JP3649583B2 - ユニットインジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジン、ガソリン噴射式ガソリンエンジン等に使用される、噴射ポンプ部と噴射弁部とが一体にされたユニットインジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ユニットインジェクタは、噴射管を備えずコンパクトで、高圧かつ高性能噴射が可能であることから、高速ディーゼルエンジンを中心として、ガソリン噴射式ガソリンエンジンに至るまで広く使用されている。
【0003】
図4はかかるユニットインジェクタを備えた高速ディーゼルエンジンの1例を示す。
図4において、31はピストン、33はシリンダライナ、37はシリンダヘッド、32は該ピストン31の上面とシリンダヘッド37の下面との間に区画形成された燃焼室である。
【0004】
100はユニットインジェクタであり、前記シリンダヘッド37のシリンダ中心101にスリーブ42を介して固定され、前記燃焼室32内に燃料を噴射するようになっている。
1は燃料カムで、エンジンのクランク軸(不図示)に連動され該クランク軸1/2の回転数(4サイクルエンジンの場合)で回転せしめられる。35は該燃料カム1に転接するタペットローラ、43は該タペットローラ35を支持するカムタペット、38はカム側スプリング、3は前記カムタペット43に前記カム側スプリング38を介して連結されるプッシュロッドである。
【0005】
4はロッカアーム、41はブラケット、40はロッカー軸で、該ブラケット41は前記シリンダヘッド37の上面にボルトにより固定されて前記ロッカー軸40の両端を固持している。そして、前記ロッカアーム4は該ロッカー軸40に回動可能に支持されて、その一端が前記プッシュロッド3の上端に相対回動可能に連結され、他端が前記ユニットインジェクタ100のタペット部60に連結されている。
44はロッカー室、39は該ロッカー室44を覆うヘッドカバーである。
【0006】
かかるユニットインジェクタ100を備えたディーゼルエンジンの運転時において、燃料カム1により、タペットローラ35が突き上げられる(リフトされる)と、プッシュロッド3がカム側スプリング38を介してリフトされ、ロッカアーム4がロッカー軸40廻りに回動してユニットインジェクタ100のタペット部60を押し下げる。
これにより、ユニットインジェクタ100は後述するように、その噴射ノズルから所定のタイミングで燃焼室32内に燃料を噴射する。
【0007】
図5はかかるユニットインジェクタ100及びその駆動装置の従来技術の1例を示す。
図5において、ユニットインジェクタ100は次のように構成されている。
9は本体、11はプランジャバレル、16は噴射ノズル、15はスペーサ、12はスプリングケース、10はナットであり、前記プランジャバレル11は前記噴射ノズル16、スペーサ15及びスプリングケース12とともに前記ナット10を前記本体9にねじ込むことによって前記本体9に流体密な状態で固定されている。
8はプランジャで、前記プランジャバレル11の内周に流体密な状態で往復摺動可能に嵌合されている。
【0008】
5はタペット、7はタペットスプリングであり、該タペット5は前記本体9の摺動孔9a内に往復摺動自在に嵌合されて、下端が前記プランジャ8の上端と当接され、上端がロッカアーム4側のコンタクトピース56と当接され、前記タペットスプリング7の弾力によりロッカアーム4側に押し付けられている。
55は前記プランジャ8にこれと同時に回転可能に嵌着されたピニオン、52は該ピニオン55と噛み合う燃料調量用のラックである。
54は前記プランジャバレル11に穿設された給排油孔、53は前記プランジャ8の上部に形成されるプランジャ室である。
【0009】
17は針弁で、前記噴射ノズル16の中心孔に流体密な状態で往復摺動自在に嵌合されている。
13は該針弁17を開弁方向に押圧する針弁スプリング、14は該針弁スプリング13用のばね受である。
57は燃料通路で、前記プランジャ室53と前記噴射ノズル16の燃料溜り(不図示)とを接続している。
【0010】
また、図5において、1は燃料カム、35はタペットローラであり、該タペットローラ35はフォロワ軸2aに枢支されたカムフォロワ2に回転自在に支持されている。
