JPH11292908A - N−ビニルカルボン酸アミドの重合方法、重合体及び重合体の製造方法 - Google Patents

N−ビニルカルボン酸アミドの重合方法、重合体及び重合体の製造方法

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JPH11292908A
JPH11292908A JP9870398A JP9870398A JPH11292908A JP H11292908 A JPH11292908 A JP H11292908A JP 9870398 A JP9870398 A JP 9870398A JP 9870398 A JP9870398 A JP 9870398A JP H11292908 A JPH11292908 A JP H11292908A
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JP
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polymerization
polymer
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acid amide
vinylcarboxylic
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Application number
JP9870398A
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English (en)
Inventor
Takashi Ono
隆 小野
Hiroshi Izumikawa
洋 泉川
Nitsushin Takasaki
日新 高崎
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 N−ビニルカルボン酸アミドを含むポリマー
を、任意の調節された分子量で得ること。またこれらの
ポリマーを加水分解し、分子量の調節されたポリビニル
アミンを得ること。 【解決手段】 N−ビニルカルボン酸アミドの一種以上
を重合する際、またはN−ビニルカルボン酸アミドの一
種以上と他の一種以上のモノマーとを、全モノマー中の
30重量%以上をN−ビニルカルボン酸アミドを用いて
共重合する際において、次亜燐酸塩類の存在下に重合を
行うことを特徴とする重合方法、該重合方法によって得
られる、1規定食塩水中0.1g/dl濃度での25℃
における還元粘度が0.5dl/g以下である重合体及
びその製造方法、並びに該重合体を更に加水分解するこ
とにより得られるポリビニルアミン系重合体を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−ビニルカルボ
ン酸アミドを用いた重合方法、及び重合体、並びに重合
方法に関し、次亜燐酸塩類の存在下に重合を行うことに
より、分子量が制御された重合体を安価に収率よく得る
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルカルボン酸アミドは、下記一
般式
【0003】
【化1】CH2=CH-NHCOR
【0004】(式中、Rは水素原子またはアルキル基を
表す)で示され、N−ビニルアミドあるいはN−ビニル
アシルアミドとも呼ばれている重合性に富む化合物であ
り、具体的にはN−ビニルホルムアミドやN−ビニルア
セトアミドなどが例示される。該化合物は、N−ビニル
カルボン酸アミドの一種以上を重合させるか、又は他の
ビニル化合物等のモノマーと共重合させて、種々の特性
を有する重合物を得ることができる。またこの重合物を
加水分解して、そのアミド基を1級アミノ基に転換し
て、ポリビニルアミン等の水溶性ポリマーを得ることも
できる。
【0005】特に、ポリN−ビニルカルボン酸アミドや
ポリビニルアミン等の水溶性ポリマーは、高分子凝集
剤、紙力増強剤、染料固着剤、スケール防止剤、金属イ
オン封鎖剤などをはじめとする広い分野に有用である。
これらの用途は、該水溶性ポリマーが他の物質と強い相
互作用を有することを利用したものであるが、期待され
る性能は、通常、分子量に大きく依存する。例えば、高
分子凝集剤においては、水溶性ポリマーの分子量が大き
いほど、フロックの沈降性が大きく、有効である。逆
に、紙力増強剤においては、分子量が大きすぎると繊維
が過度に凝集し、製紙後の地合乱れを生じるため、低分
子量の製品が特に有用である。このように、これら水溶
性ポリマーは、その用途に応じて分子量を適切に制御す
る必要がある。
【0006】しかし、N−ビニルカルボン酸アミドはそ
の高い重合活性のため、容易に高分子量体が生成する。
従って、従来低分子量の重合体を得る場合には、希薄な
モノマー濃度において大量の重合開始剤を用いて重合を
行っていた。この場合、得られる製品濃度が低下し、ま
た高価な重合開始剤が大量に必要であるという問題点が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、重合反応にお
ける分子量調節剤には、連鎖移動剤を用いる。しかし連
鎖移動剤の種類によっては、再開始を妨げることによっ
て、重合速度を遅らせたり、重合体の収率を低下させる
