高い物理的架橋をもたら
し、耐熱性に優れた熱可塑性エラストマーが生成する。
【0013】本発明に用いられるポリマー(B)として
は、例えば、分子内に2個のヒドロキシ基を有するポリ
エーテル、ポリラクトン、ポリカーボネート、ポリシロ
キサン、ポリオレフィン、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、ポリスチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン、
ポリアクリレート、ポリフッ化ビニリデンなどのホモポ
リマーまたはコポリマーが挙げられ、これらは単独で使
用されてもよく、2種類以上を併用してもよい。上記ポ
リオレフィンとしては、以下に示す3成分のうちの少な
くとも1種を構成成分とするものが好ましい。
【0014】
【化4】
【0015】上記ポリマー(B)の数平均分子量は、小
さくなりすぎると生成するポリウレタンに柔軟性を付与
する能力が低下し、大きくなりすぎると上記ジヒドロキ
シ化合物(A)との反応性が低下して生成するポリウレ
タンの分子量が上がらないため、機械的強度などの物性
が低下し、好ましくない。ポリマー(B)の数平均分子
量は、300〜10,000である必要があり、好まし
くは500〜5,000である。特に好ましくは、80
0〜2,000である。
【0016】上記ポリマー(B)のガラス転移温度(T
g)は、20℃以下である必要があり、好ましくは0℃
以下であり、より好ましくは−20℃以下である。ポリ
マー(B)のTgが20℃より高い場合には、生成する
ポリウレタンの室温での硬度が高くなり、ゴムとしての
性質が劣る。
【0017】本発明に用いられるジイソシアネート
(C)としては、芳香族ジイソシアネートおよび脂肪族
ジイソシアネートのいずれも使用することができる。
【0018】上記芳香族ジイソシアネートとしては、例
えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシネート、ト
リレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート
などが挙げられる。
【0019】上記脂肪族ジイソシアネートとしては、例
えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−プ
ロピレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシア
ネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4−シ
クロヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0020】上記ジイソシアネート(C)のイソシアネ
ート基濃度は、熱可塑性ポリウレタンの重合度を上げる
ために、ジヒドロキシ化合物(A)、ポリマー(B)お
よびジイソシアネート(C)に含まれる全水酸基濃度の
1.1〜2.0倍であることが好ましい。より好ましく
は1.1〜1.7倍であり、さらにより好ましくは1.
1〜1.5倍である。上記イソシアネート基濃度が上記
全水酸基濃度の1.1倍未満、および2.0倍を超える
場合には、生成するポリウレタンの分子量が十分に上が
らないため、そのポリウレタンから得られる成形体の機
械的強度が劣る傾向にある。
【0021】本発明に用いられる上式〔I〕以外のジヒ
ドロキシ化合物(D)としては、種々の芳香族ジオール
または脂肪族ジオールを使用することができる。
【0022】上記芳香族ジオールとしては、ヒドロキノ
ン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキ
ノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メ
トキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノ
ールA、1,1−ジ(4-ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,2−ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)
エタン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、2,6−ジ
ヒドロキシナフタリンなどが挙げられる。これらは単独
で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0023】上記脂肪族ジオールとしては、グリコール
およびポリアルキレングリコールが挙げられる。上記グ
リコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−
ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9
−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、シクロ
ペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2