4はロッカアーム、40はロッカー軸、3はプッシュロッド、52’は該ロッカアーム4の端部にねじ込まれた調整ねじである。該調整ねじ52’の端部には先端面が球状のコンタクトピース51が設けられ、前記プッシュロッド3の上端の球面座3aに当接している。
【0011】
かかるユニットインジェクタ100の作動時において、燃料カム1の回転によりタペットローラ35がカムフォロワ2の揺動ともにリフトしてプッシュロッド3を押し上げている。
該プッシュロッド3の上方への移動によりロッカアーム4がロッカー軸40廻りに図5のZ矢印のように回動し、ロッカピース4a及びコンタクトピース56を介してユニットインジェクタ100のタペット5が下方に押し下げられる。
【0012】
該タペット5の下降とともにプランジャ8が下降して給排油孔54を閉じ、プランジャ室53内の燃料を加圧して燃料通路57から針弁17下部の燃料溜り(不図示)に押し込む。
そして、該燃料溜り内の圧力が針弁スプリング13の押付力即ち開弁圧力を上廻ると針弁17が開き、燃料溜り内の高圧燃料が噴射ノズル16の噴孔(不図示)から燃焼室32(図4参照)内に噴射される。
燃料噴射量の調整量はラック52及びピニオン55を介してプランジャ8を回転させその有効行程を変えることにより行なう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
かかるユニットインジェクタ100において、前記のような2つのロッカアーム4の図5のZ方向への回転によってコンタクトピース56とタペット5の上面とが圧接される際に、ロッカアーム4の回動による押圧力F1 はタペット5の中心線5aに対して角度θ傾斜して作用するため、タペット中心線5a方向の反力つまりプランジャ押付力FP の他にタペット5の上面に沿うすべり摩擦力、つまりスラスト力FT が作用する。
【0014】
このため、タペット5の往復動に伴ない前記スラスト力FT は本体9の摺動孔9aのタペット5の端部との接触部に集中的に作用することとなって該部の面圧が局部的に高くなるとともに、かかる集中接触部での油膜形成が充分になされずタペットの焼付きが発生し易くなる。
【0015】
また、かかる従来技術においては、前記タペット5は、その上端部がタペットスプリング7のばね受となって、摺動部よりも大径となっているため、ロッカー室44(図4参照)内における飛沫油がタペット5の摺動部つまり摺動孔9a内に入り難く、潤滑油が不足気味となっていることから、前記のようなスラスト力FT による焼付き発生がさらに起こり易くなる。
【0016】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、タペット摺動部の局部的な高面圧の発生及び油膜切れの発生を防止するとともに、該摺動部の潤滑状態を良好にして、タペット及び関連部材の焼付きの発生を未然に防止することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、燃料カムからリンク機構の端部部材であるロッカアームを介して往復動せしめられるタペットと、給排油孔が設けられたプランジャバレルと、該プランジャバレル内に嵌合され、前記タペットに押圧されて前記プランジャバレル内を往復動するプランジャとを含む噴射ポンプ部、並びに燃料噴射ノズルと該ノズルを開閉する針弁とを含む噴射弁部を、噴射管を介することなく一体に組みつけてなるユニットインジェクタであって、
前記タペットはその外径部を前記ユニットインジェクタ本体の摺動孔内に往復摺動自在に嵌合されて、下端が前記プランジャの上端と当接され、前記本体とタペット上端のバネ受けとの間に介装されたタペットスプリングの弾力によりロッカアーム側に押し付けられているユニットインジェクタにおいて、
前記タペットの前記ロッカアームの球面座との間に中心孔を設け、その中心孔を有底筒状に形成するとともに、該中心孔内に、その外径を前記タペットの中心孔の内径に対して所定の半径方向間隙を存するように設定されるプッシュロッドを挿設し、該プッシュロッド下側の当接部位置が、タペットと前記プッシュロッドとの間におけるすべり摩擦による水平方向力が極めて小さくなる、前記本体の摺動孔内に位置するタペット外周摺動部のほぼ中央位置まで挿設させ、該プッシュロッドの上側の当接部を凹状の球面座、下側の当接部を凸状の球面座を夫々形成し、前記ロッカアームの凸状球面座と前記プッシュロッドの上側の凹状球面座との間、及び該プッシュロッドの下側の凸状球面座と前記タペット凹状球面座との間をいずれも球面接触とし、且つタペットの有底筒部の底部近傍から前記外周摺動部に開口する油通路を設けていることを特徴とするユニットインジェクタを提案する。
