JPH1182226A - 燃料噴射装置、燃料供給ポンプ及び燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射装置、燃料供給ポンプ及び燃料噴射弁

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JPH1182226A
JPH1182226A JP9254206A JP25420697A JPH1182226A JP H1182226 A JPH1182226 A JP H1182226A JP 9254206 A JP9254206 A JP 9254206A JP 25420697 A JP25420697 A JP 25420697A JP H1182226 A JPH1182226 A JP H1182226A
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JP
Japan
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fuel
valve
solenoid valve
voltage
solenoid
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JP9254206A
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English (en)
Inventor
Takeo Kushida
丈夫 串田
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Bosch Corp
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Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で且つ応答性の良い制御が可能な
燃料噴射装置、燃料供給ポンプ及び燃料噴射弁を提供す
る。 【解決手段】本発明による燃料噴射装置は、電圧の印加
により、燃料圧力が作用する方向に従って弁体を作動さ
せて閉弁する第1電磁弁25と、電圧の印加により、燃
料圧力が作用する方向に従って弁体を作動させて開弁す
る第2電磁弁30と、第1及び第2電磁弁の作動時期を
制御する制御装置36とを備え、燃料の噴射を合計2個
を用いて制御しているので、一つの電磁弁の制御に必要
な電圧を少なくでき、且つこれらの作動時期を組み合わ
せて制御することによって、優れた応答性を得ることが
できる。特に、第1及び第2の電磁弁25、30は、そ
れぞれ、電圧を印加した場合に、燃料圧力が作用する方
向に従って弁体を作動させるものであるから、印加電圧
が少なくでき且つ応答性が良い。しかも、従来のような
昇圧回路を必要としないので、電気回路の構成が簡易で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料通路内に配置
された電磁弁の作動によって、加圧された燃料の噴射を
制御する燃料噴射装置に関し、特に、燃料を圧送する燃
料供給ポンプ及び燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼルエンジンやガソリン
エンジンにおいて、高圧燃料を圧送する燃料噴射装置で
は、圧送する燃料量を制御するため、電磁弁が設けられ
ている。例えば、特開昭57ー13266号公報や特開
平5ー180115号公報には、噴射(または圧送)す
る燃料量を制御するため、一つの電磁弁を作動させて、
噴射(または圧送)する燃料を制御する構成が開示され
ている。
【0003】かかる電磁弁では、電圧を印加させて電磁
弁を開閉しているが、一般に、燃料噴射量の制御におい
て高い応答性を得るために、高い電圧が要求されてお
り、そのため、昇圧回路を設けて印加電圧を高くしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の燃料噴射装置では、電磁弁に昇圧電圧を印加しても燃
料噴射量の制御の応答性には限界がある。特に、一つの
電磁弁における開弁と閉弁との時間的制御には限界があ
り、応答性に優れた制御が困難であるという問題点があ
る。
【0005】また、従来の噴射装置では高電圧を得るた
めに昇圧回路を用いているので、装置全体の構成が複雑
になるという問題点がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、簡易な構成で且
つ応答性の良い制御が可能な燃料噴射装置、燃料供給ポ
