JP2015094280A - 高圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】Oリング溝を形成する製造工数を低減する高圧ポンプを提供する。【解決手段】高圧ポンプ1のポンプボディ10においてエンジンの取付穴に嵌合する嵌合外壁102に形成された段部103は、駆動側端面101に近い側の外径が駆動側端面101から遠い側の外径よりも小さくなっている。また、嵌合外壁102には、駆動側端面101側からアッパーシート45の筒部453が外挿されている。筒部453と段部103との間に形成された周方向の溝部490には、ポンプボディ10が取付穴に嵌合したとき、嵌合外壁102と取付穴との隙間をシール可能なOリング49が装着される。これにより、ポンプボディの嵌合外壁に溝加工することで周方向の溝部を形成する従来技術に対し、溝加工の工程を廃止し、高圧ポンプの製造工数を低減することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンに用いられる高圧ポンプに関する。
近年、省資源の観点から、燃費の良い直噴エンジンが注目されている。直噴エンジンではインジェクタから高圧の燃料を噴射する必要がある。従来、シリンダの内壁面をプランジャが往復移動することにより、燃料タンクに設置された低圧ポンプから供給される燃料を吸入し、加圧室で加圧してインジェクタ側へ圧送する高圧ポンプが知られている。
この種の高圧ポンプは、下部が取付穴に嵌合した状態でエンジンに取り付けられ、カムシャフトの動力がプランジャの駆動端に伝達される。この取付状態で嵌合部の隙間からのオイル漏れを防止するため、ポンプボディの外壁にOリングが装着されている(例えば特許文献1の図1等参照)。
特開2012−154301号公報
特許文献1に図示される形態では、Oリングが装着される溝は、ポンプボディの外壁に溝加工されることにより形成されている。そのため、ポンプボディの仕上げ加工工程における旋盤加工において、専用の突っ切りバイトを用意する必要がある。また、溝加工の工程が余分に必要となり、製造工数が増加することとなる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、Oリング溝を形成する製造工数を低減する高圧ポンプを提供することにある。
本発明は、エンジンの取付穴に取り付けられ、カムシャフトの動力がプランジャの駆動端に伝達されることでプランジャがシリンダ内を往復移動し、プランジャの駆動端と反対側の加圧端に面する加圧室において燃料を加圧する高圧ポンプに係る発明である。
この高圧ポンプは、プランジャ、シリンダ、ポンプボディ、溝部形成部材及びOリングを備える。
ポンプボディは、軸方向における加圧室と反対側の端面である駆動側端面、及び、駆動側端面の周縁に接続し取付穴に嵌合可能な嵌合外壁を有している。そして、嵌合外壁に、駆動側端面に近い側の外径が駆動側端面から遠い側の外径よりも小さくなっている段部が形成されている。
溝部形成部材は、駆動側端面の側から前記嵌合外壁に外挿され、ポンプボディの段部との間に周方向の溝部を形成する。
Oリングは、溝部に装着され、ポンプボディが取付穴に嵌合したとき、嵌合外壁と取付穴との隙間をシール可能である。
これにより、旋盤加工でポンプボディの駆動側端面側の外径を加工するとき、外径バイトを用いて外径切削と共に段部を加工するだけでよく、突っ切りバイトによる溝加工の工程を廃止することができる。したがって、突っ切りバイトが不要となり、また、Oリング溝を形成する製造工数を低減することができる。
ここで、カムシャフトの動力がプランジャに伝達されるための構成としてプランジャスプリング、並びに、プランジャスプリングの両端を支持するアッパーシート及びロアシートが設けられる高圧ポンプにおいて、ポンプボディに固定されたアッパーシートは、駆動側端面に対向する鍔部、及び、鍔部の外縁に接続し嵌合外壁に外挿可能な筒部を有し、溝部形成部材を構成することが好ましい。アッパーシートが溝部形成部材の機能を兼ねることで、専用の溝部形成部材を設ける必要がなく、部品点数を低減することができる。
さらに、加圧室からシリンダとプランジャとの摺動隙間を経由してリークした燃料が溜まる副燃料室を有する高圧ポンプでは、アッパーシートの鍔部は、副燃料室における加圧室と反対側の境界を区画することが好ましい。これにより、副燃料室の境界を区画するための別部材を設ける必要がないため、部品点数を低減することができる。
