JP2012202375A - 高圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部材の耐圧性を高めることの可能な高圧ポンプを提供する。
【解決手段】シリンダ14は、ハウジング11内でプランジャ13を往復移動可能に収容する収容部15、この収容部15の加圧室121と反対側から径外方向に延びる環状部16、及び環状部16の外縁から軸方向加圧室121と反対側に延びて内燃機関200の高圧ポンプ取付穴201に挿入可能な挿入部17を一体に有する。略環状に形成されたシール部材50は、径外方向の外壁が挿入部17の内壁に液密に接続され、径内方向の内壁が収容部15から加圧室121と反対側に露出するプランジャ13の径外方向の外壁に液密に摺接する。これにより、シリンダ14の収容部15、環状部16及び挿入部17が同軸に形成され、収容部15に収容されるプランジャ13と、挿入部17に接続されるシール部材50との同軸性が高まる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高圧ポンプに関する。
従来、内燃機関に燃料を供給する燃料供給系統に設けられ、燃料を加圧圧送する高圧ポンプが知られている。高圧ポンプは、シリンダに収容されたプランジャの往復運動により、供給通路から加圧室に燃料を吸入し、加圧する。シリンダの加圧室と反対側から露出するプランジャの径外方向の外壁には、シール部材が設けられる。シール部材は、プランジャとシリンダとの隙間から内燃機関へ燃料の漏出を規制し、かつ、内燃機関から高圧ポンプ内へエンジンオイルの浸入を規制する。
特許文献1の高圧ポンプは、ハウジングの加圧室と反対側の端面に、加圧室と反対側へ筒状に延びる挿入部(特許文献1では「接続短管部50」)が設けられている。挿入部は、内燃機関に設けられる高圧ポンプの取付穴に挿入され、高圧ポンプを位置決めする。シール部材は、燃料シールエレメント(特許文献1では「ピストンシール部材62」)及びプランジャストッパ(特許文献1では「ストッパ78」)が略筒状の保持部材(特許文献1では「ストッパエレメント60」)に組付けられることで構成される。保持部材は、その径外方向の外壁(特許文献1では「固定区分76」または「外側区分76」)が挿入部の径内方向の内壁に固定されている(特許文献1の明細書の段落「0038」「0041」、図2及び図3参照)。
特許文献2の図1〜図4に記載の高圧ポンプは、シリンダとプランジャとの隙間から漏出した燃料が、リーク通路51を通り燃料タンクに戻される構成である。シール部材(特許文献2では「環状シール部材40」)は、シリンダの内側に設けられている。
特許文献3の高圧ポンプでは、シリンダの内側にシール部材が設けられている。
特許文献2の図5及び図6及び特許文献4では、シール部材(特許文献2では「メカニカルシール64、65、68」、特許文献4では「リップ部74」)は、シール部材の径内方向の内壁の面積に対し、プランジャとシール部材とが接触する面積を小さくした構成となっている。
特許文献2の図7及び図8では、シリンダの加圧室と反対側で加圧室側に凹む環状溝が設けられ、この環状溝にシール部材(特許文献2では「環状シール部材40」)が嵌め込まれている。シール部材は、径内方向の内壁とプランジャ外壁とのシール性と、径外方向の外壁と環状溝内壁とのシール性とを兼ね備えている。
特開2008−525713号公報 特開平4−353262号公報 特開平11−82226号公報 特許3199105号公報
ところで、高圧ポンプは、高圧ポンプから内燃機関側へ燃料の漏出を規制し、高圧ポンプ内へエンジンオイルの浸入を規制する為、シール部材とプランジャとの同軸が高度に要求される。仮に、シール部材とプランジャとの同軸が確保されないと、シール部材を構成する燃料シールエレメントに異常摩耗が生じ、シール部材の耐圧性が低下するおそれがある。これにより、高圧ポンプから内燃機関へ燃料漏れが生じると、燃料がエンジンオイルに混入し、内燃機関の潤滑悪化が懸念される。また、燃費が悪化することが懸念される。一方、内燃機関から高圧ポンプ内へエンジンオイルが混入すると、高圧ポンプから燃料が供給されるインジェクタにデポジットが堆積するおそれがある。また、エンジンオイルの減少による内燃機関の潤滑悪化が懸念される。また、エンジンオイルの消費量が増加することが懸念される。
特許文献1では、プランジャの外径、シリンダの内径及び外径、ハウジングに設けられた挿入部の内径、保持部材の外径、保持部材の燃料シールエレメント取り付け箇所の内径、並びに燃料シールエレメントの内径及び外径に関し、加工精度を確保することで、シール部材とプランジャとの同軸が保たれる。このように、多くの部材の加工精度を要求すると、シール部材とプランジャとを同軸にすることが困難になると共に、製造コストが高くなることが懸念される。
特許文献2の図1〜図4及び特許文献3では、一般に高圧ポンプの備える小径のシリンダ内にシール部材を組み込むことは困難である。このため、特許文献2の図7及び図8に示されるように、シリンダの加圧室と反対側の端面に、加圧室側に凹む環状溝66を設け、その環状溝66にシール部材を嵌め込むことが考えられる。しかし、シール部材を嵌め込んだ後、環状溝を塞ぐ押板73又はCリング74を設置すると、部品点数が増加することで、製造コストが高くなることが懸念される。
特許文献2の図5及び図6及び特許文献4では、プランジャとシリンダとの隙間から漏出する燃料の圧力が燃料タンクと略同じ大気圧相当である場合、シール部材は高圧ポンプから燃料の漏出を規制し、かつ、高圧ポンプ内にエンジンオイルの浸入を規制することが可能である。しかし、近年、高圧ポンプは、プランジャとシリンダとの隙間から漏出する燃料を燃料タンクに戻すことなく、高圧ポンプの供給通路に戻すように構成されたリークリターンレスが採用される。このため、プランジャとシリンダとの隙間から漏出した燃料圧力は、大気圧よりも高い供給通路の燃料圧力相当となる。この場合、燃料圧力によりシール部材が径外方向に開き、耐圧性が悪化することが懸念される。一方、シール部材の径外側に燃料が入り込むと、シール部材の緊迫力が高くなる。このため、シール部材またはプランジャの異常摩耗が生じるおそれがある。
特許文献2の図7及び図8では、シール部材の緊迫力を高めることで、シール部材の径内方向の内壁とプランジャ外壁とのシール性、及び、径外方向の外壁と環状溝内壁とのシール性が維持される。しかし、シール部材の緊迫力を高めると、シール部材またはプランジャの異常摩耗が生じるおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、プランジャとシリンダとの隙間からの燃料漏れを防ぐシール部材の耐圧性を高めることの可能な高圧ポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明によると、内燃機関のカムシャフトにより駆動される高圧ポンプは、プランジャ、ハウジング、吸入弁部、吐出弁部、シリンダ及びシール部材を備える。
プランジャは、カムシャフトの回転によって軸方向に往復移動する。ハウジングは、プランジャにより燃料が加圧される加圧室を有する。加圧室に燃料を供給する供給通路に設けられる吸入弁部は、供給通路を開閉する。加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出通路に設けられる吐出弁部は、吐出通路を開閉する。シリンダは、ハウジング内でプランジャを往復移動可能に収容する収容部、この収容部の加圧室と反対側から径外方向に延びる環状部、及び環状部の外縁から軸方向加圧室と反対側に延びて内燃機関のカムシャフトが設けられた高圧ポンプ取付穴に挿入可能な挿入部を有する。略環状に形成されたシール部材は、径外方向の外壁がシリンダの挿入部の内壁に液密に接続され、径内方向の内壁がシリンダの収容部から加圧室と反対側に露出するプランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する。
