JPH074424A - エンジンのクランク潤滑装置 - Google Patents

エンジンのクランク潤滑装置

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JPH074424A
JPH074424A JP5142088A JP14208893A JPH074424A JP H074424 A JPH074424 A JP H074424A JP 5142088 A JP5142088 A JP 5142088A JP 14208893 A JP14208893 A JP 14208893A JP H074424 A JPH074424 A JP H074424A
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JP
Japan
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crankshaft
main bearing
oil
crank
lubricating oil
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JP5142088A
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English (en)
Inventor
Masahiko Katsu
雅彦 勝
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンのクランク潤滑装置において、クラ
ンクシャフトの潤滑性を改善する。 【構成】 主軸受2からクランク内部通路21を通して
コンロッドの軸受に供給するエンジンにおいて、主軸受
溝17,18を備えるとともに、オイルポンプから吐出
される潤滑油を主軸受溝17,18に導く入口流路3
1,32を備え、入口流路31,32を主軸受溝18に
流入する潤滑油の流れがクランクシャフト10の回転に
対向するようにクランクシャフト10の略接線方向に沿
って形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのクランク潤
滑装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車用エンジンは高速化により
出力の向上がはかられているが、エンジンのクランクシ
ャフトは高速、大荷重のもとで摺動するため、潤滑的に
非常に厳しい条件となる。
【0003】従来のエンジンのクランク潤滑装置とし
て、例えば図17に示すようなものがある(実開昭62
−97318号公報、参照)。
【0004】これについて説明すると、クランクシャフ
ト10のジャーナル部11を支承する主軸受2はエンジ
ン本体1とこれに締結されたベアリングキャップ3の間
にクランクジャーナル部11に摺接する半割り状の上下
軸受メタル65,66が介装される。
【0005】エンジン本体1にはオイルポンプから吐出
される潤滑油を主軸受2に導くオイル通路62が形成さ
れる。また、クランクシャフト10には主軸受2供給さ
れた潤滑油の一部をコンロッドの軸受に導くクランク内
部通路60が形成される。
【0006】各軸受メタル65,66の背面側にはオイ
ル通路62に連通する外周溝63,64が全周に渡って
形成される。一方、各軸受メタル65,66の軸受面側
には、主軸受溝67,68が全周に渡って形成される。
【0007】各軸受メタル65,66には外周溝63,
64と主軸受溝67,68をそれぞれ連通する複数の油
穴69,70が形成される。
【0008】以上のように構成され、オイルポンプから
吐出される潤滑油は、オイル通路62から外周溝63,
64に流入し、各外周溝63,64から各油穴69,7
0を通って主軸受溝67,68に流入して主軸受2に圧
送されるとともに、主軸受溝67,68からクランクジ
ャーナル部11に開口するクランク内部通路60を通っ
てコンロッドの軸受に圧送される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに従来のエンジンは、オイル通路62がクランクシャ
フト10の接線方向に傾斜して形成されているものの、
各油穴69,70がクランクシャフト10の回転中心に
ついて径方向に形成されているため、外周溝63,64
へ接線方向に流入した潤滑油が各油穴69,70を通っ
て主軸受溝67,68に流入する際に、流れの方向が直
角に曲げられて、主軸受溝67,68に生じる油圧を低
下させ、主軸受溝67からクランク内部通路60に流入
する潤滑油量を十分に確保することが難しいという問題
点がある。
【0010】本発明は上記の問題点に着目し、エンジン
のクランク潤滑装置において、クランクシャフトの潤滑