本発明の一実施形態による高圧ポンプの断面図である。 図1の要部拡大図である。 本発明の一実施形態のポンプボディの端部外周加工を示す模式図である。 比較例の高圧ポンプの断面図である。 図4の要部拡大図である。 比較例のポンプボディの端部外周加工を示す模式図である。
以下、本発明の高圧ポンプの実施形態を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態の高圧ポンプについて、図1〜図3を参照して説明する。
まず、本実施形態による高圧ポンプ1の全体構成について、図1、図2を参照して説明する。高圧ポンプ1は、車両に搭載されて用いられ、燃料タンクから低圧ポンプによって供給された燃料を加圧し、インジェクタが接続される燃料レールへ吐出する。図示しない燃料入口の上流側には低圧ポンプからの配管が接続される。
以下の説明では、便宜上、図1、図2の上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、高圧ポンプ1が取り付けられるエンジン側の構成を仮想線(二点鎖線)で示す。
図1に示すように、高圧ポンプ1は、ポンプボディ10、プランジャ部40、吸入弁部50、電磁駆動部60、吐出弁部70等を備えている。以下、各部の構成について順に説明する。
[ポンプボディ10]
ポンプボディ10は、例えば金属材料で形成され、高圧ポンプ1の外郭を構成する。
ポンプボディ10のプランジャ部40側の端面を駆動側端面101という。駆動側端面101の周縁に接続する嵌合外壁102には、駆動側端面101に近い側の外径が駆動側端面101から遠い側の外径よりも小さくなっている段部103が形成されている。この段部103と、後述するアッパーシート45の筒部453との間に形成された溝部490に、Oリング49が装着されている。
高圧ポンプ1は、嵌合外壁102がエンジン90の取付穴91に嵌合するようにプランジャ部40が取付穴91に挿入される。このとき、Oリング49が取付穴91の内壁に当接することで、嵌合外壁102と取付穴91との径方向隙間をシールする。
エンジン90に取り付けられた高圧ポンプ1は、カムシャフト93の動力がタペット92を介してプランジャ41の駆動端414に伝達されることで駆動される。すなわち、高圧ポンプ1は、プランジャ41がシリンダ11内を往復移動することによって燃料を加圧して吐出する。
ポンプボディ10は、駆動側端面101側から中心軸に沿ってシリンダ11が形成されている。プランジャ41は、シリンダ11内を往復移動する。シリンダ11の上部には、プランジャ41の加圧端412が面し、燃料が加圧される加圧室12が形成される。
また、ポンプボディ10の駆動側端面101から加圧室12側に凹んだ副燃料室13が形成されている。副燃料室13は、加圧室12からシリンダ11とプランジャ41との摺動隙間を経由してリークした燃料が溜まる。
主燃料室20は、ポンプボディ10の上部に形成された凹部21と、凹部21を覆うカバー22との間に形成されている。主燃料室20は、加圧室12より燃料の流れの上流において図示しない燃料入口から燃料が供給される。また、ポンプボディ10を軸方向に縦断し、主燃料室12と副燃料室13とを連通する連絡通路14が形成されている。
主燃料室20には、ダンパユニット23が配設されている。ダンパユニット23は、パルセーションダンパ24と、凹部21の底部に配置される底側支持部25と、カバー22側に配置される蓋側支持部26とで構成される。
パルセーションダンパ24は、2枚の金属ダイアフラム241、242の内部に所定圧の気体が密封されている。そして、2枚の金属ダイアフラム241、242が主燃料室20の圧力変化に応じて弾性変形することで、主燃料室20の燃圧脈動を低減する。
主燃料室20の凹部21の底部には、底側支持部25を位置決めする窪み27が形成されている。また、窪み27には、図示しない燃料入口の開口部が形成されており、低圧ポンプからの燃料が、燃料入口を通じて供給される。
蓋側支持部26の上方に配置された波ばね28は、カバー22をポンプボディ10に取り付けた状態で、蓋側支持部26を底側支持部25側へ押圧する。
[プランジャ部40]
プランジャ部40は、プランジャ41、燃料シール部材44、アッパーシート45、ロアシート47、プランジャスプリング48等から構成されている。
本実施形態のプランジャ41は、軸方向の加圧室12側に、シリンダ11の内壁に沿って摺動する大径部411を有し、加圧室12と反対側に小径部413を有している。大径部411及び小径部413は同軸に形成されている。大径部411の端部である加圧端412は、加圧室12に面し、加圧室12を区画する。小径部413の端部である駆動端414にはロアシート47が結合されている。
