JPH06329718A - カチオン系水溶性重合体の製造法 - Google Patents

カチオン系水溶性重合体の製造法

Info

Publication number
JPH06329718A
JPH06329718A JP11849293A JP11849293A JPH06329718A JP H06329718 A JPH06329718 A JP H06329718A JP 11849293 A JP11849293 A JP 11849293A JP 11849293 A JP11849293 A JP 11849293A JP H06329718 A JPH06329718 A JP H06329718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
polymer
acid
ethylene oxide
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11849293A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3435728B2 (ja
Inventor
Shinichi Sato
眞一 佐藤
Yasuyuki Nakanishi
安之 仲西
Koji Mori
康治 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Corp filed Critical Mitsubishi Kasei Corp
Priority to JP11849293A priority Critical patent/JP3435728B2/ja
Publication of JPH06329718A publication Critical patent/JPH06329718A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3435728B2 publication Critical patent/JP3435728B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/32Polymerisation in water-in-oil emulsions

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式CH2 =CHNHCOR(式中、Rは
水素原子またはメチル基を表わす。)で示されるN−ビ
ニルカルボン酸アミド単独、または共重合可能な他の水
溶性ビニル化合物との混合物の水溶液を、(1)ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル系またはポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル系の界面活性剤、および
(2)酸化エチレンの重合体または酸化エチレンと酸化
プロピレンの共重合体、の存在下、炭化水素系分散媒中
に油中水型で懸濁重合し、次いで、酸加水分解すること
を特徴とするカチオン系水溶性重合体の製造法。 【効果】 粉末状のカチオン系水溶性重合体を効率よく
製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカチオン系水溶性重合体
の製造法に関する。詳しくは、N−ビニルカルボン酸ア
ミドの重合体を酸加水分解することにより得られる粉末
状のカチオン系水溶性重合体の製造法に関するものであ
る。本発明方法により得られる重合体は高分子量であ
り、有機汚泥の脱水用凝集剤、製紙工業における濾水性
向上剤や填料歩留向上剤などとして利用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルカルボン酸アミドを水溶液状
で重合し、これを酸加水分解する方法は多く知られてい
る(特公昭63−9523号公報等)。しかしながら、
より高分子量の重合体を製造しようとする場合、重合反
応液が極めて粘稠となり、場合によって含水の固塊状態
となり、効率よく酸加水分解することが難しくなる。
【0003】そこで、特公平4−36162号公報に
は、Nービニルホルムアミドの重合体を十分に乾燥し、
含水率を5%以下にしてガス状のハロゲン化水素酸と反
応させて加水分解する方法が提案されている。該方法に
よれば加水分解された重合体の粒子の固塊化が防止でき
る。しかしながら、重合体の乾燥に手間を要するうえ、
重合体中の含水率が低く、加水分解の効率が著しく低下
するという問題がある。
【0004】また、特開平3−195703号公報及び
特開平3−195704号公報には、N−ビニルホルム
アミドとアクリロニトリルの共重合体を、通常15〜6
0重量%の含水固体状態で塩化水素ガスと接触させて加
水分解する際に、共重合体を加圧造粒しておくこと、及
び、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコ
