JPH07208447A - クランクシャフトの軸受装置 - Google Patents
クランクシャフトの軸受装置Info
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- JPH07208447A JPH07208447A JP857294A JP857294A JPH07208447A JP H07208447 A JPH07208447 A JP H07208447A JP 857294 A JP857294 A JP 857294A JP 857294 A JP857294 A JP 857294A JP H07208447 A JPH07208447 A JP H07208447A
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- crank
- crankshaft
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 クランクジャーナル支持隔壁にスラストベア
リングを取り付けたものにおいて、スラストベアリング
の潤滑不良を解消し、その寿命を延ばす。 【構成】 シリンダブロックのクランクジャーナル支持
隔壁４の下面部とこれに一体的に取り付けられたベアリ
ングキャップ５とによって形成されるクランクジャーナ
ル２の軸受孔３にメインベアリング６を取り付け、クラ
ンクシャフト１内にそのクランクジャーナル外周面に開
口させて油路（孔１２，孔１３）を設け、上記支持隔壁
の側面にスラストベアリング１６ａを取り付け、上記支
持隔壁にその軸受孔周りの側面に、クランクジャーナル
とメインベアリングとの間から漏れ出したオイルをスラ
ストベアリング１６ａとクランクアームとの摺動面との
間に案内すべく一端が上記メインベアリングの端面より
外側の軸受孔内に開端され他端が上記摺動面へ向けて開
端された油溝１９を窪ませて設けたものである。
リングを取り付けたものにおいて、スラストベアリング
の潤滑不良を解消し、その寿命を延ばす。 【構成】 シリンダブロックのクランクジャーナル支持
隔壁４の下面部とこれに一体的に取り付けられたベアリ
ングキャップ５とによって形成されるクランクジャーナ
ル２の軸受孔３にメインベアリング６を取り付け、クラ
ンクシャフト１内にそのクランクジャーナル外周面に開
口させて油路（孔１２，孔１３）を設け、上記支持隔壁
の側面にスラストベアリング１６ａを取り付け、上記支
持隔壁にその軸受孔周りの側面に、クランクジャーナル
とメインベアリングとの間から漏れ出したオイルをスラ
ストベアリング１６ａとクランクアームとの摺動面との
間に案内すべく一端が上記メインベアリングの端面より
外側の軸受孔内に開端され他端が上記摺動面へ向けて開
端された油溝１９を窪ませて設けたものである。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、クランクシャフトの軸
受装置に関するものである。
受装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図６ないし図８に従来のクランクシャフ
トの軸受構造を示す。
トの軸受構造を示す。
【０００３】図６に示すように、クランクシャフト１の
クランクジャーナル２を軸支させるための軸受孔３は、
シリンダブロック（図示せず）のクランクジャーナル支
持隔壁４の下面部の半円状の湾曲面４ａと、その下面部
にボルト（図示せず）により一体的に取り付けられたベ
アリングキャップ５の半円状の湾曲面５ａとによって構
成され、これら湾曲面４ａ，５ａには、クランクジャー
ナル２が回転自在に軸支されるようにするために、分割
式のメインベアリング（軸受メタル）６が一体的に取り
付けられるようになっている。図７に示すように、この
メインベアリング６は、クランクジャーナル２とクラン
クアーム（ウエブ）７との接続部の湾曲部（Ｒ部）８
が、メインベアリング６の端面に接触してしまうことを
防ぐために、その長さが、軸受孔３の長さと比べて所定
長さ短く設定されて、その両端部が湾曲面４ａ，５ａの
