JPH0931110A - 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法

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JPH0931110A
JPH0931110A JP18233095A JP18233095A JPH0931110A JP H0931110 A JPH0931110 A JP H0931110A JP 18233095 A JP18233095 A JP 18233095A JP 18233095 A JP18233095 A JP 18233095A JP H0931110 A JPH0931110 A JP H0931110A
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JP
Japan
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styrene
resin particles
polymerization
carbon atoms
styrene resin
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Application number
JP18233095A
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English (en)
Inventor
Hideyo Ishigaki
秀世 石垣
Keiji Kumazawa
慶次 熊澤
Shuji Suyama
修治 須山
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備発泡時のブロッキングが少なく、成型時
の融着性が良く、且つ成形物の機械強度が大きい発泡性
スチレン系樹脂粒子を得ることを目的とする。 【解決手段】 重合開始剤として一般式(1) 【化1】 (式中X及びYはそれぞれ、水素、炭素数1〜15のア
ルキル基、炭素数4〜9の第三級アルコキシ基、炭素数
2〜15のアシルオキシ基あるいは炭素数7〜10の芳
香族アシルオキシ基を表し、nは5〜50の整数を表
す)で表わされる構造を有するポリメリックペルオキシ
ドを用いることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子
の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品容器、魚箱、
包装材料に使用される発泡性スチレン系樹脂粒子の製造
方法に関する。更に詳しくは、予備発泡時にプロッキン
グが起こり難く、成形時に融着性の良好で、且つ機械強
度の高い発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】発泡性スチレン系樹脂粒子の製造におい
て種々重合開始剤を用いる方法が知られている。例えば
特開昭59−19125号公報にはベンゾイルペルオキ
シドとt−ブチルペルオキシベンゾエートを併用する方
法が開示されている。また特開昭60−47037号公
報にはベンゾイルペルオキシドと1,1−ジ−t−ブチ
ルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とt−ブチルペルオキシベンゾエートを併用する方法が
開示されている。また特開平6−80712号公報には
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシク
ロヘキシル)プロパンを使用する方法が開示されてい
る。また特開平5−295160号公報には2,2−ビ
ス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシ
ル)プロパンとジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロ
テレフタレートを併用する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように発泡性ス
チレン系樹脂粒子製造のためには重合開始剤として各種
の化合物が有効であるが、特開昭59−19125号公
報および特開昭60−47037号公報記載の方法は予
備発泡時のブロッキングが起こり易く、機械強度が十分
でなく、一方、特開平6−80712号公報および特開
平5−295160号公報記載の方法は、成形時の融着
性が十分でないという問題がある。本発明の目的は、予
備発泡時のブロッキングが起こり難く、成形時のスチー
ム融着性がよく、しかも成形物の機械強度が高いという
すべてに優れた特性を持つ発泡性スチレン系樹脂の製造
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長期にわ
たって研究した結果、特定の重合開始剤を用いて発泡性
スチレン系樹脂粒子を製造すれば、前記目的を達成でき
ることを確認し本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明の第1の発明は、スチレン系単量体又はスチレン
系単量体と共重合可能な他のビニル単量体との混合物
を、懸濁重合し、発泡剤を添加して発泡性スチレン系樹
脂粒子を製造する方法において、重合開始剤として一般
式(1)
【化2】 (式中X及びYはそれぞれ、水素、炭素数1〜15のア
ルキル基、炭素数4〜9の第三級アルコキシ基、炭素数
2〜15のアシルオキシ基あるいは炭素数7〜10の芳
香族アシルオキシ基を表し、nは5〜50の整数を表
す)で表わされるポリメリックペルオキシドを用いるこ
とを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法で
ある。第2の発明は、第1の発明において、重合開始剤
としてさらに、ベンゼン中で半減期が10時間となる温
度が90〜105℃のペルオキシドを併用することを特
徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法である。
【0005】本発明において使用される一般式(1)で
示されるポリメリックペルオキシドはアゼライン酸ジク
ロライドと過酸化水素をアルカリ存在下で反応させるこ
とにより得られる。その際、ポリメリックペルオキシド
の縮合度(以下nと略記する)はアゼライン酸ジクロラ
イドと過酸化水素との使用割合を変えることにより調節
することが出来る。nが5未満では成形物の曲げ強度の
向上の効果が小さく、またnが50を超えるポリメリッ
クペルオキシドはその粘度が高くなるため、その製造及
び取扱いが困難になるため好ましくない。上記ポリメリ
ックペルオキシドとしては、市販のポリパーAZ(日本
油脂(株)製、商品名)を好ましく使用できる。またア
ゼライン酸ジクロライドの使用量の一部をアゼライン酸
アルキルエステルクロライド(アルキル=炭素数1〜1
5のアルキル基)、アゼライン酸t−アルキルペルオキ
シエステルクロライド(アルキル=炭素数4〜9のt−
アルキル基)、アセチルクロライド、ベンゾイルクロラ
イド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルクロライ
ド、ラウロイルクロライド等の単官能酸クロライドに変
えることにより、さらに縮合度を低下させることが出来
る。その際は、ポリメリックペルオキシドの末端にそれ
らの基が導入される。上記において例えば、ベンゾイル
クロライドを用いた場合には、一般式(1)のX及びY
はベンゾイルオキシ基あるいは水素である化合物の混合
物が得られる。またアゼライン酸メチルエステルクロラ
イドを用いた場合には、一般式(1)のXおよびYはメ
チル基あるいは水素である化合物の混合物が得られる。
またアゼライン酸t−ブチルペルオキシエステルクロラ
イドを用いた場合には、一般式(1)のX及びYはt−
ブトキシ基あるいは水素である化合物の混合物が得られ
る。
【0006】本発明において、上記重合開始剤の使用量
は、重合温度その他の条件により異なるが、通常、用い
る単量体に対し、0.01〜2重量%、更に好ましくは
0.05〜1重量%である。0.01重量%未満では添
加の効果がなく、又2重量%を越えると重合速度の調節
が困難になる。
【0007】本発明において、上記ポリメリックペルオ
キシドの他に、ベンゼン中での10時間半減期を与える
温度が90〜105℃のペルオキシドを併用することに
より予備発泡時のブロッキングが起こり難く、成形時の
スチーム融着性がよく、しかも成形物の機械強度が高い
という要求の全てをより満足する発泡性スチレン系樹脂
粒子を得ることが出来る。併用可能な開始剤としては、
1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン(10時間半減期温度90℃)、
1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン(同
91℃)、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペル
オキシシクロヘキシル)プロパン(同95℃)、t−ブ
チルペルオキシイソプロピルカーボネート(同99
℃)、t−ブチルペルオキシベンゾエート(同104
℃)等を挙げることができる。これらの内、1,1−ジ
−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボ
ネート、t−ブチルペルオキシベンゾエートは上記の要
望を満足すると共に、重合の最終転化率を向上できるた
め特に好ましい。併用する重合開始剤の使用量は、通
常、一般式(1)の化合物の他に更に、用いる単量体に
対し0.001〜0.5重量%、好ましくは0.01〜
0.3重量%が用いられる。0.001重量%未満では
併用の効果が無く、また0.5重量%を越えて使用する
と、重合速度の調節が困難になる。
【0008】本発明において用いられるスチレン系樹脂
を製造するために用いられる単量体としては、スチレン
系単量体としてスチレン及びα−メチルスチレン、クロ
ロスチレン、t−ブチルスチレン等の置換スチレンが挙
げられる。またスチレン系単量体と共重合可能な単量体
としては、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、
エチルアクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の
エステル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、
ジビニルベンゼン等を挙げることができる。そして、全
単量体の内、スチレンが50重量%以上含まれるものが
好ましい。
【0009】本発明において、重合方法は懸濁重合が用
いられる。又重合温度は生成する重合体の分子量および
各種物性との関係で選択されるため限定はできないが、
通常60〜150℃、好ましくは65〜130℃が用い
られ、一定温度あるいはプログラム化された昇温重合が
用いられる。60℃未満では重合速度が低下し、150
℃を越えると重合速度の制御が困難になる傾向にあり、
いずれも好ましくない。
【0010】本発明の重合方法において、分散剤として
水溶性高分子保護コロイド剤、難溶性無機物を重合系に
添加することができる。水溶性高分子保護コロイド剤と
しては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等が
ある。これらの内ポリビニルアルコールが好ましい。ま
た難溶性無機物としては、燐酸カルシウム、ピロ燐酸マ
グネシウム、ベントナイト等がある。難溶性無機物を分
散剤とした場合は、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
等の界面活性剤を少量使用することが好ましい。その
際、使用量は使用する水に対して、難溶性無機物が0.