これにより、シリンダの収容部、環状部及び挿入部を例えば切削加工により同軸に形成することが可能になる。このため、収容部に収容されるプランジャと、挿入部に接続されるシール部材との同軸性が高まる。したがって、シール部材またはプランジャの摩耗が抑制され、シール部材の耐圧性を高めることができる。
請求項2に記載の発明によると、シール部材は、燃料シールエレメント、保持部材及びオイルシールを有する。
燃料シールエレメントは、筒状に形成され、シリンダの収容部から加圧室と反対側に露出するプランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する。
保持部材は、径外方向の外壁がシリンダの挿入部の内壁に液密に接続され、径内方向の内壁が燃料シールエレメントを保持する。
オイルシールは、軸方向の一方の側が保持部材に接続され、他方の側が保持部材の加圧室と反対側でプランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する。
これにより、燃料シールエレメントは、緊迫力を高めることなく、耐圧性を高めることができる。
請求項3に記載の発明によると、高圧ポンプは、シリンダの収容部と燃料シールエレメントとの間に設けられ、プランジャが挿通される挿通孔を有する環状のプランジャストッパを備える。高圧ポンプは、シリンダの収容部とプランジャとの隙間に連通すると共に、連通路を通じて供給通路に連通する副加圧室を有する。
プランジャストッパにより、燃料シールエレメントが固定される。アルコール添加燃料等によって、Oリングが膨潤し、燃料シールエレメントの緊迫力に影響することをプランジャストッパによって抑制することができる。
また、高圧ポンプの組み付け後にプランジャが脱落することを防止でき、組み付け後の工程における作業性を高めることが可能である。また、内燃機関への組み付け時にスプリングの圧縮代を最小限に設定することが可能であるため、内燃機関への組み付け性を向上可能である。
請求項4に記載の発明によると、プランジャは、加圧室側に設けられる大径部、及びこの大径部の加圧室と反対側で大径部よりも外径が小さく形成されプランジャストッパの挿通孔を挿通する小径部を有する。副加圧室は、連通路を経由し、供給通路の燃料をプランジャの往復移動によって吸入及び排出する。
これにより、加圧室から供給通路に燃料が排出されるとき、供給通路から副加圧室に燃料が吸入される。また、供給通路から加圧室に燃料が吸入されるとき、副加圧室から供給通路に燃料が排出される。したがって、供給通路に生じる燃圧脈動が低減されるとともに、吸入効率を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によると、高圧ポンプは、フランジ及びハウジングカバーを備える。フランジは、内燃機関の高圧ポンプ取付穴の径外側に取り付け可能である。環状のハウジングカバーは、ハウジングとフランジとを接続し、径方向内側に内燃機関の熱がシリンダに伝熱することを抑制可能な筒状の第1断熱空間を有する。
これにより、第1断熱空間を形成する際のハウジングの切削加工による材料の損失を少なくすることが可能になる。したがって、ハウジングの製造コストを低減することができる。
請求項6に記載の発明によると、供給通路には、加圧室に吸入される燃料及び加圧室から排出される燃料による燃圧脈動を低減する第1燃料室が設けられる。第1断熱空間は、第1燃料室及び副加圧室に連通する。
これにより、第1断熱空間に第1燃料室及び副加圧室の燃料が流通する。したがって、供給通路に連通して燃料を貯留する容積が大きくなるので、供給通路に生じる燃圧脈動を低減することができるとともに、吸入効率を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によると、連通路は、吸入弁部に形成され供給通路の一部を構成する吸入燃料溜りと副加圧室とを連通する。
これにより、副加圧室の燃料が第1燃料室を経由して吸入燃料溜りに流れる構成と比較して、第1燃料室と吸入弁部とを連通する供給通路の流量を副加圧室の容積分少なくすることが可能になる。このため、供給通路の内径を小さくし、高圧ポンプの体格を小さくすることができる。
請求項8に記載の発明によると、オイルシールは、オイルシールエレメント及びオイルシール外環を有する。オイルシールエレメントは、保持部材よりも加圧室と反対側でプランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する。オイルシール外環は、略筒状に形成され、軸方向の一方の側が保持部材に接続され、他方の側がオイルシールエレメントを保持する。
高圧ポンプは、オイルシール外環と保持部材との間に、内燃機関の熱が副加圧室に伝熱することを抑制可能な筒状の第2断熱空間を有する。
高圧ポンプが内燃機関の高圧ポンプ取付穴に取り付けられた際、内燃機関のオイルがオイルシールにかかる。また、内燃機関の熱がオイルシールに伝熱する。ここで、空気の熱伝達係数は金属の熱伝達係数に比べ非常に小さい。このため、第2断熱空間に例えば空気等を封入すれば、オイルシールから副加圧室への伝熱が第2断熱空間によって抑制可能となる。これにより、副加圧室から供給通路へ流れる燃料の温度上昇が抑制され、供給通路のベーパの発生を抑制可能になる。したがって、高圧ポンプにベーパロックが生じることを抑制することができ、始動性悪化等の不具合を抑制可能である。
請求項9に記載の発明によると、内燃機関のカムシャフトの回転によって駆動される高圧ポンプは、プランジャ、ハウジング、吸入弁部、吐出弁部、シリンダ、フランジ及びシール部材を備える
プランジャは、カムシャフトの回転により軸方向に往復移動する。ハウジングは、プランジャにより燃料が加圧される加圧室を有する。加圧室に燃料を供給する供給通路に設けられる吸入弁部は、供給通路を開閉する。加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出通路に設けられる吐出弁部は、吐出通路を開閉する。シリンダは、ハウジング内でプランジャを軸方向に往復移動可能に収容する。フランジは、ハウジングの内燃機関側に設けられ、内燃機関に取り付け可能な取付部、及びこの取付部から軸方向加圧室と反対側に延びて内燃機関のカムシャフトが設けられた高圧ポンプ取付穴に挿入可能な第2挿入部を有する。略筒状に形成されたシール部材は、軸方向の一方の側がシリンダの径外方向の外壁に接続され、他方の側がシリンダから加圧室と反対側に露出するプランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する。
これにより、シリンダに収容されるプランジャと、シリンダの径外方向の外壁に接続されるシール部材との同軸性が高まる。したがって、シール部材またはプランジャの摩耗が抑制され、シール部材の耐圧性を高めることができる。
請求項10に記載の発明によると、シール部材は、燃料シールエレメント、保持部材及びオイルシールを有する。
燃料シールエレメントは、シリンダから加圧室と反対側に露出するプランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する。
略筒状に形成された保持部材は、軸方向の一方の側がシリンダの外壁に接続され、他方の側が燃料シールエレメントを保持する。