端面より所定長さ内側に位置するように湾曲面４ａ，５
ａに配置され取付けられている。
クランクジャーナル２を軸支させるための軸受孔３は、
シリンダブロック（図示せず）のクランクジャーナル支
持隔壁４の下面部の半円状の湾曲面４ａと、その下面部
にボルト（図示せず）により一体的に取り付けられたベ
アリングキャップ５の半円状の湾曲面５ａとによって構
成され、これら湾曲面４ａ，５ａには、クランクジャー
ナル２が回転自在に軸支されるようにするために、分割
式のメインベアリング（軸受メタル）６が一体的に取り
付けられるようになっている。図７に示すように、この
メインベアリング６は、クランクジャーナル２とクラン
クアーム（ウエブ）７との接続部の湾曲部（Ｒ部）８
が、メインベアリング６の端面に接触してしまうことを
防ぐために、その長さが、軸受孔３の長さと比べて所定
長さ短く設定されて、その両端部が湾曲面４ａ，５ａの
端面より所定長さ内側に位置するように湾曲面４ａ，５
ａに配置され取付けられている。
【０００４】また、図６に示すように、クランクシャフ
ト１には、その内部に、クランクジャーナル２とメイン
ベアリング６との間およびクランクピン９とコンロッド
１０のメタル軸受１１との間に、エンジンのオイルを供
給し得るように、油路が設けられている。この油路は、
たとえばクランクジャーナル２の中央部とクランクピン
９の中央部とにそれぞれ設けられた半径方向の孔１２
と、クランクアーム７に、それらクランクジャーナル２
の孔１２とクランクピン９の孔１２とを結び得るように
設けられた連絡孔１３と、ベアリングキャップ５、メイ
ンベアリング６を貫通してクランクジャナール２内の孔
１２と連通させて設けられた孔（以下、供給用孔とい
う）１４とからなり、油路には、その供給用孔１４とオ
イルパン（図示せず）からオイル（エンジンオイル）を
汲み出す送油ポンプ（ギヤポンプなど）１５の吐出口と
が通路１６で接続されることにより、一定量のオイルが
供給されるようになっている。
ト１には、その内部に、クランクジャーナル２とメイン
ベアリング６との間およびクランクピン９とコンロッド
１０のメタル軸受１１との間に、エンジンのオイルを供
給し得るように、油路が設けられている。この油路は、
たとえばクランクジャーナル２の中央部とクランクピン
９の中央部とにそれぞれ設けられた半径方向の孔１２
と、クランクアーム７に、それらクランクジャーナル２
の孔１２とクランクピン９の孔１２とを結び得るように
設けられた連絡孔１３と、ベアリングキャップ５、メイ
ンベアリング６を貫通してクランクジャナール２内の孔
１２と連通させて設けられた孔（以下、供給用孔とい
う）１４とからなり、油路には、その供給用孔１４とオ
イルパン（図示せず）からオイル（エンジンオイル）を
汲み出す送油ポンプ（ギヤポンプなど）１５の吐出口と
が通路１６で接続されることにより、一定量のオイルが
供給されるようになっている。
【０００５】なお、クランクシャフト１は、全体が鋳
鉄，炭素鋼等から構成され、クランクジャーナル支持隔
壁４は鋳鉄又はアルミニウム系合金等によって構成され
ている。
鉄，炭素鋼等から構成され、クランクジャーナル支持隔
壁４は鋳鉄又はアルミニウム系合金等によって構成され
ている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のクラ
ンクシャフトの軸受構造にあっては、クランクジャーナ
ル支持隔壁の側面とクランクアームの側面との間の潤滑
は、クランクジャーナルの外周面とメインベアリングの
内周面との間からクランクアームの側面側へ漏れ出した
エンジンオイルの自然潤滑に依存するようになってい
る。
ンクシャフトの軸受構造にあっては、クランクジャーナ
ル支持隔壁の側面とクランクアームの側面との間の潤滑
は、クランクジャーナルの外周面とメインベアリングの
内周面との間からクランクアームの側面側へ漏れ出した
エンジンオイルの自然潤滑に依存するようになってい
る。
【０００７】しかしながら、図７に示すように、メイン
ベアリング６の端面と湾曲部（Ｒ部）８との接触を防ぐ
