JPH0632843A - 高屈折率レンズ用樹脂の製造法 - Google Patents

高屈折率レンズ用樹脂の製造法

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JPH0632843A
JPH0632843A JP4185190A JP18519092A JPH0632843A JP H0632843 A JPH0632843 A JP H0632843A JP 4185190 A JP4185190 A JP 4185190A JP 18519092 A JP18519092 A JP 18519092A JP H0632843 A JPH0632843 A JP H0632843A
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Fumie Watari
文 恵 亘
Tsutomu Isaka
坂 勉 井
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高屈折率レンズ樹脂の製造 【構成】 式〔I〕の含イオウビス(メタ)アクリレー
トと式〔II〕等のチオール化合物と式〔V〕のスチレン
単量体と必要に応じて特定の式〔VI〕の光重合開始剤お
よび(または)特定のパーオキシエステルとを含んでな
る重合性組成物、および熱重合および光重合併用による
重合硬化によるレンズ用樹脂の製造法。 (例えば、P−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチ
オ)キシリレン (例えば、ペンタエリストールテトラキス(チオグリコ
レート) (例えば、スチレン)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックレンズ用
樹脂、特に高屈折率でかつ耐衝撃性に優れたレンズ用樹
脂、に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックレンズ用樹脂として
はジエチレングリコールビスアリールカーボネート樹脂
が広く用いられている。この樹脂は、耐衝撃性、透明性
に優れ、かつ光分散特性が良好であるなどの長所を有し
ているが、屈折率が1.50と低く、ガラスと同等の屈
折を得るにはレンズが肉厚になる欠点があった。
【0003】一方、種々のジアクリレートまたはジメタ
アクリレートは、容易にラジカル重合して透明性に優れ
たレンズを与えることが知られている。たとえば、臭素
含有ビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレ
ート(特開昭59−184210号、特開昭59−19
3915号各公報)、イオウ含有芳香族骨格を有するジ
(メタ)アクリレート(特開昭60−26010号、特
開昭62−195357号各公報)などから得られるレ
ンズ用樹脂は、高屈折率でかつ高アツベ数のバランスに
優れた光学特性を示すことが知られている。
【0004】しかしながら、これらの化合物は、ラジカ
ル重合することにより高度の架橋構造体を形成して、耐
熱性、研磨性に優れた特性を示す反面、硬化物が脆くな
る傾向がある。これらの欠点を改良する手法として、臭
素含有ビスフェノールA誘導体をウレタン(メタ)アク
リレート化する方法が特開昭60−51706号公報に
示されているが、臭素原子を含有するため、比重が大き
くなり、耐候性が悪化することが避けられない。
【0005】また、特開平2−141702号公報にお
いては、ビス‐(メタ)アクリロキシメチル‐トリシク
ロデカンに、ペンタエリスリトールテトラキス(β‐チ
オプロピオネート)等の多官能チオールを添加して重合
させた衝撃性を改良した樹脂が提案されたが、この樹脂
はアツベ数は高いけれども、屈折率が1.55以下と比
較的に低いようである。また、特開昭63−30950
9号公報では、チオールとジビニルベンゼンとの反応に
よって得られる重合性単量体を用いる提案がされている
が、この場合にはラジカル末端をピロガロールで処理す
る必要があるなどの克服すべき問題点があると思われ
る。
【0006】一方、このようなレンズ性能を左右する樹
脂組成の問題の外に、レンズ等の光学素子を重合工程産
物として直接得ようとする場合にも問題があった。すな
わち、重合性組成物をレンズ等の光学素子の形状に対応
する雌型からなる鋳型(モールド)に注入して重合硬化
させれば、レンズ等を重合工程産物として直接得ること
ができるから、切削、研磨等の処理が不要ないし軽減さ
れるので有利であるが、一般に低粘度である重合性組成
物はモールドから漏洩しやすく、また重合に際しては、
一般に単量体よりも重合体が高比重であることに起因す
る重合前後の収縮に伴う表面の剥離、レンズ内部の歪等
成形性に問題があったのである。 〔発明の概要〕
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のレン
ズ用樹脂の種々の欠点を改良した、軽量で高屈折率であ
り、かつ透明性及び耐衝撃性に優れたレンズ用樹脂を製
造しようとするものである。 <要旨>
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による高屈折率レ
ンズ用樹脂の製造法は、下記の成分(1)〜(5)を含
んでなる組成物を活性エネルギー線の照射によって硬化
反応させること、を特徴とするものである(たゞし、成
分(1)〜(3)は、その合計を100重量部とす
る)。 成分(1):下記一般式〔I〕で示される含イオウビス(メタ)アクリレート 50〜98重量部
【0009】 (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R
は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Arは、炭素
数がいずれも6〜30であるアリーレン基、アラルキレ
ン基、あるいはフッ素を除くハロゲン原子で置換された
それらの基を示す。Xは−O−または−S−を示す。Y
は、Xが−O−のときは−S−または−SO−を、X
が−S−のときは−S−、−SO−、また−CO−を
示すか、あるいは炭素数がいずれも1〜12であるアル
キレン基、アラルキレン基、アルキレンエーテル基、ア
ラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテル基およ
びアラルキレンチオエーテル基から選ばれた基を示す。
mおよびnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは、0
〜10の数を示す。複数個存在する基は、同一でも異な
ってもよい。) 成分(2):下式〔II〕、〔III 〕および〔IV〕でそれぞれ表される化合物から なる群から選ばれるメルカプト化合物 1〜30重量部 〔式中、Rは−CH−または−CHCH−を示
し、Rはエーテル酸素を含んでもよい炭素数2〜15
の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。複数
個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕
【0010】
【化16】
【0011】
【化17】 〔式中、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアル
キレン基を示し、eおよびfはそれぞれ0または1、g
は1または2を示す。複数個存在する基は、同一でも異
なってもよい。〕 成分(3):下式〔V〕で表されるスチレン単量体 1〜49重量部
【0012】
【化18】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはフ
ッ素を除くハロゲン原子、hは0または1〜5の整数を
示す。複数個存在する基は、同一でも異なってもよ
い。〕 成分(4):下式〔VI〕で表される光重合開始剤化合物 0.01〜0.3重量部
【0013】
【化19】 〔式中、Rはフェニル基またはフェノキシ基を示し、
iおよびjはそれぞれ0または1の整数(ただし、i+
j≠0)を示す。複数個存在する基は、同一でも異なっ
てもよい。〕 成分(5):ベンゾフェノン系紫外線吸収剤およびベンゾトリアゾール系紫外線 吸収剤から選ばれる紫外線吸収剤 0.01〜0.2重量部 本発明によるもう一つの高屈折率レンズ用樹脂の製造法
