JPH0931110A - 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法Info
- Publication number
- JPH0931110A JPH0931110A JP18233095A JP18233095A JPH0931110A JP H0931110 A JPH0931110 A JP H0931110A JP 18233095 A JP18233095 A JP 18233095A JP 18233095 A JP18233095 A JP 18233095A JP H0931110 A JPH0931110 A JP H0931110A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- styrene
- resin particles
- polymerization
- carbon atoms
- styrene resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Polymerization Catalysts (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 予備発泡時のブロッキングが少なく、成型時
の融着性が良く、且つ成形物の機械強度が大きい発泡性
スチレン系樹脂粒子を得ることを目的とする。 【解決手段】 重合開始剤として一般式(1) 【化1】 (式中X及びYはそれぞれ、水素、炭素数1〜15のア
ルキル基、炭素数4〜9の第三級アルコキシ基、炭素数
2〜15のアシルオキシ基あるいは炭素数7〜10の芳
香族アシルオキシ基を表し、nは5〜50の整数を表
す)で表わされる構造を有するポリメリックペルオキシ
ドを用いることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子
の製造方法である。
の融着性が良く、且つ成形物の機械強度が大きい発泡性
スチレン系樹脂粒子を得ることを目的とする。 【解決手段】 重合開始剤として一般式(1) 【化1】 (式中X及びYはそれぞれ、水素、炭素数1〜15のア
ルキル基、炭素数4〜9の第三級アルコキシ基、炭素数
2〜15のアシルオキシ基あるいは炭素数7〜10の芳
香族アシルオキシ基を表し、nは5〜50の整数を表
す)で表わされる構造を有するポリメリックペルオキシ
ドを用いることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子
の製造方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品容器、魚箱、
包装材料に使用される発泡性スチレン系樹脂粒子の製造
方法に関する。更に詳しくは、予備発泡時にプロッキン
グが起こり難く、成形時に融着性の良好で、且つ機械強
度の高い発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法に関
する。
包装材料に使用される発泡性スチレン系樹脂粒子の製造
方法に関する。更に詳しくは、予備発泡時にプロッキン
グが起こり難く、成形時に融着性の良好で、且つ機械強
度の高い発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】発泡性スチレン系樹脂粒子の製造におい
て種々重合開始剤を用いる方法が知られている。例えば
特開昭59−19125号公報にはベンゾイルペルオキ
シドとt−ブチルペルオキシベンゾエートを併用する方
法が開示されている。また特開昭60−47037号公
報にはベンゾイルペルオキシドと1,1−ジ−t−ブチ
ルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とt−ブチルペルオキシベンゾエートを併用する方法が
開示されている。また特開平6−80712号公報には
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシク
ロヘキシル)プロパンを使用する方法が開示されてい
る。また特開平5−295160号公報には2,2−ビ
ス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシ
ル)プロパンとジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロ
テレフタレートを併用する方法が開示されている。
て種々重合開始剤を用いる方法が知られている。例えば
特開昭59−19125号公報にはベンゾイルペルオキ
シドとt−ブチルペルオキシベンゾエートを併用する方
法が開示されている。また特開昭60−47037号公
報にはベンゾイルペルオキシドと1,1−ジ−t−ブチ
ルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とt−ブチルペルオキシベンゾエートを併用する方法が
開示されている。また特開平6−80712号公報には
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシク
ロヘキシル)プロパンを使用する方法が開示されてい