略筒状に形成されたオイルシールは、軸方向の一方の側が保持部材に接続され、他方の側が保持部材の加圧室と反対側でプランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する。
これにより、燃料シールエレメントは、緊迫力を高めることなく、耐圧性を高めることができる。
請求項11に記載の発明によると、高圧ポンプは、シリンダの収容部と燃料シールエレメントとの間に設けられ、プランジャが挿通される挿通孔を有する環状のプランジャストッパを備える。高圧ポンプは、シリンダの収容部とプランジャとの隙間に連通すると共に、連通路を通じて供給通路に連通する副加圧室を有する。
アルコール添加燃料等によって、Oリングが膨潤し、燃料シールエレメントの緊迫力に影響することをプランジャストッパによって抑制することができる。
請求項12に記載の発明によると、プランジャは、加圧室側に設けられる大径部、及びこの大径部の加圧室と反対側で大径部よりも外径が小さく形成されプランジャストッパの挿通孔を挿通する小径部を有する。副加圧室は、連通路を経由し、供給通路の燃料をプランジャの往復移動によって吸入及び排出する。
これにより、加圧室から供給通路に燃料が排出されるとき、供給通路から副加圧室に燃料が吸入される。また、供給通路から加圧室に燃料が吸入されるとき、副加圧室から供給通路に燃料が排出される。したがって、供給通路に生じる燃圧脈動が低減されるとともに、吸入効率を向上させることができる。
請求項13に記載の発明によると、オイルシールは、オイルシールエレメント及びオイルシール外環を有する。オイルシールエレメントは、保持部材よりも加圧室と反対側でプランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する。略筒状に形成されたオイルシール外環は、軸方向の一方の側が保持部材に接続され、他方の側がオイルシールエレメントを保持する。
高圧ポンプは、オイルシール外環と保持部材との間に、内燃機関の熱が副加圧室に伝熱することを抑制可能な筒状の第2断熱空間を有する。
高圧ポンプが内燃機関の高圧ポンプ取付穴に取り付けられた際、内燃機関のオイルがオイルシールにかかる。また、内燃機関の熱がオイルシールに伝熱する。第2断熱空間に例えば空気等を封入すれば、オイルシールから副加圧室への伝熱が第2断熱空間によって抑制可能となる。これにより、副加圧室から供給通路へ流れる燃料の温度上昇が抑制され、供給通路のベーパの発生を抑制可能になる。したがって、高圧ポンプにベーパロックが生じることを抑制することができ、始動性悪化等の不具合を抑制可能である。
請求項14に記載の発明によると、連通路は、吸入弁部に形成され供給通路の一部を構成する吸入燃料溜りと副加圧室とを連通する。
これにより、副加圧室の燃料が第1燃料室を経由して吸入燃料溜りに流れる構成と比較して、第1燃料室と吸入弁部とを連通する供給通路の流量を副加圧室の容積分少なくすることが可能になる。このため、供給通路の内径を小さくし、高圧ポンプの体格を小さくすることができる。
請求項15に記載の発明によると、高圧ポンプは、環状のハウジングカバーを備える。ハウジングカバーは、フランジの取付部とハウジングとを接続し、径方向内側に内燃機関の熱がシリンダに伝熱することを抑制可能な筒状の第1断熱空間を有する。
これにより、第1断熱空間を形成する際のハウジングの切削加工による材料の損失を少なくすることが可能になる。したがって、ハウジングの製造コストを低減することが可能である。
本発明の第1実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの要部断面図。 図2のIII−III線断面図。 本発明の第2実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第4実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第6実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第7実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第7実施形態による高圧ポンプの要部断面図。 図10のXI−XI線断面図。 図10のXII−XII線断面図。 図10のXIII−XIII線断面図。 本発明の第8実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第9実施形態による高圧ポンプの要部断面図。 図15のXVI−XVI線断面図。 本発明の第10実施形態による高圧ポンプの断面図。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプを図1〜図3に示す。高圧ポンプ10は、内燃機関200のシリンダヘッドなどに取り付けられる。高圧ポンプ10は、図示しない燃料タンクから低圧ポンプによって汲み上げられた燃料を加圧し、デリバリパイプへ吐出する。デリバリパイプに貯留された高圧燃料はインジェクタから内燃機関の気筒内に噴射される。
高圧ポンプ10は、ハウジング11、シリンダ14、プランジャ13、シール部材50、ダンパ装置5、吸入弁部30、電磁駆動部70及び吐出弁部90などを備えている。
プランジャ13は、加圧室121側に設けられる大径部133と、大径部133の加圧室121と反対側で大径部133よりも外径が小さく形成された小径部131を有している。小径部131と大径部133との接続部分に段差面132が形成される。
ハウジング11には、シリンダ14が設けられている。シリンダ14は、収容部15、環状部16及び挿入部17を一体で有する。収容部15は、略筒状に形成され、ハウジング11内でプランジャ13の大径部133を往復移動可能に収容している。プランジャ13は、大径部133が収容部15の一方の側に形成された加圧室121に臨むように設けられている。
環状部16は、収容部15の加圧室121と反対側から径外方向に環状に延びている。環状部16の径外方向の外壁には径内方向に凹む段差161が設けられている。この段差161にハウジング11の内燃機関200側の端面から筒状に延びる嵌合部113が嵌合する。
挿入部17は、環状部16の外縁から軸方向に加圧室121と反対側に延びている。挿入部17は、内燃機関200のカムシャフト7が設けられた高圧ポンプ取付穴201に挿入される。挿入部17の径外方向の外壁に形成された溝にOリング171が嵌合している。このOリング171は、高圧ポンプ取付穴201と挿入部17との間から外気側へエンジンオイルが漏出することを防ぎ、また、外気側から内燃機関200に水などが浸入することを防ぐ。
プランジャの小径部131とシリンダ14の挿入部17との間に、略環状のシール部材50が設けられている。シール部材50は、燃料シールエレメント51、保持部材52及びオイルシール60を有する。
燃料シールエレメント51は、環状に形成された内周のテフロンリング53(「テフロン」は登録商標)と、外周のOリング54とからなる。テフロンリング53は、プランジャ13のシリンダ14の収容部15から露出する小径部131の径方向の外壁に液密に摺接する。燃料シールエレメント51は、小径部131周囲の燃料油膜の厚さを規制し、プランジャ13の摺動による内燃機関200側への燃料のリークを抑制する。
保持部材52は、固定部55、接続部56及び保持部57からなり、略環状に一体で形成される。固定部55は、径外方向の外壁がシリンダ14の挿入部17の内壁に液密に接続される。接続部56は、固定部55の軸方向加圧室121側と、保持部57の軸方向加圧室121側とを接続する。保持部57は、径内方向の内壁が燃料シールエレメント51を保持する。
