JPH06333564A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JPH06333564A
JPH06333564A JP5142742A JP14274293A JPH06333564A JP H06333564 A JPH06333564 A JP H06333564A JP 5142742 A JP5142742 A JP 5142742A JP 14274293 A JP14274293 A JP 14274293A JP H06333564 A JPH06333564 A JP H06333564A
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Yasuhiko Mifuji
靖彦 美藤
Sukeyuki Murai
祐之 村井
Masaki Hasegawa
正樹 長谷川
Shuji Ito
修二 伊藤
Yoshinori Toyoguchi
▲吉▼徳 豊口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素材料を負極とする非水電解質二次電池の
充放電サイクル特性を改善する。 【構成】 負極の炭素材料として、X線広角回折法によ
る(002)面の面間隔(d002)が3.43〜3.9
0オングストロ−ムで、c軸方向の結晶子の大きさ(L
c)が5〜150オングストロ−ムの難黒鉛化炭素質
と、d002が3.40オングストロ−ム以下で、Lcが
200〜1000オングストロ−ムの易黒鉛化炭素質を
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水電解質二次電池、
特にその負極の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムを負極とする非水電解質二次電
池は、起電力が高く、従来のニッケル−カドミウム蓄電
池や鉛蓄電池に較べ高エネルギー密度になると期待さ
れ、盛んに研究がなされている。しかし、金属状のリチ
ウムを負極に用いると、充電時にデンドライトが発生
し、短絡を起こしやすいので、信頼性の低い電池とな
る。この問題を解決するために、Liとアルミニウム、
鉛との合金負極を用いることが検討されている。これら
合金負極を用いると、充電によりLiは負極合金中に吸
蔵されるので、デンドライトの発生がなく、信頼性の高
い電池となる。しかし、合金負極の放電電位は金属Li
に比べ約0.5V貴であるため、電池の電圧も0.5V
低くなり、これにより電池のエネルギー密度も低下す
る。一方、黒鉛などの炭素材料とLiの層間化合物を負
極活物質とする研究も活発になされている。この化合物
負極においても、充電によりLiは炭素の層間に入りデ
ンドライトは発生しない。放電電位は金属Liに較べ約
0.1V貴であるため、電池電圧の低下も小さい。従っ
て、より好ましい負極と言える。
【0003】通常、炭素質材料は、有機物を不活性雰囲
気中でおよそ400〜3000℃の加熱により分解し、
炭素化さらには黒鉛化を行うことにより得られる。炭素
質材料の出発原料は、ほとんどの場合に有機物であり、
炭素化工程である1500℃付近までの加熱により、ほ
とんど炭素原子のみが残り、3000℃近い高温までの
加熱により黒鉛構造を発達させる。この有機物原料とし
ては、液相ではピッチ、コ−ルタ−ルあるいはコ−クス
とピッチの混合物などが用いられ、固相では木質原料、
フラン樹脂、セルロ−ス、ポリアクリロニトリル、レ−
ヨンなどが用いられる。また、気相では、メタン、プロ
パンなどの炭化水素ガスが用いられる。これまでに、石
油ピッチなどを出発原料とし、一般的には2000℃以
上の高温で焼成し、発達したグラファイト構造を有す
る、いわゆる易黒鉛化炭素材料やフラン樹脂を始めとす
