JP2000143857A - 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法

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JP2000143857A JP31772398A JP31772398A JP2000143857A JP 2000143857 A JP2000143857 A JP 2000143857A JP 31772398 A JP31772398 A JP 31772398A JP 31772398 A JP31772398 A JP 31772398A JP 2000143857 A JP2000143857 A JP 2000143857A
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Tomoyuki Nakamura
知之 中村
Daisuke Kayaba
大介 萱場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時のスチーム融着性がよく、しかも成形
物の機械強度が高いという特性を合わせ持つ発泡性スチ
レン系樹脂粒子の製造方法を提供する。 【解決手段】 スチレン系単量体を、重合温度70〜1
40℃、又は2つ以上の異なる温度段階で懸濁重合し、
その後発泡剤を添加して発泡性スチレン系樹脂粒子を製
造する方法において、重合開始剤としてジシンナモイル
ペルオキシドと他の重合開始剤、特に10時間半減期温
度が80〜110℃の有機過酸化物である他の重合開始
剤を組み合わせて用いることを特徴とする発泡性スチレ
ン系樹脂粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品容器、梱包剤、
魚箱、緩衝材等として有用な発泡性スチレン系樹脂粒子
の製造方法に関する。さらに詳しくは、成形時に融着性
が良好で、且つ機械強度の高い発泡性スチレン系樹脂粒
子を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スチレン系単量体を懸濁重合
し、重合途中あるいは重合終了後に発泡剤を添加して発
泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法において、特定
の重合開始剤を用いる種々の方法が知られている。例え
ば、特開昭59−19125号公報には重合開始剤とし
てベンゾイルペルオキシドおよびt−ブチルペルオキシ
ベンゾエートを併用する方法が開示されている。また特
開昭60−47037号公報には上記2種の開始剤併用
系にさらに1,1−ビス−(t−ブチルペルオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを加えた3種の
重合開始剤を用いる方法が開示されている。また特開平
6−80712号公報には2,2−ビス(4,4−ジ−
t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパンを使用
する方法が開示されている。また特開平5−29516
0号公報には2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペ
ルオキシシクロヘキシル)プロパンとジ−t−ブチルペ
ルオキシヘキサヒドロテレフタレートを併用する方法が
開示されている。そして工業的に行われている発泡スチ
レン成形品の製造は、発泡性スチレン系樹脂粒子をスチ
ーム等により加熱し、所望の嵩密度まで発泡(予備発
泡)させ、次に成形金型に充填した後、再度加熱発泡
(本発泡)する方法により行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、発泡性
スチレン系樹脂粒子の製造方法において、各種の重合開
始剤が有効であるが、特開昭59−19125号公報お
よび特開昭60−47037号公報に記載の方法は、得
られた発泡成形用材料の機械強度が十分でなく、一方、
特開平6−80712号公報および特開平5−2951
60号公報に記載の方法は、成形時の融着性が十分でな
いという問題があった。発泡成形時における樹脂粒子の
融着不良は成形品の気密性低下や強度低下をまねくため
好ましくない。この融着性は、樹脂粒子の加熱時の柔ら
かさ、表面の硬さ、粘着性に左右されることが知られて
おり、より詳細な検討から、融着性に影響を及ぼす因子
としては基材樹脂の分子量、発泡剤の種類及び含有量、
樹脂粒子中の残存単量体量、添加物の種類及び添加量等
により影響を受けることが知られている。このうち、基
材樹脂の分子量は最も重要な要因であり、成形時の融着
性の観点からは、発泡性樹脂粒子の分子量は特定の範囲
内であることが望まれる。一方、発泡成形物の強度の点
からは、重合体の分子量はできるだけ高いことが好まし
いため、融着性とは相反した物性となっている。本発明
の目的は、成形時のスチーム融着性がよく、しかも成形
物の機械強度が高いという特性を合わせ持つ発泡性スチ
