JP2006170066A - オイル供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくともオイルポンプの大型化の抑制あるいはピストンピンとピン穴との焼き付きの抑制のいずれか一方を実現することができるオイル供給装置を提供すること。
【解決手段】ピストン3のピストンピン34と、コンロッド4のピストンピン34を回転自在に支持するピン穴45との間にオイルを供給するオイル供給装置8−1において、コンロッド4の壁面であるコラム部壁面44aに形成されるオイル供給口44bとピン穴45とを連通するオイル供給通路41−1と、オイル供給口44bにコンロッド4の外部からオイルを供給するオイルジェット装置9とを備える。ピストン3が下死点から上死点に移動する際に、オイルジェット装置9は、オイル供給口44bからオイル供給通路41−1にオイルを供給する。供給されたオイルは、ピストンピンとピン穴との間に供給され、油膜を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】ピストン3のピストンピン34と、コンロッド4のピストンピン34を回転自在に支持するピン穴45との間にオイルを供給するオイル供給装置8−1において、コンロッド4の壁面であるコラム部壁面44aに形成されるオイル供給口44bとピン穴45とを連通するオイル供給通路41−1と、オイル供給口44bにコンロッド4の外部からオイルを供給するオイルジェット装置9とを備える。ピストン3が下死点から上死点に移動する際に、オイルジェット装置9は、オイル供給口44bからオイル供給通路41−1にオイルを供給する。供給されたオイルは、ピストンピンとピン穴との間に供給され、油膜を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、オイル供給装置に関し、さらに詳しくは、ピストンピンとピン穴との間にオイルを供給するオイル供給装置に関するものである。
内燃機関の各気筒のピストンは、シリンダブロックに往復運動自在に支持され、コンロッドに連結されている。ピストンとコンロッドとの連結は、ピストンに連結されたピストンピンがコンロッドの一方の端部である小端部に形成されるピン穴に回転自在に支持されることにより行われている。このピストンは、高速でシリンダブロック内を往復運動する。従って、ピン穴がピストンピン対してこのピン穴に当接しつつ回転することとなる。従って、従来の内燃機関では、ピストンピンとピン穴との焼き付きを抑制するため、このピストンピンとピン穴との間に潤滑油としてオイルを供給するオイル供給装置が備えられている。
この従来のオイル供給装置は、例えば特許文献1に示すように、クランクシャフトとコンロッドの他方の端部である大端部に取り付けられたベアリングとの間に供給されるオイルをコンロッドの大端部と小端部との間のコラム部に形成されたオイル供給通路を介してピストンピンとピン穴との間に供給するものであった。つまり、クランクシャフトとベアリングとの間の潤滑を行うオイルの一部をピストンピンとピン穴との間の潤滑に用いるものであった。
しかしながら、上記従来のオイル供給装置では、ベアリングからピン穴まで連通するオイル供給通路が必要であり、このオイル供給通路を介してピストンピンとピン穴との間にオイルを供給するためには、クランクシャフトとベアリングとの間に供給されるオイルの油圧を高くする必要があった。従って、従来のオイル供給装置では、高い油圧を発生するために、クランクシャフトとベアリングとの間や、シリンダヘッドに配置されるバルブ装置などにオイルを供給するオイルポンプに容量の大きいオイルポンプを使用しなければならないという問題があった。
また、クランクシャフトとベアリングとの間の潤滑を行うオイルの一部をピストンピンとピン穴との間に供給するため、このクランクシャフトとベアリングとの間に介在するオイルが減少し、クランクシャフトとベアリングとの間に形成される油膜が切れ、焼き付きが発生する虞があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、少なくともオイルポンプの大型化の抑制あるいはピストンピンとピン穴との焼き付きの抑制のいずれか一方を実現することができるオイル供給装置を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、ピストンと連結するピストンピンと、コンロッドの当該ピストンピンが摺動するピン穴との間にオイルを供給するオイル供給装置において、コンロッドの壁面に形成されるオイル供給口と前記ピン穴とを連通するオイル供給通路と、前記オイル供給口にコンロッドの外部からオイルを供給するオイル供給手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、ピン穴と連通するオイル供給通路は、クランクシャフトとベアリングとの間のオイルをピストンピンとピン穴との間に供給するものではなく、コンロッドの壁面のオイル供給口から供給されたオイルをピストンピンとピン穴との間に供給する。