ンプ及び燃料噴射弁を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、電磁弁の作動によって、
燃料通路内の燃料の噴射を制御する燃料噴射装置におい
て、電圧の印加により、燃料圧力が作用する方向に従っ
て弁体を作動させて閉弁する第1電磁弁と、電圧の印加
により、燃料圧力が作用する方向に従って弁体を作動さ
せて開弁する第2電磁弁と、これらの第1及び第2電磁
弁の作動時期を制御する制御装置とを備えることを特徴
とするものである。
【0008】この請求項1に記載の発明は、燃料の噴射
を制御する電磁弁を、第1及び第2の電磁弁の合計2個
を用いて制御しているので、一つの電磁弁の制御に必要
な電圧を少なくでき、且つこれらの作動時期を組み合わ
せて制御することによって、優れた応答性を得ることが
できる。特に、第1及び第2の電磁弁は、それぞれ、電
圧を印加した場合に、燃料圧力が作用する方向に従って
弁体を作動させるものであるから、作動に必要な印加電
圧を低くでき且つ応答性が良い。
【0009】また、高い応答性を得るために、従来のよ
うな昇圧回路を必要としないので、電気回路の構成が簡
易である。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記第1電磁弁と第2電磁弁とは、そ
れぞれ作動電圧が異なることを特徴とするものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、二つの電磁弁の
作動電圧を異ならせることによって、共通の電圧を印加
した場合に、一方の電磁弁を作動させ、他方の電磁弁を
作動させないようにしたり、両方の電磁弁を同時に作動
させる等の制御を印加電圧を変えることで制御できるの
で、制御が容易であり且つ制御のための構成が簡易にな
る。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記第1電磁弁と第2電磁弁とは、そ
れぞれが共通の電気回路に設けられていることを特徴と
するものである。
【0013】この請求項3に記載の発明によれば、電気
回路を共通にしているので一つの回路に共通の電圧を印
加するだけで、第1及び第2の電磁弁の作動を制御する
ことができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、プランジャの往
復動により燃料吸入ポートから吸入した燃料を圧送し、
燃料吐出ポートに連通されたスピルポートから燃料の一
部を逃して、圧送する燃料量を制御する燃料供給ポンプ
において、電圧の印加により、燃料圧力が作用する方向
に従って弁体を作動させて燃料吸入ポートを閉弁する第
1電磁弁と、電圧の印加により、燃料圧力が作用する方
向に従って弁体を作動させてスピルポートを開弁する第
2電磁弁と、これらの第1及び第2電磁弁の作動時期を
制御する制御装置とを備えることを特徴とするものであ
る。
【0015】この請求項4に記載の発明によれば、電圧
の印加により第1電磁弁の弁体を作動させて弁を閉じ、
燃料の供給路を閉じる。スピルポートでは、電圧の印加
により第2電磁弁の弁体を作動させて弁を開き、燃料の
一部を逃して圧送又は供給される燃料を制御する。これ
らの開弁と閉弁とを、二つの電磁弁で制御するから、応
答性が良い。更に、電磁弁の弁体は、燃料圧力が作用す
る方向に電磁弁を作動するので、少ない力で弁体を作動
でき、応答性が良いとともに作動させるために必要な消
費電圧も少なくて済む。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、前記第1電磁弁は、前記第2電磁弁よ
り低い電圧で作動することを特徴とするものである。
【0017】この請求項5に記載の発明によれば、作動
電圧を異ならせることによって、共通の電圧を印加した
場合に、一方の電磁弁を作動させ、他方の電磁弁を作動
させないようにしたり、両方の電磁弁を同時に作動させ
る等の制御を印加電圧を変えることで制御できるので、
制御が容易であり且つ制御のための構成が簡易になる。
【0018】請求項6に記載の発明は、弁体の背圧を制
御することによって弁孔から高圧燃料を噴射する燃料噴
射弁において、電圧の印加により、背圧燃料通路の燃料
圧力の作用方向に従って作動して、閉弁する第1電磁弁
と、背圧燃料通路において前記第1電磁弁と直列に配置
され、電圧の印加により、燃料圧力の作用方向に従って
作動して開弁する第2電磁弁と、これらの第1及び第2
電磁弁の作動時期を制御する制御装置とを備えることを
特徴とするものである。
【0019】この請求項6に記載の発明は、燃料噴射弁
