JP2010248974A - 高圧燃料ポンプ - Google Patents

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竜也 横越
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【課題】ローラリフタとリフタハウジングとの適正なクリアランスを維持しつつ、ローラリフタとリフタハウジングとの間で生ずる打音を低減することができる高圧燃料ポンプを提供すること。
【解決手段】駆動カム32と摺接するローラ73、シャフト72、ローラリフタ53、リフタハウジング54、スプリング55およびプランジャ52を備え、リフタハウジング54の軸線Laが、駆動カム32の軸心Pcを通るよう、ローラリフタ53がリフタハウジング54に支持されるとともに、シャフト72の軸線Lbが、ローラリフタ53の軸線と直交する方向にローラリフタ53の軸線から距離dだけ離隔した位置に配置されるようシャフト72がローラリフタ53に支持され、ローラリフタ53が往復運動をする間、ローラリフタ53の側壁面部71aがリフタハウジング54の内壁面部54gを一定の方向に押圧するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、高圧燃料ポンプ、特に、駆動カムの回転運動により往復運動するローラリフタを備えた高圧燃料ポンプに関する。
一般に、高圧燃料ポンプは、駆動カムと摺接して回転するローラと、このローラを支持するローラリフタと、このローラリフタを往復運動可能に収容するリフタハウジングを備え、吸入された燃料を高圧にして吐出するよう構成されている。この高圧燃料ポンプにおいては、駆動カムの回転運動がローラリフタの往復運動に変換される際、駆動カムとローラとの接触部分に接触圧が生ずるとともに、ローラリフタとリフタハウジングとの接触部分に側圧が生じ、それぞれの接触部分の摩耗が促進されてしまう。また、ローラリフタがリフタハウジングに衝突して打音が発生することがあり、これらの接触圧および側圧の低減対策や打音の低減対策が施されている。
従来、この種の高圧燃料ポンプとして、駆動カムとしてのポンプカムと、ローラおよびローラリフタとしてのポンプタペットと、リフタハウジングとしてのシリンダブロックとを備え、ポンプカムをその外周面の一部が平面を有するよう径方向に突出させた接線カムで構成するとともに、ポンプタペットの軸線を接線カムの軸線からオフセットさせたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この高圧燃料ポンプにおいては、図19(a)に示すように、ポンプタペットのローラ1の軸線Lrを接線カム2の軸線Lcから距離eだけオフセットさせることにより、ローラ1の軸線Lrとローラ1の軸心Prからカム面2aに下した垂線Lvとのなす角θを、オフセットさせない場合と比較して小さくし、カム面2aの接触圧と図示しないポンプタペットのシリンダブロックに対する側圧を低減するようにしている。
すなわち、この高圧燃料ポンプにおいては、ローラ1を接線カム2に押圧させる方向に付勢するスプリングの付勢力により、ローラ1と接線カム2との接触部分2bに反力Fが生ずる。この反力Fは、ローラ1の軸心Prで軸線Lr方向には、分力Fvが作用し、ローラ1の軸心Prを通り軸線Lrに直交する方向には、分力Fhが作用する。そしてこのなす角θが小さくなるほど、分力Fhは小さくなり、また、なす角θが小さくなるほど、分力Fvは大きくなる。すなわち、なす角θが小さくなるほど、接線カム2に生ずる小さい反力Fで、スプリングの付勢力に対して対抗することができるので、カム面2aの接触圧が減少する。また、なす角θは、オフセットの距離eが大きくなるほど小さくなる。
特開平5−272428号公報
しかしながら、前述の高圧燃料ポンプにおいては、ポンプカムを接線カム2で構成するとともに、ローラ1の軸線Lrを接線カム2の軸線Lcからオフセットさせているので、図19(a)に示すように、ローラ1と接線カム2の接触部分2bがカム面2a上にあるときは、分力Fhが、中心Prから軸線Lc方向に作用している。その結果、ポンプタペットの軸線Lc側の側面がシリンダブロックの内周面に所定の側圧が加わった状態で接触している。
他方、図19(b)に示すように、ローラ1と接線カム2の接触部分2bがベース面2c上にあるときは、分力Fhが、中心Prから軸線Lcと離隔する方向に作用している。
その結果、ポンプタペットの軸線Lcと離隔する側の側面がシリンダブロックの内周面に所定の側圧が加わった状態で接触している。
したがって、ローラ1と接線カム2の接触部分2bが、カム面2a上から、ベース面2c上に移る間に、分力Fhの方向が逆方向に切り替わることになる。この切り替わり時に、ポンプタペットの姿勢が反転し、この反転によりポンプタペットがシリンダブロックに衝突して、ポンプタペットとシリンダブロックとの間で打音が発生してしまうという問題があった。この場合、衝突による衝撃を小さくして打音を低減させるため、ポンプタペットの側面とシリンダブロックの内周面との間の隙間、いわゆるクリアランスを小さくすることが考えられる。
しかしながら、このクリアランスを小さくすると、ローラ1と接線カム2との接触部分が構成要素の寸法のばらつきや、構成要素の組付けのばらつきにより、点接触のような部分的な接触になった場合に、この部分的な接触を回避して、ローラ1の軸線Lrと接線カム2の軸線Lcとが一致したいわゆる線接触にすることが困難となってしまう。このような部分的な接触状態で高圧燃料ポンプが稼動すると、接線カム2の摩耗が促進されてしまい、高圧燃料ポンプの吐出圧力などの制御に悪影響がでるおそれもあり好ましくない。逆に、このクリアランスを大きくすると、前述の衝突による衝撃が大きくなってしまい、打音を低減することができないという問題がある。
本発明は、前述のような従来の問題を解決するためになされたもので、ローラリフタとこのローラリフタを収容するリフタハウジングとの適正なクリアランスを維持しつつ、ローラリフタとリフタハウジングとの間で生ずる打音を低減することができる高圧燃料ポンプを提供することを課題とする。
本発明に係る高圧燃料ポンプは、上記課題を達成するため、(1)駆動カムと摺接するローラと、前記ローラを回転可能に支持するシャフトと、前記シャフトを支持するとともに前記ローラを収容するローラリフタと、前記ローラリフタを往復運動可能に支持するリフタハウジングと、前記ローラリフタを前記駆動カムの方向に押圧するスプリングと、前記ローラリフタに連結され、前記リフタハウジングに設けられた圧力室内に端部が露出するとともに、前記圧力室内で往復運動可能に前記リフタハウジングに支持されたプランジャと、を備え、前記駆動カムの回転運動に応じて前記プランジャが往復運動することにより、前記圧力室に吸入された燃料の圧力を高めて吐出する高圧燃料ポンプにおいて、前記ローラリフタの軸線が、前記駆動カムの軸心を通るよう前記ローラリフタが前記リフタハウジングに支持されるとともに、前記シャフトの軸心が、前記ローラリフタの軸線と直交する方向に前記ローラリフタの軸線から離隔した位置に配置されるよう前記シャフトが前記ローラリフタに支持され、前記ローラリフタが、前記リフタハウジング内で前記往復運動をする間、前記ローラリフタの側壁面部が前記リフタハウジングの内壁面部を一定の方向に押圧するよう構成した。
この構成により、ローラリフタの軸線が、駆動カムの軸心を通るようローラリフタがリフタハウジングに支持され、シャフトの軸心が、ローラリフタの軸線から離隔した位置に配置されるようシャフトがローラリフタに支持されるので、ローラリフタがリフタハウジング内で往復運動する際、高圧燃料ポンプの吸入行程から加圧行程までの行程全域において、ローラリフタの重心の近傍部分を中心として、回転モーメントがローラリフタに生ずることになる。