ールを存在させることにより、重合体同志の合着が抑制
でき、加水分解された重合体を粉体として取り出すこと
ができるとしている。しかしながら、これらの方法も、
加水分解前に、重合体の分離、乾燥、造粒等の煩雑な工
程が必要となる。
【0005】一方、N−ビニルカルボン酸アミド水溶液
を、油溶性セルロースの存在下で、炭化水素分散媒に分
散させて油中水型で懸濁重合し、続いて、親水性の界面
活性剤またアルコール類を添加し、水中油型に分散させ
て酸加水分解する方法も知られている(特開昭61−1
41712号公報)。かかる方法は、重合と加水分解を
続けて行うことができる点において簡便であり、粒状の
水溶性重合体が得られる。
【0006】しかしながら、反応系の成分割合などの選
択が必ずしも容易ではなく、特に反応系において水分が
多い条件では粒子の固着傾向があり、更なる改良を必要
とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、N−ビニルカルボン酸アミドの重合体を酸
加水分解することにより得られるカチオン系水溶性重合
体の製造法を改良し、より効率よく、高品質の粉末状の
カチオン系水溶性重合体の製品を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1のカチ
オン系水溶性重合体の製造法は、一般式CH2 =CHN
HCOR(式中、Rは水素原子またはメチル基を表わ
す。)で示されるN−ビニルカルボン酸アミド単独、ま
たは共重合可能な他の水溶性ビニル化合物との混合物の
水溶液を、(1)ポリオキシエチレンアルキルエーテル
系またはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル
系の界面活性剤、および(2)酸化エチレンの重合体ま
たは酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体、の存在
下、炭化水素系分散媒中に油中水型で懸濁重合し、次い
で、酸加水分解することを特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項2のカチオン系水溶
性重合体の製造法は、一般式CH2=CHNHCOR
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。)で示
されるN−ビニルカルボン酸アミド単独、または共重合
可能な他の水溶性ビニル化合物との混合物の水溶液を、
(1)ポリオキシエチレンアルキルエーテル系またはポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル系の界面活
性剤、の存在下、炭化水素系分散媒中に油中水型で懸濁
重合し、次いで、(2)酸化エチレンの重合体または酸
化エチレンと酸化プロピレンの共重合体、を添加して、
酸加水分解することを特徴とする。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる一般式 CH2 =CHNHCOR (式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。)で示
されるN−ビニルカルボン酸アミドとしてはN−ビニル
ホルムアミドおよびN−ビニルアセトアミドが挙げられ
るがN−ビニルカルボン酸アミド重合体の変性物を得る
目的のためには重合体の加水分解性の良いことからN−
ビニルホルムアミドが好ましい。
【0011】本発明の重合にはN−ビニルカルボン酸ア
ミド単独またはN−ビニルカルボン酸アミドと他の水溶
性ビニル化合物との混合物が用いられる。水溶性ビニル
化合物としてはN−ビニルカルボン酸アミドと共重合可
能であり、かつ、本発明に用いられる炭化水素系溶媒に
実質的に不溶性である化合物が用いられ、(メタ)アク
リロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)
アクリルアミド、N,N′−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−ア
ルキル−トリメチルアンモニウム塩、(メタ)アクリル
アミドアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩またはアン
モニウム塩、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩また
はアンモニウム塩、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリロイルオキシアルキル−トリメチル
アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルオキシアルカン
スルホン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、N
−ビニルピロリドン、N−アルキル−N−ビニルホルム
