JPH109085A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JPH109085A
JPH109085A JP18423696A JP18423696A JPH109085A JP H109085 A JPH109085 A JP H109085A JP 18423696 A JP18423696 A JP 18423696A JP 18423696 A JP18423696 A JP 18423696A JP H109085 A JPH109085 A JP H109085A
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valve
fuel
piezoelectric element
electromagnetic
electromagnetic coil
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JP18423696A
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Takeo Kushida
丈夫 串田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁コイル5を用いてバルブボディ(ニ
ードルバルブ7)の開閉弁動作を行うにあたり開弁時の
応答性を向上させることができるとともに、圧電素子1
0専用の電気接続線をあらたに追加しないようにするこ
とができる電磁弁(電磁式燃料噴射弁)を提供するこ
と。 【解決手段】 実際の開閉弁動作を起こす前に電磁コイ
ル5の過励磁期間の間だけ圧電素子10によってニード
ルバルブ7を押さえておくこと、この過励磁期間中に電
磁コイル5の磁力発生力を高めておくこと、および十分
な発生力が得られた段階で圧電素子10によるニードル
バルブ7の押さえを解除することに着目したもので、電
磁コイル5への駆動電流の印加初期に、ニードルバルブ
7の動作を圧電素子10により規制するようにしたこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁弁にかかるもの
で、とくに、たとえばエンジンのシリンダー内に直接燃
料を噴射する筒内ガソリン噴射用のインジェクターなど
において、圧電素子を用いて開閉弁作用の応答性を向上
させることができる電磁式燃料噴射弁、あるいはユニッ
トインジェクターなどの燃料噴射装置用の電磁弁、およ
びその他の電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のたとえばコモンレール方式の筒内
ガソリン噴射用インジェクターなどの電磁式燃料噴射弁
においては、高い燃料圧力(たとえば5〜10MPa)
での作動が必要である。さらに、噴射期間が吸入行程か
ら圧縮行程に限定された状態で、燃料量として約5〜7
0mm3/stの燃料を噴射する必要がある。
【0003】こうしたインジェクターにおいて使用され
る電磁石(電磁コイル)としては、高速かつ高発生力が
必要であるが、従来の電磁コイルでは、上記燃料圧力の
範囲では、開弁時間および閉弁時間ともに0.3mse
c程度が限界であり、直接噴射式のガソリンエンジンが
要求している使用を満たしているとはいえないのが現状
である。
【0004】さらに、噴射の最小制御流量の点では、過
渡的ないし一時的なエンジンの運転状態を考えると、噴
射燃料量としては、上述の最小燃料量約5mm3/st
よりさらに少ない2〜3mm3/stまで少なくするこ
とができる方が滑らかな運転が可能である。また、燃料
噴射率の面からは、過給エンジンなどを考えると、燃料
噴射率が、20mm3/msec以上が要求されている
が、従来の電磁コイルタイプの燃料噴射弁では、ここま
での要求を満足することができない。
【0005】図7は、従来の高圧インジェクターの駆動
印加電圧波形のグラフであり、開弁状態を維持する通常
の保持電圧(4〜5ボルト)に先立って、100〜16
0ボルトのプラス高電圧を印加することにより電磁コイ
ルを過励磁させ、電磁コイルによってリフトさせるバル
