JPH06330680A - 建築用シヤツターの錠装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シヤツターカーテンの全閉時には、ラツチ掛
りに係止するよう常時付勢されたラツチによつて自動的
に施錠できるものでありながら、開放時に錠装置を解錠
状態に保持できるようにする。 【構成】 ラツチが連結されるカムプレート１１にカム
部１１ｂを形成する一方、解錠位置のカムプレートのカ
ム部に係脱自在に係止するロツク体１７を設けてなる建
築用シヤツターの錠装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物出入口等の開口部
に建付けられる建築用シヤツターの錠装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
建物開口部に、複数枚のパネル（スラツト）を一連状に
連綴して形成したシヤツターカーテンを、左右ガイドレ
ールに案内させることで開閉する建築用シヤツターを建
付けることが有り、このような建築用シヤツターには、
全閉時、不用なカーテン開放を防止するための錠装置を
設けることになる。

【０００３】ところでこのような錠装置の中には、シヤ
ツターカーテンが閉鎖したときには自動的に施錠状態と
なつて施錠操作をなくし、全開時にのみ錠レバーを回し
操作して解錠させるようにして、施錠忘れをなくすと共
に操作性の改善を計つたものがあるが、このものは、錠
レバーが常時弾機によつて施錠側に付勢されており、こ
の結果、シヤツターカーテンを開放するには、錠レバー
を解錠操作状態に維持しながらシヤツターカーテンを、
ラツチ掛りのない解錠位置まで持ち上げる作業が強いら
れることになつて操作性が劣るという問題が有る。そし
てこの建築用シヤツターが、開口部側方に設けた巻上げ
チエーンのチエン操作で開閉操作するものであつて、し
かも、シヤツターカーテンを蓄勢するバランス弾機の付
勢力が全閉状態の付近では下降側に勝る調整のものであ
つたときには、錠レバーで解錠したものをラツチ掛りの
ない解錠位置まで持上げたとしても、巻上げチエンの操
作をすべくシヤツターカーテンから手を離すと自動的に
シヤツターカーテンが下降して施錠状態になつてしまい
一人作業でシヤツターカーテンを開放することが事実上
難しいという問題が有る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる建築用シ
ヤツターの錠装置を提供することを目的として創案され
たものであつて、開口部の開閉をするシヤツターカーテ
ンに、弾機の付勢力で躯体側に設けたラツチ掛りに係止
するよう常時付勢されたラツチと、該ラツチが連結され
るカムプレートと、該カムプレートと一体回動する錠レ
バーとを備え、シヤツターカーテンの閉鎖に伴いラツチ
がラツチ掛りに自動的に係止して施錠するよう構成して
なる建築用シヤツターの錠装置において、前記カムプレ
ートにカム部を形成する一方、該カムプレートを内装す
る錠ケースに、錠レバーの操作で解錠位置に位置するカ
ムプレートのカム部に係脱自在に係止するロツク体を設
けてあることを特徴とするものである。

【０００５】そして本発明は、この構成によつて、全閉
時には自動的に施錠できるものでありながら、開放時、
錠装置を解錠状態に保持できるようにして、操作性の改
善を計つたものである。

【０００６】

【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、１は建築用シヤツターの一つで
あるオーバーヘツドドアのシヤツターカーテンであつ
て、該シヤツターカーテン１は、複数枚のパネル（スラ
ツト）１ａを蝶番１ｂを介して一連状に連綴して形成さ
れるものであつて、開口部左右と天井部左右に配設され
る略逆Ｌ字形をしたガイドレール２に案内されて開閉す
るようになつている。３は開口部上方に配設される巻取
り軸、４は巻取り軸３と躯体側とのあいだに介装される
バランス弾機、５は巻取り軸３の左右両端部に一体的に
止着したプーリ、６は該プーリ５に巻装され、下端部が
シヤツターカーテン最下端のパネル１ａに止着される巻
取りワイヤ、７は前記巻取り軸３の一端部に連動連結さ
れる巻上げチエン（チエンホイストを用いて構成されて
いる）であつて、該巻上げチエン７から垂下される無端
のチエン７ａを操作することで巻取り軸３が正逆回動
し、これによつてシヤツターカーテン１の開閉作動がで
きるようになつている。

