JPH0632645Y2 - 電気部品のクリツク付きセルフリターン構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は可変抵抗器等の電気部品において、未作動状態
においては、板ばねの突部がクリツク板のセンタ位置で
ある第１の平面部にあり、該板ばねを一方向に移動する
と、クリツク板に設けたクリツク溝に嵌合後離脱して第
２の平面部に移動し、前記移動力を取り去ると、セルフ
リターンばねによつて元のセンタ位置である第１の平面
部に復帰する電気部品のクリツク付きセルフリターン構
造に関する。

〔従来の技術〕

第２図〜第５図は従来例の説明図で、第２図はクリツク
付きセルフリターン構造を具備した回転型可変抵抗器の
断面図、第３図はトップケースと止板とセルフリターン
ばねの関係を示す平面図、第４図は板ばねと軸受（クリ
ツク板）のクリツク溝との関係を示す平面図、第５図は
第４図のＡ−Ａ線の断面図で、板ばねの突部がクリツク
板の表面を移動する際の動作説明図である。

図面において１は軸受（クリツク板）、２は該軸受２の
凹部に形成された２つのクリツク溝で、両クリツク溝２
間にはセンタ位置として第１の平面部３を設け、前記両
溝２の外側には第１の平面部３と同一平面をなす第２の
平面部４を形成している。５は軸受１に回転自在に支承
された回転軸、６は軸５の偏平部5aに同形の孔を嵌合せ
る止板で、該止板６の下面には板ばね７が固定されてい
る。８は該板ばね７の周縁に設けた前記クリツク溝２と
係脱する円弧状の突部、９は該突部８に弾性を付与する
ための細溝、10は止板６の円筒部6bに巻回されたセルフ
リターンばね、11は前記止板６を囲んで軸受１に積層さ
れたストツパケースで、第３図に示す如く、上部中央に
は、内方に向けて突出せるストツパ12を有し、止板６か
ら左右に張出した張出部13は、前記ストツパ12に係止し
て止板６の回転範囲を制限する。また、第３図に示すよ
うに、ばね10の上方の腕10aはストツパケース11の開放
部14の内方の左端縁15に弾圧係止し、下方の腕10bは開
放部14の内方の右端縁16に弾圧係止されている。17は軸
５の偏平部5aに偏平孔を嵌合せる摺動子受、18は該摺動
子受17に取付けられた摺動子、19は摺動子受17を取り囲
んでスツパケース11上に位置するケースで、該ケース19
には抵抗体20が埋込まれている。

次に、上記の可変抵抗器の動作について説明する。

先づ、第３図において軸５を反時計方向に回動すると、
止板６も同方向に回動し、その際、左方の張出部13は上
方の腕10aを同方向に、ばね10の弾性に抗して回動し、
やがて右方の張出部13がストツパ12に係合して停止す
る。

この際、板ばね７の突部８は、第５図に示すように、実
線で示した第１の平面部３に位置する状態から動作方向
に移動し、やがて点線図示のようにクリツク溝２に嵌合
後脱出して点線図示の第２の平面部４に移行する。そし
て板ばねの突部８がクリツク溝２に嵌合、脱出する際
に、操作者にクリツク感を与える。

次に、上記の板ばねの突部８が第２の平面部４に位置す
る状態から軸５の回転力を取り去ると、ばね10の上方の
腕10aは自己の復元力により元の状態に復帰し、腕10aは
ストツパケース11の左端縁15に係止される。その間に板
ばねの突部８は第５図に示す如く、第２の平面部４から
中央の第１の平面部３の方向に移動し、一たんクリツク
溝２に嵌合してクリツク感を与えた後、該溝２を脱して
センタ位置の第１の平面部３に復帰するようになつてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、従来のクリツク付きセルフリターン構造だ
と、軸５が一方向に回転して板ばね７の突部８が第２の
平面部４に達した後回転力を取除いて板ばね７の突部８
が元のセンタ位置である第１の平面部３に復帰する際
に、板ばね７の突部８がクリツク溝２に嵌合した位置で
止まることがあり、センタの第１の平面部３までもどら
ないという不具合があつた。

