JP3788373B2 - 高圧燃料ポンプの給油装置 - Google Patents

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    • F02M63/0001Fuel-injection apparatus with specially arranged lubricating system, e.g. by fuel oil

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転運動するカムによりプランジャを駆動する高圧燃料ポンプに関し、特に、カムに当接して往復運動するリフタを潤滑するための給油装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば高圧噴射型の内燃機関に用いられる高圧燃料ポンプとして、カムシャフトに設けられたカムにより有底円筒状のリフタを介してポンププランジャを往復運動させるように構成したものが知られている。このような高圧燃料ポンプにおいては、リフタガイド内で摺動するリフタを潤滑する給油装置が必要であり、例えば特開平8−49632号公報には、リフタガイドとリフタとの間の摺動面に潤滑油を供給するようにリフタガイド内壁面に給油孔を開口形成し、かつこの給油孔を、リフタ自体をバルブとしてリフタの上下動に伴って開閉させるようにした構成の給油装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成においては、リフタの上死点時あるいは下死点時に給油孔が完全に開放されるため、ポンプ作動時における内燃機関全体の油圧系統の油圧変動が大きくなり、他の摺動部へ供給される給油量が変動し、油圧系統全体の潤滑油量が少ない期間において、他の摺動部での焼き付きや摩耗を招来する虞がある。これを回避するには、オリフィスなどの流量制御手段が必要であり、コストの上昇を招いてしまう。
【0004】
またポンプ作動時に、リフタ側面には、カムの回転方向との関係で定まる所定の面圧分布が生じるが、上記公報の装置では、この面圧との関係が考慮されていない。面圧が高い位置に給油孔を配置すると、給油孔面積分だけ受圧面積が減少し、面圧がさらに増加する虞がある。また、給油圧力に対して面圧が高くなり、リフタ側面への給油量が不足することがある。これらの結果、リフタおよびリフタガイドに、焼き付きや摩耗が発生しやすくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、請求項1のように、上下に駆動されることで燃料を加圧するポンププランジャと、このポンププランジャの下端に対向して設けられるとともに、リフタガイド内に上下に摺動可能に嵌合した有底円筒状のリフタと、このリフタの底面に当接し、かつ該リフタを上下動させるように回転運動するカムと、を備えてなる高圧燃料ポンプにおいて、
上記リフタガイドと上記リフタとの間の摺動面に潤滑油を供給する一対の給油孔が上記リフタガイドの内壁面に開口形成されており、この一対の給油孔は、上記リフタが下死点にあるときにリフタ上縁から開放される同一の高さ位置に設けられ
かつ上記給油孔は、リフタガイドの周方向において、カム回転方向に沿ってリフタガイド内壁面の周方向の一部に形成される高面圧領域を避けて、かつこれに隣接した位置に開口し、一対の給油孔が、リフタガイドの半径線を挟んで高面圧領域の両側に互いに対称に配置されている。
望ましくは、上記リフタが下死点にあるときに、上記給油孔の一部がリフタ上縁から開放されるとともに残部がリフタ外周面に覆われる。
【0006】
これにより、リフタが下死点に達したときに、給油孔から一部の潤滑油がリフタ内に供給され、例えばポンププランジャ下端とリフタとの接触部などを潤滑する。そして、一部の潤滑油は、リフタとリフタガイドとの間の摺動面つまり両者間のクリアランスに供給される。このように給油孔が部分的に開放されるので、油圧低下は小さい。
【0007】
特に請求項2の発明では、上記リフタ上縁に、面取部が設けられており、下死点時に、この面取部を介して上記の給油孔の一部が開放されるようになっている。つまり、面取部を介してリフタ内へ潤滑油が供給される。
【0008】