る。また特開平5−295160号公報には2,2−ビ
ス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシ
ル)プロパンとジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロ
テレフタレートを併用する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように発泡性ス
チレン系樹脂粒子製造のためには重合開始剤として各種
の化合物が有効であるが、特開昭59−19125号公
報および特開昭60−47037号公報記載の方法は予
備発泡時のブロッキングが起こり易く、機械強度が十分
でなく、一方、特開平6−80712号公報および特開
平5−295160号公報記載の方法は、成形時の融着
性が十分でないという問題がある。本発明の目的は、予
備発泡時のブロッキングが起こり難く、成形時のスチー
ム融着性がよく、しかも成形物の機械強度が高いという
すべてに優れた特性を持つ発泡性スチレン系樹脂の製造
方法を提供することにある。
チレン系樹脂粒子製造のためには重合開始剤として各種
の化合物が有効であるが、特開昭59−19125号公
報および特開昭60−47037号公報記載の方法は予
備発泡時のブロッキングが起こり易く、機械強度が十分
でなく、一方、特開平6−80712号公報および特開
平5−295160号公報記載の方法は、成形時の融着
性が十分でないという問題がある。本発明の目的は、予
備発泡時のブロッキングが起こり難く、成形時のスチー
ム融着性がよく、しかも成形物の機械強度が高いという
すべてに優れた特性を持つ発泡性スチレン系樹脂の製造
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長期にわ
たって研究した結果、特定の重合開始剤を用いて発泡性
スチレン系樹脂粒子を製造すれば、前記目的を達成でき
ることを確認し本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明の第1の発明は、スチレン系単量体又はスチレン
系単量体と共重合可能な他のビニル単量体との混合物
を、懸濁重合し、発泡剤を添加して発泡性スチレン系樹
脂粒子を製造する方法において、重合開始剤として一般
式(1)
たって研究した結果、特定の重合開始剤を用いて発泡性
スチレン系樹脂粒子を製造すれば、前記目的を達成でき
ることを確認し本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明の第1の発明は、スチレン系単量体又はスチレン
系単量体と共重合可能な他のビニル単量体との混合物
を、懸濁重合し、発泡剤を添加して発泡性スチレン系樹
脂粒子を製造する方法において、重合開始剤として一般
式(1)
【化2】 (式中X及びYはそれぞれ、水素、炭素数1〜15のア
ルキル基、炭素数4〜9の第三級アルコキシ基、炭素数
2〜15のアシルオキシ基あるいは炭素数7〜10の芳
香族アシルオキシ基を表し、nは5〜50の整数を表
す)で表わされるポリメリックペルオキシドを用いるこ
とを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法で
ある。第2の発明は、第1の発明において、重合開始剤
としてさらに、ベンゼン中で半減期が10時間となる温
度が90〜105℃のペルオキシドを併用することを特
徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法である。
ルキル基、炭素数4〜9の第三級アルコキシ基、炭素数
2〜15のアシルオキシ基あるいは炭素数7〜10の芳
香族アシルオキシ基を表し、nは5〜50の整数を表
す)で表わされるポリメリックペルオキシドを用いるこ
とを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法で
ある。第2の発明は、第1の発明において、重合開始剤
としてさらに、ベンゼン中で半減期が10時間となる温
度が90〜105℃のペルオキシドを併用することを特
徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法である。
【0005】本発明において使用される一般式(1)で
示されるポリメリックペルオキシドはアゼライン酸ジク
ロライドと過酸化水素をアルカリ存在下で反応させるこ
とにより得られる。その際、ポリメリックペルオキシド
の縮合度(以下nと略記する)はアゼライン酸ジクロラ
イドと過酸化水素との使用割合を変えることにより調節
することが出来る。nが5未満では成形物の曲げ強度の
向上の効果が小さく、またnが50を超えるポリメリッ
クペルオキシドはその粘度が高くなるため、その製造及
び取扱いが困難になるため好ましくない。上記ポリメリ
ックペルオキシドとしては、市販のポリパーAZ(日本
油脂(株)製、商品名)を好ましく使用できる。またア
ゼライン酸ジクロライドの使用量の一部をアゼライン酸
アルキルエステルクロライド(アルキル=炭素数1〜1
5のアルキル基)、アゼライン酸t−アルキルペルオキ
シエステルクロライド(アルキル=炭素数4〜9のt−