性を改善することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
オイルポンプから吐出される潤滑油をクランクシャフト
を回転可能に支承する主軸受からクランクシャフトの内
部に形成されたクランク内部通路を通してコンロッドを
回転可能に支承する軸受に供給するエンジンにおいて、
前記主軸受にその周方向に延びる主軸受溝を備えるとと
もに、前記オイルポンプから吐出される潤滑油をこの主
軸受溝に導く入口流路を備え、入口流路を主軸受溝に流
入する潤滑油の流れがクランクシャフトの回転に対向す
るようにクランクシャフトの略接線方向に沿って形成す
る。
【0012】請求項2記載の発明は、前記クランクシャ
フトの主軸受に半割り状に分割された上下軸受メタルを
介装し、上下の軸受メタルののうち一方の軸受メタルの
一端に前記入口流路を画成する第一の切欠きを形成する
一方、他方の軸受メタルの背面側に周方向に延びる外周
溝を備え、この外周溝を前記オイルポンプの吐出側に連
通させるとともに、この他方の軸受メタルの一端に前記
入口流路を画成する第二の切欠きを形成し、第一、第二
の切欠きをクランクシャフトの回転中心について互いに
点対称となるように配置する。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明において、入口流路は主軸
受溝に流入する潤滑油の流れがクランクシャフトの回転
に対向するようにクランクシャフトの略接線方向に沿っ
て形成されているため、主軸受溝に流入する際の油圧の
低下が小さく、クランクシャフトの回転方向に対向する
潤滑油の流れを生起して、入口流路の下流に油圧が比較
的高いままで潤滑油が供給される高圧領域をつくる。こ
れにより、クランク内部通路がこの高圧領域に面するク
ランクシャフトの回転位置において、潤滑油が主軸受溝
からクランク内部通路に流入することを促して、コンロ
ッドの軸受に供給される潤滑油量を増加させることがで
きる。
【0014】請求項2記載の発明において、オイルポン
プから吐出される潤滑油は、第一、第二の切欠きを介し
て接線方向から主軸受溝に流入することにより、主軸受
溝に流入する際の油圧の低下が小さく、第一、第二の切
欠きの下流にクランクシャフトの回転方向に対向する潤
滑油の流れを生起して、油圧が比較的高いままで潤滑油
が供給される高圧領域をつくる。
【0015】第一、第二の切欠きをクランクシャフトの
回転中心について互いに点対称となるように配置するこ
とにより、上記主軸受溝において油圧が比較的高くなる
高圧領域をクランクシャフトの回転中心について互いに
点対称につくり、潤滑油が主軸受溝からクランク内部通
路に流入することを促して、コンロッドの軸受に供給さ
れる潤滑油量を増加させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0017】図2に示すように、クランクシャフト10
はエンジン本体1に回転自在に支持されるジャーナル部
11と、図示しないコンロッドの大端部を回転自在に支
持するクランクピン部を有し、ピストンの往復動をコン
ロッドを介して回転運動に変換する働きをする。図中、
26はピストンを収装するシリンダ、27はクランク室
を画成するスカート部である。
【0018】図1にも示すように、クランクシャフト1
0のジャーナル部11を支承する主軸受2はエンジン本
体1とこれに締結されたベアリングキャップ3の間にク
ランクジャーナル部11に摺接する半割り状の上下軸受
メタル65,66が介装される。ベアリングキャップ3
は2本のボルト4を介してエンジン本体1に締結され
る。
【0019】上下の軸受メタル5,6は互いに同一形状
をしている。各軸受メタル5,6は、図3にも示すよう
に、半円筒形に形成され、互いに接合するそれぞれの一
端部に回転止め用の爪21が形成される。
【0020】エンジン本体1には主軸受2に開口するオ
イル通路7が形成される。このオイル通路7はオイルギ
ャラリ8に連通し、その一端に栓体24が圧入されてい
る。図示しないオイルポンプから吐出される潤滑油がオ
イルギャラリ8を介して各主軸受2のオイル通路7に分
配される。
【0021】下軸受メタル6の背面側には外周溝14が
形成される。この外周溝14はベアリングキャップ3の
内周面13に形成され、内周面13の全周に渡って半円
弧状に延びる。外周溝14の一端はエンジン本体1のオ
イル通路7を介してオイルポンプの吐出側に連通され
る。
【0022】上下の各軸受メタル5,6の軸受面15,
16には主軸受溝(グルーブ)17,18がそれぞれ形
成される。各主軸受溝17,18はそれぞれ各軸受面1
5,16の全周に渡って円弧状に形成され、クランクジ
ャーナル部11との間に環状の油通路が画成される。