は、下記の成分(1)〜成分(6)を含んでなる組成物
を、活性エネルギー線の照射の実質的不存在下に熱重合
させて当該組成物より粘度の上昇したシロップとし、こ
のシロップを鋳型内に注入して、加熱および(または)
活性エネルギー線の照射によって重合を完結させるこ
と、を特徴とするものである(たゞし、成分(1)〜
(3)は、その合計を100重量部とする)。 成分(1):下記一般式〔I〕で示される含イオウビス(メタ)アクリレート 50〜98重量部
【0014】 (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R
は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Arは、炭素
数がいずれも6〜30であるアリーレン基、アラルキレ
ン基、あるいはフッ素を除くハロゲン原子で置換された
それらの基を示す。Xは−O−または−S−を示す。Y
は、Xが−O−のときは−S−または−SO−を、X
が−S−のときは−S−、−SO−、また−CO−を
示すか、あるいは炭素数がいずれも1〜12であるアル
キレン基、アラルキレン基、アルキレンエーテル基、ア
ラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテル基およ
びアラルキレンチオエーテル基から選ばれた基を示す。
mおよびnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは、0
〜10の数を示す。複数個存在する基は、同一でも異な
ってもよい。) 成分(2):下式〔II〕、〔III 〕および〔IV〕でそれぞれ表される化合物から なる群から選ばれるメルカプト化合物 1〜30重量部 〔式中、Rは−CH−または−CHCH−を示
し、Rはエーテル酸素を含んでもよい炭素数2〜15
の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。複数
個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕
【0015】
【化20】
【0016】
【化21】 〔式中、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアル
キレン基を示し、eおよびfはそれぞれ0または1、g
は1または2を示す。複数個存在する基は、同一でも異
なってもよい。〕 成分(3):下式〔V〕で表されるスチレン単量体 1〜49重量部
【0017】
【化22】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはフ
ッ素を除くハロゲン原子、hは0または1〜5の整数を
示す。複数個存在する基は、同一でも異なってもよ
い。〕 成分(4):下式〔VI〕で表される光重合開始剤化合物 0.01〜0.3重量部
【0018】
【化23】 〔式中、Rはフェニル基またはフェノキシ基を示し、
iおよびjはそれぞれ0または1の整数(ただし、i+
j≠0)を示す。複数個存在する基は、同一でも異なっ
てもよい。〕 成分(5):ベンゾフェノン系紫外線吸収剤およびベンゾトリアゾール系紫外線 吸収剤から選ばれる紫外線吸収剤 0.01〜0.2重量部 成分(6):半減期10時間を得るための分解温度が60℃以下であるパーオキ シエステルのなかから選ばれる少なくとも1種の過酸化物 0.03〜0.15重量部 本発明による高屈折率レンズ用樹脂の製造法は、下記の
成分(1)、(2)、(3)、ならびに成分(4)、
(5)および(または)成分(6)を含んでなる組成物
を加熱して粘度が30〜500cps かつ反応率が10〜
35%であるシロップとし、該組成物が成分(4)およ
び(5)を含んでいないときは成分(4)および(5)
を添加したうえ、このシロップを成形型内に注入して、
活性エネルギー線の照射によって重合を完結させるこ
と、を特徴とするものである。 成分(1):下記一般式〔I〕で示される含イオウビス(メタ)アクリレート 50〜98重量部 (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R
は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Arは、炭素
数がいずれも6〜30であるアリーレン基、アラルキレ
ン基、あるいはフッ素を除くハロゲン原子で置換された
それらの基を示す。Xは−O−または−S−を示す。Y
は、Xが−O−のときは−S−または−SO−を、X
が−S−のときは−S−、−SO−、また−CO−を
示すか、あるいは炭素数がいずれも1〜12であるアル
キレン基、アラルキレン基、アルキレンエーテル基、ア
ラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテル基およ
びアラルキレンチオエーテル基から選ばれた基を示す。
mおよびnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは、0
〜10の数を示す。複数個存在する基は、同一でも異な
ってもよい。) 成分(2):下式〔II〕、〔III 〕および〔IV〕でそれぞれ表される化合物から なる群から選ばれるメルカプト化合物 1〜30重量部 〔式中、Rは−CH−または−CHCH−を示
し、Rはエーテル酸素を含んでもよい炭素数2〜15
の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。複数
個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕
【0019】
【化24】 −(式中、bおよびcはそれぞれ1〜8の整数を示
し、dは0〜2の整数を示す。複数個存在する基は、同
一でも異なってもよい。〕
【0020】
【化25】 〔式中、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアル
キレン基を示し、eおよびfはそれぞれ0または1、g
は1または2を示す。複数個存在する基は、同一でも異
なってもよい。〕 成分(3):下式〔V〕で表されるスチレン単量体 1〜49重量部
【0021】
【化26】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはフ
ッ素を除くハロゲン原子、hは0または1〜5の整数を
示す。複数個存在する基は、同一でも異なってもよ
い。〕 成分(4):下式〔VI〕で表される光重合開始剤化合物 0.01〜0.3重量部
【0022】
【化27】 〔式中、Rはフェニル基またはフェノキシ基を示し、
iおよびjはそれぞれ0または1の整数(ただし、i+
j≠0)を示す。複数個存在する基は、同一でも異なっ
てもよい。〕 成分(5):ベンゾフェノン系紫外線吸収剤およびベンゾトリアゾール系紫外線 吸収剤から選ばれる紫外線吸収剤 0.01〜0.2重量部 成分(6):半減期10時間を得るための分解温度が60℃以下であるパーオキ シエステルのなかから選ばれる少なくとも1種の過酸化物 0.03〜0.15重量部 本発明によるもう一つの高屈折率レンズ用樹脂の製造法
は、下記の成分(1)、(2)、(3)および(6)を
含んでなる組成物を熱重合させて粘度が30〜500cp
s かつ反応率が10〜35%であるシロップとし、この
シロップを成形型内に注入して、加熱によって重合を完
結させること、を特徴とするものである。 成分(1):下記一般式〔I〕で示される含イオウビス(メタ)アクリレート 50〜98重量部 (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R
は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Arは、炭素
数がいずれも6〜30であるアリーレン基、アラルキレ
ン基、あるいはフッ素を除くハロゲン原子で置換された
それらの基を示す。Xは−O−または−S−を示す。Y
は、Xが−O−のときは−S−または−SO−を、X
が−S−のときは−S−、−SO−、また−CO−を
示すか、あるいは炭素数がいずれも1〜12であるアル
キレン基、アラルキレン基、アルキレンエーテル基、ア
ラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテル基およ