アルキル基)、アセチルクロライド、ベンゾイルクロラ
イド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルクロライ
ド、ラウロイルクロライド等の単官能酸クロライドに変
えることにより、さらに縮合度を低下させることが出来
る。その際は、ポリメリックペルオキシドの末端にそれ
らの基が導入される。上記において例えば、ベンゾイル
クロライドを用いた場合には、一般式(1)のX及びY
はベンゾイルオキシ基あるいは水素である化合物の混合
物が得られる。またアゼライン酸メチルエステルクロラ
イドを用いた場合には、一般式(1)のXおよびYはメ
チル基あるいは水素である化合物の混合物が得られる。
またアゼライン酸t−ブチルペルオキシエステルクロラ
イドを用いた場合には、一般式(1)のX及びYはt−
ブトキシ基あるいは水素である化合物の混合物が得られ
る。
示されるポリメリックペルオキシドはアゼライン酸ジク
ロライドと過酸化水素をアルカリ存在下で反応させるこ
とにより得られる。その際、ポリメリックペルオキシド
の縮合度(以下nと略記する)はアゼライン酸ジクロラ
イドと過酸化水素との使用割合を変えることにより調節
することが出来る。nが5未満では成形物の曲げ強度の
向上の効果が小さく、またnが50を超えるポリメリッ
クペルオキシドはその粘度が高くなるため、その製造及
び取扱いが困難になるため好ましくない。上記ポリメリ
ックペルオキシドとしては、市販のポリパーAZ(日本
油脂(株)製、商品名)を好ましく使用できる。またア
ゼライン酸ジクロライドの使用量の一部をアゼライン酸
アルキルエステルクロライド(アルキル=炭素数1〜1
5のアルキル基)、アゼライン酸t−アルキルペルオキ
シエステルクロライド(アルキル=炭素数4〜9のt−
アルキル基)、アセチルクロライド、ベンゾイルクロラ
イド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルクロライ
ド、ラウロイルクロライド等の単官能酸クロライドに変
えることにより、さらに縮合度を低下させることが出来
る。その際は、ポリメリックペルオキシドの末端にそれ
らの基が導入される。上記において例えば、ベンゾイル
クロライドを用いた場合には、一般式(1)のX及びY
はベンゾイルオキシ基あるいは水素である化合物の混合
物が得られる。またアゼライン酸メチルエステルクロラ
イドを用いた場合には、一般式(1)のXおよびYはメ
チル基あるいは水素である化合物の混合物が得られる。
またアゼライン酸t−ブチルペルオキシエステルクロラ
イドを用いた場合には、一般式(1)のX及びYはt−
ブトキシ基あるいは水素である化合物の混合物が得られ
る。
【0006】本発明において、上記重合開始剤の使用量
は、重合温度その他の条件により異なるが、通常、用い
る単量体に対し、0.01〜2重量%、更に好ましくは
0.05〜1重量%である。0.01重量%未満では添
加の効果がなく、又2重量%を越えると重合速度の調節
が困難になる。
は、重合温度その他の条件により異なるが、通常、用い
る単量体に対し、0.01〜2重量%、更に好ましくは
0.05〜1重量%である。0.01重量%未満では添
加の効果がなく、又2重量%を越えると重合速度の調節
が困難になる。
【0007】本発明において、上記ポリメリックペルオ
キシドの他に、ベンゼン中での10時間半減期を与える
温度が90〜105℃のペルオキシドを併用することに
より予備発泡時のブロッキングが起こり難く、成形時の
スチーム融着性がよく、しかも成形物の機械強度が高い
という要求の全てをより満足する発泡性スチレン系樹脂
粒子を得ることが出来る。併用可能な開始剤としては、
1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン(10時間半減期温度90℃)、
1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン(同
91℃)、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペル
オキシシクロヘキシル)プロパン(同95℃)、t−ブ
チルペルオキシイソプロピルカーボネート(同99
℃)、t−ブチルペルオキシベンゾエート(同104
℃)等を挙げることができる。これらの内、1,1−ジ
−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボ
ネート、t−ブチルペルオキシベンゾエートは上記の要
望を満足すると共に、重合の最終転化率を向上できるた
め特に好ましい。併用する重合開始剤の使用量は、通
常、一般式(1)の化合物の他に更に、用いる単量体に
対し0.001〜0.5重量%、好ましくは0.01〜
0.3重量%が用いられる。0.001重量%未満では
併用の効果が無く、また0.5重量%を越えて使用する
と、重合速度の調節が困難になる。
キシドの他に、ベンゼン中での10時間半減期を与える
温度が90〜105℃のペルオキシドを併用することに
より予備発泡時のブロッキングが起こり難く、成形時の
スチーム融着性がよく、しかも成形物の機械強度が高い
という要求の全てをより満足する発泡性スチレン系樹脂
