JP5609576B2 - N−ビニルカルボン酸アミド系重合体、及びカチオン系水溶性重合体の製造方法 - Google Patents

N−ビニルカルボン酸アミド系重合体、及びカチオン系水溶性重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、N−ビニルカルボン酸アミド系重合体、及びカチオン系水溶性重合体の製造方法に関する。
N−ビニルカルボン酸アミドは、N−ビニルアミドあるいはN−ビニルアシルアミドとも呼ばれている重合性に富む化合物であり、具体的には、N−ビニルホルムアミドやN−ビニルアセトアミド等が知られている。この化合物は、重合後、加水分解して、そのアミド基を1級アミノ基に転換して得られるポリビニルアミン及びその誘導体の原料として多用されている。
特に、N−ビニルカルボン酸アミド系重合体やポリビニルアミン等の水溶性重合体は、高分子凝集剤、紙力増強剤、染料固着剤、スケール防止剤、金属イオン封鎖剤などを初めとする広い分野に有用である。
N−ビニルカルボン酸アミド重合体の製造方法としては、N−ビニルカルボン酸アミドを水溶液状で重合する方法が知られている(特許文献1)。しかし、この方法では、水溶液状で重合するため、高分子量の重合体を製造しようとする場合、溶液が極めて粘稠となり濃度が高ければ含水状の固体となり、取扱性が極めて悪い。
また、単量体水溶液をHLBが9〜20である非イオン系界面活性剤(乳化剤)の存在下、炭化水素分散媒中に油中水型で懸濁重合する方法も知られている(特許文献2)。しかし、この方法では、懸濁微粒子の安定化剤として、乳化剤を使用しているものの、本質的にN−ビニルカルボン酸アミドの単独重合体が水溶性であるため粒子は容易に合着する。粒子が肥大した状態で加水分解を行うと、加水分解に分布を生じて均一な品質の製品が得られ難い。更に、分散安定性向上のため乳化剤を多量に使用すると、懸濁液がエマルションになり、急激に増粘され、重合時の温度制御が困難であるという問題が挙げられる。また、乳化剤のみを使用して重合した粒子を加水分解した場合、粒子同士の合着が進行する。合着により粒子が肥大化すると、製品の品質が不均一になることに加え、粉末状の重合体を得る際の脱水にもより時間を要するため、工業的に不利である。
更に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系またはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル系の界面活性剤、及び酸化エチレンの重合体または酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体の存在下、炭化水素系分散媒中に油中水型で懸濁重合する方法が知られている(特許文献3)。具体的には、酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体(例えばポリエチレングリコール)と界面活性剤を共存させ、重合、及び加水分解を行う方法。しかし、この方法では、重合体微粒子を形成するには十分でない。
特公昭63−9523号公報 特開平5−97931号公報 特許第3435728号公報
本発明は上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、N−ビニルカルボン酸アミド水溶液の逆相懸濁重合において、過剰量の乳化剤を使用せずとも、安定的に重合体微粒子を得る方法を提供することにある。
すなわち、本発明の第1の要旨は、一般式CH2=CHNHCOR(式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す)で示されるN−ビニルカルボン酸アミドを含有する単量体水溶液を、炭化水素系溶媒とHLBが9〜20の界面活性剤とを含む分散媒中に滴下し、油中水型で懸濁重合するN−ビニルカルボン酸アミド系重合体の製造方法において、上記の分散媒中に、予め決定された使用量の内の70質量%以上の、酸化エチレンの重合体、酸化プロピレンの重合体、酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体、及びエチルセルロースの内の少なくとも1種を単量体水溶液の添加と同時に逐次添加することを特徴とするN−ビニルカルボン酸アミド系重合体の製造方法に存する。
そして、本発明の第2の要旨は、上記の製造方法で得られたN−ビニルカルボン酸アミド重合体を加水分解することを特徴とするカチオン系水溶性重合体の製造方法に存する。
本発明によれば、簡便に効率よく、N−ビニルカルボン酸アミド重合体微粒子を得ることが出来、また、これを原料とすれば取扱性の良いカチオン系重合体の製造方法が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