【0023】上下の各軸受メタル5,6の一端には第
一、第二の切欠き19,20がそれぞれ形成される。第
一の切欠き19を介してオイル通路7と各主軸受溝1
7,18が連通され、第二の切欠き20を介して外周溝
14の一端と各主軸受溝17,18が連通される。
【0024】各軸受メタル5,6は半割り状に分割さ
れ、互いに同一形状としていることにより、第一、第二
の切欠き19,20は互いにクランクシャフト10の回
転中心について点対称に配置され、周方向に180°の
間隔をもっている。
【0025】第一、第二の切欠き19,20は、ドリル
28を介して円柱面状にそれぞれ切削加工して形成され
る。
【0026】クランクジャーナル部11には2つのオイ
ル取入口22,23を有するクランク内部通路21が形
成される。このクランク内部通路21は、クランクジャ
ーナル部11とコンロッドを回転可能に支承するクラン
クピン部とを連通し、クランクジャーナル部11の軸受
に供給される潤滑油の一部をコンロッドの軸受に供給す
るようになっている。
【0027】オイル通路7を画成する通孔25と第一の
切欠き19によって、オイルポンプから吐出される潤滑
油を各主軸受溝17,18に導く入口流路31が円柱状
に画成される。
【0028】クランクシャフト10は図1に矢印で示す
方向に回転し、入口流路31は、各主軸受溝17,18
に流入する潤滑油の流れがクランクジャーナル部11の
回転に対向するようにクランクジャーナル部11の略接
線方向に沿って形成される。すなわち、入口流路31
は、その中心線Oがクランクジャーナル部11の接線S
に対して平行になり、かつクランクジャーナル部11に
接するように配置される。
【0029】第二の切欠き20によって、オイルポンプ
から吐出される潤滑油を各主軸受溝17,18に導く入
口流路32が画成される。この入口流路32も、各主軸
受溝17,18に流入する潤滑油の流れがクランクジャ
ーナル部11の回転に対向するようにクランクジャーナ
ル部11の略接線方向に沿って形成される。
【0030】第二の切欠き20の端部は、潤滑油が主軸
受溝17に流入しやすいように、クランクシャフト10
の中心側へ傾斜するように形成される。
【0031】クランク内部通路21の各オイル取入口2
2,23は、クランクシャフト10の回転中心について
互いに点対称に配置され、周方向に180°の間隔をも
っている。
【0032】各オイル取入口22,23はクランクジャ
ーナル部11の接線に対して所定角度で傾斜して形成さ
れる。クランクシャフト10は図1に矢印で示す方向に
回転し、各オイル取入口22,23が回転前方に向いて
開口するように傾斜される。すなわち、各オイル取入口
22,23の流路中心線はクランクジャーナル部11の
回転前方に延びる接線に対して鋭角をつくる。これによ
り、クランクジャーナル部11の回転に伴って各オイル
取入口22,23に潤滑油が流入することが促進され
る。
【0033】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0034】オイルポンプから吐出される潤滑油は、オ
イル通路7から第一、第二の切欠き19,20を介して
各主軸受溝17,18に流入し、主軸受2に対するクラ
ンクジャーナル部11の摺動部を潤滑するとともに、各
主軸受溝17,18からクランク内部通路21を通って
クランクピン部からコンロッドの軸受に流入し、両者の
摺動部を潤滑する。
【0035】図5はクランクジャーナル部11のまわり
における潤滑油の流れを矢印で示している。
【0036】オイル通路7とこれに連通する軸受メタル
6背後の外周溝14にはオイルポンプの吐出圧が導かれ
るため、潤滑油は第一、第二の切欠き19,20を通っ
て各主軸受溝17,18に流入する。
【0037】通孔25および第一の切欠き19によって
画成される入口流路31はクランクジャーナル部11の
回転に対向するようにその接線方向に沿って形成されて
いるため、潤滑油が入口流路31を通って主軸受溝18
に流入する際の油圧の低下は小さく、主軸受溝18にお
いてクランクジャーナル部11の回転方向に対向する潤
滑油の流れを生起して、入口流路31の下流に油圧が比
較的高いままで供給される高圧領域をつくる。これによ
り、各オイル取入口22,23がこの高圧領域に面する
クランクジャーナル部11の回転位置において、潤滑油
が主軸受溝18から各オイル取入口22,23に流入す
ることを促して、コンロッドの軸受に供給される潤滑油
量を増加させる。
【0038】第二の切欠き20によって画成される入口
流路32もクランクジャーナル部11の回転に対向する
ようにその接線方向に沿って形成されているため、潤滑
油が入口流路32を通って主軸受溝17に流入する際の