粒子を得ることが出来る。併用可能な開始剤としては、
1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン(10時間半減期温度90℃)、
1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン(同
91℃)、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペル
オキシシクロヘキシル)プロパン(同95℃)、t−ブ
チルペルオキシイソプロピルカーボネート(同99
℃)、t−ブチルペルオキシベンゾエート(同104
℃)等を挙げることができる。これらの内、1,1−ジ
−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボ
ネート、t−ブチルペルオキシベンゾエートは上記の要
望を満足すると共に、重合の最終転化率を向上できるた
め特に好ましい。併用する重合開始剤の使用量は、通
常、一般式(1)の化合物の他に更に、用いる単量体に
対し0.001〜0.5重量%、好ましくは0.01〜
0.3重量%が用いられる。0.001重量%未満では
併用の効果が無く、また0.5重量%を越えて使用する
と、重合速度の調節が困難になる。
【0008】本発明において用いられるスチレン系樹脂
を製造するために用いられる単量体としては、スチレン
系単量体としてスチレン及びα−メチルスチレン、クロ
ロスチレン、t−ブチルスチレン等の置換スチレンが挙
げられる。またスチレン系単量体と共重合可能な単量体
としては、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、
エチルアクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の
エステル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、
ジビニルベンゼン等を挙げることができる。そして、全
単量体の内、スチレンが50重量%以上含まれるものが
好ましい。
を製造するために用いられる単量体としては、スチレン
系単量体としてスチレン及びα−メチルスチレン、クロ
ロスチレン、t−ブチルスチレン等の置換スチレンが挙
げられる。またスチレン系単量体と共重合可能な単量体
としては、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、
エチルアクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の
エステル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、
ジビニルベンゼン等を挙げることができる。そして、全
単量体の内、スチレンが50重量%以上含まれるものが
好ましい。
【0009】本発明において、重合方法は懸濁重合が用
いられる。又重合温度は生成する重合体の分子量および
各種物性との関係で選択されるため限定はできないが、
通常60〜150℃、好ましくは65〜130℃が用い
られ、一定温度あるいはプログラム化された昇温重合が
用いられる。60℃未満では重合速度が低下し、150
℃を越えると重合速度の制御が困難になる傾向にあり、
いずれも好ましくない。
いられる。又重合温度は生成する重合体の分子量および
各種物性との関係で選択されるため限定はできないが、
通常60〜150℃、好ましくは65〜130℃が用い
られ、一定温度あるいはプログラム化された昇温重合が
用いられる。60℃未満では重合速度が低下し、150
℃を越えると重合速度の制御が困難になる傾向にあり、
いずれも好ましくない。
【0010】本発明の重合方法において、分散剤として
水溶性高分子保護コロイド剤、難溶性無機物を重合系に
添加することができる。水溶性高分子保護コロイド剤と
しては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等が
ある。これらの内ポリビニルアルコールが好ましい。ま
た難溶性無機物としては、燐酸カルシウム、ピロ燐酸マ
グネシウム、ベントナイト等がある。難溶性無機物を分
散剤とした場合は、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
等の界面活性剤を少量使用することが好ましい。その
際、使用量は使用する水に対して、難溶性無機物が0.
1〜2重量%、界面活性剤が1〜500ppmの範囲で
あるのが好ましい。
水溶性高分子保護コロイド剤、難溶性無機物を重合系に
添加することができる。水溶性高分子保護コロイド剤と
しては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等が
ある。これらの内ポリビニルアルコールが好ましい。ま
た難溶性無機物としては、燐酸カルシウム、ピロ燐酸マ
グネシウム、ベントナイト等がある。難溶性無機物を分
散剤とした場合は、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
等の界面活性剤を少量使用することが好ましい。その
際、使用量は使用する水に対して、難溶性無機物が0.
