JP2018105274A - 高圧燃料供給ポンプ - Google Patents

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雄太 笹生
Yuta Sasao
雄太 笹生
徳尾 健一郎
Kenichiro Tokuo
健一郎 徳尾
将通 谷貝
Masamichi Yagai
将通 谷貝
悟史 臼井
Satoshi Usui
悟史 臼井
斉藤 淳治
Junji Saito
淳治 斉藤
早谷 政彦
Masahiko Hayatani
政彦 早谷
千彰 徳丸
Chiaki Tokumaru
千彰 徳丸
菅波 正幸
Masayuki Suganami
正幸 菅波
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【課題】プランジャの溝位置を変更し、十分な耐摺動性を確保することのできる高圧燃料供給ポンプを提供すること。
【解決手段】「往復運動するプランジャと、前記プランジャの往復運動を摺動ガイドするシリンダと、前記シリンダを保持するポンプ本体と、を有する高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記プランジャが上死点に位置する際、前記プランジャに形成された溝位置が、前記シリンダ摺動部の加圧室側端部近傍に位置すること。
【選択図】図5

Description

本発明は、高圧燃料供給ポンプについて特にプランジャ機構に関する。
自動車等の内燃機関の内、燃焼室へ直接的に燃料を燃焼室内部へ噴射する直接噴射タイプにおいて、燃料を高圧化するための高圧燃料供給ポンプが広く用いられている。この高圧燃料ポンプの背景技術として、特願2014-090821がある。この高圧燃料ポンプのプランジャには、円周方向に溝加工がなされている。圧縮行程時においてプランジャの円周方向に圧力不均衡が発生し、プランジャをシリンダへ押し付ける方向に偏荷重が発生するが、前記溝が円周方向の圧力不均衡を緩和するため偏荷重が低減し、耐摺動性を確保することができる(特許文献1参照)。
特願2014-090821
排ガス規制に対応するため、高圧燃料供給ポンプにおいては、燃料吐出効率を高めることが年々要求されている。燃料吐出効率を高める方法として、プランジャ・シリンダギャップを縮小化することが挙げられるが、ギャップの縮小化に伴い、プランジャの潤滑性が低下し、プランジャの耐摩耗性が悪化することが懸念される。
特許文献1の技術においては、プランジャの溝位置は、プランジャを摺動ガイドするシリンダ摺動面の中央部に位置している。しかし、プランジャ円周方向の圧力不均衡は、シリンダ摺動面上端部近傍に最も発生する。すなわち、影響が最も強い範囲の圧力不均衡を緩和することができず、プランジャ・シリンダのギャップを縮小化した際、圧力不均衡により生じる偏荷重によって、プランジャの耐摺動性が悪化する可能性がある。
本発明の目的は、プランジャの溝位置を変更し、十分な耐摺動性を確保することのできる高圧燃料供給ポンプを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、往復運動するプランジャと、前記プランジャの往復運動を摺動ガイドするシリンダと、前記シリンダを保持するポンプ本体と、を有する高圧燃料供給ポンプにおいて、前記プランジャが上死点に位置する際、前記プランジャに形成された溝位置が、前記シリンダ摺動部の加圧室側上端近傍に位置することを特徴とする。
また前記プランジャの溝数が2つ以上形成されていることが望ましい。また前記プランジャの溝が、前記シリンダ摺動部の加圧室側端部近傍に加え、前記シリンダ摺動部の別な位置に設けられていることが望ましい。また前記プランジャの溝断面形状が、台形状に加工されていることが望ましい。また前記プランジャの溝断面形状が、三角形状に加工されていることが望ましい。また前記プランジャの溝断面形状が、丸型形状に加工されていることが望ましい。
このように構成した本発明によれば、シリンダ摺動面上端部近傍にプランジャ溝を設け、摺動面上端部近傍の圧力不均衡を緩和し、偏荷重を低減することで、耐摺動性を確保し、プランジャ・シリンダギャップを縮小化できる高圧燃料供給ポンプを提供することが可能となる。本発明のその他の構成、作用、効果については以下の実施例において詳細に説明する。