びアラルキレンチオエーテル基から選ばれた基を示す。
mおよびnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは、0
〜10の数を示す。複数個存在する基は、同一でも異な
ってもよい。) 成分(2):下式〔II〕、〔III 〕および〔IV〕でそれぞれ表される化合物から なる群から選ばれるメルカプト化合物 1〜30重量部 〔式中、Rは−CH−または−CHCH−を示
し、Rはエーテル酸素を含んでもよい炭素数2〜15
の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。複数
個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕
【0023】
【化28】 す。複数個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕
【0024】
【化29】 〔式中、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアル
キレン基を示し、eおよびfはそれぞれ0または1、g
は1または2を示す。複数個存在する基は、同一でも異
なってもよい。〕 成分(3):下式〔V〕で表されるスチレン単量体 1〜49重量部
【0025】
【化30】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはフ
ッ素を除くハロゲン原子、hは0または1〜5の整数を
示す。複数個存在する基は、同一でも異なってもよ
い。〕 成分(6):半減期10時間を得るための分解温度が60℃以下であるパーオキ シエステルのなかから選ばれる少なくとも1種の過酸化物 0.03〜0.15重量部 <効果>本発明によれば、特定の単量体を組合わせたこ
とによって、高屈折率レンズ用樹脂が得られる。
【0026】成分(2)は非エチレン性不飽和化合物で
あるにも係らず、エチレン性不飽和化合物である成分
(1)および(3)と「共重合」して高屈折率レンズ用
樹脂を与えることは、思いがけなかったことと解され
る。また、本発明によれば、熱重合開始剤、好ましくは
特定の熱重合開始剤、を使用する予備重合を光重合の前
に実施することによって成形性よくレンズ用樹脂が製造
される。 〔発明の具体的説明〕本発明は、特定のビス(メタ)ア
クリレート単量体と特定のメルカプト化合物とスチレン
単量体とを含んでなる重合性組成物およびその重合によ
る高屈折率レンズ用樹脂の製造法に関する。 〔重合性組成物〕 <組成物の概要>本発明に用いる重合性組成物は、所定
単量体を含んでなるものである。
【0027】すなわち、この重合性組成物は、光重合開
始剤(たとえば、成分(4)がそれである)を含んでい
れば光重合性組成物であり、光重合開始剤不含かつ熱重
合開始剤(たとえば、成分(6)がそれである)含有で
あれば熱重合性組成物であり、両開始剤含有であれば熱
重合可能な光重合性組成物である。
【0028】成分(1)〜(3)のうち、成分(2)は
エチレン性不飽和結合を持たないので、それが成分
(1)および(3)が光および(または)熱で重合する
際にどのような機作で重合反応に関与するかは必ずしも
明らかではない。しかし、成分(2)は、それを使用し
たときには、所定の性質を生成重合体に与えるところか
ら、何らかの機作で重合反応に関与しているものと推定
される。
【0029】なお、本発明で重合性組成物を定義するに
当り、特定の成分を「含んでなる」ということは、本発
明の趣旨を損なわない限り、この特定の成分と共重合可
能な単量体を、具体的にはたとえばこの特定の三成分の
100重量部につき10重量部程度までの量で、併用し
てもよいことを意味する。また、各成分は、成分間およ
び(または)成分内においてその複数を併用してもよ
い。 <成分(1):ビス(メタ)クリレート>本発明による
レンズ用樹脂の基本をなす単量体は、下式〔I〕で示さ
れる含イオウビス(メタ)アクリレートである。この明
細書で「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートお
よびメタクリレートを総称するものである。
【0030】 式中の記号は、下記の意味を持つ。
【0031】R:水素原子またはメチル基。
【0032】R:炭素数1〜6、好ましくは2〜4、
のアルキレン基。
【0033】Ar:炭素数がいずれも6〜30、好まし
くは6〜15、である、アリーレン基、またはアラルキ
レン基、あるいはそれらのハロゲン置換体(たゞし、ハ
ロゲンはフッ素を除く)。好ましくは、−Ph′−、−
CH−Ph′−CH−、−Ph′(p)−S−P
h′(p)−、−Ph′(p)−SO−Ph′(p)
−、−Ph′(p)−C(CH−Ph′(p)
−、−Ph′(p)−CO−Ph(p)−、−CH
Ph″(Cl)−CH−(−Ph′−:o−、m−
またはp−フェニレン、−Ph′(p)−:フェニレ
ン、−Ph″(Cl)−:o−、m−またはp−テト
ラクロロフェニレン)。
【0034】X:−O−または−S−。
【0035】Y:Xが−O−であるときは−S−または
−SO−、Xが−S−であるときは−S−、−SO
−または−CO−であるか、あるいはいずれも1〜12
であるアルキレン基、アラルキレン基、アルキルエーテ
ル基、アラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテ
ル基およびアラルキレンチオエーテル基から選ばれた
基。
【0036】mおよびn:それぞれ1〜5、好ましくは
1〜3、の整数。
【0037】p:0〜10、好ましくは0〜5、の数。
【0038】同一分子中に複数個存在する基、たとえば
は、同一でも異なってもよい。
【0039】本発明で用いる前記一般式〔I〕で表わさ
れる含イオウ(メタ)アクリレートは、上式から明らか
なように、アクリル酸またはメタクリル酸を、イオウお
よび芳香環を含む鎖で連続した構造を有するものであ
る。
【0040】式〔I〕で示される(メタ)アクリレート
〔I〕の具体例としては、たとえば、(イ) p‐ビス
(β‐アクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン、p
‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチルチオ)キシリ
レン、m‐ビス(β‐アクリロイルオキシエチルチオ)
キシリレン、m‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチ
ルチオ)キシリレン、α,α′‐ビス(β‐アクリロイ
ルオキシエチルチオ)‐2,3,5,6‐テトラクロロ
‐p‐キシリレン、α,α′‐ビス(β‐メタクリロイ
ルオキシエチルチオ)‐2,3,5,6‐テトラクロロ
‐p‐キシリレン、4,4′‐ビス(β‐アクリロイル
オキシエトキシ)ジフェニルスルフィド、4,4′‐ビ
ス(β‐メタクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルス
ルフィド、4,4′‐ビス(β‐アクリロイルオキシエ
トキシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4′‐ビス
(β‐メタクリロイルオキシエトキシエトキシ)ジフェ
ニルスルホン、4,4′‐ビス(β‐アクリロイルオキ
シエチルチオ)ジフェニルスルフィド、4,4′‐ビス
(β‐メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルス
ルフィド、4,4′‐ビス(β‐アクリロイルオキシエ
チルチオ)ジフェニルスルホン、4,4′‐ビス(β‐
メタクリロイルオキシジエチルチオ)ジフェニルスルホ
ン、4,4′‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチル
チオ)ジフェニルケトン、および(ロ) 前記式〔I〕
におけるXが−S−の場合の式 −Ar−(−Y−Ar−)−が、一般式 −CH−Ph′−CH−(−S−R−S−CH
−Ph′−CH−)− (式中、R:炭素数1〜12の、好ましくは1〜6
の、鎖中にエーテル結合を有していてもよいアルキレン
基、a:平均オリゴマー化度を表わす1〜5の数、P
h′:o‐、m‐またはp‐フェニレン)で表わされる
