JP3198829B2 - 内燃機関の潤滑油供給システム - Google Patents

内燃機関の潤滑油供給システム

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JP3198829B2
JP3198829B2 JP27132794A JP27132794A JP3198829B2 JP 3198829 B2 JP3198829 B2 JP 3198829B2 JP 27132794 A JP27132794 A JP 27132794A JP 27132794 A JP27132794 A JP 27132794A JP 3198829 B2 JP3198829 B2 JP 3198829B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関のクランク
シャフトに潤滑油を供給する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の潤滑システムとして、例えば図1
3に示すように、クランクシャフト74には、ジャーナ
ル部74を支承する主軸受に供給された潤滑油を、クラ
ンクシャフト74の内部を通してコンロッドに支承され
るクランクピン71に送り込むクランク内部通路75が
形成され、ジャーナル部74とクランクピン71の潤滑
が行われる。
【0003】この潤滑によって冷却も行われるのである
が、そのクランクピン71の摺動面の温度特性を図14
に示す測定装置(熱電対72,73をクランクピン71
の摺動面中央に埋め込んである)によって測定してみる
と、図15のように機関の回転数と共に急激に上昇し、
特にクランクピン71のジャーナル部74側つまりクラ
ンクシャフト74の中心側の摺動面の温度上昇が大とな
っている。
【0004】この理由は、ピストン、コンロッド等の慣
性力が回転数の2乗に比例して増大するため、機関の高
回転時には、クランクピン71の中心側に荷重がかかる
割合が大となり、潤滑油膜が薄くなり、発熱が増加する
と共に、冷却作用もはたしている潤滑油のクランクピン
71の中心側への供給量が制約されることによる。
【0005】コンロッドの軸受メタルの耐久性は、材料
の組み合わせによっても異なるが、焼き付き限界、摩耗
限界のいずれも温度に依存しており、クランクピン71
の中心側の温度レベルによって、回転数の上限が決めら
れたり、あるいはオイルクーラ等の装着が必要とされ、
クランクピン71の中心側の温度レベルが潤滑性能を確
保する上でのポイントとなっている。
【0006】そこで、このクランクピンの中心側の摺動
面の冷却を強化するものとして、例えば実開昭63ー2
8913号公報に示されたように、クランクピン部分に
潤滑油を送るオイル通路をクランクピンの中心側の摺動
面近くに設けて、摺動面に潤滑油を供給すると共に、ク
ランクピンの内側を冷却するようにしたものが提案され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来例にあっては、オイル通路を流れる潤滑油によ
ってそれなりの冷却効果はあるが、コンロッド側とのわ
ずかな隙間(例えば50ミクロン程度)から摺動面に流
出される油量だけでは、実際オイル通路を流れる潤滑油
量も少なく、このためクランクピンの内側の冷却効果に
限界があった。
【0008】この場合、冷却効果を増大させようとし
て、オイル通路を流れる潤滑油量を増やすように摺動面
の隙間を拡大したのでは、軸受メタルの打音の問題がト
レードオフとして発生してくる。
【0009】これに対処して、クランクピンの全周にわ
たってグルーブを形成し、このグルーブに潤滑油を送る
オイル通路をクランクシャフトの内部に形成したものが
ある(実開平4−110215号公報、参照)。
【0010】しかしながら、この場合、ピストンおよび
コンロッドの慣性力または燃焼圧力が集中する部位の軸
受幅がグルーブによって削減される構造のため、軸受の
負荷容量(同一油膜厚さで支えられる荷重)を十分に確
保することが難しいという問題点がある。
【0011】また、従来から機関の高速時等にピストン
を冷却するため、図16に示すように、ピストン83に
向けて潤滑油を噴射するオイルジェット80を備えるも
のがある。
【0012】オイルジェット80のノズル82はピスト
ン83に向けて配置され、ノズル82はバルブ84を介
してシリンダブロック81に形成されたオイルギャラリ
85に連通している。
【0013】バルブ84はオイルギャラリ85から導か
れる油圧に応動して所定回転数以上の高速時に開弁し、
ノズル82から潤滑油を図中矢印で示すようにピストン
83に向けて噴射し、この潤滑油によってピストン83
およびシリンダボア等の熱を持ち去るようになってい
る。
【0014】しかしながら、各気筒毎に設けられたオイ
