JP3236170B2 - 非水電解質二次電池用負極 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極

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JP3236170B2
JP3236170B2 JP21151294A JP21151294A JP3236170B2 JP 3236170 B2 JP3236170 B2 JP 3236170B2 JP 21151294 A JP21151294 A JP 21151294A JP 21151294 A JP21151294 A JP 21151294A JP 3236170 B2 JP3236170 B2 JP 3236170B2
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素材料を用いた非水
電解質二次電池用負極の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウムを負極とする非水電解質二次電
池は、起電力が高く、従来のニッケルーカドミウム蓄電
池や鉛蓄電池に較べ高エネルギー密度になると期待さ
れ、多くの研究がなされている。しかし、金属状のリチ
ウムを負極に用いると、充電時にデンドライトが発生
し、短絡を起こしやすく信頼性の低い電池となる。この
問題を解決するために、Liとアルミニウム、鉛との合
金負極を用いることが検討された。これら合金負極を用
いると、充電によりLiは負極合金中に吸蔵され、デン
ドライトの発生がなく、信頼性の高い電池となる。しか
し、合金負極の放電電位は金属Liに比べ約0.5V貴
であるため、電池の電圧も0.5V低下し、これにより
電池のエネルギー密度も低下する。
【0003】一方、黒鉛などの炭素材料とLiの層間化
合物を負極活物質とする研究も活発になされている。こ
の化合物負極においても、充電によりLiは炭素材料の
層間に入りデンドライトは発生しない。放電電位は金属
Liに較べ約0.1〜0.3V貴であるにすぎないか
ら、電池電圧の低下も小さい。これにより、より好まし
い負極と言える。通常、炭素質材料は有機物を不活性雰
囲中でおよそ400〜3000℃の加熱により分解し、
炭素化、さらには黒鉛化を行うことにより得られる。炭
素質材料の出発原料はほとんどの場合に有機物であり、
炭素化工程である1500℃付近までの加熱により、ほ
とんど炭素原子のみが残り、3000℃近い高温までの
加熱により黒鉛構造を発達させる。この有機物原料とし
ては、液相ではピッチ、コ−ルタ−ルあるいはコ−クス
とピッチの混合物などが用いられ、固相では木質原料、
フラン樹脂、セルロ−ス、ポリアクリロニトリル、レ−
ヨンなどが用いられる。また、気相では、メタン、プロ
パンなどの炭化水素ガスが用いられている。
【0004】これまでに、石油ピッチなどを出発原料と
し、一般的には2000℃以上の高温で焼成し、発達し
たグラファイト構造を有する、いわゆる易黒鉛化炭素材
料や、フラン樹脂を始めとする熱硬化性樹脂を出発原料
として、2000℃以下の比較的低温で焼成し、乱層構
造を有する、いわゆる難黒鉛化炭素材料を、リチウムを
吸蔵、放出させる非水電解質二次電池用負極材料として
用いる試みがなされている。本発明者らは、リチウム二
次電池用負極としてより優れた炭素材料を見いだすべく
詳細に検討した結果、X線広角回折法による(002)
面の面間隔が3.40オングストローム以下で、c軸方
向の結晶子の大きさ(Lc)が100オングストローム
以上の結晶性を有する炭素材料が、充放電容量が大き
く、密度が高く、サイクル特性にも優れたものであるこ
とを見いだした。すなわち、比較的、黒鉛結晶に近い炭
素材料あるいは黒鉛材料がリチウム二次電池用負極とし
てより望ましいことが明らかになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この黒鉛など
の炭素材料とLiの層間化合物を負極活物質とした場合
にも大きい問題があった。充電でLiが層間に入れるの
は、理論上、最高でC6Liであり、その場合の電気容
量は372Ah/kgであるにもかかわらず、通常の電
池の充放電では負極の電気容量は230Ah/kg程度
と小さい値にとどまっているのが現状である。
【0006】上記の結晶構造を示す炭素材料は、その高
い結晶性のため炭素六角網平面積層が比較的に規則正し
いものであり、負極成型時に六角網平面が選択的に配向
しやすい状態となる。この場合、充放電時のリチウムの
侵入や脱離に際しての特異な方向性が存在し、充放電容
量が大きい結晶構造を持っているにもかかわらず、その
高い配向性が原因となって、充放電しにくい負極とな
る。すなわち、例えば充電でLiが対極側から接近し、
炭素の六角網平面層間に侵入する際、炭素結晶のa軸が
Liの進行方向と垂直に近い状態で配向しているので、
Liが層間へ侵入しにくく、その結果、充放電容量が小
さく、急速充放電性能が低く、充放電サイクルによる容
量低下の大きな電池となる。
【0007】
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】本 発明の非水電解質二次
電池用負極は、Cu−Kα線源によるX線広角回折法に
おける(002)面の面間隔が3.40オングストロー
ム以下でc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100オ
ングストローム以上の炭素材料と、Cu−Kα線源によ
るX線広角回折法における(002)面の面間隔が3.