場合がある。従って、重合系に応じた適切な連鎖移動剤
を用いなければ、初期の目的を達し得ない。例えば、一
般的に分子量調節剤として使用されるチオール類等はN
−ビニルカルボン酸アミドの分子量調節剤としてはあま
り有効ではない。このようにN−ビニルカルボン酸アミ
ドを主たるモノマーとして含む重合系においては、効果
的な連鎖移動剤は未だ見出されていなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、調節された分子量を有
するN−ビニルカルボン酸アミド重合体を容易に得る方
法を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、
N−ビニルカルボン酸アミドの一種以上を重合する際、
またはN−ビニルカルボン酸アミドの一種以上と他の一
種以上のモノマーとを、全モノマー中の30重量%以上
をN−ビニルカルボン酸アミドを用いて共重合する際に
おいて、次亜燐酸塩類の存在下に重合を行うことを特徴
とする重合方法に関する。
【0009】また本発明の他の発明は、N−ビニルカル
ボン酸アミドの一種以上のモノマー、または全モノマー
中の30重量%以上としてN−ビニルカルボン酸アミド
の一種以上を用い、これと他の一種以上のモノマーと
を、次亜燐酸塩類の存在下に重合を行って得られる、1
規定食塩水中0.1g/dl濃度での25℃における還
元粘度が0.5dl/g以下である重合体とその製造方
法に関し、更に他の発明は、該重合体を更に加水分解す
ることにより得られるポリビニルアミン系重合体に関す
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で使用するN−ビニルカルボン酸アミド
は、一種類のN−ビニルカルボン酸アミド、もしくは2
種以上のN−ビニルカルボン酸アミドの混合物、あるい
はN−ビニルカルボン酸アミドと他のモノマーとの混合
物のいずれであってもよい。N−ビニルカルボン酸アミ
ドの種類は特に限定されないが、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミドを挙げることができる。こ
れらN−ビニルホルムアミド、またはN−ビニルアセト
アミドの単独重合体、及びこれらの共重合体、並びにそ
れらの加水分解物は水溶性高分子として様々な用途に有
用である。
【0011】また、N−ビニルカルボン酸アミド以外の
モノマーとしては、特に制限はないが、N−ビニルカル
ボン酸アミドとの共重合性の良いモノマーとして、特に
アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)ア
クリル酸及びその塩、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸及びその塩等を挙げることができ
る。特にこれらの中で、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリル酸
アルキルエステルから選ばれる少なくとも一種との共重
合体の加水分解物は、負電荷を持っていないため、カチ
オン性ポリマーとしての効果が大きく、製紙用添加剤、
化粧品添加剤、凝集剤等を始めとする様々な用途に、特
に有用である。
【0012】N−ビニルカルボン酸アミドと他のモノマ
ーとの共重合体の場合、通常得られるポリマーの性質は
その組成比によって変化する。本発明ではN−ビニルカ
ルボン酸アミドの特徴が効果的に現れる、全モノマー中
に含まれるN−ビニルカルボン酸アミドの量が30重量
%以上の範囲を選択し、この範囲は好ましくは50重量
%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
【0013】本発明において、次亜燐酸(ホスフィン
酸)塩類とは、下記化学式
【0014】
【化2】M[H2PO2n
【0015】(n=1または2)で表される化合物であ
る。N−ビニルカルボン酸アミドは酸性条件で加水分解
を受けやすいため、次亜燐酸塩類は中和されていること
が好ましい。中和の対イオンである上記化学式中のMの
種類は特に限定されないが、ナトリウム、カリウム等の
アルカリ金属塩、アンモニウム、カルシウム、マグネシ
ウム等が好ましい。これら次亜燐酸塩類は、多くの場合
水和塩として得られるが、乾燥して用いてもよく、また
水和塩のまま使用してもよい。
【0016】これら次亜燐酸塩類の添加量については特
に制限はないが、モノマーの総量に対して、燐として
0.001〜20重量%の範囲で添加することが好まし
く、なお好ましくは0.01〜10重量%であり、さら
に好ましくは0.02〜5重量%である。添加量は目標
とする分子量に応じて決定すればよいが、添加量が上記
の範囲より少なすぎると分子量調節剤としての効果が小
さい。また多すぎる場合には分子量が小さくなりすぎ、
またコスト的にも無駄である。さらに、分子量調節に関
与しなかった過剰の次亜燐酸塩類が、系中で亜燐酸塩
類、または燐酸塩類に変化して残留し、得られた重合体
を加水分解してポリビニルアミン等に変換した場合に、
架橋反応を起こす可能性があるため好ましくない。
【0017】これらの次亜燐酸塩類を添加する方法につ
いては特に限定はないが、重合反応中に、モノマーと共