この回転モーメントMにより、ローラリフタがリフタハウジング内で一定の方向に傾斜し、ローラリフタの下部が、リフタハウジングの内壁面部に押圧され、ローラリフタの上部が、リフタハウジングの内壁面部に押圧される。その押圧方向が常に一定の方向に作用するので、従来の高圧燃料ポンプにおいて、ローラリフタの圧力方向が変わることにより発生していた打音が、全く発生することはなく、打音の問題が解消する。
このように、本発明に係る高圧燃料ポンプにおいては、ローラリフタのリフタハウジングの軸線に対する姿勢が、行程全域において、常に同じ傾斜方向で保持されるので、ローラリフタとリフタハウジングとの間のクリアランスを狭めることによる打音の抑制を図る必要はなく、適正なクリアランスが維持される。その結果、ローラと駆動カムとの均一で適正な接触が維持され、高圧燃料ポンプの打音の発生を防止しつつ、燃料の適正な加圧制御を実行することができる。
本発明に係る高圧燃料ポンプは、上記課題を達成するため、(2)駆動カムと摺接するローラと、前記ローラを回転可能に支持するシャフトと、前記シャフトを支持するとともに前記ローラを収容するローラリフタと、前記ローラリフタを往復運動可能に支持するリフタハウジングと、前記ローラリフタを前記駆動カムの方向に押圧するスプリングと、前記ローラリフタに連結され、前記リフタハウジングに設けられた圧力室内に端部が露出するとともに、前記圧力室内で往復運動可能に前記リフタハウジングに支持されたプランジャと、を備え、前記駆動カムの回転運動に応じて前記プランジャが往復運動することにより、前記圧力室に吸入された燃料の圧力を高めて吐出する高圧燃料ポンプにおいて、前記シャフトの軸心が、前記ローラリフタの軸線と直交する方向に前記ローラリフタの軸線から離隔した第1の離隔位置に配置されるよう前記シャフトが前記ローラリフタに支持されるとともに、前記駆動カムの軸線が、前記ローラリフタの軸線と直交する方向であって、前記ローラリフタの軸線を挟んで前記第1の離隔位置と反対側に離隔した第2の離隔位置に配置されるよう、前記ローラリフタが前記リフタハウジングに支持され、前記ローラリフタが、前記リフタハウジング内で前記往復運動をする間、前記ローラリフタの側壁面部が前記リフタハウジングの内壁面部を一定の方向に押圧するよう構成した。
この構成により、シャフトの軸心が、ローラリフタの軸線から離隔した第1の離隔位置に配置されるようシャフトがローラリフタに支持され、駆動カムの軸線が、ローラリフタの軸線を挟んで第1の離隔位置と反対側に離隔した第2の離隔位置に配置されるよう、ローラリフタがリフタハウジングに支持されるので、ローラリフタがリフタハウジング内で往復運動する際、高圧燃料ポンプの吸入行程から加圧行程までの行程全域において、ローラリフタの重心の近傍部分を中心として、回転モーメントがローラリフタに生ずることになる。
この回転モーメントMにより、ローラリフタがリフタハウジング内で一定の方向に傾斜し、ローラリフタの下部が、リフタハウジングの内壁面部に押圧され、ローラリフタの上部が、リフタハウジングの内壁面部に押圧される。その押圧方向が常に一定の方向に作用するので、従来の高圧燃料ポンプにおいて、ローラリフタの圧力方向が変わることにより発生していた打音が、全く発生することはなく、打音の問題が解消する。
このように、本発明に係る高圧燃料ポンプにおいては、ローラリフタのリフタハウジングの軸線に対する姿勢が、行程全域において、常に同じ傾斜方向で保持されるので、ローラリフタとリフタハウジングとの間のクリアランスを狭めることによる打音の抑制を図る必要はなく、適正なクリアランスが維持される。その結果、ローラと駆動カムとの均一で適正な接触が維持され、高圧燃料ポンプの打音の発生を防止しつつ、燃料の適正な加圧制御を実行することができる。
本発明によれば、ローラリフタとこのローラリフタを収容するリフタハウジングとの適正なクリアランスを維持しつつ、ローラリフタとリフタハウジングとの間で生ずる打音を低減することができる高圧燃料ポンプを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプが適用される燃料供給装置の構造を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプの断面図である。 図2のA−A断面を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプのローラリフタの拡大断面図である。 図2のA−A断面を示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプのローラリフタの断面図であり、(a)および(b)は、駆動カム、ローラおよびローラリフタの作用を示している。 本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプの断面図であり、ローラリフタが降下した状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプの断面図であり、ローラリフタが上昇した状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプのローラリフタの断面図であり、(a)は、ローラリフタが降下した状態を示し、(b)は、ローラリフタが上昇した状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る高圧燃料ポンプが適用される燃料供給装置の構造を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る高圧燃料ポンプの断面図である。 図11のB−B断面を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る高圧燃料ポンプのローラリフタの拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る高圧燃料ポンプのローラリフタの断面図であり、(a)および(b)は、駆動カム、ローラおよびローラリフタの作用を示している。 本発明の第2実施形態に係る高圧燃料ポンプの断面図であり、ローラリフタが降下した状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る高圧燃料ポンプの断面図であり、ローラリフタが上昇した状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る高圧燃料ポンプのローラリフタの断面図であり、(a)は、ローラリフタが降下した状態を示し、(b)は、ローラリフタが上昇した状態を示す。 本発明の第2実施形態の変形例に係る高圧燃料ポンプの断面図である。 従来の高圧燃料ポンプの接線カムとローラの作用を説明する説明図である。
以下、本発明の第1実施形態および第2実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、構成について説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7は、燃料供給装置5を構成している。
この高圧燃料ポンプ7は、図示しない車両のエンジンに搭載され、燃料を高圧にしてエンジンの燃焼室内に供給するよう構成されており、エンジンにより駆動されエンジンの一部を構成するオイル供給装置40からオイルが供給され潤滑されるようになっている。
なお、エンジンの種類については特に制限はなく、例えば、直列4気筒などのガソリンであってもよく、エンジンディーゼルエンジンであってもよい。
燃料供給装置5は、燃料タンク6と、高圧燃料ポンプ7と、4個の燃料噴射バルブ8と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)9とを含んで構成されている。