43〜3.90オングストロームでc軸方向の結晶子の
大きさ(Lc)が1〜50オングストロームの炭素材料
とを含有する成型体からなり、その成型体のCu−Kα
線源によるX線広角回折図形における(100)面ピー
ク強度の(002)面ピーク強度に対する比が0.5/
100から2.5/100の範囲にある。ここで、Cu
−Kα線源によるX線広角回折法における(002)面
の面間隔が3.40オングストローム以下でc軸方向の
結晶子の大きさ(Lc)が100オングストローム以上
の炭素材料の含有量をWA、Cu−Kα線源によるX線
広角回折法における(002)面の面間隔が3.43〜
3.90オングストロームでc軸方向の結晶子の大きさ
(Lc)が1〜50オングストロームの炭素材料の含有
量をWBとしたとき、WB /(WA+WB)が20/10
0〜50/100であることが好ましい。
【0010】
【0011】
【作用】本発明による負極は、大きな放電容量を有し、
充放電サイクルによる容量低下が抑制される。その機構
は次のように考えられる。炭素の六角網平面の選択的配
向性の指標となるのが成型体のX線広角回折図形におけ
る(002)面ピ−ク強度に対する(100)面ピ−ク
強度の比である。すなわち、炭素材料のa軸配向に対す
るc軸配向の強さの程度を表すものと考えることができ
る。(100)面ピ−ク強度の(002)面ピ−ク強度
に対する比が0.5/100から2.5/100の範囲
である場合に、充放電時のリチウムの侵入や脱離に際し
ての実質的な弊害となるような特異な配向性でないこと
を見いだした。その結果、一層、理論電気容量に近い高
容量の負極となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 [実施例1]まず、用いた負極材料の結晶構造について
説明する。炭素質材料は、X線広角回折法による(00
2)面の面間隔が3.40オングストローム、c軸方向
の結晶子の大きさ(Lc)が100オングストロームの
人造黒鉛である。
【0013】この炭素質材料の電極としての特性を検討
するため、図1に示す試験セルを作った。炭素質材料1
0gに対して結着剤としてポリエチレン粉末1gを混合
し、さらに種々の配向性を持つ成型体を得る手段とし
て、石油コ−クスを表1に示す各所定量を添加し、合剤
とした。なお、電極中の石油コ−クス重量と人造黒鉛重
量の和に対する石油コ−クス重量を百分率で表したもの
を石油コークス添加量(wt%)とした。各合剤0.1
gを直径17.5mmの円盤状に加圧成型して炭素電極
とした。これらの成型体のX線広角回折図形における
(100)面ピ−ク強度の(002)面ピ−ク強度に対
する比は、表1に示すとおり、0.1/100から3.