ルジェット80に対応してバルブ84を設ける必要があ
り、生産性が悪いという問題点が考えられる。
【0015】この発明は、上記の問題点を解消し、クラ
ンクピン等に適量の潤滑油を供給できる潤滑油供給シス
テムを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の内燃機関
の潤滑油供給システムは、ピストンの往復動をコンロッ
ドを介して回転運動に変換するクランクシャフトを備
え、クランクシャフトは機関本体に主軸受を介して回転
可能に支承されるジャーナル部と、コンロッドに回転可
能に支承されるクランクピンを有し、クランクピンのコ
ンロッドに対する摺動面に対して凹状に窪むグルーブを
形成し、クランクシャフトにオイルポンプから送られる
潤滑油を該グルーブに導くクランク内部通路を形成し、
クランクピンの中心線とジャーナル部の中心線を結ぶ線
分を主軸中心線Cとし、クランクピンのコンロッドに対
する摺動面を、主軸中心線Cに対してクランクピンの回
動方向前方に位置する前方領域と、主軸中心線Cに対し
てクランクピンの回動方向後方に位置する後方領域に区
分すると、該グルーブを主軸中心線Cと交差しないよう
に前方領域に限定して形成し、クランクピンのコンロッ
ドに対する摺動面を、ジャーナル部に近接する中心側領
域と、ジャーナル部から離れた外側領域に区分すると、
該グルーブを中心側領域と外側領域に渡って形成し、該
クランク内部通路の該グルーブに対する開口端部を、中
心側領域において主軸中心線Cの近傍に配置する。
【0017】請求項2記載の内燃機関の潤滑油供給シス
テムは、請求項1に記載の発明において、コンロッドに
潤滑油をピストンに向けて噴射するオイルジェット噴口
を形成し、コンロッドに前記グルーブに送られた潤滑油
をオイルジェット噴口に導くロッド内部通路を形成す
る。
【0018】請求項3記載の内燃機関の潤滑油供給シス
テムは、請求項1に記載の発明において、コンロッドに
潤滑油をシリンダのピストンに摺接する内壁面に向けて
噴射するオイルスプラッシュ噴口を形成し、該オイルス
プラッシュ噴口を前記グルーブに連通するように形成す
る。
【0019】請求項4記載の内燃機関の潤滑油供給シス
テムは、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明に
おいて、機関の高速時に前記グルーブへ供給される潤滑
油量を増やす潤滑油量調節手段を備える。
【0020】
【作用】請求項1記載の内燃機関の潤滑油供給システム
は、クランクピンの摺動面に対して凹状に窪むグルーブ
を形成したことにより、クランクピンとコンロッドの軸
受隙間にグルーブに面する部位から潤滑油が導かれる。
【0021】軸受隙間はピストンおよびコンロッドの慣
性力によりクランクピンの外側領域に面する部位で大き
くなるが、グルーブは中心側領域から外側領域に渡って
延びるように形成されているため、外側領域に位置する
グルーブから多くの潤滑油が導かれ、軸受隙間に供給さ
れる潤滑油量が増大する。これにより、軸受隙間に供給
される潤滑油量を十分に確保しつつ、大端部の軸受隙間
を小さくすることが可能となり、メタル打音を小さく抑
えられる。
【0022】ピストンおよびコンロッドの慣性力により
クランクピンのまわりに生じる油膜圧力は、クランクピ
ンの中心側領域に分布し、後方領域で主軸中心線Cの近
傍に位置する部位で最も高くなる。
【0023】ピストンの上死点付近で燃焼圧力によりク
ランクピンのまわり生じる油膜圧力は、クランクピンの
外側領域に分布し、後方領域で主軸中心線Cの近傍に位
置する部位で最も高くなる。
【0024】グルーブを主軸中心線Cと交差しないよう
に形成することにより、クランクピンは油膜圧力が大き
くなる部分の軸受面積が削減されることがなく、面圧を
小さく抑えられ、比較的温度が低い流体潤滑が支配的な
低中回転時の潤滑条件において、燃焼圧力が上昇する圧
縮、膨張行程にかけても潤滑油膜の構成能力を確保で
き、摩擦損失を低減できる。
【0025】これに対して、大端部の全周に渡ってグル
ーブが形成される構造にあっては、比較的温度が低い流
体潤滑が支配的な低中回転時の潤滑条件において、燃焼
圧力が上昇する圧縮、膨張行程にかけて油膜の構成が不
利となるため、摩擦損失が増大するのである。
【0026】機関の高回転時には、ピストン、コンロッ
ド等の慣性力が回転数の2乗に比例して増大するため、
クランクピンの中心側領域に荷重がかかる割合が大とな
り、潤滑油膜が薄くなり、発熱量が機関の回転数と共に
急激に増加する傾向がある。
【0027】グルーブに対するクランク内部通路の開口
端がクランクピンの前方領域で主軸中心線Cの近傍に配
設されることにより、ピストンおよびコンロッドの慣性
力によりクランクピンのまわりに生じる油膜圧力が最も