【0021】
かかる発明によれば、ロッカアームの円弧運動に従がいプッシュロッドが僅かに傾斜してその上端面がコンタクトピースと、また下端面がタペットの中心孔の底面の球面座と夫々球面接触するので、前記円弧運動に伴ないプッシュロッドとタペットとの間における摩擦によるスラスト力が従来技術に比べて大幅に低減される。
【0022】
これによって該スラスト力の発生に伴なうタペット摺動部の片当りによる局部的な面圧上昇の発生が回避されるとともに、該摺動部における油膜の形成が均一になされ、タペット摺動部の焼付きの発生が防止される。
さらにタペットの中心孔内に潤滑油が貯められるので、タペットとプッシュロッドとの球状接触面は充分な潤滑がなされ、高い接触圧力に対して耐久性が向上する。
【0024】
かかる発明によれば、中心孔内に貯った潤滑油が油孔を通ってタペット外周の摺動部に送られて該摺動部を潤滑するので、該摺動部には充分な量の潤滑油が供給され、耐焼き付き性が更に向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0026】
図1は本発明の第1実施形態に係るユニットインジェクタ及びその駆動装置の要部断面図、図2は図1に対応する作動説明図である。
【0027】
図1〜図2において、100はユニットインジェクタ、1は燃料カムである。該燃料カム1はクランク軸(不図示)に連動され、4サイクルエンジンの場合、該クランク軸の1/2回転にて回転せしめられる。35はタペットローラであり、該タペットローラ35はフォロワ軸2aに枢支されたカムフォロワ2に回転自在に支持されている。4はロッカアーム、40はロッカー軸、3はプッシュロッド、52’は該ロッカアーム4の端部にねじ込まれた調整ねじである。該調整ねじ52’の端部には先端面が球状のコンタクトピース51が設けられ、前記プッシュロッド3の上端の球面座3aに当接している。
【0028】
前記ユニットインジェクタ100は次のように構成される。9は本体、11はプランジャバレル、16は噴射ノズル、15はスペーサ、12はスプリングケース、10はナットであり、前記プランジャバレル11は前記噴射ノズル16、スペーサ15及びスプリングケース12とともに前記ナット10を前記本体9にねじ込むことによって前記本体9に流体密な状態で固定されている。
【0029】
8はプランジャで、前記プランジャバレル11の内周に流体密な状態で往復摺動可能に嵌合されている。
55は前記プランジャ8にこれと同時に回転可能に嵌着さえれたピニオン、52は該ピニオン55と噛み合う燃料調量用のラックである。
54は前記プランジャバレル11に穿設された給排油孔、53は前記プランジャ8の上部に形成されるプランジャ室である。
17は針弁で、前記噴射ノズル16の中心孔に流体密な状態で往復摺動自在に嵌合されている。
【0030】
13は該針弁17を開弁方向に押圧する針弁スプリング、14は該針弁スプリング13用のばね受である。57は燃料通路で、前記プランジャ室53と前記噴射ノズル16の燃料溜(不図示)とを接続している。
以上の構成は図5に示す従来技術と同様である。
【0031】
本発明においては、プランジャ駆動用のタペット及びその周辺を改良している。
即ち、図1において、7はタペットスプリングであり、タペット5は前記本体9の摺動孔9a内に往復摺動自在に嵌合されて、下端が前記プランジャ8の上端と当接されている。前記タペット5は、その上端面から断定深さに亘って中心孔5aが穿設された有底円筒状に形成され、上部が飛沫油を受入れ容易なように広口の開口部5bとなっている。そして該中心孔5aの底面は、凹状の球面座63が形成されている。
【0032】
6は前記タペット5の中心孔5a内に挿設されたプッシュロッドである。
該プッシュロッド6は、その外径を前記タペット5の中心孔5aの内径に対して所定の半径方向間隙を存するように設定されるとともに、下端面が凸状球面に形成されて前記タペット5の球面座63に当接している。また該プッシュロッド6の上端面は凹状に形成された球面座62となっており、ロッカアーム4に固定されたコンタクトピース61の凸状球面と当接している。