0/100の範囲であった。
【0014】図1の試験セルの構成は次のとおりであ
る。上記の炭素電極1を電池ケース2の中央に配し、そ
の上に微孔性ポリプロピレンからなるセパレータ3を配
してある。非水電解質として、エチレンカーボネートと
ジメトキシエタンとの体積比1:1の混合溶媒に1モル
/lの過塩素酸リチウム(LiClO4)を溶解した溶
液を用い、セパレータ上に注液した後、内側に直径1
7.5mmの円盤状金属リチウム4を張り付け、外周部
にポリプロピレンガスケット5を付けた封口板6で封口
したものである。上記の試験セルについて、まず0.5
mAの定電流で、炭素電極がLi対極に対して0Vにな
るまでカソード分極(炭素電極を負極として見る場合に
は充電に相当)し、次に電極が1.0Vになるまでアノ
ード分極(放電に相当)した。このカソード分極、アノ
ード分極を10回繰り返し、10サイクル目の容量を初
期容量とした。なお、容量は炭素重量当たりで評価し
た。さらに、次のような急速充放電試験を行った。急速
充放電試験条件は4.0mAの定電流とし、上記と同様
に炭素電極がLi対極に対して0Vになるまでのカソー
ド分極と、1.0Vになるまでのアノード分極を行い、
容量を測定した。この時の容量を急速充放電容量とし
た。なお、容量は炭素重量当たりで評価した。さらに、
充放電サイクル試験を行った。条件は、0.5mAの定
電流で、炭素電極がLi対極に対して0Vになるまでカ
ソード分極し、次に電極が1.0Vになるまでアノード
分極(放電に相当)し、これを100サイクル繰り返し
た。これらの結果を表1および図3に示した。
【0015】
【表1】
【0016】(100)面ピ−ク強度の(002)面ピ
−ク強度に対する比が0.5/100以上で初期容量が
大きく、かつ、急速充放電特性にも優れた負極成型体が
得られることがわかる。なお、従来例や前記ピ−ク強度
比が0.1/100のものは、初期容量は大きいが、急
速充放電特性が非常に悪いものであった。これは、炭素
の六角網平面の選択的配向性が相当に強い負極成型体で
あるので、充放電しにくい状態であり、特に、急速充放
電試験においてその傾向が顕著に現われたと考えられ
る。また、100サイクル後の放電容量は、(100)
面ピ−ク強度の(002)面ピ−ク強度に対する比が
0.5/100から2.5/100の範囲で高い値を示
した。前記ピ−ク強度比が2.5/100を越えた場合
には100サイクル後の放電容量が急激に低下した。こ
の理由は次のように考えられる。すなわち、前記ピーク
比が大きくなると、炭素の六角網平面の選択的配向性が
ほとんど無い状態もしくは六角網平面が集電体に対して
垂直方向に向いた状態により近づく。そのために、充放
電を繰り返すと、充放電にともなう炭素の膨張収縮が集
電体表面と水平に近い方向に発生する。その結果、充放
電サイクルの進行とともに電極合剤と集電体の接触界面
で集電不良が起こると考えられる。したがって、初期容
量と急速充放電性能および充放電サイクル性を総合的に
考慮すると、(100)面ピ−ク強度の(002)面ピ
−ク強度に対する比が0.5/100から2.5/10
0の範囲が望ましい。なかでも、前記ピ−ク強度比が
1.0/100から2.0/100の範囲で特に優れた
性能を示し、より好ましい。
【0017】[実施例2]種々の配向性を持つ成型体を
得る手段として、各種の割合で酸化カルシウムを添加し
た例を説明する。炭素質材料は、X線広角回折法による
(002)面の面間隔が3.40オングストローム、c
軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100オングストロ
ームの人造黒鉛である。この炭素質材料10gに対して
結着剤としてポリエチレン粉末1gを混合し、さらに種
々の配向性を持つ成型体を得る手段として、表2に示す
ように酸化カルシウムを各種の割合で添加して合剤とし
た。なお、電極中の酸化カルシウム重量と人造黒鉛重量
の和に対する酸化カルシウム重量を百分率で表したもの
を酸化カルシウム添加量(wt%)とした。これらの合
剤0.1gを直径17.5mmの円盤状に加圧成型して
炭素電極とし、実施例1と同様にして図1に示す構成の
試験セルを組み立てた。これら炭素電極成型体のX線広
角回折図形における(100)面ピ−ク強度の(00
2)面ピ−ク強度に対する比は表2に示すとおり、0.