燃料シール部材44は、小径部413の周囲を囲んで装着されている。小径部413の燃料シール部材44より上側の部分は、周囲が副燃料室13に面している。副燃料室13は、プランジャ41の往復移動に伴い、大径部411と小径部413との断面積差にプランジャ41の移動距離を乗じた容積が変化する。
燃料シール部材44は、小径部413の外周面に摺動可能に接触する内周側のテフロン(登録商標)リングと外周側のOリングとからなり、小径部413の周囲の燃料油膜の厚さを規制し、プランジャ41の摺動によるエンジンへの燃料のリークを抑制する。
アッパーシート45は、例えばプレス成形で製作される。アッパーシート45は、上部に、ポンプボディ10の駆動側端面101と対向する鍔部451、及び、鍔部451の外縁から軸方向上側に延びる外筒部453を有しており、外筒部453がポンプボディ10の外壁に例えば溶接されることでポンプボディ10に固定されている。
アッパーシート45がポンプボディ10に固定された状態で、筒部453の縁は、段部103との間に、Oリング49が装着される所定幅の周方向の溝部490を形成する。
鍔部451の底面452は、ポンプボディ10に形成された副燃料室13における加圧室12と反対側の境界を区画する。また、鍔部451の下面は、プランジャスプリング48の上端を支持している。
アッパーシート45の中部には、小径部413の周囲に燃料シール部材44が収容されている。さらに、アッパーシート45の下部には、小径部413の周囲を囲んでオイルシール46が装着されている。オイルシール46は、小径部413の外周面に摺動可能に接触しており、小径部413の周囲のオイル油膜の厚さを規制し、プランジャ41の摺動によるオイルのリークを抑制する。
このように、本実施形態のアッパーシート45は、溝部490を形成する機能、副燃料室13の境界を区画する機能、プランジャスプリング48の上端を支持する機能、燃料シール部材44及びオイルシール46を保持する機能等を兼ね備えた多機能部材である。その中で、段部103との間に溝部490を形成する機能の点から、本実施形態のアッパーシート45は、特許請求の範囲に記載の「溝部形成部材」に相当する。
続いて、プランジャ41の駆動端414に結合されたロアシート47は、プランジャスプリング48の下端を支持する。アッパーシート45とロアシート47との間に設けられ、両端部を係止されたプランジャスプリング48は、プランジャ41の戻しバネとして機能し、プランジャ41をタペット92に付勢する。
プランジャ41は、プランジャスプリング48の戻しバネ機能によりタペット92を介してカムシャフト93のカム94に当接することで、カムシャフト93のプロファイルに沿ってシリンダ11内を軸方向に往復移動する。このプランジャ41の往復移動により、加圧室12の容積が変化し、燃料が吸入され加圧される。
[吸入弁部50]
吸入弁部50は、吸入室52、弁ボディ53、シート部54、吸入弁55等から構成されている。
ポンプボディ10に設けられた筒部51の内部の吸入室52には弁ボディ53が収容され、係止部材によって固定されている。弁ボディ53の内側には、凹テーパ状の円周面を有するシート部54が形成されており、シート部54と相対して吸入弁55が配置されている。吸入弁55は、弁ボディ53の底部に設けられた孔の内壁に案内されて往復移動する。吸入弁55は、シート部54から離座することで吸入室52を開放し、シート部54に着座することで吸入室52を閉塞する。
弁ボディ53の内壁に固定されたストッパ56は、吸入弁55の開弁方向(図1の右方向)への移動を規制する。また、ストッパ56の内側と吸入弁55の端面との間に設けられた第1スプリング57は、吸入弁55を閉弁方向(図1の左方向)へ付勢する。
また、ストッパ56には、ストッパ56の軸に対して傾斜する傾斜通路58が周方向に複数形成されている。主燃料室20から吸入室連通路59及び吸入室52を通って供給された燃料は、傾斜通路58を通って加圧室12に吸入される。
[電磁駆動部60]
電磁駆動部60は、コネクタ61、固定コア62、可動コア63、フランジ64等から構成されている。