アミド、N−アルキル−N−ビニルアセトアミド、ジア
リル−ジアルキルアンモニウム塩、ビニルピリジン、ビ
ニルイミダゾール、ビニルペンジルトリアルキルアンモ
ニウム塩、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩またはア
ンモニウム塩、などの水溶性ビニル化合物が例示され
る。
【0012】N−ビニルカルボン酸アミド(A)を上記
の水溶性ビニル化合物(B)と共重合する場合は、
(A)と(B)の共重合モル比は、通常20:80〜9
5:5、好ましくは30:70〜90:10、更に好ま
しくは40:60〜80:20であるが、この範囲に特
に限定されるものではない。上記の原料ビニル化合物は
水溶液状で炭化水素系分散媒に分散して油中水型にて懸
濁重合される。原料モノマーの水溶液濃度は5〜95重
量%の範囲の任意の濃度で重合されるが、高分子量の重
合体を得るためには20〜80重量%が好ましい。
【0013】炭化水素系分散媒としては水と共沸する炭
化水素が好ましい。例えばn−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデ
カンなどの鎖状飽和炭化水素、沸点65〜250℃の石
油留分好ましくは沸点80℃〜180℃の石油留分、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
などの芳香族炭化水素が挙げられる。分散媒は原料ビニ
ル化合物の水溶液に対して通常0.5〜10重量倍、好
ましくは1〜5重量倍の範囲で用いられる。
【0014】本発明では、以上の懸濁重合の際、分散安
定剤として特定の界面活性剤を使用する。本発明で使用
する界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルエーテル
またはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルで
ある。具体的にはポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデ
シルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポ
リオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンフェニルエーテル等の化合物が例示される。かかる
界面活性剤は、HLB値(Hydrophilic L
ipophilic Balance)が、通常、9以
上の水溶性のノニオン系界面活性剤である。以上の界面
活性剤の使用量は分散媒に対して0.01〜5重量%、
好ましくは0.05〜1重量%の範囲から適宜選択され
る。
【0015】また、懸濁重合の際の重合開始剤には一般
的なラジカル重合開始剤を用いればよいが、アゾ化合物
が好ましい。特に好ましくは水溶性のアゾ化合物であ
り、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパンの塩酸
塩、硫酸塩および酢酸塩、アゾビス−N,N′−ジメチ
レンイソブチルアミジンの塩酸塩、硫酸塩および酢酸
塩、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸のアルカリ
金属塩およびアンモニウム塩などが例示される。ラジカ
ル重合開始剤は原料ビニル化合物に対して重量基準で1
00〜10000ppm、好ましくは500〜5000
ppmの範囲で用いられる。ラジカル重合開始剤の添加
方法は特に限定されないが原料ビニル化合物を含有する
水溶液にラジカル重合開始剤を溶解したのちこれを炭化
水素系分散媒中に分散して重合することが好ましい。更
に、場合によっては、重合安定剤として塩化アンモニウ
ム、塩化カルシウム等の添加物が使用される。添加物
は、全モノマーに対して、通常0.1〜20重量%、好
ましくは1〜15重量%使用される。
【0016】重合温度は、通常30〜100℃、好まし
くは50〜80℃である。また、重合時間は、通常0.
5〜10時間、好ましくは1〜8時間である。なお、重
合に際しては、重合熱が発生するので、通常、重合系を
冷却することにより、重合温度が上記範囲内に保持され
るように調節される。重合を実施するには、界面活性剤
を含有する分散媒を重合温度に保持し、窒素ガス気流
中、重合開始剤を含むモノマー水溶液を、攪拌下へ分散
媒中に添加することによる方法が例示されるが、特にモ
ノマー、溶媒、助剤の混合順序は限定されるものではな
い。
【0017】本発明では、以上の方法で得られたN−ビ
ニルカルボン酸アミド重合体を酸加水分解する。具体的
に加水分解変性される部分はN−ビニルカルボン酸アミ
ドの第2アミドの部分であって、加水分解の結果、1級
アミノ基が生成する。また、共重合体の場合は使用され
た水溶性ビニル化合物の構造の一部が変性することもあ
る。例えば、ニトリル基は、加水分解してアミド基、カ
ルボキシル基になる場合のほか、前述の第2アミドの加
水分解で生じた1級アミノ基と反応してアミジン環を形