本考案は、上記のような不具合を解消しようとするもの
であり、本考案の目的は、板ばねのセルフリターン時
に、板ばねの突部８がセンタの第１の平面部まで確実に
復帰することの出来る電気部品のクリツク付きセルフリ
ターン構造を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記のような目的を達成するために、センタ
位置を形成する第１の平面部の両側にクリツク溝を形成
し、該クリツク溝の外側に第２の平面部を形成せるクリ
ツク板と、該クリツク板の前記クリツク溝に係脱する突
部を有する板ばねと、該板ばねをセンタ位置の第１の平
面部まで復帰せしめるセルフリターンばねを有する電気
部品のクリツク付きセルフリターン構造において、前記
第２の平面部を第１の平面部に比し高く形成せしめてい
る。

〔作用〕

本考案の上記の実施例によれば、センタ位置の第１の平
面部と第２の平面部との間に段差を設けて、第２の平面
部を第１の平面部より高くすることにより、第２の平面
部に乗り上げている板ばねの突部がセンタ位置の第１の
平面部に復帰する際、突部が第２の平面部から第１の平
面部に落下する際の惰性によつてクリツク溝の嵌合、離
脱を経て第１の平面部まで確実に復帰する。

また、板ばねの突部が動作方向に移動する際も、突部が
クリツク溝から脱して第２の平面部に乗り上げる際に大
きな力が加わり、操作者に与えるクリツク感も上昇す
る。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を添付の図面に基づき説明す
る。

第１図は、板ばねの突部がクリツク板の表面を移動する
際の動作説明図である。

なお、第２図〜第５図に示した従来例と同一部分には同
一符号を付して重複する説明は省略する。

本願と従来例との相違点は、第２の平面部４と第１の平
面部３との間に段差を設けて第２の平面部４を第１の平
面部３より高くしている点である。

本考案の上記の実施例によれば、未作動状態から軸５を
反時計方向に回動した際は、第１図に示す如く板ばねの
突部８は先ずクリツク溝２に嵌合し、操作者にクリツク
感触を与え、その後、突部８はクリツク溝２を脱出した
後、一段高い第２の平面部４にのりあげる。なお、この
際、クリツク力も上がり、操作者に大きなクリツク感触
を与える。また、上記の動作状態からセルフリターンば
ね10の復元力によつて板ばねの突部８が未作動状態の中
央の第１の平面部３に復帰する際は、突部８が第２の平
面部４から第１の平面部３に落下する際の惰性によつ
て、クリツク溝２に嵌合状態で止まることなくセンタの
第１の平面部３まで確実に復帰する。未作動状態から軸
５を時計方向に動作した際も、先の反時計方向に動作し
た場合と同様の作用効果を有する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、クリツク板の第２の平面部を第１の平
面部に比し高く形成することによつて、作動時には操作
者に従来より大きなクリツク感を与え、セルフリターン
時には、板ばねの突部がクリツク溝に嵌合して止まるこ
となく第１の平面部まで確実に復帰し、正確にクリツク
付きのリターン動作を行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の説明図で、板ばねの突部がク
リツク板の表面を移動する際の動作説明図、第２図〜第
５図は従来例の説明図で、第２図はクリツク付きセルフ
リターン構造を具備した可変抵抗器の断面図、第３図は
ストツパケースと止板とセルフリターンばねの関係を示
す平面図、第４図は板ばねと軸受（クリツク板）のクリ
ツク溝との関係を示す平面図、第５図は第４図のＡ−Ａ
線の断面図で、板ばねの突部がクリツク板の表面を移動
する際の動作説明図である。 １……軸受（クリツク板）、２……クリツク溝、３……
第１の平面部、４……第２の平面部、７……板ばね、８
……板ばねの突部、10……セルフリターンばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】センタ位置を形成する第１の平面部の両側
   にクリツク溝を形成し、両クリツク溝の外側に第２の平
   面部を形成せるクリツク板と、該クリツク板の前記クリ
   ツク溝に係脱する突部を有する板ばねと、該板ばねの突
   部を第２の平面部からセンタ位置の第１の平面部に復帰
   せしめるセルフリターンばねを有する電気部品のクリツ
   ク付きセルフリターン構造において、前記第２の平面部
   を第１の平面部に比し高く形成したことを特徴とする電
   気部品のクリツク付きセルフリターン構造。