【０００７】８は前記各スラツト１ａのうちの下から二
枚目のスラツト１ａに組込まれる錠装置であつて、該錠
装置８は、スラツト１ａに一体的に止着される錠ケース
９に支軸１０ａを介して揺動自在に軸支される錠レバー
１０（実施例では、屋内外両側に設けられている）と、
該錠レバー１０の揺動に連繋して回動するカムプレート
（該カムプレートは錠レバー１０と一体形成しても勿論
良い）１１と、該カムプレート１１に支軸１２ａを介し
て揺動自在に軸支される状態で錠ケース９のケース内側
面に案内されて移動する作動板１２と、該作動板１２に
一端が連結される連結ワイヤ（実施例では、インナーワ
イヤ１３ａとアウタケーブル１３ｂとからなるボーデン
ワイヤ方式になつているが、図１２、１３に示す第二実
施例の如く通常のワイヤ１９を採用しても良く、さらに
は、カムプレートとラツチ体とを連動連結するものであ
ればリンク杆であつても良い）１３と、パネル１ａの左
右両端部に支軸１４ａを介して揺動自在に軸支され、弾
機１４ｂによつて常時パネル側縁から突出してガイドレ
ール２に設けたラツチ掛り１５に係止する方向に突出す
るように設定されるラツチ１４とを用いて構成され、そ
して該ラツチ１４に前記連結ワイヤ１３の先端部が連結
されている。そして、錠レバー１０が、上下方向を向く
施錠位置に位置する状態では、連結ワイヤ１３は送り出
されており、これによつてラツチ１４は、シヤツターカ
ーテン１が全閉状態となる少し前の段階でラツチ掛り１
５の傾斜ガイド面１５ａを弾機１４ａに抗して山越えす
る状態で越えて施錠される構成になつており、この施錠
状態が弾機１４ａの付勢力を受けた自然状態であるが、
錠レバー１０を弾機１４ａに抗して左右方向を向く解錠
位置に操作することで、ラツチ１４は弾機１４ａに抗し
て解錠位置に揺動するようになつている。尚、図中、１
１ａはカムプレート１１に設けたストツパであつて、該
ストツパ１１ａは、錠レバー１０を施錠位置、解錠位置
に位置したとき錠ケース９に設けたストツパ受け９ａ、
９ｂに当接してこれ以上の回動を規制するように設定さ
れている。また、１６は施錠状態のカムプレート１１が
解錠位置に回動するのを規制するための規制体である
が、該規制体１６は、屋外側からは鍵１６ａの操作によ
つて、屋内側からは摘み１６ｂの操作によつて前記規制
位置と規制をしない位置とに移動操作できるようになつ
ている。

【０００８】１７は基端部が錠ケース９に支軸１７ａを
介して回動自在に軸支されるロツク体であつて、該ロツ
ク体１７の先端部は、カムプレート１１に形成したカム
溝１１ｂに対向しており、そして、前述したように錠レ
バー１０を解錠位置に操作した状態で、ケース屋内側に
突出する摘み１７ａを回動操作することでロツク体１７
の先端部がカム溝（カム溝に限定されず、カム突起等の
カム部であれば良い）１１ｂに係止してカムプレート１
１が弾機１４ａの付勢力を受けて施錠位置に自動復帰す
るのを規制して解錠位置に保持できるようになつてい
る。そして、該ロツク体１７は、摘み１７ａを僅かに逆
回しすることによつてロツク解除状態となつて、以降は
自重により元位置に回動するが、さらに、天井マグサ部
には、シヤツターカーテン１が全開状態になる少し前の
状態で、前記ロツク状態の摘み１７ａに形成の突起部１
７ｂに接当してロツク体１７をロツク解除位置に自動的
に復帰できる解除体１８が設けられている。