1〜2重量%、界面活性剤が1〜500ppmの範囲で
あるのが好ましい。
【0011】本発明に使用される発泡剤としては、生成
される樹脂の軟化点より低い沸点を有し、かつスチレン
系樹脂を溶解しないか、又はわずかに膨潤させる性質を
持ったものが好適である。これらの発泡剤としては、例
えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素
類、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等
の環式脂肪族炭化水素類、メチルクロライド等のハロゲ
ン化炭化水素類を挙げることができる。これらの内、ブ
タン、ペンタンが好ましい。発泡剤の使用量は、通常、
使用する単量体に対して、3〜12重量%、好ましくは
4〜8重量%の割合である。発泡剤は重合途中あるいは
重合終了後に圧入される。3重量%未満では発泡が十分
ではなく、また12重量%を越えて添加すると成形後、
成形物に多量の発泡剤が残存し、成形物の強度を低下さ
せるためいずれも好ましくない。圧入の温度は90〜1
15℃が好ましく、更に圧入後、100〜130℃に加
熱して発泡剤の含浸を十分に行うことが好ましい。
【0012】
【発明の効果】本発明の製造方法は、特定の重合開始剤
を用いることにより、予備発泡時のブロッキングが少な
く、成形時の融着性が良く、且つ成形物の機械強度が大
きい発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができるため
工業的利用価値は極めて高い。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例によりさらに
詳細に説明する。なお各例中、部、%は特に断わらない
限り重量部および重量%を示す。又例中の略号は以下の
化合物を示す。 AZ1:ポリアゼライン酸ジアシルペルオキシド(日本
油脂(株)製、商品名:ポリパーAZ、数平均分子量2
120、n=11.4、一般式(1)におけるX,Yは
水素である純度60%の含水品) AZ2:ポリアゼライン酸ジアシルペルオキシド(数平
均分子量2930、n=14.4、一般式(1)におけ
るX,Yの80%が3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルオキシで20%が水素である純度60%の含水品) AZ3:ポリアゼライン酸ジアシルペルオキシド(数平
均分子量2010、n=10.3、一般式(1)におけ
るX,Yの70%がt−ブトキシで30%が水素である
純度60%の含水品) 3M:1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂(株)製、商品
名:パーヘキサ3M、純度90%) BuI:t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルI、純度9
8%) BuZ:t−ブチルペルオキシベンゾエート(日本油脂
(株)製、商品名:パーブチルZ、純度99%) BPO:ベンゾイルペルオキシド(日本油脂(株)製、
商品名:ナイパーBW、純度75%含水品) TA:2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキ
シシクロヘキシル)プロパン(純度99%) HTP:ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフ
タレート
【0014】実施例1 攪拌機付き5000mlオートクレーブにイオン交換水
2000ml、第三リン酸カルシウム20g,ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ(日本油脂株式会社製、商品
名ニューレックスR)0.1g、硫酸ナトリウム1gを
入れ、250回転/分の回転速度で攪拌した。セル径調
節剤としてエチレンビスステアリン酸アマイド2g及び
AZ1 10g及びスチレン2000gを入れ、空間部
を窒素置換した後、120℃まで8時間(70℃に達し
てからの時間)で昇温しながら重合し、更に120℃で
2時間重合を行った。その後、温度を90℃まで冷却
し、n−ペンタン120gを圧入した。次に1時間で1
15℃まで昇温した後、115℃で3時間保持した。そ
の後2時間で30℃まで冷却し発泡性ポリスチレン粒子
を得た。得られた粒子を回転攪拌式予備発泡装置を用い
て0.1g/mlになるように5分間で予備発泡させ
た。予備発泡物のブロッキング物を秤量した。その後予
備発泡物を、内容量500ml、肉厚2mmのコップ状
型内に充填し、1.8kgの水蒸気を用いて、5秒間加
熱した後冷却し、コップ状成型物を得た。この成型物を
破壊し断面の粒子融着性を調べた。またJIS A 9
511に準拠した密度0.0166g/mlの発泡性ス
チレン樹脂粒子による曲げ強度試験を行った。尚、融着
性は完全に融着したものを○、わずかに未融着部がある
ものを△、明らかに未融着部があるものを×として評価
した。それらの結果を表2に示した。
【0015】実施例2〜4 実施例1においてAZ1の他に表1に示す重合開始剤を
併用した以外は実施例1に準じて実施した。その結果は
表2のとおりであった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】比較例1〜4 AZ1の代わりに表1に示す重合開始剤を使用した以外
は実施例1に準じて実施した。その結果は表2のとおり
であった。実施例1〜4及び比較例1,2との比較より
本発明の方法は従来の方法と比較して成形物の曲げ強度
が大きく且つ予備発泡時のブロッキングが少ないことが
分かる。また実施例1〜4と比較例3,4との比較よ
り、本発明の方法は従来の方法と比較して成形物の曲げ
強度が大きく且つ成形時の融着性がよいことが分かる。
【0019】実施例5 スチレンの代わりにスチレン/メチルメタクリレート
(重量比で8/2で混合)を使用した以外は実施例1に
準じて実施した。その結果は表2のとおりであった。
【0020】比較例5 AZ1の代わりに表1に示す重合開始剤を使用した以外
は実施例5に準じて実施した。その結果は表2のとおり
であった。実施例5と比較例5より、本発明の方法は、
混合モノマー(スチレン/メチルメタクリレート)を用
いた場合でも、従来の重合方法と比較して成形物の曲げ
強度が大きく融着性も優れていることが分かる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体又はスチレン系単量体
    と共重合可能な他のビニル単量体との混合物を懸濁重合
    し、発泡剤を添加して発泡性スチレン系樹脂粒子を製造
    する方法において、重合開始剤として一般式(1) 【化1】 (式中X及びYはそれぞれ、水素、炭素数1〜15のア
    ルキル基、炭素数4〜9の第三級アルコキシ基、炭素数
    2〜15のアシルオキシ基あるいは炭素数7〜10の芳
    香族アシルオキシ基を表し、nは5〜50の整数を表
    す)で表わされるポリメリックペルオキシドを用いるこ
    とを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、重合開始剤としてさ
    らに、ベンゼン中で半減期が10時間となる温度が90
    〜105℃のペルオキシドを併用することを特徴とする
    発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
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