本発明が実施された、第一実施例の高圧燃料供給ポンプの全体縦断面図である。 本発明が実施された、第一実施例の高圧燃料供給ポンプの別の角度からの断面図である。 本発明が実施された、第一実施例の高圧燃料供給ポンプのプランジャ軸方向に垂直で、燃料の吸入口軸中心及び吐出口軸中心の断面図である。 高圧燃料供給ポンプを含む、システム全体図である。 本発明が実施された、第1実施例のプランジャ、及びシリンダの拡大断面図である。 本発明が実施された、第1実施例のプランジャ外観図である。 プランジャ圧縮行程におけるプランジャ周囲の流体流れ、及び偏心荷重の向きを示す模式図である。 本発明が実施された、第1実施例のプランジャ圧縮行程における、プランジャ周囲の流体流れ、及び偏心荷重の向きを示す模式図である。 本発明が実施された、第2実施例のプランジャ、及びシリンダの拡大断面図である。 本発明が実施された、第3実施例のプランジャ、及びシリンダの拡大断面図である。 本発明が実施された、第4実施例のプランジャ、及びシリンダの拡大断面図である。 本発明が実施された、第4実施例のプランジャ、及びシリンダの拡大断面図である。
以下、本発明に係る実施例について図面を用いて説明する。
以下、本発明の実施例を説明する。
図4を用いてシステムの構成と動作を説明する。図4は、本発明に係る高圧燃料供給ポンプを含む、システムの全体構成を示す図である。
破線で囲まれた部分が高圧燃料供給ポンプ(以下高圧ポンプと呼ぶ)1(図1参照)の本体1Aを示し、この破線の中に示されている機構、部品は高圧ポンプ本体1Aに一体に組み込まれていることを示す。
燃料タンク20の燃料はフィードポンプ21によって汲み上げられ、吸入配管28を通してポンプ本体(ポンプボディ)1Aの吸入ジョイント10aに送られる。吸入ジョイント10aを通過した燃料は圧力脈動低減機構9、吸入通路10bを介して容量可変機構を構成する電磁吸入弁30の吸入ポート30aに至る。脈動防止機構9については後述する。
電磁吸入弁30は電磁コイル308を備える。電磁コイル308が通電されていない時は、アンカー(電磁プランジャ)305及び吸入弁体301は、アンカーばね303の付勢力と弁ばね304の付勢力との差分の付勢力により付勢され、図3に示すように右方に移動した状態である。このとき、吸入弁体301は開弁方向に付勢されており、吸入口30dは開けられた状態となっている。
尚、アンカーばね303の付勢力と弁ばね304の付勢力とは、
アンカーばね303の付勢力 > 弁ばね304の付勢力
となるように設定されている。
一方、電磁コイル308が通電されている状態では、アンカー305が図4の左方に移動し、アンカーばね303が圧縮された状態になる。アンカー305の先端が同軸で接触するようにアンカー305の先端に取り付けられた吸入弁体301は、弁ばね304の付勢力により、吸入口30dを閉じている。吸入口30dは、高圧ポンプ1の加圧室11と吸入ポート30aとを接続する燃料通路(燃料流路)である。
以下、高圧ポンプ1の動作について説明する。
後述するカムの回転により、プランジャ2が図4の下方に変位して吸入行程状態にある時は、加圧室11の容積は増加し加圧室11内の燃料圧力が低下する。この行程で加圧室11内の燃料圧力が吸入通路10b(吸入ポート30a)の圧力よりも低くなると、燃料は、開口状態にある吸入口30dを通り、加圧室11に流入する。
プランジャ2が吸入行程を終了し圧縮行程へと移行した場合、プランジャ2が圧縮行程(図1の上方へ移動する状態)に移る。ここで電磁コイル308は無通電状態を維持したままであり、アンカー305に磁気付勢力は作用しない。よって、吸入弁体301はアンカーばね303の付勢力により開弁したままである。
圧縮行程において、加圧室11の容積は、プランジャ2の圧縮運動に伴い減少する。しかし、この状態では、一度加圧室11に吸入された燃料が、再び開弁状態の吸入弁体301を通じて、吸入通路10b(吸入ポート30a)へと戻される。このため、加圧室11の圧力が上昇することは無い。この行程を戻し行程と称する。