ためにメインベアリング６の長さを短くして軸受孔３内
に収めるようにすると、遠心力により上方へ移動しよう
とするオイルが、その湾曲面４ａによって跳ね返されて
落下してしまい、必要量のオイルの供給ができなくなっ
てクランクジャーナル支持隔壁４とクランクアーム７と
の摺動面との間に異常な摩耗が発生してしまうという問
題があった。
ベアリング６の端面と湾曲部（Ｒ部）８との接触を防ぐ
ためにメインベアリング６の長さを短くして軸受孔３内
に収めるようにすると、遠心力により上方へ移動しよう
とするオイルが、その湾曲面４ａによって跳ね返されて
落下してしまい、必要量のオイルの供給ができなくなっ
てクランクジャーナル支持隔壁４とクランクアーム７と
の摺動面との間に異常な摩耗が発生してしまうという問
題があった。
【０００８】そこで、図８に示すように、クランクジャ
ーナル支持隔壁４の側面とベアリングキャップ５の側面
とに、そのほぼ全周に亙って分割式のスラストベアリン
グ（ベアリングメタル）１６ａ，１６ｂを取り付け、ス
ラスト方向の面圧を減らすことにより、クランクジャー
ナル支持隔壁４とクランクアーム７との摺動面の摩耗を
なくすという対策が考えられる。しかし、これによって
もスラストベアリングそれ自身の摩耗を防ぐことはでき
ないという問題がある（スラストベアリングを設けると
いう関連技術には、実開平３−１１８３１２号公報，実
開昭５９−７９６２５号公報、実開平１−１０６６１８
号公報がある。）。
ーナル支持隔壁４の側面とベアリングキャップ５の側面
とに、そのほぼ全周に亙って分割式のスラストベアリン
グ（ベアリングメタル）１６ａ，１６ｂを取り付け、ス
ラスト方向の面圧を減らすことにより、クランクジャー
ナル支持隔壁４とクランクアーム７との摺動面の摩耗を
なくすという対策が考えられる。しかし、これによって
もスラストベアリングそれ自身の摩耗を防ぐことはでき
ないという問題がある（スラストベアリングを設けると
いう関連技術には、実開平３−１１８３１２号公報，実
開昭５９−７９６２５号公報、実開平１−１０６６１８
号公報がある。）。
【０００９】本発明の第１の目的は、クランクジャーナ
ル支持隔壁にスラストベアリングを取り付けたものにお
いて、スラストベアリングの潤滑不良を解消し、その寿
命を延ばせるようにすることにある。
ル支持隔壁にスラストベアリングを取り付けたものにお
いて、スラストベアリングの潤滑不良を解消し、その寿
命を延ばせるようにすることにある。
【００１０】本発明の他の目的はクランクジャーナル支
持隔壁とクランクアームの摺動面との間に良好にオイル
を供給し得るようにしてその摩耗を防止することにあ
る。
持隔壁とクランクアームの摺動面との間に良好にオイル
を供給し得るようにしてその摩耗を防止することにあ
る。
【００１１】
【課題を解決するための手段】第１の手段は、シリンダ
ブロックのクランクジャーナル支持隔壁の下面部とこれ
に一体的に取り付けられたベアリングキャップとによっ
て形成されるクランクジャーナルの軸受孔にメインベア
リングを取り付け、クランクシャフト内にそのクランク
ジャーナル外周面に開口させて油路を設けたクランクシ
ャフトの潤滑構造において、上記支持隔壁の側面にスラ
ストベアリングを取り付け、上記支持隔壁にその軸受孔
周りの側面に、クランクジャーナルとメインベアリング
との間から漏れ出したオイルをそのスラストベアリング
とクランクアームとの摺動面に案内すべく一端が上記メ
インベアリングの端面より外側の軸受孔内に開端され他
端が上記摺動面へ向けて開端された油溝を窪ませて設け
たものである。
ブロックのクランクジャーナル支持隔壁の下面部とこれ
に一体的に取り付けられたベアリングキャップとによっ
て形成されるクランクジャーナルの軸受孔にメインベア
リングを取り付け、クランクシャフト内にそのクランク
ジャーナル外周面に開口させて油路を設けたクランクシ
ャフトの潤滑構造において、上記支持隔壁の側面にスラ
ストベアリングを取り付け、上記支持隔壁にその軸受孔
周りの側面に、クランクジャーナルとメインベアリング