さらに、燃料供給装置5は、燃料タンク6と高圧燃料ポンプ7とを連結する低圧燃料パイプ11と、低圧燃料パイプ11に設けられ燃料噴射バルブ8の燃料噴射によって燃料経路に発生する圧力脈動を抑制するパルセーションダンパ12と、各燃料噴射バルブ8に燃料を供給するデリバリパイプ13と、高圧燃料ポンプ7とデリバリパイプ13とを連結する高圧燃料パイプ14と、デリバリパイプ13に蓄えられた燃料の一部を燃料タンク6に還流させるリターンパイプ15と、デリバリパイプ13内の燃料の圧力(MPa)を検知する燃圧センサ16と、燃圧センサ16が検知した燃料圧力が所定圧(MPa)を超えたときに開弁するリリーフバルブ17とを含んで構成されている。
燃料タンク6は、エンジンに供給される燃料を貯留するタンク本体21と、タンク本体21内に収容され、低圧燃料パイプ11に設けられ燃料の圧力を調整するプレッシャレギュレータ22と、タンク本体21内の燃料を低圧燃料パイプ11を介して高圧燃料ポンプ7に供給するフィードポンプ23と、プレッシャレギュレータ22とフィードポンプ23との間に設けられ燃料をろ過するフィルタ24とを含んで構成されている。
高圧燃料ポンプ7は、図2に示すように、ポンプ本体31と、ポンプ本体31を駆動する駆動カム32と、電磁スピルバルブ33と、吸入バルブケース34、吐出バルブケース35と、吐出バルブケース35内に収容されたチェックバルブ36とを含んで構成されている。この高圧燃料ポンプ7は、ポンプ本体31でシリンダヘッドカバーなどのエンジンの構成要素に設けられているポンプ取付部18に取り付けられており、オイル供給装置40によりオイルが供給され摺動部分などの潤滑要素が潤滑されるようになっている。
また、オイル供給装置40は、図1に示すように、オイルパン41と、オイルストレーナ42と、クランクシャフトの動力により駆動されるポンプ43と、メインオイルギャラリなどのオイル通路部44と、オイル通路部44からオイルの供給を受けてオイルを噴射するようエンジン内に設けられたオイル噴射ノズル45と、ポンプ43から吐出されオイルをろ過する図示しないオイルフィルタとを含んで構成されている。このオイル供給装置40は、オイル噴射ノズル45から高圧燃料ポンプ7に向けてオイルを噴射し高圧燃料ポンプ7の各構成要素を潤滑し冷却するとともに、エンジン内の各潤滑部にオイルを供給し各潤滑要素を潤滑し冷却するよう構成されている。
この高圧燃料ポンプ7においては、燃料タンク6からポンプ本体31に供給された燃料の圧力(MPa)が、例えば、約4MPaないし約13MPaの間で適正な圧力まで高められた後、高圧燃料パイプ14に高圧になった燃料が吐出されるようになっている。
ポンプ本体31は、シリンダ51と、シリンダ51内で往復運動するプランジャ52と、プランジャ52を往復運動させるローラリフタ53と、ローラリフタ53を案内するリフタハウジング54と、スプリング55と、シールユニット56と、シリンダ51を保持しリフタハウジング54に固定するホルダ57と、プランジャ52に取り付けられスプリング55の一端を保持するプレート58とを含んで構成されている。
本実施形態に係る高圧燃料ポンプ7のシリンダ51およびリフタハウジング54は、本発明に係る高圧燃料ポンプのリフタハウジングを構成している。
シリンダ51は、円柱状に形成され軸線方向に貫通する貫通孔61と、この貫通孔61の一部が拡径されるよう形成された圧力室62と、電磁スピルバルブ33の一部を収容する収容穴63と、吐出バルブケース35の一部を収容する収容穴64とを有している。この貫通孔61には、プランジャ52が挿入されるようになっており、貫通孔61内でプランジャ52が往復運動するようになっている。
また、シリンダ51には、圧力室62と収容穴64とを連通し、圧力室62内の燃料を吐出バルブケース35内に吐出する燃料吐出通路65が形成されている。
さらに、シリンダ51の下部には、円筒部66が形成されており、この円筒部66にスプリング55を保持するスプリング保持穴67が形成されている。また、スプリング保持穴67の径方向の内側にシールユニット56を案内するガイド穴68が形成されており、このガイド穴68内をシールユニット56が摺動するようになっている。
プランジャ52は、円柱状に形成され、図2および図3に示すように、一端部に溝52aが形成されており、この溝52aを囲むプランジャ52の内壁面部にプレート58が係合するようになっている。また、プランジャ52は、その他端部が圧力室62内に露出するよう配置されており、圧力室62内に進入することにより、圧力室62内の燃料が加圧されるよう構成されている。
ローラリフタ53は、図2ないし図5に示すように、リフタ本体71と、シャフト72と、ローラ73とを含んで構成されている。
このローラリフタ53においては、図2および図4に示すように、リフタハウジング54の軸線Laと同じくするローラリフタ53の軸線が、駆動カム32の軸心Pcを通るようローラリフタ53がリフタハウジング54に支持されている。
また、シャフト72の軸心Psが、リフタハウジング54の軸線Laと直交する方向に、ローラリフタ53の軸線から距離dだけ離隔した位置に配置されるようシャフト72がローラリフタ53に支持されている。すなわち、シャフト72に支持されたローラ73は、ローラリフタ53の軸線に対して距離dだけオフセットされた状態で、ローラリフタ53内に配置されている。この距離dの大きさは、ローラリフタ53およびローラリフタ53により構成される高圧燃料ポンプ7の構造、形状および大きさなどの設定諸元に応じて適宜選択される。
リフタ本体71は、円柱状に形成されており、その側壁面部71aでリフタハウジング54に案内され、リフタハウジング54内で往復運動するようになっている。
また、リフタ本体71は、図3および図5に示すように、シャフト72の軸線Lbが、駆動カム32の軸線Lcとほぼ平行に配置されるよう、シャフト72の一方端部を支持する側壁部74と、シャフト72の他方端部を支持する側壁部75とを有している。
また、リフタ本体71の側壁面部71aには、図2および図4に示すように、回り止め部71bが、側壁面部71aから径方向の外側に向かって突出して形成されており、ローラリフタ53がリフタハウジング54内で往復運動する際に、回転しないようになっている。
また、リフタ本体71には、その軸線方向の一端部にプレート58を収容するプレート収容穴76が形成され、このプレート収容穴76内には、プレート58と、プレート58と係合したプランジャ52と、プレート58に支持されたスプリング55が収容されるようになっている。また、リフタ本体71には、その軸線方向の他端部にローラ73を収容するローラ収容穴77が形成され、このローラ収容穴77内に、ローラ73が収容されるようになっている。
シャフト72は、その軸線方向の一方端部でリフタ本体71の側壁部74に支持され、他方端部でリフタ本体71の側壁部75に支持されており、各端部は、図3および図5に示すように、側壁部74および側壁部75から軸線方向の外側にそれぞれ突出しないよう、各端面と側壁部74の表面および側壁部75の表面が平坦になっている。
ローラ73は、円筒状に形成され、駆動カム32に外周面部78aで摺接する外輪78と、外輪78とシャフト72との間で回転可能に介装された複数のニードル軸受79とを含んで構成されている。各ニードル軸受79は、高い剛性を有するとともに、高いラジアル荷重容量を有しており、ローラ73がシャフト72上で滑らかに回転するよう構成されている。また、シャフト72の軸線Lbと一致するローラ73の軸線と駆動カム32の軸線Lcとがほぼ平行になるよう互いに配置されており、外輪78の外周面部78aが、駆動カム32に均一に接触する、いわゆる線接触の状態で、ローラ73が駆動カム32に摺接するようになっている。
リフタハウジング54は、図2および図3に示すように、円筒状に形成され、円筒部54aと、この円筒部54aの端部に形成されたフランジ部54bとを含んで構成されている。この円筒部54aのフランジ部54b側の端部には、シリンダ収容穴54cが形成されており、シリンダ51の下端部が収容されるようになっている。