この状態で、エンジンコントロールユニット27(以下ECUと呼ぶ)からの制御信号が電磁吸入弁30に印加されると電磁吸入弁30の電磁コイル308に電流が流れる。このとき、アンカー305に磁気付勢力が作用し、電磁プランジャ305は図4の左方に移動してアンカーばね303が圧縮された状態になる。その結果、吸入弁体301にはアンカーばね303の付勢力が作用しなくなり、弁ばね304による付勢力と燃料が吸入通路10b(吸入ポート30a)に流れ込むことによる流体力とが働く。そのため、吸入弁体301は閉弁し、吸入口30dを閉じる。
吸入口30dが閉じると、このときから加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動と共に上昇する。そして、加圧室11の燃料圧力が燃料吐出口12側の燃料圧力以上になると、吐出弁機構8を介して加圧室11に残っている燃料の高圧吐出が行われる。吐出ジョイント12側へ吐出された高圧燃料は、コモンレール23へと供給される。この行程を吐出行程と称する。
すなわち、プランジャ2の圧縮行程(下始点から上始点までの間の上昇行程)は、戻し行程と吐出行程とからなる。そして、電磁吸入弁30の電磁コイル308への通電タイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。電磁コイル308へ通電するタイミングを早くすれば、圧縮行程中における戻し行程の割合が小さくなり、吐出行程の割合が大きくなる。すなわち、吸入通路10b(吸入ポート30a)に戻される燃料が少なくなり、高圧吐出される燃料は多くなる。
一方、電磁コイル308へ通電するタイミングを遅くすれば圧縮行程中における戻し行程の割合が大きくなり、吐出行程の割合が小さくなる。すなわち、吸入通路10bに戻される燃料が多くなり、高圧吐出される燃料は少なくなる。
電磁コイル308への通電タイミングは、ECU27からの指令によって制御される。以上のように構成することで、電磁コイル308への通電タイミングを制御することで、高圧吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することが出来る。
加圧室11の出口には吐出弁機構8が設けられている。吐出弁機構8は、吐出弁シート面(吐出弁シート部)8aと吐出弁8bと吐出弁ばね8cとを備える。加圧室11と燃料吐出口12とに燃料差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート面8aに押し付けられ、閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出口12を構成する吐出ジョイント側の燃料圧力よりも大きくなった時に始めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁する。吐出弁8bが開弁することにより、加圧室11内の燃料は燃料吐出口12を経てコモンレール23へと高圧吐出される。
かくして、吸入ジョイント10aに導かれた燃料はポンプ本体1Aの加圧室11にてプランジャ2の往復動によって高圧に加圧され、必要な量の燃料が燃料吐出口12からコモンレール23に圧送される。
コモンレール23には、直接噴射用インジェクタ24(所謂直噴インジェクタ)及び圧力センサ26が装着されている。直噴インジェクタ24は、内燃機関の気筒数に合わせて装着されており、エンジンコントロールユニット(ECU)27の制御信号にしたがって開閉弁して、燃料を内燃機関のシリンダ(燃焼室)内に噴射する。
ポンプ本体1Aにはさらに、リリーフ弁機構100が設けられている。リリーフ弁機構100には、吐出弁8bの下流側と加圧室11とを連通するリリーフ通路(戻し通路)101が、吐出通路110とは別に、吐出弁機構8をバイパスして設けられている。吐出通路110は加圧室11で加圧された燃料を吐出する。なお、リリーフ通路(戻し通路)101は、吐出通路110と加圧室11とを繋ぐように構成されているが、加圧室11ではなく、吐出通路110と吸入通路(10a、10b)を繋ぐように構成しても良い。リリーフ通路101にはリリーフ弁103が設けられている。リリーフ弁103は、燃料の流れを吐出通路110から加圧室11への一方向のみに制限する。