1〜2重量%、界面活性剤が1〜500ppmの範囲で
あるのが好ましい。
【0011】本発明に使用される発泡剤としては、生成
される樹脂の軟化点より低い沸点を有し、かつスチレン
系樹脂を溶解しないか、又はわずかに膨潤させる性質を
持ったものが好適である。これらの発泡剤としては、例
えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素
類、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等
の環式脂肪族炭化水素類、メチルクロライド等のハロゲ
ン化炭化水素類を挙げることができる。これらの内、ブ
タン、ペンタンが好ましい。発泡剤の使用量は、通常、
使用する単量体に対して、3〜12重量%、好ましくは
4〜8重量%の割合である。発泡剤は重合途中あるいは
重合終了後に圧入される。3重量%未満では発泡が十分
ではなく、また12重量%を越えて添加すると成形後、
成形物に多量の発泡剤が残存し、成形物の強度を低下さ
せるためいずれも好ましくない。圧入の温度は90〜1
15℃が好ましく、更に圧入後、100〜130℃に加
熱して発泡剤の含浸を十分に行うことが好ましい。
される樹脂の軟化点より低い沸点を有し、かつスチレン
系樹脂を溶解しないか、又はわずかに膨潤させる性質を
持ったものが好適である。これらの発泡剤としては、例
えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素
類、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等
の環式脂肪族炭化水素類、メチルクロライド等のハロゲ
ン化炭化水素類を挙げることができる。これらの内、ブ
タン、ペンタンが好ましい。発泡剤の使用量は、通常、
使用する単量体に対して、3〜12重量%、好ましくは
4〜8重量%の割合である。発泡剤は重合途中あるいは
重合終了後に圧入される。3重量%未満では発泡が十分
ではなく、また12重量%を越えて添加すると成形後、
成形物に多量の発泡剤が残存し、成形物の強度を低下さ
せるためいずれも好ましくない。圧入の温度は90〜1
15℃が好ましく、更に圧入後、100〜130℃に加
熱して発泡剤の含浸を十分に行うことが好ましい。
【0012】
【発明の効果】本発明の製造方法は、特定の重合開始剤
を用いることにより、予備発泡時のブロッキングが少な
く、成形時の融着性が良く、且つ成形物の機械強度が大
きい発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができるため
工業的利用価値は極めて高い。
を用いることにより、予備発泡時のブロッキングが少な
く、成形時の融着性が良く、且つ成形物の機械強度が大
きい発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができるため
工業的利用価値は極めて高い。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例によりさらに
詳細に説明する。なお各例中、部、%は特に断わらない
限り重量部および重量%を示す。又例中の略号は以下の
化合物を示す。 AZ1:ポリアゼライン酸ジアシルペルオキシド(日本
油脂(株)製、商品名:ポリパーAZ、数平均分子量2
120、n=11.4、一般式(1)におけるX,Yは
水素である純度60%の含水品) AZ2:ポリアゼライン酸ジアシルペルオキシド(数平
均分子量2930、n=14.4、一般式(1)におけ
るX,Yの80%が3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルオキシで20%が水素である純度60%の含水品) AZ3:ポリアゼライン酸ジアシルペルオキシド(数平
均分子量2010、n=10.3、一般式(1)におけ
るX,Yの70%がt−ブトキシで30%が水素である
純度60%の含水品) 3M:1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂(株)製、商品
名:パーヘキサ3M、純度90%) BuI:t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルI、純度9
8%) BuZ:t−ブチルペルオキシベンゾエート(日本油脂
(株)製、商品名:パーブチルZ、純度99%) BPO:ベンゾイルペルオキシド(日本油脂(株)製、
商品名:ナイパーBW、純度75%含水品) TA:2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキ
シシクロヘキシル)プロパン(純度99%) HTP:ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフ
タレート
詳細に説明する。なお各例中、部、%は特に断わらない
限り重量部および重量%を示す。又例中の略号は以下の
化合物を示す。 AZ1:ポリアゼライン酸ジアシルペルオキシド(日本
油脂(株)製、商品名:ポリパーAZ、数平均分子量2
120、n=11.4、一般式(1)におけるX,Yは
水素である純度60%の含水品) AZ2:ポリアゼライン酸ジアシルペルオキシド(数平
均分子量2930、n=14.4、一般式(1)におけ
るX,Yの80%が3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルオキシで20%が水素である純度60%の含水品) AZ3:ポリアゼライン酸ジアシルペルオキシド(数平
均分子量2010、n=10.3、一般式(1)におけ
るX,Yの70%がt−ブトキシで30%が水素である