コネクタ61は、コイル611及び端子612を有し、端子612を通じてコイル611に通電されることにより磁界を発生するようになっている。固定コア62は磁性材料で作られ、コイル611の内側に収容されている。可動コア63は磁性材料で作られ、固定コア62と対向して配置されている。可動コア63は、フランジ64の内側に軸方向に往復移動可能に収容されている。
フランジ64は、磁性材料で作られ、ポンプボディ10の筒部51に取り付けられている。また、フランジ64は、コネクタ61等をポンプボディ10に保持すると共に、筒部51の端部を塞いでいる。フランジ64の中央に設けられた孔の内壁には、筒状のガイド筒65が取り付けられている。非磁性材料で作られた筒部材66は、固定コア62とフランジ64との間の磁気的な短絡を防止する。
ニードル67は略円筒状に形成され、ガイド筒65の内壁に案内されて往復移動する。ニードル67は、一方の端部が可動コア63に固定され、他方の端部が吸入弁55の電磁駆動部60側の端面に当接可能である。
固定コア62と可動コア63との間には、第2スプリング68が設けられている。第2スプリング68は、第1スプリング57が吸入弁55を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、可動コア63を開弁方向へ付勢している。
コイル611に通電していないとき、第2スプリング68の弾性力によって、可動コア63と一体となったニードル67が吸入弁55側へ移動し、ニードル67の端面が吸入弁55を押圧することで吸入弁55が開弁する。
[吐出弁部70]
吐出弁部70は、加圧室12と燃料出口72とを連通する吐出通路71、及び、吐出通路71に組み付けられた吐出弁装置80等から構成されている。
吐出弁装置80は、吐出弁部材82、スプリング83、アジャスティングパイプ84等から構成され、吐出弁部70に組み付けられている。吐出弁部材82は、ポンプボディ10の弁座85に相対して収容されている。吐出弁部材82の燃料出口72側には、アジャスティングパイプ84との間にスプリング83が収容されている。
吐出弁装置80は、次のように作動する。
プランジャ41がシリンダ11内を上昇するにつれ、加圧室12の燃料の圧力が上昇する。そして、加圧室12側(上流側)の燃料から吐出弁部材82が受ける力が、スプリング83の弾性力と吐出弁部材82より燃料出口72側(下流側)の燃料から受ける力との和よりも大きくなると、吐出弁装置80は開弁状態となり、加圧室12で加圧された高圧燃料は、吐出通路71を通って燃料出口72に吐出される。
他方、プランジャ41がシリンダ11内を下降するにつれて加圧室12の燃料の圧力が低下する。そして、上流側の燃料から吐出弁部材82が受ける力が、スプリング83の弾性力と下流側の燃料から受ける力との和と同等以下になると、吐出弁装置80は閉弁状態となり、下流側の燃料が上流側の加圧室12へ流出することが防止される。
次に、高圧ポンプ1の作動について説明する。
(1)吸入行程
カムシャフト93の回転により、プランジャ41がシリンダ11内を上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室12の容積が増加し、加圧室12内の燃料が減圧される。すると、吐出弁装置80は閉弁状態となり、また、吸入弁部50では、加圧室12と吸入室52との差圧及び第2スプリング68の付勢力により、吸入弁55が第1スプリング57の付勢力に抗して図1の右方向に移動して開弁状態となる。
このとき、電磁駆動部60のコイル611への通電は停止されているので、可動コア63、及び可動コア63と一体のニードル67は第2スプリング68の付勢力により図1の右方向に移動する。したがって、ニードル67と吸入弁55とが当接し、吸入弁55は開弁状態を維持する。これにより、吸入室52から加圧室12に燃料が吸入される。
吸入行程では、プランジャ41の下降により副燃料室13の容積が減少するため、副燃料室13の燃料は、連絡通路14を経由して主燃料室20へ送り出される。
(2)調量行程
カムシャフト93の回転によりプランジャ41がシリンダ11内を下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室12の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル611への通電が停止されているので、第2スプリング68の付勢力によりニードル67と吸入弁55は図1の右方向に位置する。これにより、吸入室52は開放した状態が維持される。このため、加圧室12に一度吸入された低圧燃料が吸入室52へ戻される。したがって、加圧室12の圧力は上昇しない。