リリーフ弁103は、押付力(付勢力)を発生するリリーフばね102により、リリーフ弁シート104に押付けられている。リリーフ弁103は、加圧室11内の燃料圧力と吐出通路110内の燃料圧力との間の圧力差が規定の圧力以上になると、リリーフ弁103がリリーフ弁シート104から離れ、開弁するように設定している。
直噴インジェクタ24の故障等によりコモンレール23等に異常高圧が発生した場合、吐出通路110の燃料圧力と加圧室11の燃料圧力との差圧がリリーフ弁103の開弁圧力以上になると、リリーフ弁103が開弁する。リリーフ弁103が開弁すると、異常高圧となったコモンレール23の燃料はリリーフ通路101から加圧室11へと戻される。これにより、コモンレール23等の高圧部配管が保護される。
以下に高圧燃料供給ポンプの構成及び動作を、前述の図4のほか、図1乃至図3を用いてさらに詳しく説明する。図1は、本発明に係る第一実施例の高圧燃料供給ポンプについて、プランジャの軸方向に切断して示す全体断面図である。図2は、本発明に係る第一実施例の高圧燃料供給ポンプの別の角度の全体断面図であり、吸入ジョイント軸中心における断面図である。図3は、本発明に係る第一実施例の高圧燃料供給ポンプについて、プランジャの軸方向に垂直な方向に切断して示す全体断面図であり、燃料の吸入口軸中心及び吐出口軸中心における断面図である。
一般に高圧ポンプは、ポンプ本体1Aに設けられたフランジ1e(図3参照)を用い、内燃機関のシリンダヘッド41の平面に密着して固定される。シリンダヘッド41とポンプ本体1A間の気密保持のために、Oリング61がポンプ本体1Aに嵌め込まれている。
ポンプ本体1Aには、プランジャ2の進退運動をガイドし、かつ内部に加圧室11を形成するよう端部が筒型状に形成されたシリンダ6が取り付けられている。さらに加圧室11には、燃料を供給するための電磁吸入弁30と加圧室11から吐出通路に燃料を吐出するための吐出弁機構8(図3参照)とに連通するように、連通通路11a(図3参照)が設けられている。
プランジャ2の下端には、内燃機関のカムシャフトに取り付けられたカム5の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するタペット3が設けられている。プランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット3に圧着されている。これによりカム5の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に進退(往復)運動させることができる。
また、シールホルダ7の内周下端部に保持されたプランジャシール13(図1参照)が、シリンダ6の図中下端部において、プランジャ2の外周に摺動可能に接触する状態で設置されている。これによりプランジャ2とシリンダ6との間のブローバイ隙間がシールされ、燃料がポンプ外部に漏れることを防止する。同時に内燃機関内の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルも含む)がブローバイ隙間を介してポンプ本体1の内部に流入するのを防止する。
フィードポンプ21(図4参照)によって汲み上げられた燃料は、吸入配管28と結合された吸入ジョイント10aを介してポンプ本体1Aに送られる。ダンパカバー14は、ポンプ本体1Aと結合することにより低圧燃料室10b、10cを形成し、吸入ジョイント10aを通過した燃料が流入する。低圧燃料室10b、10cの上流には、燃料中に含まれる金属粉等の異物を除去するために燃料フィルタ120が、たとえばポンプ本体1Aに圧入されるなどして取り付けられている。吸入ジョイント10a及び低圧燃料室10b、10cは、低圧の燃料が流れる低圧燃料通路部10を構成する。
低圧燃料室10b、10cには高圧ポンプ1内で発生した圧力脈動が燃料配管28へ波及するのを低減させる圧力脈動低減機構9が設置されている。一度加圧室11に吸入された燃料が、容量制御のため再び開弁状態の吸入弁体301を通して吸入通路10b(吸入ポート30a)へと戻される場合、吸入通路10b(吸入ポート30a)へ戻された燃料により低圧燃料室10b、10cには圧力脈動が発生する。しかし、この圧力脈動は圧力脈動低減機構9により吸収低減される。