との間から漏れ出したオイルをそのスラストベアリング
とクランクアームとの摺動面に案内すべく一端が上記メ
インベアリングの端面より外側の軸受孔内に開端され他
端が上記摺動面へ向けて開端された油溝を窪ませて設け
たものである。
【００１２】第２の手段は、シリンダブロックのクラン
クジャーナル支持隔壁の下面部とこれに一体的に取り付
けられたベアリングキャップとによって形成されるクラ
ンクジャーナルの軸受孔にメインベアリングを取り付
け、クランクシャフト内にそのクランクジャーナル外周
面に開口させて油路を設けたクランクシャフトの軸受装
置において、上記支持隔壁にその軸受孔周りの側面に、
クランクジャーナルとメインベアリングとの間から漏れ
出したオイルを前記側面とクランクアームとの摺動面に
案内すべく一端が上記メインベアリングの端面より外側
の軸受孔内に開端され他端が上記摺動面へ向けて開端さ
れた油溝を窪ませて設けたものである。
クジャーナル支持隔壁の下面部とこれに一体的に取り付
けられたベアリングキャップとによって形成されるクラ
ンクジャーナルの軸受孔にメインベアリングを取り付
け、クランクシャフト内にそのクランクジャーナル外周
面に開口させて油路を設けたクランクシャフトの軸受装
置において、上記支持隔壁にその軸受孔周りの側面に、
クランクジャーナルとメインベアリングとの間から漏れ
出したオイルを前記側面とクランクアームとの摺動面に
案内すべく一端が上記メインベアリングの端面より外側
の軸受孔内に開端され他端が上記摺動面へ向けて開端さ
れた油溝を窪ませて設けたものである。
【００１３】
【作用】第１の手段によれば、クランクジャーナルとメ
インベアリングとの間から漏れ出したオイルは、クラン
クジャーナルの外周面、内周面およびメインベアリング
の端面によって区画された環状の空間部に蓄えられつつ
も、遠心力を受けて、油溝の一端から油溝に入り、これ
に案内されてクランクジャーナル支持隔壁の側面とスラ
ストベアリングとの摺動面との間に自然に供給される。
また、第２の手段によれば、第１の手段と同様に、遠心
力によりオイルがクランクジャーナル支持隔壁とクラン
クアームの摺動面に供給される。
インベアリングとの間から漏れ出したオイルは、クラン
クジャーナルの外周面、内周面およびメインベアリング
の端面によって区画された環状の空間部に蓄えられつつ
も、遠心力を受けて、油溝の一端から油溝に入り、これ
に案内されてクランクジャーナル支持隔壁の側面とスラ
ストベアリングとの摺動面との間に自然に供給される。
また、第２の手段によれば、第１の手段と同様に、遠心
力によりオイルがクランクジャーナル支持隔壁とクラン
クアームの摺動面に供給される。
【００１４】
【実施例】以下に、本発明の好適一実施例を添付図面に
基づいて説明する。なお、従来と同一の構成については
同一符号を付しその詳細な説明については省略する。
基づいて説明する。なお、従来と同一の構成については
同一符号を付しその詳細な説明については省略する。
【００１５】図１に示すように、シリンダブロック（図
示せず）のクランクジャーナル支持隔壁４とベアリング
キャップ５とには、そのクランクジャーナル２を支持す
るための軸受孔３に２分割されたメインベアリング６が
それぞれ一体に取り付けられており、クランクジャーナ
ル２内には、その外周面に開口させて油路たる細い孔１
２が設けられている。メインベアリング６は、バビット
メタル（ホワイトメタル）によって構成され、その軸方
向の長さは、上述したように上記軸受孔３の長さと比べ
て所定長さ短く、それぞれクランクジャーナル支持隔壁
４の湾曲面４ａとベアリングキャップ５の湾曲面５ａ
に、その両端が、湾曲面４ａ，５ａの端より所定長さ内
側に位置されるように配置され、一体的に取付けられて
いる。このベアリングキャップ６，６の取り付けは、嵌
め込み、溶着または鋳込みなどによる。また、クランク
ジャーナル支持隔壁４には、スラスト方向の面圧を少な
くするために、その軸受孔３周りを円周方向に縁取るよ
うにスラストベアリング（ベアリングメタル）１６ａ，
１６ｂがそれぞれ取り付けられている。