第2の発明では、請求項3のように、給油孔が下側に設けられる。すなわち、上記リフタガイドと上記リフタとの間の摺動面に潤滑油を供給する一対の給油孔が上記リフタガイドの内壁面に開口形成されており、この一対の給油孔は、上記リフタが上死点にあるときにリフタ下縁から開放される同一の高さ位置に設けられ
かつ上記給油孔は、リフタガイドの周方向において、カム回転方向に沿ってリフタガイド内壁面の周方向の一部に形成される高面圧領域を避けて、かつこれに隣接した位置に開口し、一対の給油孔が、リフタガイドの半径線を挟んで高面圧領域の両側に互いに対称に配置されている。
望ましくは、上記リフタが上死点にあるときに、上記給油孔の一部がリフタ下縁から開放されるとともに残部がリフタ外周面に覆われる。
【0009】
これにより、リフタが上死点に達したときに、給油孔から一部の潤滑油がリフタ下方へ噴出し、カムとリフタとの接触部などを潤滑する。そして、一部の潤滑油は、リフタとリフタガイドとの間の摺動面つまり両者間のクリアランスに供給される。このように給油孔が部分的に開放されるので、油圧低下は小さい。
ここで、上記の第1および第2の発明では、高面圧領域を避けつつこれに隣接した位置に一対の給油孔が対称に配置される。すなわち、回転運動するカムによってリフタが上下動するので、カムの回転方向に沿ってリフタガイド内壁面の周方向の一部で、最も面圧が高くなり、カムの回転方向と直交する方向では、面圧は基本的に0となる。なお、上述したようにリフタが傾くことから、カムの回転方向に沿った2方向で高面圧領域が生じる。この高面圧領域を避けて給油孔を開口させることで、高面圧領域での受圧面積の減少ひいては面圧の増加が回避される。
そして、特に、上記給油孔が、リフタガイドの半径線を挟んで高面圧領域の両側に互いに対称に配置された同一高さ位置にある一対の給油孔から構成されているため、高面圧領域での受圧面積減少を回避しつつ高面圧領域への確実な給油が可能となる。
【0010】
第3の発明は、請求項7のように、上下に駆動されることで燃料を加圧するポンププランジャと、このポンププランジャの下端に対向して設けられるとともに、リフタガイド内に上下に摺動可能に嵌合した有底円筒状のリフタと、このリフタの底面に当接し、かつ該リフタを上下動させるように回転運動するカムと、を備えてなる高圧燃料ポンプにおいて、
上記リフタガイドと上記リフタとの間の摺動面に潤滑油を供給する上部の給油孔と下部の給油口とが上記リフタガイドの内壁面にそれぞれ開口形成されており、上部の給油孔は、上記リフタが下死点にあるときにリフタ上縁から開放される高さ位置に設けられ、下部の給油孔は、上記リフタが上死点にあるときにリフタ下縁から開放される高さ位置に設けられ、
リフタガイドの周方向において、下部の給油孔は、カム回転方向に沿ってカムロブがリフタ底面に初期当接する側に位置し、かつ上部の給油孔は、この下部の給油孔とは反対側に位置していることを特徴としている。
望ましくは、上記リフタが下死点にあるときに、上部の給油孔の一部がリフタ上縁から開放されるとともに残部がリフタ外周面に覆われ、かつ、上記リフタが上死点にあるときに、下部の給油孔の一部がリフタ下縁から開放されるとともに残部がリフタ外周面に覆われる。
【0011】
これにより、上部の給油孔からリフタ内へ一部の潤滑油が供給されて、ポンププランジャ下端とリフタとの接触部などを潤滑し、また下部の給油孔からリフタ下方へ一部の潤滑油が噴出して、カムとリフタとの接触部などを潤滑する。
【0012】
また、リフタガイドの周方向において、下部の給油孔は、カム回転方向に沿ってカムロブがリフタ底面に初期当接する側に位置し、かつ上部の給油孔は、この下部の給油孔とは反対側に位置している
【0013】
これは、カム作用に伴うリフタの傾きを考慮したものであり、一般にカムはそのピークリフト時にリフタ底面のほぼ中央を押圧するように配置されるので、リフトの開始時つまりカムロブがリフタ底面に初期当接する瞬間には、リフタ底面の中心から一方へ片寄った位置が上方へ押圧される。そのため、リフタガイド内でリフタが傾斜し、リフタの上縁は、上記の初期当接点と周方向の反対側へ接近し、逆に、リフタの下縁は、上記の初期当接点が位置する方向へ接近する。従って、上縁が接近する方向の位置に上部の給油孔を配置し、下縁が接近する方向の位置に下部の給油孔を配置することで、それぞれに良好な潤滑が行える。