レン系樹脂の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長期にわ
たって研究した結果、重合開始剤としてジシンナモイル
ペルオキシドを必須成分とし、それと他の重合開始剤と
を組み合わせて用いることにより上記従来技術の課題を
解決できることを確認して本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明の第1の発明は、スチレン系
単量体を、重合開始剤を用いて重合温度70〜140℃
で懸濁重合し、その重合途中又は重合後に発泡剤を添加
して発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法におい
て、重合開始剤としてジシンナモイルペルオキシドと他
の重合開始剤を組み合わせて用いることを特徴とする発
泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法である。
【0006】本発明の第2の発明は、スチレン系単量体
を、重合開始剤を用いて2段階以上の温度で懸濁重合
し、その重合途中又は重合後に発泡剤を添加して発泡性
スチレン系樹脂粒子を製造する方法において、重合開始
剤としてジシンナモイルペルオキシドと他の重合開始剤
とを組み合わせて用いることを特徴とする発泡性スチレ
ン系樹脂粒子の製造方法である。
【0007】本発明の第3の発明は、前記他の重合開始
剤が、10時間半減期温度が80〜110℃の有機過酸
化物である第1の発明又は第2の発明の発泡性スチレン
系樹脂粒子の製造方法である。
【0008】本発明の第4の発明は、ジシンナモイルペ
ルオキシドの使用量がスチレン系単量体100重量部に
対して0.005〜0.5重量部であり、他の重合開始
剤の使用量がジシンナモイルペルオキシドの使用量に対
して0.1〜20倍量の範囲である第1〜3の発明のい
ずれかの発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法である。
【0009】本発明の第5の発明は、1段目の懸濁重合
の温度が70〜110℃であり、2段目の懸濁重合の温
度が1段目の重合温度より10℃以上高く、かつ90〜
140℃の温度範囲である第2〜4の発明のいずれかの
発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に,この発明の実施の形態に
ついて詳細に説明する。本発明において用いられる重合
開始剤の中で必須成分であるジシンナモイルペルオキシ
ドは、桂皮酸のジアシルペルオキシドであり、シンナモ
イルクロライド(桂皮酸クロライド)、苛性ソーダおよ
び過酸化水素を反応させることにより製造される。その
際、反応温度は−5〜30℃が好ましく、反応溶媒とし
てエチルベンゼンなどの芳香族溶媒、クロロホルムなど
のハロゲン系炭化水素溶剤を用いることができる。この
製造方法については、例えばジャーナル・オブ・ケミカ
ル・ソサエティー(J.Chem.Soc.)、195
6年、427頁に記載されている。なお、ジシンナモイ
ルペルオキシドの10時間半減期温度は60℃である。
ここでいう10時間半減期温度とは、ベンゼン中で10
時間後に有機過酸化物の活性酸素量が半分になる温度で
あり、有機過酸化物の熱的特性を示す一つの指標であ
る。
【0011】ジシンナモイルペルオキシドの使用量は重
合温度その他の条件により異なるが、スチレン系単量体
100重量部に対して通常0.005〜0.5重量部で
あり、好ましくは0.01〜0.3重量部の範囲であ
る。0.005重量未満では得られる発泡性スチレン系
樹脂粒子の融着性向上の効果が小さいうえ、残存スチレ
ン単量体量が増加し、0.5重量部を超えて使用する
と、経済的に不利になるうえ、重合速度の調節が困難に
なる傾向にある。
【0012】本発明において、ジシンナモイルペルオキ
シドと組み合わせて用いる他の重合開始剤としては、そ
の10時間半減期温度が80〜110℃の有機過酸化物
が好ましいものである。具体的な有機過酸化物として
は、例えば1、1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2
−メチルシクロヘキサン(10時間半減期温度:83
℃、以下括弧内は10時間半減期温度を示す)、1,1
−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン(87℃)、1,1−ビス(t−
ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン(87℃)、1,
1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン(90℃)、1,1−ビス(t−
ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(91℃)、2,2
−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキ
シル)プロパン(95℃)、t−ヘキシルペルオキシイ
ソプロピルカーボネート(95℃)、t−ブチルペルオ
キシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(97
℃)、t−ブチルペルオキシラウレート(98℃)、t
−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート(99
℃)、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカー
ボネート(99℃)、t−ヘキシルペルオキシベンゾエ
ート(99℃)、t−ブチルペルオキシベンゾエート
(104℃)、ジ−t−ブチルペルオキシイソフタレー
ト(107℃)等を挙げることができる。これらのう
ち、残存スチレン単量体量をより低減でき、樹脂粒子の
融着性を向上できるという理由から、10時間半減期温
度が80〜95℃の範囲にある多官能の重合開始剤また
は10時間半減期温度が95〜105℃の範囲にある単
官能の重合開始剤がさらに好ましい。具体的には、例え
ば1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘ
キシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)
プロパン、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルカーボ
ネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボ
ネート、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ブ
チルペルオキシベンゾエートである。これらの他の重合
開始剤の使用量はジシンナモイルペルオキシドの使用量
に対して0.1〜20倍量の範囲、好ましくは0.5〜
10倍量の範囲である。0.1倍量未満では、重合時間
が長くなり経済的に不利であり、スチレン単量体残存量
が多くなり、20倍量を超えて使用すると、重合速度の
調節が困難になる傾向にある。
【0013】本発明の製造方法において得られるスチレ
ン系樹脂粒子の分子量は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー法による測定値(以下、スチレン換算値で
示す)で、重量平均分子量が通常15万〜80万の範
囲、好ましくは20万〜60万の範囲になるように重合
条件を調節する。スチレン系樹脂の分子量が80万を超
える場合、基材としての強度は上がるものの、通常の発
泡や成形時のスチーム加熱条件では充分な発泡、成形融
着が得られなくなる傾向にある。一方、分子量が15万
未満になると、成形物の機械特性が低下し、発泡時のブ
ロッキング、成形加工時に金型の高温度部分での表皮溶
解(いわゆるケロイド状)が発生しやすくなる傾向にあ
る。
【0014】本発明において用いられるスチレン系単量
体としてはスチレン、α−メチルスチレン、クロルスチ
レン、メチルスチレン、t−ブチルスチレン等が挙げら
れる。また、そこへ前記スチレン系単量体と共重合可能
な他のビニル系単量体を含めることができるが、その例
としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルな
どのメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、ジメ
チルマレエート、ジメチルフマレート等が挙げられる。
スチレン系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体
は、全単量体のうち50重量%未満となるように含まれ
ることが好ましい。
【0015】本発明において重合方法は懸濁重合が用い
られる。また重合温度は生成する重合体の分子量および
各種物性との関係で選択されるが、好ましくは70〜1
40℃であり、より好ましくは75〜135℃の範囲で
ある。その際、一定の昇温速度で連続的に昇温する連続
昇温、あるいは特定の重合温度を一定時間保持した後、
昇温しその温度でさらに一定時間重合するといった多段
階の昇温重合を用いることができる。多段階の昇温とし
て、例えば2段階昇温を用いる場合、重合を1段目では
70〜110℃の温度範囲内で行い、2段目目では1段
目の重合温度より10℃以上高く、かつ90〜140℃
の範囲内の重合温度で重合することが好ましい。重合温
度が70℃未満では重合速度が低下し、140℃以上で
は重合速度の制御が困難になる傾向にある。
【0016】本発明の重合方法において、分散剤として
水溶性高分子の保護コロイド剤又は難溶性無機物を重合
系に添加することができる。水溶性高分子の保護コロイ
ド剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス等があり、これらのうちポリビニルアルコールが好ま
しい。また難溶性無機物としては、燐酸カルシウム、ピ
ロ燐酸カルシウム、ベントナイト等がある。分散剤の添