オイルシール60は、略筒状に形成されたオイルシールエレメント61と、オイルシール外環62とを有する。オイルシールエレメント61は、保持部材57の加圧室121と反対側でプランジャ13の小径部131の径外方向の外壁に液密に摺接する。オイルシールエレメント61は、小径部131周囲のオイル油膜の厚さを規制し、エンジンオイルがハウジング11内へ浸入することを抑制する。オイルシール外環62は、略筒状に形成され、軸方向の一方の側が保持部材52に接続され、他方の側がオイルシールエレメント61を保持する。
保持部材52の接続部56と、プランジャ13の加圧室121と反対側の端部に設けられたスプリング座18との間に、スプリング19が設けられている。このスプリング19の軸方向に伸びる力により、スプリング座18はカムシャフト7側へ付勢される。プランジャ13は、カムシャフト7のカムプロフィールに沿って軸方向に往復移動し、加圧室121及び後述する副加圧室122の容積を可変する。
燃料シールエレメント51とシリンダ14との間にプランジャストッパ80は設けられる。プランジャストッパ80は、環状に形成され、円環状の基部81と、複数の突出部82とを有する。基部81に設けられた挿通孔83に、プランジャ13の小径部131が挿通される。複数の突出部82は、基部81から軸方向シリンダ14側に延びている。各突出部82と突出部82との間に溝路84が放射状に形成される。突出部82の軸方向加圧室121側の端面は、シリンダ14に当接する。
シリンダ14の収容部15の内壁、プランジャ13の段差面132及び小径部131の外壁、及びプランジャストッパ80により、副加圧室122が形成される。副加圧室122は、プランジャ13の摺動及び冷却のためにシリンダ14とプランジャ13との間に設けられた数μmの隙間に連通している。また、副加圧室122は、プランジャストッパ80の溝路84を通じて、保持部材52の接続部56とシリンダ14の環状部16との間に形成された環状燃料通路123に連通している。環状燃料通路123は、環状部16に軸方向に通じる孔162を通り、環状部16とハウジング11との間に形成されたハウジング燃料溜り124に連通している。ハウジング燃料溜り124は、ハウジング11に形成された連通路106を経由し、供給通路100に設けられた第1燃料室110に連通している。これにより、副加圧室122の燃料圧力は、供給通路100の燃料圧力と略同等になる。
ハウジング11の内燃機関200側にフランジ40が設けられている。フランジ40の取付部42に設けられた孔45に図示しないねじが差し込まれ、そのねじが内燃機関200に螺着されることで、高圧ポンプ10は内燃機関200に取り付けられる。
次に、ダンパ装置5について説明する。
図1に示すように、ハウジング11には、シリンダ14の反対側に、シリンダ14側に凹むダンパハウジング111が設けられている。ダンパハウジング111は、ハウジング11の外側に開口している。このダンパハウジング111の開口を蓋部材12が塞いでいる。ダンパハウジング111と蓋部材12との間に、第1燃料室110が形成される。
第1燃料室110は、連通路106を通じて副加圧室122と連通している。また、第1燃料室110は、供給通路100を通じて加圧室121と連通している。また、第1燃料室110は、図示しない通路を通じて図示しない燃料入口と連通している。
プランジャ13の往復移動により供給通路100から加圧室121側へ吸入される燃料、及び、加圧室121から供給通路100側へ排出された燃料により供給通路100に燃圧脈動が生じる。
第1燃料室110には、パルセーションダンパ210が収容されている。
パルセーションダンパ210は、2枚の金属ダイアフラム、カバー部材211から構成され、内部に所定圧の気体が密封されている。パルセーションダンパ210は、2枚の金属ダイアフラムが第1燃料室110の圧力変化に応じて弾性変形することで、第1燃料室110の燃圧脈動を低減する。
カバー部材211は、2枚の金属ダイアフラムが互いに離れる方向への変位を規制し、金属ダイアフラムの応力振幅を低減する。カバー部材211から径外方向へ延びる複数個の取付部212は、ダンパハウジング111の内壁に接続されている。これにより、パルセーションダンパ210が第1燃料室110に設置される。
続いて、吸入弁部30について説明する。
吸入弁部30は加圧室121の径外方向に設けられている。吸入弁部30に形成される供給通路100を吸入燃料溜り101と称する。
弁ボディ31は、吸入燃料溜り101の加圧室121側に収容されている。弁ボディ31の内側にテーパ状の弁座34が形成されている。
吸入弁35は弁座34の加圧室121側に配置されている。吸入弁35は、弁ボディ31に設けられた孔の内壁に案内されて往復移動する。吸入弁35の弁座34側に形成された弁シートは、弁ボディ31の弁座34に着座および離座可能である。
吸入弁35の加圧室121側にストッパ39が固定されている。このストッパ39は、吸入弁35の開弁方向(図1の右方向)への移動を規制する。ストッパ39の内側と吸入弁35との間には第1スプリング21が設けられている。第1スプリング21は、吸入弁35を弁座34に着座させる方向、すなわち閉弁方向へ付勢している。
ストッパ39には、ストッパ39の軸に対して傾斜する傾斜通路104が周方向に複数形成されている。
次に電磁駆動部70について説明する。
電磁駆動部70は、コイル71、固定コア72、可動コア73、接続部材75などから構成される。
接続部材75は磁性体からなり、吸入弁部30の吸入燃料溜り101を塞いでいる。接続部材75は、固定コア72及びコネクタ77を保持している。
接続部材75の加圧室121と反対側に磁性体からなる固定コア72が設けられている。固定コア72と接続部材75との間の磁気的な短絡を非磁性体からなる筒部材79が防止している。
固定コア72の径方向外側に樹脂製のスプール78が設けられている。スプール78の径外側にコイル71が巻回されている。
可動コア73は磁性体からなり、接続部材75の固定コア72側に設けられた収容室に軸方向に往復移動可能に収容されている。
接続部材75の中央に設けられた孔の内壁には、ガイド筒が取り付けられている。
ニードル38は略円筒状に形成され、ガイド筒の内壁に案内されて往復移動する。ニードル38は、一方の端部が可動コア73と一体に組み付けられ、他方の端部が吸入弁35の電磁駆動部70側の端面に当接するように設置されている。
固定コア72と可動コア73との間に第2スプリング22が設けられている。この第2スプリング22は、ストッパ39側の第1スプリング21が吸入弁35を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、可動コア73を吸入弁35側へ付勢している。
コイル71に通電していないとき、可動コア73は固定コア72に吸引されず、第2スプリング22の弾性力により互いに離れている。このため、可動コア73と一体のニードル38が吸入弁35側へ移動し、ニードル38の端面が吸入弁35を押圧することで吸入弁35が開弁する。
コイル71に通電されると、固定コア72、可動コア73、接続部材75などによって形成された磁気回路に磁束が流れ、可動コア73は固定コア72に吸引される。可動コア73と一体のニードル38が固定コア72側へ移動し、ニードル38は吸入弁35に対する押圧力を解除する。そのため第1スプリング21の弾性力によって、吸入弁35は閉弁することが可能となる。
次に吐出弁部90について説明する。
加圧室121と燃料出口91とを吐出通路105が連通している。