示せず）のクランクジャーナル支持隔壁４とベアリング
キャップ５とには、そのクランクジャーナル２を支持す
るための軸受孔３に２分割されたメインベアリング６が
それぞれ一体に取り付けられており、クランクジャーナ
ル２内には、その外周面に開口させて油路たる細い孔１
２が設けられている。メインベアリング６は、バビット
メタル（ホワイトメタル）によって構成され、その軸方
向の長さは、上述したように上記軸受孔３の長さと比べ
て所定長さ短く、それぞれクランクジャーナル支持隔壁
４の湾曲面４ａとベアリングキャップ５の湾曲面５ａ
に、その両端が、湾曲面４ａ，５ａの端より所定長さ内
側に位置されるように配置され、一体的に取付けられて
いる。このベアリングキャップ６，６の取り付けは、嵌
め込み、溶着または鋳込みなどによる。また、クランク
ジャーナル支持隔壁４には、スラスト方向の面圧を少な
くするために、その軸受孔３周りを円周方向に縁取るよ
うにスラストベアリング（ベアリングメタル）１６ａ，
１６ｂがそれぞれ取り付けられている。
【００１６】すなわちクランクジャーナル支持隔壁４の
湾曲面４ａとベアリングキャップ５の湾曲面５ａの端部
とは、図８に示すように、それぞれ円周方向に沿ってリ
ング状に拡径されてベアリング取付け用の拡径部１７
ａ，１７ｂとなっており、そのベアリングキャップ５の
拡径部１７ｂ周りのみに、これより半径方向外方へ延び
て係合段部１８が形成されている。これに対して、スラ
ストベアリング１６ａ，１６ｂは、クランクアーム７側
からそれら拡径部１７ａ，１７ｂにそれぞれ嵌合し得る
よう半割りに分割して形成され、そのうちベアリングキ
ャップ５の拡径部１７ｂに取付けられるスラストベアリ
ング１６ｂに、係合段部１８と嵌合されてその回転が規
制され得るように、回り止め用の突起１６ｃが一体に設
けられている。なお、スラストベアリング１６ａ，１６
ｂは、メインベアリング６と同じ材料（バビットメタ
ル）により構成されている。
湾曲面４ａとベアリングキャップ５の湾曲面５ａの端部
とは、図８に示すように、それぞれ円周方向に沿ってリ
ング状に拡径されてベアリング取付け用の拡径部１７
ａ，１７ｂとなっており、そのベアリングキャップ５の
拡径部１７ｂ周りのみに、これより半径方向外方へ延び
て係合段部１８が形成されている。これに対して、スラ
ストベアリング１６ａ，１６ｂは、クランクアーム７側
からそれら拡径部１７ａ，１７ｂにそれぞれ嵌合し得る
よう半割りに分割して形成され、そのうちベアリングキ
ャップ５の拡径部１７ｂに取付けられるスラストベアリ
ング１６ｂに、係合段部１８と嵌合されてその回転が規
制され得るように、回り止め用の突起１６ｃが一体に設
けられている。なお、スラストベアリング１６ａ，１６
ｂは、メインベアリング６と同じ材料（バビットメタ
ル）により構成されている。
【００１７】さて図１または図２に示すように、スラス
トベアリング１６ａ，１６ｂのうち、そのクランクジャ
ーナル支持隔壁４に取り付けられるスラストベアリング
１６ａとクランクアーム７との摺動面との間の潤滑を良
くして、スラストベアリング１６ａの寿命の向上を計る
ために、クランクジャーナル支持隔壁４には、その軸受
孔３周りの側面に、クランクジャーナル２とメインベア
リング６との間から漏れ出したオイルを、スラストベア
リング１６ａとクランクアーム７との摺動面との間に案
内すべく、その一端をメインベアリング６の端面より外
側の軸受孔３内に開端させ他端を上記摺動面へ向けて開
端させて油溝１９が設けられている。油溝１９は、クラ
ンクジャーナル支持隔壁４の側面に少なくとも上向き又
は斜め上向きに１本以上設けられている。ここで油溝１
９の方向は、図１に示すように半径方向外向きとしても
よく、又は図３に示すように半径方向外向きでかつクラ
ンクシャフトの回転方向に沿ったスパイラル状としても
かまわない。
トベアリング１６ａ，１６ｂのうち、そのクランクジャ
ーナル支持隔壁４に取り付けられるスラストベアリング
１６ａとクランクアーム７との摺動面との間の潤滑を良
くして、スラストベアリング１６ａの寿命の向上を計る