高くなる主軸中心線Cの近傍領域は、クランク内部通路
の開口端に対して回転方向直後方部に位置する。このた
め、クランク内部通路からグルーブに供給された潤滑油
は、コンロッドに対するクランクピンの回転に伴ってク
ランクピンの主軸中心線Cの近傍領域に集中的に供給さ
れる。これにより、最も高温となりやすいクランクピン
の主軸中心線Cの近傍領域に発生する熱を潤滑油によっ
て十分に持ち去り、クランクピンの中心側領域の温度レ
ベルを低下させることができる。
【0028】クランクピンを支承する軸受の耐久性は、
焼き付き限界、摩耗限界のいずれも温度に依存してお
り、クランクピンの中心側領域の温度レベルを低下させ
ることによって、回転数の上限を高められ、あるいはオ
イルクーラ等の装着が不要となる。
【0029】請求項2記載の内燃機関の潤滑油供給シス
テムにおいて、グルーブに送られた潤滑油の一部はクラ
ンクピンの軸受を潤滑し、残りはロッド内部通路を通っ
てオイルジェット噴口に導かれ、オイルジェット噴口か
ら潤滑油をピストンの背面に向けて噴射し、この潤滑油
によってピストンおよびシリンダボア等の熱を持ち去
る。
【0030】請求項3記載の内燃機関の潤滑油供給シス
テムにおいて、グルーブに送られた潤滑油の一部はクラ
ンクピンの軸受を潤滑し、残りはオイルスプラッシュ噴
口に導かれ、オイルスプラッシュ噴口から潤滑油をシリ
ンダの内壁面に向けて噴射し、この潤滑油によってピス
トンとシリンダの摺動部を潤滑する。
【0031】請求項4記載の内燃機関の潤滑油供給シス
テムにおいて、潤滑油量調節手段は、機関の高回転時に
グルーブへ供給される潤滑油量を増やすことにより、ク
ランクピンの軸受隙間に介在する潤滑油の温度が過度に
上昇することを防止し、潤滑油膜を維持して、焼き付き
等が発生することがなく、軸受の摩耗を抑えて耐久性を
高められる。
【0032】潤滑油量調節手段は、機関の低回転時にグ
ルーブへ供給される潤滑油量を減らすことにより、クラ
ンクピンの軸受隙間に介在する潤滑油の温度を高く保
ち、潤滑油の粘性抵抗を小さく抑えて、フリクションの
低減がはかれる。
【0033】また、ピストンやシリンダ壁に受ける熱量
が小さい低回転時に、潤滑油量調節手段によってグルー
ブへ供給される潤滑油量が減らされることにより、オイ
ルジェット噴口またはオイルスプラッシュ噴口から噴射
供給される潤滑油量が減らされ、燃焼ガスから受ける熱
量が小さいピストンまたはシリンダ壁が過剰に冷却され
ることが抑えられ、フリクションの低減がはかられる。
【0034】ピストンやシリンダ壁に受ける熱量が大き
い高回転時に、潤滑油量調節手段によってグルーブへ供
給される潤滑油量が増やされることにより、オイルジェ
ット噴口またはオイルスプラッシュ噴口から噴射供給さ
れる潤滑油量が増やされ、ピストンまたはシリンダ壁が
十分に冷却され、焼き付き等が生じることを防止でき
る。
【0035】このように、オイルジェット噴口またはオ
イルスプラッシュ噴口からの潤滑油の噴射は、単一の潤
滑油量調節手段によって制御されることにより、前記従
来装置のように各気筒毎に所定の開弁圧を持つバルブ等
を設ける必要がない。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0037】図3に示すように、コンロッド1はピスト
ンに連結されるピストンピン14を支承する小端部3
と、クランクシャフト10のクランクピン5を支承する
大端部2とを有し、ピストンの往復運動をクランクシャ
フトの連続回転運動に変換する。クランクピン5は大端
部2に対して図中矢印で示す方向に回転する。
【0038】大端部2は半割り形に分割されたキャップ
6が2本のボルト7を介して締結される。大端部2の内
周には半割り形に分割された上下の各軸受メタル8,9
が介装される。
【0039】図2に示すように、4気筒機関に備えられ
るクランクシャフト10は、4つのクランクピン5と、
機関本体の主軸受13に支承される5つのジャーナル部
4を有する。
【0040】図4に示すように、クランクシャフト10
の内部には各ジャーナル部4とクランクピン5を結ぶク
ランク内部通路11が形成される。オイルポンプから吐
出される潤滑油は、機関本体に形成された供給路33か
ら各主軸受13に供給され、各主軸受13から各クラン
ク内部通路11を通して各クランクピン5に供給される
ようになっている。
【0041】各クランクピン5の軸受メタル8,9に対
する摺動面に対して周方向に延びるグルーブ17が形成
される。このグルーブ17の底面にクランク内部通路1
1が開口している。
【0042】図1に示すように、クランクピン5の中心
線Pとジャーナル部4の中心線Jを結ぶ線分を主軸中心
線Cと定義する。主軸中心線Cが、クランクピン5のコ
ンロッド1に対する摺動面に対してジャーナル部4側で
交差する点を内側中心点A、ジャーナル部4の反対側で