吐出弁92は、有底筒状に形成され、吐出通路105に往復移動可能に収容されている。吐出弁92は、吐出通路105の内壁に形成された弁座95に着座することで吐出通路105を閉塞し、弁座95から離座することで吐出通路105を開放する。
吐出弁92の燃料出口91側に筒状の規制部材93が設けられている。規制部材93は、吐出弁92の燃料出口91側への移動を規制する。
スプリング94は、一端が規制部材93に当接し、他端が吐出弁92に当接している。スプリング94は、吐出弁92を弁座95側へ付勢している。規制部材93の設置位置によって、スプリング94のばね荷重を設定し、吐出弁92の開弁圧を調整することができる。
加圧室121の燃料の圧力が上昇し、加圧室121側の燃料から吐出弁92が受ける力がスプリング94のばね力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも大きくなると、吐出弁92は弁座95から離座する。これにより、加圧室121から吐出通路105を通り、燃料出口91から燃料が吐出される。
一方、加圧室121の燃料の圧力が低下し、加圧室121側の燃料から吐出弁92が受ける力がスプリング94のばね力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも小さくなると、吐出弁92は弁座95に着座する。これにより、弁座95の下流側の燃料が加圧室121へ逆流することが防止される。
次に、高圧ポンプ10の作動について説明する。
(1)吸入行程
カムシャフト7の回転により、プランジャ13が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室121の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出弁92は弁座95に着座し、吐出通路105を閉塞する。
一方、吸入弁35は、加圧室121と供給通路100との差圧により、第1スプリング21の付勢力に抗して加圧室121側へ移動し、開弁状態となる。このとき、コイル71への通電は停止されているので、可動コア73とニードル38は第2スプリング22の付勢力により加圧室121側へ移動する。したがって、ニードル38と吸入弁35とが当接し、吸入弁35は開弁状態を維持する。これにより、第1燃料室110から供給通路100を経由し、加圧室121に燃料が吸入される。
吸入行程では、プランジャ13の下降により、副加圧室122の容積が減少する。したがって、副加圧室122の燃料は、プランジャストッパ80の溝路84、環状燃料通路123、シリンダ14の環状部16の孔162、ハウジング燃料溜り124、連通路106を経由し、第1燃料室110へ送り出される。
ここで、大径部133と段差面132との断面積比は概ね1:0.6である。したがって、加圧室121の容積の増加分と副加圧室122の容積の減少分の比も1:0.6となる。よって、加圧室121が吸入する燃料の約60%が副加圧室122から供給され、残りの約40%が燃料入口から吸入される。これにより、加圧室121への燃料の吸入効率が向上するとともに、燃圧脈動が低減される。
(2)調量行程
カムシャフト7の回転により、プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室121の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル71への通電が停止されているので、第2スプリング22の付勢力によりニードル38と吸入弁35は開弁位置にある。これにより、供給通路100は開放された状態が維持される。このため、一度加圧室121に吸入された低圧燃料が供給通路100を経由し、第1燃料室110へ戻される。したがって、加圧室121の圧力は上昇しない。
調量行程では、プランジャ13の上昇により、副加圧室122の容積が増大する。したがって、第1燃料室110の燃料は、連通路106、ハウジング燃料溜り124、シリンダ14の環状部16の孔162、環状燃料通路123及びプランジャストッパ80の溝路84を経由し、副加圧室122へ流入する。
このとき、加圧室121から第1燃料室110側へ排出される低圧燃料の容積の約60%が、第1燃料室110から副加圧室122に吸入される。これにより、燃圧脈動の約60%が低減される。
(3)加圧行程
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇する途中の所定の時刻に、コイル71へ通電される。するとコイル71に発生する磁界により、固定コア72と可動コア73との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング22の弾性力と第1スプリング21の弾性力との差よりも大きくなると、可動コア73とニードル38は固定コア72側(図1の左方向)へ移動する。これにより、吸入弁35に対するニードル38の押圧力が解除される。吸入弁35は、第1スプリング21の弾性力、及び加圧室121から第1燃料室110側へ排出される低圧燃料の流れによって生ずる力により、弁座34側へ移動する。したがって、吸入弁35は弁座34に着座し、供給通路100が閉塞される。
吸入弁35が弁座34に着座した時から、加圧室121の燃料圧力は、プランジャ13の上死点に向かう上昇と共に高くなる。加圧室121の燃料圧力が吐出弁92に作用する力が、吐出通路105の燃料圧力が吐出弁92に作用する力およびスプリング94の付勢力よりも大きくなると、吐出弁92が開弁する。これにより、加圧室121で加圧された高圧燃料は吐出通路105を経由して燃料出口91から吐出する。
なお、加圧行程の途中でコイル71への通電が停止される。加圧室121の燃料圧力が吸入弁35に作用する力は、第2スプリング22の付勢力より大きいので、吸入弁35は閉弁状態を維持する。
高圧ポンプ10は、(1)から(3)の行程を繰り返し、内燃機関200に必要な量の燃料を加圧して吐出する。
コイル71へ通電するタイミングを早くすれば、調量行程の時間が短くなると共に、加圧行程の時間が長くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が少なくなり、吐出通路105から吐出される燃料が多くなる。
一方、コイル71へ通電するタイミングを遅くすれば、調量行程の時間が長くなると共に、吐出行程の時間が短くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が多くなり、吐出通路105から吐出される燃料が少なくなる。
このように、コイル71へ通電するタイミングを制御することで、高圧ポンプ10から吐出される燃料の量を内燃機関200が必要とする量に制御することができる。
本実施形態では、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、シリンダ14は、収容部15、環状部16及び挿入部17を一体で形成している。これにより、例えば切削加工により収容部15と挿入部17とを同軸に形成することが容易に可能になる。このため、収容部15に収容されるプランジャ13と、挿入部17に接続されるシール部材50とを同軸に設けることが可能になる。したがって、シール部材50またはプランジャ13の摩耗が抑制され、シール部材50の耐圧性を高めることができる。