の背圧燃料通路において燃料の噴射を制御する電磁弁
を、第1及び第2の電磁弁の2個を用いて制御している
ので、一つの電磁弁の制御に必要な電圧を少なくでき、
且つこれらの作動時期を組み合わせて制御することによ
って、優れた応答性を得ることができる。特に、第1及
び第2の電磁弁は、それぞれ、電圧を印加した場合に、
背圧燃料通路において燃料圧力が作用する方向に従って
弁体を作動させるものであるから、印加電圧が少なくで
き且つ応答性が良い。更に、高い応答性を得るために、
従来のような昇圧回路を必要としないので、電気回路の
構成が簡易である。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、前記第1電磁弁は前記第2電磁弁より
低い電圧で作動することを特徴とするものである。
【0021】この請求項7に記載の発明によれば、背圧
燃料通路の燃圧を制御する場合に、一方の電磁弁を作動
させ、他方の電磁弁を作動させないようにしたり、両方
の電磁弁を同時に作動させる等の制御を印加電圧を変え
ることで制御できるので、制御が容易であり且つ制御の
ための構成が簡易になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面の図1乃至図3
を参照して、本発明の第1実施の形態を詳細に説明す
る。
【0023】図1に示すように、本実施の形態にかかる
燃料噴射ポンプ3は、高圧の燃料を圧送する高圧ポンプ
であり、プランジャー5を収納したポンプハウジング7
と、このプランジャー5を駆動するカム9を収納した下
本体部とを備えている。カム9は、図示しないエンジン
によって駆動されるシャフトに連結されており、エンジ
ンの駆動によりカム9が回転し、プランジャー5の周囲
に配置された摺動部材11の下面に周接して、摺動部材
11とともにプランジャー5を上下に駆動する構成にな
っている。
【0024】ポンプハウジング7には、燃料が供給され
る吸入ポート13と、プランジャー5により加圧された
高圧燃料を吐出する吐出ポート17とが設けられてい
る。
【0025】吸入ポート13は、燃料吸入用の第1電磁
弁25及びポンプハウジング7に形成された燃料通路1
9を介してポンプ室(燃料圧縮室)21に連通されてお
り、吐出ポート17は燃料吐出弁27を介して燃料通路
19に連通されている。燃料通路19において、第1電
磁弁25に対向した位置には、スピルポート28が形成
されており燃料通路19の燃料の一部を低圧側に逃す構
成になっている。このスピルポート28には、スピル用
の第2電磁弁30が設けられており、第2電磁弁30の
開閉により、吸入ポート13に連通されたスピル通路3
2に燃料を逃すものである。
【0026】ポンプハウジング7の内側には、プランジ
ャー5の摺動を案内するプランジャバレル33が固装さ
れている。一方、プランジャー5の下端には上述の摺動
部材11が当接されており、プランジャー5とともに、
ポンプハウジング7内を上下に摺動するようになってい
る。プランジャバレル33には、プランジャー5を下方
に付勢するスプリング35が設けられており、スプリン
グ35の上端はプランジャバレル33に当接しており、
スプリング35の下端はプランジャー5に固定されたス
プリングシート34に支持されている。
【0027】プランジャバレル33には、プランジャ5
の周囲に室24、26が形成されており、プランジャ5
の周囲から漏れ出た燃料をこれらの室24、26からス
ピル通路32を介して、吸入ポート13に戻すようにな
っている。
【0028】ここで、本発明の実施の形態にかかる第1
電磁弁25と第2電磁弁30とについて説明する。ポン
プハウジング7の上部において、ポンプ室21に連通さ
れた燃料通路19には、上述した燃料吸入用の第1電磁
25と燃料スピル用の第2電磁弁30とが対向した位置
に設けられており、これらの開閉は、制御装置36によ
り、通電電圧や通電時期及び通電時間等を制御して、そ
れぞれの電磁弁25、30における開閉時期や開閉時間
等が制御されている。
【0029】第1電磁弁25は、弁孔37が形成された
弁座39、弁孔37を開閉する弁体41、及び弁体41
に当接して弁孔37を開く突部材43とを備えており、
突部材43は、スプリング45により弁体41を押突く
方向に付勢されており、電磁コイル47が励磁されてい
ない通常状態(ノーマル状態)では、弁体41を突き押
して、弁孔37を開いている。そして、電磁コイル47
が励磁されると、スプリング45の付勢力に抗して突部
材43が弁孔37側に引っ込み、弁体41は、燃料通路
19の燃圧を受けて弁座39に着座される。