ブボディ(ニードルバルブ)の開弁に必要な充分な磁力
を準備した上で、実際の開弁操作を行うようにすること
により、高速応答性を得ようとしている。
【0006】しかして、既述のように、より小さな最小
制御流量を得るためには、上記ニードルバルブの閉弁を
さらに早くする必要があるが、閉弁を早くするためには
戻しバネを強くする必要がある。このバネ力に拮抗すべ
く電磁コイルの発生力を上げるためには電磁コイルの吸
引面積を増加させたり、コイルの巻数を増して起磁力を
上げる必要があるが、コイルの巻数を増加させると、コ
イルのインダクタンスが上がり、電流が短時間に流れ込
まず、開弁が遅れ、また消磁も短時間で行われず、閉弁
も遅れる。したがって所望の期間中に燃料を噴射するこ
とが困難になるという問題がある。もちろん、戻しバネ
のバネ力を強くしすぎると、開弁操作自体が不可能とな
ってしまう。
【0007】また、過励磁用の電圧を数キロボルトにす
る手段もあるが、コストの上昇および発生ノイズの増加
などのため、現実的な実現手段とはなり得ないという問
題がある。
【0008】上述のような電磁式燃料噴射弁のほかに
も、燃料噴射装置用の電磁弁および一般の電磁弁におい
ても、そのバルブボディの応答性を向上することは、そ
の性能向上および信頼性の確保につながるものである。
【0009】なお、噴射燃料の粒径を細かくしたり、最
小燃料量を確保するために圧電素子を採用することが行
われており、圧電素子を利用した燃料噴射弁としては、
特公平5−51789号、特開昭60−22066号、
特開平5−321786号などに開示がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、電磁コイルによって
駆動されるバルブボディに圧電素子を組み合わせること
により、上述の諸要求を満足することができる電磁弁を
提供することを課題とする。
【0011】また本発明は、電磁コイルを用いてバルブ
ボディの開閉弁動作を行うにあたり、開弁時の応答性を
向上させることができる電磁弁を提供することを課題と
する。
【0012】また本発明は、圧電素子専用の電気接続線
をあらたに追加しないようにすることができる電磁弁を
提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、実際
の開閉弁動作を起こす前に電磁コイルの過励磁期間の間
だけ圧電素子によってバルブボディを押さえておくこ
と、この過励磁期間中に電磁コイルの磁力発生力を高め
ておくこと、および十分な発生力が得られた段階で圧電
素子によるバルブボディの押さえを解除することに着目
したもので、流体の流路を形成したバルブハウジング
と、このバルブハウジングに設けた電磁コイルと、上記
電磁コイルの励磁に応じて上記流路を開閉可能とするバ
ルブボディと、を有する電磁弁であって、上記電磁コイ
ルへの駆動電流の印加初期に、上記バルブボディの動作
を圧電素子により規制するようにしたことを特徴とする
電磁弁である。
【0014】上記圧電素子は、上記電磁コイルの励磁に
ともなう上記バルブボディの軸方向の動作を押さえるよ
うに、そのラジアル方向に作動するようにすることがで
き、かくして、圧電素子のより少ない変位によってバル
ブボディの動作を規制することができる。
【0015】上記圧電素子は、該電磁コイルと並列にこ
れを結線することができ、かくして、電磁コイルとその
ハーネスを共有し、圧電素子による新たな配線ないしハ
ーネスの装備が不要であり、構成を簡単にして、コスト
の上昇を押さえることができる。
【0016】上記圧電素子としては、径方向変位タイ
プ、あるいは厚さ方向変位タイプなど、バルブボディの
軸方向変位を押さえることができるものであれば、任意
のタイプのものを採用することができる。
【0017】また、圧電素子の取付け場所としては、バ
ルブボディの軸方向変位を押さえることができる位置で
あれば、噴射孔に近い部位、あるいは電磁コイルに近い
部位、さらには、戻しバネ側に付加した軸部材など、任
意の部位を選択することができる。
【0018】さらに、本発明による電磁弁は、筒内ガソ
リン噴射用インジェクターなどの電磁式燃料噴射弁はも