圧力脈動低減機構9は、波板状の円盤型金属板2枚をその外周で張り合わせ、内部にアルゴンのような不活性ガスを注入した金属ダンパ9aで形成されている。圧力脈動はこの金属ダンパ9aが膨張・収縮することで吸収低減される。9bは金属ダンパ9aをポンプ本体1Aの内周部に固定するための取り付け金具である。
電磁吸入弁30の電磁コイル308は、端子307を介してECU27と接続される。電磁コイル308への通電と無通電を繰り返すことにより、吸入弁体301の開閉が制御される。電磁吸入弁30は、吸入弁体301の開閉により燃料の流量を制御する可変制御機構である。電磁コイル308が通電されていない時、吸入弁体301には、アンカー305とアンカー305に一体となるよう形成されたアンカーロッド302とを介して、アンカーばね303の付勢力が伝達される。
アンカーばね303の付勢力と対向するように弁ばね304が設けられている。弁ばね304は吸入弁体301の内側に設置される。アンカーばね303の付勢力と弁ばね304の付勢力とは、上述したように設定される。その結果、吸入弁体301は開弁方向に付勢され、吸入口30dは開けられた状態となっている。この時アンカーロッド302と吸入弁体301とは302bに示す部位で接触している(図1に示す状態)。
電磁コイル308の通電により発生する磁気付勢力は、アンカー305が固定子306側にアンカーばね303の付勢力に打ち勝って吸引可能な力を有するように設定される。電磁コイル308への通電時、アンカー305は固定子306側に移動(図の左側)し、アンカーロッド302端部に形成されたストッパ302aがアンカーロッド軸受309に当接して係止される。アンカー305の移動量と吸入弁体301の移動量とは、
アンカー301の移動量 > 吸入弁体301の移動量
となる様にクリアランスが設定されている。このため、ストッパ302aがアンカーロッド軸受309に当接した状態では、アンカーロッド302と吸入弁体301との接触部302bは開放される。その結果、吸入弁体301は、弁ばね304により閉弁状態に付勢され、吸入口30dは閉じられた状態となる。
電磁吸入弁30には、吸入弁体301が加圧室11への吸入口30dを塞ぐことができるように、吸入弁シート部材310が設けられている。吸入弁シート部材310には、吸入弁シート310aが形成されている。吸入弁シート部材310は、筒状ボス部1bに機密を保って挿入され、ポンプ本体1Aに固定される。電磁吸入弁30がポンプ本体1Aに取り付けられた際、吸入ポート30aと吸入通路10bとが接続される。
吐出弁機構8は、ポンプ本体1に設けられた吐出弁シート面8aと、
中心に往復摺動を保持可能なように軸受8eを設けた吐出弁部材8bと、
吐出弁部材8bの軸受に対し摺動可能な中心軸8fを設けた吐出弁ガイド部材8dを有する。
吐出弁部材8bは吐出弁シート面8aと接触することにより油密保持可能な環状接触面8fを形成する。
吐出弁ばね8cは吐出弁部材8bを閉弁方向に付勢するように設けられている。
このような構成にすることで、吐出弁部材8bの傾きを抑制することができ、吐出弁部材8bを軸方向に摺動可能に拘束することができるので、吐出弁部材8bを確実にシート部(吐出弁シート面8a)に当接させることが可能である。
吐出弁ガイド部材8dをたとえば圧入によりポンプ本体1に封止されることにより吐出弁機構8を構成している。吐出弁機構8は燃料流通方向を制限する逆止弁として作用する。
次に、リリーフ弁機構100の構成及び動作を詳細に説明する。
リリーフ弁機構100は、ポンプ本体1Aに形成された収容孔(収容凹部)1Cに収容されている。収容孔1Cは連通孔11bにより加圧室11に連通している。
リリーフ弁機構100は、リリーフ弁シート104と一体であるリリーフ弁ハウジング105、リリーフ弁103、リリーフ弁押さえ107、リリーフばね102、リリーフばねアジャスタ106からなる。リリーフ弁機構100は、サブアセンブリとしてポンプハウジング1の外部で組み立てられる。