ために、クランクジャーナル支持隔壁４には、その軸受
孔３周りの側面に、クランクジャーナル２とメインベア
リング６との間から漏れ出したオイルを、スラストベア
リング１６ａとクランクアーム７との摺動面との間に案
内すべく、その一端をメインベアリング６の端面より外
側の軸受孔３内に開端させ他端を上記摺動面へ向けて開
端させて油溝１９が設けられている。油溝１９は、クラ
ンクジャーナル支持隔壁４の側面に少なくとも上向き又
は斜め上向きに１本以上設けられている。ここで油溝１
９の方向は、図１に示すように半径方向外向きとしても
よく、又は図３に示すように半径方向外向きでかつクラ
ンクシャフトの回転方向に沿ったスパイラル状としても
かまわない。
【００１８】したがって、オイルは、クランクジャーナ
ル２とメインベアリング６との間から漏れ出してクラン
クジャーナル２の外周面、メインベアリング６の端面お
よび軸受孔３を形成する湾曲面４ａによって環状に区画
された空間部２０に蓄えられつつ、オイルに直接作用す
る遠心力により、油溝１９の一端から他端へと案内され
てスラストベアリング１６とクランクアーム７との摺動
面の間に自然にかつ連続的に供給されるようになる。ゆ
えに従来の問題は解消され、スラストベアリング１６ａ
とクランクアーム７との摺動面との間の摩耗は著しく低
減されるようになり、スラストベアリング１６ａの寿命
は飛躍的に向上する。よってこの摩耗を原因としたクラ
ンクシャフト１の振動は抑制され、騒音の発生が妨げら
れる。
ル２とメインベアリング６との間から漏れ出してクラン
クジャーナル２の外周面、メインベアリング６の端面お
よび軸受孔３を形成する湾曲面４ａによって環状に区画
された空間部２０に蓄えられつつ、オイルに直接作用す
る遠心力により、油溝１９の一端から他端へと案内され
てスラストベアリング１６とクランクアーム７との摺動
面の間に自然にかつ連続的に供給されるようになる。ゆ
えに従来の問題は解消され、スラストベアリング１６ａ
とクランクアーム７との摺動面との間の摩耗は著しく低
減されるようになり、スラストベアリング１６ａの寿命
は飛躍的に向上する。よってこの摩耗を原因としたクラ
ンクシャフト１の振動は抑制され、騒音の発生が妨げら
れる。
【００１９】図４は、スラストベアリング１６ａの潤滑
をさらによくするための例が示されている。この実施例
は、上記油溝１９を、その他端を上記スラストベアリン
グ１６ａの背面とクランクジャーナル支持隔壁４との間
に延長し、スラストベアリング１６ａの半径方向のリン
グ中央部に、油溝１９のその延長された端部をスラスト
ベアリング１６ａとクランクアーム７との摺動面とを連
通させ得るように、半径方向に貫通孔２１を形成したも
のであり、オイルをその貫通孔２１を中心としてスラス
トベアリング１６ａとクランクアーム７との摺動面に供
給し得るようにすることにより、ばらつきのないオイル
の供給を可能にしたものである。
をさらによくするための例が示されている。この実施例
は、上記油溝１９を、その他端を上記スラストベアリン
グ１６ａの背面とクランクジャーナル支持隔壁４との間
に延長し、スラストベアリング１６ａの半径方向のリン
グ中央部に、油溝１９のその延長された端部をスラスト
ベアリング１６ａとクランクアーム７との摺動面とを連
通させ得るように、半径方向に貫通孔２１を形成したも
のであり、オイルをその貫通孔２１を中心としてスラス
トベアリング１６ａとクランクアーム７との摺動面に供
給し得るようにすることにより、ばらつきのないオイル
の供給を可能にしたものである。
【００２０】したがって、スラストベアリング１６ａと
クランクアーム７との摺動面の間の潤滑は、上記実施例
と比べてよくなり、高い信頼性を得ることができる。
クランクアーム７との摺動面の間の潤滑は、上記実施例
と比べてよくなり、高い信頼性を得ることができる。
【００２１】なお、潤滑に必要なオイルの量は、使用す
るクランクジャーナルの太さやクランクジャーナル２の
回転数によって変化してしまうものであるため、油溝の
幅と深さ（断面積）及び油溝の合計本数は、試験により
決定されるものとなる。また、図５に示すように、スラ