成する場合がある。
【0018】酸加水分解には水溶性の強酸のいずれもが
使用できる。例えば塩化水素、臭化水素、フッ化水素、
硝酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸などが例示されるが、塩化水素が特に好ましい。
この場合、塩化水素はガス状で反応系に導入してもよい
し、塩酸水溶液として添加してもよい。酸加水分解の場
合、反応時の重合体含水物中の重合体の濃度が高い程、
加水分解速度が速くなるので飽和の水溶液を用いること
が好ましい。また、必要に応じ含水N−ビニルカルボン
酸アミド重合体を分散媒の水の共沸蒸留により脱水した
のち酸を加えることもできる。酸の使用量は目的とする
加水分解率に応じ適宜使用されるが、通常、目的とする
加水分解率のアミド基の当量に対し1〜2倍である。酸
加水分解の温度はN−ビニルホルムアミド重合体の場
合、20〜130℃、好ましくは60〜120℃であ
り、N−ビニルアセトアミド重合体の場合、50〜15
0℃、好ましくは90〜130℃である。必要に応じ加
圧反応系で実施される。
【0019】以上の懸濁重合及び酸加水分解の反応系に
おいて、本発明では、前述の特定の界面活性剤に加え
て、更に必須成分として酸化エチレンの重合体または酸
化エチレンと酸化プロピレンの共重合体を使用すること
を特徴とする。前述の特定の界面活性剤のみを使用して
懸濁重合を行うことは可能であり、また、酸加水分解の
際にも界面活性剤が重合体粒子の付着防止にある程度の
効果は認められるが、酸化エチレンの重合体または酸化
エチレンと酸化プロピレン共重合体を使用することによ
り、酸加水分解された重合体粒子の付着をほぼ完全に防
止することができる。
【0020】酸化エチレンの重合体としては、平均分子
量が通常1000〜50000、好ましくは6000〜
30000程度のポリエチレングリコールが用いられ
る。また、共重合体の場合、平均分子量は前記のポリエ
チレングリコールと同様の範囲のものであって、酸化エ
チレンと酸化プロピレンの重合モル比が、通常90:1
0〜40:60である。以上のポリエチレングリコール
等の添加量は、モノマー原料あるいはN−ビニルカルボ
ン酸アミド重合体に対して、通常0.1〜10重量%、
好ましくは0.5〜5重量%用いられる。
【0021】以上のポリエチレングリコール等は操作の
都合上、懸濁重合の際に初めから反応系に添加しておけ
ばよいが、酸加水分解の前であれば、途中で反応系に加
えても何らさしつかえない。加水分解後の反応液は、常
法により精製を行い粉末状の重合体を容易に回収するこ
とができる。反応液中の水、ギ酸及び酢酸は、溶媒との
共沸により除去することができる。また、反応液にアル
コールを添加し、ギ酸をエステル化することにより、ギ
酸をより効率的に除去することができる。そして、水、
ギ酸、酢酸をある程度除去した後、ろ過、乾燥を行い、
最終製品としての粉末状の重合体を得る。
【0022】
【実施例】以下に実施例を通じてさらに詳細に説明する
が本発明はその主旨を超えない限り以下の実施例に制約
されるものではない。
【0023】実施例1 攪拌器、冷却管、滴下ロート、ジャケット冷却器、およ
び窒素ガス導入管を備えた21の4ツ口フラスコに、シ
クロヘキサン400g、ポリオキシエチレンオレイルエ
ーテル(第一工業製薬(株)製商品名「ノイゲンET1
40E」、HLB値14)2g、塩化アンモニウム7
g、水83gを入れ攪拌下50℃に昇温した。
【0024】次に、窒素ガス気流下、2,2′−アゾビ
ス−2−アミジノプロパン2塩酸塩10重量%水溶液
2.7gを添加後、N−ビニルホルムアミド(純度90
%)79g、アクリロニトリル(純度99.5%)65
gの混液を3時間かけて滴下した。その後、さらに55
℃で反応を3時間続けた。以上の反応液をそのまま攪拌
器、加熱ヒーター、油水分離機を備えた冷却管を備えた
オートクレーブに投入し、さらにポリエチレングリコー
ル(分子量20000)4gを投入した。
【0025】続いて系を密閉し、攪拌下、塩化水素ガス
40.2gを吹き込み、内温が100℃になるまで加熱
した。その温度を保ったまま4時間反応を行った。続い
て圧力を大気圧まで放圧したあと、メタノール48.1
gを投入し1時間加熱し、続いて加熱還流させた。還流
ラインには油水分離器を装備してあり、水層を分離して
シクロヘキサン層を還流し、反応液の脱水を行った。
【0026】還流温度が81℃になるまで脱水を行った
後、反応液を取り出し、濾過、通風乾燥して、粉末状の
カチオン系水溶性重合体を取得した。なお反応中、反応
液はスラリー状態を維持し、壁等への粒子付着、粒子の
固塊化は認められなかった。取得した重合体は良好な水
溶解性を示した。また、一部を水に溶解し、メタノール
を添加して再沈澱精製を行い、物性を測定したところ、
1規定の食塩水中の還元粘度3.7g/dl、ポリマー
1g当たりのカチオン当量7.7meqを示した。
【0027】さらにC13NMRによる分析でアミノ基は