円筒部54aには、フランジ部54bと反対する側の端部に、リフタ収容穴54dが形成されており、ローラリフタ53が摺動可能に収容されている。また、円筒部54aにおけるフランジ部54bと反対する側の端部には、軸線に対して傾斜した傾斜部54eが形成されており、リフタハウジング54の周辺に配置されたエンジンの構成要素および駆動カム32と干渉しないようになっている。
フランジ部54bは、エンジンのポンプ取付部18に図示しない締結具によって固定されており、このフランジ部54bには、ホルダ57が図示しない締結具によって固定されている。
また、円筒部54aには、円周方向に所定の幅を有し、軸線方向に所定の長さを有する切欠孔54fが形成されており、この切欠孔54fに、リフタ本体71の側壁面部71aに形成された回り止め部71bが挿入されるようになっている。
スプリング55は、圧縮コイルばねからなり、一端部がリフタ本体71のプレート58に支持され、他端部がシリンダ51に支持されており、プレート58を介してローラリフタ53を駆動カム32の方向に押圧するようになっている。
シールユニット56は、図3に示すように、シリンダ51に支持された円筒部56aと、この円筒部56aの端部に支持され、プランジャ52を摺動可能に囲むシール部56bと、シール部56bをプランジャ52の方向に押圧するよう介装されたコイルスプリング56cとを含んで構成されている。このシールユニット56は、シリンダ51とプランジャ52との隙間を通過した燃料がリフタハウジング54内に漏出するのを防止するよう構成されている。
ホルダ57は、図2に示すように、係合部57aと、固定部57bとを有しており、係合部57aでシリンダ51に係合するとともに、固定部57bでリフタハウジング54のフランジ部54bに固定されるようになっている。
プレート58は、円盤状に形成され、図4に示すように、スプリング55の端部を支持するよう環状凸部58aを有している。この環状凸部58aの中心部には、貫通孔58bが形成され、さらにこの貫通孔58bと連通する図示しない切欠きが形成されており、この切欠きに溝52aが形成されたプランジャ52の一端部が挿通され、この一端部が貫通孔58bの周囲に係合するようになっている。
駆動カム32は、図2および図3に示すように、ローラ73の外輪78の外周面部78aに摺接する略正三角形のカム32aと、カム32aを回転させるシャフト32bとを含んで構成されている。このシャフト32bは、その軸線Lcが、シャフト72の軸線Lbと一致するローラ73の軸線とほぼ平行になるよう配置されており、ローラ73の外輪78の外周面部78aとカム32aとが均一な線接触になるよう、ポンプ本体31がエンジンのポンプ取付部18に取り付けられている。
この駆動カム32は、その回転運動により、ローラ73を往復運動するものであればよく、略正三角形の形状以外の形状で形成されているものであってもよい。例えば、駆動カムの外周面部の1箇所が径方向の外側に向かって突出するよう形成されたものであってもよく、外周面部の2箇所が径方向の外側に向かって突出するよう形成されたものであってもよく、外周面部の複数箇所が径方向の外側に向かって突出するとともに、それぞれ異なった形状で突出するよう形成されたものであってもよい。
このシャフト32bは、駆動源により回転するシャフトであればよく、例えば、吸気カムシャフトであってもよく、排気カムシャフトであってもよく、また、エンジンのクランクシャフトにチェーンなどの動力伝達部材により連結され、クランクシャフトの動力で回転する他のシャフトであってもよい。また、駆動源は、モータなどの電動機であってもよい。
電磁スピルバルブ33は、図2に示すように、電磁ソレノイド81、ボビン82、コア83、アーマチュア84、ポペットバルブ85、シート体86、コイルスプリング87、端子部88、支持リング89とを含んで構成されている。このポペットバルブ85の下部と、シート体86の下部と、シリンダ51の圧力室62内に露出しているプランジャ52の端部と、シリンダ51の内壁部とにより燃料を加圧する圧力室62が画成されている。
電磁ソレノイド81は、ボビン82にリング状に巻回されたコイルからなり、コア83は、ボビン82に形成された貫通孔に挿通され嵌合固定されている。
アーマチュア84は、ポペットバルブ85の一端に固定された状態で支持リング89に支持されており、その一部がコア83と同軸上でボビン82内に移動できるようになっている。
コア83およびアーマチュア84の各対向面には、凹部がそれぞれ形成されており、それらの凹部間にはコイルスプリング87が圧縮状態で収容されている。そして、このコイルスプリング87によりアーマチュア84が圧力室62側に向かって付勢されている。
ポペットバルブ85は、シート体86内の貫通孔に摺動可能に収容されており、その下端部には円板状の弁体85aが形成されている。そして、電磁ソレノイド81が通電されていない時には、コイルスプリング87の付勢力により、弁体85aがシート体86のシート部86aから離隔されて、電磁スピルバルブ33は、開弁状態となっている。
一方、図1に示すECU9から端子部88を介して電磁ソレノイド81に通電されるときには、コア83、アーマチュア84および電磁スピルバルブ33全体を支持する支持リング89により磁気回路が形成され、コイルスプリング87の付勢力に抗して、アーマチュア84がコア83側に移動するようになっている。これにより、ポペットバルブ85が圧力室62と反対側に移動し、その弁体85aがシート体86のシート部86aに着座して、電磁スピルバルブ33は閉弁状態となるよう構成されている。
シート体86には、複数の燃料供給通路86bが形成されており、電磁スピルバルブ33が開弁状態にあるときに、各燃料供給通路86bと圧力室62との間で燃料が流通できるようになっている。
他方、電磁スピルバルブ33の開弁状態で、プランジャ52が下降するとき、燃料タンク6内のフィードポンプ23の作動により、燃料タンク6から汲み上げられた低圧燃料が、フィルタ24、プレッシャレギュレータ22、低圧燃料パイプ11内を流通して圧力室62に吸入されるようになっている。
この圧力室62には、電磁スピルバルブ33の閉タイミング前にプランジャ52が、進入し、電磁スピルバルブ33が閉弁した後にプランジャ52が上死点に到達するようになっている。そして、プランジャ52の先端部が圧力室62内に進入した状態で、圧力室62の内周面とプランジャ52の外周面との間に隙間が形成されるよう構成されている。
吸入バルブケース34は、電磁スピルバルブ33とシリンダ51との間に配置され、低圧燃料パイプ11から供給された燃料を流通させるとともに、電磁スピルバルブ33の燃料供給通路86bと連通した燃料通路34aを有している。
吐出バルブケース35は、内部に燃料吐出通路65と連通した燃料通路35aを有するとともに、燃料通路35a内にチェックバルブ36を収容している。また吐出バルブケース35は、高圧燃料パイプ14に連結されており、燃料吐出通路65から吐出された燃料を燃料通路35a内を流通させ、チェックバルブ36を経由して高圧燃料パイプ14に流通させるようになっている。
チェックバルブ36は、吸入バルブケース34内に配置されたシート体91およびスプリングベース体92と、シート体91に接触および離隔可能に対向する弁体93と、この弁体93をシート体91に対する当接位置に向かって付勢するコイルスプリング94とを含んで構成されている。
このチェックバルブ36内に圧送される燃料の圧力が所定値(MPa)を超えたとき、弁体93がコイルスプリング94の付勢力に抗してシート体91から離隔して開弁状態となり、燃料吐出通路65から吐出される燃料が高圧燃料パイプ14を経てデリバリパイプ13に供給されるようになっている。また、このチェックバルブ36は、圧力室62から吐出された燃料が逆流して圧力室62に流入するのを防止するようになっている。