−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シク
ロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノールなどがあげられ、これらは単独で使用
されてもよく、二種以上が併用されてもよい。上記ポリ
アルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられ
る。
【0024】本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造方法
は、第一段階として上記ポリマー(B)とジイソシアネ
ート(C)とを反応させた後、第二段階としてその反応
生成物にジヒドロキシ化合物(A)を加えて反応させ、
第三段階として上記ジヒドロキシ化合物(D)を加えて
反応させるものである。ジヒドロキシ化合物(A)を重
合反応の第一段階に加えると、ジヒドロキシ化合物
(A)の反応性が低いために、重合度の高い熱可塑性ポ
リウレタンを得ることができない。ジヒドロキシ化合物
(A)および(D)を第二段階で一括して添加して反応
させると、(A)の反応性が(D)よりも低いためにポ
リマー中へのジヒドロキシ化合物(A)の導入率が下が
り、分子量の高い熱可塑性ポリウレタンを得ることがで
きない。また、ジヒドロキシ化合物(D)をジヒドロキ
シ化合物(A)よりも早く反応系に加えると、(A)の
反応率が低いためにポリマー中へのジヒドロキシ化合物
(A)の導入率が下がり、分子量の高い熱可塑性ポリウ
レタンを得ることができない。
【0025】上記第一段階から第三段階の重合反応は、
攪拌羽根、原料投入口、窒素口または減圧口を備えた、
内側がガラスまたはステンレスなどの金属からなる、室
温〜300℃の温度範囲で温度制御が可能な反応釜、も
しくは、ニーダーなどの混練機または押し出し機中で合
成することができ、モノマーに対する溶解力が大きく、
かつ反応に不活性な溶媒中で行うことができる。このよ
うな溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドン、ジフェニルスルホン、N,N’−ジメチル
イミダゾリンなどが挙げられる。
【0026】上記のように不活性な溶媒中で重合反応を
行う場合には、重合反応温度は、約150℃以下である
ことが好ましい。重合反応温度が150℃を超える場合
には、ジイソシアネート(C)が一部分解し、得られる
ポリウレタンから得られる成形体の機械的強度が不十分
となり、好ましくない。重合の各段階(第一段階〜第三
段階)の反応時間は、1〜10時間であることが好まし
い。反応時間が1時間未満の場合には、反応が十分に進
行しない恐れがあり、反応時間が10時間を超える場合
には、得られる生成物が分解する恐れがあり、好ましく
ない。
【0027】上記重合反応は、溶媒を用いずに、例え
ば、上記の反応釜、もしくはニーダーなどの混練機また
は押し出し機中で行うこともできる。
【0028】このように溶媒を用いずに重合反応を行う
場合には、重合反応温度は60〜300℃が好ましく、
さらに好ましくは100〜280℃である。ジヒドロキ
シ化合物(A)が他の成分に十分に溶解し、かつ生成物
が分解しないためには、200〜260℃が特に好まし
い。この温度範囲では、反応系は不透明であり、ジヒド
ロキシ化合物(A)が十分に溶解していないと思われる
が、反応は進行する。重合反応温度が60℃より低い温
度の場合には、ジヒドロキシ化合物(A)がその他の成
分に溶解しにくく、反応が進まない。重合反応温度が3
00℃より高い場合には、生成物が分解し、得られる成
形体の機械的強度が不十分である。
【0029】重合の各段階(第一段階〜第三段階)の反
応時間は2分〜2時間が好ましい。重合反応時間が2分
未満の場合には反応が十分に進行せず、反応時間が2時
間を超える場合には生成物が分解する。より好ましくは
5〜30分間であり、特に好ましくは10〜20分間で
ある。
【0030】上述の反応は、窒素、アルゴン、キセノン
などの不活性気体中で行うのが好ましい。このような不
活性気体中で反応を行うことは、生成物の分解を抑制す
るのに有効である。
【0031】本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造方法
においては、触媒を使用することができる。好ましい触
媒としては、ジアシル第一錫、テトラアシル第二錫、ジ
ブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチ
ル錫マレート、錫ジオクタノエート、錫テトラアセテー
ト、スタナスオクトエート、トリエチレンアミン、ジエ
チレンアミン、トリエチルアミン、ナフテン酸金属塩、
オクチル酸金属塩、トリイソブチルアルミニウム、テト
ラブチルチタネート、酢酸カルシウム、二酸化ゲルマニ
ウム、および三酸化アンチモンが挙げられる。これらの
触媒は二種以上併用してもよい。
【0032】熱可塑性ポリウレタンの製造時または製造
後に、その実用性を失わない範囲で、さらに以下の添加
剤が添加されてもよい: (1)無機繊維:ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、炭
化けい素繊維、アルミナ繊維、アモルファス繊維、シリ