従って、クランクシャフトとベアリングとの間に介在するオイルが減少することを抑制できるので、このクランクシャフトとベアリングとの間に形成される油膜の切れを抑制することができる。
また、この発明では、上記オイル供給装置において、前記オイル供給口は、前記コンロッドのコラム部のコラム部壁面に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、オイル供給口は、ベアリングが取り付けられているコンロッドの大端部よりもピン穴に近いコラム部のコラム部壁面に形成されている。従って、従来のオイル供給装置のようにベアリングからピン穴まで連通する長いオイル供給通路をコンロッドに形成する必要がない。これにより、オイル供給口に供給されるオイルの油圧が低くても、このオイル供給口からオイル供給通路を介してピストンピンとピン穴との間にオイルを供給することができる。
また、オイル供給通路のオイル供給口は、コンロッドのコラム部壁面に形成されているため、オイル供給通路はコラム部に形成されており、コンロッドの大端部には形成されていない。従って、コンロッドの大端部に対する強度の向上を図ることができる。また、コンロッドの大端部に対する軽量化を図ることができる。これらにより、コンロッドの強度を向上あるいは軽量化の少なくともいずれか一方を図ることができる。
また、この発明では、上記オイル供給装置において、前記オイル供給口は、前記ピストンが下死点から上死点に移動する際に前記オイル供給手段と近づく側のコラム部壁面に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、ピストンが下死点から上死点に移動する際、すなわち内燃機関の爆発膨張行程においてピストンに下死点側に向かう圧力が加わる直前に、多くのオイルをピストンピンとピン穴との間に介在させることができる。従って、ピストンピンがこの圧力によりピン穴に押さえつけられることで、ピストンピンがピン穴と当接する位置に形成される油膜の切れを抑制することができる。
また、この発明では、上記オイル供給装置において、前記オイル供給口が形成されている前記一方のコラム部壁面と対向する他方のコラム部壁面に、前記オイル供給通路と連通するオイル吐出口が形成されていることを特徴する。
この発明によれば、オイル供給口からオイル供給通路に流入したオイルの一部が、オイル吐出口から噴射あるいは噴霧される。従って、ピストンが往復運動するシリンダブロックのシリンダライナのこのオイル供給手段が設けられている側の面とコンロッドを挟んで対向する側の面にオイル吐出口から噴射あるいは噴霧されたオイルを供給することができる。
また、この発明では、上記オイル供給装置において、前記オイル供給口は、前記コンロッドの前記ピン穴が形成される小端部の前記ピストンが下死点に位置した際に前記オイル供給手段と近づく小端部壁面に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、オイル供給口は、ピン穴が形成されている小端部の小端部壁面に形成されている。従って、従来のオイル供給装置のようにベアリングからピン穴まで連通する長いオイル供給通路をコンロッドに形成する必要がないため、オイル供給口に供給されるオイルの油圧が低くても、このオイル供給口からオイル供給通路を介してピストンピンとピン穴との間にオイルを供給することができる。
また、オイル供給通路のオイル供給口は、コンロッドの小端部壁面に形成されているため、オイル供給通路は小端部に形成されており、コンロッドの大端部およびコラム部には形成されていない。従って、コンロッドの大端部およびコラム部に対する強度の向上を図ることができる。また、コンロッドの大端部およびコラム部に対する軽量化を図ることができる。これらにより、コンロッドの強度を向上あるいは軽量化の少なくともいずれか一方をさらに図ることができる。