【0030】即ち、第1電磁弁25では、電磁コイル4
7が励磁されていない通常状態(ノーマル状態)では、
開かれている。また、この開いた状態では、弁体41は
燃料通路19からの燃圧を受けているが、スプリング4
5の付勢力によって弁体41を開く。一方、電磁コイル
47に電圧が印加された場合には、スプリング45の付
勢力に抗して、突部材43が弁体41から離れる方向
(図1において左方)に移動する。これにしたがって、
弁体41は燃料通路19の燃圧に押されて弁座39に着
座される。即ち、弁体41は着座方向に燃圧が作用して
おり、第1電磁弁25を励磁した場合には、燃料圧力が
作用する方向にしたがって、弁体41を移動させるの
で、小さい力で弁体41を着座させることができ、電磁
コイル47の励磁に必要な電圧は小さくてすむとともに
応答性がよい。
【0031】一方、第2電磁弁30は、スピルポート2
8から燃料通路19の燃料を一部逃す弁であり、スピル
ポート28に連通する弁孔51が形成された弁座53、
弁孔51を開閉する弁体55、及び弁体55に当接して
弁孔51を閉じる弁部材57とを備えており、弁部材5
7は、スプリング59により弁体55を閉じる方向に付
勢しており、電磁コイル47が励磁されていない通常状
態(ノーマル状態)では、弁体55に当接して、弁孔5
1を閉じている。また、電磁コイル61が励磁される
と、スプリング59の付勢力に抗して弁部材57が弁体
55から離れる方向に移動する。これによって、弁体5
5は、スピルポート28を介して燃料通路19の燃圧を
受け、弁座39から離れ、弁孔51を開く。
【0032】即ち、第2電磁弁30では、電磁コイル6
1が励磁されていない通常状態(ノーマル状態)では、
閉じられている。また、この閉じた状態では、弁体55
はスピルポート28を介して燃料通路19からの燃圧を
受けており、この燃料通路19の燃圧に抗して弁部材5
7が弁体55を弁座53に保持する。一方、電磁コイル
61に電圧が印加された場合には、スプリング59の付
勢力に抗して、弁部材57が弁体55から離れる方向
(図1において右方)に移動する。これにしたがって、
弁体55は、燃料通路19の燃圧に押されて弁座53か
ら離れて、弁を開く。
【0033】即ち、弁体55には開弁方向に燃料圧力が
作用しており、第2電磁弁30を励磁した場合には、燃
料圧力が作用する方向にしたがって、弁体55を移動さ
せるので、小さい力で弁体55を開くことができ、電磁
コイル61の励磁に必要な電圧は低くてすむとともに、
応答性もよい。
【0034】制御装置36は、電磁コイル47、61に
印加する電圧の大きさと時期とを主として制御してい
る。本実施の形態では、電磁コイル47及び61とは、
一つの電気回路において、並列に配置されており、制御
装置36により制御された電圧が各電磁コイル47及び
61に作用する構成なっている。
【0035】次に、第1実施の形態の作用について説明
する。カム9が回転すると、摺動部材11を介してプラ
ンジャー5が上下動し、プランジャー5が下動するとポ
ンプ室21を通じて吸入ポート13から燃料が吸入さ
れ、プランジャー5が上動すると吸入された燃料が加圧
される。そして、燃料圧力が所定の圧力に高まると燃料
吐出弁27が開いて、吐出ポート17から高圧の燃料を
吐出する。
【0036】燃料通路19内に燃料を供給する際には、
吸入ポート13を開閉する第1電磁弁25を開くととも
に、スピルポート28を開閉する第2電磁弁30を閉じ
る必要がある。この燃料供給時には、第1電磁弁25の
電磁コイル47及び第2電磁弁30の電磁コイル61の
いずれにも通電しない。
【0037】次に、高圧燃料を圧送する場合には、図2
にカムリフト量と、カム回転角との関係を示すように、
カムリフト量が所定のA点に達した時点で第1電磁弁2
5を閉じ、B点で第2電磁弁を開き切るまでの間、即
ち、図2のAーB間で燃料を噴射する。
【0038】この燃料噴射では、図3に時間と印加電圧
との関係示すように、制御装置36により制御する供給
電圧は、まず、時間T1のときに所定レベルの電圧V1
を印加する。この電圧V1では、第1電磁コイル47の
みが作動し、第2電磁コイル61は作動しない。従っ
て、電圧V1を印加すると、第1励磁コイル47の励磁
により突部材43が図中左側に移動し、弁体41が便座
39に着座して弁を閉じようとする。しかし、実際には
第1電磁弁25の開閉には遅れが生じるので、第1電磁
弁25が閉じきる時はT3である。
【0039】一方、制御装置36は、T2時点で電気回
路に印加する電圧をV2とする。この電圧V2は電圧V
1よりも十分に高い電圧であり、例えば、V1は5ボル