存している必要がある。具体的には重合系中に予め添加
しておく方法、重合系に連続的に供給する方法、あるい
はそれらの併用法によるのが好ましい。重合反応を行う
際の形式については特に限定されないが、塊状重合の場
合には重合熱の除去が難しく、しばしば重合体の劣化を
招くことがある。このため通常は溶液重合、沈澱重合、
分散重合、懸濁重合、乳化重合などの方法が用いられ
る。これらの重合の際の溶媒は一般的な重合溶媒が使用
され得る。例えば、水、メタノール、エタノール、2−
プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキ
サン、トルエン等の炭化水素類、あるいはそれらの混合
物が使用され得る。特に水、メタノール、2−プロパノ
ール、あるいはそれらの混合溶媒や、水−シクロヘキサ
ン懸濁または乳化系が好ましい。
【0018】重合系の安定化剤として、界面活性剤や高
分子化合物が添加されていてもよい。界面活性剤として
は、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル等のノニオン系、アルキル
トリメチルアンモニウム等のカチオン系のいずれでも好
適に使用されうるが、特にノニオン系が好ましい。また
高分子化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリ
アクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン等が使用され得るが、特にポリエチレングリコール
が好ましい。
【0019】重合の際の条件としては、重合系中の総モ
ノマー濃度が5重量%以上であるのが好ましく、特に好
ましいのは10〜50重量%であり、さらに好ましいの
は20〜40重量%である。モノマー濃度が低すぎる場
合には生産効率が低下し、また高すぎる場合には製品の
取扱性が悪くなるのでいずれも好ましくない。重合を開
始する方法は、熱重合によっても可能であるが、適当な
開始剤を用いることが好ましい。このような開始剤とし
ては、公知のラジカル重合開始剤が使用され得る。特に
水溶性のアゾ化合物が好適に使用される。このような化
合物としては、例えば2,2’−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2
−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩酸塩、4,
4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸2ナトリウム塩等が
挙げられる。その他の開始剤としては、例えば、過酸化
水素、過硫酸塩、アルキルヒドロパーオキサイド、ジア
ルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パー
オキシジカーボネート、パーオキシエステル等の過酸化
物が使用されうる。また上記の過酸化物は適当な還元
剤、例えば第一鉄塩、アミン類、亜硫酸塩等と組み合わ
てレドックス系としても使用され得る。これらの開始剤
の使用量は特に限定されないが、モノマーの総重量に対
して10ppm〜5%の範囲が好ましく、特に好ましく
は0.1%〜2%の範囲である。
【0020】さらに重合の際に、緩衝液等の安定剤が添
加されていてもよい。安定剤としては塩化アンモニウム
やリン酸ナトリウム等が使用され得る。このような安定
剤は通常モノマーの総重量に対して0.1〜20%、好
ましくは1〜15%の範囲で使用される。重合温度は通
常0〜100℃、好ましくは30〜90℃、さらに好ま
しくは50〜70℃である。重合に際して発生する重合
熱は、通常、重合系を外部から冷却することによって除
熱し、重合温度を上記範囲に保持する方法をとることが
好ましい。重合時間は通常0.5〜10時間、好ましく
は1〜8時間である。重合系は、窒素等の不活性気体に
よって溶存酸素を置換除去することが好ましいが、重合
を阻害しない範囲で溶存酸素が存在していてもよい。
【0021】また、重合系にモノマーを添加する方法は
特に限定されないが、たとえば、重合前にモノマー全量
を重合系に仕込んでおく方法、連続的に重合系に供給す
る方法、あるいはそれらを併用する方法が好ましい。上
記の重合方法により得られたポリマーは、酸又はアルカ
リを変性剤として用いて加熱下に容易に加水分解され、
対応するポリビニルアミン類に変換することができる。
【0022】この加水分解反応に使用される酸として
は、たとえば塩酸、臭素酸、弗化水素酸、硫酸、硝酸、
燐酸、アルカンスルホン酸等が使用されうる。アルカリ
としては、苛性ソーダ、苛性カリ等が使用され得る。こ
れらの変性剤は目的の変性率に応じて適当な量使用され
る。反応温度は特に制限されないが、重合体の劣化を避
けるため、通常30〜120℃、特に好ましくは50〜
100℃の条件で実施される。
【0023】本発明の次亜燐酸塩類の共存下で重合させ
て得たポリマーは、その加水分解反応をなんら阻害する
ことなく、対応するポリビニルアミン類に変換すること
ができる。従って、次亜燐酸塩類を用いて、分子量の制
御された、好ましくは所望の低分子量のN−ビニルカル
ボン酸アミド(共)重合体を得、さらにこの加水分解に
よって、分子量の制御された、対応するビニルアミン