【0017】
また請求項の発明では、上記の一対の給油孔が、上記高面圧領域を挟んで両側に位置し、かつそれぞれの開口中心を通るリフタガイドの半径線に対して、上記高面圧領域側を指向するように互いに内側に傾いて形成されている。
【0018】
このように給油孔がリフタガイド半径線に対し傾斜していることにより、リフタガイドとリフタとの間のクリアランスに供給された潤滑油が、その傾斜に沿って流れようとする。そのため、一対の給油孔に挟まれた高面圧領域に向かって両側から積極的に潤滑油が送り込まれ、高面圧領域が確実に潤滑される。
【0019】
【発明の効果】
この発明に係る高圧燃料ポンプの給油装置によれば、リフタの上死点時あるいは下死点時に給油孔が開放される際に、給油孔の一部のみが開放され、残部はリフタに覆われるので、油圧系統の油圧変動が比較的小さくなり、他の摺動部への悪影響を回避できる。
【0020】
特に、高面圧領域を避けつつこれに隣接して両側に一対の給油孔を配置することで、高面圧領域での受圧面積の低下による面圧の一層の増加を防止し、かつ高面圧領域の確実な潤滑を達成できる。
【0021】
また特に、請求項のように上部および下部の給油孔を配置することにより、カムの回転によるスラスト力を受けるリフタとリフタガイドとの間を確実に潤滑することができ、その局部的な摩耗や焼き付きを防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、この発明に係る高圧燃料ポンプ1の全体的な構成を示しており、また図2は、この高圧燃料ポンプ1が用いられる筒内直接噴射式内燃機関の燃料系統を示している。
【0024】
図2において、2は燃料タンク、3はこの燃料タンク2内に配置された低圧のフィードポンプ、4はこのフィードポンプ3を駆動する電動モータ、5は燃料フィルタ、6は低圧プレッシャレギュレータ、をそれぞれ示しており、上記フィードポンプ3によって吐出された燃料は、上記低圧プレッシャレギュレータ6によって所定圧(例えば0.3〜0.5MPa)に調圧された上で、低圧燃料通路7を介して高圧燃料ポンプ1へ導入される。この高圧燃料ポンプ1は、後述するように内燃機関のクランクシャフトに連動するカムシャフト20によって機械的に駆動されるもので、この高圧燃料ポンプ1によって高圧(例えばピーク圧で10〜20MPa)に加圧された燃料は、高圧燃料通路8を通して各気筒の燃料噴射弁9に供給され、エンジンコントロールモジュール11からの噴射信号に従って各気筒に噴射される。上記高圧燃料通路8内の燃料圧力は燃圧センサ10によって検出されており、これに基づいて高圧燃料ポンプ1の吐出量が制御され、任意の燃圧に可変的に制御できるようになっている。なお、高圧燃料通路8から燃料タンク2へ至るリリーフ通路12がリリーフ弁13とともに設けられており、また高圧燃料ポンプ1から漏洩した低圧燃料がリターン通路14を介して燃料タンク2へ戻るようになっている。
【0025】
上記カムシャフト20としては、内燃機関の動弁系のカムシャフトを兼ねた構成とすることが一般的であり、つまり動弁系カムシャフト20の適宜位置に、ポンプ駆動用の一対のカムロブ21が形成されている。そして、図1に示すように、上記高圧燃料ポンプ1は、このカムシャフト20の上方となるように例えばシリンダヘッド22の上部に取り付けられている。上記高圧燃料ポンプ1は、ポンプ取付部材を兼ねたリフタガイド23と、このリフタガイド23にオイルシール24を介して固定されたポンプハウジング25と、このポンプハウジング25の中心部に上下動可能に配置された円柱状のポンププランジャ26と、前述したように吐出量を可変制御するための電磁制御弁27と、を備えている。上記ポンププランジャ26は、ポンプハウジング25から下方へ突出した下端26aがリフタ28を介して上記カムシャフト20により押圧されるようになっており、かつ上端26bが加圧室29内の燃料を加圧している。このポンププランジャ26とポンプハウジング25との間は、シール部材31によってシールされている。上記ポンプハウジング25は、上記低圧燃料通路7が接続される低圧燃料入口32と、上記高圧燃料通路8が接続される高圧燃料出口33と、を有しており、上記低圧燃料入口32は、電磁制御弁27の弁体27aを介して上記加圧室29に接続され、上記高圧燃料出口33は逆止弁34を介して上記加圧室29に接続されている。上記電磁制御弁27は、上記弁体27aの開閉タイミングを制御することで、ポンププランジャ26のストロークに伴って加圧室29から高圧燃料出口33へと吐出される吐出量を可変制御している。