る熱硬化性樹脂を出発原料として、2000℃以下の比
較的低温で焼成し、乱層構造を有する、いわゆる難黒鉛
化炭素材料を、リチウムを吸蔵・放出させる非水電解質
二次電池用負極材料として用いる試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の黒鉛などの炭素
材料とLiの層間化合物を負極活物質とした場合にも大
きい問題がある。それは、充放電の繰り返しに伴い、容
量の低下が起こることである。この対応策として、負極
に繊維状の黒鉛などを混合することも行われているが、
かさ高い繊維状の黒鉛を混合する場合、極板の強度を高
めるため、結着剤の増量が必要となり、初期容量が低下
するなどの問題も生じる。
【0005】本発明者らは、このような充放電の繰り返
しに伴う容量の低下について、詳細に検討した結果、そ
の主たる原因は、充放電に伴う黒鉛結晶の膨張や収縮が
繰り返し行われることによって生じる電極内部の集電不
良であることを見いだした。特に、集電板との電気的接
触が不十分になることがわかった。電池構成時には、炭
素あるいは黒鉛材料粒子は相互に接触をし良好な電気的
接触状態を確保しているにも関わらず、充電(Li挿
入)時の結晶の膨張、放電(Li脱離)時の収縮の繰り
返しにより、粒子間が隔たり、その結果として電気的接
触が不十分な状態となることが推測できる。さらには、
集電板との電気的接触も不十分なものとなり、その結
果、充放電サイクルの進行にともなって、容量が低下す
ると考えられる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、充・放電に対
して可逆性を有する正極、リチウム塩を含有する非水電
解質、および炭素材料を含む負極を具備する非水電解質
二次電池において、負極の炭素材料として、下記(A)
の条件を満たす難黒鉛化炭素質と、下記(B)の条件を
満たす易黒鉛化炭素質とを含有することを特徴としてい
る。 (A)X線広角回折法による(002)面の面間隔が
3.43〜3.90オングストロ−ムで、c軸方向の結
晶子の大きさ(Lc)が5〜150オングストロ−ム。 (B)X線広角回折法による(002)面の面間隔が
3.40オングストロ−ム以下で、c軸方向の結晶子の
大きさ(Lc)が200〜1000オングストロ−ム。 負極中の難黒鉛化炭素の混合量としては、炭素材料に対
して10重量%〜30重量%であることが望ましい。ま
た、特に高容量を求められる場合などには、負極板は、
その断面が少なくとも二層の構造とし、集電板に接する
層は前記難黒鉛化炭素質層で構成し、その外側は前記易
黒鉛化炭素質層で構成するのが好ましい。この場合、難
黒鉛化炭素質の含量は0.5〜20重量%が好ましい。
【0007】
【作用】本発明者らは、後述の実施例に示すように、炭
素材料を用いる負極について詳細に検討した結果、易黒
鉛化炭素質と難黒鉛化炭素質を含有した負極を用いるこ
とにより、充放電サイクルに伴う容量低下が極めて少な
い負極を得られることを見いだした。本発明における難
黒鉛化炭素は、膨張、収縮の繰り返しによる粒子間の隔
たりを抑制する、言い換えれば初期の電極内部の状態を
保持する構造維持作用の役割を果たしていると考えられ
る。難黒鉛化炭素質と易黒鉛化炭素質の硬度を比べる
と、難黒鉛化炭素質の方が易黒鉛化炭素質に比べて高硬
度であり、一般的に前者をハ−ドカ−ボン、後者をソフ
トカ−ボンと呼ぶ。易黒鉛化炭素質に難黒鉛化炭素質を
混合することにより、負極板の製造工程中の圧延工程に
おいて高硬度の難黒鉛化炭素質粒子が集電板にくい込
み、負極合剤と集電板との密着をより強固なものにする
と考えられる。
【0008】本発明における充放電サイクル特性の改善
の機構は、充放電時の炭素あるいは黒鉛材料の膨張、収
縮が繰り返された場合においても、高硬度の難黒鉛化炭