(共)重合体に変換することができる。
【0024】特に本発明により、1規定食塩水中におけ
る0.1g/dl濃度での還元粘度として、従来の方法
では得ることが困難であった0.5dl/g以下の領域
の製品を、安価に収率よく得ることができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、実施例におい
て「%」は、「重量%」を意味する。
【0026】(N−ビニルホルムアミドの製造)N−
(α−メトキシエチル)ホルムアミドの熱分解反応液
を、減圧下に薄膜蒸発器を用いて蒸留し、メタノール等
の軽沸不純物と高沸の分解物を除去してN−ビニルホル
ムアミドを得た。液体クロマトグラフィーによりこのN
−ビニルホルムアミドの組成を分析したところ、N−ビ
ニルホルムアミド91%、ホルムアミド4%、メタノー
ル2%、その他有機物3%であった。以下の実施例およ
び比較例では、この粗N−ビニルホルムアミドを原料と
して用いた。
【0027】(還元粘度)ポリマーを多量のメタノール
から沈殿させて回収し、乾燥して精製した。これを1N
−NaCl水溶液に0.1g/dlの濃度に溶解し、オ
ストワルド粘度計を用いて25℃における還元粘度を測
定した。
【0028】
【化3】還元粘度[dl/g]=[(T−T0)/T0
/0.1 (式中、T0=1N−NaClの降下時間、T=ポリマ
ー溶液の降下時間)
【0029】(実施例1)還流冷却器と撹拌機を備えた
2000mlセパラブルフラスコに、脱塩水495.5
gを入れ、窒素ガスを流通させて充分に脱酸素を行っ
た。別途、粗N−ビニルホルムアミド330g(N−ビ
ニルホルムアミドとして300g)、次亜燐酸ナトリウ
ム1水和物1.5g、脱塩水168.5gからなるモノ
マー水溶液を調製し、窒素ガスを流通させて充分に脱酸
素を行った。セパラブルフラスコのジャケット温度を7
0℃に保って加熱し、内温が70℃に到達した時点で、
2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩を
4.5g添加した。ついで直ちにモノマー溶液を3時間
かけて連続的に供給した。モノマー溶液供給終了後、さ
らに3時間重合反応を継続した。反応終了後のN−ビニ
ルホルムアミドの転化率は99.7%であった。上記の
ようにしてポリN−ビニルホルムアミド(以下PNV
F)水溶液を得た。得られたポリマーの還元粘度を表に
示す。
【0030】(比較例1〜3)次亜燐酸ナトリウム1水
和物を用いない以外は実施例1と同様の操作を行い、P
NVF水溶液を得た。NVFの転化率は99.7%であ
った。得られたポリマーの還元粘度を表に示す(比較例
1)。また次亜燐酸ナトリウム1水和物の代わりに、下
記表に示した、一般的に分子量調整剤として用いられる
含硫黄化合物(チオール類)を用いて実施例1と同様の
操作を行い、PNVF水溶液を得た。NVFの転化率は
いずれも99.6%以上であった。得られたポリマーの
還元粘度を表に示す(比較例2、3)。
【0031】(実施例2)還流冷却器と撹拌機を備えた
2000mlセパラブルフラスコに、脱塩水495.5
gを入れ、窒素ガスを流通させて充分に脱酸素を行っ
た。別途、粗N−ビニルホルムアミド165g(N−ビ
ニルホルムアミドとして150g)、アクリルアミド1
50g、脱塩水182g、次亜燐酸ナトリウム1水和物
3gからなるモノマー水溶液を調製し、窒素ガスを流通
させて充分に脱酸素を行った。セパラブルフラスコのジ
ャケット温度を70℃に保って加熱し、内温が70℃に
到達した時点で、2,2−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)塩酸塩を4.5g添加した。ついで直ちにモノマ
ー溶液を3時間かけて連続的に供給した。モノマー溶液
供給終了後、さらに3時間重合反応を継続し、ポリ(N
−ビニルホルムアミド−アクリルアミド)共重合体(以
下PNVF−AAM)水溶液を得た。反応終了後のN−
ビニルホルムアミドの転化率は99.5%、アクリルア
ミドの転化率は99.9%であった。得られたポリマー
の還元粘度を表に示す。
【0032】(比較例4)次亜燐酸ナトリウム1水和物
を用いない以外は実施例2と同様の操作を行い、PNV
F−AAM水溶液を得た。得られたポリマーの還元粘度
を表に示す。 (実施例3)還流冷却器と撹拌機を備えた2000ml
セパラブルフラスコに、脱塩水473gとポリエチレン
グリコール(分子量20000)22.5gを入れ、窒
素ガスを流通させて充分に脱酸素を行った。別途、粗N
−ビニルホルムアミド189g(N−ビニルホルムアミ
ドとして172g)、アクリロニトリル128g、脱塩
水181.5g、次亜燐酸ナトリウム1水和物1.5g
からなるモノマー水溶液を調製し、窒素ガスを流通させ
て充分に脱酸素を行った。セパラブルフラスコのジャケ
ット温度を70℃に保って加熱し、内温が70℃に到達
した時点で、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩を4.5g添加した。ついで直ちにモノマー
溶液を3時間かけて連続的に供給した。重合の進行に従
ってポリマーが析出し、内容物はスラリーになった。モ
ノマー溶液供給終了後、さらに3時間重合反応を継続
し、ポリ(N−ビニルホルムアミド−アクリロニトリ