交差する点を外側中心点Bと定義する。
【0043】図1においてクランクピン5は図中矢印で
示す方向に回動する。クランクピン5の軸受メタル8,
9に対する摺動面を、主軸中心線Cに対して回動方向前
方に位置する前方領域と、主軸中心線Cに対して回動方
向後方に位置する後方領域に区分すると、グルーブ17
は前方領域に限定して形成される。すなわち、グルーブ
17はこの前方領域において、内側中心点Aと外側中心
点Bに挟まれる角度範囲内に限定して、クランクピン5
の内側中心点Aと外側中心点Bにかからないように形成
される。
【0044】クランクピン5の軸受メタル8,9に対す
る摺動面を、ジャーナル部4に近接する中心側領域と、
ジャーナル部4から離れた外側領域に区分すると、グル
ーブ17は中心側領域と外側領域に渡って延びるように
形成される。
【0045】クランク内部通路11はクランクピン5の
摺動面に対して2つの開口端部11a,11bを有す
る。クランク内部通路11の一端11aはクランクピン
5の前方領域かつ中心側領域に位置する摺動面に開口
し、他端11bはクランクピン5の後方領域かつ外側領
域に位置する摺動面に開口される。
【0046】グルーブ17に対するクランク内部通路1
1の開口端11aは内側中心点Aの近傍に配設される。
すなわち、グルーブ17の一端は内側中心点Aの近傍に
延び、クランク内部通路11の開口端11aはグルーブ
17の内側中心点Aの近傍に延びた端部に開口される。
【0047】小端部3とピストンピン4の間には筒状の
ブッシュ23が介装される。ブッシュ23の軸受面に
は、所定の溝形状の全周グルーブ25が形成される。
【0048】コンロッド1にはその桿部22を貫通した
ロッド内部通路20が形成されるとともに、小端部3の
軸受上部に連通してピストンの背面に向けて潤滑油を噴
射するオイルジェット噴口27が形成される。ロッド内
部通路20とオイルジェット噴口27はコンロッド1の
中心線O1を中心として形成される。
【0049】グルーブ17に供給された潤滑油は、その
一部が大端部2を潤滑するとともに、残りが上の軸受メ
タル8に開口したメタル油穴19と、コンロッド1の桿
部22を貫通したロッド内部通路20と、ブッシュ23
に形成されたブッシュ油穴24と、同じくブッシュ23
の軸受面に形成された全周のグルーブ25と、ブッシュ
23に形成されたブッシュ油穴26を通って、オイルジ
ェット噴口27からピストンの背面に噴射される。
【0050】図5に示すように、オイルパン47に貯溜
された潤滑油はオイルポンプ34によって吸い上げら
れ、オイルポンプ34から吐出される潤滑油は、機関の
運転条件に応じて油圧供給制御弁35を介して第1オイ
ル供給通路36または第2オイル供給通路39に分流さ
れる。
【0051】第1オイル供給通路36から導かれる潤滑
油は、オリフィス37を介して動弁系に供給されるとと
もに、オリフィス38を介して供給路33に供給され
る。
【0052】第2オイル供給通路39から導かれる潤滑
油は、オリフィス40を介して供給路33に供給され
る。
【0053】油圧供給制御弁35には、図6のように常
開の第1オイル供給孔41(第1オイル供給通路36に
つながる)と、圧力に応動する弁体42によって開閉さ
れる第2オイル供給孔43(第2オイル供給通路39に
つながる)および第1リリーフ孔44、第2リリーフ孔
45が設けられる。
【0054】オイルポンプ34の吐出量がそれほど多く
ないときは、第1オイル供給孔41のみが開かれ、潤滑
油が第1オイル供給通路36に送られる。この場合、オ
イルポンプ34の吐出量が増え、吐出圧が高くなってく
ると、弁体42がスプリング46に抗して後退して第1
リリーフ孔44が開かれることで、吐出圧が所定圧に維
持される。
【0055】そして、さらにオイルポンプ34の吐出量
が増え、吐出圧が設定値を越えてくると、さらに弁体4
2がスプリング46に抗して後退して第2オイル供給孔
43が開かれ(第1リリーフ孔44は閉じられる)、潤
滑油が第2オイル供給通路39にも送られる。この場
合、吐出圧が設定上限圧を越えるようなときは、図7の
ように第1リリーフ孔44と共に第2リリーフ孔45が
開かれ、その設定圧に維持される。
【0056】すなわち、エンジンの回転が低く、オイル
ポンプ34の吐出量が所定値以下のときは、潤滑油が第
1オイル供給通路36に供給され、エンジンの回転が高
くなり、オイルポンプ34の吐出量が所定値を越えてく
ると、第1、第2オイル供給通路36,39の双方に潤
滑油が供給される。
【0057】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0058】供給路33に送られた潤滑油は、主軸受1
3のグルーブ30に導かれ、ジャーナル部4を潤滑する
とともに、そのグルーブ30に連通したクランク内部通