素質が集電板との電気的接触を良好な状態で維持し、集
電不良を補う働きをしていると考えられる。さらに、難
黒鉛化炭素質と易黒鉛化炭素質の充放電容量を比べる
と、炭素の製造条件の最適化により易黒鉛化炭素質の方
が難黒鉛化炭素質に比べて高容量である。しかし、易黒
鉛化炭素質は、充放電時の結晶構造の膨張、収縮が大き
く、初期は高容量を示すものの、サイクルとともに容量
低下が著しい。また、電池間の容量ばらつきも大きいも
のとなる。この難黒鉛化炭素質によるサイクル特性の向
上効果を最大限に活かし、特に高容量を求められる場合
などには、負極板は、その断面が少なくとも二層の構造
とし、集電板に接する層は難黒鉛化炭素質層で構成し、
その外側の層は易黒鉛化炭素質層で構成することがより
望ましい。難黒鉛化炭素質の集電板との接触を良好に維
持する作用を有効に活用するためである。本発明の負極
を使用することにより、より高エネルギー密度で、デン
ドライトによる短絡がなく、サイクルによる容量低下の
少ない非水電解質二次電池を得ることが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 [実施例1]X線広角回折法による(002)面の面間
隔(d002)が3.80オングストロ−ムでc軸方向の
結晶子の大きさ(Lc)が5オングストロ−ムの難黒鉛
化炭素質と、X線広角回折法による(002)面の面間
隔(d002)が3.36オングストロ−ムでc軸方向の
結晶子の大きさ(Lc)が600オングストロ−ムの易
黒鉛化炭素質の混合物を負極の炭素材料に用い、電極中
の難黒鉛化炭素質の含有量と電池特性の関係について検
討した。また、比較例として、前記の易黒鉛化炭素質の
みからなる負極を用いた。これら炭素質材料の電極とし
ての特性を検討するため、図1に示すような円筒形電池
を組み立てた。まず、この電池の構成を説明する。
【0010】炭素質と結着剤のポリ弗化エチレン樹脂と
を重量比で100:5の割合で混合し、これに水を加え
てペースト状としたものを銅の芯材に塗布後、100℃
で乾燥して負極板とする。一方、正極は、活物質のLi
Mn24と、導電剤のアセチレンブラックと結着剤のポ
リ弗化エチレン樹脂とを重量比で100:5:5の割合
で混合し、さらに水を加えてペースト状としたものをチ
タンの芯材に塗布後、乾燥して構成する。正極中のLi
Mn24の重量は5gとする。これら正極板1および負
極板2にはそれぞれ芯材と同材質の正極リ−ド4および
負極リ−ド5をスポット溶接にて取り付けた後、両極板
間に極板より幅の広い帯状の微孔性ポリプロピレンセパ
レータ3を介在して全体を渦巻状に卷回する。この電極
体の上下それぞれにポリプロピレン製の絶縁板6、7を
配して電槽8に挿入し、電槽8の上部に段部を形成させ
た後、非水電解質として、1モル/lの過塩素酸リチウ
ム(LiClO4)を溶解したエチレンカーボネートと
ジメトキシエタンの体積比1:1の混合溶液を注入し、
正極端子10を設けたポリプロピレン製封口板9で密閉
して電池とする。
【0011】上記の6種類の負極板を用いた電池を各々
50個作製し、電圧範囲4.3Vから3.0Vの間で
0.5mA/cm2の定電流で充放電した。表1に初期
放電容量、初期放電容量に対する100サイクル目の電
池の放電容量の容量維持率を示す。なお、初期放電容量
はそれぞれ50個の平均値、容量維持率は50個の最大
値、最小値、平均値を示した。
【0012】
【表1】
【0013】初期容量に関しては、難黒鉛化炭素質と易
黒鉛化炭素質の混合物を用いたものは、難黒鉛化炭素質
の含有量が50wt%の場合に、450mAhと小さく
なっているが、その他は、易黒鉛化炭素のみを用いた比
較例とほぼ同等の初期容量を示している。一方、100
サイクル目の放電容量の容量維持率に関しては、難黒鉛