純度60%の含水品) 3M:1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂(株)製、商品
名:パーヘキサ3M、純度90%) BuI:t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルI、純度9
8%) BuZ:t−ブチルペルオキシベンゾエート(日本油脂
(株)製、商品名:パーブチルZ、純度99%) BPO:ベンゾイルペルオキシド(日本油脂(株)製、
商品名:ナイパーBW、純度75%含水品) TA:2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキ
シシクロヘキシル)プロパン(純度99%) HTP:ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフ
タレート
【0014】実施例1 攪拌機付き5000mlオートクレーブにイオン交換水
2000ml、第三リン酸カルシウム20g,ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ(日本油脂株式会社製、商品
名ニューレックスR)0.1g、硫酸ナトリウム1gを
入れ、250回転/分の回転速度で攪拌した。セル径調
節剤としてエチレンビスステアリン酸アマイド2g及び
AZ1 10g及びスチレン2000gを入れ、空間部
を窒素置換した後、120℃まで8時間(70℃に達し
てからの時間)で昇温しながら重合し、更に120℃で
2時間重合を行った。その後、温度を90℃まで冷却
し、n−ペンタン120gを圧入した。次に1時間で1
15℃まで昇温した後、115℃で3時間保持した。そ
の後2時間で30℃まで冷却し発泡性ポリスチレン粒子
を得た。得られた粒子を回転攪拌式予備発泡装置を用い
て0.1g/mlになるように5分間で予備発泡させ
た。予備発泡物のブロッキング物を秤量した。その後予
備発泡物を、内容量500ml、肉厚2mmのコップ状
型内に充填し、1.8kgの水蒸気を用いて、5秒間加
熱した後冷却し、コップ状成型物を得た。この成型物を
破壊し断面の粒子融着性を調べた。またJIS A 9
511に準拠した密度0.0166g/mlの発泡性ス
チレン樹脂粒子による曲げ強度試験を行った。尚、融着
性は完全に融着したものを○、わずかに未融着部がある
ものを△、明らかに未融着部があるものを×として評価
した。それらの結果を表2に示した。
2000ml、第三リン酸カルシウム20g,ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ(日本油脂株式会社製、商品
名ニューレックスR)0.1g、硫酸ナトリウム1gを
入れ、250回転/分の回転速度で攪拌した。セル径調
節剤としてエチレンビスステアリン酸アマイド2g及び
AZ1 10g及びスチレン2000gを入れ、空間部
を窒素置換した後、120℃まで8時間(70℃に達し
てからの時間)で昇温しながら重合し、更に120℃で
2時間重合を行った。その後、温度を90℃まで冷却
し、n−ペンタン120gを圧入した。次に1時間で1
15℃まで昇温した後、115℃で3時間保持した。そ
の後2時間で30℃まで冷却し発泡性ポリスチレン粒子
を得た。得られた粒子を回転攪拌式予備発泡装置を用い
て0.1g/mlになるように5分間で予備発泡させ
た。予備発泡物のブロッキング物を秤量した。その後予
備発泡物を、内容量500ml、肉厚2mmのコップ状
型内に充填し、1.8kgの水蒸気を用いて、5秒間加
熱した後冷却し、コップ状成型物を得た。この成型物を
破壊し断面の粒子融着性を調べた。またJIS A 9
511に準拠した密度0.0166g/mlの発泡性ス
チレン樹脂粒子による曲げ強度試験を行った。尚、融着
性は完全に融着したものを○、わずかに未融着部がある
ものを△、明らかに未融着部があるものを×として評価
した。それらの結果を表2に示した。
【0015】実施例2〜4 実施例1においてAZ1の他に表1に示す重合開始剤を
併用した以外は実施例1に準じて実施した。その結果は
表2のとおりであった。
併用した以外は実施例1に準じて実施した。その結果は
表2のとおりであった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】比較例1〜4 AZ1の代わりに表1に示す重合開始剤を使用した以外
は実施例1に準じて実施した。その結果は表2のとおり
であった。実施例1〜4及び比較例1,2との比較より
本発明の方法は従来の方法と比較して成形物の曲げ強度
が大きく且つ予備発泡時のブロッキングが少ないことが
分かる。また実施例1〜4と比較例3,4との比較よ
り、本発明の方法は従来の方法と比較して成形物の曲げ
強度が大きく且つ成形時の融着性がよいことが分かる。
は実施例1に準じて実施した。その結果は表2のとおり
であった。実施例1〜4及び比較例1,2との比較より
本発明の方法は従来の方法と比較して成形物の曲げ強度
が大きく且つ予備発泡時のブロッキングが少ないことが
分かる。また実施例1〜4と比較例3,4との比較よ
り、本発明の方法は従来の方法と比較して成形物の曲げ
強度が大きく且つ成形時の融着性がよいことが分かる。
【0019】実施例5 スチレンの代わりにスチレン/メチルメタクリレート
(重量比で8/2で混合)を使用した以外は実施例1に
準じて実施した。その結果は表2のとおりであった。
(重量比で8/2で混合)を使用した以外は実施例1に
準じて実施した。その結果は表2のとおりであった。
【0020】比較例5 AZ1の代わりに表1に示す重合開始剤を使用した以外
は実施例5に準じて実施した。その結果は表2のとおり
であった。実施例5と比較例5より、本発明の方法は、
混合モノマー(スチレン/メチルメタクリレート)を用
いた場合でも、従来の重合方法と比較して成形物の曲げ