【0033】
また前記ロッカアーム4の内部には油通路69が穿設され、該油通路69はその出口が前記タペット5の上面に向けて開口され、該油通路69からの潤滑油が前記タペット5の広口の開口部5bからの中心孔5a内の球面接触部及びタペット5の外周と摺動孔9aとの摺動部に容易に供給されるようにしている。
【0034】
かかる構成からなるユニットインジェクタ100の作動時において、燃料カム1の回転によりタペットローラ35がカムフォロワ2の揺動とともにリフトしてプッシュロッド3を押し上げる。
該プッシュロッド3の上方への移動によりロッカアーム4がロッカー軸40廻りに図1のZ矢印のように回動し、コンタクトピース61及びプッシュロッド6を介してユニットインジェクタ100のタペット5が下方に押し下げられる。
【0035】
該タペット5の下降とともにプランジャ8が下降して給排油孔54を閉じ、プランジャ室53内の燃料を加圧して燃料通路57から針弁17下部の燃料溜り(不図示)に押し込む。
そして該燃料溜り内の圧力が針弁スプリング13の押付力即ち開弁圧力を上廻ると針弁17が開き、燃料溜り内の高圧燃料が噴射ノズル16の噴孔(不図示)から燃焼室32(図4参照)内に噴射される。
図2は前記プランジャ8が最大ストロークまで押し下げられた状態を示す。
燃料噴射量の調量はラック52及びピニオン55を介してプランジャ8を回転させその有効行程を変えることにより行なう。
【0036】
かかる作動時において、ロッカアーム4のZ矢印方向の回動によってコンタクトピース61がプッシュロッド6の球面座62を押圧し、該プッシュロッド6の下端の凸状球面がタペット5の球面座63を押圧することにより、該タペット5はタペットスプリング7の弾力に抗して押し下げられ、これに伴ないプランジャ8が押し下げられる。
【0037】
この際において、ロッカアーム4のZ矢印方向の回動(揺動)に伴ないコンタクトピース61の当接面も円弧運動をするが、前記プッシュロッド6の上端の球面座62とコンタクトピース61の凸状球面とが球状面にて接触し、かつ該プッシュロッド6の下端の凸状球面とタペット5の球面座63との接触面も球状面であるため、前記ロッカアーム4及びコンタクトピース61の円弧運動に応じて前記プッシュロッド6がすべり抵抗を伴なうことなく僅かに傾斜してロッカアーム4からの押圧力をタペット5に伝達する。
【0038】
このため、タペット5と前記プッシュロッド6との間におけるすべり摩擦による水平方向力、つまり前記スラスト力は極めて小さくなり、従ってかかるスラスト反力の発生に伴なうタペット5の摺動部の片当りによる局部的な面圧上昇の発生が回避されるとともに、潤滑油膜の形成が均一になされる。
また、前記スラスト反力の発生が僅かにあったとしても、その力点がタペット5の摺動面内での作用となるので、前記タペット5の摺動面における片当りの発生は無い。
【0039】
以上のように、かかる実施形態によれば、タペット摺動部における片当りや局部的な高面圧の発生が阻止されるとともに、潤滑油のタペット摺動部への供給も支障なくなされて油膜が確実に保持され、潤滑不足による焼付きの発生が回避される。
また、前記タペット5の中心孔5a内に潤滑油が貯められるので、プッシュロッド6とタペット5の球面座63との接触部は充分な潤滑がなされ、高い接触圧力に対応できる。
【0040】
図3は本発明の第2実施形態に係るユニットインジェクタのタペット近傍の要部断面図である。
この実施形態においては、タペット5の中心孔5a内の底部近傍から、該タペット5と本体9の摺動孔9aとの摺接面に向けて複数(一個でもよい)の小径油孔71、72を設けている。
また、ロッカアーム4内の油通路69から分岐された油通路69aを設けて油通路69を通った油潤滑油の一部をプッシュロッド6の上端の球面座62とコンタクトピース61の凸状球面との球状接触面に供給するように構成している。
【0041】
かかる実施形態において、ロッカアーム4の油通路69を通った潤滑油及びロッカー室44内の飛沫油は開口部69bからタペット5の上面に落ちた後広口の開口部5bから中心孔5a内に流れ込み、該中心孔5a内に貯って球面座63を潤滑するとともに、油孔71、72を通ってタペット5の外周と摺動孔9aとにより形成される摺動部に送られ、該摺動部を潤滑する。
【0042】