化炭素質の含有量が0%の比較例は平均値で50%であ
り、しかも電池毎のばらつきが大きく、サイクル寿命の
安定性が低い。難黒鉛化炭素質の含有量が10wt%以
上のものは、容量維持率の平均値が85%以上となり、
電池毎のばらつきが減少し、サイクル寿命の安定性が高
まっている。難黒鉛化炭素質の含有量の増加とともにこ
の容量維持率は上昇している。以上のように、初期容量
とサイクル性の両面から、電極中の難黒鉛化炭素質の含
有量が10〜30wt%の範囲のものは、初期容量が大
きく、かつサイクルに伴う容量低下の少ない電池を与え
る。このように、難黒鉛化炭素は、膨張、収縮の繰り返
しによる粒子間の隔たりを抑制する働き、言い換えれば
初期の電極内部の状態を保持する構造維持作用の役割を
果たしていると考えられる。
【0014】[実施例2]X線広角回折法による(00
2)面の面間隔(以下d002で表す)が3.50オング
ストロ−ムでc軸方向の結晶子の大きさ(以下Lcで表
す)が50オングストロ−ムの難黒鉛化炭素質と、d
002が3.40オングストロ−ムでLcが200オング
ストロ−ムの易黒鉛化炭素質の混合物を負極の炭素質材
料として実施例1と同様の円筒形電池を組み立て、実施
例1と同様の条件で充・放電試験をした。その結果を表
2に示す。
【0015】
【表2】
【0016】容量維持率に関しては、難黒鉛化炭素を電
極中に10wt%程度混合しただけでも効果があり、混
合量の増加と共に容量維持率も増加する傾向にある。し
かし、混合量が10wt%を越えるあたりから、容量維
持率の増加は緩やかになり、20wt%以上ではほとん
ど変わらない。また、初期容量は50wt%の場合に4
50mAhまで減少する。これらの結果から、難黒鉛化
炭素の電極中の混合量としては10〜30wt%が最適
である。
【0017】[実施例3]つぎに、負極炭素材料の結晶
構造パラメ−タの最適範囲について詳しく検討した。は
じめに、d002とLcについて、充放電特性との関係を
調べた。検討した負極材料は、d002が3.36オング
ストロ−ムでLcが600オングストロ−ムの難黒鉛化
炭素質と、d002が3.40オングストロ−ムから3.
95オングストロ−ムで、Lcが2オングストロ−ムか
ら200オングストロ−ムの易黒鉛化炭素質の混合物
で、難黒鉛化炭素質の含有量は5.0wt%とした。
【0018】これら炭素質材料の電極としての特性を検
討するため、図2に示す試験セルを作った。炭素質10
gに対して結着剤のポリエチレン粉末1gを混合し、こ
の合剤0.1gを芯材とともに直径17.5mmの円板に
加圧成型して電極11とする。この電極をケース12の
中央に配置し、その上に微孔性ポリプロピレンセパレー
タ13を置き、1モル/lの過塩素酸リチウムを溶解し
たエチレンカーボネートとジメトキシエタンの体積比
1:1の混合溶液を非水電解質としてセパレータ上に注
液する。この上に、内側に直径17.5mmの円板状金属
リチウム14を張り付け、外周部にポリプロピレンガス
ケット15を付けた封口板16を組合せ、封口して試験
セルとする。17は電極11の芯材である。
【0019】上記のような構成のセルについて、2mA
の定電流で、炭素電極がLi対極に対して0Vになるま
でカソード分極(炭素電極を負極として見る場合には充
電に相当)し、次に炭素電極が1.0Vになるまでアノ
ード分極(放電に相当)した。このカソード分極、アノ
ード分極を繰り返し、電極特性を評価した。その結果を
図3に示す。易黒鉛化炭素質のd002とLcともに放電
容量からみた最適範囲が存在する。すなわち、d002
3.43オングストロ−ムから3.90オングストロ−
ムの範囲で、またLcは5オングストロ−ムから150
オングストロ−ムの範囲においてそれぞれ大きな放電容
量を示す。
【0020】次に、検討した負極材料は、d002が3.