一部が隣接ニトリル基と反応し、アミジン基に変換され
ていることが確認された。
【0028】実施例2 実施例1と同様の実験装置に、トルエン660g、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本乳化剤
(株)製商品名「Newcol564H」、HLB値1
2.9)3.3g、塩化アンモニウム7g、水75gを
入れ攪拌下50℃に昇温した。
【0029】次に窒素ガス気流下、2,2′−アゾビス
−2−アミジノプロパン2塩酸塩10重量%水溶液2.
7gを添加後、N−ビニルホルムアミド(純度90%)
79g、アクリロニトリル(純度99.9%)53gの
混液を3時間かけて滴下した。その後、さらに60℃で
反応を3時間続けた。以上の反応液をそのまま攪拌器、
加熱ヒーター、冷却管を備えたオートクレーブに投入
し、さらにポリエチレングリコール(分子量2000
0)4gを投入した。
【0030】続いて攪拌しながら塩化水素ガス40.2
gを吹き込み、その後内温92℃に加熱し、その温度を
保ったまま7時間反応を行った。続いて攪拌下メタノー
ル48.1gを投入し1時間加熱し、続いて加熱還流さ
せた。還流ラインには油水分離器を装備し、反応液の脱
水を行った。還流温度が110℃になるまで脱水を行っ
た後、反応液を取り出し、濾過、通風乾燥して、粉末状
のカチオン系水溶性重合体を取得した。なお、反応中、
反応液はスラリーを維持し、壁等への粒子付着、粒子の
固塊化は起こらなかった。
【0031】取得したポリマーは良好な水溶解性を示
し、1規定の食塩水中の還元粘度2.7g/dl、カチ
オン当量7.5meq/gを示した。さらにC13NMR
による分析でアミノ基は一部がアミジン基に変換されて
いることが確認された。
【0032】比較例1 実施例2と同一の反応を行ったが、酸加水分解時のポリ
エチレングリコール添加を行わなかったところ、反応中
に粒子は固塊化し、反応の継続が不可能になった。
【0033】比較例2 実施例1と同様の反応を乳化剤を使用しない代わりに2
gのエチルセルロースを添加して行った。重合反応は同
様に行うことが可能であったが、酸加水分解の段階にな
ると、ポリエチレングリコールを添加しても反応中に粒
子が固塊化し、反応の継続が不可能になった。
【0034】
【発明の効果】N−ビニルカルボン酸アミドをモノマー
原料として、簡便に効率よくカチオン系水溶性重合体を
製造することができる。特に、重合、加水分解の際の重
合体粒子の付着、固塊化の問題がないので、粒子状の最
終製品を安定に得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式CH2 =CHNHCOR(式中、
    Rは水素原子またはメチル基を表わす。)で示されるN
    −ビニルカルボン酸アミド単独、または共重合可能な他
    の水溶性ビニル化合物との混合物の水溶液を、(1)ポ
    リオキシエチレンアルキルエーテル系またはポリオキシ
    エチレンアルキルアリールエーテル系の界面活性剤、お
    よび(2)酸化エチレンの重合体または酸化エチレンと
    酸化プロピレンの共重合体、の存在下、炭化水素系分散
    媒中に油中水型で懸濁重合し、次いで、酸加水分解する
    ことを特徴とするカチオン系水溶性重合体の製造法。
  2. 【請求項2】 一般式CH2 =CHNHCOR(式中、
    Rは水素原子またはメチル基を表わす。)で示されるN
    −ビニルカルボン酸アミド単独、または共重合可能な他
    の水溶性ビニル化合物との混合物の水溶液を、(1)ポ
    リオキシエチレンアルキルエーテル系またはポリオキシ
    エチレンアルキルアリールエーテル系の界面活性剤、の
    存在下、炭化水素系分散媒中に油中水型で懸濁重合し、
    次いで、(2)酸化エチレンの重合体または酸化エチレ
    ンと酸化プロピレンの共重合体、を添加して、酸加水分
    解することを特徴とするカチオン系水溶性重合体の製造
    法。
JP11849293A 1993-05-20 1993-05-20 カチオン系水溶性重合体の製造法 Expired - Lifetime JP3435728B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11849293A JP3435728B2 (ja) 1993-05-20 1993-05-20 カチオン系水溶性重合体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11849293A JP3435728B2 (ja) 1993-05-20 1993-05-20 カチオン系水溶性重合体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06329718A true JPH06329718A (ja) 1994-11-29
JP3435728B2 JP3435728B2 (ja) 2003-08-11

