JPH063263B2 - ピストンピンとスナツプリングとの潤滑機構 - Google Patents

ピストンピンとスナツプリングとの潤滑機構

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JPH063263B2
JPH063263B2 JP61158920A JP15892086A JPH063263B2 JP H063263 B2 JPH063263 B2 JP H063263B2 JP 61158920 A JP61158920 A JP 61158920A JP 15892086 A JP15892086 A JP 15892086A JP H063263 B2 JPH063263 B2 JP H063263B2
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多喜男 小島
光義 川村
重彰 赤尾
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、内燃機関のピストンピンとスナップリングと
の潤滑機構に好適に利用され得る。
「従来の技術」 一般に内燃機関のピストンとコンロッド小端との連結
は、第４図(A)に示すように、ピストン４１のピンボス
部４２とコンロッド小端の軸受部（図示省略）とにピス
トン４３を挿入してなされている。而してピンボス部４
２内壁のピストンピン４３端部にほぼ対応する位置には
径大に広がる凹部を形成してスナップリング保持溝４４
とし、ピストンピン４３挿入後、このスナップリング保
持溝４４にスナップリング４５をはめ込んでピストンピ
ン４３の抜けを防止するしくみになっている。そしてこ
のスナップリングには低コスト化の為のワイヤー状のも
のが多く使われている。かかる構造においてもピストン
ピン４３が金属製である場合は、第４図(A)中の矢印の
如くピストンピン４３を伝わって流れる極少量の潤滑油
によるだけでもスナップリング４５とピストンピン４３
との潤滑に重大支障はなかった。
ところで、近年、軽量化、フリクションロスの低減等を
目的としてピストンピン４３をセラミックス製とする試
みがなされている。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、ピストンピン４３をセラミックス製とし
た場合、セラミックスが硬いために第４図(B)のように
使用とともにスナップリング４５のピストンピン４３と
の当接部４６ａが摩耗するという問題が生じ、その結果
ピストンピン４３がピストンピン軸方向に可動状態とな
ってピンボス部４２内壁の異常摩耗やシリンダーライナ
ーの損傷を招来するという問題があった。
かといってこれを防止するため、ピストンピン４３のス
ナップリング４５との当接面を非常に平滑に仕上げる手
段もあるが、大幅なコスト高となる。
また、スナップリングを板状のものにしても摩耗に対し
ては根本的な解決になっていないため、やはり削られて
しまうし、これを防止するためには、高価な金属に変え
る必要がある。
本発明は上記問題点を解決し、ピストンピンをセラミッ
クス製としてもスナップリングの摩耗を生じさせないピ
ストンピンとスナップリングとの潤滑機構を提供するこ
とを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 その手段は、シリンダー内又はピストン内の潤滑油が、
そのシリンダー内又はピストン内からスナップリング保
持溝に向かって真直に流れるようにピンボス部に貫通す
る油流通路を設けたピストンピンとスナップリングとの
潤滑機構である。
「作用」 ピストンピンを伝わって流れる少量の潤滑油に加えて、
シリンダーライナー又はピストン頭部裏面から油流通路
を通じてスナップリング保持溝に潤滑油が真直ぐに流れ
込むため、スナップリングとピストンピンとの摩擦を低
減し、スナップリングの異常摩耗を防止する。
「実施例」 実施例１ 第１図(B)は、本発明潤滑機構の第一の実施例を示すピ
ストンピン軸方向断面図である。１１はピストン、１２
はピンボス部、１３は窒化ケイ素焼結体よりなるピスト
ンピン、１４はスナップリング保持溝、１５はスナップ
リング、１６ａは燃焼ガスの漏れを防ぐための圧縮リン
グ、１６ｂはシリンダーライナー（図示省略）に付着し
た潤滑油をかき落とすための油かきリング、17a，17bは
それぞれ圧縮リング、油かきリングを取り付けるための
リング溝を示し、以上においてピンボス部１２に以下に
述べる油流路孔が設けられていることを除くほかは、第
４図(A)に示した従来構造と異なるところはない。
１８は油流路孔を示し、リング溝１７ｂからスナップリ
ング保持溝１４に向かって真直にピンボス部１２を貫通
するものであり、例えばドリル加工等により容易に形成
される。この油流路孔１８はピストン１１作動時に油か
きリング１６ｂによってかき集められた潤滑油を図中矢
印の径路に誘導してスナップリング保持溝１４に流れ込
ませる役目をする。而して流れ込んだ潤滑油は従来通り
ピストンピン１３を伝わって流れて来る潤滑油と合流し
てスナップリング１５とピストンピン１３との当接部を
潤滑しスナップリング１５の摩耗を防止する。このよう