36オングストロ−ムから3.41オングストロ−ム
で、Lcが100オングストロ−ムから1500オング
ストロ−ムの易黒鉛化炭素質と、d002が3.70オン
グストロ−ムで、Lcが50オングストロ−ムの難黒鉛
化炭素質の混合物で、難黒鉛化炭素質の含有量は5.0
wt%とした。結果を図4に示す。易黒鉛化炭素質のd
002が3.40オングストロ−ム以下で放電容量が大き
く、Lcは200オングストロ−ムから1000オング
ストロ−ムの範囲において大きな放電容量を示す。d
002が減少するほど放電容量は増加する傾向にあるが、
これは、黒鉛構造の発達の程度と関連があると思われ
る。また、Lcについても、基本的にはその増加ととも
に放電容量が増加すると思われるが、1000オングス
トロ−ムを越えた場合については、表面状態や微細構造
など単なる結晶構造以外の因子の影響が現われるために
放電容量が低下したと考えられる。以上のとおり、負極
炭素材料として、d002が3.43〜3.90オングス
トロ−ムでLcが5〜150オングストロ−ムの難黒鉛
化炭素質と、d002が3.40オングストロ−ム以下
で、Lcが200〜1000オングストロ−ムの易黒鉛
化炭素質を用いるのが望ましいことがわかる。
【0021】[実施例4]負極板を二層構造と、集電板
に接する層はd002が3.70オングストロ−ムでLc
が20オングストロ−ムの難黒鉛化炭素質層で構成し、
その外側の層はd002が3.38オングストロ−ム以下
で、Lcが900オングストロ−ムの易黒鉛化炭素質層
で構成したものについて検討を行った。電極中の難黒鉛
化炭素質層の含有量は0.5〜50wt%の範囲で表3
に示す含有量について検討した。また、比較例として、
前記易黒鉛化炭素質のみからなる負極を用いた。
【0022】負極板は、次のようにして作製した。ま
ず、両炭素質を別々に結着剤のポリ弗化エチレン樹脂と
重量比で100:5の割合で混合し、さらに水を加えて
ペースト状とする。次に、難黒鉛化炭素質のペ−ストを
銅の芯材に塗布後、易黒鉛化炭素質のペ−ストを塗布
し、100℃で乾燥する。こうして負極板を作製した。
これら炭素質材料の電極としての特性を検討するため、
実施例1と同様の円筒形電池を試作し、実施例1と同様
の条件で充・放電した。その結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】電極中の難黒鉛化炭素質層の含有量が0.
5〜20wt%の範囲のものは、初期容量が大きく、サ
イクル容量維持率も高い。初期容量に関しては、難黒鉛
化炭素質層の含有量が30wt%のものは、450mA
hと小さいが、その他は、比較例より大きな値を示して
いる。一方、100サイクル目の放電容量の容量維持率
に関しては、難黒鉛化炭素質の含有量が0%のものは平
均値で50%であり、しかも電池毎のばらつきが大き
く、サイクル寿命の安定性が低い。難黒鉛化炭素質層の
含有量が0.5wt%以上のものは、容量維持率の平均
値が85%以上となり、電池毎のばらつきが減少し、サ
イクル寿命の安定性が高い。難黒鉛化炭素質層の含有量
の増加とともにこの容量維持率は上昇する。以上のよう
に、初期容量とサイクル性の両面から、電極中の難黒鉛
化炭素質の含有量が0.5〜20wt%の範囲のもの
は、初期容量が大きく、かつサイクルに伴う容量低下の
少ない電池を与えることがわかる。
【0025】[実施例5]次に、負極炭素材料の結晶構
造パラメ−タの最適範囲について詳しく検討した。負極
板は、二層構造とし、集電板に接する層はd002が3.
40〜3.95オングストロ−ムで、Lcが2〜200
オングストロ−ムの難黒鉛化炭素質層とし、その外側の
層はd002が3.36オングストロ−ムで、Lcが60
0オングストロ−ムの易黒鉛化炭素質層で構成し、難黒
鉛化炭素質層の電極中の含有量は5.0wt%とした。
負極板は、実施例4と同様に、まず、両炭素質を別々に
結着剤のポリ弗化エチレン樹脂と重量比で100:5の
割合で混合し、さらに水を加えてペースト状とし、次に
難黒鉛化炭素質のペ−ストを銅の芯材に塗布後、その片
面に易黒鉛化炭素質のペ−ストを塗布し、100℃で乾
燥することにより作製した。このようにして得られた負
極板の電極としての特性を検討するため、実施例3と同
様の試験セルを作り、実施例3と同様の条件で、炭素電
極のカソード分極、アノード分極を繰り返し、電極特性
を評価した。その結果を図5に示す。
【0026】難黒鉛化炭素質のd002とLcともに放電
容量からみた最適範囲が存在する。すなわち、d002
3.43〜3.90オングストロ−ムの範囲で、Lcは
5〜150オングストロ−ムの範囲においてそれぞれ大
きな放電容量を示す。次に、上記と同様にして、集電板
に接する層をd002が3.70オングストロ−ムで、L
cが50オングストロ−ムの難黒鉛化炭素質層で構成
し、その外側の層をd002が3.36〜3.41オング
ストロ−ムで、Lcが100〜1500オングストロ−
ムの易黒鉛化炭素質層で構成した負極板について検討し
た。なお、難黒鉛化炭素質の含有量は5.0wt%とし