加量は、水に対して通常0.01〜2重量%、好ましく
は0.1〜1重量%である。0.01重量%未満の場合
には粗大粒子が含まれるため、粒子の成形発泡時の融着
性が低下し、2重量%を超える場合には懸濁重合系の粘
度が高くなり、撹拌が困難になる傾向にある。難溶性無
機物を分散剤とした場合には、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ等の界面活性剤が少量使用されることが好ま
しい。これらの使用量は、使用する水に対して難溶性無
機物は0.1〜2重量%、界面活性剤は1〜500pp
mの範囲であるのが好ましい。
【0017】本発明に使用される発泡剤としては、製造
される樹脂の軟化点より低い沸点を有し、かつスチレン
系樹脂を溶解しないか、またはわずかに膨潤させる性質
を持ったものが好適である。これらの発泡剤としては、
例えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水
素類、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン
等の環式脂肪族炭化水素類、メチルクロライド等のハロ
ゲン化炭化水素類を挙げることができる。これらのうち
ブタン、ペンタンが工業的に好ましい。発泡剤の使用量
は、通常、使用する単量体に対して3〜12重量%、好
ましくは4〜8重量%の割合である。発泡剤は重合途中
あるいは重合終了後に圧入される。3重量%未満では発
泡が充分でなく、また12重量%を越えて添加すると成
形後、成形物に多量の発泡剤が残存して成形物の強度を
低下させる傾向にある。圧入の温度は90〜115℃が
好ましく、更に圧入後、100〜140℃に加熱して発
泡剤の含浸を充分に行うことが好ましい。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例及び比較例により更に詳
細に説明する。なお、例中の略記号は以下の化合物を表
している。 CIP:ジシンナモイルペルオキシド 3M:1,1−ビス−(t−ブチルペルオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂(株)
製、商品名:パーヘキサ3M、純度:90%) BuI:t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルI、純度:
98%) HeI:t−ヘキシルペルオキシイソプロピルカーボネ
ート(日本油脂(株)製、商品名:パーヘキシルI、純
度:98%) BuZ:t−ブチルペルオキシベンゾエート(日本油脂
(株)製、商品名:パーブチルZ、純度:99%) TA:2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキ
シシクロヘキシル)プロパン(純度:99%) BPO:ベンゾイルペルオキシド(日本油脂(株)製、
商品名:ナイパーBW、純度:75%(含水品)) HTP:ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフ
タレート(純度:99%)
【0019】実施例1 撹拌機付き5000mlオートクレーブにイオン交換水
2000ミリリットル、第三燐酸カルシウム20g、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ(日本油脂(株)製、
商品名:ニューレックスR)0.1g、硫酸ナトリウム
1gを入れ、250RPMの回転速度で撹拌した。次
に、セル径調節剤としてエチレンビスステアリン酸アマ
イド2g、重合開始剤としてCIP 1gおよび3M 4
g、及びスチレン2000gを入れ、空間部を窒素置換
した後、重合(重合条件:90℃で4時間重合後、1時
間かけて重合温度を120℃に上げ、更に4時間重合)
を行った。その後、温度を90℃まで冷却し、n−ペン
タン120gを圧入し、1時間で115℃まで昇温し、
その温度で3時間保持した。その後2時間で30℃まで
冷却し発泡性ポリスチレン系樹脂粒子(重量平均分子量
43万)を得た。それを回転撹拌式予備発泡装置を用い
て嵩比重0.1g/ミリリットルになるようにスチーム
で5分間で予備発泡させた。この予備発泡物を内容量5
00ミリリットル、肉厚2mmのコップ状型内に充填
し、圧力1.8kgf/cm2の水蒸気を用いて5秒間
加熱した後冷却し、コップ状の成形品を得た。次にその
成形品を破壊し断面の粒子の融着性を調べ、次の基準で
評価した。 ○:完全に融着している。 △:わずかに未融着部がある。 ×:多くの未融着部がある。 またJIS A9511に準拠した嵩比重0.0166
g/ミリリットルの発泡性スチレン樹脂粒子による曲げ
強度試験を行った。融着性及び曲げ強度の試験結果を表
1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2〜5 実施例1においてCIPと併用する重合開始剤の種類及
び使用量を表1に示すようにかえた以外は実施例1に準
じて重合を行い、融着性及び曲げ強度の試験結果を表1
に示した。