【0026】
上記リフタ28は、円筒状の側壁部28aとその下端の底壁部28bとからなる有底円筒状をなしており、リフタガイド23の円筒形のガイド孔41内に摺動可能かつ回転可能に嵌合している。このリフタ28は、上記ポンププランジャ26に対し同心状に配置され、該ポンププランジャ26の下端26aが上記底壁部28bの内側面つまり上面に当接している。また、内周側に配置されたリターンスプリング42によって常時カムシャフト20へ向けて付勢されており、底壁部28bの底面つまり下面がカムロブ21に当接するようになっている。従って、このリフタ28は、カムシャフト20の回転に伴うカムロブ21のカム作用によって上下動し、これと一体にポンププランジャ26を往復動作させることになる。なお、カムロブ21の最大リフト時に、図2の方向から見て、カムロブ21がリフタ28の中央を押圧するように、カムシャフト20の中心線とリフタ28の中心線とは互いに直交する位置関係にある。
【0027】
上記リフタ28とリフタガイド23との間は、シリンダヘッド22およびリフタガイド23の内部に設けられた潤滑油通路43を通して供給される内燃機関の潤滑油によって潤滑されている。
【0028】
図3および図4は、上記リフタ28およびその潤滑機構の詳細を示している。また、図5および図6は、ポンプ作動中のリフタ28の挙動およびこれにより発生する面圧を説明するものであって、図5に示すように、カムシャフト20が矢印ω方向へ回転するものとすると、リフタ28の底面におけるカムロブ21の初期の当接点Cは、リフタ28の中心よりも図の右側となる。そして、ポンププランジャ26による燃料の加圧が開始すると、図示するように、ポンプ荷重F1がポンププランジャ26の中心線に沿って作用し、かつC点にこのポンプ荷重F1の反力F2が作用するが、両者が互いにオフセットしていることから、リフタ28は図示のように反時計回り方向に傾く。さらに、カムシャフト20の回転方向ωに沿って、リフタ28を水平方向の一方へ付勢する押し付け荷重F3が作用する。この結果、リフタ28は、図中にA部およびB部として示す半径方向の2方向でリフタガイド23のガイド孔41内周面に強く圧接する。A部はリフタ28の上部が当接し、またB部はリフタ28の下部が当接することとなるが、A部は、上記の押し付け荷重F3を受けることから、B部に比べて面圧が高くなり、つまり周方向で最も高い面圧が発生する。図6は、このリフタ28の周方向に沿った面圧の分布を示したものであり、半径方向の拡がりが面圧の大きさを表しているが、図示するように、面圧が発生するのは、カムロブ21の回転方向に沿ったA部およびB部の2箇所のみであり、これを除く領域、例えば上記回転方向と直交する方向では、面圧は0である。なお、図中のA’点が最大面圧発生点である。
【0029】
図3および図4に示す第1の実施例は、主に上記のA部における潤滑を考慮したものであり、図4に示すように、上記潤滑油通路43の出口となる一対の給油孔51が、高面圧領域であるA部を挟んで、その両側に開口形成されている。より詳しくは、A部の面圧が0となる点(D点)が、その開口径内に含まれるように、円形に開口しており、また、ガイド孔41の半径線rに沿った方向に形成されている。これらの2つの給油孔51は、ガイド孔41の軸方向については、同一の高さ位置に形成されており、特に、図3に示すように、リフタ28が下死点位置にあるときに、給油孔51の先端開口が部分的に開放される高さ位置に配置されている。詳しくは、リフタ28の側壁部28a上縁に、テーパ面からなる面取部52が形成されており、リフタ28が下死点位置にあるときに、側壁部28aの垂直面とこの面取部52との境界線53が、給油孔51の先端開口と交差する位置、例えば先端開口の中心を通る位置、となるように、給油孔51の高さ位置が設定されている。なお、図3のように、リフタ28の底壁部28bには、複数の連通孔54が貫通形成されている。