N−ビニルカルボン酸アミドは、一般式:CH=CH−NHCOR(式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す)で示される。具体的には、N−ビニルホルムアミド(R=H)やN−ビニルアセトアミド(R=CH)の他、N−ビニルプロピオン酸アミド、N−ビニル酪酸アミド等が例示される。これらの中では、ポリビニルアミンへの誘導の容易さからN−ビニルホルムアミドが好ましい。
N−ビニルカルボン酸アミドは、必要に応じ、エチレン性不飽和結合を有する任意の単量体と共重合させることが可能である。共重合させ得る単量体としては、(メタ)アクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びその塩あるいは4級化物、ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びその塩あるいは4級化物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及びその塩あるいはその4級化物、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル等が例示され、1種でも2種以上でも使用できる。
単量体中のN−ビニルカルボン酸アミドの含有割合は、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上、更に好ましくは50モル%以上、特に好ましくは90モル〜100モル%である。
通常、上記の原料ビニル化合物は水溶液状で分散媒に分散して懸濁重合される。原料単量体の水溶液濃度は5〜95質量%の範囲で任意に選択されるが、高分子量の重合体を得るためには20〜80質量%が好ましい。共重合体を得る際、各単量体は、別々に滴下してもよく、混合液として滴下してもよい。
炭化水素系溶媒としては水と共沸する炭化水素が好ましい。例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の鎖状飽和炭化水素、沸点65〜250℃(好ましくは沸点80℃〜180℃)の石油留分、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素が挙げられる。炭化水素系溶媒は、原料ビニル化合物の水溶液に対し、通常0.5〜10重量倍、好ましくは1〜5重量倍の範囲で使用される。
乳化剤としては、通常、W/O(油中水滴)型乳化が可能な界面活性剤が使用される。斯かる界面活性剤としては、HLB(Hydrophilic Lipophilic Balance)が通常9〜20、好ましくは12〜19のノニオン系界面活性剤が好適であり、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルである。具体的には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル等の化合物が例示される。乳化剤の使用量は、炭化水素系溶媒に対し、通常0.01〜3質量%、好ましくは0.05〜2質量%の範囲から適宜選択される。0.01質量%より少ないと重合体粒子の合着による肥大化が生じ、3質量%より多いと、懸濁液がエマルションになり、急激に増粘され、重合時の温度制御が困難であるという問題点がある。
乳化剤は、懸濁系の形成と懸濁粒子の安定化の双方の機能を有するが、多すぎればエマルションを形成するため、その使用量の許容範囲が狭い。しかし、本発明のように分散安定化機能を後述の分散剤に行わせ、更に、この分散剤を後述するように懸濁粒子の増加と共に添加することにより、最小の量で安定した分散系を形成することができる。更に、本発明で使用する分散剤は、界面活性剤と違い、懸濁液のエマルション化に直接影響しないため、添加量を自由にコントロールすることができ、安定した微粒子形成に寄与することが可能である。
分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の高分子化合物、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等の油溶性高分子化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の酸化エチレンの重合体または酸化プロピレンの重合体または酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体が挙げられる。これらの中では、酸化エチレンの重合体または酸化プロピレンの重合体または酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体が好ましく、酸化エチレンの重合体が特に好ましい。これらの分散剤は2種以上使用してもよい。