1/100から3.0/100の範囲であった。実施例
1と全く同じ条件で試験した結果を表2および図4に示
した。
【0018】
【表2】
【0019】実施例1と同様に(100)面ピ−ク強度
の(002)面ピ−ク強度に対する比が0.5/100
以上で初期容量が大きく、かつ、急速充放電特性にも優
れた負極成型体が得られることがわかった。なお、従来
例や前記ピ−ク強度が0.1/100のものは、初期容
量は大きいが、急速充放電特性が非常に悪いものであっ
た。これは、炭素の六角網平面の選択的配向性が相当に
強い負極成型体であるので、充放電しにくい状態であ
り、特に、急速充放電試験においてその傾向が顕著に現
われたと考えられる。また、100サイクル後の放電容
量は(100)面ピ−ク強度の(002)面ピ−ク強度
に対する比が0.5/100から2.5/100の範囲
で高い値を示した。前記ピ−ク強度比が2.5/100
を越えた場合には、100サイクル後の放電容量が急激
に低下した。これは、実施例1で説明したように、炭素
の六角網平面の選択的配向性がほとんど無い状態もしく
は六角網平面が集電体に対して垂直方向に向いた状態に
より近づくためと考えられる。したがって、初期容量と
急速充放電性能および充放電サイクル性を総合的に考慮
すると、(100)面ピ−ク強度の(002)面ピ−ク
強度に対する比が0.5/100から2.5/100の
範囲が望ましい。なかでも、前記ピ−ク強度比が1.0
/100から2.0/100の範囲で特に優れた性能を
示し、より好ましい。
【0020】[実施例3]ここでは、X線広角回折法に
よる(002)面の面間隔が3.40オングストローム
以下で、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100オ
ングストローム以上の炭素材料と種々の結晶構造パラメ
−タを持つ炭素材料とを含有する負極成型体について詳
しく検討した。まず、X線広角回折法による(002)
面の面間隔が3.40オングストローム、c軸方向の結
晶子の大きさ(Lc)が100オングストロームである
人造黒鉛を用いた。これに、表3に示す種々の結晶構造
パラメ−タを持つ炭素材料を30重量%加えた負極成型
体を作製した。これらの各負極成型体を用いて実施例1
と同様にして試験セルを作製し、実施例1と同じ条件で
評価した。その結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】この結果から、X線広角回折法による(0
02)面の面間隔が3.40オングストローム以下で、
c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100オングスト
ローム以上の炭素材料と、(002)面の面間隔が3.