路11を通って、クランクピン5に送られる。
【0059】クランク内部通路11を通ってクランクピ
ン5のグルーブ17に導かれる潤滑油は、クランクピン
5を潤滑するとともに、ロッド内部通路20を通って、
小端部3の全周グルーブ25に導かれ、ピストンピン1
4を潤滑するとともに、小端部3の軸受上部に開口した
オイルジェット噴口27からピストンの背面に噴射され
る。
【0060】クランクピン5に対して凹状に窪むグルー
ブ17を形成したことにより、クランクピン5と軸受メ
タル8,9の間に画成される軸受隙間18にはグルーブ
17に面する部位から潤滑油が導かれ、軸受隙間18に
供給される潤滑油量が増大する。
【0061】軸受隙間18はピストンおよびコンロッド
1の慣性力により、図1に示すように、クランクピン5
の外側領域に面する部位で大きくなるが、グルーブ17
は中心側領域から外側領域に渡って延びるように形成さ
れているため、外側領域に位置するグルーブ17から多
くの潤滑油が導かれ、軸受隙間18に供給される潤滑油
量が増大する。なお、図1に示した軸受隙間18の寸法
差は、便宜上実際よりも誇張して大きくしてあるが、実
際にはかなり小さいものである。
【0062】グルーブ17はクランクピン5の前方領域
に限定して形成され、クランクピン5の内側中心点Aと
外側中心点Bにかからないため、クランクピン5はグル
ーブ17によって慣性力または燃焼圧力により油膜圧力
が最大となる部分で軸受面積が削減されることがなく、
軸受メタル8とクランクピン5の間における面圧を小さ
く抑えられ、潤滑油膜の構成能力が確保される。
【0063】これに対して、大端部の全周に渡ってグル
ーブが形成される構造にあっては、比較的温度が低い流
体潤滑が支配的な低中回転時の潤滑条件において、燃焼
圧力が上昇する圧縮、膨張行程にかけて油膜の構成が不
利となるため、摩擦損失が増大するのである。
【0064】図1にクランクピン5のまわりの油膜圧力
の分布を示している。ピストンおよびコンロッド1の慣
性力によりクランクピン5のまわりに生じる油膜圧力
は、クランクピン5の中心側領域に分布し、後方領域で
内側中心点Aの近傍に位置する部位で最も高くなる。
【0065】ピストンの上死点付近で燃焼圧力によりク
ランクピン5のまわり生じる油膜圧力は、クランクピン
5の外側領域に分布し、後方領域で外側中心点Bの近傍
に位置する部位で最も高くなる。
【0066】機関の高回転時には、ピストン、コンロッ
ド等の慣性力が回転数の2乗に比例して増大するため、
クランクピン5の中心側に荷重がかかる割合が大とな
り、潤滑油膜が薄くなり、発熱量が機関の回転数と共に
急激に増加する。
【0067】これに対処して、グルーブ17に対するク
ランク内部通路11の開口端11aがクランクピン5の
前方領域で内側中心点Aの近傍に配設されていることに
より、ピストンおよびコンロッド1の慣性力によりクラ
ンクピン5のまわりに生じる油膜圧力が最も高くなる内
側中心点Aの近傍領域は、クランク内部通路11の開口
端11aに対して回転方向直後方部に位置する。このた
め、クランク内部通路11からグルーブ17に供給され
た潤滑油は、軸受メタル8,9に対するクランクピン5
の回転に伴ってクランクピン5の内側中心点Aの近傍領
域に集中的に供給される。これにより、最も高温となり
やすいクランクピン5の内側中心点Aの近傍領域に発生
する熱を潤滑油によって十分に持ち去り、クランクピン
5の中心側領域の温度レベルを低下させることができ
る。
【0068】軸受メタル8,9の耐久性は、クランクピ
ン5との材料の組み合わせによっても異なるが、焼き付
き限界、摩耗限界のいずれも温度に依存しており、クラ
ンクピン5の中心側領域の温度レベルを低下させること
によって、回転数の上限を高められ、あるいはオイルク
ーラ等の装着が不要となる。
【0069】機関の回転が低いときは、オイルポンプ3
4からの潤滑油が油圧供給制御弁35を介して第1オイ
ル供給通路36のみから供給路33に送られるが、機関
の回転数が所定値以上に高くなると、オイルポンプ34
からの潤滑油が油圧供給制御弁35を介して第1オイル
供給通路36と第2オイル供給通路39の両方から供給
路33に送られる。これにより、図8に示すように、供
給路33へ供給される潤滑油量は、機関の高回転時には
油圧供給制御弁35の開弁作動に伴って大幅に増大され
る。
【0070】低回転時に供給路33に供給される潤滑油
量が抑えられることにより、主軸受13、クランクピン
5と軸受メタル8,9の間に介在する潤滑油の温度を高
く保ち、潤滑油の粘性抵抗を小さく抑えて、フリクショ
ンの低減がはれかる。
【0071】また、ピストンやシリンダ壁に受ける熱量
が小さい低回転時に油圧供給制御弁35を介して供給路
33に供給される潤滑油量が抑えられることにより、オ