オリゴマー、または一般式 −CH−Ph′−CH−(S−CH−Ph′−C
−S−CH−**−Ph′−CH−)− (式中、a:平均オリゴマー化度を表わす1〜5の数、
Ph′:o‐、m‐またはp‐フェニレン)で表わされ
るオリゴマーがあげられる。
【0041】前記一般式〔I〕で表わされる単量体のう
ちでも、重合体の屈折率等の光学的性質および単量体粘
度等の取扱い性の点からして、特に好ましい単量体は、
一般式〔I′〕で示されるビス(メタ)アクリレートで
ある。
【0042】 (式中、R:水素原子またはメチル基、RおよびR
:それぞれ炭素数1〜4の2価の炭化水素残基、W:
フッ素を除くハロゲン原子、 この一般式〔I′〕で表わされる単量体の具体例として
は、たとえば、p‐ビス〔β‐(メタ)アクリロイルオ
キシエチルチオ〕キシリレン、m‐ビス〔β‐(メタ)
アクリロイルオキシエチルチオ〕キシリレン、p‐ビス
〔β‐(メタ)アクリロイルオキシイソプロピルチオ〕
キシリレン、m‐ビス〔β‐(メタ)アクリロイルオキ
シエチルチオ〕エチルフェニレン、p‐ビス〔β‐(メ
タ)アクリロイルオキシブチルチオ〕テトラクロロキシ
リレンなどがあり、さらに好ましい単量体はp‐ビス
〔β‐(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ〕キシリ
レン、およびm‐ビス〔β‐(メタ)アクリロイルオキ
シエチルチオ〕キシリレンである。 <成分(2):メルカプト化合物>成分(2)のメルカ
プト化合物は、下式〔II〕〜〔IV〕のそれぞれで表され
る化合物である。成分(2)としてのメルカプト化合物
は、各群内および(または)各群間で併用することがで
きる。 〔式中、Rは−CH−または−CHCH−を示
し、Rはエーテル酸素を含んでもよい炭素数2〜15
の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。複数
個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕
【0043】
【化31】
【0044】
【化32】 〔式中、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアル
キレン基を示し、eおよびfはそれぞれ0または1、g
は1または2を示す。複数個存在する基は、同一でも異
なってもよい。〕式〔II〕で示されるメルカプト化合物
は、2〜6価のチオグリコール酸またはチオプロピオン
酸エステルである。式〔I〕の化合物の具体例として
は、たとえば、ペンタエリスリトールテトラキス(β‐
チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキ
ス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリ
ス(β‐チオプロピオネート)、トリメチロールプロパ
ントリス(チオグリコレート)、ジエチレングリコール
ビス(β‐チオプロピオネート)、ジエチレングリコー
ルビス(チオグリコレート)、トリエチレングリコール
ビス(β‐チオプロピオネート)、トリエチレングリコ
ールビス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトー
ルヘキサキス(β‐チオプロピオネート)、ジペンタエ
リスリトールヘキサキス(チオグリコレート)などが挙
げられる。
【0045】式〔III 〕の化合物は、ω−SH基含有ト
リイソシアヌレートである。式〔III 〕の化合物の具体
例としては、たとえば、トリス〔2‐(β‐チオプロピ
オニルオキシ)エチル〕トリイソシアヌレート、トリス
(2‐チオグリコニルオキシエチル)イソシアヌレー
ト、トリス〔2‐(β‐チオプロピオニルオキシエトキ
シ)エチル〕トリイソシアヌレート、トリス(2‐チオ
グリコニルオキシエトキシエチル)トリイソシアヌレー
ト、トリス〔3‐(β‐チオプロピオニルオキシ)プロ
ピル〕トリイソシアヌレート、トリス(3‐チオグリコ
ニルオキシプロピル)トリイソシアヌレートなどが挙げ
られる。
【0046】式〔IV〕で表される化合物はα,ω−SH
基含有チオエーテルである。式〔IV〕の化合物の具体例
としては、たとえばベンゼンジメルカプタン、キシリレ
ンジメルカプタン、4,4′‐ジメルカプトジフェニル
スルフィドなどが挙げられる。 <成分(3):スチレン単量体>成分(3)は、下式で
表わされるスチレン単量体である。
【0047】
【化33】 ここで、Rは水素原子またはメチル、Zはフッ素以外
のハロゲン原子、hは0または1〜5の整数。Zは同一
でも異なってもよい。
【0048】式〔V〕で表される化合物の具体例として
は、スチレン、α‐メチルスチレン、クロロスチレン、
ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレ
ン、ペンタブロモスチレンなどが挙げられる。 <組成(その一)>これら含イオウビス(メタ)クリレ
ート(成分(1))と、一般式〔I〕、〔II〕、または
〔III 〕で表されるメルカプト化合物(成分(2))と
の組成割合は、前者の50〜98重量部に対して後者が
1〜30重量部、好ましくは前者の60〜90重量部に
対して後者が1〜20重量部、の範囲である。ただし、
成分(1)と(2)の「重量部」は、成分(3)との合
計量を100重量部とするものとする。一般に、成分
(1)が少なすぎると、紫外線に対する活性が低下し、
硬化物の硬度、耐衝撃性が低下する。また、成分(2)
が多すぎると、やはり、硬化物の硬度や、耐熱性が低下
する。
【0049】一方、成分(3)の組成割合は、1〜49
重量部、好ましくは1〜35重量部、である(成分
(1)〜(3)の合計量を100重量部とすることは前
記したところである)。成分(3)が多すぎると、硬化
性が低下し、硬化時間の増長や、内部均質性の低下がみ
られる。 <成分(4):光重合開始剤>本発明による光硬化性組
成物の成分(4)は、光重合開始剤である。エチレン性
不飽和結合を有する成分(1)および(3)がその不飽
和結合の開裂による重付加反応によって重合することは
明らかであるが、そのような結合を持たない成分(2)
のメルカプト化合物がどのような反応機構で、硬化生成
物中で結合するのかは必ずしも明らかではない。
【0050】しかし、反応機構がどのようなものであろ
うとも、成分(1)〜(3)(および(5))を含んで
なる組成物は成分(4)の作用によって光重合して硬化
生成物を与える。本発明で用いられる光重合開始剤は、
前記式〔VI〕で表される化合物である。これらの光重合
開始剤は、その1種類を用いてもよいし、2種以上を併
用してもよい。
【0051】式〔VI〕の光重合開始剤の具体例として
は、たとえば、4‐フェニルベンゾフェノン、4‐フェ
ノキシベンゾフェノン、4,4′‐ジフェニルベンゾフ
ェノン、4,4′‐ジフェノキシベンゾフェノンなどが
挙げられる。 <組成(その二)>光重合開始剤の使用割合は、成分
(1)+(2)+(3)の合計100重量部に対して、
0.01〜0.3重量部、好ましくは0.02〜0.2
重量部、である。光重合開始剤の割合が多すぎると、硬
化樹脂の内部均質性が悪くなるし、かつ色相も悪くな
る。また、光重合開始剤が少なすぎると、組成物を充分
に硬化させることができなくなる。 <成分(5):紫外線吸収剤>成分(5)は本発明組成
物の光硬化生成物に紫外線カット性を付与するためとい
うよりも、組成物中に存在して紫外線を吸収することに
より、組成物の光硬化性および内部均質性を向上させる
べく使用するものといえる。
【0052】本発明で用いられる紫外線吸収剤は、ベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤およびベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤から選ばれるものである。これらは各群内
および(または)各群間で併用してもよい。
【0053】その用いられる紫外線吸収剤の具体例は、
2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ
‐4‐メトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐
オクトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐オク
タデシロキシベンゾフェノン、2,2′‐ジヒドロキシ
‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,2′‐ジヒドロキ
シ‐4,4′‐ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾ
フェノン系化合物、2‐(2′‐ヒドロキシ‐5‐メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2‐(2′‐ヒドロ
キシ‐3′,5′‐ジタ‐シャリ‐ブチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′‐タ
‐シャリ‐ブチル‐5′‐メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物である。 <組成(その三)>これらの紫外線吸収剤の割合は、成
分(1)+(2)+(3)の合計100重量部に対し
て、0.01〜0.2重量部、好ましくは0.03〜
0.1重量部、である。紫外線吸収剤の配合割合が多す
ぎると、硬化物が充分に硬化しないか、若しくは硬化物
の内部均質性が悪くなる。また、紫外線吸収剤の割合が
少なすぎると、硬化物の内部均質性が悪くなると共に所
望の紫外線カット性が得られなくなる。 <組成(その四)>本発明による重合性組成物は、それ
がさらに熱重合性を持つものであるためには、さらに熱
重合開始剤、好ましくは成分(6)、を含んでなる。
【0054】成分(6)は、半減期10時間を得るため
の分解温度が60℃以下、好ましくは50℃以下、のパ
ーオキシエステルのなかから選ばれた少なくとも一種で
ある。
【0055】そのようなパーオキシエステルとしては、
t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキ
シネオヘキサノエート、t‐ヘキシルパーオキシネオヘ
キサノエート、t‐ブチルパーオキシネオデカノエー
ト、t‐ヘキシルパーオキシネオデカノエート、クミル
パーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオ
デカノエートなどがあげられる。分解温度の点からして
好ましい過酸化物は、クミルパーオキシネオデカノエー
ト、クミルパーオキシネオヘキサノエートなどである。
【0056】熱重合を行なうために加える成分(6)の
過酸化物の添加量は、成分(1)〜(3)からなる組成
物100重量部に対して、0.03〜0.15重量部、
好ましくは、0.03〜0.1重量部、の範囲である。
過酸化物の添加量が少なすぎると、所定の反応率まで重
合が進まず、多すぎると、重合が進みすぎて、ゲル化を
おこしたり、相分離をおこしたりする。 <組成(その五)>本発明による重合性組成物は、成分
(1)〜(5)を含んでなる光重合性のものであるか、
あるいは成分(1)〜(3)、ならびに成分(4)、
(5)および(または)成分(6)を含んでなるもの、
すなわち成分(1)〜(6)を含んでなる光重合性かつ
熱重合性のもの、または成分(1)〜(3)、(6)を
含んでなる熱重合性のもの、であるかのいずれかであっ
て、補助成分を追加含有してもよいことは前記したとこ
ろである。従って、本発明による重合性組成物は、必要
に応じてラジカル重合促進剤、重合調節剤、防壜剤、離
型剤、その他の添加剤を配合することができる。
【0057】また、本発明では重合性組成物に光重合開
始剤に係る成分(4)を要件とする態様では光重合開始
剤を特定(式〔V〕)しているが、成分(4)を要件と
しない態様では必要に応じて合目的的な任意の光重合開
始剤を併用してもよく、一方本発明で熱重合開始剤に係
る成分(6)を要件としない態様では、当該重合性組成
物はそれを要件とする態様で使用する熱重合開始剤(特
定のパーオキシエステル)その他の合目的的な熱重合開
始剤を含んでなってもよい。ここでは、「熱重合開始
剤」は「ラジカル重合開始剤」と同義であり、レドック
ス系を包含するものとする。 <重合/硬化>本発明では、重合性組成物を、エチレン
性不飽和結合に対する励起作用、すなわち熱および(ま
たは)活性エネルギー線および(または)エチレン性不
飽和結合に対するラジカル発生剤の作用に付すことによ
って重合硬化させれば、高屈折率のレンズ用樹脂が得ら
れる。
【0058】成分(4)を含んでなる組成物は光重合に
よって、成分(6)を含んでなる組成物は熱重合によっ
て、両成分を含んでなる組成物は熱重合および光重合に
よって、重合硬化させることになる。
【0059】なお、成分(1)〜(6)は、これらを同
時に混合撹拌して予備重合を行なってもよいし、成分
(1)〜(3)および(6)を混合撹拌した後、成分
(6)を重合開始剤とする重合、すなわち予備重合、を
行ない、その後に成分(4)〜(5)を添加して光重合
を行なってもよい。ただし、成分(1)〜(6)を同時
に混合した場合は、光開始剤(成分(4))が活性化さ
れるような活性エネルギー線の存在下では、予備重合反
応時に光重合も進行してしまって、所定の予備重合物が
得られないことがある。従って、完全に紫外線等の活性
エネルギー線を遮断することができる装置を用いるなら
ば、成分(1)〜(6)を同時混合して予備重合に付す
方法をとることが操作が簡便で好ましい方法である。ま
た、成分(4)の活性化のおそれがあるような場合に
は、成分(1)〜(3)および(6)を混合し予備重合
する分割添加の方法をとることが好ましい。
【0060】いずれの場合でも、重合性組成物を光学素
子としての最終形状たとえばレンズの形状の重合硬化物
を与えるモールド中で最初から重合硬化させてもよい
が、ある程度の粘度ないし反応率となるまで当該モール
ド外で重合硬化させてシロップとし、それを最終形状を
与えるモールドに移して重合を完結させる方式による方
が前記の問題が回避されるという点で好ましい。 (イ)光重合 成分(4)を含んでなる本発明の光硬化性組成物は、活
性エネルギー線の照射により容易に重合硬化させること
ができる。その活性エネルギー線としては、波長200
〜600nm程度の範囲内のものが好ましい。活性エネル
ギー線を照射する雰囲気は、通常の大気中および不活性
ガス雰囲気中のいずれでもよい。活性エネルギー線用の
光源としては、ケミカルランプ、キセノンランプ、低圧
水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタ
ルハライドランプなどが用いられる。
【0061】光硬化は、活性エネルギー線の照射に加え
て、加熱および(または)配合ラジカル重合開始剤の分
解の下に行ってもよい。光硬化は、活性エネルギー線に
対して透明な素材で作製した鋳型内に光硬化性組成物を
収容して、それに活性エネルギー線を照射することによ
って行なうことができる。 (ロ)熱重合(予備重合法) 重合性組成物が熱重合開始剤を含んでなるときは、その
ラジカルへの分解を促進するに充分な熱を与えることに
よって、組成物を予備重合させた後、さらに重合硬化さ
せる。好ましい重合法は、重合性組成物を先ず熱重合に
付して粘度を上昇させ、得られたシロップを鋳型に移し
て重合を完結させることからなるものである。
【0062】予備(熱)重合は、反応率が10〜35%
で粘度が30〜500cps (センチポアズ)となる程度
まで行なうことが好ましい。そのような状態は、熱重合
開始剤が成分(6)として使用するようなもの、すなわ
ち半減期10時間を得るための分解温度が60℃以下で
あるパーオキシエステルであるときは、20〜60℃の
範囲の温度で1〜5時間の重合で達成されることがふつ
うである。なお、粘度はE型粘度計(たとえば、トモメ
ック(株)社製のもの)によって25℃で測定した値で
表わすものとし、反応率はDSCを用いて二重結合の反
応発熱量を測定して算出した値で表わすものとする。
【0063】このような「予備重合物」を、次いで前記
のような光重合条件または熱重合条件に付して、重合を
完結させる。なお、ここで「重合を完結させる」という
ことは、反応率100%を達成するまで重合を行なうこ
とを意味するものではなく、重合を実質的に完了させる
ことを意味する。従って、光重合後に加熱工程を実施し
て、反応率を100%とすることも本発明で後段の光重
合反応についていう「重合を完結させる」という態様の