燃料噴射バルブ8は、図1に示すように、例えば、筒内噴射用のフューエルインジェクタなどからなり、4個の各気筒に設けられている。この燃料噴射バルブ8は、先端部にスリット形状の複数の噴孔を有しており、ECU9の指令によりデリバリパイプ13から供給された高圧の燃料を高微粒化し、図示しないエンジンの燃焼室に噴射するようになっている。
ECU9は、CPU(Central Processing Unit)と、処理プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)と、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)と、電気的に書換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、A/D変換器やバッファなどを含む入力インターフェース回路、駆動回路などを含む出力インターフェース回路と、燃料噴射制御部とを含んで構成されている。
この燃料噴射制御部は、常時、筒内噴射用の燃料噴射バルブ8の駆動状態を監視しており、必要時に燃料噴射バルブ8および電磁スピルバルブ33を高速に駆動するようになっている。
ECU9の入力インターフェース回路には、燃圧センサ16などの複数のセンサが接続されておりこれらのセンサから出力される情報は、入力インターフェース回路を介してECU9に取り込まれるようになっている。
ECU9の出力インターフェース回路には、燃料タンク6内のフィードポンプ23、燃料噴射バルブ8および高圧燃料ポンプ7内の電磁ソレノイド81などがそれぞれ接続されており、出力インターフェース回路を介して制御されるようになっている。
次に、第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7の駆動カム32、ローラリフタ53およびリフタハウジング54に生ずる圧力の作用について説明する。
図6(a)に示すように、駆動カム32が、そのベース円Cbの近傍でローラリフタ53のローラ73に摺接しているとき、すなわち、高圧燃料ポンプ7の吸入行程の終了段階のとき、図2に示すスプリング55により、矢印で示す圧力Fsが、ローラリフタ53のプレート収容穴76を囲む底壁の中央部分に作用している。
この圧力Fsは、ローラ73を介して駆動カム32に終始作用しており、ローラ73が駆動カム32に所定の圧力が加わった状態で摺接している。
このとき、圧力Fsに対する反力Fcが、シャフト72の軸心Psと同じくするローラ73の軸心に向かって、駆動カム32のローラ73との接触部分に生じている。
第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7においては、ローラ73の軸心が、リフタハウジング54の軸線Laと同じくするローラリフタ53の軸線から距離dだけオフセットされているので、すなわち圧力Fsに対して、反力Fcが距離dだけ離れた位置で作用しているので、ローラリフタ53の重心の近傍部分を中心として、大きさが(Fs+Fc)×d(N・m)となる反時計回りの回転モーメントMがローラリフタ53に生ずる。
この回転モーメントMにより、ローラリフタ53の側壁面部71aの反力Fc側の下部が、圧力Fkでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に押圧されることになる。他方、ローラリフタ53の側壁面部71aの圧力Fs側の上部が、圧力Fjでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に押圧されることになる。
他方、図6(b)に示すように、駆動カム32が、そのカム面Ccの近傍でローラリフタ53のローラ73に摺接しているとき、すなわち、高圧燃料ポンプ7における加圧行程の終了段階のときも、図6(a)に示す高圧燃料ポンプ7における吸入行程の終了段階のときと同様に、ローラリフタ53の重心の近傍部分を中心として、大きさが(Fs+Fc)×d(N・m)となる反時計回りの回転モーメントMがローラリフタ53に生ずる。
この回転モーメントMにより、ローラリフタ53の側壁面部71aの反力Fc側の下部が、圧力Fkでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に押圧されることになる。他方、ローラリフタ53の側壁面部71aの圧力Fs側の上部が、圧力Fjでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に押圧されることになる。
また、図示しない吸入行程と加圧行程の途中の段階においても、図6(a)および図6(b)に示す圧力Fs、Fk、Fj、反力Fcおよび回転モーメントMが、吸入行程の終了段階および加圧行程の終了段階と同様に作用する。
したがって、第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7においては、ローラリフタ53が終始にリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に一定の押圧で押圧されることになり、ローラリフタ53が、ローラリフタ53の側壁面部71aとリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部との間に生ずるクリアランスの範囲内で、リフタハウジング54の軸線Laに対して同じ方向に傾斜した状態で、往復運動することになる。
次に、第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7の動作について説明する。
燃料を高圧にして燃料噴射バルブ8から噴射する必要があるとき、例えば、車両の加速時や始動の際の暖機運転時には、まず、ECU9の指令により電磁スピルバルブ33が開弁され、高圧燃料ポンプ7の吸入行程が開始する。
このとき、燃料が、図1に示す燃料タンク6のフィードポンプ23からフィルタ24、プレッシャレギュレータ22およびパルセーションダンパ12を介して低圧燃料パイプ11から図7に示す燃料通路34aに流入する。
そして、図示しないエンジンの回転により、シャフト32bが、例えば、時計方向に回転するとカム32aが同様に回転し、ローラ73が反時計方向に回転しつつ、ローラリフタ53がスプリング55の押圧力により圧力室62から離隔する方向に移動し、プランジャ52が同方向に下降し、ローラリフタ53が下降し、図7に示すようにプランジャ52が下死点に位置する状態になる。このとき、オイル噴射ノズル45からオイルが噴射され、噴射されたオイルにより、ポンプ本体31が潤滑される。
ローラリフタ53が下降する際、図9(a)に示すように、ローラリフタ53が、リフタハウジング54の軸線Laに対して反時計回り方向になす角αで傾斜した姿勢が維持される。
また、ローラリフタ53が下降する際、図7に示すように、電磁スピルバルブ33が開弁状態となっているので、燃料が燃料通路34aから圧力室62に一気に吸入される。
ローラリフタ53が下死点に到達して燃料の吸入が完了すると、ECU9の指令により電磁スピルバルブ33が閉弁し、圧力室62と燃料通路34aとが遮断され、加圧行程が開始する。この加圧行程においては、プランジャ52が上昇し圧力室62内の燃料が圧縮されて燃料圧力が、例えば、約13MPa程度まで高められる。
ローラリフタ53が上昇する際も、図9(b)に示すように、ローラリフタ53が下降する際と同様、ローラリフタ53が、リフタハウジング54の軸線Laに対して反時計回り方向になす角αで傾斜した姿勢が維持される。
圧力室62内の燃料圧力が約13MPaに達すると、図8に示すように、燃料圧力によりチェックバルブ36が開放されて、圧力室62内の高圧の燃料が、高圧燃料パイプ14を介してデリバリパイプ13に供給される。