た。結果を図6に示す。
【0027】易黒鉛化炭素質のd002が3.40オング
ストロ−ム以下で放電容量が大きく、Lcは200〜1
000オングストロ−ムの範囲において大きな放電容量
を示す。d002が減少するほど放電容量は増加する傾向
にあるが、これは、黒鉛構造の発達の程度と関連がある
と思われる。また、Lcについても、基本的にはその増
加とともに放電容量が増加すると思われるが、1000
オングストロ−ムを越えた場合については、表面状態や
微細構造など単なる結晶構造以外の因子の影響が現われ
るために放電容量が低下したと考えられる。
【0028】以上のとおり、負極板として、その断面が
少なくとも二層構造とし、集電板に接する層はd002
3.43〜3.90オングストロ−ムでLcが5〜15
0オングストロ−ムの難黒鉛化炭素質層で構成し、それ
に接する層はd002が3.40オングストロ−ム以下
で、Lcが200〜1000オングストロ−ムの易黒鉛
化炭素質層で構成したものが望ましいことがわかった。
なお、実施例では正極活物質として、LiMn1.8Co
0.24を用いた例について説明したが、本発明の負極
は、この他に、LiCoO2、LiNiO2、LiFeO
2、γ型LiV25などをはじめとする充・放電に対し
て可逆性を有する正極と組み合わせた場合にも同様の効
果があることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
エネルギー密度で、デンドライトによる短絡のない、サ
イクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることがで
きる。また、負極板をその断面が少なくとも二層構造と
し、集電板に接する層は難黒鉛化炭素質層で構成し、そ
れに接する層は易黒鉛化炭素質層で構成することによ
り、特に高容量でサイクル性能にも優れた非水電解質二
次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の非水電解質二次電池の縦断面
図である。
【図2】本発明の電極特性を評価するための試験セルの
縦断面略図である。
【図3】負極に用いた難黒鉛化炭素質のd002と放電容
量との関係を示す図である。
【図4】負極に用いた易黒鉛化炭素質のd002と放電容
量との関係を示す図である。
【図5】負極に用いた難黒鉛化炭素質のd002と放電容
量との関係を示す図である。
【図6】負極に用いた易黒鉛化炭素質のd002と放電容
量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 8 電槽 9 封口板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 修二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 豊口 ▲吉▼徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充・放電に対して可逆性を有する正極、
    リチウム塩を含有する非水電解質、および炭素材料を含
    む負極を具備し、前記負極が、炭素材料としてX線広角
    回折法による(002)面の面間隔が3.43〜3.9
    0オングストロ−ムで、c軸方向の結晶子の大きさ(L
    c)が5〜150オングストロ−ムの難黒鉛化炭素質
    と、X線広角回折法による(002)面の面間隔が3.
    40オングストロ−ム以下で、c軸方向の結晶子の大き
    さ(Lc)が200〜1000オングストロ−ムの易黒
    鉛化炭素質を含有することを特徴とする非水電解質二次
    電池。
  2. 【請求項2】 負極中の難黒鉛化炭素質の含有量が、1
    0〜30重量%である請求項1記載の非水電解質二次電
    池。
  3. 【請求項3】 充・放電に対して可逆性を有する正極、
    リチウム塩を含有する非水電解質、および炭素材料を含
    む負極を具備し、前記負極はその断面が少なくとも二層
    の構造を有し、集電板に接する層はX線広角回折法によ
    る(002)面の面間隔が3.43〜3.90オングス
    トロ−ムで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が5〜
    150オングストロ−ムの難黒鉛化炭素質層で構成し、
    その外側の層はX線広角回折法による(002)面の面
    間隔が3.40オングストロ−ム以下で、c軸方向の結
    晶子の大きさ(Lc)が200〜1000オングストロ
    −ムの易黒鉛化炭素質で構成してなることを特徴とする
    非水電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 負極中の難黒鉛化炭素質の含有量が、
    0.5〜20重量%である請求項3記載の非水電解質二
    次電池。
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