JP6155962B2 - 高圧燃料ポンプ - Google Patents
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Description
このため、潤滑油供給通路をドリルによって切削加工する際に、ドリルの先端部が振れて潤滑油供給通路の下流開口端が環状凹部からずれてしまうおそれがあり、潤滑油供給通路の加工精度が低下してしまうおそれがある。
このため、作業者が、バリが発生したことに気づかずにタペットをタペットケースに組み付けた場合に、タペットの外周面がバリによって傷つけられてしまうおそれがある上に、タペットの進退時にバリによってタペットの摺動抵抗が増大してしまい、高圧燃料ポンプの信頼性が低下してしまうおそれがある。
このため、タペットをタペットケースに組み付ける際に、潤滑油供給通路の下流開口端に形成された鋭利な部分や支持孔に向けて発生したバリがタペットの外周面に接触してしまい、タペットの外周面が傷ついてしまうおそれがある。
本発明の第3の態様としては、カムハウジングに形成された潤滑油供給通路のうち、上流側に位置する上流側潤滑油供給通路は、カムハウジングの接合面に対して直交する方向に延在し、上流側潤滑油供給通路の上流開口端は、シリンダヘッドに形成された潤滑油主供給通路の下流開口端に連通するようにしてもよい。
このため、例えば、タペットが、下流側潤滑油供給部からガイド孔に供給される潤滑油を受ける潤滑油受け部と、潤滑油受け部で受けた潤滑油をタペットと駆動カムの摺動面に供給する潤滑油供給通路とを有する場合に、潤滑油受け部と下流側潤滑油供給通路との位置精度を高めることができる。
以上の結果、第1の態様の高圧燃料ポンプは、カムハウジングの加工性を向上させることができる。
以上のように、第1の態様の高圧燃料ポンプは、バリによってタペットが傷つくことや、タペットの摺動抵抗が増大することを防止してタペットを円滑に進退させることできるため、高圧燃料ポンプの信頼性を向上させることができる。
図1〜図9は、本発明に係る一実施形態の高圧燃料ポンプを示す図である。
まず、構成を説明する。図1、図2において、車両に搭載された内燃機関としてのエンジン1は、シリンダヘッド2およびシリンダヘッド2の上部に取付けられたカムハウジング3とを含んで構成されている。また、詳細しないが、エンジン1は、シリンダヘッド2の下部に取付けられたシリンダブロック4を備えており、シリンダブロック4には複数の気筒が設けられている。
シリンダヘッド2とカムハウジング3との間には動弁室5が形成されており、動弁室5にはカムシャフトとしての吸気カムシャフト6および排気カムシャフト7が収容されている。図3に示すように、吸気カムシャフト6は、車両の前後方向に沿って延在している。
排気カムシャフト7には複数の排気カム7aおよび1つの駆動カム8が設けられており、排気カムシャフト7の回転に伴って排気カム7aがシリンダヘッド2に設けられた図示しない排気弁を昇降させることで排気ポート2aを開閉するようになっている。
このポンプハウジング部10には駆動カム8に対向するガイド孔10Aが形成されており、このガイド孔10Aにはタペット11が進退自在、すなわち、昇降自在に設けられている。
このローラ部材12は、駆動カム8に接触しており、駆動カム8の回転運動がローラ部材12を介してタペット11の直線運動に変換されることにより、タペット11がガイド孔10Aに沿って昇降するようになっている。
このため、駆動カム8の回転によりタペット11がスプリング16の付勢力に抗して上昇すると、プランジャ14が上昇してポンプ室15の容積を減少させることにより、ポンプ室15が加圧される。ポンプ室15が加圧されると、燃料排出通路17から図示しない高圧燃料配管を通して図示しないデリバリパイプに燃料が供給される。
また、ガイド孔10Aの内周面10aに対向するタペット11の外周面11bにはガイド穴11cが形成されており、このガイド穴11cは、タペット11の軸線方向に所定長の長さに亙って延在している。
このオイル供給通路22は、上流側潤滑油供給通路としてのオイル供給通路23と下流側潤滑油供給通路としてのオイル供給通路24とを備えている。
オイル供給通路24は、タペット11を挟んでボルト穴27の反対側に位置しており、オイル供給通路24の下流開口端24aは、オイル供給通路20aの開口端に対向するようにガイド孔10Aに開口している。
このように本実施形態の高圧燃料ポンプ31は、駆動カム8を含んだ接合面21の上方で、オイル供給通路24やボス部26を含んだカムハウジング3の部位からポンプハウジング部10が構成される。
図9に基づいて、オイル供給通路22を切削加工する方法を説明する。
図9において、オイル供給通路23の上流開口端23aがオイル供給通路25の下流開口端25aに位置するポンプハウジング部10の部位に、図示しない切削装置のドリル29の先端を位置決めし、ドリル29によってカムハウジング3の接合面21に対して直交する方向を切削してオイル供給通路23を形成する。
次いで、ボルト穴27が加工されていない状態のポンプハウジング部10のボス部26にドリル29の先端部を位置決めし、ドリル29によってガイド孔10Aの軸線方向(タペット11の軸線方向と同一方向)と直交する方向を切削加工する。