コン・チタン・炭素系繊維など。 (2)有機繊維:アラミド繊維など。 (3)無機充填剤:炭酸カルシウム、酸化チタン、マイ
カ、タルクなど。 (4)熱安定剤:トリフェニルホスファイト、トリラウリ
ルホスファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p
−ノニルフェニル)ホスファイトなど。 (5)難燃剤:ヘキサブロモシクロドデカン、トリス−
(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタブ
ロモフェニルアリルエーテルなど。 (6)紫外線吸収剤:p−t−ブチルフェニルサリシレー
ト、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾ
フェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン
など。 (7)酸化防止剤:ブチルヒドロキシアニソール、ブチル
ヒドロキシトルエン、ジステアリルチオジプロピオネー
ト、ジラウリルチオジプロピオネートなど。 (8)帯電防止剤:N、N−ビス(ヒドロキシエチル)ア
ルキルアミン、アルキルアリルスルホネート、アルキル
スルファネートなど。 (9)結晶化促進剤:硫酸バリウム、アルミナ、酸化珪素
などの無機物;ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
バリウム、パルミチン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸
塩;ベンジルアルコール、ベンゾフェノンなどの有機化
合物。
【0033】本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造方法
で得られたポリウレタンは、他の熱可塑性樹脂、例えば
ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエ
ステルなどと混合するか、あるいはゴム成分と混合する
ことにより、その性質を改質して使用してもよい。
【0034】本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造方法
で得られたポリウレタンは、プレス成形、押出成形、射
出成形、ブロー成形などを行うことにより成形体とな
る。成形体の物性は、その構成成分および各構成成分の
混合割合により任意に変化し得る。ポリウレタンを熱可
塑性エラストマーとして調製した場合には、成形体はブ
ーツ類(CVJブーツ、ラックアンドピニオンブーツな
ど)、自動車部品(キャニスター、サイドモール、エア
ダクトホース、クーラントホース、タイヤなど)、機械
・工業部品(油圧ホース、シンナーチューブ、印刷用ロ
ール、防震ゴムなど)、電気・電子部品材料(ラバース
イッチ、電線被覆材料、変圧器絶縁材料、スピーカーエ
ッジなど)、シート・フィルム類(ガスバリアフィル
ム、IC保護フィルム)、塗料、接着剤、医療材料(胃
カメラの被覆材料など)、スポーツ用品などに用いるこ
とができる。
【0035】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。以下の実施例および比較例において用いられる各物
性の測定方法を以下に示す。
【0036】<引張試験>JIS−K7311に基づ
き、室温(23℃)での破断強度および破断伸びを測定
した。
【0037】<表面硬度>ASTM D2240に準拠
し、Dタイプデュロメーターにて測定した。
【0038】(実施例1)数平均分子量約2000の水
酸基末端ポリオレフィン(三菱化成(株)社製、ポリテ
ールHA、Tg:−56℃)200g(0.1モル)
と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート11
0.4g(0.44モル、〔NCO〕/〔OH〕=1.
1)とを、攪拌羽根、原料投入口、および窒素導入口ま
たは減圧口を備えた、内壁がガラスからなり、室温〜3
00℃の温度範囲で温度調節可能な反応釜に加え、80
℃で1時間反応させた。その後、下式(II)で示される
4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
50.7g(0.15モル、13.5重量%)を30m
lのジメチルスルホキシドに100℃で溶解させた溶液
を加え、120℃で60分間反応させた後、さらに1,
4−ブタンジオール(BG)13.5g(0.15モ
ル)を加えて120℃で60分間反応させた。反応の進
行と共に粘稠な乳白色の流動体が得られた。その後、減
圧ポンプを用いて、ジメチルスルホキシドを除去し、白
色固体の生成物を得た。得られた生成物を用いてプレス
成形により、10mm×10mm(厚み2mm)の成形
体を作製した。得られた成形体は室温で柔軟性を有する
ものであった。この成形体の破断強度、破断伸びおよび
表面硬度を上記の方法を用いて測定した。
【0039】
【化5】
【0040】(実施例2)数平均分子量2000の水酸
基末端ポリエーテル(BASF社製、PolyTHF2
000、Tg:−54℃)200g(0.1モル)と、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート110.