【0030】
上記のような構成においては、内燃機関の図示せぬオイルポンプにより加圧された潤滑油が、上記給油孔51から常時吐出され、主に、リフタ28とガイド孔41との間のクリアランス55に供給される。図4に示すように、一対の給油孔51から高面圧領域であるA部の両側に潤滑油が供給されるので、このA部付近を確実に潤滑でき、しかも、給油孔51が高面圧領域には開口していないことから、その面圧増加を招くことがない。そして、リフタ28が下死点位置となると、図3に示すように給油孔51の上部が部分的に開放される。そのため、一部の潤滑油はクリアランス55に流れるものの、一部の潤滑油が、矢印で示すように、面取部52から側壁部28aを乗り越えてリフタ28内側へ流入する。これにより、ポンププランジャ26下端26aとリフタ28底壁部28bとの接触部やリターンスプリング42などが潤滑される。さらに、リフタ28内部の潤滑油は連通孔54を介して下方へ滴下し、これによって、カムシャフト20とリフタ28との接触部が潤滑される。ここで、上記給油孔51は、リフタ28の下死点位置においても一部のみが開放されるので、潤滑油通路43側の油圧低下は比較的小さく、他の摺動部の潤滑性能に与える影響が小さい。つまり、潤滑系全体での油圧変動を抑制しつつリフタ28内側を含む各部の確実な潤滑が可能となる。また上記実施例では、面取部52を介して給油孔51が開閉されるので、側壁部28aの軸方向の長さを過度に短縮せずに給油孔51の開閉が可能であり、リフタ28の安定した往復動作を損なわずに、リフタ28による給油孔51の開閉を実現できる。
【0031】
次に、図7は、一対の給油孔51の形成方向を変更した第2の実施例を示している。この実施例では、図示するように、給油孔51の開口中心を通るガイド孔41の半径線rに対して、各給油孔51が、高面圧領域つまりA部を指向するように互いに内側に傾いて形成されている。なお、面圧が0となる点(D点)を含む位置に各給油孔51が開口しているのは、前述した実施例と同様である。このように給油孔51が傾いていることにより、ガイド孔41とリフタ28との間のクリアランス55に供給された潤滑油が、高面圧領域に向かって案内されることになり、高面圧領域つまりA部が、より一層積極的に潤滑される。
【0032】
次に、図8は、上記のようにA部に配置した上部の給油孔51に加えて、上述したB部に、下部の給油孔56を付加した第3の実施例を示している。この下部の給油孔56は、上部の給油孔51と同様に、B部を挟んで対称に配置された一対の給油孔56からなり、かつB部における面圧が0となる位置に開口している。そして、ガイド孔41の軸方向については、リフタ28が上死点位置にあるときに、各給油孔56の先端開口がリフタ28下縁によって部分的に開放される高さ位置に配置されている。
【0033】
従って、この構成では、A部の次に面圧が高い高面圧領域となるB部についても一対の給油孔56によって確実に潤滑され、局部的な摩耗や焼き付きを確実に防止できる。また、リフタ28が上死点位置に達したときに、給油孔56の一部が開放され、カムロブ21へ向けて潤滑油が吹きかけられる。従って、カムロブ21とリフタ28との間を一層確実に潤滑することができる。このとき、やはり給油孔56の一部のみが開放されることから、油圧低下は小さなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る高圧燃料ポンプの構成説明図。
【図2】この高圧燃料ポンプが用いられる燃料系統全体の説明図。
【図3】この発明の第1の実施例を示す要部の断面図。
【図4】図3のE−E線に沿った断面図。
【図5】ポンプ作動時のリフタの挙動および力の関係を示す説明図。
【図6】リフタとガイド孔との間の面圧分布を示す説明図。
【図7】第2の実施例を示す図4と同様の断面図。
【図8】第3の実施例を示す図3と同様の断面図。
【符号の説明】
1…高圧燃料ポンプ
20…カムシャフト
21…カムロブ
23…リフタガイド
26…ポンププランジャ
28…リフタ
41…ガイド孔
51,56…給油孔
52…面取部

Claims (8)