ストベアリングを設けることがない場合でも、上記実施
例と同じにクランクジャーナル支持隔壁４に油溝１９を
形成することは可能であり、クランクジャーナル支持隔
壁４とクランクアーム７との潤滑面にオイルを供給し
て、その摩耗を抑制することもできる。
るクランクジャーナルの太さやクランクジャーナル２の
回転数によって変化してしまうものであるため、油溝の
幅と深さ（断面積）及び油溝の合計本数は、試験により
決定されるものとなる。また、図５に示すように、スラ
ストベアリングを設けることがない場合でも、上記実施
例と同じにクランクジャーナル支持隔壁４に油溝１９を
形成することは可能であり、クランクジャーナル支持隔
壁４とクランクアーム７との潤滑面にオイルを供給し
て、その摩耗を抑制することもできる。
【００２２】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば次の如き優
れた効果を発揮する。
れた効果を発揮する。
【００２３】(1) クランクジャーナル支持隔壁にスラス
トベアリングを取り付けたクランクシャフトの軸受装置
において、スラストベアリングの潤滑不良を解消するこ
とができ、その寿命を大巾に延ばすことができる。
トベアリングを取り付けたクランクシャフトの軸受装置
において、スラストベアリングの潤滑不良を解消するこ
とができ、その寿命を大巾に延ばすことができる。
【００２４】(2) クランクジャーナル支持隔壁の側面と
クランクアームの摺動面との間にオイルを供給すること
ができるので、その摩耗を抑制することができる。
クランクアームの摺動面との間にオイルを供給すること
ができるので、その摩耗を抑制することができる。
【図１】本発明に係るクランクシャフトの軸受装置の要
部詳細図である。
部詳細図である。
【図２】クランクジャーナル支持隔壁をクランクジャー
ナル側から見た図である。
ナル側から見た図である。
【図３】クランクジャーナル支持隔壁をクランクアーム
側から見た図である。
側から見た図である。
【図４】本発明に係るクランクシャフトの軸受装置を示
す別の要部詳細図である。
す別の要部詳細図である。
【図５】スラストベアリングを設けない実施例を説明す
るための図である。
るための図である。
【図６】クランクシャフトの構造とクランクシャフトの
支持構造を説明するための図である。
支持構造を説明するための図である。
【図７】従来例を説明するための要部詳細図である。
【図８】従来例を説明するための分解斜視図である。
１ クランクシャフト ２ クランクジャーナル ３ 軸受孔 ４ クランクジャーナル支持隔壁 ５ ベアリングキャップ ６ メインベアリング １２ 孔（油路） １３ 孔（油路） １６ａ スラストベアリング １９ 油溝
Claims (4)
- 【請求項１】 シリンダブロックのクランクジャーナル
支持隔壁の下面部とこれに一体的に取り付けられたベア
リングキャップとによって形成されるクランクジャーナ
ルの軸受孔にメインベアリングを取り付け、クランクシ
ャフト内にそのクランクジャーナル外周面に開口させて
油路を設けたクランクシャフトの軸受装置において、上
記支持隔壁の側面にスラストベアリングを取り付け、上
記支持隔壁にその軸受孔周りの側面に、クランクジャー
ナルとメインベアリングとの間から漏れ出したオイルを
スラストベアリングとクランクアームとの摺動面に案内
すべく一端が上記メインベアリングの端面より外側の軸
受孔内に開端され他端が上記摺動面へ向けて開端された
油溝を窪ませて設けたことを特徴とするクランクシャフ
トの軸受装置。 - 【請求項２】 上記油溝が、上記軸受孔周りに１本以上
設けられている請求項１記載のクランクシャフトの軸受
装置。 - 【請求項３】 上記油溝が、その他端が上記摺動面と反
対側のスラストベアリングの背面とクランクジャーナル
支持隔壁のスラストベアリング取付け面との間に延長さ
れ、スラストベアリングが、その延長された油溝の端部
とスラストベアリングとクランクアームとの摺動面との
間を連通させるための孔を有している請求項１又は２記