まず、リリーフ弁ハウジング105に、リリーフ弁103、リリーフ弁押さえ107、リリーフばね102の順に順次挿入し、リリーフばねアジャスタ106をリリーフ弁ハウジング105に圧入固定する。このリリーフばねアジャスタ106の固定位置によって、リリーフばね102のセット荷重を決定する。リリーフ弁103の開弁圧力は、このリリーフばね102のセット荷重によって決定される。
リリーフ弁押さえ107(リリーフ弁ホルダ)はリリーフばね102によりリリーフ弁103の下流側から上流側に向かって付勢され、リリーフ弁103を保持する。
こうしてユニット化されたリリーフ弁機構100をポンプ本体1Aに設けた収容孔(筒状貫通口)1Cの内周壁にリリーフ弁ハウジング105を圧入することによって固定する。ついで燃料吐出口12を形成する吐出ジョイント12aを、ポンプ本体1の収容孔1Cを塞ぐように固定し、燃料が高圧ポンプ1から外部へ漏れるのを防止すると同時に、コモンレール23との接続を可能とする。
収容孔1Cと収容孔1Dとは、図3に示すように、吐出通路110で接続されている。これにより、吐出通路110は収容孔1Cを介して燃料吐出口12に連通している。
プランジャ2の動きにより、加圧室11の容積が減少を始めると、加圧室11内の圧力はその容積の減少に伴って増大していく。そして、ついに吐出流路110内の圧力よりも加圧室内の圧力が高くなると、吐出弁機構8が開弁し、燃料は加圧室11から吐出流路110へと吐出されていく。この吐出弁機構8が開弁する瞬間から直後にかけて、加圧室11内の圧力はオーバーシュートして非常な高圧となる。この高圧が吐出流路110内にも伝播して、吐出流路110内の圧力も同じタイミングでオーバーシュートする。
もしここで、リリーフ弁機構100の出口が吸入流路10bに接続されていたならば、吐出流路11内の圧力オーバーシュートにより、リリーフ弁103の入口と出口との間の圧力差がリリーフ弁機構100の開弁圧力よりも大きくなってしまい、リリーフ弁103が誤動作してしまう。
これに対し本実施例では、リリーフ弁機構100の出口が加圧室11に接続されているので、リリーフ弁機構100の出口には加圧室11内の圧力が作用し、リリーフ弁機構11の入口には吐出流路110内の圧力が作用する。ここで、加圧室11内と吐出流路110内では同じタイミングで圧力オーバーシュートが発生しているので、リリーフ弁103の入口と出口との間の圧力差はリリーフ弁103の開弁圧力以上になることがない。すなわち、リリーフ弁103が誤動作することはない。
プランジャ2の動きにより加圧室11の容積が増加を始めると、容積の増加に伴って加圧室11内の圧力は減少し、吸入通路10b(吸入ポート30a)内の圧力よりも低くなる。この状態では、燃料は吸入通路10b(吸入ポート30a)から加圧室11に流入する。そして再びプランジャ2の動きにより、加圧室11の容積が減少を始めると上記のメカニズムにより燃料を高圧に加圧して吐出する。
次に、直噴インジェクタ24の故障等によりコモンレール23等に異常高圧が発生した場合について詳しく説明する。
直噴インジェクタの故障、つまり噴射機能が停止してコモンレール23に送られてきた燃料を内燃機関の燃焼室内に供給できなくなると、吐出弁機構8とコモンレール23との間に燃料がたまり、燃料圧力が異常高圧になる。この場合緩やかな圧力上昇であれば、コモンレール23に設けた圧力センサ26で異常が検知され、吸入通路10b(吸入ポート30a)に設けた容量制御機構であるところの電磁吸入弁30をフィードバック制御して吐出量を少なくする安全機能が動作する。しかし、瞬間的な異常高圧はこの圧力センサ26を使ったフィードバック制御では対処できない。
また、電磁吸入弁30が故障して最大容量時の様態のまま機能しなくなった場合、燃料がそれほど多く要求されていない運転状態では吐出圧力が異常に高圧になる。この場合はコモンレール23の圧力センサ26が異常高圧を検知しても、容量制御機構そのものが故障しているので、この異常高圧を解消することができない。
このような異常高圧が発生した場合に本実施例のリリーフ弁機構100が安全弁として機能する。
