JPH06335192A - 車両用交流発電機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁部材の皿状部の排水を可能とすることに
よりバッテリ端子ボルト，ナットなどの錆を防止して高
い信頼性が得られる車両用交流発電機を提供する。 【構成】 先端ねじ部２ａがブラケット１の外部に突出
する状態で皿状部３ａを有する絶縁部材３を介してブラ
ケット１に貫挿固定されるバッテリ端子ボルト２と、絶
縁部材３の皿状部３ａに被着されてバッテリ端子ボルト
２の先端ねじ部２ａを覆う絶縁カバー５とを有し、かつ
絶縁部材３の皿状部３ａに水抜き用スリット８を有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は車両用交流発電機、特
にそのバッテリ端子ボルト部分の水抜きに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の車両用交流発電機を図１
０，図１１について説明する。図１０は正面図、図１１
は図１０の線XI−XIの断面図である。図において、１は
ブラケット、２はブラケット１の内部の整流器（図示せ
ず）に接続されかつ先端ねじ部２ａがブラケット１外に
突出するバッテリ端子ボルト、３は皿状部３ａを有する
絶縁部材で、ブラケット１に挿着されてその孔３ｂにバ
ッテリ端子ボルト２が貫挿される。４はバッテリ端子ボ
ルト２をブラケット１に固定するためのナット、５はバ
ッテリ端子ボルト２の先端ねじ部２ａを覆う絶縁カバー
で、その爪部５ａを絶縁部材３の皿状部３ａの鍔３ｃに
係止して被着されている。６はバッテリ接続線端子であ
る。

【０００３】絶縁部材３をブラケット１に嵌め、バッテ
リ端子ボルト２をナット４によりブラケット１に固定す
ると、バッテリ端子ボルト２は絶縁部材３によりブラケ
ット１と絶縁されると共に、ナット４は絶縁部材３の皿
状部３ａ内に収容されて外部との絶縁が保持される。そ
して、バッテリ接続線端子６をバッテリ端子ボルト２の
先端ねじ部２ａに接続し、図示しないナットにより締め
つけた後、絶縁カバー５を被着すると、先端ねじ部２
ａ，バッテリ接続線端子６の部分を外部から絶縁するこ
とができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の車両用交流発電
機は以上のように構成されているので、絶縁カバー５と
ブラケット１の外面との間から浸入する水が絶縁部材３
の皿状部３ａ内に入ると、皿状部３ａ内から抜けず、バ
ッテリ端子ボルト２，ナット４などに錆や電食などが発
生し、接続不良，接触不良を起すという問題点があっ
た。

【０００５】この発明はかかる問題点を解消するために
なされたもので、絶縁部材の皿状部の排水を可能とする
ことによりバッテリ端子ボルト，ナットなどの錆を防止
して高い信頼性が得られる車両用交流発電機を得ること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る車両用交
流発電機は、バッテリ端子ボルトをブラケットに貫挿固
定する際に両者間に介在させる絶縁部材の皿状部に水抜
き用スリットを設けたものである。

【０００７】

【作用】この発明においては、絶縁部材の皿状部に水抜
き用スリットを有するので、皿状部内の排水が良くな
り、皿状部内に水が貯ることがない。

【０００８】

【実施例】実施例１．この発明の一実施例を図１〜図６
について説明する。図１は要部断面図、図２は図１のカ
バーを取り外して右方からみた側面図、図３は図２の絶
縁部材を示す図、図４は図３を上からみた図、図５は図
４の線Ｖ−Ｖの断面図、図６は図４の線VI−VIの断面図
であり、前記従来のものと同一または相当部分には同一
符号を付して説明を省略する。図において、７は絶縁部
材３の皿状部３ａの底面に形成したバッテリ端子ボルト
２の回り止め用の溝で、図面では４ケ所設けてある。８
は溝７が皿状部３ａの径方向（図１においては図の左方
および右方）に開口するように皿状部３ａに設けた水抜
き用スリットで、幅は約３ｍｍである。

【０００９】このように絶縁部材３の皿状部３ａに水抜
き用スリット８を設けておくと、皿状部３ａおよび溝７
内の排水が良くなるので、皿状部３ａ内に水が貯ること
がない。また、このように皿状部３ａの排水が可能にな
ると、従来水の浸入を防ぐための工夫を絶縁カバー５に
施して形状などが複雑化していた絶縁カバー５を、簡素
化することができる。図３〜図６に示すように絶縁部材
３の各部ａ〜ｊの寸法は、例えばａ＝２７．５ｍｍφ，
ｂ＝１３．８ｍｍ，ｃ＝１０．８ｍｍ，ｄ＝６．５ｍ
ｍ，ｅ＝５．８ｍｍ，ｆ＝８．３ｍｍ，ｇ＝３ｍｍ，ｈ
＝２５．５ｍｍφ，ｉ＝２２ｍｍφ，ｊ＝８ｍｍφであ
る。

【００１０】なお、上記実施例ではバッテリ接続線端子
６の折曲部６ａが嵌まってバッテリ端子ボルト２の回り
止めを行う溝７を皿状部３ａに有する絶縁部材３を示し
たが、溝７の無い絶縁部材３の皿状部３ａに底面にまで
達する水抜き用スリット８を設けることによっても、皿
状部３ａ内の排水を行うこともできる。

【００１１】実施例２．上記実施例１ではバッテリ端子
ボルト２の後出しタイプのものを示したが、図７〜図９
に示すようにバッテリ端子ボルト２の横出しタイプのも
のでも、絶縁部材３Ａの皿状部３ａの回り止め用溝７に
水抜き用スリット８を設けることにより同様の効果が得
られる。なお、図中ｋ＝８．０ｍｍ，ｌ＝６．５ｍｍで
ある。

【００１２】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば絶縁部
材の皿状部の排水が可能となるのでバッテリ端子ボル
ト，ナットなどに錆が発生せず高い信頼性が得られると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１を示す要部断面図である。

【図２】図１のカバーを取り外して右方からみた側面図
である。

【図３】図２の絶縁部材を示す図である。

【図４】図３を上からみた図である。

【図５】図４の線Ｖ−Ｖの断面図である。

【図６】図４の線VI−VIの断面図である。

【図７】この発明の実施例２を示す要部断面図である。

【図８】図７を上からみた図である。

【図９】図８を下からみた図である。

【図１０】従来のものを示す正面図である。

【図１１】図１０の線XI−XIの断面図である。

【符号の説明】

１ ブラケット ２ バッテリ端子ボルト ２ａ バッテリ端子ボルトの先端ねじ部 ３ 絶縁部材 ３ａ 絶縁部材の皿状部 ４ ナット ５ 絶縁カバー ７ 回り止め用溝 ８ 水抜き用スリット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端ねじ部がブラケットの外部に突出す
   る状態で皿状部を有する絶縁部材を介して前記ブラケッ
   トに貫挿固定されるバッテリ端子ボルトと、前記絶縁部
   材の皿状部に被着されて前記バッテリ端子ボルトの先端
   ねじ部を覆う絶縁カバーとを有する車両用交流発電機に
   おいて、前記絶縁部材の皿状部に水抜き用スリットを設
   けたことを特徴とする車両用交流発電機。
2. 【請求項２】 絶縁部材が、その皿状部にバッテリ端子
   ボルトの回り止め用の溝を有するものにおいて、前記溝
   に水抜き用のスリットを設けたことを特徴とする請求項
   １の車両用交流発電機。