一具体例である。 (ハ)鋳型 そこで、使用する鋳型/モールドは硬化生成物に期待す
る光学素子の形状と同じプロフィルのもの、たとえばレ
ンズに対する雌型、であってもよく、また塊状硬化物を
一旦つくってそれを切削して所望光学素子を作製する場
合には、鋳型の形状には特別の注意を払う必要は一般に
ないであろう。
【0064】
【実施例】以下、実施例および比較例は、本発明をさら
に具体的に説明するためのものである。これらの例にお
いて記載の「部」は、重量部を意味する。また、これら
の例に記載の硬化樹脂物性は下記の試験方法によった。 外観 目視による 屈折率 アツベ屈折計で、25℃で測定した値である。 耐衝撃性 平板成型用鋳型により硬化させて得た厚さ2.0mmの平
板に、FDA規格に基づき、剛球(厚さ16.3g、直
径15.9mm)を高さ127cmより垂直に落下させ、破
損の発生が無かった場合を○、破損をした場合を×とし
た。測定温度は25℃。 光学歪 凹レンズ成型用鋳型により硬化させた凹レンズを、東芝
歪検査機(東芝硝子社製)で測定し、歪の無い物を○、
歪のある物を×とした。 粘度及び反応率 実施例1 p‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチルチオ)キシ
リレン75部、ペンタエリスリトールテトラキス(β‐
チオプロピオネート)8部およびスチレン17部に、4
‐フェノキシベンゾフェノン0.1部、2‐ヒドロキシ
‐4‐オクトキシベンゾフェノン(共同薬品社商品名
「バイオソーブ130」)0.05部およびt‐ブチル
パーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート(日本油脂社商
品名「パーブチルO」)0.3部を加え、均一に撹拌混
合してから脱泡し、得られた組成物を、鏡面仕上げした
ガラス板とシリコンゴムとからなる深さ2mmの平板成型
用鋳型および凹レンズ成型用鋳型に、アルゴンガス雰囲
気下で注型した。
【0065】ついで、鋳型のガラス面よりたかさ40cm
の距離から、出力80W/cmの高圧水銀灯で1回10分
ずつ、計4回40分紫外線照射した。得られた硬化物を
脱型後、エアーオーブン中で100℃で2時間加熱し
て、無色透明の光学歪の無い硬化物を得た。
【0066】この硬化樹脂を、物性測定のために切削研
磨して測定用サンプルの寸法に加工し、その物性を測定
した結果は、表1に示す通りであった。同様の組成物を
凹レンズ成型用モールドに注入し、同様にして硬化物を
得た。歪検査の結果は表1に示す通りであった。 実施例2〜7 樹脂組成を表1に示すように変更し、そのほかは実施例
1と同様に組成物を調製して、重合硬化させた。
【0067】得られた各硬化物の物性測定結果は、表1
に示す通りであった。 比較例1〜3 樹脂組成を表1に示すように変更し、実施例1と同様に
組成物を調製して重合硬化させたが、所定の光量では充
分な硬化物が得られなかった。
【0068】
【表1】 * A:p‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチルチオ)
キシリレン B:α,α′‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチル
チオ)‐2,3,5,6‐テトラクロロ‐p‐キシリレ
ン C:ペンタエリスリトールテトラキス(β‐チオプロピ
オネート) D:トリス〔2(β‐チオプロピオニルオキシ)エチ
ル〕トリイソシアヌレート E:スチレン F:p‐クロロスチレン G:4‐フェニルベンゾフェノン H:4‐フェノキシベンゾフェノン I:4,4′‐ジフェニルベンゾフェノン J:4,4′‐ジフェノキシベンゾフェノン K:ベンジルジメチルケタール 実施例8 p‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチルチオ)キシ
リレン75部、ペンタエリスリトールテトラキス(β‐
チオプロピオネート)8部およびスチレン17部を混合
撹拌し、アルゴンガス雰囲気下にクミルパーオキシネオ
デカノエート0.03部を添加して、50℃で2時間反
応させた。その後、ベンゾフェノン0.05部、2‐ヒ
ドロキシ‐4‐オクトキシベンゾフェノン(共同薬品社
商品名「バイオソーブ130」)0.05部およびt‐
ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート(日本油
脂社商品名「パーブチルO」)0.3部を混合撹拌し、
ガラス板とシリコンゴムとで構成された直径40mm、深
さ2mmの平板成型用鋳型内に注入し、出力80W/cmの
高圧水銀灯を用いて、高さ40cmからガラスの片面より
1回10分ずつ、合計4回照射した。得られた硬化物を
脱型後、オーブン内で80℃で1時間、ついで100℃
で2時間加熱して、硬化物を得た。同様の組成物を凹レ
ンズ成型用鋳型に注入し、同様にして、硬化物を得た。
【0069】その硬化物の物性測定結果は、表2に示す
通りであった。 実施例9〜13 樹脂組成を表2に示すように変更し、そのほかは実施例
8と同様に組成物を調製して、重合硬化させた。
【0070】得られた各硬化物の物性測定結果は、表2
に示す通りであった。 比較例4 実施例8においてクミルパーオキシネオデカノエート
0.03部を0.01部にかえ、40℃で2時間予備重
合させた他は、同様に操作し、重合硬化させた。
【0071】得られた硬化物の物性測定結果は、表2に
示す通りであった。 比較例5 実施例8においてクミルパーオキシネオデカノエート
0.03部を0.2部にかえ、50℃で2時間予備重合
させたところ、相分離を起こして、得られた硬化物は失
透していた。
【0072】得られた硬化物の物性測定結果は、表2に
示す通りであった。
【0073】
【表2】 *1 E型粘度計で25℃で測定した値である(予備重
合前の参考値は、実施例8において18cps ) *2 反応時の発熱量をDSCにより測定して、算出し
たものである。 A:p‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチルチオ)
キシリレン B:α,α′‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチル
チオ)‐2,3,5,6‐テトラクロロ‐p‐キシリレ
ン C:ペンタエリスリトールテトラキス(β‐チオプロピ
オネート) D:トリス〔2(β‐チオプロピオニルオキシ)エチ
ル〕トリイソシアヌレート E:スチレン F:p‐クロロスチレン G:クミルパーオキシネオデカノエート H:クミルパーオキシネオヘキサノエート 実施例14 p‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチルチオ)キシ
リレン75部、ペンタエリスリトールテトラキス(β‐
チオプロピオネート)8部およびスチレン17部を混合
撹拌し、アルゴンガス雰囲気下にクミルパーオキシネオ
デカノエート0.03部を添加して、50℃で2時間反
応させた。その後、4‐フェニルベンゾフェノン0.1
部、2‐ヒドロキシ‐4‐オクトキシベンゾフェノン
(共同薬品社商品名「バイオソーブ130」)0.05
部およびt‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエ
ート(日本油脂社商品名「パーブチルO」)0.3部を
混合撹拌し、ガラス板とシリコンゴムとで構成された直
径40mm、深さ2mmの平板成型用鋳型内に注入し、出力
80W/cmの高圧水銀灯を用いて、高さ40cmからガラ
スの片面より1回10分ずつ、合計4回照射した。得ら
れた硬化物を脱型後、オーブン内で80℃で1時間、つ
いで100℃で2時間加熱して、硬化物を得た。同様の
組成物を凹レンズ成型用鋳型に注入し、同様にして、硬
化物を得た。
【0074】その硬化物の物性測定結果は、表3に示す
通りであった。 実施例15〜20 樹脂組成を表3に示すように変更し、そのほかは実施例
14と同様に組成物を調製して、重合硬化させた。
【0075】得られた各硬化物の物性測定結果は、表3
に示す通りであった。 比較例6 実施例1においてクミルパーオキシネオデカノエート
0.03部を0.01部にかえ、40℃で2時間予備重
合させた他は、同様に操作して、重合硬化させた。
【0076】得られた硬化物の物性測定結果は、表3に