4g(0.44モル、〔NCO〕/〔OH〕=1.1)
とを、実施例1と同様の反応釜に加え、80℃で1時間
反応させた。その後、上式(II)で示される4,
4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル3
3.8g(0.1モル、9.3重量%)を30mlのジ
メチルスルホキシドに100℃で溶解させた溶液を加
え、120℃で60分間反応させた後、さらに1,4−
ブタンジオール(BG)18.0g(0.2モル)を加
えて120℃で60分間反応させた。反応の進行と共に
粘稠な乳白色の流動体が得られた。その後、実施例1と
同様にして、白色固体の生成物を得、得られた生成物を
用いて成形体を作製し、実施例1と同様の試験を行っ
た。得られた成形体は室温で柔軟性を有するものであっ
た。
【0041】(実施例3)数平均分子量1250の水酸
基末端ポリラクトン(UCC社製、TONE0230、
Tg:−47℃)20kg(16モル)と、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート8.8kg(32.
3モル、〔NCO〕/〔OH〕=1.1)とを、攪拌羽
根、原料投入口、および窒素導入口または減圧口を備え
た、内壁がステンレスからなり、室温〜300℃の温度
範囲で温度調節可能な反応釜に加え、80℃で1時間反
応させた。その後、上式(II)で示される4,4’’’
−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル2.37kg
(7.0モル、7.4重量%)を30リットルのジメチ
ルスルホキシドに100℃で溶解させた溶液を加え、1
20℃で60分間反応させた後、さらに1,4−ブタン
ジオール(BG)0.18kg(9.0モル)を加えて
120℃で60分間反応させた。反応の進行と共に粘稠
な乳白色の流動体が得られた。その後、減圧ポンプを用
いて、ジメチルスルホキシドを除去し、白色固体の生成
物を得た。生成したポリマー100重量部に対して、添
加剤としてポリカルボジイミド2重量部を加え、二軸押
出機を用い、200℃で押し出し、樹脂組成物を得た。
【0042】得られた組成物を一軸押出機を用いて、内
径10mm、外径14mmのホース金型を用いて押し出
し、ホースを成形した。成形温度は、金型温度195
℃、バレル部分は、ホッパー側170〜175℃、中間
部および先端部185〜190℃とした。得られた成形
体は室温で柔軟性を有するものであった。
【0043】一方、上記で得られた樹脂組成物を実施例
1と同様にして成形体を作製し、実施例1と同様の試験
を行った。
【0044】(比較例1)実施例1と同様のポリオレフ
ィン200g(0.1モル)および4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート110.4g(0.44モ
ル、〔NCO〕/〔OH〕=1.1)に、上式(II)で
示される4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーター
フェニル50.7g(0.15モル、13.5重量%)
および1,4−ブタンジオール(BG)13.5g
(0.15モル)を30mlのジメチルスルホキシドに
100℃で溶解させた溶液を、実施例1と同様の反応釜
に加え、120℃で3時間反応させた。反応の進行と共
に粘稠な乳白色の流動体が得られた。その後、実施例1
と同様にして、白色固体の生成物を得、得られた生成物
を用いて成形体を作製し、実施例1と同様の試験を行っ
た。得られた成形体は室温で脆いものであった。
【0045】(比較例2)実施例2と同様のポリエーテ
ル200g(0.1モル)および4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート110.4g(0.44モル、
〔NCO〕/〔OH〕=1.1)に、上式(II)で示さ
れる4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェ
ニル33.8g(0.1モル、9.3重量%)および
1,4−ブタンジオール(BG)18.0g(0.2モ
ル)を30mlのジメチルスルホキシドに100℃で溶
解させた溶液を、実施例1と同様の反応釜に加え、12
0℃で3時間反応させた。反応の進行と共に粘稠な乳白
色の流動体が得られた。その後、実施例1と同様にし
て、白色固体の生成物を得、得られた生成物を用いて成
形体を作製し、実施例1と同様の試験を行った。得られ
た成形体は室温で柔軟性を有するものであった。
【0046】(比較例3)実施例3と同様のポリラクト