(2)本実施形態では、燃料シールエレメント51は、保持部57に保持された内径側のテフロンリング53がプランジャ13の径外方向の外壁に液密に摺接している。燃料シールエレメント51は、径内方向の内壁のシール性がテフロンリング53によって高度に保たれ、径外方向の外壁のシール性がOリング54によって維持される。また、アルコール添加燃料等の影響で、Oリング54が膨潤して、燃料シールエレメント51の緊迫力に影響することがプランジャストッパ80によって抑制されている。これは、プランジャストッパ80によってOリングが膨潤する際のスペースを規制することができるため、膨潤量をある規定値までに抑制することが可能であるからである。したがって、燃料シールエレメント51の緊迫力を高めることなく、燃料シールエレメント51またはプランジャ13の摩耗が抑制され、燃料シールエレメント51の耐圧性を高めることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による高圧ポンプを図4に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、ハウジング燃料溜り124と吸入弁部30の吸入燃料溜り101とを連通路107が連通している。これにより、副加圧室122の燃料は、第1燃料室110を経由することなく、吸入燃料溜り101と流通する。このため、第1燃料室110と吸入燃料溜り101との間を連通する供給通路100を流れる燃料を、副加圧室122の容積分、少なくすることが可能になる。したがって、供給通路100の内径を小さく形成し、高圧ポンプの体格を小さくすることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による高圧ポンプを図5に示す。本実施形態では、ハウジング11とフランジ40との間に、シリンダ14の軸と略平行に延びる環状のハウジングカバー112が設けられている。ハウジングカバー112は例えば金属から形成される。ハウジングカバー112は、ハウジング11に設けられた段差117に接合される筒部114と、この筒部114の軸方向フランジ側の縁部から径内方向に延びる段差部115と、段差部115の内縁から軸方向内燃機関200側へ延びる接合部116とを有する。接合部116は、シリンダ14の段差161に嵌合する。接合部116の径外方向にフランジ40が接合される。
ハウジングカバー112の径方向内側で、シリンダ14の環状部16とハウジング11との間に第1断熱空間150が形成される。第1断熱空間150には、例えば空気が封入される。シリンダ14の環状部16とハウジング11の連通路106とを燃料パイプ108が接続している。
ハウジングカバー112には、樹脂コーティングを施工してもよい。これにより、高圧ポンプの作動音がハウジングカバー112に共振することを抑制し、作動音を低減することができる。また、第1断熱空間150の断熱効果を高めることができる。
本実施形態では、第1断熱空間150により、内燃機関200の熱がフランジ40又はハウジングカバー112を経由してハウジング11内の燃料に伝熱することを抑制することができる。
本実施形態では、第1断熱空間150を形成する際のハウジング11の切削加工による材料の損失を少なくすることが可能になる。したがって、ハウジング11の製造コストを低減することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による高圧ポンプを図6に示す。本実施形態では、ハウジングカバー112が筒状の筒部114から構成され、段差部115及び接合部116を有していない。ハウジングカバー112は例えば樹脂から形成される。
ハウジングカバー112は、一方の側がハウジング11に設けられた段差117に接合され、他方の側がフランジ40から軸方向ハウジング11側へ延びる突起47に接合されている。
本実施形態では、ハウジングカバー112のコストを低減すると共に、第1断熱空間150の断熱効果を高めることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による高圧ポンプを図7に示す。本実施形態では、シリンダ14の環状部16とハウジング11の連通路106とを接続する燃料パイプ108が設けられていない。第1断熱空間150は、第1燃料室110及び副加圧室122に連通している。これにより、第1燃料室110及び副加圧室122に燃料が第1断熱空間150に流通する。
本実施形態では、第1燃料室110と第1断熱空間150と副加圧室122とが連通することで、供給通路100に連通する燃料を貯留する容積が大きくなる。したがって、供給通路100に生じる燃圧脈動を低減することができるとともに、吸入効率を向上させることができる。
なお、ハウジング11に、第1燃料室110と吸入燃料溜り101とを連通する連通路107を形成してもよい。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による高圧ポンプを図8に示す。本実施形態では、シール部材50の保持部材52は、固定部55、接続部56及び保持部57が略同じ板厚で構成されている。保持部材52は、例えばプレス加工によって、固定部55、接続部56及び保持部57が形成される。保持部材52の保持部57とオイルシール外環62との間に第2断熱空間140が形成される。第2断熱空間140には、例えば空気が封入される。
高圧ポンプが内燃機関200の高圧ポンプ取付穴201に取り付けられた際、内燃機関200のオイルがオイルシール60にかかる。また、内燃機関200の熱がオイルシール60に伝熱する。この場合、第2断熱空間140により、内燃機関200の熱がオイルシール60から副加圧室122の燃料に伝熱することが抑制される。したがって、副加圧室122から供給通路100へ流れる燃料の温度上昇が抑制され、供給通路100のベーパの発生を抑制可能になる。この結果、高圧ポンプにベーパロックが生じることが抑制され、始動性悪化等の不具合を抑制することができる。
また、本実施形態では、保持部材52をプレス加工により形成することが可能になるので、保持部材52の加工コストを低減することができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による高圧ポンプを図9〜図13に示す。本実施形態では、シリンダ14は、加圧室121側に設けられる厚肉部141、この厚肉部141の外径よりも外径が小さい中肉部142、及びこの中肉部142よりも外径が小さい薄肉部143を有している。厚肉部141の外壁はハウジング11に圧入されている。
シール部材50を構成する保持部材52は、略有底筒状に形成され、その底部にプランジャ13の小径部131を挿通している。保持部材52は、軸方向の一方の側がシリンダ14の中肉部142の外壁に接続され、他方の側が燃料シールエレメント51を保持している。
保持部材52とオイルシール外環62との間に第2断熱空間140が形成される。第2断熱空間140には、例えば空気が封入される。第2断熱空間140は、内燃機関200の熱がオイルシール60から副加圧室122に伝熱することを抑制する。
フランジ40は、内燃機関200に設けられた高圧ポンプ取付穴201に挿入される第2挿入部41と、この第2挿入部41の軸方向ハウジング11側から径外方向に延びる取付部42とを有する。ハウジング11は、フランジ40の取付部42から加圧室121側に突出する筒状の嵌合部43に固定される。
フランジ40の第2挿入部41の径方向の外壁に設けられた溝にOリング44が嵌合している。このOリング44は、高圧ポンプ取付穴201と第2挿入部との間から外気側へエンジンオイルが漏出することを防ぎ、また、外気側から内燃機関200に水などが浸入することを防ぐ。
フランジ40の取付部の板厚方向に設けられた円孔48に、保持部材52が挿通している。フランジ40の円孔48の内壁に設けられた溝にOリング49が嵌合している。このOリング49は、フランジ40とハウジング11との間に形成されたハウジング燃料溜り124から内燃機関200側へ燃料が漏出することを防ぎ、また、内燃機関200のエンジンオイルがハウジング燃料溜り124へ浸入することを防ぐ。