このとき、ECU9の噴射制御部から燃料噴射バルブ8に噴射指令が伝達され、燃料噴射バルブ8から高圧燃料が噴射される。図示しないエンジンの各気筒毎に、各気筒の燃焼サイクルに応じてECU9により噴射量や噴射タイミングなどの燃料噴射が制御される。
このように、第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7は構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7は、駆動カム32と摺接するローラ73と、シャフト72と、ローラリフタ53と、リフタハウジング54と、スプリング55と、プランジャ52とを備え、リフタハウジング54の軸線Laが、駆動カム32の軸心Pcを通るようローラリフタ53がリフタハウジング54に支持されるとともに、シャフト72の軸心Psが、ローラリフタ53の軸線から距離dだけ離隔した位置に配置されるようシャフト72がローラリフタ53に支持され、ローラリフタ53が、リフタハウジング54内で往復運動をする間、ローラリフタ53の側壁面部71aがリフタハウジング54の内壁面部54gを一定の方向に圧力Fkおよび圧力Fjで押圧するよう構成されている。
その結果、ローラリフタ53がリフタハウジング54内で往復運動する際、高圧燃料ポンプ7の吸入行程から加圧行程までの行程全域において、ローラリフタ53の重心の近傍部分を中心として、大きさが(Fs+Fc)×d(N・m)となる反時計回りの回転モーメントMがローラリフタ53に生ずることになる。
この回転モーメントMにより、ローラリフタ53の側壁面部71aの反力Fc側の下部が、圧力Fkでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部54gに押圧されることになる。他方、ローラリフタ53の側壁面部71aの圧力Fs側の上部が、圧力Fjでリフタハウジング54の内壁面部54gに押圧されることになる。
この圧力Fkおよび圧力Fjは、駆動カム32が一定方向に回転しており、その回転位相に関わらず、その圧力方向が常に一定の方向に作用するので、従来の高圧燃料ポンプにおいて、ローラリフタの圧力方向が変わることにより発生していた打音が、第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7においては、全く発生することはなく、打音の問題が解消するという効果が得られる。
このように、第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7においては、ローラリフタ53のリフタハウジング54の軸線Laに対する姿勢が、行程全域において、常に同じ傾斜方向で保持されるという効果がある。その結果、ローラリフタ53の側壁面部71aとリフタハウジング54の内壁面部54gとの間のクリアランスを狭めることによる打音の抑制を図る必要はなく、適正なクリアランスを維持することができる。したがって、ローラ73と駆動カム32との均一で適正な接触を維持することができ、高圧燃料ポンプ7の打音の発生を防止しつつ、燃料の適正な加圧制御を実行することができる。
第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ7においては、図6(a)、(b)に示すように、ローラ73が、ローラリフタ53の軸線からローラリフタ53の回り止め部71bの方向に距離dだけオフセットされた場合について説明した。
しかしながら、本発明に係る高圧燃料ポンプにおいては、ローラ73が、ローラリフタ53の軸線からローラリフタ53の回り止め部71bと反対方向に距離dだけオフセットするよう構成してもよい。この場合にも、ローラ73が、回り止め部71bの方向に距離dだけオフセットされた場合と同様、図6(a)、(b)に示す作用と同様に作用し、同様の効果が得られる。
すなわち、ローラ73が、ローラリフタ53の軸線からローラリフタ53の回り止め部71bと反対方向に距離dだけオフセットされた場合でも、図6(a)、(b)に示す回転モーメントMが逆方向になり、圧力Fkおよび圧力Fjが、図6(a)、(b)に示す方向と逆方向になり、リフタハウジング54の軸線Laに対する傾斜方向が逆方向になるだけであり、その大きさは、オフセット方向が異なっても同じ大きさとなり、同様の作用および効果が得られる。
(第2実施形態)
次いで、第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107について図面を参照して説明する。
第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107においては、第1実施形態における駆動カム32のポンプ本体31に対する配置およびローラリフタ53が異なっているが、他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図9に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
まず、構成について説明する。
図10に示すように、本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプ107は、燃料供給装置105を構成している。この高圧燃料ポンプ107は、第1実施形態と同様、図示しない車両のエンジンに搭載されている。燃料供給装置105は、高圧燃料ポンプ107以外の構成要素は、第1実施形態と同様に構成されている。
高圧燃料ポンプ107は、図11に示すように、ポンプ本体131以外の構成要素は、第1実施形態と同様に構成されており、ポンプ本体131は、ローラリフタ153以外の構成要素は、第1実施形態と同様に構成されている。
ローラリフタ153は、図11ないし図13に示すように、リフタ本体171と、シャフト72と、ローラ73とを含んで構成されている。
このローラリフタ153においては、ローラリフタ153の軸線が、駆動カム32の軸心Pcから、距離d1だけ離隔した第2の離隔位置に配置されるようローラリフタ153がリフタハウジング54に支持されている。
また、シャフト72の軸心Psが、ローラリフタ153の軸線と直交する方向に、ローラリフタ153の軸線から距離d2だけ離隔した第1の離隔位置に配置されるようシャフト72がローラリフタ153に支持されている。すなわち、シャフト72に支持されたローラ73は、ローラリフタ153の軸線に対して距離d2だけオフセットされた状態で、ローラリフタ153内に配置されている。この距離d1、d2の大きさは、ローラリフタ153およびローラリフタ153により構成される高圧燃料ポンプ107の構造、形状および大きさなどの設定諸元に応じて適宜選択される。
リフタ本体171は、第1実施形態と同様、円柱状に形成されており、その側壁面部171aでリフタハウジング54に案内され、リフタハウジング54内で往復運動するようになっている。
また、リフタ本体171は、図12に示すように、シャフト72の軸線Lbが、駆動カム32の軸線Lcとほぼ平行に配置されるよう、シャフト72の一方端部を支持する側壁部174と、シャフト72の他方端部を支持する側壁部175とを有している。
また、リフタ本体171の側壁面部171aには、図11および図13に示すように、回り止め部171bが、側壁面部171aから径方向の外側に向かって突出して形成されており、ローラリフタ153がリフタハウジング54内で往復運動する際に、回転しないようになっている。
また、リフタ本体171には、その軸線方向の一端部にプレート58を収容するプレート収容穴176が形成され、このプレート収容穴176内には、プレート58と、プレート58と係合したプランジャ52と、プレート58に支持されたスプリング55が収容されるようになっている。また、リフタ本体171には、その軸線方向の他端部にローラ73を収容するローラ収容穴177が形成され、このローラ収容穴177内に、ローラ73が収容されるようになっている。