ル)共重合体(以下PNVF−AN)の水分散スラリー
を得た。反応終了後のN−ビニルホルムアミドの転化率
は99.2%、アクリロニトリルの転化率は99.9%
であった。
【0033】還流冷却器と撹拌機を備えた100mlセ
パラブルフラスコに、上記のPNVF−ANスラリー5
0gを入れ、70℃に加熱した。ここに35%HCl水
溶液8.2gを加え、70℃で1時間、次いで90℃で
3時間加熱して加水分解を行い、ポリ(N−ビニルホル
ムアミド−ビニルアミン−アクリロニトリル)共重合体
(以下PVAM−AN)水溶液を得た。上記のようにし
て得られたポリマーの還元粘度を表に示す。
【0034】(比較例5)次亜燐酸ナトリウム1水和物
を用いない以外は実施例3と同様の操作を行い、PVA
M−AN水溶液を得た。得られたポリマーの還元粘度を
表に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、N−ビニルカルボン酸
アミドを含むポリマーを、任意の調節された分子量で得
ることが可能となる。またこれらのポリマーを加水分解
し、分子量の調節されたポリビニルアミンを得ることが
できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニルカルボン酸アミドの一種以上
    を重合する際、またはN−ビニルカルボン酸アミドの一
    種以上と他の一種以上のモノマーとを、全モノマー中の
    30重量%以上をN−ビニルカルボン酸アミドを用いて
    共重合する際において、次亜燐酸塩類の存在下に重合を
    行うことを特徴とする重合方法。
  2. 【請求項2】 モノマーの実質的全量が、N−ビニルカ
    ルボン酸アミドの一種又は2種以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の重合方法。
  3. 【請求項3】 N−ビニルカルボン酸アミドの一種以上
    と、他の一種以上のモノマーとして、アクリロニトリ
    ル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸及びそ
    の塩、並びに2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
    スルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種以上
    のモノマーとを共重合することを特徴とする請求項1に
    記載の重合方法。
  4. 【請求項4】 N−ビニルカルボン酸アミドの一種以上
    と、他の一種以上のモノマーとして、アクリロニトリ
    ル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、及び(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくと
    も一種以上のモノマーとを共重合することを特徴とする
    請求項1又は3に記載の重合方法。
  5. 【請求項5】 N−ビニルカルボン酸アミドが、N−ビ
    ニルホルムアミド又はN−ビニルアセトアミド、あるい
    はそれらの混合物であることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の重合方法。
  6. 【請求項6】 次亜燐酸塩類が、次亜燐酸ナトリウム、
    次亜燐酸カリウム、次亜燐酸アンモニウム、次亜燐酸カ
    ルシウム、又は次亜燐酸マグネシウム、あるいはそれら
    の2種類以上の混合物からなることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかに記載の重合方法。
  7. 【請求項7】 N−ビニルカルボン酸アミドの一種以上
    のモノマー、または全モノマー中の30重量%以上とし
    てN−ビニルカルボン酸アミドの一種以上を用い、これ
    と他の一種以上のモノマーとを、次亜燐酸塩類の存在下
    に重合を行って得られる、1規定食塩水中0.1g/d
    l濃度での25℃における還元粘度が0.5dl/g以
    下である重合体。
  8. 【請求項8】 N−ビニルカルボン酸アミドの一種以上
    のモノマー、または全モノマー中の30重量%以上とし
    てN−ビニルカルボン酸アミドの一種以上を用い、これ
    と他の一種以上のモノマーとを、次亜燐酸塩類の存在下
    に重合することを特徴とする1規定食塩水中0.1g/
    dl濃度での25℃における還元粘度が0.5dl/g
    以下である重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 N−ビニルカルボン酸アミドの一種以上
    のモノマー、または全モノマー中の30重量%以上とし
    てN−ビニルカルボン酸アミドの一種以上を用い、これ
    と他の一種以上のモノマーとを、次亜燐酸塩類の存在下
    に重合を行って得られる重合体を、加水分解することに
    より得られるポリビニルアミン系重合体。
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