ちろん、その他の燃料噴射装置用の電磁弁、および一般
の電磁弁にこれを適用することができる。
【0019】本発明による電磁弁においては、実際の動
作を起こす前に、電磁コイルの過励磁期間の間だけ圧電
素子によってバルブボディを押さえておくようにしたの
で、バルブボディの押さえを開放すると同時に、この過
励磁期間中に高められた磁力発生力により電磁コイルが
このバルブボディを急激に吸引することになるので、き
わめて良好な応答性を得ることができる。さらに、電磁
コイルが消磁して戻しバネによるバルブボディの閉弁動
作においても、戻しバネのバネ力をより大きく設定して
おくことができるので、従来より高速の閉弁操作を実現
することができる。
【0020】したがって、高い燃料圧力、高い応答性、
さらには最小制御流量などを要求される筒内ガソリン噴
射用のインジェクターなどに採用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の第1の実施の形態
による電磁弁について、電磁式燃料噴射弁1の場合を例
に取って、図1ないし図4にもとづき説明する。図1
は、電磁式燃料噴射弁1の断面図であって、電磁式燃料
噴射弁1は、バルブハウジング2と、コネクター3と、
燃料供給パイプ4と、電磁コイル5と、アーマチャー6
と、ニードルバルブ7(バルブボディ)と、戻しバネ8
と、バネ力調整パイプ9と、圧電素子10と、を有す
る。
【0022】バルブハウジング2は、その内部に燃料通
路11(流体の流路)を形成し、その先端部には燃料通
路11に連通する噴射孔12を形成してあり、ニードル
バルブ7がその軸方向に上下動することにより噴射孔1
2を開閉し、所定量の燃料を所定タイミングでエンジン
のシリンダー13内に噴射可能とする。
【0023】コネクター3には、ハーネス14のターミ
ナル15を設け、電磁コイル5および圧電素子10への
駆動電圧を印加可能とする。ハーネス14は、ターミナ
ル15、共用配線部16、電磁コイル5への配線部1
7、および圧電素子10への配線部18からなってい
る。電磁コイル5および圧電素子10は、ハーネス14
により互いに並列に結線されている。
【0024】戻しバネ8は、エンジンのシリンダー内か
らの燃焼ガス圧に打ち勝ってアーマチャー6およびニー
ドルバルブ7を元位置に復帰させるだけのバネ力が必要
である。
【0025】電磁コイル5は、ターミナル15からの駆
動電圧印加信号によってアーマチャー6を吸引すること
により、アーマチャー6と一体的なニードルバルブ7を
リフトさせ、噴射孔12を開弁する。電磁コイル5を消
磁させたときには、バネ力調整パイプ9の付勢力によ
り、ニードルバルブ7を噴射孔12部分にシートさせ
て、噴射孔12を閉弁する。
【0026】圧電素子10は、図2の斜視図に示す円筒
形状を有し、バルブハウジング2の内壁に形成した取付
け用環状溝2Aにその外周部10Aを固定するととも
に、中央孔部10Bにわずかの摺動クリアランスSをあ
けてニードルバルブ7を挿通している。圧電素子10
は、たとえばプラス電圧の印加でその径が小さくなり、
マイナス電圧の印加でその径が大きくなる径方向変位タ
イプのものである。
【0027】この摺動クリアランスSは、電圧印加によ
り圧電素子10が径方向に変形したときに圧電素子10
がニードルバルブ7の軸方向作動を押さえることができ
るとともに、電圧をゼロとして圧電素子10が元形状に
復帰したときにニードルバルブ7の軸方向作動を可能と
することができるような間隔とする。
【0028】なお図3に示すように、圧電素子10とし
ては、図2の径方向変位タイプ以外にも、厚さ方向変位
タイプの圧電素子19などを採用してニードルバルブ7
を一方向から押さえるようにすることもできる。
【0029】こうした構成の電磁式燃料噴射弁1の作動
を説明する。図4は、電磁コイル5への駆動電圧および
駆動電流、可動部(アーマチャー6およびニードルバル
ブ7)に作用する電磁力、可動部の変位を示すグラフで
あって、ハーネス14を通して電磁コイル5および圧電
素子10に全く同一の駆動電圧および駆動電流を供給す
る。
【0030】図示の駆動電圧部分は、図7のグラフと事