また、この発明では、上記オイル供給装置において、前記オイル供給手段は、ピストンの裏面にオイルを供給することを特徴とする。
この発明によれば、ピストンの裏面にもオイルを供給するため、ピストンの冷却を行うことができる。
この発明にかかるオイル供給装置は、オイル供給口から供給されるオイルの油圧が低くても、ピストンピンとピン穴との間にオイルを供給することができるので、オイルポンプの大型化を抑制することができる。また、クランクシャフトとベアリングとの間に形成される油膜が切れることを抑制するので、クランクシャフトとベアリングとの焼き付きを抑制することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施例1にかかるオイル供給装置を備える内燃機関の構成例を示す図である。図2は、ピストン近傍の拡大断面図である。図1および図2に示すように、内燃機関1−1の各気筒は、シリンダブロック2のシリンダライナ21を往復運動するピストン3と、このピストン3と連結するコンロッド4と、シリンダブロック2とクランクケース5とにより構成されるクランク室6に配置され、全気筒のコンロッド4と連結されるクランクシャフト7と、実施例1にかかるオイル供給装置8−1とにより構成されている。このオイル供給装置8−1は、コンロッド4に形成されたオイル供給通路41と、このオイル供給通路41−1にオイルを供給するオイルジェット装置9とにより構成されている。なお、Aは、クランクシャフト7の回転中心である。
ピストン3は、その外周面31に取り付けられた複数個のオイルリング32がシリンダライナ21に対して摺動することで、シリンダブロック2に対して往復運動するものである。また、このピストン3の裏面33には、後述するコンロッド4の小端部42に形成されるピン穴45に挿入されるピストンピン34が固定されている。
コンロッド4には、ピストンピン側に形成される小端部42と、クランクシャフト側に形成される大端部43と、この小端部42と大端部43との間のコラム部44とが形成されている。この小端部42には、上記ピストン3のピストンピン34を回転自在に支持するピン穴45が形成されている。また、この大端部43には、上記クランクシャフト7を回転自在に支持するベアリング46が取り付けられている。
このコラム部44の内部には、一方の端部が小端部42のピン穴45と連通するオイル供給通路41−1が形成されている。このオイル供給通路41−1の他方の端部は、コンロッド壁面であるコラム部壁面44aに形成されるオイル供給口44bに連通している。つまり、オイル供給口44bは、ベアリング46が取り付けられているコンロッド4の大端部43よりもピン穴45に近いコラム部4のコラム部壁面44aに形成されている。
ここで、このコラム部壁面44aは、クランクシャフト7の軸方向と直交する方向(以下、単に「直交方向」と称する)に形成される対向するコラム部壁面のうち、クランクシャフト7の回転方向(同図では、Bに示す方向)においてピストン3が下死点から上死点に移動する際に、シリンダライナ21に近づく側のコラム部壁面である。
オイルジェット装置9は、オイル供給手段であり、上記オイル供給口44bからオイル供給通路41−1にオイルを供給するものである。このオイルジェット装置9は、ジェットノズル91と、クランクケース5の図示しない底部に取り付けられたオイルタンク(オイルパン)92と、オイルポンプ93と、これらを接続するオイル配管94とにより構成されている。このオイルタンク92内のオイルは、例えばクランクシャフト7の回転力により作動するオイルポンプ93に吸引される。このオイルポンプ93から吐出され、このオイルポンプ93により加圧されたオイルは、オイル配管94を介してジェットノズル91に供給される。
なお、オイル配管94は、オイルポンプ93とジェットノズル91とを連通するのみならず、例えばベアリング46とクランクシャフト6との間や、図示しないシリンダヘッドに配置されるバルブ装置などに連通している。つまり、加圧されたオイルは、これらにも供給され、これらを潤滑・冷却するものでもある。また、ジェットノズル91とオイル配管94との間には、図示しないチェック弁が配置されている。このチェック弁は、オイル配管94内を通過するオイルの油圧が所定圧力(例えば、200kPa)以上となると、ジェットノズル91にオイルを供給するものである。従って、クランクシャフト7の回転力により回転するオイルポンプ93の吐出量が小さい場合、すなわち内燃機関1−1の機関回転数が低い場合には、ジェットノズル91からのオイルの噴射を停止することで、その他の部分、例えばベアリング46とクランクシャフト6との間などへのオイルの供給を確実なものとすることができる。