強度が大きく融着性も優れていることが分かる。
は実施例5に準じて実施した。その結果は表2のとおり
であった。実施例5と比較例5より、本発明の方法は、
混合モノマー(スチレン/メチルメタクリレート)を用
いた場合でも、従来の重合方法と比較して成形物の曲げ
強度が大きく融着性も優れていることが分かる。
Claims (2)
- 【請求項1】 スチレン系単量体又はスチレン系単量体
と共重合可能な他のビニル単量体との混合物を懸濁重合
し、発泡剤を添加して発泡性スチレン系樹脂粒子を製造
する方法において、重合開始剤として一般式(1) 【化1】 (式中X及びYはそれぞれ、水素、炭素数1〜15のア
ルキル基、炭素数4〜9の第三級アルコキシ基、炭素数
2〜15のアシルオキシ基あるいは炭素数7〜10の芳
香族アシルオキシ基を表し、nは5〜50の整数を表
す)で表わされるポリメリックペルオキシドを用いるこ
とを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、重合開始剤としてさ
らに、ベンゼン中で半減期が10時間となる温度が90
〜105℃のペルオキシドを併用することを特徴とする
発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18233095A JPH0931110A (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18233095A JPH0931110A (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931110A true JPH0931110A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16116428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18233095A Pending JPH0931110A (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0931110A (ja) |
-
1995
- 1995-07-19 JP JP18233095A patent/JPH0931110A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101256271B1 (ko) | 감소된 열전도율을 갖는 스티렌 중합체 입자 발포 물질 | |
KR100492199B1 (ko) | 흑연 입자를 함유하는 발포성 스티렌 중합체의 제조 방법 | |
US6414041B1 (en) | Expandable styrene polymers containing graphite particles | |
MXPA06014840A (es) | Recipiente y proceso para su fabricacion. | |
JP4326034B2 (ja) | スチレン系発泡性樹脂粒子 | |
JP3171001B2 (ja) | スチレン系発泡性樹脂粒子及びそれを得るための懸濁重合法 | |
JP2659506B2 (ja) | パール状発泡性スチレン−ホモ又はコポリマーの不連続的製造方法 | |
JPH073068A (ja) | ビーズ状発泡性スチレン重合体 | |
US4286071A (en) | Self-extinguishing fine particulate expandable styrene polymers | |
JP5060001B2 (ja) | スチレン系発泡性樹脂粒子および発泡成形体 | |
JPH08311281A (ja) | 回収ポリスチレン気泡材料含有難燃化ポリスチレン粒状気泡材料の製造法 | |
JP2003335891A (ja) | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡成形体、およびその製造方法 | |
JPH0931110A (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 | |
JP3399065B2 (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 | |
JP2001220458A (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子 | |
JPS6338063B2 (ja) | ||
JP3001360B2 (ja) | 発泡性共重合樹脂粒子の製造方法 | |
US4407979A (en) | Process for forming fast-cool vinyl aromatic expandable polymers | |
JP3024522B2 (ja) | スチレン系発泡性樹脂粒子及びそれを用いて得た発泡成形体 | |
JP4463929B2 (ja) | スチレン系発泡性樹脂粒子の製造方法 | |
JP2000143857A (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 | |
JPH05295160A (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造法 | |
JP3649829B2 (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子およびその製造方法 | |
JPH04202443A (ja) | 発泡性ビニル系樹脂粒子の製造方法 | |
JPH09100366A (ja) | 高発泡可能な発泡性スチレン系樹脂粒子 |