実上同一で、駆動電流および電磁力自体も従来と同一で
あって、電磁コイル5および圧電素子10に同一の駆動
電圧を印加することにより、電磁コイル5の部分は、従
来と同様の吸引機能を発揮するが、駆動電圧印加(過励
磁用のプラス高電圧の印加)による圧電素子10のラジ
アル方向への変位によって、ニードルバルブ7という可
動部の変位が過励磁期間に事実上ゼロであり、通常の保
持電圧印加期間に移行したときに、圧電素子10がこの
通常の保持電圧ではその変位が発生せず元形状に復帰す
るので、規制を解除されたニードルバルブ7がはじめて
変位を開始する。
【0031】すなわち、過励磁期間における電圧印加に
より瞬時に(0.001msecオーダー)作動する圧
電素子10により、プラスの高電圧印加時にニードルバ
ルブ7の軸方向を押さえておき、この押さえ期間中に可
動部に作用する電磁力を高めておく。この高められる電
磁力とは、閉弁のために必要な戻しバネ8のバネ力をこ
えて短時間に開弁するために必要とする力である。
【0032】要するに、電磁コイル5の吸引力が必要な
範囲に達するまでは圧電素子10によってニードルバル
ブ7を押さえておき、当該吸引力が充分に発生してか
ら、圧電素子10による握りを急に開放するようにする
ため、噴射孔12の開放を急速に行うとともに、この分
だけ戻しバネ8のバネ力を強くすることができるので、
噴射孔12の閉鎖も急速にこれを行うことができる。
【0033】したがって、ニードルバルブ7の応答性を
改善し、電磁式燃料噴射弁1の高速な開閉を実現するこ
とができる。しかも、既述のように、圧電素子10へは
電磁コイル5と並列に電圧を印加すればよく、外部から
電磁式燃料噴射弁1への結線数は2本のまま増えること
がなく、また別途専用のコネクターを設ける必要もな
く、制御が容易である。
【0034】なお、エンジンの過大な筒内圧力がかかる
ときには、電磁コイル5の励磁には不十分ではあるが圧
電素子10を変位させるには充分な電圧を印加すれば、
戻しバネ8の付勢力を補助してニードルバルブ7の開弁
を押さえることができる。
【0035】また、戻しバネ8は、燃焼ガス圧に打ち勝
つだけのバネ力が必要であるが、圧電素子10でニード
ルバルブ7を押さえているので、そのバネ力を小さく設
定することもできる。
【0036】さらに、圧電素子10は、ニードルバルブ
7を押さえるか、開放するかのいずれかの機能だけが必
要であるため、劣化による圧電素子10の変位の変動は
さほど問題とならず、ニードルバルブ7を押し付ける力
だけを出すための劣化を考慮すればよく、長寿命とする
ことができる。すなわち、ニードルバルブ7を直接駆動
するアクチュエーター自体として圧電素子10を使用す
る場合には、その劣化が激しいが、本発明においてはニ
ードルバルブ7を押さえるだけの機能でよいので、劣化
の問題が少なく、エンジンのシリンダー間で多少のばら
つきがあっても構わない。
【0037】なお、上述の実施の形態では、過励磁用に
プラスの高電圧を印加する場合を説明したが、マイナス
の高電圧を印加し、逆特性の圧電素子を採用することに
より同様の機能を果たすことができる。ただし、この場
合には、圧電素子専用のコネクターないしハーネスを別
途必要とすることになる。
【0038】本発明による電磁弁は、その他のタイプの
電磁弁にもこれを適用することができる。すなわち、本
発明の第2の実施の形態による電磁弁について、ユニッ
トインジェクターなど燃料噴射装置用の電磁弁(たとえ
ば特開平6−193531号)の場合を例に取って、図
5および図6にもとづき説明する。図5は、燃料噴射装
置20の断面図であり、燃料噴射装置20は、燃料タン
ク21と、燃料加圧部22と、電磁弁部23と、燃料噴
射部24と、を有する。
【0039】燃料加圧部22は、装置ハウジング25
と、追従部材26と、ポンププランジャ27と、プラン
ジャスプリング28と、を有する。
【0040】装置ハウジング25は、燃料加圧室29
と、環状のリークストッパー溝30と、リークストッパ
ー溝30に連通する第1の燃料通路31および第2の燃
料通路32と、燃料加圧室29に連通する第3の燃料通
路33および第4の燃料通路34と、を形成してある。