この実施形態においては、中心孔5a内に貯った潤滑油を油孔71、72を通してタペットの外周と本体9の摺動孔9aとの摺動部に供給するので、該摺動部における潤滑油不足の発生は完全に回避され、充分な潤滑がなされ、前記第1実施形態よりもさらに耐焼き付き性が向上する。
【0043】
また、前記実施形態の他、前記プッシュロッド6の下面を前記第1、第2実施形態と同様凸状球面に形成して、タペット5の中心孔5aの底部に形成された凹状の球面座63に当接させ、該プッシュロッド6の上面を凸状球面に形成するとともにコンタクトピース61に凹状の球面座を形成して該プッシュロッド6の凸状球面に当接するように構成していてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、タペットとロッカアームとの間にプッシュロッドを介装して該プッシュロッドとロッカアーム側及びタペット側とを球面接触したので、タペットの接触部におけるスラスト力が従来技術に較べて大幅に低減される。
【0045】
これによって該スラスト力の発生に伴なうタペット摺動部の片当りによる局部的な面圧上昇の発生が回避されるとともに、該摺動部における油膜の形成が均一になされ、タペット摺動部の焼付きの発生を防止することができる。
さらに、タペットの中心孔内に潤滑油が貯められるので、タペットプッシュロッドとの球状接触面は充分な潤滑がなされ、高い接触圧力に対して耐久性が向上する。
【0046】
また本発明のように構成すれば、中心内に貯った潤滑油が油孔を通ってタペット外周の摺動部に送られて該摺動部を潤滑するので、該摺動部には充分な量の潤滑油が供給され、耐焼付き性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るユニットインジェクタ及びその駆動装置の要部断面図である。
【図2】 上記実施形態における作動説明用の図1の対応図である。
【図3】 本発明の第2実施形態を示すタペット部近傍の要部断面図である。
【図4】 ユニットインジェクタを備えた4サイクルディーゼルエンジンの要部断面図である。
【図5】 従来技術に係るユニットインジェクタを示す図1の対応図である。
【符号の説明】
4 ロッカアーム
5 タペット
5a 中心孔
6 プッシュロッド
8 プランジャ
9 本体
9a 摺動孔
11 プランジャバレル
40 ロッカー軸
44 ロッカー室
53 プランジャ室
54 給排油孔
61 コンタクトピース
62,63 球面座
69 油通路
71、72 油孔
100 ユニットインジェクタ
Claims (1)
- 燃料カムからリンク機構の端部部材であるロッカアームを介して往復動せしめられるタペットと、給排油孔が設けられたプランジャバレルと、該プランジャバレル内に嵌合され、前記タペットに押圧されて前記プランジャバレル内を往復動するプランジャとを含む噴射ポンプ部、並びに燃料噴射ノズルと該ノズルを開閉する針弁とを含む噴射弁部を、噴射管を介することなく一体に組みつけてなるユニットインジェクタであって、
前記タペットはその外径部を前記ユニットインジェクタ本体の摺動孔内に往復摺動自在に嵌合されて、下端が前記プランジャの上端と当接され、前記本体とタペット上端のバネ受けとの間に介装されたタペットスプリングの弾力によりロッカアーム側に押し付けられているユニットインジェクタにおいて、
前記タペットの前記ロッカアームの球面座との間に中心孔を設け、その中心孔を有底筒状に形成するとともに、該中心孔内に、その外径を前記タペットの中心孔の内径に対して所定の半径方向間隙を存するように設定されるプッシュロッドを挿設し、該プッシュロッド下側の当接部位置が、タペットと前記プッシュロッドとの間におけるすべり摩擦による水平方向力が極めて小さくなる、前記本体の摺動孔内に位置するタペット外周摺動部のほぼ中央位置まで挿設させ、該プッシュロッドの上側の当接部を凹状の球面座、下側の当接部を凸状の球面座を夫々形成し、前記ロッカアームの凸状球面座と前記プッシュロッドの上側の凹状球面座との間、及び該プッシュロッドの下側の凸状球面座と前記タペット凹状球面座との間をいずれも球面接触とし、且つタペットの有底筒部の底部近傍から前記外周摺動部に開口する油通路を設けていることを特徴とするユニットインジェクタ。
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