ジェットノズル91は、クランク室6のシリンダライナ21を挟んで対向する内壁面のうち、ピストン3が下死点から上死点に移動する際に、コンロッド4が近づく側の内壁面61に取り付けられている(同図では、コンロッド4を挟んで右側)。従って、ピストン3が下死点から上死点に移動する際に、コンロッド4がオイルジェット装置9に近づくため、コラム部壁面44aに形成されたオイル供給口44bは、ジェットノズル91に近づくこととなる。
また、このジェットノズル91は、このジェットノズル91に供給された加圧されたオイルを噴射する2つの先端部91a,91bが形成されている。つまり、ジェットノズル91は、供給されたオイルを2つの方向に噴射するものである。一方の先端部91aは、上記コラム部壁面44aに形成されたオイル供給口44bに噴射されたオイルが向かうように形成されている。従って、一方の先端部91aから噴射されたオイルは、このオイル供給口44bからオイル供給通路41−1に供給される。また、他方の先端部91bは、ピストン3の裏面33に噴射されたオイルが向かうように形成される。
次に、実施例1かかるオイル供給装置8−1の動作について説明する。内燃機関1−1の機関回転数が上昇し、図示しないチェック弁が開弁すると、オイルポンプ93により加圧されたオイルがオイル配管94を通り、ジェットノズル91に供給される。ジェットノズル91に供給された加圧されたオイルは、2つの先端部91a,91bから噴射される。このジェットノズル91は、図示しないチェック弁が閉弁しなければ、常にオイルを噴射するものである。
一方の先端部91aとオイル供給口44bとは、ピストン3が下死点から上死点に移動する、すなわちピストン3がシリンダライナ21を下死点から上死点に向かって摺動する際に最も近づく(図1参照)。従って、この一方の先端部91aから噴射されたオイルは、同図の矢印Cに示すように、ピストン3が下死点から上死点に移動する際に、オイル供給口44bからオイル供給通路41−1に供給される。ここで、ジェットノズル91の先端部91a,91bは、オイル配管94などに対してその径が小さいため、絞りの効果により、この先端部91a,91bから噴射されるオイルの油圧は十分に高いものとなる。従って、オイルジェット装置9からオイル供給口44bを介してオイル供給通路41−1に供給されたオイルは、図2の矢印Dに示すように、このオイル供給通路41−1を通り、ピストンピン34とピン穴45との間Sに十分に供給される。
オイル供給通路41−1からピストンピン34とピン穴45との間Sに十分に供給されたオイルは、このピストンピン34とピン穴45との間Sに介在し、ピストンピン34とピン穴45との間Sに油膜を形成する。つまり、ピストン3が下死点から上死点に移動する際に、オイル供給通路41−1にオイルが供給されるため、ピストン3が下死点から上死点に移動する際、すなわち内燃機関1−1の爆発膨張行程においてピストン3に下死点に向かう圧力が加わる直前に、多くのオイルをピストンピン34とピン穴45との間Sに介在させることができる。従って、ピストンピン34がこの圧力によりピン穴45に押さえつけられながら回転することで、ピストンピン34とピン穴45とが当接する位置に形成される油膜が切れることを抑制することができる。
また、他方の先端部91bは、ピストン3がシリンダライナ21を往復運動している間に、図1の矢印Eに示すように、ピストン3の裏面33に向かってオイルを噴射する。つまり、オイルジェット装置9は、ピストン3の裏面33にもオイルを直接供給する。従って、他方の先端部91bから噴射されたオイルは、ピストン3の裏面33に付着する。これにより、内燃機関1−1が運転され、ピストン3の温度を上昇しても、ピストン3の裏面33にもオイルが供給されるため、ピストン3の冷却を行うことができる。