次に、第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107の駆動カム32、ローラリフタ153およびリフタハウジング54に生ずる圧力の作用について説明する。
図14(a)に示すように、駆動カム32が、そのベース円Cbの近傍でローラリフタ153のローラ73に摺接しているとき、すなわち、高圧燃料ポンプ107の吸入行程の終了段階のとき、図11に示すスプリング55により、矢印で示す圧力Fsが、ローラリフタ153のプレート収容穴176を囲む底壁の中央部分に作用している。
この圧力Fsは、ローラ73を介して駆動カム32に終始作用しており、ローラ73が駆動カム32に所定の圧力が加わった状態で摺接している。
このとき、圧力Fsに対する反力Fcが、ローラ73の軸心に向かって、駆動カム32のローラ73との接触部分に生じている。
第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107においては、ローラリフタ153の軸線が駆動カム32の軸心Pcから距離d1だけオフセットされるとともに、ローラ73の軸心が、ローラリフタ153の軸線から距離d2だけオフセットされている。
そのため、第1実施形態と同様、圧力Fsに対して、反力Fcが距離d2だけ離れた位置で作用しており、ローラリフタ153の重心の近傍部分を中心として、大きさが(Fs+Fc)×d2(N・m)となる反時計回りの回転モーメントM2がローラリフタ153に生ずる。
この回転モーメントM2により、ローラリフタ153の側壁面部171aの反力Fc側の下部が、圧力Fkでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に押圧されることになる。他方、ローラリフタ153の側壁面部171aの圧力Fs側の上部が、圧力Fjでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に押圧されることになる。
他方、図14(b)に示すように、駆動カム32が、そのカム面Ccの近傍でローラリフタ153のローラ73に摺接しているとき、すなわち、高圧燃料ポンプ107における加圧行程の終了段階のときも、図14(a)に示す高圧燃料ポンプ7における吸入行程の終了段階のときと同様に、ローラリフタ153の重心の近傍部分を中心として、大きさが(Fs+Fc)×d2(N・m)となる反時計回りの回転モーメントM2がローラリフタ153に生ずる。
この回転モーメントM2により、ローラリフタ153の側壁面部171aの反力Fc側の下部が、圧力Fkでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に押圧されることになる。他方、ローラリフタ153の側壁面部171aの圧力Fs側の上部が、圧力Fjでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に押圧されることになる。
また、図示しない吸入行程と加圧行程の途中の段階においても、図14(a)および図14(b)に示す圧力Fs、Fk、Fj、反力Fcおよび回転モーメントM2が、吸入行程の終了段階および加圧行程の終了段階と同様に作用する。
したがって、第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ7においては、ローラリフタ153が終始、リフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部に一定の押圧で押圧されることになり、ローラリフタ153が、ローラリフタ153の側壁面部171aとリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部との間に生ずるクリアランスの範囲内で、リフタハウジング54の軸線Laに対して同じ方向に傾斜した状態で、往復運動することになる。
次に、第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107の動作について説明する。
第1実施形態と同様、車両の加速時や始動の際の暖機運転時には、まず、ECU9の指令により電磁スピルバルブ33が開弁され高圧燃料ポンプ107の吸入行程が開始する。
このとき、燃料が、図1に示す燃料タンク6のフィードポンプ23からフィルタ24、プレッシャレギュレータ22およびパルセーションダンパ12を介して低圧燃料パイプ11から図15に示す燃料通路34aに流入する。
そして、図示しないエンジンの回転により、シャフト32bが、例えば、時計方向に回転するとカム32aが同様に回転し、ローラ73が反時計方向に回転しつつ、ローラリフタ153がスプリング55の押圧力により圧力室62から離隔する方向に移動し、プランジャ52が同方向に下降し、ローラリフタ153が下降し、図15に示すようにプランジャ52が下死点に位置する状態になる。このとき、オイル噴射ノズル45からオイルが噴射され、噴射されたオイルにより、ポンプ本体131が潤滑される。
ローラリフタ153が下降する際、図17(a)に示すように、ローラリフタ153が、リフタハウジング54の軸線Laに対して反時計回り方向になす角βで傾斜した姿勢が維持される。
また、ローラリフタ153が下降する際、図15に示すように、電磁スピルバルブ33が開弁状態となっているので燃料が燃料通路34aから圧力室62に一気に吸入される。
ローラリフタ153が下死点に到達して燃料の吸入が完了すると、ECU9の指令により電磁スピルバルブ33が閉弁し、圧力室62と燃料通路34aとが遮断され、加圧行程が開始する。この加圧行程においては、プランジャ52が上昇し圧力室62内の燃料が圧縮されて燃料圧力が、第1実施形態と同様、約13MPa程度まで高められる。
ローラリフタ153が上昇する際も、図17(b)に示すように、ローラリフタ153が下降する際と同様、ローラリフタ153が、リフタハウジング54の軸線Laに対して反時計回り方向になす角βで傾斜した姿勢が維持される。
圧力室62内の燃料圧力が約13MPaに達すると、図16に示すように、燃料圧力によりチェックバルブ36が開放されて、圧力室62内の高圧の燃料が、高圧燃料パイプ14を介してデリバリパイプ13に供給される。
このとき、ECU9の噴射制御部から燃料噴射バルブ8に噴射指令が伝達され、燃料噴射バルブ8から高圧燃料が噴射される。図示しないエンジンの各気筒毎に、各気筒の燃焼サイクルに応じてECU9により噴射量や噴射タイミングなどの燃料噴射が制御される。
このように、第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107は構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107は、駆動カム32と摺接するローラ73と、シャフト72と、ローラリフタ153と、リフタハウジング54と、スプリング55と、プランジャ52とを備え、シャフト72の軸心Psが、ローラリフタ153の軸線と直交する方向にローラリフタ153の軸線から距離d2だけ離隔した第1の離隔位置に配置されるようシャフト72がローラリフタ153に支持されるとともに、駆動カム32の軸線Lcが、ローラリフタ153の軸線と直交する方向であって、ローラリフタ153の軸線を挟んで第1の離隔位置と反対側に距離d1だけ離隔した第2の離隔位置に配置されるよう、ローラリフタ153がリフタハウジング54に支持され、ローラリフタ153が、リフタハウジング54内で前記往復運動をする間、ローラリフタ153の側壁面部171aがリフタハウジング54の内壁面部54gを一定の方向に圧力Fkおよび圧力Fjで押圧するよう構成されている。