【0041】追従部材26は、エンジンのカム35の作
用を受けてポンププランジャ27とともに、図中上下方
向に往復動することにより燃料加圧室29内の燃料を加
圧可能であり、電磁弁部23により第3の燃料通路33
を開閉してこの加圧操作を有効化あるいは無効化するよ
うに制御する。
【0042】図6は、電磁弁部23の断面図であって、
電磁弁部23は、本発明による電磁弁36を有する。こ
の電磁弁36は、ステーター37と、バルブハウジング
38と、電磁コイル39と、アーマチャー40と、前記
ニードルバルブ7(図1)に相当するバルブボディ41
と、戻しバネ42と、ストッパー部材43と、前記圧電
素子10(図1、図2)に相当する圧電素子44と、を
有する。
【0043】ステーター37とバルブハウジング38と
の間にアーマチャー室45を形成する。バルブハウジン
グ38および(燃料噴射部24の)装置ハウジング25
にはアーマチャー室45に連通して、前記第2の燃料通
路32および第4の燃料通路34と、燃料タンク21に
連通する燃料出口46と、を形成してある。
【0044】ただし、第3の燃料通路33においては、
バルブボディ41がバルブハウジング38のシート部3
8Aにシートおよびシート部38Aからリフトすること
によって、バルブボディ41がアーマチャー室45と第
3の燃料通路33との間を開閉可能としてある。また、
第3の燃料通路33に連通して、バルブボディ41のシ
ート部38A付近に燃料溜まり室47を形成してある。
ドレイン通路48からも燃料タンク21に燃料を回収可
能としてある。
【0045】電磁コイル39および圧電素子44には、
ハーネス49(図1の前記ハーネス14に相当)を結線
してある。ハーネス49は、ターミナル50、共用配線
部51、電磁コイル39への配線部52、および圧電素
子44への配線部53からなり、図4で説明した駆動電
圧および駆動電流を電磁コイル39および圧電素子44
に印加する。
【0046】上記圧電素子44は、バルブハウジング3
8の内壁に形成した取付け用環状溝38Bにこれを固定
してあり、駆動電圧(過励磁用のプラス高電圧)を印加
したときに、前述の圧電素子10と同様に、バルブボデ
ィ41の作動を押さえることができるようになってい
る。
【0047】図5に戻って、燃料噴射部24は、バネホ
ルダー54と、スペーサー55と、ノズルホルダー56
と、噴射ノズル57と、リテーニングナット58と、を
有する。
【0048】バネホルダー54には、燃料タンク21か
ら燃料ポンプ59を介して燃料を導入可能な燃料入口6
0を形成し、この燃料入口60を第1の燃料通路31に
連通する。さらにバネホルダー54には、逆止弁61を
介して第4の燃料通路34に連通するとともに噴射ノズ
ル57にまでのびる第5の燃料通路62を形成してあ
る。
【0049】噴射ノズル57は、ニードル弁63を有
し、ノズルスプリング64によりシート方向に付勢す
る。ノズルスプリング64の付勢力に抗してニードル弁
63がリフトすることにより、噴射ノズル57の先端部
の噴射孔65から燃料を噴射可能としてある。
【0050】こうした構成の燃料噴射装置20および電
磁弁36においては、電磁コイル39を「ON」とすれ
ば、アーマチャー40が吸引され、アーマチャー40と
一体のバルブボディ41がシート部38Aにシートし、
第3の燃料通路33とアーマチャー室45とが閉鎖され
た「閉」状態となる。電磁コイル39を「OFF」とす
れば、戻しバネ42の付勢力によって第3の燃料通路3
3とアーマチャー室45とが連通した「開」状態とな
る。
【0051】この電磁弁36の「開」状態では、燃料タ
ンク21からの燃料は、燃料入口60、第1の燃料通路
31、リークストッパー溝30、第2の燃料通路32、
アーマチャー室45および燃料出口46を介して燃料タ
ンク21に還流する。また、アーマチャー室45から第
3の燃料通路33に分流した燃料は、燃料加圧室29、
第4の燃料通路34および第5の燃料通路62に充満す
る。
【0052】さて実際の燃料噴射の動作にあたり、燃料
加圧部22におけるポンププランジャ27が図5中、上
動する際には、電磁弁部23における電磁コイル39へ