以上のように、ピン穴45と連通するオイル供給通路41−1は、クランクシャフト7とベアリング46との間のオイルをピストンピン34とピン穴45との間Sに供給するものではなく、コンロッド4の壁面、すなわちコラム部壁面44aに形成されたオイル供給口44bからオイルジェット装置9により供給されたオイルを供給する。従って、従来のオイル供給装置のようにベアリング46からピン穴45まで連通する長いオイル供給通路をコンロッド4に形成する必要がないため、オイル供給口44bに供給されるオイルの油圧が低くても、このオイル供給口44bからオイル供給通路41−1を介してピストンピン34とピン穴45との間Sにオイルを供給することができる。これにより、クランクシャフト7とベアリング46との間に介在するオイルが減少することを抑制できるので、このクランクシャフト7とベアリング46との間に形成される油膜の切れを抑制することができ、クランクシャフト7とベアリング46との焼き付きを抑制することができる。
また、オイル供給通路41−1のオイル供給口44bがコンロッド4のコラム部壁面44aに形成されているため、オイル供給通路41−1は、コラム部44に形成されており、コンロッド4の大端部43には形成されていない。従って、コンロッド4の大端部43に対する強度の向上および/またはコンロッド4の大端部43に対する軽量化を図ることができる。これらにより、コンロッド4の強度を向上および/または軽量化を図ることができる。
さらに、ジェットノズル9の他方の先端部91bからピストン3の裏面33にオイルを供給するため、従来のオイル供給装置のように、コンロッド4の大端部43からこのピストン3の裏面33にクランクシャフト7とベアリング46と間のオイルを供給する肩部ジェット通路を形成する必要がない。従って、クランクシャフト7とベアリング46との間に介在するオイルが減少することを抑制でき、クランクシャフト7とベアリング46との焼き付きをさらに抑制することができる。また、コンロッド4の大端部43に対する強度の向上および/またはコンロッド4の大端部43に対する軽量化をさらに図ることができ、コンロッド4の強度を向上および/または軽量化をさらに図ることができる。
図3は、実施例2にかかるオイル供給装置を備える内燃機関の構成例を示す図である。
同図に示す内燃機関1−2は、図1に示す内燃機関1−1とその基本的構成はほぼ同様である。図2に示す実施例2にかかるオイル供給装置8−2は、図1に示す実施例1にかかるオイル供給装置8−1のオイル供給通路41−1と異なる形状のオイル供給通路41−2が用いられている。上述のように、同図に示す内燃機関1−2は、図1に示す内燃機関1−1とその基本的構成はほぼ同様であるため、その説明は省略する。
同図に示す内燃機関1−2は、図1に示す内燃機関1−1とその基本的構成はほぼ同様である。図2に示す実施例2にかかるオイル供給装置8−2は、図1に示す実施例1にかかるオイル供給装置8−1のオイル供給通路41−1と異なる形状のオイル供給通路41−2が用いられている。上述のように、同図に示す内燃機関1−2は、図1に示す内燃機関1−1とその基本的構成はほぼ同様であるため、その説明は省略する。
コラム部44の内部には、一方の端部が小端部42のピン穴45と連通するオイル供給通路41−2が形成されている。このオイル供給通路41−2と連通するオイル供給口44bが形成されている一方のコラム部壁面44aと対向する他方のコラム部壁面44cには、オイル供給通路の両端部の途中と連通するオイル吐出口44dが形成されている。
次に、実施例2かかるオイル供給装置8−2の動作について説明する。なお、実施例2かかるオイル供給装置8−2は、実施例1かかるオイル供給装置8−1と基本的動作は同一なのでその説明は省略する。ジェットノズル91の一方の先端部91aから噴射されたオイルは、同図の矢印Cに示すように、ピストン3が下死点から上死点に移動する際に、オイル供給口44bからオイル供給通路41−2に供給される。オイルジェット装置9からオイル供給口44bを介してオイル供給通路41−2に供給されたオイルは、オイル供給通路41−2を通り、大部分がピストンピン34とピン穴45との間Sに供給される(図2参照)。
ここで、オイル供給通路41−2に供給されたオイルの一部は、オイル吐出口44dからコンロッド4の外部に吐出、すなわち噴射あるいは噴霧される。このコンロッド4の外部に吐き出されたオイルは、同図の矢印Fに示すように、ピストン3が往復運動するシリンダブロック2のシリンダライナ21のこのオイルジェット装置9が設けられている側の面とコンロッド4を挟んで対向する側の面21aに付着する。
この面21aに付着したオイルは、油膜を形成する。従って、ピストン3がシリンダライナ21内を摺動する際の抵抗を低減する。これにより、内燃機関1−2のフリクションを低減することができる。また、シリンダライナ21とピストン3との焼き付きを抑制することができる。また、シリンダライナ21およびピストン3の摩耗を抑制することができる。さらに、ピストン3がシリンダライナ21内を摺動する際に発生する騒音を低減することができる。