ト、V2は10ボルトである。このように印加電圧を1
2ボルト以内にすることにより車両に搭載したバッテリ
ー電圧をそのまま使用できる。T2で電圧V2を印加す
ると、第1電磁弁25とともに第2電磁弁30も作動す
る。この第2電磁弁30が作動開始して、弁体55が閉
じ切るまでに時間遅れが生じるので、時点T4で第2電
磁弁30が閉じる。即ち、時点T3からT4の間におい
て、第1電磁弁25が閉じて第2電磁弁30が開くまで
の時間に加圧燃料が燃料通路19から吐出ポート17に
圧送される。この時間T3からT4は、上述の図2の燃
料圧送期間AーBに一致するものである。
【0040】一方、第2電磁弁30では、時点T4で弁
が開き、燃料圧送後に高圧になった燃料通路19におけ
る燃圧を逃がす。この燃圧を逃す時間は、T4から電圧
の印加を解除するT5までの間である。このように、燃
料通路19内の燃圧を逃すことによって、次の燃料を吸
入する工程に備えることができ、燃料の吸入を円滑に且
つ応答性よく行うことができる。尚、スピルポート28
を通じて逃した燃料は、スピル通路32を介して燃料の
吸入ポート13側に戻される。
【0041】そして、時点T5で、制御装置36が印加
電圧を解除すると、第1及び第2電磁弁25、37の励
磁が解除され、第1電磁弁25では突部材43がスプリ
ング45の付勢力にしたがって弁体41を押す位置に戻
り、弁体41が燃料通路19の燃圧に抗して弁座39か
ら離れて、弁孔37を開く。これによって、吸入ポート
13から燃料通路19に燃料が供給される。同時に、第
2電磁弁30では、弁部材57がスプリング59の付勢
力にしたがって弁体55を弁座53に着座させて、スピ
ルポート28を閉じる。
【0042】この第1本実施の形態によれば、制御装置
36からの印加電圧の大きさと時期とを変えるだけで、
燃料の吸入と吐出とを高い応答性で実現することができ
る。しかも、各電磁弁25、30の作動を燃圧を利用し
ておこなっているので、作動電圧が小さくてすむ。
【0043】次に、図4及び図5を参照して、第2実施
の形態を説明する。この第2実施の形態は、燃料噴射装
置として燃料噴射弁71を示すものであり、上述した第
1実施の形態と同一部分には、同一の符号を付すること
によって、その部分の詳細な説明を省略する。
【0044】この燃料噴射弁71において、ポンプ本体
72には、ニードルバルブ73が設けられており、弁座
75に着座されて弁孔76を閉じている。ニードルバル
ブ73の後端側には、高圧燃料供給路77からの燃圧を
受ける大径部79が形成されており、高圧燃料は絞り8
1を介して背圧室83に連通されている。背圧室83に
は、スプリング85が設けられており、ニードルバルブ
73を弁座75に向けて付勢している。背圧室83の後
方の背圧通路82には、第2電磁弁30、第1電磁弁2
5がこの順序で設けられている。
【0045】第1電磁弁25は、電磁コイル47に通電
しない通常状態では、スプリング45の付勢力にしたが
って、弁部材43が弁体41を押して弁孔37を閉じて
いる。電磁コイル47に通電すると、弁部材43が後方
(低圧戻り側)に移動して、弁体41は背圧通路82の
燃圧に押されて弁座39から離れ、弁孔37を開く。
【0046】背圧通路82において、第1電磁弁25と
ニードルバルブ73との間に設けられた第2電磁弁30
では、電磁コイル61に通電しない通常状態で弁体55
は、スプリング59の付勢力にしたがって、突部材57
が弁体55を弁座53から離す位置に押圧し、弁孔51
を開いている。一方、電磁コイル61に通電すると、突
部材57がスプリング59の付勢力に抗して後方に移動
して弁体55は、背圧室83の燃圧に押されて弁座53
に着座して、弁孔51を閉じる構成になっている。
【0047】次に、図4を参照して、第2実施の形態の
作用を説明する。図4に時間と印加電圧との関係示すよ
うに、制御装置36から供給する電圧は、まず、時間t
1のときに所定レベルの電圧V1を印加する。この電圧
V1では、第1電磁コイル47のみが作動し、第2電磁
コイル61は作動しない。従って、電圧V1を印加する
と、第1励磁コイル47の励磁により弁部材43が後方
の低圧戻り側に移動し、弁体41が背圧通路82の燃圧
に押されて弁座39から離れ、弁を開く。しかし、実際
には第1電磁弁25の開閉には遅れが生じるので、第1
電磁弁25が開き切る時はt3である。
【0048】一方、制御装置36は、t2時点で電気回
路に印加する電圧をV2とすると、第1電磁弁25とと
もに第2電磁弁30も作動する。この第2電磁弁30が
作動開始して、弁体55を閉じ切るまでに時間遅れが生