の通電は停止(「OFF」)しており、バルブボディ4
1がシート部38Aからリフトして電磁弁36は「開」
状態にある。したがって、燃料入口60から、第1の燃
料通路31および第2の燃料通路32を介して供給され
るアーマチャー室45内の燃料は、燃料溜まり室47お
よび第3の燃料通路33を介して燃料加圧室29に導入
される。
【0053】ポンププランジャ27が図5中、下動して
燃料加圧室29内の燃料を加圧する際にも、電磁コイル
39を「OFF」のままとして電磁弁36の開弁状態を
維持しておくと、燃料加圧室29の高圧燃料が、第3の
燃料通路33を介して燃料溜まり室47、アーマチャー
室45および燃料出口46から低圧側に逃げるため、高
圧燃料が第4の燃料通路34および第5の燃料通路62
を介して噴射ノズル57のニードル弁63には作用せ
ず、噴射孔65からの燃料噴射には至らない。
【0054】このポンププランジャ27の下動時におい
て、制御部(図示せず)がエンジンの運転状態から燃料
噴射開始時期を判断し、その判断にもとづいて電磁コイ
ル39に通電(「ON」)すると、電磁コイル39がア
ーマチャー40を吸引してバルブボディ41がシート部
38Aにシートするため、電磁弁36が「閉」状態とな
る。したがって、アーマチャー室45と第3の燃料通路
33との間が遮断され、燃料加圧室29が加圧状態とな
り、逆止弁61および第5の燃料通路62を介して高圧
燃料が噴射ノズル57のニードル弁63に作用し、噴射
孔65からの燃料噴射が行われる。
【0055】電磁コイル39への通電を停止すると、電
磁弁36が開放状態となり、燃料加圧室29が第3の燃
料通路33、アーマチャー室45および燃料出口46を
介して開放されるので、燃料圧が低下し噴射を終了す
る。
【0056】なお、この燃料噴射終了時に、燃料加圧室
29から第3の燃料通路33を介した高圧燃料が逃げる
ときに、高圧燃料が燃料溜まり室47のバルブボディ4
1のテーパー部41Aに作用するため、バルブボディ4
1の下動を助長し、その開放を促進するため、燃料の噴
射切れを良好とする。
【0057】さらに本発明による電磁弁36において
は、図1における電磁式燃料噴射弁1における圧電素子
10の場合と同様に、電磁コイル39への通電時に(よ
り具体的には過励磁用のプラス高電圧の印加時に)、圧
電素子44がその径方向に変形してバルブボディ41を
押さえる。したがって、バルブボディ41がシート部3
8Aにシートするために十分な磁気力が電磁コイル39
に発生してから、通常の保持電圧印加期間に移行して圧
電素子44による押さえを解除するため、バルブボディ
41がシート部38A方向に急速に移動(シート)する
ことになり、急速な電磁弁36の閉鎖が可能となって、
電磁弁36の応答性を向上させることができる。
【0058】なお電磁コイル39への通電を「OFF」
とすれば、戻しバネ42の付勢力によってバルブボディ
41がシート部38Aからリフトし、電磁弁36が
「開」状態となり、燃料加圧室29内の圧力が低下して
燃料噴射を終了する。圧電素子44の採用によるその他
の優位点については、第1の実施の形態による電磁式燃
料噴射弁1と同様であるので、詳述はこれを省略する。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電磁コイ
ルへの過励磁期間中に圧電素子によってバルブボディの
軸方向動作を押さえるようにしたので(バルブボディの
初動を押さえるようにしたので)、すぐれた応答性を実
現することができるとともに、この実現機能のためのハ
ーネスなどの結線数を増やす必要もなく、コストの上昇
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による電磁式燃料噴射弁1
の断面図である。
【図2】同、圧電素子10(径方向変位タイプ)の斜視
図である。
【図3】同、厚さ方向変位タイプの圧電素子19の斜視
図である。
【図4】同、電磁コイル5への駆動電圧および駆動電
流、可動部(アーマチャー6およびニードルバルブ7)
に作用する電磁力、可動部の変位を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態による電磁弁36を