次いで、図示しないタップ等を用いてボルト穴27の内周面にねじ溝を加工する。このとき、タップをポンプハウジング部10からガイド孔10Aに向かって移動させることで、ガイド孔10Aの内周面にバリが形成されることを防止することができる。
また、タペット11が駆動カム8に押圧されてガイド孔10Aに沿って昇降する際には、タペット11の昇降に伴ってガイド孔10Aがボルト28に沿って移動することにより、タペット11の回転や傾きが防止されることになる。
なお、上記の手順とは逆に、ドリル29によってオイル供給通路24を切削加工した後に、オイル供給通路23を形成するようにしてもよい。
このため、タペット11のオイル受け用の溝部11aとオイル供給通路24との位置精度を高めることができる。したがって、オイル供給通路22を流れるオイルを、溝部11aからタペット11内のオイル供給通路20を通してタペット11のローラ部材12と駆動カム8の摺動面に確実に供給することができ、ローラ部材12と駆動カム8の摺動面との潤滑性能を高めることができる。
以上の結果、カムハウジング3の加工性を向上させることができる。
また、本実施形態の高圧燃料ポンプ31は、オイル供給通路23が、シリンダヘッド2とポンプハウジング部10の接合面21に対して直交する方向に延在し、オイル供給通路23の上流開口端23aが、シリンダヘッド2に形成されたオイル供給通路25の下流開口端25aに連通している。
また、ドリル29の軸線を接合面21に対して傾斜させずにオイル供給通路23を切削加工することができるため、切削加工時にドリル29の先端部が振れてしまうことを抑制することができ、オイル供給通路23の加工精度を高めることができる。
この場合には、カムハウジング3の鋳造時に、万が一、駆動カム8の近傍のポンプハウジング部10の部位に鋳巣が生じた場合に、直線状のオイル供給通路のオイルが鋳巣に浸漬されてしまい、オイル供給通路のオイルが鋳巣を介して動弁室5に漏出してしまうおそれがある。
このため、駆動カム8の近傍のポンプハウジング部10の部位に鋳巣が生じた場合であっても、オイル供給通路22の切削加工時にオイル供給通路22と駆動カム8が配置される空間とが鋳巣を介して連通してしまうことを防止することができる。この結果、オイル供給通路22のオイルが鋳巣を介して動弁室5に漏出してしまうことを防止することができる。この結果、タペット11のローラ部材12と駆動カム8の摺動面に十分な量のオイルを供給することができる。
Claims (3)
- 内燃機関のシリンダヘッドに取付けられ、前記シリンダヘッドとの間に駆動カムを有するカムシャフトを収容する動弁室が形成されるとともに、前記駆動カムに対向するガイド孔が形成されたカムハウジングと、
前記カムハウジングに設けられ、プランジャの進退量に応じて容積が増減するポンプ室を有するポンプ部と、
前記ガイド孔内に設けられ、前記駆動カムから押圧力を受けて前記ガイド孔内で進退することにより、前記プランジャを進退させるタペットと、
前記シリンダヘッドに接合される前記カムハウジングの接合面から前記ガイド孔まで延在し、前記シリンダヘッドに形成された潤滑油主供給通路に連通する潤滑油供給通路とを備えた高圧燃料ポンプであって、
前記ガイド孔の内周面に対向する前記タペットの外周面に、前記タペットの軸線方向に延在するガイド穴が形成され、
前記カムハウジングが、前記ガイド穴と対向する前記カムハウジングの外周面から外方に突出し、前記タペットの軸線方向と平行に延在する座面を有するボス部と、前記座面を基準として前記座面および前記タペットの軸線方向と直交する方向に延びて、前記ボス部および前記カムハウジングを貫通するボルト穴と、前記潤滑油供給通路の下流側で、かつ前記タペットを挟んで前記ボルト穴の反対側に位置する下流側潤滑油供給通路とを備えており、
前記下流側潤滑油供給通路が、前記タペットの軸線方向と直交する方向に延びるとともに前記ボルト穴と同一軸線上に形成されており、
前記ボルト穴に螺合されるボルトの先端部が前記ガイド穴に挿通されることを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - 前記タペットの下端部に、前記駆動カムと接触するローラ部材が設けられ、
前記タペットは、前記タペットの外周面において前記タペットの円周方向に亙って形成され、前記下流側潤滑油供給通路の下流開口端から排出された潤滑油を受ける溝部と、前記溝部に上流開口端が開口し、前記タペット内を通して、下流開口端が前記ローラ部材の上方から前記ローラ部材に向かって開口するオイル供給通路を有することを特徴とする請求項1に記載の高圧燃料ポンプ。 - 前記カムハウジングに形成された前記潤滑油供給通路のうち、上流側に位置する上流側潤滑油供給通路は、前記カムハウジングの前記接合面に対して直交する方向に延在し、
前記上流側潤滑油供給通路の上流開口端は、前記シリンダヘッドに形成された前記潤滑油主供給通路の下流開口端に連通することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高圧燃料ポンプ。
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