ン20kg(16モル)および4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート8.8kg(32.3モル、〔N
CO〕/〔OH〕=1.1)に、上式(II)で示される
4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
2.37kg(7.0モル、7.4重量%)および1,
4−ブタンジオール(BG)0.18g(9.0モル)
を30リットルのジメチルスルホキシドに100℃で溶
解させた溶液を、実施例3と同様の反応釜に加え、12
0℃で3時間反応させた。反応の進行と共に粘稠な乳白
色の流動体が得られた。その後、実施例3と同様にし
て、白色固体の生成物を得、得られた生成物を用いてプ
レス成形により、10mm×10mm(厚み2mm)の
成形体を作製し、実施例1と同様の試験を行った。得ら
れた成形体は室温で脆いものであった。
【0047】(比較例4)実施例2と同様のポリエーテ
ル200g(0.1モル)および4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート80.29g(0.32モル、
〔NCO〕/〔OH〕=0.8)を、実施例1と同様の
反応釜に加え、80℃で1時間反応させた。さらに、上
式(II)で示される4,4’’’−ジヒドロキシ−p−
クォーターフェニル33.8g(0.1モル、10.2
重量%)および1,4−ブタンジオール(BG)18.
0g(0.2モル)を30mlのジメチルスルホキシド
に100℃で溶解させた溶液を加え、120℃で3時間
反応させた。反応の進行と共に粘稠な乳白色の流動体が
得られた。その後、実施例1と同様にして、白色固体の
生成物を得、得られた生成物を用いて成形体を作製し、
実施例1と同様の試験を行った。得られた成形体は室温
で柔軟性を有するものであった。
【0048】上記実施例1〜3および比較例1〜4の破
断強度、破断伸びおよび表面硬度の結果を以下の表1に
示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、重合組成および各成分
の添加順序などの重合条件を適性化することにより、ポ
リマーの重合度を向上させ、機械的強度に優れた熱可塑
性ポリウレタンを得ることができる。本発明で得られた
熱可塑性ポリウレタンは、優れた熱可塑性エラストマー
として各種部材に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角町 博記 大阪府茨木市南春日丘1丁目11番3号 (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目24番23号サンハ イツ三島丘306

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕で表されるジヒドロキシ
    化合物(A)と、 2個のヒドロキシ基を有し、数平均分子量が300から
    10,000であり、かつガラス転移温度が20℃以下
    であるポリマー(B)と、 ジイソシアネート(C)と、 下記一般式〔I〕以外のジヒドロキシ化合物(D)とを
    主な構成成分とする熱可塑性ポリウレタンの製造方法で
    あって、 該ポリマー(B)および該イソシアネート(C)を反応
    させた後、その生成物に該ジヒドロキシ化合物(A)を
    加えて反応させ、その後、該ジヒドロキシ化合物(D)
    を加えて反応させることを特徴とする、 熱可塑性ポリウレタンの製造方法: 【化1】 (式中、R1およびR2は独立してアルキレン基を示し、
    pは3または4であり、そしてqおよびrは独立して0
    または1以上の整数を示す)。
JP5126388A 1993-05-27 1993-05-27 熱可塑性ポリウレタンの製造方法 Withdrawn JPH06336515A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10500729A (ja) * 1994-06-03 1998-01-20 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン 迅速硬化ポリウレタン溶融接着剤

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JPH10500729A (ja) * 1994-06-03 1998-01-20 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン 迅速硬化ポリウレタン溶融接着剤

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