その結果、ローラリフタ153がリフタハウジング54内で往復運動する際、高圧燃料ポンプ107の吸入行程から加圧行程までの行程全域において、ローラリフタ153の重心の近傍部分を中心として、大きさが(Fs+Fc)×d2(N・m)となる反時計回りの回転モーメントM2がローラリフタ153に生ずることになる。
この回転モーメントM2により、ローラリフタ153の側壁面部171aの反力Fc側の下部が、圧力Fkでリフタハウジング54のリフタ収容穴54dを囲む内壁面部54gに押圧されることになる。他方、ローラリフタ153の側壁面部171aの圧力Fs側の上部が、圧力Fjでリフタハウジング54の内壁面部54gに押圧されることになる。
この圧力Fkおよび圧力Fjは、駆動カム32が一定方向に回転しており、その回転位相に関わらず、その圧力方向が常に一定の方向に作用するので、従来の高圧燃料ポンプにおいて、ローラリフタの圧力方向が変わることにより発生していた打音が、第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107においては、全く発生することはなく、打音の問題が解消するという効果が得られる。
このように、第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107においては、ローラリフタ153のリフタハウジング54の軸線Laに対する姿勢が、行程全域において、常に同じ傾斜方向で保持されるという効果がある。その結果、ローラリフタ153の側壁面部171aとリフタハウジング54の内壁面部54gとの間のクリアランスを狭めることによる打音の抑制を図る必要はなく、適正なクリアランスを維持することができる。したがって、ローラ73と駆動カム32との均一で適正な接触を維持することができ、高圧燃料ポンプ107の打音の発生を防止しつつ、燃料の適正な加圧制御を実行することができる。
第2実施形態に係る高圧燃料ポンプ107においては、図14(a)、(b)に示すように、ローラ73が、ローラリフタ153の軸線からローラリフタ153の回り止め部171bの方向に距離d2だけオフセットされ、かつ駆動カム32の軸心Pcがリフタハウジング54の軸線Laから、距離d1だけオフセットされた場合について説明した。
しかしながら、本発明に係る高圧燃料ポンプにおいては、ローラ73が、ローラリフタ153の軸線からローラリフタ153の回り止め部171bと反対方向に距離d2だけオフセットするとともに、駆動カム32の軸心Pcがリフタハウジング54の軸線Laから、距離d1だけオフセットされるよう構成してもよい。この場合にも、ローラ73が、回り止め部171bの方向に距離d2だけオフセットされた場合と同様、図14(a)、(b)に示す作用と同様に作用し、同様の効果が得られる。
すなわち、ローラ73が、ローラリフタ153の軸線からローラリフタ153の回り止め部171bと反対方向に距離d2だけオフセットされた場合でも、図14(a)、(b)に示す回転モーメントM2が逆方向になり、圧力Fkおよび圧力Fjが、図14(a)、(b)に示す方向と逆方向になり、リフタハウジング54の軸線Laに対する傾斜方向が逆方向になるだけであり、その大きさは、オフセット方向が異なっても同じ大きさとなり、同様の作用および効果が得られる。
次いで、第2実施形態の変形例に係る高圧燃料ポンプ107について説明する。
第2実施形態の変形例に係る高圧燃料ポンプ107においては、車両が平坦な路面R上にあり、リフタハウジング54の軸線Laが、その路面Rに対してほぼ垂直になるよう高圧燃料ポンプ107を車両に搭載した場合について説明した。
しかしながら、本発明に係る高圧燃料ポンプにおいては、リフタハウジングの軸線が、車両が平坦な路面R上にあり、その路面に対してほぼ垂直になる姿勢以外の姿勢で、高圧燃料ポンプを車両に搭載するようにしてもよい。
例えば、図18に示すように、路面に対する垂線に対して、例えば、反時計方向になす角θで傾斜するよう、高圧燃料ポンプを車両に搭載するようにしてもよい。
また、このなす角θが90度、すなわち高圧燃料ポンプが平坦な路面Rに対して水平になるよう、高圧燃料ポンプを車両に搭載するようにしてもよく、なす角θが180度、すなわち高圧燃料ポンプが平坦な路面Rに対して第2実施形態の高圧燃料ポンプ107の姿勢に対して逆さまになるよう、高圧燃料ポンプを車両に搭載するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、ローラリフタとこのローラリフタを収容するリフタハウジングとの適正なクリアランスを維持しつつ、ローラリフタとリフタハウジングとの間で生ずる打音を低減することができる高圧燃料ポンプを提供することができるという効果を奏し、駆動カムの回転運動がプランジャの往復運動に変換される機構を備えたローラリフタなどのポンプ全般に有用である。
5、105 燃料供給装置
7、107 高圧燃料ポンプ
31、131 ポンプ本体
32 駆動カム
40 オイル供給装置
51 シリンダ(リフタハウジング)
52 プランジャ
53、153 ローラリフタ
54 リフタハウジング
54g 内壁面部
71、171 リフタ本体
71a、171a 側壁面部
72 シャフト
73 ローラ

Claims (2)

  1. 駆動カムと摺接するローラと、前記ローラを回転可能に支持するシャフトと、前記シャフトを支持するとともに前記ローラを収容するローラリフタと、前記ローラリフタを往復運動可能に支持するリフタハウジングと、前記ローラリフタを前記駆動カムの方向に押圧するスプリングと、前記ローラリフタに連結され、前記リフタハウジングに設けられた圧力室内に端部が露出するとともに、前記圧力室内で往復運動可能に前記リフタハウジングに支持されたプランジャと、を備え、前記駆動カムの回転運動に応じて前記プランジャが往復運動することにより、前記圧力室に吸入された燃料の圧力を高めて吐出する高圧燃料ポンプにおいて、
    前記ローラリフタの軸線が、前記駆動カムの軸心を通るよう前記ローラリフタが前記リフタハウジングに支持されるとともに、前記シャフトの軸心が、前記ローラリフタの軸線と直交する方向に前記ローラリフタの軸線から離隔した位置に配置されるよう前記シャフトが前記ローラリフタに支持され、
    前記ローラリフタが、前記リフタハウジング内で前記往復運動をする間、前記ローラリフタの側壁面部が前記リフタハウジングの内壁面部を一定の方向に押圧するようにしたことを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  2. 駆動カムと摺接するローラと、前記ローラを回転可能に支持するシャフトと、前記シャフトを支持するとともに前記ローラを収容するローラリフタと、前記ローラリフタを往復運動可能に支持するリフタハウジングと、前記ローラリフタを前記駆動カムの方向に押圧するスプリングと、前記ローラリフタに連結され、前記リフタハウジングに設けられた圧力室内に端部が露出するとともに、前記圧力室内で往復運動可能に前記リフタハウジングに支持されたプランジャと、を備え、前記駆動カムの回転運動に応じて前記プランジャが往復運動することにより、前記圧力室に吸入された燃料の圧力を高めて吐出する高圧燃料ポンプにおいて、
    前記シャフトの軸心が、前記ローラリフタの軸線と直交する方向に前記ローラリフタの軸線から離隔した第1の離隔位置に配置されるよう前記シャフトが前記ローラリフタに支持されるとともに、前記駆動カムの軸線が、前記ローラリフタの軸線と直交する方向であって、前記ローラリフタの軸線を挟んで前記第1の離隔位置と反対側に離隔した第2の離隔位置に配置されるよう、前記ローラリフタが前記リフタハウジングに支持され、
    前記ローラリフタが、前記リフタハウジング内で前記往復運動をする間、前記ローラリフタの側壁面部が前記リフタハウジングの内壁面部を一定の方向に押圧するようにしたことを特徴とする高圧燃料ポンプ。
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