シリンダ14の薄肉部143、プランジャ13の段差面132及び小径部131の外壁、プランジャストッパ80及び保持部材52の内壁により、副加圧室122が形成される。副加圧室122は、シリンダ14とプランジャ13との間に設けられた隙間に連通している。また、副加圧室122は、シリンダ14の薄肉部143の径方向に通じる孔144を通り、シリンダ14の薄肉部143と保持部材52の内壁との間に形成された筒状のシリンダ外部燃料通路126に連通している。シリンダ外部燃料通路126は、保持部材52の径方向に通じる孔58を通り、フランジ40の取付部とハウジング11との間に形成されたハウジング燃料溜り124に連通している。ハウジング燃料溜り124は、ハウジング11に形成された連通路106を通り、供給通路100に設けられた第1燃料室110に連通している。これにより、副加圧室122の燃料圧力は、供給通路100の燃料圧力と略同等になる。
本実施形態では、シール部材50を構成する保持部材52は、軸方向の一方の側がシリンダ14の中肉部142の外壁に接続され、他方の側が燃料シールエレメント51を保持している。これにより、収容部15に収容されるプランジャ13と、保持部材52に保持される燃料シールエレメント51とを同軸に設けることが可能になる。したがって、燃料シールエレメント51及びプランジャ13の摩耗が抑制され、シール部材50の耐圧性を高めることができる。
本実施形態では、燃料シールエレメント51は、径内方向の内壁のシール性がテフロンリング53によって高度に保たれ、径外方向の外壁のシール性がOリング54によって維持される。また、アルコール添加燃料等の影響で、Oリング54が膨潤して、燃料シールエレメント51の緊迫力に影響することがプランジャストッパ80によって抑制されている。したがって、燃料シールエレメント51の緊迫力を高めることなく、燃料シールエレメント51またはプランジャ13の摩耗が抑制され、燃料シールエレメント51の耐圧性を高めることができる。
本実施形態では、第2断熱空間140により、内燃機関200の熱がオイルシール60から副加圧室122に伝熱することが抑制される。したがって、副加圧室122から供給通路100へ流れる燃料の温度上昇が抑制され、供給通路100のベーパの発生を抑制可能になる。この結果、高圧ポンプにベーパロックが生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上述した第1〜第6実施形態と比較して、シリンダ14の加工コストを低減することができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態による高圧ポンプを図14に示す。本実施形態では、ハウジング燃料溜り124と吸入弁部30の吸入燃料溜り101とを連通路107が連通している。これにより、副加圧室122の燃料は、第1燃料室110を経由することなく、吸入燃料溜り101と流通する。このため、第1燃料室110と吸入燃料溜り101との間を連通する供給通路100を流れる燃料を、副加圧室122の容積分、少なくすることが可能になる。したがって、供給通路100の内径を小さく形成し、高圧ポンプの体格を小さくすることができる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態による高圧ポンプを図15及び図16に示す。本実施形態では、ハウジング11とフランジ40との間に、シリンダ14の軸と略平行に延びる環状のハウジングカバー112が設けられている。ハウジングカバー112は例えば樹脂から形成される。ハウジングカバー112は、一方の側がハウジング11に設けられた段差117に接合され、他方の側がフランジ40から軸方向ハウジング11側へ延びる突起47に接合されている。
ハウジングカバー112の径方向内側で、フランジ40とハウジング11との間に第1断熱空間150が形成される。第1断熱空間150には、例えば空気が封入される。
保持部材52の径方向に通じる孔58とハウジング11の連通路106とを燃料パイプ108が接続している。これにより、シリンダ外部燃料通路126と連通路106とが連通する。したがって、副加圧室122と第1燃料室110との間を燃料が流れ、副加圧室122の燃料圧力は、供給通路100の燃料圧力と略同等になる。
本実施形態では、第1断熱空間150により、内燃機関200の熱がフランジ40又はハウジングカバー112を経由してハウジング11内の燃料に伝熱することを抑制することができる。
本実施形態では、第2断熱空間140により、内燃機関200の熱がオイルシール60から副加圧室122の燃料に伝熱することを抑制することができる。
本実施形態では、第1断熱空間150を形成する際のハウジング11の切削加工による材料の損失を少なくすることが可能になる。したがって、ハウジング11の製造コストを低減することができる。
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態による高圧ポンプを図17に示す。本実施形態では、上述した第1〜第9実施形態よりもシリンダ14を軸方向に短く形成している。プランジャ13も軸方向に短く形成している。また、フランジ40のスプリング係止部46が取付部42よりも加圧室121側に設けられている。
本実施形態では、上述した第1〜第9実施形態よりも高圧ポンプの軸方向の体格を小さくすることができる。
また、本実施形態では、プランジャ13の質量が小さくなる。したがって、スプリングの弾性力を小さくすることができることから、プランジャ13を駆動するカムシャフト7の駆動力を低減することが可能になる。
(他の実施形態)
上記複数の実施形態では、プランジャ13に大径部133と小径部131とを形成し、プランジャ13の往復移動によって副加圧室122の容積を可変するように構成した。これに対し、本発明は、プランジャを軸方向に同一の外径とし、シリンダとプランジャとの隙間からリークする燃料を貯留するリークリターン室として副加圧室を構成してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 ・・・燃料供給系統
7 ・・・カムシャフト
10 ・・・高圧ポンプ
11 ・・・ハウジング
13 ・・・プランジャ
14 ・・・シリンダ
15 ・・・収容部
16 ・・・環状部
17 ・・・挿入部
30 ・・・吸入弁部
40 ・・・フランジ
50 ・・・シール部材
51 ・・・燃料シールエレメント(シール部材)
52 ・・・保持部材(シール部材)
60 ・・・オイルシール(シール部材)
61 ・・・オイルシールエレメント(シール部材)
62 ・・・オイルシール外環(シール部材)
80 ・・・プランジャストッパ
90 ・・・吐出弁部
100・・・供給通路
106・・・連通路
114・・・吐出通路
121・・・加圧室
122・・・副加圧室
131・・・小径部
133・・・大径部
200・・・内燃機関
201高圧ポンプ取付穴

Claims (15)

  1. 内燃機関のカムシャフトにより駆動される高圧ポンプであって、
    前記カムシャフトの回転により軸方向に往復移動するプランジャと、
    前記プランジャにより燃料が加圧される加圧室を有するハウジングと、
    前記加圧室に燃料を供給する供給通路に設けられ、前記供給通路を開閉する吸入弁部と、
    前記加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出通路に設けられ、前記吐出通路を開閉する吐出弁部と、