調量行程では、プランジャ41の上昇により副燃料室13の容積が増大するため、主燃料室20の燃料は、連絡通路14を経由して副燃料室13へ流入する。
(3)吐出行程
プランジャ41がシリンダ11内を下死点から上死点に向かって上昇する途中の所定の時刻に、コイル611へ通電される。するとコイル611に発生する磁界により、固定コア62と可動コア63との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング68の弾性力と第1スプリング57の弾性力との差より大きくなると、可動コア63とニードル67は固定コア62側(図1の左方向)へ移動する。これにより、吸入弁55に対するニードル67の押圧力が解除される。吸入弁55は、第1スプリング57の弾性力、及び加圧室12から主燃料室20側へ排出される低圧燃料の流れによって生ずる力により、シート部54側(図1の左方向)へ移動する。したがって、吸入弁55はシート部54に着座し、吸入室52が閉塞される。
吸入弁55がシート部54に着座した時から、加圧室12の燃料圧力は、プランジャ41の上死点に向かう上昇と共に高くなり、吐出弁部材82が開弁する。これにより、加圧室12で加圧された高圧燃料は吐出通路71を経由して燃料出口72から吐出される。
なお、吐出行程の途中でコイル611への通電が停止される。加圧室12の燃料圧力が吸入弁55に作用する力は、第2スプリング68の付勢力より大きいので、吸入弁55は閉弁状態を維持する。
以上のように、高圧ポンプ1は、(1)吸入行程、(2)調量行程、(3)吐出行程を繰り返し、エンジン90に必要な量の燃料を加圧して吐出する。
このような高圧ポンプ1の作動において、ポンプボディ10の嵌合外壁102に装着されたOリング49が取付穴91との隙間をシールすることにより、エンジン90のオイルが外部に漏れることが防止される。
次に、本実施形態のポンプボディ10の仕上げ加工工程について、特許文献1等の従来技術に相当する比較例と対比しつつ図3、図6を参照して説明する。図3、図6は、旋盤加工を想定した図であり、図の横方向がワークの回転軸方向である。図の左側にワークをチャックする主軸があり、図の下側に刃物台及び作業者が位置する。また、実線矢印は刃物の軌跡を示す。
なお、ポンプボディ10の仕上げ工程前の一次工程については、総削り、鋳造、鍛造、焼結等、どのような工法であってもよい。
まず、比較例の高圧ポンプの構成について、図4、図5を参照して説明する。図4、図5は、本実施形態の図1、図2に対応する図であり、本実施形態と実質的に同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図4、図5に示すように、比較例の高圧ポンプ9は、ポンプボディ19の嵌合外壁102の段部103よりも駆動側端面101側に凸部109を有する点のみが本実施形態と異なる。凸部109は、段部103に対して平行に設けられ、段部103との間に周方向の溝部499を形成する。つまり、比較例は、別体の溝部形成部材を用いず、Oリング49が装着される溝部499をポンプボディ19単独で形成するものである。
比較例のポンプボディ19の駆動側端面101側の外径を旋盤加工するにあたっては、図6に示すように、外径バイトMT1で駆動側端面101から嵌合外壁102の外径に沿って切削し(L1)、さらに、突っ切りバイトMT2を入れて溝部499を仕上げる(L2)という2工程が必要である。
それに対し、図3に示すように、本実施形態のポンプボディ10の駆動側端面101側の外径を旋盤加工する場合、外径バイトMT1で駆動側端面101から嵌合外壁102の外径を切削すると共に段部103を仕上げる(L1)という1工程のみで加工することができる。
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態では、上述のとおり、比較例に対し溝加工の工程を廃止することができる。したがって、突っ切りバイトが不要となり、また、Oリング溝を形成する製造工数を低減することができる。
また、本実施形態では、段部103との間に溝部490を構成する溝部形成部材の機能をアッパーシート45が兼ねているため、専用の溝部形成部材を設ける必要がない。よって、部品点数を低減することができる。さらに、アッパーシート45をプレス成形で製作すれば部品コストを低減することができる。
また、Oリング49をエンジン90に装着する時、摩擦力によってOリング49は段部103の上部に押しつけられることになるため、溝部490の下部の形状については不問である。