プランジャ2の動きにより加圧室11の容積が増加を始めると、容積の増加に伴って加圧室11内の圧力は減少する。このとき、リリーフ弁機構100の入口すなわち吐出流路110の圧力が、リリーフ弁103の出口すなわち加圧室11の圧力よりも、リリーフ弁機構100の開弁圧力以上に高くなると、リリーフ弁機構100は開弁する。このリリーフ弁機構100の開弁により、コモンレール23内で異常高圧となった燃料は加圧室11内に戻される。これにより、異常高圧発生時でもコモンレール23等の高圧配管系は規定の圧力以上にはならず、コモンレール23等の高圧配管系の保護がなされる。
本実施例のプランジャ構造について図1、及び図2、図5、図6を用いて詳しく説明する。
ポンプ本体1Aには、プランジャ2を摺動ガイドするシリンダ6が取り付けられており、プランジャ2とシリンダ6との間には、ギャップ50が形成される。プランジャ2には、円周上にプランジャ溝2aが設けられており、プランジャ2が上死点において、シリンダ摺動部6aの摺動上端部6b近傍に位置するよう配置されている。
ポンプの圧縮行程において、加圧室11の圧力が高くなると、シリンダ摺動面6aの上側(高圧)から、シリンダ摺動面6aの下側(低圧)に向かって、流体(燃料)の流れが発生する。プランジャ2が往復運動をする際、図7(上部には流体の流速ベクトル、下部に圧力分布を示す。)に示すように、プランジャ2の中心軸は、シリンダ6の中心軸に対して傾きを持っている。そのため、ギャップ50は円周方向に偏りが生じ、ギャップ50の大きい側には、流体(燃料)流れF1が多く流入し、ギャップ50の小さい側では流体(燃料)流れF2が少なく流入する。流入した流体(燃料)分は、シリンダ下部のギャップ50から、F3(ギャップ50が小さい側)、F4(ギャップ50が大きい側)として排出される。ギャップ50に流入する流量はプランジャ2の円周方向で不均一となるため、プランジャ2の円周方向に圧力不均衡が発生する。ここで、前記圧力不均衡は摺動上端部6b近傍で最も大きく、下端側に向かってその影響は減少する。前記圧力不均衡が発生すると、シリンダ上端側のギャップ50a(ギャップ50が大きい側)で高圧、シリンダ上端側のギャップ50b(ギャップ50が小さい側)で低圧となるため、プランジャ2を傾けようとする偏心荷重が発生し、プランジャ2とシリンダ6の摺動抵抗が増大する。図7に示すようにプランジャ溝2aが無い場合は、プランジャ2の円周方向の流体(燃料)流れFnが少ないため、前記圧力不均衡を十分に緩和することができず、耐摺動性を悪化させる。シリンダ下端側では、ギャップ50d(ギャップ50が大きい側)、ギャップ50c(ギャップ50が小さい側)でどちらも低圧であるため、前記圧力不均衡による偏心荷重は小さく、耐摩耗性への影響は無視できる。
一方、本実施例では前述したように、プランジャ溝2aを設けているため、図8に示すように、プランジャ2の円周方向に流体(燃料)流れFnを導入することが可能となり、ギャップ50bの圧力は高圧、ギャップ50aの圧力も高圧となり、前記圧力不均衡を緩和することが可能である。ゆえに、最も前記圧力不均衡の影響が大きい摺動上端部6b近傍の前記圧力不均衡を十分に緩和することができ、偏心荷重を低減することが可能となる。よって、プランジャ2の耐摺動性を向上することができ、プランジャ・シリンダギャップの縮小化が可能となる。
プランジャ溝2aの位置は、プランジャ2が下死点において、摺動上端部6b近傍から、カムリフト量分下がった位置となるが、圧縮行程開始直後の前記圧力不均衡は小さいため、プランジャ2が上死点位置において、プランジャ溝2aが摺動部上端6b近傍に位置していればよい。また、プランジャ溝2aの位置は、プランジャ2が上死点において、摺動上端部6b近傍から突出してはならない。突出した場合は、プランジャ溝2aの角部とシリンダ摺動面6aが接触し、耐摩耗性が悪化する。よって、プランジャ溝2aの位置は、プランジャ2が上死点において、摺動部上端6b近傍が限界位置となる。すなわち、プランジャ溝2aの位置を、プランジャ2が上死点において、摺動上端部6bに出来得る限り近くとることで、前記圧力不均衡を最も緩和することができる。
以下に本発明の第2実施例について説明する。実施例1と同一の内容については説明を省略する。