イルジェット噴口27からピストンに向けて噴射供給さ
れる潤滑油量が減らされ、ピストンおよびシリンダ壁が
過剰に冷却されることが抑えられ、フリクションの低減
がはかられる。
【0072】油圧供給制御弁35が開弁する高回転時
に、油圧供給制御弁35を介して供給路33に供給され
る潤滑油量が大幅に増やされることにより、主軸受1
3、クランクピン5の軸受隙間18、ピストンピン14
の軸受に介在する潤滑油の温度が過度に上昇することを
防止するとともに、潤滑油膜を維持して、これらに焼き
付きが生じることを防止する。
【0073】また、ピストンやシリンダ壁に受ける熱量
が大きい高回転時に、油圧供給制御弁35を介して供給
路33に供給される潤滑油量が増やされることにより、
オイルジェット噴口27からピストンに向けて噴射供給
される潤滑油量が増やされ、ピストンおよびシリンダ壁
が十分に冷却され、焼き付き等が生じることを防止でき
る。
【0074】オイルジェット噴口27からの潤滑油の噴
射量は、単一の油圧供給制御弁35によって制御され、
前記従来装置のように各気筒毎に所定の開弁圧を持つバ
ルブ等を設ける必要がない。
【0075】次に、図9に示す他の実施例について説明
する。なお、図3等との対応部分には同一符号を用いて
説明する。
【0076】コンロッド1の大端部2には、潤滑油を図
示しないシリンダのピストンに摺接する内壁面に向けて
噴射するオイルスプラッシュ噴口29が形成される。オ
イルスプラッシュ噴口29はクランクピン5に形成され
たグルーブ17に連通するように形成される。
【0077】この場合、グルーブ17に送られた潤滑油
の一部はクランクピン5と軸受メタル8,9の摺動部を
潤滑し、残りはオイルスプラッシュ噴口29に導かれ、
オイルスプラッシュ噴口29から潤滑油をシリンダの内
壁面に向けて噴射し、この潤滑油によってピストンとシ
リンダの摺動部を潤滑する。
【0078】次に、図10に示す他の実施例について説
明する。なお、図5等との対応部分には同一符号を用い
て説明する。
【0079】オイルパンに貯溜された潤滑油は第1オイ
ルポンプ64によって吸い上げられ、第1オイルポンプ
64から吐出される潤滑油は、機関の運転条件に応じて
第1油圧供給制御弁65を介して第1オイル供給通路6
1を通ってクランク系潤滑部66に供給される。
【0080】オイルパンに貯溜された潤滑油は第1オイ
ルポンプ64を介して第2オイルポンプ68によって吸
い上げられ、第2オイルポンプ68から吐出される潤滑
油は、第2オイル供給通路51を通って動弁系潤滑部5
0に供給されるとともに、機関の運転条件に応じて第2
油圧供給制御弁69を介して第1オイル供給通路61を
通ってクランク系潤滑部66に供給される。
【0081】図11に示すように、シリンダヘッド8上
に備えられる第2オイルポンプ42は、カムシャフト5
5に形成された偏心カム56に従動して往復動するプラ
ンジャ57を備える。
【0082】プランジャ57はシリンダ部58に摺動可
能に収装される。シリンダ部58の底部とプランジャ5
7の一端の間にリターンスプリング59が介装され、リ
ターンスプリング59の付勢力によりプランジャ57の
他端が偏心カム56に押付けられる。
【0083】シリンダ部58とに連通するポンプ吸込口
61にはチェック弁62が介装される。チェック弁62
はシリンダ部58に吸い上げられるオイルの流れに対し
て開弁する。
【0084】シリンダ部58に接続するポンプ吐出口6
3にはチェック弁64が介装される。チェック弁64は
シリンダ部58から吐出するオイル流に対して開弁す
る。
【0085】ポンプ吐出口63は第2オイル供給通路5
1を介してカムシャフト55の軸受やバルブ機構等に連
通される。
【0086】偏心カム56は図中矢印で示す方向に回転
し、リターンスプリング59に抗してプランジャ57を
往復動させる。
【0087】リターンスプリング59の付勢力によりプ
ランジャ57がシリンダ部58から押し出される吸入行
程では、潤滑油が、図11に矢印で示すように、チェッ
ク弁62を開いてシリンダ部58に吸い上げられる。
【0088】プランジャ57が偏心カム56の回転に追
従してシリンダ部58から押し込まれる吐出行程では、
シリンダ部58の潤滑油が、図12に矢印で示すよう
に、チェック弁64を開いてポンプ吐出口63から吐出
される。
【0089】ポンプ吐出口63から吐出する潤滑油は第
2オイル供給通路51を介してカムシャフト15の軸受
やバルブ機構等に供給され、これらを潤滑する。
【0090】第1油圧供給制御弁65と第2油圧供給制
御弁69は図示しない制御装置により運転条件に応じて
潤滑油の流れ方向を制御する。
【0091】機関の回転が低いときは、第1オイルポン
プ64から吐出する潤滑油が油圧供給制御弁65を介し
て第1オイル供給通路61からクランク系潤滑部66に