油圧の低下は小さく、主軸受溝17にクランクジャーナ
ル部11の回転方向に対向する潤滑油の流れを生起し
て、やはり油圧が比較的高いまま供給される高圧領域を
つくる。これにより、各オイル取入口22,23がこの
高圧領域に面するクランクジャーナル部11の回転位置
において、潤滑油が主軸受溝17から各オイル取入口2
2,23に流入することを促して、コンロッドの軸受に
供給される潤滑油量を増加させる。
【0039】第一、第二の切欠き19,20をクランク
シャフト10の回転中心について互いに点対称となるよ
うに配置することにより、上記主軸受溝17,18にお
いて油圧が比較的高いまま供給される高圧領域をクラン
クシャフト10の回転中心について互いに点対称につく
り、潤滑油が主軸受溝17,18からクランク内部通路
21に流入することを促して、コンロッドの軸受に供給
される潤滑油量を増加させることができる。
【0040】この実施例の場合、各オイル取入口22,
23が回転前方に向いて開口するように傾斜しており、
これによっても潤滑油が主軸受溝18から各オイル取入
口22,23に流入することを促して、コンロッドの軸
受に供給される潤滑油量を増加させる。
【0041】この結果、エンジンの高速運転時にも、ク
ランク内部通路21を通ってコンロッドの軸受に供給さ
れる潤滑油量が十分に確保され、コンロッドの焼き付き
等が発生することを防止できる。
【0042】なお、本実施例においては、オイル通路7
がエンジン本体1側に設けられたものを示したが、オイ
ル通路はベアリングキャップ3側に設けることも可能で
ある。この場合、上側の軸受メタルに外周溝が設けられ
ることになり、図1をクランクシャフトまわりに180
°回転させたものと同様の構成になる。
【0043】次に、図6に示す他の実施例について説明
する。
【0044】クランクシャフト10はエンジン本体1に
回転自在に支持されるジャーナル部11と、図示しない
コンロッドの大端部を回転自在に支持するクランクピン
部12を有し、クランクシャフト10には主軸受に供給
された潤滑油の一部をコンロッドの軸受に導くクランク
内部通路21が形成される。図中、35はクランクジャ
ーナル部11とクランクピン部12を結ぶクランクウェ
ブ、36はカウンターウェイトである。
【0045】クランクピン部12の内部にはコントロー
ルバルブ37が介装され、このコントロールバルブ37
はこれに導かれる油圧に応じてクランクピン部12に供
給される潤滑油量を調節するようになっている。
【0046】図7にも示すように、コントロールバルブ
37のケース38が圧入される装着穴39が形成され
る。
【0047】図8にも示すように、クランクピン部12
には装着穴39に開口する第一の油穴41が形成され、
これらを介してクランク内部通路21が構成される。
【0048】図9にも示すように、クランクピン部12
には装着穴39に開口する第二の油穴42が形成され
る。この第二の油穴42はコントロールバルブ37によ
って開閉される。
【0049】図10にも示すように、ケース38にはそ
の外周面に開口する環状溝45が形成され、この環状溝
45に開口する複数の油穴46が形成される。
【0050】ケース38の内側には弁体43が摺動自在
に収装され、この弁体43を閉弁方向に付勢するスプリ
ング44が介装される。ケース38には弁体43の背後
に空気抜き穴40が形成される。
【0051】ケース38の内側にはストッパーリング4
7が固着され、弁体43がスプリング44の付勢力によ
りストッパーリング47に当接した状態で、各油穴46
を閉塞し、第二の油穴42とクランク内部通路21の連
通を断つようになっている。
【0052】エンジンの回転数が上昇するのに伴って、
弁体43に導かれるクランク内部通路21の油圧が所定
値を越えて高まると、図11に示すように、弁体43は
ストッパーリング47を圧縮しながら所定のストローク
Lだけ摺動し、各油穴46を開放し、第二の油穴42と
クランク内部通路21を連通する。
【0053】なお、前記図1に示した実施例と同様に、
図示しない主軸受にその周方向に延びる主軸受溝を備え
るとともに、オイルポンプから吐出される潤滑油をこの
主軸受溝に導く入口流路を備え、入口流路を主軸受溝に
流入する潤滑油の流れがクランクシャフト10の回転に
対向するようにクランクジャーナル部11の略接線方向
に沿って形成されている。
【0054】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0055】エンジンの運転時に、クランク内部通路2
1に介在する潤滑油に遠心力が働くため、クランク内部
通路21の油圧はエンジン回転数の上昇に伴って上昇す
る。コントロールバルブ37はこの油圧変化に応動して
エンジンの回転数が所定値以上の高速運転域で開弁作動