図4は、実施例3にかかるオイル供給装置を備える内燃機関の構成例を示す図である。図5は、ピストン近傍の拡大断面図である。図4および図5に示す内燃機関1−3は、図1に示す内燃機関1−1とその基本的構成はほぼ同様である。図4および図5に示す実施例3にかかるオイル供給装置8−3は、図1に示す実施例1にかかるオイル供給装置8−1のオイル供給通路41−1と異なる位置にオイル供給通路41−3が形成されている。上述のように、同図に示す内燃機関1−3は、図1に示す内燃機関1−1とその基本的構成はほぼ同様であるため、その説明は省略する。
ピン穴45が形成されているコンロッド4の小端部42には、一方の端部がピン穴45と連通するオイル供給通路41−3が形成されている。このオイル供給通路41−3の他方の端部は、コンロッド壁面である小端部壁面42aに形成されるオイル供給口42bに連通している。つまり、オイル供給口42bは、ベアリング46が取り付けられているコンロッド4の大端部43およびコラム部44よりもピン穴45に近い小端部42の小端部壁面42aに形成されている。
ジェットノズル91は、ピストン3が下死点に位置する際に、コンロッド4の小端部42が近づく内壁面61に取り付けられている(同図では、コンロッド4を挟んで右側)。従って、ピストン3が下死点に位置した際に、コンロッド4がオイルジェット装置9に近づくため、小端部壁面42aに形成されたオイル供給口42bは、ジェットノズル91に近づくこととなる。
このジェットノズル91の一方の先端部91aは、上記小端部壁面42aに形成されたオイル供給口42bに噴射されたオイルが向かうように形成されている。従って、一方の先端部91aから噴射されたオイルは、このオイル供給口42bからオイル供給通路41−3に供給される。
次に、実施例3かかるオイル供給装置8−3の動作について説明する。なお、実施例3かかるオイル供給装置8−3は、実施例1かかるオイル供給装置8−1と基本的動作は同一なのでその説明は省略する。ジェットノズル91の一方の先端部91aから噴射されたオイルは、図4に示すように、同図の矢印Gに示すように、ピストン3が下死点に位置する際に、オイル供給口42bからオイル供給通路41−3に供給される。オイルジェット装置9からオイル供給口42bを介してオイル供給通路41−3に供給されたオイルは、オイル供給通路41−3を通り、ピストンピン34とピン穴45との間Sに供給される。
オイル供給通路41−3からピストンピン34とピン穴45との間Sに十分に供給されたオイルは、このピストンピン34とピン穴45との間Sに介在し、ピストンピン34とピン穴45との間Sに油膜を形成する。従って、従来のオイル供給装置のようにベアリング46からピン穴45まで連通する長いオイル供給通路をコンロッドに形成する必要がないため、オイル供給口42bに供給されるオイルの油圧が低くても、このオイル供給口42bからオイル供給通路41−3を介してピストンピン34とピン穴45との間にオイルを供給することができる。
また、オイル供給通路41−3のオイル供給口42bがコンロッド4の小端部壁面42aに形成されているため、オイル供給通路41−3は、小端部42に形成されており、コンロッド4の大端部43およびコラム部44には形成されていない。従って、コンロッド4の大端部43およびコラム部44に対する強度の向上および/またはコンロッド4の大端部43およびコラム部44に対する軽量化を図ることができる。これらにより、コンロッド4の強度を向上および/または軽量化を図ることができる。
以上のように、この発明にかかるオイル供給装置は、ピストンピンとピン穴との間にオイルを供給するオイル供給装置に有用であり、特に、オイルポンプの大型化を抑制するあるいはピストンピンとピン穴との焼き付きを抑制するのに適している。
1−1〜3 内燃機関
2 シリンダブロック
21 シリンダライナ
3 ピストン
31 外表面
32 オイルリング
33 裏面
34 ピストンピン
4 コンロッド
41−1〜3 オイル供給通路
42 小端部
43 大端部
44 コラム部
44a コラム部壁面
45 ピン穴
46 ベアリング
5 クランクケース
6 クランク室
7 クランクシャフト
8−1〜3 オイル供給装置
9 オイルジェット装置(オイル供給手段)
91 ジェットノズル
91a,b 先端部
92 オイルタンク