43〜3.90オングストロームでc軸方向の結晶子の
大きさ(Lc)が1〜50オングストロームの炭素材料
とを含有する負極が、大きな初期容量を持ち、急速急速
充放電性能にも優れていることがわかる。
【0023】[実施例4]X線広角回折法による(00
2)面の面間隔が3.40オングストローム以下で、c
軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100オングストロ
ーム以上の炭素材料と水を含むペ−スト状混合物を負極
集電体表面に形成する場合のペ−スト状混合物中の水分
重量について詳しく検討した。まず、本実施例において
は炭素材料として、X線広角回折法による(002)面
の面間隔が3.40オングストローム、c軸方向の結晶
子の大きさ(Lc)が300オングストロームの人造黒
鉛を用いた。本実施例では、図2に示した円筒型電池を
構成して特性を調べた。
【0024】電池を以下の手順により作製した。正極活
物質であるLiMn1.8Co0.24は、Li2CO3とM
34とCoCO3とを所定のモル比で混合し、900
℃で加熱することによって合成した。さらに、これを1
00メッシュ以下に分級したものを正極活物質とした。
正極活物質100gに対して導電剤として炭素粉末を1
0g、結着剤としてポリ4フッ化エチレンの水性ディス
パージョンを樹脂分で8gと純水を加え、ペースト状に
し、チタンの芯材に塗布し、乾燥、圧延して正極を得
た。極板1枚当たりの正極活物質の重量は5gとした。
【0025】負極は、カルボキシメチルセルロ−スのナ
トリウム塩の1重量%水溶液と負極活物質である上記の
人造黒鉛粉末とを表4に示したように種々の重量比で混
合し、ペ−スト状としたものを銅の芯材に塗布後、10
0℃で乾燥することにより作製した。なお、結着剤とし
て炭素材料に対してスチレンブタジエンゴムを加えた。
炭素材料と結着剤の混合比は重量比で100:5とし
た。いずれの負極板も1枚当たりの炭素材料の重量は2
gとした。
【0026】電極体は、スポット溶接にて取り付けた芯
材と同材質の正極リード14を有する正極板11と、負
極リード15を有する負極板12と、両極板間に介在さ
せた両極板より幅の広い帯状の多孔性ポリプロピレン製
セパレータ13とを渦巻状に捲回して構成した。さら
に、上記電極体の上下それぞれにポリプロピレン製の絶
縁板16、17を配して電槽18に挿入し、電槽18の
上部に段部を形成させた後、非水電解質として、エチレ
ンカーボネートとジメトキシエタンとの体積比1:1の
混合溶媒に過塩素酸リチウムを1モル/lの割合で溶解
した溶液を注入し、正極端子20を設けた封口板19で
密閉して電池とした。このように異なる7種類の負極板
を用いて構成した電池について初期容量、および急速充
放電性能を調べた。充放電電流100mA、充放電電圧
範囲4.3V〜3.0Vで充放電を10サイクル繰り返
した後、充放電電流を500mAとした急速充放電試験
を行った。表4に初期容量、および急速充放電容量を示
す。
【0027】
【表4】
【0028】ペ−スト状混合物中の水分量が炭素材料重
量の10%〜50%である場合に初期容量が大きく、さ
らには急速充放電容量も大きいことがわかった。なお、
水分量が前記の範囲より多くなると、電極成型体の(0
02)面ピーク強度が大きくなる。また、水分量が少な
いと、電極の成型が困難となる。また、本実施例で用い
た炭素材料としては、X線広角回折法による(002)
面の面間隔が3.40オングストローム、c軸方向の結
晶子の大きさ(Lc)が300オングストロームの人造
黒鉛を用いたが、さらに詳細に検討を進めた結果、好ま
しい炭素材料としては、X線広角回折法による(00
2)面の面間隔が3.40オングストローム以下で、c
軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100オングストロ
ーム以上の炭素材料であることが確認された。
【0029】[実施例5]X線広角回折法による(00
2)面の面間隔が3.40オングストローム以下で、c
軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100オングストロ
ーム以上の炭素材料と水を含むペ−スト状混合物を負極
集電体表面に形成する場合のペ−スト状混合物中の有機
溶液重量について詳しく検討を行った。まず、本実施例
においては炭素材料として、X線広角回折法による(0
02)面の面間隔が3.40オングストローム、c軸方
向の結晶子の大きさ(Lc)が300オングストローム
の人造黒鉛を用いた。この人造黒鉛と有機溶媒n,n−
ジメチルホルムアミドとを表5に示した種々の重量比で
混合し、さらに、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを
加えた。炭素材料と結着剤の混合比は重量比で100:
10とした。このようにして得たペ−スト状混合物を銅
の芯材に塗布後、100℃で乾燥して負極板を得た。負
極板1枚当たりの炭素材料の重量は2gとした。上記の
負極を用いた他は実施例4と同様にして、図2に示した
円筒型電池を構成し、実施例4と同じ条件で特性を調べ
た。表5に初期容量、および急速充放電容量を示す。ペ
−スト状混合物中の有機溶媒量が炭素材料重量の10%