する。
【0056】クランク内部通路21からクランクピン部
12に供給される潤滑油量は、エンジン回転数の上昇に
伴って図12に実線で示すように変化する。エンジンの
高速域でコントロールバルブ37が開弁することによ
り、図中破線で示すようにコントロールバルブを持たな
い従来装置に比べて、クランクピン部12に供給される
潤滑油量を増加させることができる。
【0057】このようにして高速運転域でクランク内部
通路21からクランクピン部12に供給される潤滑油量
が増加することにより、クランクピン部12の熱が潤滑
油を介して持ち去られる冷却効果が高められるため、図
13に示すように従来装置に比べてクランクピン部12
の温度を低く維持して、焼き付き等が発生することを防
止できる。
【0058】低中回転域では、コントロールバルブ37
が閉弁することにより、クランク内部通路21のクラン
クピン部12に対する開口面積が小さくなり、クランク
ピン部12に供給される潤滑油量が減少する。これによ
り、低中回転域ではクランクピン部12の温度が高めら
れ、フリクションの低減がはかられる。
【0059】次に、図14に示す他の実施例について説
明する。なお、図6との対応部分には同一符号を付して
示すことにする。
【0060】コントロールバルブ37は熱膨張係数が互
いに異なる材質により形成されたアウターケース38と
インナーケース48を備え、油温の上昇に伴ってアウタ
ーケース38とインナーケース48の間隙が拡大するこ
とにより、第二の油穴42を通ってクランクピン部12
に供給される潤滑油量を増加させるようになっている。
【0061】アウターケース38は例えばアルミ材によ
り形成される。アウターケース38とクランクシャフト
10の装着穴39の間には外周溝45を挟んで一対のオ
イルシール49が介装される。
【0062】インナーケース48は熱膨張係数の比較的
小さい例えば鉄系金属により形成される。インナーケー
ス48の内側には弁体43が摺動自在に収装され、この
弁体43を閉弁方向に付勢するスプリング44が介装さ
れる。
【0063】インナーケース48の内側にはストッパー
リング47が固着され、弁体43がスプリング44の付
勢力によりストッパーリング47に当接した状態で、各
油穴46を閉塞し、第二の油穴42とクランク内部通路
21の連通を断つようになっている。
【0064】図15、図16に示すように、インナーケ
ース48には複数の油穴51が形成され、アウターケー
ス38には複数の油穴46が形成される。インナーケー
ス48とアウターケース38が密着した状態で、各油穴
51と46は閉塞される一方、インナーケース48とア
ウターケース38の間に両者の熱膨張差により間隙50
が空くと、この間隙50を介して各油穴51と46が連
通する。
【0065】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0066】クランクピン部12の低温時に、図15に
示すように、インナーケース48はアウターケース38
に密着して、アウターケース38の油穴46がインナー
ケース48によって閉塞される。このように、弁体43
の作動によらず第二の油穴42が閉塞された状態を保つ
ため、高速回転域でクランクピン部12に供給される潤
滑油量が増加することがなく、クランクピン部12の温
度が高められ、フリクションの低減がはかられる。
【0067】クランクピン部12の高温時に、図16に
示すように、インナーケース48とアウターケース38
の間には両者の熱膨張差により間隙50が空き、エンジ
ンの高速域で弁体43がスプリング44に抗して移動す
ることにより、装着穴39からインナーケース48の内
側に導かれた潤滑油は、油穴51、間隙50、油穴4
6、環状溝45、第二の油穴42を通ってクランクピン
部12に供給される。したがって、クランク内部通路2
1からクランクピン部12に供給される潤滑油量は、エ
ンジンの高速域でコントロールバルブ37が開弁するこ
とにより、コントロールバルブを持たない従来装置に比
べて増加する。このようにして、クランクピン部12の
高温時にのみ、クランクピン部12の熱が潤滑油を介し
て持ち去られる冷却効果が高められ、焼き付き等が発生
することを防止できる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、オイルポンプから吐出される潤滑油をクランクシャ
フトを回転可能に支承する主軸受からクランクシャフト
の内部に形成されたクランク内部通路を通してコンロッ
ドを回転可能に支承する軸受に供給するエンジンにおい
て、前記主軸受にその周方向に延びる主軸受溝を備える
とともに、前記オイルポンプから吐出される潤滑油をこ
の主軸受溝に導く入口流路を備え、入口流路を主軸受溝