    前記ハウジング内で前記プランジャを往復移動可能に収容する収容部、この収容部の前記加圧室と反対側から径外方向に延びる環状部、及びこの環状部の外縁から軸方向前記加圧室と反対側に延びて前記内燃機関の前記カムシャフトが設けられた高圧ポンプ取付穴に挿入可能な挿入部を一体で有するシリンダと、
    略環状に形成され、径外方向の外壁が前記シリンダの前記挿入部の内壁に液密に接続され、径内方向の内壁が前記シリンダの前記収容部から前記加圧室と反対側に露出する前記プランジャの径外方向の外壁に液密に摺接するシール部材と、を備えることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記シール部材は、
    筒状に形成され、前記シリンダの前記収容部から前記加圧室と反対側に露出する前記プランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する燃料シールエレメントと、
    径外方向の外壁が前記シリンダの前記挿入部の内壁に液密に接続され、径内方向の内壁が前記燃料シールエレメントを保持する保持部材と、
    略筒状に形成され、軸方向の一方の側が前記保持部材に接続され、他方の側が前記保持部材の前記加圧室と反対側で前記プランジャの径外方向の外壁に液密に摺接するオイルシールと、を有することを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記シリンダの前記収容部と前記燃料シールエレメントとの間に設けられ、前記プランジャが挿通される挿通孔を有する環状のプランジャストッパを備え、
    前記シリンダの前記収容部と前記プランジャとの隙間に連通すると共に、連通路を通じて前記供給通路に連通する副加圧室を有することを特徴とする請求項2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記プランジャは、前記加圧室側に設けられる大径部、及びこの大径部の加圧室と反対側で大径部よりも外径が小さく形成され前記プランジャストッパの前記挿通孔を挿通する小径部を有し、
    前記副加圧室は、前記連通路を経由し、前記供給通路の燃料を前記プランジャの往復移動によって吸入及び排出することを特徴とする請求項3に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記内燃機関の前記高圧ポンプ取付穴の径外側に取り付け可能なフランジと、
    前記ハウジングと前記フランジとを接続し、径方向内側に前記内燃機関の熱が前記シリンダに伝熱することを抑制可能な筒状の第1断熱空間を有する環状のハウジングカバーと、を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記供給通路には、前記加圧室に吸入される燃料及び前記加圧室から排出される燃料による燃圧脈動を低減する第1燃料室が設けられ、
    前記第1断熱空間は、前記第1燃料室及び前記副加圧室に連通することを特徴とする請求項5に記載の高圧ポンプ。
  7. 前記連通路は、前記吸入弁部に形成され前記供給通路の一部を構成する吸入燃料溜りと前記副加圧室とを連通することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  8. 前記オイルシールは、
    前記保持部材よりも前記加圧室と反対側で前記プランジャの径外方向の外壁に液密に摺接するオイルシールエレメントと、
    略筒状に形成され、軸方向の一方の側が前記保持部材に接続され、他方の側が前記オイルシールエレメントを保持するオイルシール外環と、を有し、
    前記オイルシール外環と前記保持部材との間に、前記内燃機関の熱が前記副加圧室に伝熱することを抑制可能な筒状の第2断熱空間を有することを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  9. 内燃機関のカムシャフトの回転により駆動される高圧ポンプであって、
    前記カムシャフトの回転によって軸方向に往復移動するプランジャと、
    前記プランジャにより燃料が加圧される加圧室を有するハウジングと、
    前記加圧室に燃料を供給する供給通路に設けられ、前記供給通路を開閉する吸入弁部と、
    前記加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出通路に設けられ、前記吐出通路を開閉する吐出弁部と、
    前記ハウジング内で前記プランジャを軸方向に往復移動可能に収容するシリンダと、
    前記ハウジングの前記内燃機関側に設けられ、前記内燃機関に取り付け可能な取付部、及びこの取付部から軸方向前記加圧室と反対側に延びて前記内燃機関の前記カムシャフトが設けられた高圧ポンプ取付穴に挿入可能な第2挿入部を有するフランジと、
    略筒状に形成され、軸方向の一方の側が前記シリンダの径外方向の外壁に接続され、他方の側が前記シリンダから前記加圧室と反対側に露出する前記プランジャの径外方向の外壁に液密に摺接するシール部材と、を備えることを特徴とする高圧ポンプ。
  10. 前記シール部材は、
    前記シリンダから前記加圧室と反対側に露出する前記プランジャの径外方向の外壁に液密に摺接する燃料シールエレメントと、
    略筒状に形成され、軸方向の一方の側が前記シリンダの外壁に接続され、他方の側が前記燃料シールエレメントを保持する保持部材と、
    略筒状に形成され、軸方向の一方の側が前記保持部材に接続され、他方の側が前記保持部材の前記加圧室と反対側で前記プランジャの径外方向の外壁に液密に摺接するオイルシールと、を有することを特徴とする請求項9に記載の高圧ポンプ。
  11. 前記シリンダと前記燃料シールエレメントとの間に設けられ、前記プランジャが挿通される挿通孔を有するプランジャストッパを備え、
    前記シリンダと前記プランジャとの隙間に連通すると共に、連通路を通じて前記供給通路に連通する副加圧室を有することを特徴とする請求項10に記載の高圧ポンプ。
  12. 前記プランジャは、前記加圧室側に設けられる大径部、及びこの大径部の前記加圧室と反対側で前記大径部よりも外径が小さく形成され前記プランジャストッパの前記挿通孔を挿通する小径部を有し、
    前記副加圧室は、前記連通路を経由し、前記供給通路の燃料を前記プランジャの往復移動によって吸入及び排出することを特徴とする請求項11に記載の高圧ポンプ。
  13. 前記オイルシールは、
    前記保持部材よりも前記加圧室と反対側で前記プランジャの径外方向の外壁に液密に摺接するオイルシールエレメントと、
    略筒状に形成され、軸方向の一方の側が前記保持部材に接続され、他方の側が前記オイルシールエレメントを保持するオイルシール外環とを有し、
    前記オイルシール外環と前記保持部材との間に、前記内燃機関の熱が前記副加圧室に伝熱することを抑制可能な筒状の第2断熱空間を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  14. 前記連通路は、前記吸入弁部に形成され前記供給通路の一部を構成する吸入燃料溜りと前記副加圧室とを連通することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  15. 前記フランジの取付部と前記ハウジングとを接続し、径方向内側に前記内燃機関の熱が前記シリンダに伝熱することを抑制可能な筒状の第1断熱空間を有する環状のハウジングカバーを備えることを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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