載のクランクシャフトの軸受装置。 - 【請求項４】 シリンダブロックのクランクジャーナル
支持隔壁の下面部とこれに一体的に取り付けられたベア
リングキャップとによって形成されるクランクジャーナ
ルの軸受孔にメインベアリングを取り付け、クランクシ
ャフト内にそのクランクジャーナル外周面に開口させて
油路を設けたクランクシャフトの軸受装置において、上
記支持隔壁にその軸受孔周りの側面に、クランクジャー
ナルとメインベアリングとの間から漏れ出したオイルを
前記側面とクランクアームとの摺動面に案内すべく一端
が上記メインベアリングの端面より外側の軸受孔内に開
端され他端が上記摺動面へ向けて開端された油溝を窪ま
せて設けたことを特徴とするクランクシャフトの軸受装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP857294A JPH07208447A (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | クランクシャフトの軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP857294A JPH07208447A (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | クランクシャフトの軸受装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07208447A true JPH07208447A (ja) | 1995-08-11 |
Family
ID=11696766
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP857294A Pending JPH07208447A (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | クランクシャフトの軸受装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07208447A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103807299A (zh) * | 2014-03-04 | 2014-05-21 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 发动机曲轴止推片润滑结构 |
| JP2016035304A (ja) * | 2014-08-04 | 2016-03-17 | 大同メタル工業株式会社 | 半割スラスト軸受、及びそれを用いた軸受装置 |
| JP2018141482A (ja) * | 2017-02-27 | 2018-09-13 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 回転機械およびその軸受構造 |
-
1994
- 1994-01-28 JP JP857294A patent/JPH07208447A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103807299A (zh) * | 2014-03-04 | 2014-05-21 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 发动机曲轴止推片润滑结构 |
| JP2016035304A (ja) * | 2014-08-04 | 2016-03-17 | 大同メタル工業株式会社 | 半割スラスト軸受、及びそれを用いた軸受装置 |
| JP2018141482A (ja) * | 2017-02-27 | 2018-09-13 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 回転機械およびその軸受構造 |
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