じるので、時点t4で第2電磁弁30が閉じる。即ち、
時点t3からt4の間において、第1電磁弁25が開い
て第2電磁弁30が閉じるまでの時間に、高圧燃料供給
路77により圧送された燃圧により、大径部79がスプ
リング83に抗して押されて、ニードルバルブ73が上
昇し、弁孔76を開いて燃料を噴射する。即ち、時間t
3からt4の間に燃料を噴射する。
【0049】更に、時点t4で第2電磁弁30が閉じ、
第1電磁弁25が開くので、背圧通路82の燃料が低圧
戻り側に逃がされる。この背圧通路の燃圧を逃す時間
は、t4から電圧の印加を解除するt5までの間であ
る。このように、背圧通路通路82内の燃圧を低圧戻り
側に逃すことによって、次に燃料を噴射する工程に備え
ることができ、燃料の噴射を円滑に且つ応答性よく行う
ことができる。
【0050】そして、時点t5で、制御装置36が印加
電圧を解除すると、第1及び第2電磁弁25、30の励
磁が解除され、第1電磁弁25では弁部材43がスプリ
ング45の付勢力にしたがって弁体41を押し、弁体4
1が弁座39に着座して弁孔37を閉じる。同時に、第
2電磁弁30では、弁部材57がスプリング59の付勢
力にしたがって弁体55を弁座53から離して開く。こ
れにより高圧燃料供給路77の燃料がしぼり81を介し
て背圧室83に導入され、背圧室の燃圧が高まってニー
ドルバルブ73を下方に作動させて弁孔76を閉じる。
【0051】この第2実施の形態においても、上述した
第1実施の形態と同様に、制御装置36からの印加電圧
の大きさと時期とを変えるだけで、燃料の吸入と吐出と
を高い応答性で実現することができる。しかも、各電磁
弁25、30の作動は燃圧を利用しておこなっているの
で、作動電圧が小さくてすむ。
【0052】本発明は上述した実施例に限定されず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例
えば、上述した実施の形態では、第1電磁弁25の電磁
コイル47と第2電磁弁30の電磁コイル61とを一つ
の回路に接続して、この回路に共通の電圧を印加した
が、これに限らず、それぞれの電磁弁の電磁コイル4
7,61に独自の回路を設け、別個に電圧を印加するも
のであっても同様な効果を得ることができる。
【0053】また、本発明は燃料供給ポンプや燃料噴射
弁に限らず、燃料噴射回路に設けられて、燃料噴射を制
御する装置であれば同様に用いることができる。
【0054】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、燃料の
噴射を制御する電磁弁を、第1及び第2の電磁弁の合計
2個を用いて制御しているので、一つの電磁弁の制御に
必要な電圧を少なくでき、且つこれらの作動時期を組み
合わせて制御することによって、優れた応答性を得るこ
とができる。更に、第1及び第2の電磁弁は、それぞ
れ、電圧を印加した場合に、燃料圧力が作用する方向に
従って弁体を作動させるものであるから、印加電圧が少
なくでき且つ応答性が良い。また、従来のような昇圧回
路を必要としないので、電気回路の構成が簡易である。
【0055】請求項2に記載の発明によれば、作動電圧
を異ならせることによって、それぞれの電磁弁の開閉制
御ができるので、制御が容易であり且つ制御のための構
成が簡易になる。
【0056】請求項3に記載の発明によれば、一つの回
路に共通の電圧を印加して、両方の電磁弁の開閉をそれ
ぞれ制御でき、構成が簡易である。
【0057】請求項4に記載の発明によれば、スピルポ
ートと燃料供給との制御の応答性が良く、更に、電磁弁
の弁体は、燃料圧力が作用する方向に電磁弁を作動する
ので、少ない力で弁体を作動でき、応答性が良いととも
に作動させるために必要な消費電圧も少なくて済む。
【0058】請求項5に記載の発明によれば、燃料供給
ポンプにおいて、作動電圧を異ならせることによって、
各電磁弁の開閉制御が容易にできるので制御が容易であ
り且つ制御のための構成が簡易になる。
【0059】請求項6に記載の発明は、燃料噴射装置に
おいて、燃料の噴射を第1及び第2電磁弁制御している
ので、制御に必要な電圧を少なくでき、従来のような昇
圧回路を必要としない。更に、これらの作動時期を組み
合わせて制御することによって、優れた応答性を得るこ
とができる。特に、第1及び第2電磁弁は、それぞれ、
燃料圧力が作用する方向に従って弁体を作動させるもの
であるから、印加電圧が少なくでき且つ応答性が良い。
【0060】請求項7に記載の発明によれば、共通の電
圧を印加して両方の電磁弁の開閉制御ができるので、制