酸化エチレンの重合体としては、平均分子量は、通常1000〜100000、好ましくは2000〜100000、更に好ましくは6000〜30000程度のポリエチレングリコールが使用される。また、酸化エチレンの共重合体としては、平均分子量が上記のポリエチレングリコールと同様の範囲であり、酸化エチレンと酸化プロピレンの重合モル比が通常90:10〜40:60のものが使用される。
分散剤の添加量は、単量体原料に対し、通常1〜10質量%程度である。
また、懸濁重合の際の重合開始剤には一般的なラジカル重合開始剤から適宜選択することができるが、特にアゾ系開始剤およびレドックス系開始剤が好ましい。例えば、アゾ系開始剤としては、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパンの塩酸塩、硫酸塩および酢酸塩、アゾビス−N,N′−ジメチレンイソブチルアミジンの塩酸塩、硫酸塩および酢酸塩、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩などが例示される。レドックス系開始剤としては、過酸化剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド、ペルオクソ二硫酸アンモニウム及び還元剤として亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の組合せが例示されるが、t−ブチルハイドロパーオキサイドと亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素ナトリウムの組合せが好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、原料ビニル化合物に対する重量基準として、通常100〜10000ppm、好ましくは500〜7000ppmの範囲である。ラジカル重合開始剤の添加方法は、特に限定されないが、原料ビニル化合物を含有する水溶液にラジカル重合開始剤を溶解した後、これを炭化水素系溶媒中に添加して分散する方法が好ましい。
更に、重合安定剤として、塩化アンモニウム、塩化カルシウム等の添加物を使用してもよい。これらの添加物の使用量は、全単量体に対し、通常0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%の範囲である。
重合時に連鎖移動剤を使用して分子量を調節してもよい。連鎖移動剤としては、イソプロピルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類、チオグリコール酸、チオグリセロール等のメルカプタン類、次亜燐酸ソーダ等の亜燐酸塩類が挙げられる。
重合を実施するには、先ず、分散媒となる炭化水素系溶媒と乳化剤を仕込み、撹拌下で窒素置換し、重合温度に昇温した反応槽へ、重合開始剤を添加し、次いで、単量体水溶液を滴下する方法が例示されるが、特に単量体、溶媒、助剤の添加方法や順序は限定されるものではない。
重合温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃である。また、重合時間は、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜8時間である。なお、重合に際しては、重合熱が発生するので、通常、重合系を冷却することにより、重合温度が上記範囲内に保持されるように調節される。重合の際のpHは通常5〜9である。pHがこの範囲を外れるとN−ビニルカルボン酸アミドの一部が加水分解してしまう。
重合体中に残存N−ビニルカルボン酸アミド量が多い場合は、加水分解工程時に発生したアルデヒド基含有物質が加水分解後に生じるポリビニルアミンと反応することにより架橋構造が形成されて不溶化し易くなる。従って、N−ビニルカルボン酸アミドの重合転化率は高い方が好ましい。すなわち、転化率は、通常90質量%以上、好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上、特に好ましくは99質量%以上である。
本発明の特徴は、懸濁重合の際、前述の分散剤を逐次添加していくことを特徴とする。分散剤の逐次添加とは、一括添加せずに、連続的添加(一定時間かけて添加する態様)又は断続的添加(複数回に分けて添加する態様)を指している。具体的には、予め決定された使用量の分散剤の全量を0.5〜10時間かけて逐次添加する。分散剤は予め反応槽へ混合しておいてもよいが、添加する分散剤の70質量%以上は単量体の添加と同時に、連続的又は断続的に添加しなくてはならない。予め単量体水溶液に混合し添加する方法や、別々の滴下装置から同時に添加する方法など挙げられるが、操作上の観点から、分散剤を予め単量体水溶液中に溶解し、逐次添加していく方法が推奨される。