に流入する潤滑油の流れがクランクシャフトの回転に対
向するようにクランクシャフトの略接線方向に沿って形
成したため、主軸受溝において入口流路の下流に油圧が
比較的高くなる高圧領域をつくり、潤滑油が主軸受溝か
らクランク内部通路に流入することを促して、コンロッ
ドの軸受に供給される潤滑油量を増加させ、クランクシ
ャフトの焼き付き等が生じることを防止できる。
【0069】請求項2記載の発明は、前記クランクシャ
フトの主軸受に半割り状に分割された上下軸受メタルを
介装し、上下の軸受メタルののうち一方の軸受メタルの
一端に前記入口流路を画成する第一の切欠きを形成する
一方、他方の軸受メタルの背面側に周方向に延びる外周
溝を備え、この外周溝を前記オイルポンプの吐出側に連
通させるとともに、この他方の軸受メタルの一端に前記
入口流路を画成する第二の切欠きを形成し、第一、第二
の切欠きをクランクシャフトの回転中心について互いに
点対称となるように配置したため、主軸受溝において油
圧が比較的高くなる高圧領域をクランクシャフトの回転
中心について互いに点対称につくり、潤滑油が主軸受溝
からクランク内部通路に流入することを促して、コンロ
ッドの軸受に供給される潤滑油量を増加させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す主軸受等の断面図。
【図2】同じくエンジン本体等の断面図。
【図3】同じく軸受メタルの断面図。
【図4】同じく図1のA−A線に沿う断面図。
【図5】同じく主軸受における潤滑油の流れを示す断面
図。
【図6】他の実施例を示すクランクシャフトおよびコン
トロールバルブの断面図。
【図7】同じくクランクシャフトの断面図。
【図8】同じく図7のB−B線に沿う断面図。
【図9】同じく図7のC−C線に沿う断面図。
【図10】同じくコントロールバルブの閉弁時を示す断
面図。
【図11】同じくコントロールバルブの開弁時を示す断
面図。
【図12】同じくエンジン回転数とクランクピン部に供
給される潤滑油量の関係を示す特性図。
【図13】同じくエンジン回転数とクランクピン部の潤
滑油温度量の関係を示す特性図。
【図14】他の実施例を示すクランクシャフトおよびコ
ントロールバルブの断面図。
【図15】同じくコントロールバルブの低温時における
作動状態を示す図14のC−C線に沿う断面図。
【図16】同じくコントロールバルブの高温時における
作動状態を示す図14のC−C線に沿う断面図。
【図17】従来例を示す主軸受の断面図。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 主軸受 3 ベアリングキャップ 5 軸受メタル 6 軸受メタル 7 オイル通路 10 クランクシャフト 11 クランクジャーナル部 14 外周溝 17 主軸受溝 18 主軸受溝 19 第一の切欠き 20 第二の切欠き 21 クランク内部通路 22 オイル取入口 23 オイル取入口 31 入口流路 32 入口流路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルポンプから吐出される潤滑油をク
    ランクシャフトを回転可能に支承する主軸受からクラン
    クシャフトの内部に形成されたクランク内部通路を通し
    てコンロッドを回転可能に支承する軸受に供給するエン
    ジンにおいて、前記主軸受にその周方向に延びる主軸受
    溝を備えるとともに、前記オイルポンプから吐出される
    潤滑油をこの主軸受溝に導く入口流路を備え、入口流路
    を主軸受溝に流入する潤滑油の流れがクランクシャフト
    の回転に対向するようにクランクシャフトの略接線方向
    に沿って形成したことを特徴とするエンジンのクランク
    潤滑装置。
  2. 【請求項2】 前記クランクシャフトの主軸受に半割り
    状に分割された上下軸受メタルを介装し、上下の軸受メ
    タルののうち一方の軸受メタルの一端に前記入口流路を
    画成する第一の切欠きを形成する一方、他方の軸受メタ
    ルの背面側に周方向に延びる外周溝を備え、この外周溝
    を前記オイルポンプの吐出側に連通させるとともに、こ
    の他方の軸受メタルの一端に前記入口流路を画成する第
    二の切欠きを形成し、第一、第二の切欠きをクランクシ
    ャフトの回転中心について互いに点対称となるように配
    置したことを特徴とする請求項1記載のエンジンのクラ
    ンク潤滑装置。
JP5142088A 1993-06-14 1993-06-14 エンジンのクランク潤滑装置 Pending JPH074424A (ja)

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