図9に示すように、プランジャ溝2aを、2本設けてもよい。本数は2本以上となるような構成としてもよく、理論的にプランジャ溝2aの本数が多いと、プランジャ2の円周方向に導入できる流体が増加するため、プランジャ2の円周方向に発生する圧力不均衡を、第1実施例に対し、さらに緩和することが可能となる。
以下に本発明の第3実施例について説明する。実施例1、2と同一の内容については説明を省略する。
図10に示すように、プランジャ溝2aを、摺動上端部6b近傍に加えて、シリンダ摺動部6aの中央部等、別の位置に配置してもよい。摺動上端部6bに加えてプランジャ溝2aを設けることで、プランジャ2の円周方向に発生する圧力不均衡を、第1実施例に対して、さらに緩和することが可能となる。
以下に本発明の第4実施例について説明する。実施例1、2、3と同一の内容については説明を省略する。
第1実施例においてはプランジャ溝2aの形状が台形状の例を示したが、図11に示すように三角形状としてもよく、あるいは図12に示すように丸型形状としてもよい。プランジャ溝2aとプランジャ2の摺動部とが成す角部を鋭角としないことで、耐摩耗性を確保することができる。
上記発明により、プランジャの耐摺動性を確保し、プランジャ・シリンダギャップを縮小化が可能となる。
第1実施例乃至第4実施例の説明においては、シリンダ6の形状をカップ型(シリンダ径方向を塞ぐ面をもつ)としていたが、単純な円筒状(シリンダ径方向を塞ぐ面を持たない)であってもよい。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1A…ポンプ本体、2…プランジャ、6…シリンダ、6c、6c’…環状突起、6d…環状凹部(環状溝)、8…吐出弁機構、9…圧力脈動低減機構、30…電磁吸入弁、100…リリーフ弁機構。

Claims (6)

  1. 往復運動するプランジャと、前記プランジャの往復運動を摺動ガイドするシリンダと、前記シリンダを保持するポンプ本体と、を有する高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記プランジャが上死点に位置する際、前記プランジャに形成された溝位置が、前記シリンダ摺動部の加圧室側上端近傍に位置することを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  2. 請求項1に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記プランジャの溝数が2つ以上形成されていることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記プランジャの溝が、前記シリンダ摺動部の加圧室側端部近傍に加え、前記シリンダ摺動部の別な位置に設けられていることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  4. 請求項1に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記プランジャの溝断面形状が、台形状に加工されていることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  5. 請求項1に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記プランジャの溝断面形状が、三角形状に加工されていることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  6. 請求項1に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記プランジャの溝断面形状が、丸型形状に加工されていることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20230032152A (ko) 2021-08-30 2023-03-07 주식회사 현대케피코 맥동 체적 확장형 고압펌프

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