以上の方法で得られたN−ビニルカルボン酸アミド重合体は、特に分散剤を追加することなく、粒子同士の合着を完全に防止したまま、加水分解反応を行うことができる。分散剤を書せずに乳化剤のみで重合した粒子を加水分解した場合、粒子同士の合着が進行し、肥大した粒子が生成される。肥大した粒子は品質が不均一になり、更に粉末状の重合体を得る際の脱水にもより時間を要するため、工業的に不利である。
N−ビニルカルボン酸アミド重合体の加水分解方法としては、酸性または塩基性条件下、水中で加水分解する方法、水を含有するアルコール等の親水性溶媒中で加水分解する方法、加アルコール分解などが例示される。加アルコール分解に使用されるアルコールとしては、炭素数1〜4のアルコールが挙げられるが、好ましくはメタノールである。
具体的に加水分解される部分はN−ビニルカルボン酸アミドの第2アミドの部分であって加水分解の結果、1級アミド基が生成する。また、共重合体の場合は使用された水溶性ビニル化合物の構造の一部も加水分解の対象となることもある。例えば、ニトリル基はアミド基、カルボシル基になることもある。
酸性加水分解には水溶性の一価の強酸の何れもが使用できる。例えば、塩化水素、臭素水素、フッ化水素、硝酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などが例示されるが、塩化水素が特に好ましい。この場合、塩化水素はガス状で反応系に導入してもよいし、塩酸水溶液として添加してもよい。塩基性加水分解には水溶性の強塩基の何れもが使用されるが、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが好ましい。
酸の使用量は目的とする加水分解率に応じ適宜使用されるが、通常、目的とする加水分解率のアミド基の当量に対し1〜2倍である。酸性加水分解の温度はN−ビニルホルムアミド重合体の場合、20〜130℃、好ましくは60〜120℃であり、N−ビニルアセトアミド重合体の場合、50〜150℃、好ましくは90〜130℃である。必要に応じ加圧反応系で実施される。
塩基の使用量は目的とする加水分解率に応じ適宜使用されるが、通常、目的とする加水分解率のアミド基の当量に対し1〜3倍である。塩基性加水分解の温度はN−ビニルホルムアミド重合体の場合、20℃〜100℃、好ましくは50℃〜80℃であり、N−ビニルアセトアミド重合体の場合、80℃〜180℃である。必要に応じ加圧反応系で実施される。
塩基性加水分解においては重合体中の不純物により架橋反応を惹起し易いが、必要に応じ、アンモニア、1級アミン及び2級アミンから選ばれる1種または2種以上の化合物を添加して加水分解することによりこれを防止できる。
反応液中の水、ギ酸および酢酸は、溶媒との共沸により除去することができる。また、反応液にアルコールを添加し、ギ酸をエステル化することにより、ギ酸をより効率的に除去することができる。
水、ギ酸、酢酸をある程度除去した後、ろ過、乾燥を行い、最終製品としての粉末状の重合体を得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、冷却管、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた1リットルの5ツ口フラスコに分散媒としてシクロヘキサン315gとポリオキシエチレンオレイルエーテル(第一工業製薬(株)商品名「ノイゲンET140E」、HLB=14.0)4.7g、塩化アンモニウム4.0g、脱イオン水29.5gを入れ、攪拌下55℃に昇温した。
次に、N−ビニルホルムアミド(純度=99.2%)80.7g、脱イオン水31.8g、次亜燐酸ナトリウム0.025g、ポリエチレングリコール(分子量20000)0.8gをよく混合し、滴下ロート内に充填した。
窒素ガス気流下、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン2塩酸塩12質量%水溶液2.7gを添加後、上記N−ビニルホルムアミド水溶液を3時間かけて滴下し、その後、更に、56.5℃で反応を2時間続け、N−ビニルホルムアミド重合体を得た。重合体粒子の形状を表1に示す。
(実施例2)
ポリエチレングリコール(分子量20000)を2.4gに増量した点以外は実施例1と同様の操作を行い、N−ビニルホルムアミド重合体を得た。重合体粒子の形状を表1に示す。
(実施例3)
ポリエチレングリコール(分子量20000)を4.0gに増量した点以外は実施例1と同様の操作を行い、N−ビニルホルムアミド重合体を得た。重合体粒子の形状を表1に示す。