93 オイルポンプ
94 オイル配管
2 シリンダブロック
21 シリンダライナ
3 ピストン
31 外表面
32 オイルリング
33 裏面
34 ピストンピン
4 コンロッド
41−1〜3 オイル供給通路
42 小端部
43 大端部
44 コラム部
44a コラム部壁面
45 ピン穴
46 ベアリング
5 クランクケース
6 クランク室
7 クランクシャフト
8−1〜3 オイル供給装置
9 オイルジェット装置(オイル供給手段)
91 ジェットノズル
91a,b 先端部
92 オイルタンク
93 オイルポンプ
94 オイル配管
Claims (6)
- ピストンのピストンピンと、コンロッドの当該ピストンピンを回転自在に支持するピン穴との間にオイルを供給するオイル供給装置において、
前記コンロッドの壁面に形成されるオイル供給口と前記ピン穴とを連通するオイル供給通路と、
前記オイル供給口にコンロッドの外部からオイルを供給するオイル供給手段と、
を備えることを特徴とするオイル供給装置。 - 前記オイル供給口は、前記コンロッドのコラム部のコラム部壁面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオイル供給装置。
- 前記オイル供給口は、前記ピストンが下死点から上死点に移動する際に前記オイル供給手段と近づく側のコラム部壁面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のオイル供給装置。
- 前記オイル供給口が形成されている前記一方のコラム部壁面と対向する他方のコラム部壁面に、前記オイル供給通路と連通するオイル吐出口が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオイル供給装置。
- 前記オイル供給口は、前記コンロッドの前記ピン穴が形成される小端部の前記ピストンが下死点に位置した際に前記オイル供給手段と近づく小端部壁面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオイル供給装置。
- 前記オイル供給手段は、ピストンの裏面にオイルを供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオイル供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004363268A JP2006170066A (ja) | 2004-12-15 | 2004-12-15 | オイル供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004363268A JP2006170066A (ja) | 2004-12-15 | 2004-12-15 | オイル供給装置 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010209844A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Toyota Motor Corp | コンロッド冷却構造 |
JP2012251611A (ja) * | 2011-06-03 | 2012-12-20 | Honda Motor Co Ltd | 無段変速機の潤滑油供給構造 |
JP2012251612A (ja) * | 2011-06-03 | 2012-12-20 | Honda Motor Co Ltd | 無段変速機の潤滑油供給構造 |
WO2013020478A1 (zh) * | 2011-08-05 | 2013-02-14 | 无锡开普动力有限公司 | 一种用于往复活塞式内燃机活塞连杆的冷却润滑结构 |
DE102013222554A1 (de) | 2012-11-07 | 2014-05-08 | Honda Motor Co., Ltd. | Kolben für einen verbrennungsmotor |
CN110219712A (zh) * | 2019-06-28 | 2019-09-10 | 天津大学 | 发动机喷射润滑连杆 |
-
2004
- 2004-12-15 JP JP2004363268A patent/JP2006170066A/ja active Pending
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