Family

ID=14738014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11849293A Expired - Lifetime JP3435728B2 (ja) 1993-05-20 1993-05-20 カチオン系水溶性重合体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3435728B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5962570A (en) * 1995-12-15 1999-10-05 Mitsubishi Chemical Corporation Process for the preparation of aqueous solution or dispersion containing cationic polymer
JP2012107105A (ja) * 2010-11-16 2012-06-07 Daiyanitorikkusu Kk N−ビニルカルボン酸アミド系重合体、及びカチオン系水溶性重合体の製造方法
JP2012122010A (ja) * 2010-12-09 2012-06-28 Daiyanitorikkusu Kk 水溶性ポリマーの製造方法
JP2012131926A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Daiyanitorikkusu Kk 水溶性ポリマーの製造方法
JP2012153747A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Hymo Corp ポリビニルアミンの安定な油中水型エマルジョンの製造方法
JP2012177053A (ja) * 2011-02-28 2012-09-13 Daiyanitorikkusu Kk N−ビニルカルボン酸アミド重合体の製造方法
JP2013071059A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Daiyanitorikkusu Kk 有機質汚泥の処理方法
JP2013252476A (ja) * 2012-06-06 2013-12-19 Hymo Corp 凝集処理剤

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5962570A (en) * 1995-12-15 1999-10-05 Mitsubishi Chemical Corporation Process for the preparation of aqueous solution or dispersion containing cationic polymer
US6602940B1 (en) 1995-12-15 2003-08-05 Mitsubishi Chemical Corporation Process for the preparation of aqueous solution or dispersion containing cationic polymer
JP2012107105A (ja) * 2010-11-16 2012-06-07 Daiyanitorikkusu Kk N−ビニルカルボン酸アミド系重合体、及びカチオン系水溶性重合体の製造方法
JP2012122010A (ja) * 2010-12-09 2012-06-28 Daiyanitorikkusu Kk 水溶性ポリマーの製造方法
JP2012131926A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Daiyanitorikkusu Kk 水溶性ポリマーの製造方法
JP2012153747A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Hymo Corp ポリビニルアミンの安定な油中水型エマルジョンの製造方法
JP2012177053A (ja) * 2011-02-28 2012-09-13 Daiyanitorikkusu Kk N−ビニルカルボン酸アミド重合体の製造方法
JP2013071059A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Daiyanitorikkusu Kk 有機質汚泥の処理方法
JP2013252476A (ja) * 2012-06-06 2013-12-19 Hymo Corp 凝集処理剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3435728B2 (ja) 2003-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3852053B2 (ja) 高分子量アクリルアミドポリマー類の製造方法と使用方法
JP3435728B2 (ja) カチオン系水溶性重合体の製造法
US5548020A (en) Stabilized polyacrylamide emulsions and methods of making same
JPH0586127A (ja) 水溶性ポリマーの製造法
JP3189315B2 (ja) N−ビニルカルボン酸アミド重合体の製造法
JP5668463B2 (ja) 水溶性ポリマーの製造方法
JP2009072754A (ja) 汚泥の脱水処理方法
JP3216070B2 (ja) ポリマー粒子分散液の製造方法、ポリマー粒子の精製方法およびポリマーの変性方法
JP3147440B2 (ja) 水溶性ポリマーの製造法
JP2010158660A (ja) 汚泥の脱水方法
JP3580397B2 (ja) 水溶性カチオンポリマー水系分散液の製造方法
JP5609576B2 (ja) N−ビニルカルボン酸アミド系重合体、及びカチオン系水溶性重合体の製造方法
JP2000159969A (ja) エマルジョンおよびその用途
JP3156342B2 (ja) 粉末状のカチオン系水溶性ポリマー組成物とその製造法
JP3697700B2 (ja) 汚泥脱水剤
JP3697701B2 (ja) 汚泥脱水剤
JP3722245B2 (ja) 汚泥の脱水方法
JP4109145B2 (ja) 高分子凝集剤及びその製造方法
JP2002249503A (ja) 両性水溶性高分子分散液
JP3637709B2 (ja) カチオン系重合体含有水性液の製造法
JP5625846B2 (ja) 水溶性ポリマーの製造方法
JPH0586115A (ja) 水溶性ポリマーの製造法
JP3975589B2 (ja) 水溶性ポリマーを含むスラリー組成物と粉末の製造方法
JP5594186B2 (ja) N−ビニルカルボン酸アミド重合体の製造方法
JP2004089815A (ja) 汚泥の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090606

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100606

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100606

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606

EXPY Cancellation because of completion of term