(実施例4)
ポリエチレングリコール(分子量20000)をエチルセルロースに変更した点以外は実施例3と同様の操作を行い、N−ビニルホルムアミド重合体を得た。重合体粒子の形状を表1に示す。
(実施例5)
ポリエチレングリコール(分子量20000)をポリプロピレングリコールに変更した点以外は実施例3と同様の操作を行い、N−ビニルホルムアミド重合体を得た。重合体粒子の形状を表1に示す。
(実施例6)
実施例3において製造した重合体分散液中に、攪拌しながら塩化水素ガス16.5gを吹き込み、その後内温を70℃に加熱し、その温度を保ったまま3時間加水分解反応を行った。続いて、攪拌下、メタノール22gを投入して1時間加熱し、加熱還流させた。還流ラインには油水分離器を装備し、反応液の共沸脱水を行った。還流温度が81℃になるまで脱水を行った後、反応液を取り出し、濾過、通風乾燥して、粉末状のカチオン系水溶性重合体を取得した。得られたカチオン系重合体粒子の形状を表1に示す。
(比較例1)
ポリエチレングリコールを添加しない点以外は実施例1と同様の操作を行い、N−ビニルホルムアミド重合体を得た。重合体粒子の形状を表1に示す。
(比較例2)
ポリエチレングリコールを添加せず、かつポリオキシエチレンオレイルエーテル(第一工業製薬(株)商品名「ノイゲンET140E」、HLB=14.0)の添加量を11gに増量した点以外は実施例1と同様の操作を行い、N−ビニルホルムアミド重合体を得た。重合体粒子の形状を表1に示す。
(比較例3)
ポリエチレングリコール(分子量20000)をフラスコ中に予め溶解した点以外は実施例1と同様の操作を行い、N−ビニルホルムアミド重合体を得た。重合体粒子の形状を表1に示す。
(比較例4)
N−ビニルホルムアミド水溶液の滴下が終了した後にポリエチレングリコール(分子量20000)を添加した点以外は実施例1と同様の操作を行い、N−ビニルホルムアミド重合体を得た。重合体粒子の形状を表1に示す。
(比較例5)
比較例3において製造した重合体分散液中に、攪拌しながら塩化水素ガス16.5gを吹き込み、その後内温70℃に加熱し、その温度を保ったまま3時間反応を行った。加水分解反応中に粒子同士の付着が起こり、肥大粒子が生成したため、反応を中断した。
実施例1〜5において得られた重合体は、何れも均一なビーズ状であった。比較例1及び2は、それぞれ、分散剤を使用せず界面活性剤を1.5質量%又は3.5質量%とした場合の例であるが、界面活性剤1.5質量%だけでは重合中に粒子が肥大化し、やや扁平状となった。また、3.5質量%添加した場合は、重合中にエマルション化して増粘したため、除熱が困難となった。比較例3は分散剤を一括添加した場合の例であるが、重合中に粒子が肥大化した。比較例4は分散剤の全量を単量体の滴下終了時に添加した場合の例であるが、重合中に粒子が肥大化した。実施例6は実施例3で得られた重合体分散液に対して塩化水素ガスを供給して加水分解した例であるが、加水分解時においても粒子同士の付着が起こらず、安定した粒状の分散液が得られた。比較例5は、分散剤を先に一括添加して得られた重合体分散液(比較例3)に対して実施例6と同様に加水分解を行なった例であるが、反応中に粒子同士の付着が起こり、攪拌不能となってしまった。
Figure 0005609576

Claims (4)

  1. 一般式CH=CHNHCOR(式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す)で示されるN−ビニルカルボン酸アミドを含有する単量体水溶液を、炭化水素系溶媒とHLBが9〜20の界面活性剤とを含む分散媒中に滴下し、油中水型で懸濁重合するN−ビニルカルボン酸アミド系重合体の製造方法において、上記の分散媒中に、予め決定された使用量の内の70質量%以上の、酸化エチレンの重合体、酸化プロピレンの重合体、酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体、及びエチルセルロースの内の少なくとも1種を単量体水溶液の添加と同時に逐次添加することを特徴とするN−ビニルカルボン酸アミド系重合体の製造方法。
  2. 分散剤を予め単量体水溶液中に溶解して逐次添加する請求項1に記載の製造方法。
  3. 分散剤の添加量が単量体に対して1〜10質量%である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜の何れかの製造方法で得られたN−ビニルカルボン酸アミド重合体を加水分解することを特徴とするカチオン系水溶性重合体の製造方法。
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