【０００９】叙述のごとく構成された本発明の実施例に
おいて、ロツク体１７がロツク解除位置に位置した状態
でシヤツターカーテン１を閉鎖作動すると、全閉の少し
前位置において、施錠状態になつているラツチ１４が傾
斜ガイド面１５ａを弾機１４ａに抗して揺動して越えて
ラツチ掛り１５に係止することになつて自動的に施錠さ
れることになる。

【００１０】このように、本発明が実施されたものにお
いては、ラツチ１４のラツチ掛り１５への施錠係止を、
シヤツターカーテン１の全閉作動に追随して自動的に行
うことができるものであるが、該閉鎖したシヤツターカ
ーテン１を開放する場合に、錠レバー１０を解錠位置に
操作すると共にロツク体１７をロツク位置にセツトして
おくと、カムプレート１１は解錠位置にそのままロツク
保持されることになつて、錠レバー１０から手を離した
ときに、弾機１４ａの付勢力によつて施錠状態に復帰し
てしまうことがない。そしてこの解錠状態に保持した状
態で、巻上げチエン７を操作してシヤツターカーテン１
を開放せしめれば良いことになり、錠装置８が施錠状態
に自動復帰してシヤツターカーテン１の開放操作が邪魔
されることがない。

【００１１】しかもこのものでは、シヤツターカーテン
１を全開したときに、前記ロツク体１７は解除体１８が
干渉して自動的にロツク解除位置に復帰させるので、い
ちいちロツク体１７をロツク解除位置に復帰させる必要
もなく、もつて解除忘れをなくすることができる。

【００１２】

【作用効果】以上要するに、本発明は叙述の如く構成さ
れたものであるから、ラツチのラツチ掛りへの施錠係止
を、シヤツターカーテン１の閉鎖に伴つて自動的に行う
ことができるものであるが、該閉鎖したシヤツターカー
テンを開放する場合に、錠レバーを解錠位置に操作する
と共に、該操作で解錠位置となつたカムプレートのカム
部にロツク体を係止しておけば、カムプレートは解錠位
置にそのままロツク保持されることになつて、錠レバー
から手を離したときに、弾機の付勢力によつて施錠状態
に復帰してしまうことがない。そしてこの解錠状態に保
持した状態で、シヤツターカーテンを開放せしめれば良
いことになり、もつて、錠装置が施錠状態に自動復帰し
てシヤツターカーテンの開放操作が邪魔されることを確
実に回避することができ、操作性の向上に著しく貢献で
きることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】オーバーヘツドドアの斜視図である。

【図２】巻上げチエン部の斜視図である。

【図３】錠装置の概略正面図である。

【図４】ラツチ部の正面図である。

【図５】ラツチ部の平面図である。

【図６】錠操作部の正面図である。

【図７】錠操作部の外観図である。

【図８】錠操作部の断面図である。

【図９】施錠時における錠ケースの内部を示す図であ
る。

【図１０】解錠時における錠ケースの内部を示す図であ
る。

【図１１】第二実施例の施錠時における錠ケースの内部
を示す図である。

【図１２】第二実施例の解錠時における錠ケースの内部
を示す図である。

【図１３】第二実施例の錠操作部の断面図である。

【符号の説明】

１ シヤツターカーテン ９ 錠ケース １０ 錠レバー １１ カムプレート １１ｂ カム溝 １４ ラツチ １４ｂ 弾機 １５ ラツチ掛り １７ ロツク体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部の開閉をするシヤツターカーテン
   に、弾機の付勢力で躯体側に設けたラツチ掛りに係止す
   るよう常時付勢されたラツチと、該ラツチが連結される
   カムプレートと、該カムプレートと一体回動する錠レバ
   ーとを備え、シヤツターカーテンの閉鎖に伴いラツチが
   ラツチ掛りに自動的に係止して施錠するよう構成してな
   る建築用シヤツターの錠装置において、前記カムプレー
   トにカム部を形成する一方、該カムプレートを内装する
   錠ケースに、錠レバーの操作で解錠位置に位置するカム
   プレートのカム部に係脱自在に係止するロツク体を設け
   てあることを特徴とする建築用シヤツターの錠装置。