御が容易であり且つ制御のための構成が簡易になる。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態にかかる燃料供給ポン
プの断面図である。
【図2】図1に示す燃料供給ポンプにおける燃料の噴射
時期を、カムリフト量とカム回転角との関係で示すグラ
フ図である。
【図3】図1に示す燃料供給ポンプにおける燃料の噴射
時期を、時間と印加電圧との関係で示すグラフ図であ
る。
【図4】本発明の第2実施の形態にかかる燃料噴射弁の
断面図である。
【図5】図4に示す燃料供給ポンプにおける燃料の噴射
時期を、時間と印加電圧との関係で示すグラフ図であ
る。
【符号の説明】
3 燃料噴射ポンプ 19 燃料通路 25 第1電磁弁 28 スピルポート 30 第2電磁弁 41 弁体(第1電磁弁の弁体) 55 弁体(第2電磁弁の弁体) 76 弁孔 82 背圧通路(燃料通路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 57/02 330 F02M 57/02 330G 330F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁弁の作動によって、燃料通路内の燃
    料の噴射を制御する燃料噴射装置において、 電圧の印加により、燃料圧力が作用する方向に従って弁
    体を作動させて閉弁する第1電磁弁と、 電圧の印加により、燃料圧力が作用する方向に従って弁
    体を作動させて開弁する第2電磁弁と、 これらの第1及び第2電磁弁の作動時期を制御する制御
    装置とを備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記第1電磁弁と第2電磁弁とは、それ
    ぞれ作動電圧が異なることを特徴とする請求項1に記載
    の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記第1電磁弁と第2電磁弁とは、それ
    ぞれが共通の電気回路に設けられていることを特徴とす
    る請求項1に記載の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 プランジャの往復動により燃料吸入ポー
    トから吸入した燃料を圧送し、燃料吐出ポートに連通さ
    れたスピルポートから燃料の一部を逃して、圧送する燃
    料量を制御する燃料供給ポンプにおいて、 電圧の印加により、燃料圧力が作用する方向に従って弁
    体を作動させて燃料吸入ポートを閉弁する第1電磁弁
    と、 電圧の印加により、燃料圧力が作用する方向に従って弁
    体を作動させてスピルポートを開弁する第2電磁弁と、 これらの第1及び第2電磁弁の作動時期を制御する制御
    装置とを備えることを特徴とする燃料供給ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記第1電磁弁は、前記第2電磁弁より
    低い電圧で作動することを特徴とする請求項4に記載の
    燃料供給ポンプ。
  6. 【請求項6】 弁体の背圧を制御することによって弁孔
    から高圧燃料を噴射する燃料噴射弁において、 電圧の印加により、背圧燃料通路の燃料圧力の作用方向
    に従って作動して、閉弁する第1電磁弁と、 背圧燃料通路において前記第1電磁弁と直列に配置さ
    れ、電圧の印加により、燃料圧力の作用方向に従って作
    動して開弁する第2電磁弁と、 これらの第1及び第2電磁弁の作動時期を制御する制御
    装置とを備えることを特徴とする燃料噴射弁。
  7. 【請求項7】 前記第1電磁弁は前記第2電磁弁より低
    い電圧で作動することを特徴とする請求項6に記載の燃
    料噴射弁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012202375A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Denso Corp 高圧ポンプ
CN104929834A (zh) * 2015-06-23 2015-09-23 哈尔滨工程大学 同步双阀电磁控制喷油器

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JP2012202375A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Denso Corp 高圧ポンプ
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