送られ、第2オイルポンプ68から吐出する潤滑部が動
弁系潤滑部50に供給され、第2油圧供給制御弁69が
全閉してクランク系潤滑部66に供給が停止される。こ
れにより、ピストンやシリンダ壁に受ける熱量が小さい
低回転時にクランク系潤滑部66に供給される潤滑油量
が抑えられ、主軸受13、クランクピン5と軸受メタル
8.9の間に介在する潤滑油の温度を高く保ち、潤滑油
の粘性抵抗を小さく抑えて、フリクションの低減がはれ
かる。
【0092】機関の回転数が所定値以上に高くなると、
第2油圧供給制御弁69が開弁し、第2オイルポンプ6
8から吐出する潤滑油が第1オイル供給通路61と第2
オイル供給通路51の両方からクランク系潤滑部66に
送られる。これにより、ピストンやシリンダ壁に受ける
熱量が大きい高回転時に、クランク系潤滑部66に供給
される潤滑油量が増やされ、主軸受13、クランクピン
5と軸受メタル8.9の間に介在する潤滑油の温度が過
度に上昇することを防止するとともに、潤滑油膜を維持
して、これらに焼き付きが生じることを防止する。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の内燃
機関の潤滑油供給システムは、ピストンの往復動をコン
ロッドを介して回転運動に変換するクランクシャフトを
備え、クランクシャフトは機関本体に主軸受を介して回
転可能に支承されるジャーナル部と、コンロッドに回転
可能に支承されるクランクピンを有し、クランクピンの
コンロッドに対する摺動面に対して凹状に窪むグルーブ
を形成し、クランクシャフトにオイルポンプから送られ
る潤滑油を該グルーブに導くクランク内部通路を形成
し、クランクピンの中心線とジャーナル部の中心線を結
ぶ線分を主軸中心線Cとすると、該グルーブを主軸中心
線Cと交差しないように形成し、クランクピンのコンロ
ッドに対する摺動面を、主軸中心線Cに対してクランク
ピンの回動方向前方に位置する前方領域と、主軸中心線
Cに対してクランクピンの回動方向後方に位置する後方
領域に区分すると、該グルーブを前方領域に限定して形
成し、クランクピンのコンロッドに対する摺動面を、ジ
ャーナル部に近接する中心側領域と、ジャーナル部から
離れた外側領域に区分すると、該グルーブを中心側領域
と外側領域に渡って形成し、該クランク内部通路の該グ
ルーブに対する開口端部を、中心側領域において主軸中
心線Cの近傍に配置したため、クランクピンのコンロッ
ドからの荷重が大きくなる部分にはグルーブを介して十
分な潤滑油量が導かれ、大端部の軸受隙間に介在する潤
滑油の温度が過度に上昇することを防止するとともに、
潤滑油膜を維持して、焼き付き等が発生することを防止
するとともに、軸受の摩耗を抑えて耐久性を高められ
る。この結果、クランクピンの温度レベルによって、回
転数の上限が決められたり、あるいはオイルクーラ等の
装着が必要となることを回避できる。クランクピンはグ
ルーブによってコンロッドからの荷重が大きくなる部分
の軸受面積が削減されることがなく、面圧を小さく抑え
られ、比較的温度が低い流体潤滑が支配的な低中回転時
の潤滑条件において、燃焼圧力が上昇する圧縮、膨張行
程にかけても潤滑油膜の構成能力を確保でき、摩擦損失
を低減できる。
【0094】請求項2記載の内燃機関の潤滑油供給シス
テムは、請求項1に記載の発明において、コンロッドに
潤滑油をピストンに向けて噴射するオイルジェット噴口
を形成し、コンロッドに前記グルーブに送られた潤滑油
をオイルジェット噴口に導くロッド内部通路を形成した
ため、オイルジェット噴口からピストンの背面に向けて
噴射される潤滑油によってピストンおよびシリンダボア
等の熱を持ち去り、焼き付き等の発生を防止する。
【0095】請求項3記載の内燃機関の潤滑油供給シス
テムは、請求項1に記載の発明において、コンロッドに
潤滑油をシリンダのピストンに摺接する内壁面に向けて
噴射するオイルスプラッシュ噴口を形成し、該オイルス
プラッシュ噴口を前記グルーブに連通するように形成し
たため、オイルスプラッシュ噴口からシリンダの内壁面
に向けて噴射される潤滑油によってピストンとシリンダ
の摺動部を潤滑し、フリクションの低減がはかられる。
【0096】請求項4記載の内燃機関の潤滑油供給シス
テムは、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明に
おいて、機関の高速時に前記グルーブへ供給される潤滑
油量を増やす潤滑油量調節手段を備えたため、高回転時
にピストンピンの軸受隙間に介在する潤滑油の温度が過
度に上昇することを防止し、潤滑油膜を維持して、焼き
付き等が発生することがなく、軸受の摩耗を抑えて耐久
性を高められる。機関の低回転時にグルーブへ供給され
る潤滑油量を減らすことにより、クランクピンの軸受隙
間に介在する潤滑油の温度を高く保ち、潤滑油の粘性抵