に油流路孔１８を形成するだけでもスナップリング１５
の摩耗防止に有効であるが、上記当接部付近を第１図
(B)に拡大して示すように、油流路孔１８の出口１８ａ
スナップリングの最大径部１５ａよりもピストン１１中
心側に設ければより多量の潤滑油が当接部を潤滑するこ
ととなり、一層有効である。
１９はピンボス部１２を貫通する油回収孔を示し、スナ
ップリング保持溝１４からピストンピン１３を伝わって
流れる潤滑油をシリンダー下方に落として、潤滑油がピ
ンボス部１２に溜まったり、シリンダー方向に流れすぎ
るのを防止する。油回収孔１９は油流路孔１８と同軸中
心とし、両孔を一回のドリル加工で設けてもよい。
外周面をＲａ０．１に仕上げ、端面は焼きっぱなしの窒
化ケイ素焼結体製ピストンピン１３を上記潤滑機構を具
備する１２５cc二輪車用エンジンに組込み、全開で１０
０時間運転したところ、スナップリング１５及びピンボ
ス部にはほとんど摩耗していなかった。
実施例２ 第２図は、本発明潤滑機構の第二の実施例をピストンピ
ンの軸方向から眺めた側面図である。本例は前記第一の
実施例の一変形であり、油流路孔２８がリング部からス
ナップリング保持溝２４に向かってピンボス部２２を貫
通している点で第一の実施例と共通するが、第一の実施
例では油流路孔１８の入口がリング溝１７ｂに設けられ
ているのに対し、本例では油流路孔２８の入口がリング
溝１７ｂ直下のピストン側面にあることと、油流路孔２
８がはさみ角９０℃で２個設けられている点で異なる。
かかる場合も実施例１と同様にスナップリング２５の摩
耗を防止しうる。
実施例３ 第３図は、本発明潤滑機構の第三の実施例を示すピスト
ンピン軸方向断面図である。
本例では、油流路孔３８がピストン内面３１ａからスナ
ップリング保持溝３４に向かってピンボス部３２を貫通
している点で前記第一及び第二の実施例と異なるが、他
の点では異ならない。かかる構造の場合、図中矢印で示
す如くピストン頭部裏面に噴きつけられた潤滑油が、ピ
ストン内面１１ａを伝わって油流路孔３８に入り、スナ
ップリング保持溝３４に流れ込んで、実施例１及び実施
例２と同様にスナップリング３５の摩耗を防止する。
比較例 実施例１で用いたピストンピン１３と同一条件で構造し
たピストンピン４３を、第４図(A)に示すピストンを具
備する以外実施例１のエンジンと同一構造のエンジンに
組込み、全開で５時間運転したところ、スナップリング
４５は1/4ほど削られ、更に５０時間運転したところ、
ピストンピン１３の位置ずれにより軸受面積が減った方
のピンボス部４２内壁が異常摩耗し、異音を発生しはじ
めた。
「効果」 以上のように本発明潤滑機構によれば、ピストンピンを
セラミックス製としても従来通りの安価なスナップリン
グを適用できる。
また、ピンボス部を流れる潤滑油の量が増すため、ピン
ボス部の摩耗を低減し、ひいてはピストンの寿命を延ば
すことになる。
【図面の簡単な説明】
第１図(A)は、本発明潤滑機構の第一の実施例を示す断
面図、第１図(B)はイ部付近拡大図、第２図は、本発明
潤滑機構の第二の実施例をピストンピンの軸方向から眺
めた側面図、第３図は、本発明潤滑機構の第三の実施例
を示す断面図、第４図(A)は、従来の潤滑機構を示す断
面図、第４図(B)は第４図(A)のスナップリングの拡大図
である。 １１，２１，３１，４１…ピストン、１２，２２，３
２，４２…ピンボス部、１３，２３，３３，４３…ピス
トンピン、１４，２４，３４，４４…スナップリング保
持溝、１５，２５，３５，４５…スナップリング、１
８，２８，３８…油流路孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】シリンダー内又はピストン内の潤滑油が、
    そのシリンダー内又はピストン内からスナップリング保
    持溝に向かって真直に流れるようにピンボス部に貫通す
    る油流通路を設けたことを特徴とするピストンピンとス
    ナップリングとの潤滑機構。
  2. 【請求項２】油流通路のスナップリング保持溝側口がス
    ナップリングの最大径部よりもピストン中心側にある特
    許請求の範囲第１項記載のピストンピンとスナップリン
    グとの潤滑機構。
  3. 【請求項３】油流通路の入口がピストン内面にある特許
    請求の範囲第１項記載のピストンピンとスナップリング
    との潤滑機構。
  4. 【請求項４】油流通路の入口がリング部にある特許請求
    の範囲第１項記載のピストンピンとスナップリングとの
    潤滑構。
JP61158920A 1986-07-07 1986-07-07 ピストンピンとスナツプリングとの潤滑機構 Expired - Lifetime JPH063263B2 (ja)

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US07/060,538 US4785720A (en) 1986-07-07 1987-06-11 Lubrication mechanism for piston pin and snap ring
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