【0022】実施例6 実施例1においてCIPと併用する重合開始剤の使用量
を表1に示すようにかえ、そして重合条件を120℃で
8時間重合するように変更した以外は実施例1に準じて
重合を行い、融着性及び曲げ強度の試験結果を表1に示
した。
【0023】実施例7 実施例1においてCIPと併用する重合開始剤の使用量
をかえ、そして重合条件を70℃〜140℃まで1時間
あたり10℃の昇温速度で連続的に昇温し7時間重合す
るように変更した以外は実施例1に準じて重合を行い、
融着性及び曲げ強度の試験結果を表1に示した。
【0024】比較例1、2 CIPの代わりに表1に示す重合開始剤を使用した以外
は実施例1に準じて重合を行い、融着性及び曲げ強度の
試験結果を表1に示した。
【0025】実施例1〜7及び比較例1、2との比較よ
り本発明の方法は従来の方法と比較して、スチレン系樹
脂粒子の成形時のスチーム融着性がよく、しかも成形物
の機械強度が高いという点で優れていることがわかっ
た。
【0026】実施例8 スチレンの代わりにスチレン/メタクリル酸メチル(重
量比8/2で混合)を使用した以外は実施例1に準じて
行い、融着性及び曲げ強度の試験結果を表1に示した。
【0027】比較例3 スチレンの代わりにスチレン/メタクリル酸メチル(重
量比8/2で混合)を使用し、CIPの代わりに表1に
示す重合開始剤を使用した以外は実施例8に準じて重合
を行い、融着性及び曲げ強度の試験結果を表1に示し
た。実施例8と比較例3より、本発明の方法は、混合モ
ノマー(スチレン/メタクリル酸メチル)を用いた場合
でも、従来の重合方法と比較して、スチレン系樹脂粒子
の成形時のスチーム融着性がよく、しかも成形物の機械
強度が高いという点で優れていることがわかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法は、重合開始剤として
ジシンナモイルペルオキシドと他の有機過酸化物を併用
しているので、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の成
形時のスチーム融着性がよく、しかも成形物の機械強度
が高いという点で優れている。また、スチレンを含む単
量体混合物を用いた場合でも、発泡性スチレン系樹脂粒
子の成形時のスチーム融着性がよく、しかも成形物の機
械強度が高いという点で優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体を、重合開始剤を用い
    て重合温度70〜140℃で懸濁重合し、その重合途中
    又は重合後に発泡剤を添加して発泡性スチレン系樹脂粒
    子を製造する方法において、重合開始剤としてジシンナ
    モイルペルオキシドと他の重合開始剤を組み合わせて用
    いることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 スチレン系単量体を、重合開始剤を用い
    て2段階以上の温度で懸濁重合し、その重合途中又は重
    合後に発泡剤を添加して発泡性スチレン系樹脂粒子を製
    造する方法において、重合開始剤としてジシンナモイル
    ペルオキシドと他の重合開始剤とを組み合わせて用いる
    ことを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 他の重合開始剤が、10時間半減期温度
    が80〜110℃の有機過酸化物である請求項1又は請
    求項2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 ジシンナモイルペルオキシドの使用量が
    スチレン系単量体100重量部に対して0.005〜
    0.5重量部であり、他の重合開始剤の使用量がジシン
    ナモイルペルオキシドの使用量に対して0.1〜20倍
    量の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性
    スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 1段目の懸濁重合の温度が70〜110
    ℃であり、2段目の懸濁重合の温度が1段目の重合温度
    より10℃以上高く、かつ90〜140℃の温度範囲で
    ある請求項2〜4のいずれかに記載の発泡性スチレン系
    樹脂粒子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0632843A (ja) * 1992-07-13 1994-02-08 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 高屈折率レンズ用樹脂の製造法
JP2004250656A (ja) * 2002-10-08 2004-09-09 Atofina Chemicals Inc 発泡性スチレンポリマーの製法
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