示す通りであった。 比較例7 実施例1においてクミルパーオキシネオデカノエート
0.03部を0.2部にかえ、50℃で2時間予備重合
させたところ、相分離を起こして、得られた硬化物は失
透していた。
【0077】得られた硬化物の物性測定結果は、表3に
示す通りであった。 比較例8 p‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチルチオ)キシ
リレン35部、ペンタエリスリトールテトラキス(β‐
チオプロピオネート)8部およびスチレン57部を混合
撹拌し、実施例14と同様に組成物を調製して、重合硬
化させたが、所定の光量を照射しても脱型可能な硬化物
は得られなかった。 比較例9 実施例14において、4‐フェニルベンゾフェノン0.
1部のかわりにベンジルジメチルケタール0.1部を用
いるほかは同様に操作して、重合硬化させたところ、得
られた硬化物は光学歪を有するものであった。
【0078】物性測定結果は、表3に示す通りであっ
た。
【0079】
【表3】 A:p‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチルチオ)
キシリレン B:α,α′‐ビス(β‐メタクリロイルオキシエチル
チオ)‐2,3,5,6‐テトラクロロ‐p‐キシリレ
ン C:ペンタエリスリトールテトラキス(β‐チオプロピ
オネート) D:トリス〔2(β‐チオプロピオニルオキシ)エチ
ル〕トリイソシアヌレート E:スチレン F:p‐クロロスチレン G:クミルパーオキシネオデカノエート H:クミルパーオキシネオヘキサノエート I:4‐フェニルベンゾフェノン J:4‐フェノキシベンゾフェノン K:4,4′‐ジフェニルベンゾフェノン L:4,4′‐ジフェノキシベンゾフェノン M:2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン N:2‐(2′‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール
【0080】
【発明の効果】特定の単量体を組合せたことによって高
屈折率レンズ用樹脂が得られること、ならびに特定の熱
重合開始剤を使用する予備重合を光重合の前に実施する
ことによって成形性よくレンズ用樹脂が製造されること
は、「発明の概要」の項において前記したところであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 299/02 MRR 7442−4J G02B 1/04 7132−2K //(C08F 220/38 212:04) 7211−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(1)〜(5)を含んでなる組
    成物を活性エネルギー線の照射によって硬化反応させる
    ことを特徴とする、高屈折率レンズ用樹脂の製造法(た
    だし、成分(1)〜(3)は、その合計を100重量部
    とする)。 成分(1):下記一般式〔I〕で示される含イオウビス(メタ)アクリレート 50〜98重量部 (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R
    は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Arは、炭素
    数がいずれも6〜30であるアリーレン基、アラルキレ
    ン基、あるいはフッ素を除くハロゲン原子で置換された
    それらの基を示す。Xは−O−または−S−を示す。Y
    は、Xが−O−のときは−S−または−SO−を、X
    が−S−のときは−S−、−SO−、また−CO−を
    示すか、あるいは炭素数がいずれも1〜12であるアル
    キレン基、アラルキレン基、アルキレンエーテル基、ア
    ラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテル基およ
    びアラルキレンチオエーテル基から選ばれた基を示す。
    mおよびnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは、0
    〜10の数を示す。複数個存在する基は、同一でも異な
    ってもよい。)成分(2):下式〔II〕、〔III 〕およ
    び〔IV〕でそれぞれ表される化合物からなる群から選ば
    れるメルカプト化合物 1〜30重量部 〔式中、Rは−CH−または−CHCH−を示
    し、Rはエーテル酸素を含んでもよい炭素数2〜15
    の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。複数
    個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕 【化1】 【化2】 〔式中、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアル
    キレン基を示し、eおよびfはそれぞれ0または1、g
    は1または2を示す。複数個存在する基は、同一でも異
    なってもよい。〕 成分(3):下式〔V〕で表されるスチレン単量体 1〜49重量部 【化3】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはフ
    ッ素を除くハロゲン原子、hは0または1〜5の整数を
    示す。複数個存在する基は、同一でも異なってもよ
    い。〕 成分(4):下式〔VI〕で表される光重合開始剤化合物 0.01〜0.3重量部 【化4】 〔式中、Rはフェニル基またはフェノキシ基を示し、
    iおよびjはそれぞれ0または1の整数(ただし、i+
    j≠0)を示す。複数個存在する基は、同一でも異なっ
    てもよい。〕 成分(5):ベンゾフェノン系紫外線吸収剤およびベンゾトリアゾール系紫外線 吸収剤から選ばれる紫外線吸収剤 0.01〜0.2重量部
  2. 【請求項2】下記の成分(1)〜成分(6)を含んでな
    る組成物を、活性エネルギー線の照射の実質的不存在下
    に熱重合させて当該組成物より粘度の上昇したシロップ
    とし、このシロップを鋳型内に注入して、加熱および
    (または)活性エネルギー線の照射によって重合を完結
    させることを特徴とする、高屈折率レンズ用樹脂の製造
    法。(たゞし、成分(1)〜(3)は、その合計を10
    0重量部とする)。 成分(1):下記一般式〔I〕で示される含イオウビス(メタ)アクリレート 50〜98重量部 (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R
    は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Arは、炭素
    数がいずれも6〜30であるアリーレン基、アラルキレ
    ン基、あるいはフッ素を除くハロゲン原子で置換された
    それらの基を示す。Xは−O−または−S−を示す。Y
    は、Xが−O−のときは−S−または−SO−を、X
    が−S−のときは−S−、−SO−、また−CO−を
    示すか、あるいは炭素数がいずれも1〜12であるアル
    キレン基、アラルキレン基、アルキレンエーテル基、ア
    ラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテル基およ
    びアラルキレンチオエーテル基から選ばれた基を示す。
    mおよびnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは、0
    〜10の数を示す。複数個存在する基は、同一でも異な
    ってもよい。) 成分(2):下式〔II〕、〔III 〕および〔IV〕でそれぞれ表される化合物から なる群から選ばれるメルカプト化合物 1〜30重量部 〔式中、Rは−CH−または−CHCH−を示
    し、Rはエーテル酸素を含んでもよい炭素数2〜15
    の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。複数
    個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕 【化5】 【化6】 〔式中、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアル
    キレン基を示し、eおよびfはそれぞれ0または1、g
    は1または2を示す。複数個存在する基は、同一でも異
    なってもよい。〕 成分(3):下式〔V〕で表されるスチレン単量体 1〜49重量部 【化7】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはフ
    ッ素を除くハロゲン原子、hは0または1〜5の整数を
    示す。複数個存在する基は、同一でも異なってもよ
    い。〕 成分(4):下式〔VI〕で表される光重合開始剤化合物 0.01〜0.3重量部 【化8】 〔式中、Rはフェニル基またはフェノキシ基を示し、
    iおよびjはそれぞれ0または1の整数(ただし、i+
    j≠0)を示す。複数個存在する基は、同一でも異なっ
    てもよい。〕 成分(5):ベンゾフェノン系紫外線吸収剤およびベンゾトリアゾール系紫外線 吸収剤から選ばれる紫外線吸収剤 0.01〜0.2重量部 成分(6):半減期10時間を得るための分解温度が60℃以下であるパーオキ シエステルのなかから選ばれる少なくとも1種の過酸化物 0.03〜0.15重量部
  3. 【請求項3】下記の成分(1)、(2)、(3)、なら
    びに成分(4)、(5)および(または)成分(6)を
    含んでなる組成物を加熱して粘度が30〜500cps か
    つ反応率が10〜35%であるシロップとし、該組成物
    が成分(4)および(5)を含んでいないときは成分
    (4)および(5)を添加したうえ、このシロップを鋳
    型内に注入して、活性エネルギー線の照射によって重合
    を完結させることを特徴とする、高屈折率レンズ用樹脂
    の製造法。 成分(1):下記一般式〔I〕で示される含イオウビス(メタ)アクリレート 50〜98重量部 (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R
    は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Arは、炭素
    数がいずれも6〜30であるアリーレン基、アラルキレ
    ン基、あるいはフッ素を除くハロゲン原子で置換された
    それらの基を示す。Xは−O−または−S−を示す。Y
    は、Xが−O−のときは−S−または−SO−を、X
    が−S−のときは−S−、−SO−、また−CO−を
    示すか、あるいは炭素数がいずれも1〜12であるアル
    キレン基、アラルキレン基、アルキレンエーテル基、ア
    ラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテル基およ
    びアラルキレンチオエーテル基から選ばれた基を示す。
    mおよびnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは、0
    〜10の数を示す。複数個存在する基は、同一でも異な
    ってもよい。) 成分(2):下式〔II〕、〔III 〕および〔IV〕でそれぞれ表される化合物から なる群から選ばれるメルカプト化合物 1〜30重量部 〔式中、Rは−CH−または−CHCH−を示
    し、Rはエーテル酸素を含んでもよい炭素数2〜15
    の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。複数
    個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕 【化9】 【化10】 〔式中、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアル
    キレン基を示し、eおよびfはそれぞれ0または1、g
    は1または2を示す。複数個存在する基は、同一でも異
    なってもよい。〕 成分(3):下式〔V〕で表されるスチレン単量体 1〜49重量部 【化11】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはフ
    ッ素を除くハロゲン原子、hは0または1〜5の整数を
    示す。複数個存在する基は、同一でも異なってもよ
    い。〕 成分(4):下式〔VI〕で表される光重合開始剤化合物 0.01〜0.3重量部 【化12】 〔式中、Rはフェニル基またはフェノキシ基を示し、
    iおよびjはそれぞれ0または1の整数(ただし、i+
    j≠0)を示す。複数個存在する基は、同一でも異なっ
    てもよい。〕 成分(5):ベンゾフェノン系紫外線吸収剤およびベンゾトリアゾール系紫外線 吸収剤から選ばれる紫外線吸収剤 0.01〜0.2重量部 成分(6):半減期10時間を得るための分解温度が60℃以下であるパーオキ シエステルのなかから選ばれる少なくとも1種の過酸化物 0.03〜0.15重量部
  4. 【請求項4】下記の成分(1)、(2)、(3)および
    (6)を含んでなる組成物を熱重合させて粘度が30〜
    500cps かつ反応率が10〜35%であるシロップと
    し、このシロップを鋳型内に注入して、加熱によって重
    合を完結させることを特徴とする、高屈折率レンズ用樹
    脂の製造法。 成分(1):下記一般式〔I〕で示される含イオウビス(メタ)アクリレート 50〜98重量部 (式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R
    は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Arは、炭素
    数がいずれも6〜30であるアリーレン基、アラルキレ
    ン基、あるいはフッ素を除くハロゲン原子で置換された
    それらの基を示す。Xは−O−または−S−を示す。Y
    は、Xが−O−のときは−S−または−SO−を、X
    が−S−のときは−S−、−SO−、また−CO−を
    示すか、あるいは炭素数がいずれも1〜12であるアル
    キレン基、アラルキレン基、アルキレンエーテル基、ア
    ラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテル基およ
    びアラルキレンチオエーテル基から選ばれた基を示す。
    mおよびnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは、0
    〜10の数を示す。複数個存在する基は、同一でも異な
    ってもよい。) 成分(2):下式〔II〕、〔III 〕および〔IV〕でそれぞれ表される化合物から なる群から選ばれるメルカプト化合物 1〜30重量部 〔式中、Rは−CH−または−CHCH−を示
    し、Rはエーテル酸素を含んでもよい炭素数2〜15
    の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。複数
    個存在する基は、同一でも異なってもよい。〕 【化13】 −(式中、bおよびcはそれぞれ1〜8の整数を示
    し、dは0〜2の整数を示す。複数個存在する基は、同
    一でも異なってもよい。〕 【化14】 〔式中、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜3のアル
    キレン基を示し、eおよびfはそれぞれ0または1、g
    は1または2を示す。複数個存在する基は、同一でも異
    なってもよい。〕 成分(3):下式〔V〕で表されるスチレン単量体 1〜49重量部 【化15】 〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Zはフ
    ッ素を除くハロゲン原子、hは0または1〜5の整数を
    示す。複数個存在する基は、同一でも異なってもよ
    い。〕 成分(6):半減期10時間を得るための分解温度が60℃以下であるパーオキ シエステルのなかから選ばれる少なくとも1種の過酸化物 0.03〜0.15重量部
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