〜30%である場合に初期容量が大きく、さらには急速
充放電容量も大きいことがわかった。なお、有機溶媒量
が前記の範囲より多くなると、電極成型体の(002)
面ピーク強度が大きくなる。また、有機溶媒量が少ない
と、電極の成型が困難となる。
【0030】
【表5】
【0031】また、本実施例で用いた炭素材料は、X線
広角回折法による(002)面の面間隔が3.40オン
グストローム、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が3
00オングストロームの人造黒鉛を用いたが、さらに詳
細に検討を進めた結果、好ましい炭素材料としては、X
線広角回折法による(002)面の面間隔が3.40オ
ングストローム以下で、c軸方向の結晶子の大きさ(L
c)が100オングストローム以上の炭素材料であるこ
とが確認された。また、炭素材料の形状については、繊
維状、リン状、リン片状、土状、球状など様々な形状を
有した炭素もしくは黒鉛についても同様の効果が得られ
る。また、本実施例ではコイン型、および円筒型電池つ
いての説明したが、本発明で示した優れた急速充放電性
能などの技術思想は同一のものであることから、この構
造に限定されるものではなく、角形、偏平型などの形状
の二次電池においても全く同様の効果が得られる。さら
に、炭素もしくは黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛、
炭素繊維、黒鉛ウィスカ−などをはじめとする充電放電
に対して可逆性を有する負極炭素材を用いた場合にも同
様の効果があることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
エネルギー密度で、急速充放電特性にも優れた、デンド
ライトによる短絡のない信頼性の高い非水電解質二次電
池を与える負極を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた電極評価用試験セルの
縦断面略図である。
【図2】本発明の実施例に用いた円筒型電池の縦断面略
図である。
【図3】実施例1の負極に用いた炭素材料の(100)
面ピ−ク強度の(002)面ピ−ク強度に対する比と、
急速充放電容量および100サイクル目の放電容量との
関係を示す図である。
【図4】実施例2の負極に用いた炭素材料の(100)
面ピ−ク強度の(002)面ピ−ク強度に対する比と、
急速充放電容量および100サイクル目の放電容量との
関係を示す図である。
【符号の説明】
1 試験電極(負極) 2 ケース 3 セパレータ 4 金属Li 5 ガスケット 6 封口板 11 正極 12 負極 13 セパレータ 14 正極リード板 15 負極リード板 16 上部絶縁板 17 下部絶縁板 18 電槽 19 封口板 20 正極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 修二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 豊口 ▲吉▼徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−61747(JP,A) 特開 平5−121066(JP,A) 特開 平6−36760(JP,A) 特開 平6−295744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/58 H01M 10/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu−Kα線源によるX線広角回折法に
    おける(002)面の面間隔が3.40オングストロー
    ム以下でc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100オ
    ングストローム以上の炭素材料と、Cu−Kα線源によ
    るX線広角回折法における(002)面の面間隔が3.
    43〜3.90オングストロームでc軸方向の結晶子の
    大きさ(Lc)が1〜50オングストロームの炭素材料
    とを含有する成型体からなり、その成型体のCu−Kα
    線源によるX線広角回折図形における(100)面ピー
    ク強度の(002)面ピーク強度に対する比が0.5/
    100から2.5/100の範囲にあることを特徴とす
    る非水電解質二次電池用負極。
  2. 【請求項2】 Cu−Kα線源によるX線広角回折法に
    おける(002)面の面間隔が3.40オングストロー
    ム以下でc軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が100オ
    ングストローム以上の炭素材料の含有量をWA、Cu−
    Kα線源によるX線広角回折法における(002)面の
    面間隔が3.43〜3.90オングストロームでc軸方
    向の結晶子の大きさ(Lc)が1〜50オングストロー
    ムの炭素材料の含有量をWBとしたとき、WB /(WA
    B)が20/100〜50/100である請求項
    載の非水電解質二次電池用負極。
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