  1. 上下に駆動されることで燃料を加圧するポンププランジャと、このポンププランジャの下端に対向して設けられるとともに、リフタガイド内に上下に摺動可能に嵌合した有底円筒状のリフタと、このリフタの底面に当接し、かつ該リフタを上下動させるように回転運動するカムと、を備えてなる高圧燃料ポンプにおいて、
    上記リフタガイドと上記リフタとの間の摺動面に潤滑油を供給する一対の給油孔が上記リフタガイドの内壁面に開口形成されており、この一対の給油孔は、上記リフタが下死点にあるときにリフタ上縁から開放される同一の高さ位置に設けられ
    かつ上記給油孔は、リフタガイドの周方向において、カム回転方向に沿ってリフタガイド内壁面の周方向の一部に形成される高面圧領域を避けて、かつこれに隣接した位置に開口し、一対の給油孔が、リフタガイドの半径線を挟んで高面圧領域の両側に互いに対称に配置されていることを特徴とする高圧燃料ポンプの給油装置。
  2. 上記リフタ上縁に、面取部が設けられており、下死点時に、この面取部を介して上記の給油孔の一部が開放されることを特徴とする請求項1に記載の高圧燃料ポンプ。
  3. 上下に駆動されることで燃料を加圧するポンププランジャと、このポンププランジャの下端に対向して設けられるとともに、リフタガイド内に上下に摺動可能に嵌合した有底円筒状のリフタと、このリフタの底面に当接し、かつ該リフタを上下動させるように回転運動するカムと、を備えてなる高圧燃料ポンプにおいて、
    上記リフタガイドと上記リフタとの間の摺動面に潤滑油を供給する一対の給油孔が上記リフタガイドの内壁面に開口形成されており、この一対の給油孔は、上記リフタが上死点にあるときにリフタ下縁から開放される同一の高さ位置に設けられ
    かつ上記給油孔は、リフタガイドの周方向において、カム回転方向に沿ってリフタガイド内壁面の周方向の一部に形成される高面圧領域を避けて、かつこれに隣接した位置に開口し、一対の給油孔が、リフタガイドの半径線を挟んで高面圧領域の両側に互いに対称に配置されていることを特徴とする高圧燃料ポンプの給油装置。
  4. 上記の一対の給油孔が、上記高面圧領域を挟んで両側に位置し、かつそれぞれの開口中心を通るリフタガイドの半径線に対して、上記高面圧領域側を指向するように互いに内側に傾いて形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高圧燃料ポンプ。
  5. 上記リフタが下死点にあるときに、上記給油孔の一部がリフタ上縁から開放されるとともに残部がリフタ外周面に覆われることを特徴とする請求項1に記載の高圧燃料ポンプの給油装置。
  6. 上記リフタが上死点にあるときに、上記給油孔の一部がリフタ下縁から開放されるとともに残部がリフタ外周面に覆われることを特徴とする請求項3に記載の高圧燃料ポンプの給油装置。
  7. 上下に駆動されることで燃料を加圧するポンププランジャと、このポンププランジャの下端に対向して設けられるとともに、リフタガイド内に上下に摺動可能に嵌合した有底円筒状のリフタと、このリフタの底面に当接し、かつ該リフタを上下動させるように回転運動するカムと、を備えてなる高圧燃料ポンプにおいて、
    上記リフタガイドと上記リフタとの間の摺動面に潤滑油を供給する上部の給油孔と下部の給油口とが上記リフタガイドの内壁面にそれぞれ開口形成されており、上部の給油孔は、上記リフタが下死点にあるときにリフタ上縁から開放される高さ位置に設けられ、下部の給油孔は、上記リフタが上死点にあるときにリフタ下縁から開放される高さ位置に設けられ
    リフタガイドの周方向において、下部の給油孔は、カム回転方向に沿ってカムロブがリフタ底面に初期当接する側に位置し、かつ上部の給油孔は、この下部の給油孔とは反対側に位置していることを特徴とする高圧燃料ポンプの給油装置。
  8. 上記リフタが下死点にあるときに、上部の給油孔の一部がリフタ上縁から開放されるとともに残部がリフタ外周面に覆われ、かつ、上記リフタが上死点にあると きに、下部の給油孔の一部がリフタ下縁から開放されるとともに残部がリフタ外周面に覆われることを特徴とする請求項7に記載の高圧燃料ポンプの給油装置。
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