抗を小さく抑えて、自動車用機関において実用頻度の高
い低回転時の出力を高めるとともに、燃費の低減がはか
れる。また、オイルジェット噴口またはオイルスプラッ
シュ噴口からの潤滑油の噴射は、単一の潤滑油量調節手
段によって制御され、前記従来装置のように各気筒毎に
所定の開弁圧を持つバルブ等を設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示し、図2のY−Y線に沿う
クランクシャフトの断面図。
【図2】同じくクランクシャフトの側面図。
【図3】同じくコンロッドの正面図。
【図4】同じくクランクシャフトおよびコンロッド等の
断面図。
【図5】同じく潤滑経路を示す構成図。
【図6】同じく油圧供給制御弁の断面図。
【図7】同じく油圧供給制御弁の動作状態を示す断面
図。
【図8】同じく潤滑油の供給量の特性図。
【図9】他の実施例を示すコンロッドの正面図。
【図10】さらに他の実施例を示す
【図11】同じくオイルポンプの断面図。
【図12】同じくオイルポンプの作動状態を示す断面
図。
【図13】従来のクランクシャフトを示す断面図。
【図14】クランクピン摺動面の温度測定図。
【図15】従来のクランクピン摺動面の温度特性図。
【図16】従来のオイルジェット等を示す断面図。
【符号の説明】
1 コンロッド 2 大端部 3 小端部 4 ジャーナル部 5 クランクピン 8 軸受メタル 9 軸受メタル 10 クランクシャフト 11 クランク内部通路 11aクランク内部通路開口端部 14 ピストンピン 17 グルーブ 18 軸受隙間 20 ロッド内部通路 27 オイルジェット噴口 29 オイルスプラッシュ噴口 33 供給路 34 オイルポンプ 35 油圧供給制御弁 36 第1オイル供給通路 39 第2オイル供給通路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−312210(JP,A) 特開 平4−301109(JP,A) 特開 平6−50119(JP,A) 実開 平5−78910(JP,U) 実開 平4−105911(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 1/06 F16C 3/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンの往復動をコンロッドを介して回
    転運動に変換するクランクシャフトを備え、 クランクシャフトは機関本体に主軸受を介して回転可能
    に支承されるジャーナル部と、コンロッドに回転可能に
    支承されるクランクピンを有し、 クランクピンのコンロッドに対する摺動面に対して凹状
    に窪むグルーブを形成し、 クランクシャフトにオイルポンプから送られる潤滑油を
    該グルーブに導くクランク内部通路を形成し、 クランクピンの中心線とジャーナル部の中心線を結ぶ線
    分を主軸中心線Cとし、クランクピンのコンロッドに対
    する摺動面を、主軸中心線Cに対してクランクピンの回
    動方向前方に位置する前方領域と、主軸中心線Cに対し
    てクランクピンの回動方向後方に位置する後方領域に区
    分すると、該グルーブを主軸中心線Cと交差しないよう
    に前方領域に限定して形成し、 クランクピンのコンロッドに対する摺動面を、ジャーナ
    ル部に近接する中心側領域と、ジャーナル部から離れた
    外側領域に区分すると、該グルーブを中心側領域と外側
    領域に渡って形成し、 該クランク内部通路の該グルーブに対する開口端部を、
    中心側領域において主軸中心線Cの近傍に配置したこと
    を特徴とする内燃機関の潤滑油供給システム。
  2. 【請求項2】コンロッドに潤滑油をピストンに向けて噴
    射するオイルジェット噴口を形成し、 コンロッドに前記グルーブに送られた潤滑油をオイルジ
    ェット噴口に導くロッド内部通路を形成したことを特徴
    とする請求項1記載の内燃機関の潤滑油供給システム。
  3. 【請求項3】コンロッドに潤滑油をシリンダのピストン
    に摺接する内壁面に向けて噴射するオイルスプラッシュ
    噴口を形成し、 該オイルスプラッシュ噴口を前記グルーブに連通するよ
    うに形成したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関
    の潤滑油供給システム。
  4. 【請求項4】機関の高速時に前記グルーブへ供給される
    潤滑油量を増やす潤滑油量調節手段を備えたことを特徴
    とする請求項1から3のいずれか一つに記載の内燃機関
    の潤滑油供給システム。
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