装備したユニットインジェクターなど燃料噴射装置20
(たとえば特開平6−193531号)の断面図であ
る。
【図6】同、電磁弁36を有する電磁弁部23の断面図
である。
【図7】従来の高圧インジェクターの駆動印加電圧波形
のグラフである。
【符号の説明】
1 電磁式燃料噴射弁(電磁弁、第1の実施の形態、図
1) 2 バルブハウジング 2A バルブハウジング2の取付け用環状溝2A 3 コネクター 4 燃料供給パイプ 5 電磁コイル 6 アーマチャー 7 ニードルバルブ(バルブボディ) 8 戻しバネ 9 バネ力調整パイプ 10 圧電素子(径方向変位タイプ) 10A 圧電素子10の外周部 10B 圧電素子10の中央孔部 11 燃料通路(流体の流路) 12 噴射孔(流体の流路) 13 エンジンのシリンダー 14 ハーネス 15 ターミナル 16 共用配線部 17 電磁コイル5への配線部 18 圧電素子10への配線部 19 厚さ方向変位タイプの圧電素子(図3) 20 燃料噴射装置20(図5) 21 燃料タンク 22 燃料加圧部 23 電磁弁部(図6) 24 燃料噴射部 25 装置ハウジング 26 追従部材 27 ポンププランジャ 28 プランジャスプリング 29 燃料加圧室 30 環状のリークストッパー溝 31 第1の燃料通路 32 第2の燃料通路 33 第3の燃料通路 34 第4の燃料通路 35 エンジンのカム 36 電磁弁(第2の実施の形態、図6) 37 ステーター 38 バルブハウジング 38A バルブハウジング38のシート部 38B バルブハウジング38の取付け用環状溝 39 電磁コイル 40 アーマチャー 41 バルブボディ 41A バルブボディ41のテーパー部 42 戻しバネ 43 ストッパー部材 44 圧電素子 45 アーマチャー室 46 燃料出口 47 燃料溜まり室 48 ドレイン通路 49 ハーネス 50 ターミナル 51 共用配線部 52 電磁コイル39への配線部 53 圧電素子44への配線部 54 バネホルダー 55 スペーサー 56 ノズルホルダー 57 噴射ノズル 58 リテーニングナット 59 燃料ポンプ 60 燃料入口 61 逆止弁 62 第5の燃料通路 63 ニードル弁 64 ノズルスプリング 65 噴射孔 S 圧電素子10の中央孔部10Bとニードルバルブ7
との間の摺動クリアランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 57/02 310 F02M 57/02 310D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流路を形成したバルブハウジン
    グと、 このバルブハウジングに設けた電磁コイルと、 前記電磁コイルの励磁に応じて前記流路を開閉可能とす
    るバルブボディと、を有する電磁弁であって、 前記電磁コイルへの駆動電流の印加初期に、前記バルブ
    ボディの動作を圧電素子により規制するようにしたこと
    を特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記圧電素子は、前記バルブボディの
    ラジアル方向に作動することを特徴とする請求項1記載
    の電磁弁。
  3. 【請求項3】 前記圧電素子は、該電磁コイルと並列
    にこれを結線してあることを特徴とする請求項1記載の
    電磁弁。
JP18423696A 1996-06-26 1996-06-26 電磁弁 Pending JPH109085A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012137019A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Acr Co Ltd ディーゼルエンジン用のユニットインジェクタ
JP2017002888A (ja) * 2015-06-11 2017-01-05 株式会社デンソー 燃料噴射装置

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