加えて本実施形態では、アッパーシート45の鍔部451は、駆動側端面101と対向して配置され、副燃料室13における加圧室12と反対側の境界を区画する機能を兼ねている。これにより、副燃料室13の境界を区画するための別部材を設ける必要がないため、部品点数を低減することができる。
(その他の実施形態)
(ア)ポンプボディ10の段部103との間に溝部490を形成する「溝部形成部材」は、上記実施形態のようにアッパーシート45によって構成される形態に限らない。例えば、「溝部形成部材」として専用のリング状の部材を嵌合外壁102に外挿することで、溝部を形成してもよい。
(イ)副燃料室13における加圧室12と反対側の境界は、アッパーシート45の鍔部451によって区画される形態に限らず、他の専用部材によって区画されるようにしてもよい。
(ウ)高圧ポンプのOリング49の装着に関する部分以外の構成は上記実施形態に限定されない。例えば、主燃料室20にパルセーションダンパ24が設けられなくてもよい。吸入弁55は、上記実施形態のようにノーマリーオープン式でなくノーマリークローズ式であってもよい。プランジャは、大径部411及び小径部413を有する段付き形状に限らず、外径一定の形状としてもよい。連絡通路14が形成されていなくてもよい。また、ポンプボディ10に一体にシリンダ11が形成されるのでなく、別体のシリンダをポンプボディ10のシリンダ挿入穴に挿入する構成としてもよい。
以上、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施することができる。
1 ・・・高圧ポンプ、
10 ・・・ポンプボディ、
101・・・駆動側端面、 102・・・嵌合外壁、 103・・・段部、
11 ・・・シリンダ、 12 ・・・加圧室、
41 ・・・プランジャ、 412・・・加圧端、 414・・・駆動端、
45 ・・・アッパーシート(溝形成部材)、
49 ・・・Oリング、 490・・・溝部、
90 ・・・エンジン、 91 ・・・取付穴、 93 ・・・カムシャフト。

Claims (3)

  1. エンジン(90)の取付穴(91)に取り付けられ、カムシャフト(93)の動力がプランジャ(41)の駆動端(414)に伝達されることで前記プランジャがシリンダ(11)内を往復移動し、前記プランジャの前記駆動端と反対側の加圧端(412)に面する加圧室(12)において燃料を加圧する高圧ポンプ(1)であって、
    前記プランジャと、
    前記シリンダと、
    軸方向における前記加圧室と反対側の端面である駆動側端面(101)、及び、前記駆動側端面の周縁に接続し前記取付穴に嵌合可能な嵌合外壁(102)を有し、前記嵌合外壁に、前記駆動側端面に近い側の外径が前記駆動側端面から遠い側の外径よりも小さくなっている段部(103)が形成されたポンプボディ(10)と、
    前記駆動側端面の側から前記嵌合外壁に外挿され、前記ポンプボディの前記段部との間に周方向の溝部(490)を形成する溝部形成部材(45)と、
    前記溝部に装着され、前記ポンプボディが前記取付穴に嵌合したとき、前記嵌合外壁と前記取付穴との隙間をシール可能なOリング(49)と、
    を備えることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記ポンプボディの前記駆動側端面に対向する鍔部(451)、及び、前記鍔部の外縁に接続し前記嵌合外壁に外挿可能な筒部(453)を有し、前記ポンプボディに固定されたアッパーシート(45)と、
    前記プランジャの前記駆動端に結合されたロアシート(47)と、
    前記アッパーシートの前記鍔部と前記ロアシートとの間に設けられ、前記プランジャの前記駆動端を前記ポンプボディの前記駆動側端面から引き離す方向に付勢するプランジャスプリング(48)と、
    を備え、
    前記溝部形成部材は、前記アッパーシートによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記駆動側端面に面し、前記加圧室から前記シリンダと前記プランジャとの摺動隙間を経由してリークした燃料が溜まる副燃料室(13)を有し、
    前記アッパーシートの前記鍔部は、前記副燃料室における前記加圧室と反対側の境界を区画することを特徴とする請求項2に記載の高圧ポンプ。
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